JP5403574B2 - タール吸収塔から抜き出された活性炭を再利用したガス化システム - Google Patents
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Description
例えば、図3に示す従来のガス化システムの一例においては、ガス化炉で製造したガス化ガスを、熱交換器、ボイラ、及びスクラバを通過させた後に、タール吸収塔で活性炭により、主に軽質タールを除去し、ガスエンジンにより発電させている。
しかしながら、このタール吸収塔において吸着剤として利用する市販の活性炭は、非常に高価であるため、使用済みの活性炭の有効利用を図ることが必要とされている。
例えば、特許文献1には使用済み活性炭の有効利用について記載されており、該特許文献に記載の方法は、廃棄物を熱分解させ、その残渣を溶融炉に送る前に、活性炭状残渣を選別して分離し、活性炭充填吸収塔に活性炭に代えて供給して、ダイオキシンを高度に処理する方法であって、使用済みの活性炭状残渣は、回収して溶融炉で燃焼溶融処理するとしている。しかしながら、該方法は、ガス化炉内でガス化を促進させるために利用するものではない。
また、本発明者らは、ガス化炉を、さらにアルカリ吸収炉とチャーガス化炉とに分離して、熱分解ガスとガス化ガスをそれぞれ別々に取り出す方法を提案している(下記特許文献4参照)。該提案のガス化方法及びガス化反応炉によれば、チャーガス化において、熱分解ガス及びタールによる阻害の影響をなくすことができる。さらに、気泡流動層としたアルカリ吸収炉において、アルカリ含有量が高い固体燃料からアルカリを蒸発させ、それをチャーの含有量が高い固体燃料に吸着させて、アルカリをチャーのガス化を促進させる触媒として利用することで、チャーガス化炉において、チャーのガス化が促進される。
すなわち、本発明によれば、以下の発明が提供される。
(2)前記活性炭を流動媒体の代わりとして用い、タールを吸着した活性炭を前記燃焼炉に導入し、該燃焼炉内で表面燃焼させることにより吸着したタール部分を燃焼させて再活性化し、該再活性化した活性炭を前記アルカリ吸収炉へ再供給することを特徴とする(1)に記載のガス化システム。
(第1の形態)
図1は、本発明に用いる反応炉の第1の形態を示す概要図であって、アルカリ吸収炉、ガス化炉、及び燃焼炉がそれぞれ独立して設けられ、それぞれの炉が連通路によりこの順に連結されている炭化水素系固体燃料のガス化反応炉を少なくとも有するガス化システムにおいて、下流に設けられたタール吸収塔から抜き出された活性炭を利用する1例を示すものである。
図1に示す炭化水素系固体燃料のガス化反応炉において、固体燃料及び流動媒体は、アルカリ吸収炉、連結路、ガス化炉、連通路、燃焼炉、サイクロン(図示せず)及びダウンカマー(図示せず)を経て、再加熱された流動媒体がアルカリ吸収炉に送られる。
以下、炉毎に順に詳述する。
タール吸収塔から抜き出された活性炭は、上記の高含有チャーの燃料と同じ供給ポートから供給され、側部から供給された高含有アルカリの燃料の熱分解持に蒸発したアルカリは、チャー及び活性炭に吸着される。
またアルカリ吸収炉の上部には、発生した熱分解ガスを取り出す手段が設けられている。取り出された熱分解ガスは、可燃性ガスの一種であって、燃料電池やガスエンジンによる発電、液体燃料などに利用されるが、タールを含んでいる。このタールを、活性炭に吸着させることもでき、ガス化炉の後段、特にスクラバでのガス洗浄後の水処理が軽減される。
ガス化炉内で生成したガス化ガスは、ガス化炉上部より取り出す一方、残渣チャーと流動媒体は、次の燃焼炉へ導入される。
取り出された燃焼ガスは、熱源として利用されるものであり、その一部はアルカリ吸収炉に再循環させる。また、前記ガス化炉又は燃焼炉に導入する空気や蒸気等の予熱としても利用できる。
活性炭は、本来多孔質な粒子であるためにタールを吸収しやすい。高濃度循環させるために、燃焼炉で残渣チャーが完全燃焼しない場合には、炉内の熱バランスが崩れてしまうが、その場合には、燃焼炉へ炭化水素系固体燃料を供給し、揮発分の一部を燃焼させ、残渣分をアルカリ吸収炉に送る。
タール吸収塔から抜き出された活性炭の、前記タール吸着及び流動媒体への有効利用においては、図2に示すような二塔式ガス化反応炉へも適用可能である。
すなわち、図2は、本発明に用いる反応炉の第2の形態を示す概要図であって、ガス化炉、及び燃焼炉がそれぞれ独立して設けられ、それぞれの炉が連通路によりこの順に連結されている炭化水素系固体燃料のガス化反応炉を少なくとも有するガス化システムにおいて、下流に設けられたタール吸収塔から抜き出された活性炭を、ガス化炉に供給して、再利用する1例を示すものである。
図2に示す炭化水素系固体燃料のガス化反応炉において、固体燃料及び流動媒体は、ガス化炉、連通路、燃焼炉、サイクロン(図示せず)及びダウンカマー(図示せず)を経て、再加熱された流動媒体がガス化炉に送られる。
該ガス化炉内で生成したガス化ガスは、ガス化炉上部より取り出す一方、残渣チャー及びタールを吸着した活性炭と、流動媒体は、次の燃焼炉へ導入される。
高濃度循環させるために、燃焼炉で残渣チャーが完全燃焼しない場合には、炉内の熱バランスが崩れてしまうが、その場合には、燃焼炉へ炭化水素系固体燃料を供給し、揮発分の一部を燃焼させ、残渣分をガス化炉に送る。
Claims (4)
- 炭化水素系固体燃料の熱分解の際に蒸発したアルカリをチャーに吸着させるアルカリ吸収炉、前記アルカリ吸収炉から導入されたチャーをガス化するガス化炉、及び前記ガス化炉から導入された残渣チャーを燃焼して燃焼ガスを生成する燃焼炉がそれぞれ独立して設けられ、それぞれの炉が連通路によりこの順に連結されている炭化水素系固体燃料のガス化反応炉を用いるガス化システムにおいて、前記ガス化炉で製造されたガスからタールを除去するために設けられたタール吸収塔から、使用済みの活性炭を抜き出して前記アルカリ吸収炉へ供給し、該活性炭に前記固体燃料から蒸発したアルカリを吸着させて、ガス化炉における活性炭に吸着されたタール及び活性炭のガス化を促進させることを特徴とするガス化システム。
- 前記活性炭を流動媒体の代わりとして用い、タールを吸着した活性炭を前記燃焼炉に導入し、該燃焼炉内で表面燃焼させることにより吸着したタール部分を燃焼させて再活性化し、該再活性化した活性炭を前記アルカリ吸収炉へ再供給することを特徴とする請求項1に記載のガス化システム。
- 炭化水素系固体燃料をガス化させるガス化炉と、該ガス化炉から導入された残鎖チャーを燃焼して燃焼ガスを生成する燃焼炉がそれぞれ独立して設けられ、それぞれの炉が連通路によりこの順に連結されている炭化水素系固体燃料のガス化反応炉を用いるガス化システムにおいて、前記ガス化炉で製造されたガスからタールを除去するために設けられたタール吸収塔から、使用済みの活性炭を抜き出して前記ガス化炉に供給し、該活性炭をタール吸着剤として再利用することを特徴とするガス化システム。
- 前記活性炭を流動媒体の代わりとして用い、タールを吸着した活性炭を前記燃焼炉に導入し、該燃焼炉内で表面燃焼させることにより吸着したタール部分を燃焼させて再活性化し、該再活性化した活性炭を前記ガス化炉へ再供給することを特徴とする請求項3に記載のガス化システム。
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