JP2009173717A - 燃料ガス精製設備及び燃料ガス精製設備の運転方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 種々の原料から製造された原料ガスに含まれる多種の不純物が高温の乾式法により一括して除去することができ、しかも、多目的に応用できる燃料ガスを得ることができる燃料ガス精製設備を提供する。
【解決手段】 高温分解装置12及びバグフィルター18により、タール、炭化水素類、ダスト、ハロゲン化物(粗精製)が、熱分解、物理的濾過、化学反応で除去される(一次精製系)。また、水銀除去器21及び複合反応器22により、水銀、ハロゲン化物、硫黄化合物が、化学吸着、化学反応、保温した反応器への通ガスのみで精製され、バイオマスから製造された原料ガスであっても、高温燃料電池用の燃料ガスとして使用できるレベルに不純物が除去された、即ち、極めて清浄度の高い燃料ガスを得る。
【選択図】 図2

Description

本発明は、ガス温度を露点以下に下げない乾式法により原料ガスから不純物を除去して燃料ガスとする燃料ガス精製設備に関する。
また、本発明は、ガス温度を露点以下に下げない乾式法により原料ガスから不純物を除去して燃料ガスとする燃料ガス精製設備の運転方法に関する。
近年、資源の有効利用や廃棄物の減量化が求められており、バイオマスから製造した原料ガスや廃棄物から製造した原料ガスを燃料ガスとすることが考えられている。多様な燃料ガスには環境に影響を与える不純物が含まれているため、多成分の不純物を除去して品質を高める、いわゆる燃料ガスの精製技術が従来から提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
例えば、特許文献1では、湿式のガス精製を用いて、還元性ガス中の不純物を除去する有機性廃棄物の資源化方法及び資源化装置が提案されている。即ち、特許文献1で開示された技術は、アルカリ洗浄液を用いたスクラバによる水溶性の酸性ガス及びダストの除去、シフト反応装置(触媒反応器)によるCOのH2への変換、湿式脱硫装置によるH2SやCO2の除去、という工程を備えている。この技術では、廃棄物のガス化装置から、H2を含むアンモニア合成プロセス向けとしてアンモニア合成に適した組成の燃料ガスが得られる。
また、特許文献2では、還元性ガス中の不純物を除去するガス精製方法及びガス精製設備が提案されている。即ち、特許文献2で開示された技術は、石炭ガス化ガスに含まれる塩化水素並びにアンモニアを、低温度における塩化アンモニウム精製反応によって固体として除去する技術である。この技術は、石炭ガス化ガスを燃料ガスとして適用できるようにしたものである。
一方、大気に放出される排気ガスから環境に影響を与える多成分の不純物を除去する排ガス処理装置としては、例えば、特許文献3、特許文献4が知られている。排ガス処理の分野は、特定の成分が環境に排出されないことが第1の目的であるため、処理後のガスの品質には関知していない。この点において、処理後のガスの品質を向上させることが第一の目的である燃料ガス精製とは技術的な思想が相違する。
燃料ガスの精製技術の分野においては、特許文献1で提案されているように、不純物を除去してH2を含むアンモニア合成プロセス向けとしてアンモニア合成に適した組成の燃料ガスを得ること、即ち、特定の組成の燃料ガスを得る技術が知られている。このため、環境に影響を与える不純物を除去して用途を特定した燃料ガスを得ることはできるが、精製された燃料ガスを、例えば、溶融炭酸塩型燃料電池の燃料ガス、燃焼タービンの燃料ガス、あるいは化学合成用の原料ガスといった種々の用途に用いることができないのが実情であった。
ここで、本明細書では、燃料ガスの定義としては、例えば、溶融炭酸塩型燃料電池に適用される電池反応用の燃料ガス、燃焼タービンに適用される燃焼用の燃料ガス、化学合成用の原料ガスの意味を含めて燃料ガスとして説明してある。つまり、燃料ガスとしては燃焼に用いられるものに限らず、各種の化学反応用に用いられる原料ガスについても燃料ガスと称している。
また、特許文献2で提案されているように、石炭ガス化ガスを精製して燃料ガスとして適用できるようにすること、即ち、特定の原料ガスから不純物を除去して燃料ガスを得る技術が知られている。このため、環境に影響を与える不純物を除去した燃料ガスを特定の原料ガスから得ることはできるが、バイオマスから製造した原料ガスや廃棄物から製造した原料ガスといった不純物が特定されていない原料ガスを精製して燃料ガスを供給することができないのが実情であった。
つまり、不純物が特定されていない種々の原料ガスから多成分の不純物を除去して種々の機器に対する燃料ガスの精製技術は確立されていないのが現状である。
特開平10−236801号公報 特開平11−57402号公報 特開平8−28856号公報 特開2004−167388号公報
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、種々の原料から製造された原料ガスに含まれる多種の不純物が高温の乾式法により一括して除去することができ、しかも、多目的に応用できる燃料ガスを得ることができる燃料ガス精製設備を提供することを目的とする。
特に、バイオマスや廃棄物から製造した原料ガスにはタールやダイオキシン、重金属類、軽金属類、酸性ガス類等不特定の多種の不純物が含まれているが、このような、バイオマスや廃棄物から製造された原料ガスであっても、燃料電池用の燃料ガスとして使用できるレベルに不純物が除去された燃料ガスを得ることができる燃料ガス精製設備を提供することを目的とする。
また、本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、種々の原料から製造された原料ガスに含まれる多種の不純物が高温の乾式法により一括して除去することができ、しかも、多目的に応用できる燃料ガスを得ることができる燃料ガス精製設備の運転方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための請求項1に係る本発明の燃料ガス精製設備は、ガス温度を露点以下に下げない乾式法により原料ガスから不純物を除去して燃料ガスとする燃料ガス精製設備において、原料ガスを高温の加熱流路に流通させることで熱分解性の不純物を除去する高温分解手段と、高温分解手段で不純物が除去された原料ガスにハロゲン化物吸収剤を吹き込むことでハロゲン化物を固定するハロゲン化物固定手段と、ハロゲン化物固定手段で固定されたハロゲン化物を物理的な濾過によって除去する物理的濾過手段と、物理的濾過手段でハロゲン化物が除去された原料ガスを流通させて重金属類を吸着剤に吸着させる吸着除去手段と、物理的濾過手段でハロゲン化物が除去された原料ガスを流通させて触媒により化学変換してハロゲン化物及び硫化物を除去する触媒変換手段とを備えたことを特徴とする。
請求項1の本発明では、高温分解手段により、タール、芳香族炭化水素等の不飽和炭化水素、ダイオキシン類等の有機塩素化合物が熱分解により除去され、ハロゲン化物固定手段でハロゲン化物吸収剤が吹き込まれてハロゲン化物が固定化され、物理的濾過手段により、固定化されたダスト、チャー等の固体状不純物及びアルカリ金属やアルカリ土類金属等の揮発性の軽金属類が除去され、吸着除去手段により、水銀等の重金属単体や重金属を含むガス状化合物等の重金属類が吸着除去され、触媒変換手段により、ハロゲン化物及び硫化物等の酸性ガスが除去され、多種の不純物の除去された燃料ガスが乾式の高温下で精製される。
そして、請求項2に係る本発明の燃料ガス精製設備は、請求項1に記載の燃料ガス精製設備において、触媒変換手段には、吸着除去手段で重金属類が除去された原料ガスが流通することを特徴とする。
請求項2に係る本発明では、吸着除去手段で重金属類が除去された原料ガスからハロゲン化物及び硫化物が除去される。
また、請求項3に係る本発明の燃料ガス精製設備は、請求項1もしくは請求項2に記載の燃料ガス精製設備において、物理的濾過手段は、消石灰がプレコートされたバグフィルターであることを特徴とする。
請求項3に係る本発明では、消石灰がプレコートされたバグフィルターによりハロゲン化物及びアルカリ金属・アルカリ土類金属等の揮発性の軽金属類が濾過されて除去される。
また、請求項4に係る本発明の燃料ガス精製設備は、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の燃料ガス精製設備において、吸着除去手段は、銅を主体として水銀を吸収する銅系吸収剤及び触媒作用あるいは化学反応性を有する成分を担持させ水銀との化学反応により生成した塩を吸着することで水銀を除去する添着活性炭であることを特徴とする。
請求項4に係る本発明では、銅を主体として水銀を吸収する銅系吸収剤及び触媒作用あるいは化学反応性を有する成分を担持させ水銀との化学反応により生成した塩を吸着することで水銀を除去する添着活性炭により、水銀が除去される。
また、請求項5に係る本発明の燃料ガス精製設備は、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の燃料ガス精製設備において、触媒変換手段は、ハロゲン化物吸収剤及び酸化亜鉛系脱硫剤であることを特徴とする。
請求項5に係る本発明では、ハロゲン化物吸収剤及び酸化亜鉛系脱硫剤により、ハロゲン化物及び硫化物が除去される。
また、請求項6に係る本発明の燃料ガス精製設備は、請求項5に記載の燃料ガス精製設備において、触媒変換手段は、硫化カルボニルが硫化水素に変換される酸化亜鉛系のCOS触媒を有していることを特徴とする。
請求項6に係る本発明では、酸化亜鉛系のCOS触媒により硫化カルボニル(COS)が硫化水素(H2S)に変換されてCOSが除去される。
また、請求項7に係る本発明の燃料ガス精製設備は、請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の燃料ガス精製設備において、原料ガスは、化石燃料、バイオマス、廃棄物をガス化した原料ガスであり、精製された燃料ガスは高温型燃料電池の燃料ガスとして用いられることを特徴とする。
請求項7に係る本発明では、化石燃料、バイオマス、廃棄物をガス化した原料ガスを精製して高温型燃料電池の燃料ガスとして用いられる。
上記目的を達成するための請求項8に係る本発明の燃料ガス精製設備は、バイオマス・廃棄物をガス化した原料ガスの温度を露点以下に下げない乾式法により原料ガスから不純物を除去して高温型燃料電池の燃料ガスとする燃料ガス精製設備において、原料ガスを高温のハニカム通路に流通させることで熱分解性の不純物であるタール・芳香族炭化水素等の不飽和炭化水素及びダイオキシン類等の有機塩素化合物を除去する高温分解手段と、高温分解手段で不純物が除去された原料ガスにハロゲン化物吸収剤を吹き込むことでハロゲン化物を固定するハロゲン化物固定手段と、少なくともハロゲン化物固定手段で固定されたハロゲン化物を除去する消石灰がプレコートされたバグフィルターと、バグフィルターでハロゲン化物及びアルカリ金属・アルカリ土類金属等の揮発性の軽金属類が除去された原料ガスを流通させて、銅を主体として水銀を吸収する銅系吸収剤及び触媒作用あるいは化学反応性を有する成分を担持させ水銀との化学反応により生成した塩を吸着することで水銀を除去する添着活性炭に、水銀単体・重金属類を含むガス状化合物を吸着させる吸着除去手段と、重金属類が除去された原料ガスを流通させて、ハロゲン化物吸収剤及び酸化亜鉛系脱硫剤で、ハロゲン化物・硫黄化合物等の酸性ガスを除去する触媒変換手段とを備えたことを特徴とする。
請求項8の本発明では、高温分解手段では、原料ガスが高温のハニカム通路に流通されることで、熱分解性の不純物であるタール・芳香族炭化水素等の不飽和炭化水素及びダイオキシン類等の有機塩素化合物が熱分解により除去され、ハロゲン化物固定手段で原料ガスにハロゲン化物吸収剤が吹き込まれてハロゲン化物が固定され、少なくともハロゲン化物固定手段で固定されたハロゲン化物を除去する消石灰がプレコートされているバグフィルターでは、固定化されたダスト、チャー等の固体状不純物及びアルカリ金属・アルカリ土類金属等の揮発性の軽金属類が除去され、吸着除去手段では、銅を主体として水銀を吸収する銅系吸収剤及び触媒作用あるいは化学反応性を有する成分を担持させ水銀との化学反応により生成した塩を吸着することで水銀を除去する添着活性炭により、水銀単体・重金属類を含むガス状化合物が吸着除去され、触媒変換手段では、ハロゲン化物吸収剤及び酸化亜鉛系脱硫剤で、ハロゲン化物・硫黄化合物等の酸性ガスが除去され、多種の不純物の除去された燃料ガスが乾式の高温下で精製される。
そして、請求項9に係る本発明のガス精製設備は、請求項8に記載の燃料ガス精製設備において、触媒変換手段には、硫化カルボニルが硫化水素に変換される酸化亜鉛系のCOS触媒を有していることを特徴とする。
請求項9に係る本発明では、酸化亜鉛系のCOS触媒により硫化カルボニルが硫化水素に変換される。
また、請求項10に係る本発明の燃料ガス精製設備は、請求項1〜請求項9のいずれか一項に記載の燃料ガス精製設備において、精製された燃料ガスは、溶融炭酸塩型燃料電池の燃料として用いられることを特徴とする。
請求項10に係る本発明では、化石燃料、バイオマス、廃棄物をガス化した原料ガスを精製して溶融炭酸塩型燃料電池の燃料ガスとして用いられる。
上記目的を達成するための請求項11に係る本発明の燃料ガス精製設備の運転方法は、原料ガスを高温の加熱流路に流通させることで熱分解性の不純物を除去し、不純物が除去された原料ガスにハロゲン化物吸収剤を吹き込むことでハロゲン化物を固定し、固定されたハロゲン化物を物理的な濾過によって除去し、ハロゲン化物が除去された原料ガスを流通させて重金属類を吸着剤に吸着させ、ハロゲン化物が除去された原料ガスを流通させて触媒により化学変換してハロゲン化物及び硫化物を除去する燃料ガス精製設備において、原料ガスを高温の加熱流路に流通させる前に、空気または不活性ガスを加熱用流体として高温の加熱流路に流入させて加熱用流体に熱を与え、加熱流体を下流側に流通させることで、下流のハロゲン化物を固定する機器、及びハロゲン化物を物理的に濾過する機器、及び重金属類を吸着する機器、及びハロゲン化物、硫化物を化学変換する機器を加温することを特徴とする。
請求項11に係る本発明では、水蒸気を含むガス化ガスを流入させたときに、燃料ガス精製設備内で水蒸気の凝縮が防止され、燃料ガス精製設備を円滑に運転することが可能になる。
本発明の燃料ガス精製設備は、種々の原料から製造された原料ガスに含まれる多種の不純物が高温の乾式法により一括して除去することができ、しかも、多目的に応用できる燃料ガスを得ることができる燃料ガス精製設備とすることが可能となる。
そして、発明の燃料ガス精製設備は、特に、バイオマスや廃棄物から製造した原料ガスにはタールやダイオキシン、重金属類、軽金属類、酸性ガス類等不特定の多種の不純物が含まれているが、このような、バイオマスや廃棄物から製造された原料ガスであっても、高温燃料電池用の燃料ガスとして使用できるレベルに不純物が除去された、即ち、極めて清浄度の高い燃料ガスを得ることができる燃料ガス精製設備とすることが可能となる。
本発明の燃料ガス精製設備の運転方法は、種々の原料から製造された原料ガスに含まれる多種の不純物が高温の乾式法により一括して除去することができ、しかも、多目的に応用できる燃料ガスを得ることができる燃料ガス精製設備を運転する際に、水蒸気を含むガス化ガスを流入させたときに、燃料ガス精製設備内で水蒸気の凝縮が防止され、燃料ガス精製設備を円滑に運転することが可能になる。
本願発明は、石炭、重質油、オリマルジョン、紙ごみや生活廃棄物などの廃棄物、バイオマス、ゴミ固形燃料(Refuse Derived Fuel、RDF)、古紙と廃プラスチックからなる固形燃料(Refuse Paper and Plastic Fuel、RPF)等を部分酸化して得られた原料ガス、即ち、不純物として何が入っていても除去して燃料ガスとして精製する設備であり、ガス燃焼ボイラ用の燃料、一般の燃焼用燃料、ガスエンジン用の燃料、ガスタービン用の燃料、高温燃料電池用の燃料、化学合成用の燃料ガス(原料ガス)として用いることができる燃料ガスを得る設備である。多成分の不純物を除去するにあたり、ガス温度を露点以下に下げない乾式法により除去が実施され、下流で除去する不純物が上流側の除去プロセスに悪影響を与えない(邪魔しない)システムが構築されている。
特に、バイオマスや廃棄物から製造した原料ガスにはタールやダイオキシン、重金属類、軽金属類、酸性ガス類等不特定の多種の不純物が含まれているが、このような、バイオマスや廃棄物から製造された原料ガスであっても、高温燃料電池(溶融炭酸塩型燃料電池、固体酸化物型燃料電池)用の燃料ガスとして使用できるレベルに不純物が除去された燃料ガスを得ることができる燃料ガス精製設備としている。
図1に基づいて本発明の燃料ガス精製設備を説明する。図1は本発明の一実施形態例に係る燃料ガス精製設備の概略系統を示してある。
図に示すように、原料ガス供給装置1で得られた原料ガスが高温分解手段としての熱分解処理装置2で1000℃以上(1100℃〜1200℃)に加熱されてタールや高位炭化水素が熱分解処理される。熱分解処理装置2は、原料ガスを高温の加熱流路に流通させることで熱分解性の不純物が除去される。熱分解処理装置2で不純物処理を行うと、熱分解性の不純物のうちタールや炭化水素類に代表される有機化合物は、主にCOやH2等の燃料成分に変換され、ダイオキシンに代表される有機塩素化合物は毒性が低減されて炭化水素等の不純物とCOやH2等の燃料成分に変換される。
つまり、有機系不純物(タール、炭化水素類、有機塩素化合物等)を燃料として有効利用することができる。また、使用済みの吸着剤等の廃棄物が存在せず(廃棄物の再生産がない)、濾過材を洗浄する等の後処理が不要、即ち、洗浄液等の廃棄物の再生産や廃棄処理が不要で、無触媒であり劣化による経時的な性能低下が少ない、といった特徴を有している。
原料ガス供給装置1は、バイオマスや紙ごみや生活廃棄物などの廃棄物をガス化するガス化炉が適用される。その他、原料ガス供給装置1で供給される原料ガスとしては、石炭、重質油、オリマルジョン、ゴミ固形燃料、古紙と廃プラスチックからなる固形燃料等を部分酸化して得られた原料ガス、即ち、不純物として多種多様な不純物が含まれている原料ガスが適用される。
熱分解性の不純物が除去された原料ガスは熱交換器3で減温され、ハロゲン化物吸収剤が吹き込まれて(ハロゲン化物固定手段)原料ガス中のハロゲン化物が180℃以下の温度域で物理的濾過手段としての除塵装置4によって物理的に濾過される。除塵装置4ではダスト、チャー等の固体状不純物が除去される。この時、凝縮性の水銀等の重金属類単体や重金属類を含むガス状化合物等の重金属類や、アルカリ金属やアルカリ土類金属等の揮発性の軽金属類も同時に除去することができる。
除塵装置4で固体不純物が除去された原料ガスは、吸着手段としての吸着除去装置5で吸着剤によって水銀が除去される。重金属の中で水銀は蒸気圧が高いため一部ガス状水銀として溜まるので、吸着剤によって処理する。吸着剤としては、銅を主体として水銀を吸収する銅系吸収剤及び触媒作用あるいは化学反応性を有する成分を担持させ水銀との化学反応により生成した塩を吸着することで水銀を除去する添着活性炭が用いられる。
吸着除去装置5でガス状の水銀が除去された原料ガスは、熱交換器7で400℃以上(450℃)に昇温されて触媒変換手段としての不純物固定装置8、9でハロゲン化物、硫黄化合物等の酸性ガスが除去される。不純物固定装置8ではハロゲン化物吸収剤が用いられ、不純物固定装置9では酸化亜鉛系脱硫剤が用いられる。熱交換器7の熱媒体としては、熱交換器3で減温された原料ガスの顕熱が利用される。
酸化亜鉛系脱硫剤は、硫化カルボニル(COS)や硫化水素(H2S)等の硫黄化合物を極低濃度まで除去して、溶融炭酸塩型燃料電池等の高温燃料電池の燃料として要求される清浄度(H2S+COS<1ppm)を達成することができる。酸化亜鉛系脱硫剤自体が水素化触媒の機能を持っているため、硫化カルボニル(COS)を始めとする有機硫黄化合物にも性能を発揮することができる。
不純物固定装置8、9でハロゲン化物、硫黄化合物等の酸性ガスが除去されて精製された燃料ガスは、精製ガス利用装置10に送られる。精製ガス利用装置10は、高温燃料電池である溶融炭酸塩型燃料電池(MCFC)や固体酸化物型燃料電池(SOFC)が適用される。その他、精製ガス利用装置10は、ガス燃焼ボイラ、一般の燃焼用機器、ガスエンジン、ガスタービン用燃焼器、化学合成用機器が適用される。
上述した燃料ガス精製設備では、熱分解処理装置2及び除塵装置4により、タール、炭化水素類、ダスト、ハロゲン化物(粗精製)が、熱分解、物理的濾過、化学反応で除去される(一次精製系)。また、吸着除去装置5及び不純物固定装置8、9により、水銀、ハロゲン化物、硫黄化合物が、化学吸着、化学反応、保温した反応器への通ガスのみで精製される(二次精製系)。
図2に基づいて燃料ガス精製設備を具体的に説明する。図2には本発明の一実施形態例に係る燃料ガス精製設備の具体的な系統構成を示してある。図2に示した構成は、図1に示した系統を具体的にしたものであり、図1に示した装置に対応する部材には図1で示した名称及び符合を括弧書きにして説明してある。
図2に示した燃料ガス精製設備は、バイオマスをガス化した原料ガスの温度を露点以下に下げない乾式法により原料ガスから不純物を除去して高温型燃料電池である溶融炭酸塩型燃料電池(MCFC)の燃料として供給する設備を想定している。
図に示すように、バイオマスガス化炉11(原料ガス供給装置1)で得られた原料ガスは高温分解装置12(熱分解処理装置2)に送られ、熱分解性の不純物であるタール・芳香族炭化水素等の不飽和炭化水素及びダイオキシン類等の有機塩素化合物が除去される。高温分解装置12は、燃焼室13及び流通室14が備えられ、燃焼室13及び流通室14にわたりハニカム体15が回転自在に備えられている。燃焼室13で燃料が燃焼されて燃焼室13側に位置するハニカム体15が加熱される。ハニカム体15の回転により加熱された部位が流通室14に位置し、加熱されたハニカム体15を原料ガスが流通することにより1000℃以上(1100℃〜1200℃)に加熱されて不純物が熱分解される。燃焼室13には空気予熱器16で予熱された空気及び燃料もしくは精製ガスが供給される。
熱分解性の不純物が除去された原料ガスは空気予熱器16の熱源として熱交換された後(170℃)、減温器17(熱交換器3)で減温(120℃〜160℃)され、ハロゲン化物吸収剤が吹き込まれてバグフィルター18(除塵装置4)に送られる。バグフィルター18は並列に2系統備えられ、バグフィルター18には消石灰がプレコートされている。バグフィルター18ではダスト、チャー等の固体状不純物が除去される。この時、凝縮性の水銀等の重金属類単体や重金属類を含むガス状化合物等の重金属類や、アルカリ金属やアルカリ土類金属等の揮発性の軽金属類が同時に除去される。
バグフィルター18で不純物が除去された原料ガスは冷却媒体として減温器17を流通した後、昇圧機19で昇圧されると共に昇温器20で昇温されて水銀除去器21(吸着除去装置5)に送られる。水銀除去器21には水銀除去剤として、銅を主体として水銀を吸収する銅系吸収剤及び触媒作用あるいは化学反応性を有する成分を担持させ水銀との化学反応により生成した塩を吸着することで水銀を除去する添着活性炭が充填されている。原料ガスを水銀除去器21に流通させることにより、水銀単体・重金属類を含むガス状化合物が水銀除去剤に吸着され水銀が除去される。
水銀が除去された原料ガスは昇温器21(熱交換器7)で400℃以上(450℃)に昇温されて複合反応器22に送られる。複合反応器22には、脱ハロゲン吸収剤としてのハロゲン化物吸収剤(不純物固定装置8)が充填されると共に、脱硫剤としての酸化亜鉛系脱硫剤(不純物固定装置9)が充填されている。原料ガスを複合反応器22に流通させることにより、ハロゲン化物・硫黄化合物等の酸性ガスが除去される。また、酸化亜鉛系脱硫剤は、硫化カルボニル(COS)や硫化水素(H2S)等の硫黄化合物を極低濃度まで除去して、溶融炭酸塩型燃料電池等の高温燃料電池の燃料として要求される清浄度(H2S+COS<1ppm)を達成することができる。酸化亜鉛系脱硫剤自体が水素化触媒の機能を持っているため、硫化カルボニル(COS)を始めとする有機硫黄化合物を除去することができる。
複合反応器22でハロゲン化物、硫黄化合物等の酸性ガスが除去されて精製された燃料ガスは、溶融炭酸塩型燃料電池(MCFC)や固体酸化物型燃料電池(SOFC)である発電装置23(精製ガス利用装置10)に供給される。
上述した燃料ガス精製設備では、高温分解装置12及びバグフィルター18により、タール、炭化水素類、ダスト、ハロゲン化物(粗精製)が、熱分解、物理的濾過、化学反応で除去される(一次精製系)。また、水銀除去器21及び複合反応器22により、水銀、ハロゲン化物、硫黄化合物が、化学吸着、化学反応、保温した反応器への通ガスのみで精製される(二次精製系)。
バイオマスや廃棄物から製造した原料ガスにはタールやダイオキシン、重金属類、軽金属類、酸性ガス類等不特定の多種の不純物が含まれているが、上述した燃料ガス精製設備で燃料ガスを精製することにより、バイオマスから製造された原料ガスであっても、高温燃料電池用の燃料ガスとして使用できるレベルに不純物が除去された、即ち、極めて清浄度の高い燃料ガスを得ることが可能になる。
尚、図3に示したように、複合反応器22のハロゲン化物吸収剤と酸化亜鉛系脱硫剤との間にCOS変換触媒を充填することも可能である。精製対象となる燃料ガスの組成(硫黄化合物の種類と濃度)や、燃料ガスが供給される発電装置の要求するガス条件(温度や清浄度)によって、COS変換触媒を用いるか否かが判断される。COS変換触媒によって脱硫剤の性能を補助した最適条件で運転した場合に、脱硫剤の使用長さがどの程度長くなるかによる運転コスト及び低減できる脱硫剤のコスト(低減コスト)と、COS変換触媒のコスト(増加コスト)とを勘案し、複合反応器22にCOS変換触媒が充填されるか否かが決定される。
図4に基づいて二次精製系におけるガス流量及び硫黄化合物濃度の経時変化を説明する。図4には硫黄化合物の除去性能を表すグラフを示してある。
図中の横軸は、試験時間であり、下側の縦軸は、複合反応器22の入口、即ち、二次精製系入口及び複合反応器22の出口の硫黄化合物濃度(ppm)、上側の縦軸は二次精製系ガス流量(m3N/h)、脱硫剤層の温度(℃)である。二次精製系入口の硫黄化合物濃度は太実線、複合反応器22の出口の硫黄化合物濃度は太点線、二次精製系ガス流量は一点鎖線、脱硫剤層の温度は二点鎖線で示してある。
複合反応器22には予め酸化亜鉛系脱硫剤を充填した脱硫剤層が形成され、脱硫剤層は模擬燃料ガス中の水分が凝縮しないことに加えて酸化亜鉛系脱硫剤の性能が十分発揮されるように予め300℃に加温されている。高温分解装置12にはバイオマスガス化炉で発生させたバイオマスガス化ガスの代わりに燃料と水蒸気を流入させ、高温で水蒸気改質を行うことによって、模擬燃料ガスを発生させることができる。このため、模擬燃料ガスを用いて燃料ガス精製設備の性能を検証することができる。
そこで、脱硫剤層を含む複合反応器22に模擬燃料ガスを100m3N/h流入させて性能検証を行った。
試験時間0.5時間の時点から、模擬燃料ガスに硫化水素を添加することにより、複合反応器22の入口にはおよそ600ppmの硫化水素が流入していることが示されている。これに対して、複合反応器22の出口で測定した全硫黄化合物の濃度は測定に用いた分析装置の検出下限界(図に記した全ての成分について0.02ppm)以下であり、複合反応器の脱硫剤層において、硫黄化合物が完全に除去されていることが検証できた。
図5に基づいて水銀除去器における水銀濃度の経時変化を説明する。図5には水銀の除去性能を表すグラフを示してある。図中の横軸は、試験時間であり、縦軸は、水銀除去器21の入口及び水銀除去器21の出口の水銀濃度(μg/m3N)である。水銀除去器21の入口の水銀濃度は一点鎖線、水銀除去器21の出口の水銀濃度は点線で示してある。
水銀除去器21には予め水銀除去の性能を有する活性炭を充填した活性炭層が形成され、活性炭層は模擬燃料ガス中の水分が凝縮しないように予め150℃に加温されている。この活性炭層を含む水銀除去器21に模擬燃料ガスを100m3N/h流入させて性能検証を行った。
試験時間1.8時間の時点から、模擬燃料ガスに水銀を添加することにより、水銀除去器21の入口にはおよそ60μg/m3Nの水銀が流入していることが示されている。これに対して、水銀除去器21の出口で測定した水銀の濃度は測定に用いた分析装置の検出下限界(0.1μg/m3N)以下であり、水銀除去器21の活性炭層において、模擬燃料ガス中の水銀が完全に除去されていることが検証できた。
図6、図7に基づいて、バイオマスガス化ガスを燃料ガス精製設備で精製し、精製したバイオマスガス化ガスを溶融炭酸塩型燃料電池の燃料に用いて発電を行ったときの複合反応器22におけるハロゲン化物と硫黄化合物の除去性能を説明する。
図6に基づいて複合反応器22におけるハロゲン化物濃度の経時変化を説明する。図6にはハロゲン化物の除去性能を表すグラフを示してある。図中の横軸は、試験時間であり、縦軸は、複合反応器22の入口及び複合反応器22の出口の塩化水素濃度(ppm)である。複合反応器22の入口の塩化水素濃度は実線、複合反応器22の出口の塩化水素濃度は点線で示してある。
複合反応器22には複数の段があり、その上段には予めハロゲン化物除去の性能を有するハロゲン化物吸収剤を充填した吸収剤層が形成されて、吸収剤層はバイオマスガス化ガス中の水分が凝縮しないことに加えてハロゲン化物吸収剤の性能が十分発揮されるように予め300℃に加温されている。この吸収剤層を含む複合反応器22にバイオマスガス化ガスを100m3N/h流入させて性能検証を行った。
ハロゲン化物除去性能の測定を行った5時間の間に、複合反応器22の入口にはおよそ数ppmから約4ppmの塩化水素が流入していることが示されている。これに対して、複合反応器22の吸収剤層出口で測定した塩化水素の濃度は測定に用いた分析装置の検出下限界(図に記した全ての成分について0.2ppm)以下であり、複合反応器の吸収剤層において、塩化水素が完全に除去されていることが検証できた。
次に、図7に基づいて複合反応器22における硫黄化合物濃度の経時変化を説明する。図7には硫黄化合物の除去性能を表すグラフを示してある。図中の横軸は、試験時間であり、縦軸は、複合反応器22の入口及び複合反応器22の出口の硫黄化合物濃度(ppm)である。複合反応器22の入口の硫黄化合物濃度は実線、複合反応器22の出口の硫黄化合物濃度は点線で示してある。
複合反応器22は複数の段があり、その下段には予め酸化亜鉛系脱硫剤を充填した脱硫剤層が形成され、脱硫剤層は模擬燃料ガス中の水分が凝縮しないことに加えて酸化亜鉛脱硫剤の性能が十分発揮されるように予め300℃に加温されている。この脱硫剤層を含む複合反応器22にバイオマスガス化ガスを100m3N/h流入させて性能検証を行った。
硫黄化合物除去性能の測定を行った約5時間の間に、複合反応器22の入口にはおよそ0.3ppmの硫黄化合物が流入していることが示されている。これに対して、複合反応器22の出口で測定した全硫黄化合物の濃度は測定に用いた分析装置の検出下限界(図に示した全ての成分について0.02ppm)以下であり、複合反応器の脱硫剤層において、硫黄化合物が完全に除去されていることが検証できた。
図8に基づいてバイオマスガス化炉で発生させたバイオマスガス化ガスを燃料ガス精製設備で精製し、更に、精製したバイオマスガス化ガスを溶融炭酸塩型燃料電池の燃料に用いて発電を行ったときの溶融炭酸塩型燃料電池の発電性能を説明する。図中の横軸は、試験時間であり、左の縦軸は、溶融炭酸塩型燃料電池の出力電圧(mV)であり、右の縦軸は溶融炭酸塩型燃料電池の電流密度(mA/cm2)である。出力電圧は実線、電流密度は破線で示してある。
発電性能の測定を行った約7時間のうち、最初の約1時間は溶融炭酸塩型燃料電池用に準備した模擬燃料での発電を行い、その後の0.5時間で溶融炭酸塩型燃料電池の燃料を模擬燃料からバイオマスガス化ガスに切り替える操作を行い、引き続いて約5時間にわたり、バイオマスガス化ガスのみを燃料として溶融炭酸塩型燃料電池での発電を行った。
バイオマスガス化ガスのみで発電している間も、出力電圧と電流密度が維持されており、バイオマスガス化ガスを用いた溶融炭酸塩型燃料電池の発電が可能であることを示している。また、バイオマスガス化炉と燃料ガス精製設備と溶融炭酸塩型燃料電池を組み合わせた、バイオマスガス化MCFC発電システムを実施可能であることを実証できた。
図2に示した燃料ガス精製設備において、高温分解装置12にはバイオマスガス化炉で発生させた水蒸気を含むバイオマスガス化ガスを流入させる前に、空気または不活性ガス(窒素など)を加熱用ガスとして流入させることも可能である。加熱用ガスとして流入させることで、加熱用ガスに与えた熱により高温分解装置12の下流にある燃料ガス精製設備内の各機器を加温することができる。
これにより、水蒸気を含むバイオマスガス化ガスを流入させたときに、燃料ガス精製設備内で水蒸気の凝縮が防止され、燃料ガス精製設備を円滑に運転することが可能になる。
本発明は、ガス温度を露点以下に下げない乾式法により原料ガスから不純物を除去して燃料ガスとする燃料ガス精製設備の産業分野で利用することができる。
本発明の一実施形態例に係る燃料ガス精製設備の概略系統図である。 本発明の一実施形態例に係る燃料ガス精製設備の具体的な系統構成図である。 他の実施形態例に係る反応器の概略図である。 模擬燃料ガスを用いて実施した硫黄化合物の除去性能を表すグラフである。 模擬燃料ガスを用いて実施した水銀の除去性能を表すグラフである。 バイオマスガス化ガスを用いて実施したハロゲン化物の除去性能を表すグラフである。 バイオマスガス化ガスを用いて実施した硫黄化合物の除去性能を表すグラフである。 バイオマスガス化ガスを用いて実施した溶融炭酸塩型燃料電池の発電性能を表すグラフである。
符号の説明
1 原料ガス供給装置
2 熱分解処理装置
3、7 熱交換器
4 除塵装置
5 吸着除去装置
8、9 不純物固定装置
10 精製ガス利用装置
11 バイオマスガス化炉
12 高温分解装置
13 燃焼室
14 流通室
15 ハニカム体
16 空気予熱器
17 減温器
18 バグフィルター
19 昇圧機
20、21 昇温器
22 複合反応器
23 発電装置

Claims (11)

  1. ガス温度を露点以下に下げない乾式法により原料ガスから不純物を除去して燃料ガスとする燃料ガス精製設備において、
    原料ガスを高温の加熱流路に流通させることで熱分解性の不純物を除去する高温分解手段と、
    高温分解手段で不純物が除去された原料ガスにハロゲン化物吸収剤を吹き込むことでハロゲン化物を固定するハロゲン化物固定手段と、
    ハロゲン化物固定手段で固定されたハロゲン化物を物理的な濾過によって除去する物理的濾過手段と、
    物理的濾過手段でハロゲン化物が除去された原料ガスを流通させて重金属類を吸着剤に吸着させる吸着除去手段と、
    物理的濾過手段でハロゲン化物が除去された原料ガスを流通させて触媒により化学変換してハロゲン化物及び硫化物を除去する触媒変換手段とを備えた
    ことを特徴とする燃料ガス精製設備。
  2. 請求項1に記載の燃料ガス精製設備において、
    触媒変換手段には、吸着除去手段で重金属類が除去された原料ガスが流通する
    ことを特徴とする燃料ガス精製設備。
  3. 請求項1もしくは請求項2に記載の燃料ガス精製設備において、
    物理的濾過手段は、消石灰がプレコートされたバグフィルターである
    ことを特徴とする燃料ガス精製設備。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の燃料ガス精製設備において、
    吸着除去手段は、銅を主体として水銀を吸収する銅系吸収剤及び触媒作用あるいは化学反応性を有する成分を担持させ水銀との化学反応により生成した塩を吸着することで水銀を除去する添着活性炭である
    ことを特徴とする燃料ガス精製設備。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の燃料ガス精製設備において、
    触媒変換手段は、ハロゲン化物吸収剤及び酸化亜鉛系脱硫剤である
    ことを特徴とする燃料ガス精製設備。
  6. 請求項5に記載の燃料ガス精製設備において、
    触媒変換手段は、硫化カルボニルが硫化水素に変換される酸化亜鉛系のCOS触媒を有している
    ことを特徴とする燃料ガス精製設備。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の燃料ガス精製設備において、
    原料ガスは、化石燃料、バイオマス、廃棄物をガス化した原料ガスであり、精製された燃料ガスは高温型燃料電池の燃料ガスとして用いられる
    ことを特徴とする燃料ガス精製設備。
  8. バイオマス・廃棄物をガス化した原料ガスの温度を露点以下に下げない乾式法により原料ガスから不純物を除去して高温型燃料電池の燃料ガスとする燃料ガス精製設備において、
    原料ガスを高温のハニカム通路に流通させることで熱分解性の不純物であるタール・芳香族炭化水素等の不飽和炭化水素及びダイオキシン類等の有機塩素化合物を除去する高温分解手段と、
    高温分解手段で不純物が除去された原料ガスにハロゲン化物吸収剤を吹き込むことでハロゲン化物を固定するハロゲン化物固定手段と、
    少なくともハロゲン化物固定手段で固定されたハロゲン化物を除去する消石灰がプレコートされたバグフィルターと、
    バグフィルターでハロゲン化物及びアルカリ金属・アルカリ土類金属等の揮発性の軽金属類が除去された原料ガスを流通させて、銅を主体として水銀を吸収する銅系吸収剤及び触媒作用あるいは化学反応性を有する成分を担持させ水銀との化学反応により生成した塩を吸着することで水銀を除去する添着活性炭に、水銀単体・重金属類を含むガス状化合物を吸着させる吸着除去手段と、
    重金属類が除去された原料ガスを流通させて、ハロゲン化物吸収剤及び酸化亜鉛系脱硫剤で、ハロゲン化物・硫黄化合物等の酸性ガスを除去する触媒変換手段とを備えた
    ことを特徴とする燃料ガス精製設備。
  9. 請求項8に記載の燃料ガス精製設備において、
    触媒変換手段には、硫化カルボニルが硫化水素に変換される酸化亜鉛系のCOS触媒を有している
    ことを特徴とする燃料ガス精製設備。
  10. 請求項1〜請求項9のいずれか一項に記載の燃料ガス精製設備において、
    精製された燃料ガスは、溶融炭酸塩型燃料電池の燃料として用いられる
    ことを特徴とする燃料ガス精製設備。
  11. 原料ガスを高温の加熱流路に流通させることで熱分解性の不純物を除去し、
    不純物が除去された原料ガスにハロゲン化物吸収剤を吹き込むことでハロゲン化物を固定し、
    固定されたハロゲン化物を物理的な濾過によって除去し、
    ハロゲン化物が除去された原料ガスを流通させて重金属類を吸着剤に吸着させ、
    ハロゲン化物が除去された原料ガスを流通させて触媒により化学変換してハロゲン化物及び硫化物を除去する燃料ガス精製設備において、
    原料ガスを高温の加熱流路に流通させる前に、空気または不活性ガスを加熱用流体として高温の加熱流路に流入させて加熱用流体に熱を与え、加熱流体を下流側に流通させることで、下流のハロゲン化物を固定する機器、及びハロゲン化物を物理的に濾過する機器、及び重金属類を吸着する機器、及びハロゲン化物、硫化物を化学変換する機器を加温する
    ことを特徴とする燃料ガス精製設備の運転方法。
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