JP5402921B2 - 大豆蛋白質含有濃厚流動食 - Google Patents

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Description

本発明は、大豆蛋白質を含有する濃厚流動食に関し、さらに詳しくは蛋白質及び第二族元素化合物を含有し、流動食適性に優れた濃厚流動食に関する。
蛋白質素材は、スポーツマンにおける筋肉の増強や肥満者のシェイプアップ、手術後の栄養補給、食生活での栄養バランス改善などに利用されてきた。
近年の高齢化社会によって、高齢者が摂取するいわゆる濃厚流動食の市場が拡大しつつある。濃厚流動食は通常の食事に使われる材料を液状にした栄養食品であり、人が生活する上で必要な栄養素を全て含まなければならないために、その中で蛋白質源は重要な役割を果たしている。これまで蛋白質源としては、混在するミネラル(特に、カルシウムやマグネシウムなどの第二族元素)等の影響を受けにくく、かつレトルト等の高温殺菌処理時の安定性が高い乳蛋白質として、主にカゼインナトリウムが使用されてきた。
蛋白質素材の中でも、大豆蛋白質は血清コレステロール値の正常化や血清脂質濃度の低減機能等の生理機能を有し、厚生労働省が認可する特定保健用食品の素材として用いられたり、アメリカ食品医薬品局(FDA)において心臓病のリスク低減に効果ある旨のヘルスクレームが認められるなど、健康に係る素材として広く認知され、食生活での大豆蛋白質成分の摂取のニーズは増加している。そして濃厚流動食の分野においても大豆たん白素材を使用したいユーザーが増えてきている。しかし、従来の大豆たん白素材は高ミネラル環境やレトルト加熱による耐性に乏しく、飲料や流動食に配合したときに粘度が高くなったり、凝集物を多数発生する問題があった。例えば流動食をチューブにて直接胃へ投与する際は、チューブ内で詰り等を発生させる可能性があり、汎用されるには至っていない。したがって、粘度の上昇や凝集を起こさない大豆たん白素材の提供が望まれる。
凝集を防止する方法としては、第一に大豆蛋白を酵素分解した大豆蛋白分解物を使用する方法があるが、分解の程度によって大豆蛋白とミネラルの反応性はまちまちであり、分解の程度によってはかえって反応性が高まる場合もある。
特許文献1(特開平10−210951号公報)には、大豆蛋白分解物を使用した液状流動食が示されている。しかし、全蛋白質に対する植物蛋白質の使用比率は低い上に、そもそも植物蛋白質を用いた具体的な実施例は開示されていない。そのためいかなる大豆蛋白分解物が使用されているのか不明であるが、おそらく液状流動食への使用においてミネラルとの凝集反応を起こさないためには、分解度が相当高いタイプの使用を想定しているであろう。分解度の高い大豆蛋白分解物はミネラルとの凝集反応を起こしにくいが、分解度が低い大豆蛋白分解物、あるいは未分解の大豆蛋白を使用して、凝集・沈殿の発生の少ない濃厚流動食を得ることについては開示されていない。
一方、凝集を防止する他の方法として、特許文献2(特開2000−83595号公報)では、大豆たん白素材のスラリーまたは溶液に、リン酸,有機酸,もしくはそれらの塩を用いることで、カルシウムまたはマグネシウムイオン等の二価金属を添加しても、製造した大豆たん白素材の凝集・沈澱の発生が抑えられることが開示されている。
しかし、上記文献は「ミネラル調整大豆蛋白」、すなわち、すでにミネラルと大豆蛋白質を反応させたものであって、溶解性やゲル形成性については従来の大豆蛋白素材と同等の物性のものを得ることを目的とするものである。そのため、高蛋白・高ミネラルを含有する濃厚流動食を得るに際してミネラルを別途添加したときの蛋白質の凝集性については検討されていない。
以上のように、大豆蛋白とミネラル(特に、2価の陽イオン)が高度に配合されていても、加熱による凝集を起こさずに安定した状態を維持した濃厚流動食を得るための知見は、未だ開示されていない。
(参考文献)
特開平10−210951号公報 特開2000−83595号公報
本発明は、高度に蛋白質及びミネラル(特に、第二族元素化合物)を含有した濃厚流動食において、優れた流動食適性を維持できる手法に関するもので、加熱殺菌時及び経時的に凝集を起こさない、安定した特性を付与することを課題とする。
上記課題に鑑み、本発明者らが鋭意研究した結果、大豆蛋白素材として、粗蛋白質含量が高く、水溶性が比較的低く、かつその水溶性のpHが微酸性域であるタイプの大豆蛋白素材を選択し、更に分散剤を併用使用することで、濃厚流動食においてミネラルと蛋白質の反応による加熱時及び経時的な凝集反応を可及的に抑制することが可能である知見を見出し、本発明を完成させるに到った。
すなわち本発明は、
1.蛋白質、第二族元素化合物及び分散剤を少なくとも含有し、蛋白質素材として以下a)〜c)の条件を満たす大豆蛋白素材が添加されていることを特徴とする濃厚流動食、
a)粗蛋白質含量が50重量%以上
b)NSIが50未満
c)水溶液のpHが6.8未満
2.大豆蛋白質素材の使用割合が、総蛋白質あたりの蛋白質量として50重量%以上である、前記1.記載の濃厚流動食、
3.蛋白質素材として少なくとも大豆蛋白素材及びカゼイン塩が添加されている、前記1.記載の濃厚流動食、
4.分散剤が不溶性固形分の分散用である、前記1.記載の濃厚流動食、
5.大豆蛋白質及び第二族元素化合物を含有する濃厚流動食の製造において、大豆蛋白質として、上記a)〜c)の条件を満たす大豆蛋白素材を使用することを特徴とする、濃厚流動食の凝集防止方法、
を提供するものである。
本発明の濃厚流動食は、大豆蛋白質及びミネラルを含有するにも関わらず、加熱時及び経時的な凝集反応が極めて少ないものである。そのため、従来多量の配合が困難であった大豆蛋白質の添加量を増加させることができ、高齢者に良質な植物性蛋白質をより多く摂取してもらうことが可能となる。また大豆蛋白質とカゼイン塩とを併用することで、動植物性蛋白質をバランス良く摂取でき、流動食適性をさらに付与することができる。
(大豆蛋白素材)
本発明の濃厚流動食は、蛋白質素材として少なくとも添加されている大豆蛋白素材が、以下a)〜c)の条件を全て満たすものであることが特徴である。
a)粗蛋白質含量が50重量%以上
b)NSI(水溶性窒素指数)が50未満
c)水溶液のpHが6.8未満
そして、本発明の濃厚流動食の凝集防止方法は、上記大豆蛋白素材を選択し、濃厚流動食の製造に使用することが特徴である。
かかる条件を満たす限り、このような大豆蛋白素材はいかなる方法により調製されたものでもよく、限定はされない。
a)粗蛋白質含量
本発明に使用する大豆蛋白素材は、まず高蛋白質含量であること、すなわち粗蛋白質含量が乾燥固形分あたり50重量%以上、好ましくは60重量%以上、より好ましくは80重量%以上、さらに好ましくは85重量%以上であることが重要である。そのような素材としては、例えば豆乳、脱脂豆乳、濃縮大豆蛋白、分離大豆蛋白や、その分解物が挙げられる。これは濃厚流動食中の蛋白質含有量を高めるのに好適である。粗蛋白質含量が50重量%に満たない素材を使用した場合、蛋白質を高度に含有させるためにより多量に配合する必要が生じる。配合量が多くなると、粘度が高くなるなどの別の問題が発生しやすい。なお、粗蛋白質含量の定量は公定法であるケルダール法にて行うこととする。
b)溶解性
次に、本発明に使用する大豆蛋白素材は、低溶解性であること、すなわちNSIが50未満、好ましくは45未満であることが重要である。これによって濃厚流動食における大豆蛋白質とミネラルとの反応による凝集の発生を抑えることができる。なお、NSIは水溶性窒素指数(Nitrogen Solubility Index)のことを意味し、試料中の全窒素含有量に対する同試料の水抽出物中の窒素含有量の割合を意味し、前者を100としたときの値で表わされる。通常は「基準油脂分析試験法」(日本油化学協会編)1.1.4.6に記載の測定法により求めることができる。NSIが50以上になると、可溶性蛋白質とミネラルとの反応によって凝集を起こしやすくなるため好ましくない。なお、本発明の効果に影響はないものの、NSIが低くなるに連れ、濃厚流動食中で大豆蛋白素材のざらつきを感じやすくなるため、ざらつきをより感じにくく抑えたい場合にはNSIが5以上、好ましくは10以上、より好ましくは20以上のものを使用することが適当である。
上記のような低NSIの大豆蛋白素材は、通常その製造工程中において、NSIを低下させる処理が行われていることである。NSIを低下させる手段は本発明において何ら限定されるものではなく、例えば高温加熱により蛋白質を加熱変性させる手段、カルシウムやマグネシウムなどの第二族元素の化合物、酸化物もしくは水酸化物などを添加して大豆蛋白質に結合させ、不溶化する手段、低度に酵素分解することにより蛋白質を不溶化する手段等を単独又は組合わせて適用し製造された大豆蛋白素材を使用することができる。より具体的には、特開昭59-25650号公報、特公昭62-14250号公報、特開平6-141783号公報、国際公開WO2007/114129号公報などに開示される方法を利用して、所定のNSIまで低下させた大豆蛋白素材を使用すればよい。
c)水溶液のpH
本発明の濃厚流動食に使用する大豆蛋白素材は、これを水溶液にした際のpHが、6.8未満、好ましくは6.7未満、より好ましくは6.6未満であることが重要である。このように水溶液のpHが一定の範囲で低いものを選択することにより、濃厚流動食の粘度を低下させることができ、喉ごしの良い品質を得ることができる。pHが6.8を超えると流動食の製造時に大豆蛋白質素材の粒子径が増大し、粘度が高くなる傾向となる。なお、水溶液のpHが6未満の大豆蛋白素材を使用すると酸味が強くなり濃厚流動食の風味に影響を与え、さらにpH調整剤や風味調整剤を添加する必要が生ずるので、水溶液がpH6以上の大豆蛋白素材を使用することが好ましい。
上記のような水溶液のpHを有する大豆蛋白素材としては、例えば製造工程中に塩酸、硫酸、クエン酸等のpH調整剤によって所定のpHに調整されて製造されたものを使用することができる。なお、水溶液のpHを測定する際の大豆蛋白素材の濃度は10%とする。
以上のような特定の粗蛋白質含量、溶解性、水溶液のpHの条件(a)〜(c)を全て満たした大豆蛋白素材を濃厚流動食の用途として選択し、これを配合することによって、所望の量の蛋白質を容易に摂取することができると共に、蛋白質及びミネラルを含有するにも関わらず、加熱時及び経時的な凝集反応が少ない濃厚流動食を得ることが可能となる。
すなわち、本発明に使用する大豆蛋白素材は、高蛋白質含量、低溶解性かつ水溶液のpHが微酸性であるのが特徴である。
本発明の濃厚流動食中に配合する上記大豆蛋白素材の割合の好ましい範囲としては、1〜10重量%、より好ましくは2〜6重量%が適当である。配合割合があまりに多くなりすぎると、製品の容器へ充填する前における原料溶液の粘度が上昇し、生産性に影響を与える傾向にある。逆に配合割合があまりに少なすぎると、大豆蛋白質の栄養生理機能を発揮するのが十分でなくなる。
本発明の濃厚流動食には大豆蛋白質以外の蛋白質素材として、カゼインナトリウム等のカゼイン塩、カゼイン、乳蛋白濃縮物、乳ホエー濃縮物、乳ホエー分離物、乳蛋白分解物、各種食肉由来の蛋白質、鶏卵蛋白質、コラーゲンペプチド、食肉ペプチドなどの動物性蛋白質や、とうもろこし蛋白質、小麦蛋白質、えんどう豆蛋白質、菜種蛋白質等の植物性蛋白質を配合することができる。
特にミネラルとの反応性が低いカゼインナトリウムなどのカゼイン塩と併用することによって、よりミネラルに対して安定性の高い濃厚流動食とすることができる。
大豆蛋白素材の使用割合は、濃厚流動食の総蛋白質あたりの蛋白質量として50重量%以上が好ましく、60重量%がより好ましく、70重量%以上がさらに好ましい。このようにミネラルとの反応性が低い大豆蛋白素材の比率を高くすることによって、凝集の発生を抑えつつ、濃厚流動食中の大豆蛋白質摂取量をより高めることができるのが特徴である。
(第二族元素化合物)
本発明において、第二族元素化合物はカルシウムやマグネシウム等の第二族元素を含む化合物をいう。カルシウム化合物としては塩化カルシウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、乳酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、第三リン酸カルシウム、第二リン酸カルシウム、クエン酸カルシウム、リンゴ酸カルシウム等が挙げられ、マグネシウム化合物としては塩化マグネシウム、酸化マグネシウム等が挙げられる。また、カルシウム及びマグネシウムを含むドロマイト等の混合物も使用できる。
なお、配合する第二族元素化合物の量が多い場合、不溶性乃至難溶性の化合物を配合するのが好ましい。これによってより蛋白質との凝集反応を生じにくくすることができる。水への溶解度が低い第二族元素化合物としては、どの程度の溶解度のものを選択するかにもよるが、例えば25℃における水100gに対する溶解度が1g以下のものとしては、第三リン酸カルシウム、第二リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、クエン酸カルシウム、硫酸カルシウム、リンゴ酸カルシウム、ドロマイト、酸化マグネシウムなどが例示できる。
本発明の濃厚流動食に添加される第二族元素化合物の割合は、製造者が適宜所望の範囲に設定すれば良く、例えばカルシウムの場合を例示すると、カルシウムとして20mg〜110mg/100kcalの範囲で添加することができる。
(分散剤)
本発明の濃厚流動食には、使用する大豆蛋白素材を均一な分散状態に安定化するため、分散剤が添加されていることが重要である。
本発明に使用する分散剤は、例えば結晶セルロース、水溶性大豆多糖類、寒天、ゼラチン、カラギーナン、ジェランガム、ネイティブジェランガム、タラガム、タマリンドシードガム、キサンタンガム、サイリウムシードガム、グアガムなどを単独あるいは併用して使用することができる。
特に、濃厚流動食の粘度の発現が比較的少なく、不溶性固形分の分散用として使用される分散剤が好ましく、例えば微結晶セルロースなどが好適である。そのような具体的な製品としては、三栄源エフエフアイ(株)製の「ビストップ」シリーズや「ホモゲン」シリーズ、旭化成(株)製の「セオラス」シリーズ、アイエスピー・ジャパン(株)製「CELGUM」シリーズ等を使用することができる。本発明の濃厚流動食中に添加される分散剤の割合は、使用する分散剤の特性を考慮して適宜決定すれば良く、通常は0.05〜0.5重量%の範囲で添加される。
(他の原料)
本発明の濃厚流動食中には、上記に上げた原料以外に、必要であれば他の原料も添加される。例えば、水あめ・デキストリン・砂糖・果糖・乳糖・トレハロース・オリゴ糖などの糖類、動植物性油脂やその加工油脂、塩化ナトリウム・塩化カリウム・クエン酸ナトリウム・クエン酸カリウム等のアルカリ金属の塩類、亜鉛・鉄・銅等の遷移金属の化合物、ビタミン類、乳化剤、ヘキサメタリン酸ナトリウム等のキレート剤、色素、香料などが目的に応じて添加される。
(濃厚流動食)
本発明の濃厚流動食は、大豆蛋白質が含まれているにもかかわらず、保存時において凝集や沈澱が形成されにくい利点を有する。通常は上記の原料を混合した溶液を適当なカップやパウチ等の容器に充填し、高温高圧下でレトルト殺菌したり、混合した溶液をUHT殺菌機などで加熱殺菌し、容器に無菌充填するなどして得られる。混合溶液は、ホモミキサーなどの攪拌機で溶解すれば良いが、より好ましくは高圧ホモゲナイザーなどで調製することが好ましい。また、殺菌方法としては、プレートを介した間接加熱方式よりも、インジェクションやインフュージョンなどの直接加熱方式がスケーリングを回避できる点で望ましい。
なお濃厚流動食とは、具なしのスープ、ポタージュ、ミルクや果汁などの液状の食品をいい、カロリー値が1kcal/mL以上、栄養成分として少なくとも蛋白質,脂質,炭水化物,ミネラル,ビタミンを含み、常温で液状の食品又は粉末状であって適当な濃度に溶解して液状として摂取する食品を指す。好ましくは、蛋白質:10〜25%、脂質:15〜45%,炭水化物:35%以上のエネルギー組成と,カルシウム:20〜110mg/100kcal,マグネシウム:10〜70mg/100kcalの組成を持つものである。更に好ましくは、蛋白質:16〜20%、脂質:20〜30%,炭水化物:50〜65%のエネルギー組成と、カルシウム:35〜65mg/100kcal,マグネシウム:15〜40mg/100kcalの組成を持つものである。
濃厚流動食の好ましい粘度(25℃、B型粘度計)としては、50mPa・s以下が例示できる。更に、下痢などの副作用を最小限に抑える低浸透圧、細いチューブでも通過する流動性、良好な風味、数ヶ月常温保存可能な乳化安定性などを有するものであることが好ましい。
また、流動食を水溶液として殺菌することなく、乾燥粉体として調製,流通し、使用直前に水溶液とする濃厚流動食にあっても、本発明の大豆たん白素材は、低粘度であり且つ低凝集の、好ましい物性を持った濃厚流動食とすることができる。
以下、本発明について、実施例を挙げてより詳細に説明する。なお、実施例中の「%」や「部」は、特に断りのない限り、「重量%」、「重量部」を示す。
[実施例1] −濃厚流動食の調製−
大豆蛋白素材として、国際公開WO2007/114129号公報の実施例1に記載の方法に従って製造された大豆蛋白素材A(不二製油(株)製、粗蛋白質含量92%、NSI32、0.22M TCA可溶率11%、水溶液pH6.4)を使用し、表1の配合及び下記手順に従い、大豆蛋白・ミネラル高配合飲料を調製した。以下に詳細な調製方法を示した。
純水60重量部(常温)に対し、TKホモミキサーにて3000〜4000rpmで攪拌しつつ、クエン酸塩、ヘキサメタリン酸ナトリウム、乳化剤を順次添加した。次いで大豆蛋白素材、カゼインナトリウム、デキストリンを添加し、混合した。次いで分散剤として予め純水でよく膨潤させた結晶セルロース製剤を添加した。次に、油脂を添加して攪拌しながら75℃まで昇温し、香料及び水に分散した炭酸Ca・Mg含有物を加え、100重量部になるように補水を行った。次に、高圧ホモゲナイザー(LAB1000)にて均質化を行い、200ml缶に充填して密封し、121℃で20分間レトルト殺菌を行い、本発明の濃厚流動食を得た。
(表1) 濃厚流動食の配合
Figure 0005402921
[比較例1、参考例]
次に比較として、大豆蛋白素材Aに代えて、分離大豆蛋白質「大豆蛋白素材B」(NSI85、0.22M TCA可溶率23%)を使用し、実施例1と同様にして濃厚流動食を調製した(比較例1)。また参考として、大豆蛋白素材Aに代えて、蛋白質素材の全量をカゼインナトリウムとして、実施例1と同様にして濃厚流動食を調製した(参考例)。
実施例1、比較例1及び参考例の各濃厚流動食について、レトルト殺菌の前後における粘度と、40℃の恒温器で30日間保存した後の粘度を、B型粘度計で測定した。また、濃厚流動食のレトルト殺菌前、レトルト殺菌翌日、及び40℃で30日間保存後の凝集の状態について目視で観察し、凝集の発生がないか、あってもごく僅かなレベルのものを「良好」と評価した。さらに、レトルト加熱翌日における流動食の状態を顕微鏡にて観察した。顕微鏡は(株)キーエンス製ビデオマイクロスコープを用いて、流動食をスライドガラスにのせ、カバーガラスをかけた後、100倍の倍率にて観察した。結果を表2及び図1に示す。
(表2)
Figure 0005402921
表2及び図1の結果の通り、実施例1ではレトルト殺菌後やさらに長期保存後においても凝集の発生は観られず、参考例のカゼインナトリウムと同様に濃厚流動食に対して優れた使用適性を有していた。一方、比較例1ではレトルト殺菌後に凝集が発生し、濃厚流動食の蛋白質素材としては不適であった。
[実施例2、比較例2〜4] −濃厚流動食の製造−
実施例1と同じ大豆蛋白素材Aを使用し、大豆蛋白素材の配合率を表3の通り変更する以外は実施例1記載の方法に準じて濃厚流動食を調製した(実施例2)。
次に、表4に示した物性(NSI、0.22M TCA可溶率、水溶液のpH)に調製した「大豆蛋白素材C」、「大豆蛋白素材D」、「大豆蛋白素材E」を大豆蛋白素材Aと置き換え、実施例2と同様にして濃厚流動食を調製した(比較例2〜4)。
実施例2及び比較例2〜4の各濃厚流動食について、実施例1と同様にして品質を評価した。結果を表4及び図2に示す。
(表3) 濃厚流動食の配合
Figure 0005402921
(表4)
Figure 0005402921
表4及び図2の結果の通り、実施例2ではレトルト殺菌後やさらに長期保存後においても凝集の発生は観られなかったのに対し、比較例2〜4ではレトルト殺菌後に凝集が発生し、濃厚流動食の蛋白質素材としては不適であった。比較例3で用いた大豆蛋白素材Dは0.22M TCA可溶率が高く、酵素分解の程度が高いにもかかわらず、凝集を押さえることができなかった。
以上の結果から、大豆蛋白素材の中でも水溶性が低く、かつ水溶液のpHが中性未満であることが濃厚流動食への使用適性が優れるという知見を得た。
実施例1で調製された濃厚流動食(レトルト殺菌後翌日)の状態を観察した顕微鏡写真である。 比較例1で調製された濃厚流動食(レトルト殺菌後翌日)の状態を観察した顕微鏡写真である。 参考例で調製された濃厚流動食(レトルト殺菌後翌日)の状態を観察した顕微鏡写真である。 比較例2で調製された濃厚流動食(レトルト殺菌後翌日)の状態を観察した顕微鏡写真である。 比較例3で調製された濃厚流動食(レトルト殺菌後翌日)の状態を観察した顕微鏡写真である。 比較例4で調製された濃厚流動食(レトルト殺菌後翌日)の状態を観察した顕微鏡写真である。

Claims (5)

  1. 蛋白質、第二族元素化合物及び分散剤を少なくとも含有し、蛋白質素材として以下a)〜c)の条件を満たす大豆蛋白素材が添加されていることを特徴とする濃厚流動食。
    a)粗蛋白質含量が50重量%以上
    b)NSIが50未満
    c)水溶液のpHが6.8未満
  2. 大豆蛋白質素材の使用割合が、総蛋白質あたりの蛋白質量として50重量%以上である、請求項1記載の濃厚流動食。
  3. 蛋白質素材として少なくとも大豆蛋白素材及びカゼイン塩が添加されている、請求項1記載の濃厚流動食。
  4. 分散剤が不溶性固形分の分散用である、請求項1記載の濃厚流動食。
  5. 大豆蛋白質及び第二族元素化合物を含有する濃厚流動食の製造において、大豆蛋白質として、以下a)〜c)の条件を満たす大豆蛋白素材を使用することを特徴とする、濃厚流動食の凝集防止方法。
    a)粗蛋白質含量が80重量%以上
    b)NSIが50未満
    c)水溶液のpHが6.8未満
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