JP5402762B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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この発明は、内燃機関の制御装置に係り、特に、筒内圧センサが搭載された内燃機関の制御装置に関する。
従来、例えば、特開2007−285194号公報には、筒内圧センサの検出値に基づいて、トルク変動の判定を行う内燃機関の制御装置が開示されている。筒内圧力をP、筒内容積をV、および比熱比をκとしたときのPVκの値は、筒内における発熱量Qの変化パターンと相関を有している。この装置では、筒内圧センサおよびクランク角センサから検出された筒内圧およびクランク角から発熱量Qが演算される。そして、この発熱量Qに基づいて図示トルクを算出してトルク変動を確認することとしている。
特開2007−285194号公報 特開2008−2329号公報 特開2007−255296号公報
しかしながら、従来のトルク変動の算出は、ECUの演算処理負荷が高くなるという問題がある。すなわち、トルク変動を高精度に算出するためには、気筒毎のクランク角に基づいて、全域で図示トルクを算出し積算処理を行うことが要求される。このため、従来のシステムでは、これらの演算処理負荷に対応するために高機能のECUを使用せざるを得ず、コストの増大の問題が生じる。また、上記従来の演算では、図示トルクを全域で高精度に算出するために、全域の筒内圧力を高精度に検出することが要求される。このため、従来のシステムでは、全域において高精度な筒内圧センサを使用せざるを得ず、コストの増大の問題が生じる。このように、システム自体に高機能或いは高精度を要求する従来のトルク変動の演算方法には、コスト増大の要素が多々含まれており、改善が望まれていた。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、筒内圧センサを有する内燃機関において、簡易な手法でトルク変動を高精度に算出することのできる内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、内燃機関の制御装置であって、
内燃機関の所定クランク角における筒内圧を検出する筒内圧センサと、
燃焼開始前の断熱過程の所定クランク角θにおける筒内圧P、および燃焼終了後の断熱過程の所定クランク角θにおける筒内圧Pをそれぞれ検出する筒内圧検出手段と、
前記クランク角θにおける筒内容積をV、前記クランク角θにおける筒内容積をV、筒内ガスの比熱比をκとしたとき、前記クランク角θにおけるPVκの値P κから前記クランク角θ1におけるPVκの値P κを減算した値に、所定の定数αを乗算した値(以下、発熱量相関値)を演算する発熱量相関値演算手段と、
前記クランク角θにおけるPVの値Pから前記クランク角θにおけるPVの値Pを減算した値に、所定の定数βを乗算した値(以下、内部エネルギ相関値)を演算する内部エネルギ相関値演算手段と、
前記発熱量相関値から前記内部エネルギ相関値を減算した値を、前記クランク角θから前記クランク角θの区間における区間図示トルクとして算出する区間図示トルク算出手段と、
前記区間図示トルクに基づいて、該区間図示トルクのトルク変動を算出するトルク変動算出手段と、
を備えることを特徴とする。
第2の発明は、第1の発明において、
前記発熱量相関値演算手段は、(κ−1)と(V κ−1−V κ−1)との乗算値の逆数値を前記所定の定数αとして特定する手段を含むことを特徴とする。
第3の発明は、第1または第2の発明において、
前記内部エネルギ相関値演算手段は、(κ−1)の逆数値を前記所定の定数βとして特定する手段を含むことを特徴とする。
第4の発明は、第1乃至第3の何れか1つの発明において、
前記トルク変動算出手段は、
前記区間図示トルクを燃焼順に配列して所定のフィルタ処理を施すフィルタ処理手段と、
前記フィルタ処理後の区間図示トルクの標準偏差を演算する標準偏差演算手段と、
を含み、前記標準偏差演算手段による演算値を前記トルク変動として算出することを特徴とする。
第1の発明によれば、燃焼開始前の断熱過程におけるクランク角θにおける筒内圧検出値P1、筒内容積V1、および燃焼終了後の断熱過程におけるクランク角θにおける筒内圧検出値P2、筒内容積V1、を用いて、クランク角θ〜θの区間における発熱量相関値および内部エネルギ相関値が演算される。そして、発熱量相関値から内部エネルギ相関値を減算することで、クランク角θ〜θの区間における区間図示トルクが算出される。このため、本発明によれば、積算処理を行うことなく図示トルクを算出することができるので、トルク変動を算出する際の演算負荷を大幅に軽減することができる。
第2の発明によれば、発熱量相関値を算出する際の所定値αとして、(κ−1)と(V κ−1−V κ−1)との乗算値の逆数値が使用される。このため、本発明によれば、発熱量相関値とクランク角θ〜θの区間におけるPVκの変化量との比例関係を高精度に規定することができる。
第3の発明によれば、内部エネルギ相関値を算出する際の所定値βとして、(κ−1)の逆数値が使用される。このため、本発明によれば、内部エネルギ相関値とクランク角θ〜θの区間におけるPVの変化量との比例関係を高精度に規定することができる。
第4の発明によれば、燃焼順に配列された区間図示トルクに所定のフィルタ処理が施されるので、ドライバビリティに影響を与える周波数の図示トルクを有効に抽出することができる。このため、本発明によれば、当該フィルタ後の図示トルクの標準偏差を演算することにより、当該フィルタ後の図示トルクのトルク変動を有効に算出することができる。
本発明の実施の形態1としてのシステム構成を説明するための概略構成図である。 クランク角に対するPdVの変化の様子を示す図である。 各気筒の図示トルクを燃焼順に並べてバンドパスフィルタ処理を施した図を示している。 所定の燃焼区間における図示トルク変動と全領域の図示トルク変動とを比較した図である。 燃焼過程前後における区間図示トルク、発熱量、および内部エネルギの変化の様子を示す図である。 本発明の実施の形態1において実行されるルーチンを示すフローチャートである。
以下、図面に基づいてこの発明の実施の形態について説明する。尚、各図において共通する要素には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。また、以下の実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
[実施の形態1の構成]
図1は、本発明の実施の形態1としてのシステム構成を説明するための概略構成図である。図1に示すとおり、本実施の形態のシステムは内燃機関10を備えている。内燃機関10は、ガソリンを燃料とする火花点火式のエンジンとして構成されている。内燃機関10の筒内には、その内部を往復運動するピストン12が設けられている。また、内燃機関10は、シリンダヘッド14を備えている。ピストン12とシリンダヘッド14との間には、燃焼室16が形成されている。燃焼室16には、吸気通路18および排気通路20の一端がそれぞれ連通している。吸気通路18および排気通路20と燃焼室16との連通部には、それぞれ吸気弁22および排気弁24が配置されている。
吸気通路18の入口には、エアクリーナ26が取り付けられている。エアクリーナ26の下流には、スロットルバルブ28が配置されている。スロットルバルブ28は、アクセル開度に基づいてスロットルモータにより駆動される電子制御式のバルブである。
シリンダヘッド14には、燃焼室16の頂部から燃焼室16内に突出するように点火プラグ30が取り付けられている。また、シリンダヘッド14には、燃料を筒内に噴射するための燃料噴射弁32が設けられている。更に、シリンダヘッド14には、筒内圧力を検出するための筒内圧センサ34が組み込まれている。
本実施の形態のシステムは、図1に示すとおり、ECU(Electronic Control Unit)40を備えている。ECU40の入力部には、上述した筒内圧センサ34の他、クランク軸の回転位置を検知するためのクランク角センサ42や水温を検知するための水温センサ44等の各種センサが接続されている。また、ECU40の出力部には、上述したスロットルバルブ28、点火プラグ30、燃料噴射弁32等の各種アクチュエータが接続されている。ECU40は、入力された各種の情報に基づいて、内燃機関10の運転状態を制御する。
[実施の形態1の動作]
筒内圧センサ34は、筒内の燃焼状態を直接検出することができる点で、非常に有効なセンサである。このため、該筒内圧センサ34の出力は種々の制御に利用される。例えば、検出された筒内圧Pは、排気エネルギの算出や図示トルクの変動等の演算に用いられる。また、この他にも、検出された筒内圧Pを用いて演算された発熱量PVκ(筒内容積V、筒内ガスの比熱比κ)やMFB(燃焼質量割合)が演算される。これらは、失火検出や最適点火時期制御などに利用される。
ここで、図示トルク変動は、各気筒に配置された筒内圧センサ34に基づいて、次式(1)に従って算出することができる。尚、次式(1)において、Pは筒内圧センサ34によって検出された筒内圧を、Vは、当該筒内圧の検出時における行程容積を、それぞれ示している。また、BPFはバンドパスフィルタ処理関数(ここでは、1〜4Hzのバンドパスフィルタ処理)を、STDは、標準偏差算出関数を、それぞれ示している。
Figure 0005402762
尚、この式(1)において、Pは筒内圧センサ34によって検出された筒内圧を、Vは、当該筒内圧の検出時における行程容積を、それぞれ示している。また、BPFはバンドパスフィルタ処理関数(ここでは、1〜4Hzのバンドパスフィルタ処理)を、STDは、標準偏差算出関数を、それぞれ示している。
上式(1)のΣ項は、−360〜+360(CA°)におけるP×ΔVを積算した値を示している。図2は、クランク角に対するPdVの変化の様子を示す図である。この図に示すとおり、瞬時仕事PdVの積算値(−360〜+360CA°)は、上式(1)のΣ項を示しており、これは当該燃焼気筒における図示トルクに相当する。
図3は、各気筒の図示トルクを燃焼順に並べてバンドパスフィルタ処理を施した図を示している。上式(1)のBPF項のバンドパスフィルタ処理が実行されると、図3に示すように、1〜4Hzの周波数帯のみが抽出される。尚、ここでは、ドライバーが不快に感じるトルク段差が発生する周波数帯として1〜4Hzの周波数帯を抽出することとしている。そして、上式(1)に示すとおり、バンドパスフィルタ処理によって抽出された図示トルクの標準偏差を演算することで、最終的な図示トルク変動が算出される。
このように、上式(1)によれば、図示トルクの変動を高精度に算出することができる。しかしながら、上式(1)では、クランク角全域(−360〜+360CA°)におけるPΔVの積算値が必要となり、ECU40の演算処理負荷が高くなってしまう。このため、これらの高負荷に対応可能な高機能ECUを用いることとすると、システムコストが増大してしまう。また、上式(1)の演算を行うためには、クランク角全域における筒内圧を精度よく検出することが要求される。このため、かかる要求を充たすためには高精度の筒内圧センサを使用せざるを得ず、システムコストの増大を招いてしまう。
ここで、トルク変動は燃焼変動が主要因となって起きる。図4は、所定の燃焼区間における図示トルク変動と全領域の図示トルク変動とを比較した図である。尚、図4中(A)は、内燃機関の燃焼行程と筒内圧との関係を示す図である。また、図4中(B)における各燃焼区間は、図中(A)における各燃焼区間に対応している。この図に示すとおり、筒内燃焼が行われる膨張区間のトルク変動は、全領域のトルク変動に対して支配的であることが分かる。このことから、全領域の図示トルク変動は、筒内燃焼が行われる区間の図示トルク変動に置換することが可能であることが分かる。そこで、図示トルク変動の演算に使用する区間を燃焼開始前の所定のクランク角θから燃焼終了後の所定のクランク角θまでの区間とすると、上式(1)は、次式(2)で置き換えることができる。
Figure 0005402762
上式(2)によれば、図示トルク変動を算出するために、クランク角θ〜θまでの区間のPdvを積算すればよい。これにより、ECU40の演算負荷を多少軽減することができる。しかしながら、上式(2)においても、依然としてPdvの積算処理が残されているため、ECU40の演算負荷軽減の観点からは十分なものとはいえない。
そこで、本出願の発明者は、更なる演算負荷の軽減を図るために、以下に示す演算手法を用いて図示トルク変動を算出することとした。先ず、熱力学の第一法則の関係式を次式(3)に示す。尚、この式において、Qは機関に与えられる発熱量を、Wは機関仕事を、Uは機関の内部エネルギをそれぞれ示している。
dQ=W+dU ・・・(3)
上式(3)の両辺をクランク角θ〜θの区間において積分して整理すると、次式(4)が導き出される。尚、この式においてQ12はクランク角θ〜θの区間における発熱量の変化量を、U12はクランク角θ〜θの区間における内部エネルギの変化量を、それぞれ示している。また、Σ項はクランク角θ〜θの区間におけるPdVの積算値、すなわち、かかる区間の区間図示トルクTQ12を示している。
Figure 0005402762
ここで、クランク角θ〜θの区間における発熱量Q12について考察する。上式(3)に示す熱力学の第一法則の関係式は、次式(5)のように変形することができる。
dQ=1/(κ−1)×(κPdV+VdP) ・・・(5)
また、PVκを全微分すると、次式(6)が導き出される。
d(PVκ)=Vκ−1(VdP+κPdV) ・・・(6)
上式(5)および(6)より、(VdP+κPdV)を消去して整理すると、次式(7)が導き出される。
dQ=(κ−1)Vκ−1×d(PVκ) ・・・(7)
図5は、燃焼過程前後における区間図示トルク、発熱量、および内部エネルギの変化の様子を示す図である。この図に示すとおり、熱発生のないクランク角領域、すなわち燃焼開始前および燃焼終了後の断熱行程ではdQ=0となる。このため、上式(7)に示すとおり、dQ=0の区間のd(PVκ)は0となり、PVκは一定となる。ここで、図5に示すとおり、燃焼過程は圧縮TDC付近で行われる。圧縮TDC付近は、クランク角の変化に対して筒内容積Vの変化量が小さいため、上式(7)における(κ−1)Vκ−1は定数として近似することができる。このため、かかる燃焼区間の発熱量の変化量は、簡易的にPVκの変化量に比例すると見ることができる。この比例定数をαとすると、クランク角θからθまでの区間の発熱量Q12および定数αは、次式(8)および(9)で表すことができる。
12=α(P κ−P κ) ・・・(8)
α−1=(κ−1)(V κ−1−V κ−1) ・・・(9)
次に、クランク角θ1〜θ2の区間における内部エネルギU12について考察する。燃焼開始前および燃焼終了後の断熱過程では、dQ=0であるため、機関仕事Wの全てが内部エネルギの消費に使用される。燃焼開始時点のクランク角をθ燃焼終了時点のクランク角をθとすると、断熱過程の内部エネルギU13及びU42は、次式(9)及び(10)で表される。
13=1/(κ−1)×(P−P) ・・・(9)
42=1/(κ−1)×(P−P) ・・・(10)
また、上述したとおり、筒内燃焼が行われる圧縮TDC付近はクランク角の変化に対して筒内容積Vの変化量が小さいため、発熱量の全てが内部エネルギに変換されたとしても差し支えない。このため、燃焼過程の内部エネルギU34は、次式(11)で表される。
34=1/(κ−1)×(P−P) ・・・(11)
上式(9)、(10)、(11)より、クランク角θ〜θ区間の内部エネルギU12は、次式(12)で表すことができる。
12=β(P−P) ・・・(12)
β−1=(κ−1) ・・・(13)
上式(4)および図5に示すとおり、区間図示トルクTQ12と内部エネルギU12との総和は、かかる区間の発熱量Q12と等しい。また、発熱量Q12および内部エネルギU12は、上式(8)および(12)を用いることで積算処理を必要とせずに算出することができる。そこで、上式(8)および(12)の発熱量Q12および内部エネルギU12を上式(4)に代入して整理すると、区間図示トルクTQ12は、次式(14)で表すことができる。
TQ12=α(P κ−P κ)−β(P−P) ・・・(14)
更に、上式(14)の区間図示トルクTQ12を上式(2)に代入して整理すると、図示トルク変動ZTFは、次式(15)で表すことができる。
ZTF=STD(BPF(TQ12)) ・・・(15)
以上説明した演算手法によれば、断熱過程の所定クランク角θおよびθにおいて検出された筒内圧PおよびPと、該検出時の筒内容積VおよびVと、に基づいて、かかるクランク角区間における発熱量Q12および内部エネルギU12を簡易に算出することができる。このため、これら算出された発熱量Q12および内部エネルギU12を用いて区間図示トルクTQ12を算出することで、演算負荷の高い積算処理を行うことなく図示トルク変動を算出することができる。
[実施の形態1の具体的処理]
次に、図6を参照して、本実施の形態の具体的処理について説明する。図6は、ECU40が図示トルク変動を算出してEGR制御を行うルーチンを示すフローチャートである。
図6に示すルーチンでは、先ず、所定のクランク角θおよびθにおける筒内圧が取得される(ステップ100)。ここでは、具体的には、燃焼開始前の断熱過程、すなわち断熱圧縮行程の所定クランク角θと、燃焼終了後の断熱過程、すなわち断熱膨張行程の所定クランク角θと、が取得される。そして、筒内圧センサ34を用いて、かかるクランク角θおよびθにおける筒内圧PおよびPが検出される。
次に、クランク角θ〜θの区間における区間図示トルクTQ12が算出される(ステップ102)。ここでは、具体的には、クランク角θおよびθに対応する筒内容積VおよびVが算出される。そして、これらVおよびVと、上記ステップ100において検出された筒内圧PおよびPとが上式(14)に代入される。
次に、図示トルク変動ZTFが算出される(ステップ104)。ここでは、具体的には、上記ステップ102において算出されたTQ12が上式(15)に代入される。代入されたTQ12は、1〜4Hzのバンドパスフィルタ関数BPF、更に標準偏差算出関数STDの処理が施されて、最終的な図示トルク変動ZTFが算出される。
次に、図示トルク変動ZTFが所定値γよりも大きいか否かが判定される(ステップ106)。所定値γは、ドライバビリティの観点からみたトルク変動の許容限界値として、予め設定された値が使用される。その結果、ZTF>γの成立が認められた場合には、ドライバビリティの悪化が許容限界を超えたと判断されて、次のステップに移行し、EGR弁が閉弁されてEGRガスの導入が停止される(ステップ108)。一方、上記ステップ104において、ZTF>γの成立が認められない場合には、ドライバビリティの悪化が許容限界に達していないと判断されて、次のステップに移行し、EGR弁が開弁されてEGRガスが導入される(ステップ110)。
以上説明したとおり、本実施の形態のシステムによれば、断熱圧縮行程の1点と断熱膨張行程の1点との筒内圧情報に基づいて、図示トルク変動を算出することができる。この演算によれば、PdVの積算処置を行うことなく図示トルク変動を高精度に算出することができるので、ECU40の演算負荷を大幅に軽減することができる。
ところで、上述した実施の形態では、算出された図示トルク変動をEGR制御に使用しているが、当該図示トルク変動パラメータとする他の制御に用いることとしてもよい。
また、上述した実施の形態では、上式(8)に示す発熱量Q12を算出する際に、上式(9)に示す所定値αを使用することとしているが、所定値αの特定は上式(9)に限られない。すなわち、クランク角θおよびθに応じて、発熱量QとPVκとの比例関係が最適となる所定値αをマップ等に規定しておくこととしてもよい。また、このことは、上式(12)に示す内部エネルギU12を算出する際にも同様に、最適な所定値βをマップ等に規定しておくこととしてもよい。
また、上述した実施の形態では、断熱圧縮行程および断熱膨張行程の筒内圧PおよびPとして、筒内圧センサ34の検出値を用いることとしている。しかしながら、筒内圧センサ34に熱歪みが発生した場合においては、特に燃焼終了後の筒内圧に誤差が生じるおそれがある。そこで、筒内圧センサ34に熱歪みが発生した場合には、かかる熱歪みによる誤差を公知の手法により補正して、補正後の筒内圧を用いて図示トルク変動を算出することとしてもよい。これにより、筒内圧センサ34に熱歪みが発生した場合であっても、図示トルク変動を高精度に算出することができる。
尚、上述した実施の形態1においては、発熱量Q12が前記第1の発明の「発熱量相関値」に、内部エネルギU12が前記第1の発明の「内部エネルギ相関値」に、それぞれ相当している。また、ECU40が、上記ステップ100の処理を実行することにより、前記第1の発明における「筒内圧検出手段」が、上記ステップ102の処理を実行することにより、前記第1の発明における「区間図示トルク算出手段」が、上記ステップ104の処理を実行することにより、前記第1の発明における「トルク変動算出手段」が、それぞれ実現されている。
また、上述した実施の形態1においては、バンドパスフィルタ関数BPFが前記第3の発明の「フィルタ処理手段」に、標準偏差算出関数STDが前記第3の発明の「標準偏差算出手段」に、それぞれ相当している。
10 内燃機関
12 ピストン
14 シリンダヘッド
16 燃焼室
34 筒内圧センサ
40 ECU(Electronic Control Unit)
42 クランク角センサ

Claims (4)

  1. 内燃機関の所定クランク角における筒内圧を検出する筒内圧センサと、
    燃焼開始前の断熱過程の所定クランク角θにおける筒内圧P、および燃焼終了後の断熱過程の所定クランク角θにおける筒内圧Pをそれぞれ検出する筒内圧検出手段と、
    前記クランク角θにおける筒内容積をV、前記クランク角θにおける筒内容積をV、筒内ガスの比熱比をκとしたとき、前記クランク角θにおけるPVκの値P κから前記クランク角θ1におけるPVκの値P κを減算した値に、所定の定数αを乗算した値(以下、発熱量相関値)を演算する発熱量相関値演算手段と、
    前記クランク角θにおけるPVの値Pから前記クランク角θにおけるPVの値Pを減算した値に、所定の定数βを乗算した値(以下、内部エネルギ相関値)を演算する内部エネルギ相関値演算手段と、
    前記発熱量相関値から前記内部エネルギ相関値を減算した値を、前記クランク角θから前記クランク角θの区間における区間図示トルクとして算出する区間図示トルク算出手段と、
    前記区間図示トルクに基づいて、該区間図示トルクのトルク変動を算出するトルク変動算出手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記発熱量相関値演算手段は、(κ−1)と(V κ−1−V κ−1)との乗算値の逆数値を前記所定の定数αとして特定する手段を含むことを特徴とする請求項1記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記内部エネルギ相関値演算手段は、(κ−1)の逆数値を前記所定の定数βとして特定する手段を含むことを特徴とする請求項1または2記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記トルク変動算出手段は、
    前記区間図示トルクを燃焼順に配列して所定のフィルタ処理を施すフィルタ処理手段と、
    前記フィルタ処理後の区間図示トルクの標準偏差を演算する標準偏差演算手段と、
    を含み、前記標準偏差演算手段による演算値を前記トルク変動として算出することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項記載の内燃機関の制御装置。
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