JP3915367B2 - 可変動弁エンジンの制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、吸気弁及び排気弁のバルブタイミング(開閉時期)を任意に制御可能な可変動弁エンジンの制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、特開平8−200025号公報などに示されるように、可変動弁装置、例えば電磁駆動装置を用いて、吸気弁及び排気弁を駆動し、これらの開閉動作を任意に制御可能としたものがある。
【0003】
特に前記公報に記載の可変動弁エンジンでは、1気筒につき2つずつ備えられる主副の吸気弁及び排気弁を電磁駆動式として、エンジン運転条件に応じて異なる組み合わせで作動させることにより、出力制御を行うようにしている。
【0004】
更に、近年は、ポンプロスの低減による燃費向上を目的として、エンジン運転条件により定められる目標トルク(目標吸入空気量)に応じて、吸気弁閉時期を定め、吸気弁閉時期を制御することにより、吸入空気量を制御して、ノンスロットル運転を行うものが注目され、その開発が進められている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、可変動弁エンジンでは、バルブタイミングを自在に設定できるため、吸気弁と排気弁とのバルブオーバーラップ(吸気弁開時期及び排気弁閉時期の少なくとも一方)を制御することで、内部EGR率を自在に制御でき、内部EGR率の増加によりエミッション(特にNOx排出量)の低減が可能となる。その一方、内部EGR率を増加し過ぎると、燃焼が不安定となり、トルク変動が大きくなって、運転性が悪化する。
【0006】
従って、ノンスロットル運転を行う場合に、吸気弁閉時期と、吸気弁及び排気弁のバルブオーバーラップとをパラメータとする等トルク線上で、トルク変動の許容限界の範囲内で内部EGR率が最大付近となるバルブタイミング(吸気弁閉時期及びバルブオーバーラップ)を予め定めておき、エンジン運転条件により定められる目標トルクに応じて、吸気弁閉時期とバルブオーバーラップとを予め定められた組み合わせに制御することが考えられた。
【0007】
しかしながら、このように、エンジン運転条件により定められる目標トルクに応じて、吸気弁閉時期とバルブオーバーラップとを予め定められた組み合わせに制御することにより、常にトルク変動の許容限界付近でエンジンを運転すると、エンジン冷却水温、吸気温、更には点火栓の汚損等の外的要因によるバラツキで、許容限界を超えるトルク変動を生じることが考えられる。
【0008】
本発明は、このような実状に鑑み、ノンスロットル運転を実現する一方、外部要因のバラツキにかかわらず、トルク変動の許容限界の範囲内で、内部EGR率を増加させて、エミッションの低減を図ることができる可変動弁エンジンの制御装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
このため、請求項1に係る発明では、吸気弁及び排気弁のバルブタイミング(吸気弁開時期、吸気弁閉時期、排気弁開時期及び排気弁閉時期)をそれぞれ任意に制御可能で、吸気弁閉時期を制御することにより吸入空気量を制御する可変動弁エンジンにおいて、図1に示すように、エンジン運転条件に応じて目標トルクを算出する目標トルク算出手段と、エンジンのトルク変動量を検出するトルク変動量検出手段と、吸気弁閉時期と、吸気弁及び排気弁のバルブオーバーラップ(吸気弁開時期及び排気弁閉時期の少なくとも一方)とをパラメータとして、等トルク線を与えるマップと、前記目標トルクに基づいて、前記マップから、対応する等トルク線を選択し、選択された等トルク線上で、前記トルク変動量に応じて、トルク変動量の許容限界の範囲内で内部EGR率が最大付近となるバルブオーバーラップを選択すると共に、前記選択された等トルク線上で、前記選択されたバルブオーバーラップに対応して前記目標トルクを実現する吸気弁閉時期を選択し、選択された吸気弁閉時期とバルブオーバーラップとの組み合わせに制御するバルブタイミング制御手段と、を設けたことを特徴とする。
【0010】
請求項2に係る発明では、前記バルブタイミング制御手段は、前記等トルク線上で、トルク変動量が許容限界値より小さいときに、内部EGR率増大方向のバルブオーバーラップを選択し、トルク変動量が許容限界値より大きいときに、内部EGR率減少方向のバルブオーバーラップを選択することを特徴とする。
【0011】
請求項3に係る発明では、前記バルブタイミング制御手段は、バルブオーバーラップとして、オーバーラップ量を一定にして、オーバーラップ位置を制御することを特徴とする。
【0012】
請求項4に係る発明では、前記バルブタイミング制御手段は、バルブオーバーラップとして、排気弁閉時期を一定にして、吸気弁開時期を制御することを特徴とする。
【0013】
請求項5に係る発明では、前記バルブタイミング制御手段は、バルブオーバーラップとして、吸気弁開時期を一定にして、排気弁閉時期を制御することを特徴とする。
【0014】
請求項6に係る発明では、前記トルク変動量検出手段は、エンジン回転数の変動量よりトルク変動量を検出することを特徴とする。
請求項7に係る発明では、前記トルク変動量検出手段は、エンジンの筒内圧の変動量よりトルク変動量を検出することを特徴とする。
【0015】
【発明の効果】
請求項1に係る発明によれば、エンジン運転条件により定められる目標トルクに対し、吸気弁閉時期とバルブオーバーラップとをパラメータとする等トルク線上で、実際に検出されるトルク変動量に応じて、トルク変動量の許容限界の範囲内で内部EGR率が最大付近となる吸気弁閉時期とバルブオーバーラップとの組み合わせに制御することで、ノンスロットル運転を実現できる一方、エンジン冷却水温、吸気温、更には点火栓の汚損等の外的要因によるバラツキにかかわらず、常にトルク変動の許容限界の範囲内で運転でき、しかも内部EGR率を最大限増加させて、NOxの低減を図ることができる
請求項2に係る発明によれば、等トルク線上で、トルク変動量が許容限界値より小さいときに、内部EGR率増大方向にバルブタイミングを制御し、トルク変動量が許容限界値より大きいときに、内部EGR率減少方向にバルブタイミングを制御することで、外的要因の変化に対し、速やかに最適な組み合わせに制御できる。
【0016】
請求項3に係る発明によれば、バルブオーバーラップとして、オーバーラップ量を一定にして、オーバーラップ位置を制御することにより、オーバーラップ位置を早くすることで内部EGR率を増加させ、遅くすることで内部EGR率を減少させることができる。
【0017】
請求項4に係る発明によれば、バルブオーバーラップとして、排気弁閉時期を一定にして、吸気弁開時期を制御することにより、吸気弁開時期を早くすることで内部EGR率を増加させ、吸気弁開時期を遅くすることで内部EGR率を減少させることができる。
【0018】
請求項5に係る発明によれば、バルブオーバーラップとして、吸気弁開時期を一定にして、排気弁閉時期を制御することにより、排気弁閉時期を早くすることで内部EGR率を増加させ、排気弁閉時期を遅くすることで内部EGR率を減少させることができる。
【0019】
請求項6に係る発明によれば、特別なセンサを設けることなく、エンジン回転数の変動量よりトルク変動量を検出することができる。
請求項7に係る発明によれば、筒内圧センサを必要とするが、エンジンの筒内圧の変動量よりトルク変動量を精度良く検出することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を説明する。
図2は本発明の一実施形態を示す可変動弁エンジンのシステム図である。
【0021】
エンジン1の各気筒のピストン2により画成される燃焼室3には、点火栓4を囲むように、電磁駆動式の吸気弁5及び排気弁6を備えている。7は吸気通路、8は排気通路である。
【0022】
吸気弁5及び排気弁6の電磁駆動装置(可変動弁装置)の基本構造を図3に示す。弁体20の弁軸21にプレート状の可動子22が取付けられており、この可動子22はスプリング23,24により中立位置に付勢されている。そして、この可動子22の下側に開弁用電磁コイル25が配置され、上側に閉弁用電磁コイル26が配置されている。
【0023】
従って、開弁させる際は、上側の閉弁用電磁コイル26への通電を停止した後、下側の開弁用電磁コイル25に通電して、可動子22を下側へ吸着することにより、弁体20をリフトさせて開弁させる。逆に、閉弁させる際は、下側の開弁用電磁コイル25への通電を停止した後、上側の閉弁用電磁コイル26に通電して、可動子22を上側へ吸着することにより、弁体20をシート部に着座させて閉弁させる。
【0024】
図2に戻って、吸気通路7には、吸気マニホールドの上流側に、電制スロットル弁9が設けられている。
吸気通路7にはまた、吸気マニホールドの各ブランチ部に、各気筒毎に、電磁式の燃料噴射弁10が設けられている。
【0025】
ここにおいて、吸気弁5、排気弁6、電制スロットル弁9、燃料噴射弁10及び点火栓4の作動は、コントロールユニット11により制御され、このコントロールユニット11には、エンジン回転に同期してクランク角信号を出力しこれによりクランク角位置と共にエンジン回転数Neを検出可能なクランク角センサ12、アクセル開度(アクセルペダル踏込み量)APOを検出するアクセルペダルセンサ(アクセル全閉でONとなるアイドルスイッチを含む)13、吸気通路7のスロットル弁9上流にて吸入空気量Qaを検出するエアフローメータ14、エンジン冷却水温Twを検出する水温センサ15、更に必要により筒内圧Pcを検出すべく点火栓4の座金として設けられた圧電式の筒内圧センサ16等から、信号が入力されている。
【0026】
このエンジン1では、ポンプロスの低減による燃費向上を目的として、電磁駆動式の吸気弁5及び排気弁6の開閉動作を制御、特に吸気弁5の閉時期IVCを可変制御することにより吸入空気量を制御して、実質的にノンスロットル運転を行う。この場合、電制スロットル弁9は、吸気通路7のスロットル弁9下流(吸気マニホールド内)に、キャニスタパージ、クランクケースパージ等に必要とする負圧を得る目的で設けられている。
【0027】
燃料噴射弁10の燃料噴射時期及び燃料噴射量は、エンジン運転条件に基づいて制御するが、燃料噴射量は、基本的には、エアフローメータ14により検出される吸入空気量Qaに基づいて、所望の空燃比となるように制御する。
【0028】
点火栓4による点火時期は、エンジン運転条件に基づいて、MBT(トルク上の最適点火時期)又はノック限界に制御する。
次に、吸気弁5及び排気弁6のバルブタイミング制御について、更に詳細に、図4〜図6(第1実施形態)により説明する。
【0029】
図4(a),(b)は、ある同じ目標トルクの要求時に、バルブタイミングの設定によって、内部EGR率を異ならせるようにした例である。尚、図4及び後述する図7、図10は、上死点TDC及び下死点BDCを基準として、時計回りに排気弁開時期EVO、吸気弁開時期IVO、排気弁閉時期EVC、吸気弁閉時期IVCを示したものである。
【0030】
図4(a)の設定では、上死点TDC前での吸気弁と排気弁とのバルブオーバーラップ(吸気弁開時期IVO〜排気弁閉時期EVC)について、オーバーラップ位置を比較的遅くしているので、内部EGR率は小さい。
【0031】
これに対し、図4(b)の設定では、吸気弁開時期IVO及び排気弁閉時期EVCを共に早くして、オーバーラップ量(IVO,EVC間のクランク角度)を一定にしたままオーバーラップ位置(例えばIVO,EVC間の中間クランク角位置)を早くしているので、内部EGR率は大きくなる。また、内部EGR(残留ガス量)の増加に伴い、等トルクとするために、吸気弁閉時期IVCを遅らせるようにしている。このような設定で、内部EGR率が増加すると、エミッション(NOx排出量)は低減されるが、燃焼安定性は悪化する方向となる。
【0032】
図5は、オーバーラップ量(O/L量)を一定とし、吸気弁閉時期IVCと、オーバーラップ位置(O/L位置)とをパラメータとして、等トルク線、トルク変動許容限界線、等NOx線を示したマップである。
【0033】
ある目標トルクを実現するためには、等トルク線上で、吸気弁閉時期IVCとオーバーラップ位置との多数の組み合わせがあるが、オーバーラップ位置を早くする程、内部EGR率が増加して、エミッション(NOx排出量)が低減されるが、燃焼安定性は悪化し、トルク変動量が大となる。
【0034】
そこで、ある目標トルクに対し、等トルク線上で、トルク変動許容限界の範囲内で内部EGR率が最大付近となるバルブタイミング、すなわち、等トルク線とトルク変動許容限界線との交点(図中〇印)における吸気弁閉時期IVC及びオーバーラップ位置に制御することが望ましい。
【0035】
しかし、外部要因のバラツキにより、トルク変動許容限界を超える恐れがあるため、実際のトルク変動を検出して、バルブタイミングの制御を行う。
図6はバルブタイミング制御のフローチャートであり、以下これに基づいて説明する。
【0036】
ステップ1(図にはS1と記す。以下同様)では、アクセル開度APOとエンジン回転数Neとを読込む。
ステップ2では、アクセル開度APOとエンジン回転数Neとから、マップを参照して、目標トルク(目標吸入空気量)TQを算出する。この部分が目標トルク算出手段に相当する。
【0037】
但し、アイドル運転時(アイドルスイッチON)の場合は、エンジン回転数Neと目標アイドル回転数Nidleとの偏差ΔNe=Ne−Nidleに基づいて、該偏差がマイナス側のときは、増量方向、プラス側のときは、減量方向に、目標トルク(目標吸入空気量)TQを補正する。
【0038】
ステップ3では、目標トルク(目標吸入空気量)TQに基づいて、図5のマップを参照し、対応する等トルク線を選択する。
ステップ4では、エンジンのトルク変動量ΔTを検出する。この部分がトルク変動量検出手段に相当する。
【0039】
具体的には、定常運転条件で、エンジン回転数Neを検出し、このエンジン回転数Neの時系列データに基づいて、平均値に対するバラツキ、具体的には標準偏差(若しくはその2乗値)を求めることで、エンジン回転数Neの変動量を算出し、これをトルク変動量ΔTとする。
【0040】
又は、定常運転条件で、各気筒の爆発行程の所定クランク角期間において、筒内圧センサ16により検出される筒内圧力Pcの積分値(面積値)に基づいて、図示平均有効圧Piを算出し、この図示平均有効圧Piの時系列データに基づいて、平均値に対するバラツキ、具体的には標準偏差(若しくはその2乗値)を求めることで、図示平均有効圧Piの変動量を算出し、これをトルク変動量ΔTとする。
【0041】
ステップ5では、トルク変動量ΔTを等トルク線上のトルク変動許容限界値(目標トルクTQに応じて予め定めたトルク変動許容限界値)と比較する。
比較の結果、トルク変動量ΔT≧許容限界値の場合は、ステップ6へ進んで、カウンタCを1アップする(C=C+1)。逆に、トルク変動量ΔT<許容限界値の場合は、ステップ7へ進んで、カウンタCを1ダウンする(C=C−1)。
【0042】
ステップ8では、等トルク線上で、トルク変動許容限界より、C分遅い、オーバーラップ位置(O/L位置)を選択し、これに基づいて吸気弁開時期IVO及び排気弁閉時期EVCを決定する(オーバーラップ量は一定)。
【0043】
この場合、カウンタCがマイナス値であれば、等トルク線上で、トルク変動許容限界より、−C分早い、オーバーラップ位置を選択することになる。
従って、トルク変動量が許容限界値より大きくて、カウンタCが増大方向のときは、等トルク線上で、オーバーラップ位置を遅くする方向(内部EGR減少方向)に制御し、トルク変動量が許容限界値より小さくて、カウンタCが減少方向のときは、等トルク線上で、オーバーラップ位置を早くする方向(内部EGR増大方向)に制御する。
【0044】
ステップ9では、等トルク線上で、オーバーラップ位置(O/L位置)に対応する吸気弁閉時期IVCを選択し、これにより吸気弁閉時期IVCを決定する。
ステップ10では、ステップ8,9にて決定された吸気弁開時期IVO、排気弁閉時期EVO、吸気弁閉時期IVCに基づいて、吸気弁5及び排気弁6のバルブタイミングを制御する。ここで、ステップ3,5〜9の部分がバルブタイミング制御手段に相当する。尚、排気弁開時期EVOについては一定でよい。
【0045】
次に第2実施形態について、図7〜図9により説明する。
第2実施形態では、バルブオーバーラップとして、排気弁閉時期EVCを一定にして、吸気弁開時期IVOを制御する。
【0046】
図7(a)の設定では、上死点TDC前での吸気弁と排気弁とのバルブオーバーラップ(吸気弁開時期IVO〜排気弁閉時期EVC)について、吸気弁開時期IVOを比較的遅くしているので(オーバーラップ量小)、内部EGR率は小さい。
【0047】
これに対し、図7(b)の設定では、排気弁閉時期EVCを一定にし、吸気弁開時期IVOを早くしているので(オーバーラップ量大)、内部EGR率は大きくなる。吸気弁がTDC前にて早く開くと、筒内の排気ガスの吸気側への吹き返しが多くなり、これが次行程で吸入されるからである。また、内部EGR(残留ガス量)の増加に伴い、等トルクとするために、吸気弁閉時期IVCを遅らせるようにしている。このような設定で、内部EGR率が増加すると、エミッション(NOx排出量)は低減されるが、燃焼安定性は悪化する方向となる。
【0048】
図8は、排気弁閉時期EVCを一定とし、吸気弁閉時期IVCと、吸気弁開時期IVO(O/L量)とをパラメータとして、等トルク線、トルク変動許容限界線、等NOx線を示したマップである。
【0049】
ある目標トルクを実現するためには、等トルク線上で、吸気弁閉時期IVCと吸気弁開時期IVOとの多数の組み合わせがあるが、吸気弁開時期IVOを早くする程、オーバーラップ量が大きくなり、内部EGR率が増加して、エミッション(NOx排出量)が低減されるが、燃焼安定性は悪化し、トルク変動量が大となる。
【0050】
そこで、実際のトルク変動量を検出し、目標トルクに対し、等トルク線上で、トルク変動許容限界の範囲内で内部EGR率が最大付近となるバルブタイミング、すなわち、吸気弁閉時期IVCと吸気弁開時期IVOとの組み合わせに制御する。
【0051】
図9はこの場合のバルブタイミング制御のフローチャートであり、図5のマップの代わりに図8のマップを用いる他、図6のフローに対し、ステップ8、9の部分のみが異なるので、この部分について説明する。
【0052】
ステップ8では、等トルク線上で、トルク変動許容限界より、C分遅い、吸気弁開時期IVOを選択し、これにより吸気弁開時期IVOを決定する。排気弁閉時期EVCは一定である。
【0053】
この場合、カウンタCがマイナス値であれば、等トルク線上で、トルク変動許容限界より、−C分早い、吸気弁開時期IVOを選択することになる。
従って、トルク変動量が許容限界値より大きくて、カウンタCが増大方向のときは、等トルク線上で、吸気弁開時期IVOを遅くする方向(内部EGR減少方向)に制御し、トルク変動量が許容限界値より小さくて、カウンタCが減少方向のときは、等トルク線上で、吸気弁開時期IVOを早くする方向(内部EGR増大方向)に制御する。
【0054】
ステップ9では、等トルク線上で、吸気弁開時期IVOに対応する吸気弁閉時期IVCを選択し、これにより吸気弁閉時期IVCを決定する。
次に第3実施形態について、図10〜図12により説明する。
【0055】
第3実施形態では、バルブオーバーラップとして、吸気弁開時期IVOを一定にして、排気弁閉時期EVCを制御する。
図10(a)の設定では、上死点TDC前での吸気弁と排気弁とのバルブオーバーラップ(吸気弁開時期IVO〜排気弁閉時期EVC)について、排気弁閉時期EVCを比較的遅くしているので、内部EGR率は小さい。
【0056】
これに対し、図10(b)の設定では、吸気弁開時期IVOを一定にし、排気弁閉時期EVCを早くしているので、内部EGR率は大きくなる。排気弁がTDC前にて早く閉じると、筒内の排気ガスが排気側に出ていかず、吸気側に排出されて、次行程で吸入されるからである。また、内部EGR(残留ガス量)の増加に伴い、等トルクとするために、吸気弁閉時期IVCを遅らせるようにしている。このような設定で、内部EGR率が増加すると、エミッション(NOx排出量)は低減されるが、燃焼安定性は悪化する方向となる。
【0057】
図11は、吸気弁開時期IVOを一定とし、吸気弁閉時期IVCと、排気弁閉時期EVCとをパラメータとして、等トルク線、トルク変動許容限界線、等NOx線を示したマップである。
【0058】
ある目標トルクを実現するためには、等トルク線上で、吸気弁閉時期IVCと排気弁閉時期EVCとの多数の組み合わせがあるが、排気弁閉時期EVCを早くする程、内部EGR率が増加して、エミッション(NOx排出量)が低減されるが、燃焼安定性は悪化し、トルク変動量が大となる。
【0059】
そこで、実際のトルク変動量を検出し、目標トルクに対し、等トルク線上で、トルク変動許容限界の範囲内で内部EGR率が最大付近となるバルブタイミング、すなわち、吸気弁閉時期IVCと排気弁閉時期EVCとの組み合わせに制御する。
【0060】
図12はこの場合のバルブタイミング制御のフローチャートであり、図5又は図8のマップの代わりに図11のマップを用いる点と、図6又は図9のフローに対し、ステップ8、9の部分のみが異なるので、この部分について説明する。
【0061】
ステップ8では、等トルク線上で、トルク変動許容限界より、C分遅い、排気弁閉時期EVCを選択し、これにより排気弁閉時期EVCを決定する。吸気弁開時期IVOは一定である。
【0062】
この場合、カウンタCがマイナス値であれば、等トルク線上で、トルク変動許容限界より、−C分早い、排気弁閉時期EVCを選択することになる。
従って、トルク変動量が許容限界値より大きくて、カウンタCが増大方向のときは、等トルク線上で、排気弁閉時期EVCを遅くする方向(内部EGR減少方向)に制御し、トルク変動量が許容限界値より小さくて、カウンタCが減少方向のときは、等トルク線上で、排気弁閉時期EVCを早くする方向(内部EGR増大方向)に制御する。
【0063】
ステップ9では、等トルク線上で、排気弁閉時期EVCに対応する吸気弁閉時期IVCを選択し、これにより吸気弁閉時期IVCを決定する。
以上の第1〜第3実施形態のいずれにおいても、ノンスロットル運転を実現できる一方、エンジン冷却水温、吸気温、更には点火栓の汚損等の外的要因によるバラツキにかかわらず、常にトルク変動の許容限界の範囲内で運転でき、しかも内部EGR率を最大限増加させて、NOxの低減を図ることができる
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の構成を示す機能ブロック図
【図2】 本発明の一実施形態を示す可変動弁エンジンのシステム図
【図3】 吸排気弁の電磁駆動装置の基本構造図
【図4】 第1実施形態のバルブタイミング例を示す図
【図5】 第1実施形態の等トルクマップを示す図
【図6】 第1実施形態のバルブタイミング制御のフローチャート
【図7】 第2実施形態のバルブタイミング例を示す図
【図8】 第2実施形態の等トルクマップを示す図
【図9】 第2実施形態のバルブタイミング制御のフローチャート
【図10】 第3実施形態のバルブタイミング例を示す図
【図11】 第3実施形態の等トルクマップを示す図
【図12】 第3実施形態のバルブタイミング制御のフローチャート
【符号の説明】
1 エンジン
4 点火栓
5 電磁駆動式の吸気弁
6 電磁駆動式の排気弁
7 吸気通路
8 排気通路
9 燃料噴射弁
10 電制スロットル弁
11 コントロールユニット
12 クランク角センサ
13 アクセルペダルセンサ
16 筒内圧センサ
Claims (7)
- 吸気弁開時期、吸気弁閉時期、排気弁開時期及び排気弁閉時期をそれぞれ任意に制御可能で、吸気弁閉時期を制御することにより吸入空気量を制御する可変動弁エンジンにおいて、
エンジン運転条件に応じて目標トルクを算出する目標トルク算出手段と、
エンジンのトルク変動量を検出するトルク変動量検出手段と、
吸気弁閉時期と、吸気弁及び排気弁のバルブオーバーラップとをパラメータとして、等トルク線を与えるマップと、
前記目標トルクに基づいて、前記マップから、対応する等トルク線を選択し、選択された等トルク線上で、前記トルク変動量に応じて、トルク変動量の許容限界の範囲内で内部EGR率が最大付近となるバルブオーバーラップを選択すると共に、前記選択された等トルク線上で、前記選択されたバルブオーバーラップに対応して前記目標トルクを実現する吸気弁閉時期を選択し、選択された吸気弁閉時期とバルブオーバーラップとの組み合わせに制御するバルブタイミング制御手段と、
を設けたことを特徴とする可変動弁エンジンの制御装置。 - 前記バルブタイミング制御手段は、前記等トルク線上で、トルク変動量が許容限界値より小さいときに、内部EGR率増大方向のバルブオーバーラップを選択し、トルク変動量が許容限界値より大きいときに、内部EGR率減少方向のバルブオーバーラップを選択することを特徴とする請求項1記載の可変動弁エンジンの制御装置。
- 前記バルブタイミング制御手段は、バルブオーバーラップとして、オーバーラップ量を一定にして、オーバーラップ位置を制御することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の可変動弁エンジンの制御装置。
- 前記バルブタイミング制御手段は、バルブオーバーラップとして、排気弁閉時期を一定にして、吸気弁開時期を制御することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の可変動弁エンジンの制御装置。
- 前記バルブタイミング制御手段は、バルブオーバーラップとして、吸気弁開時期を一定にして、排気弁閉時期を制御することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の可変動弁エンジンの制御装置。
- 前記トルク変動量検出手段は、エンジン回転数の変動量よりトルク変動量を検出することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1つに記載の可変動弁エンジンの制御装置。
- 前記トルク変動量検出手段は、エンジンの筒内圧の変動量よりトルク変動量を検出することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1つに記載の可変動弁エンジンの制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000083457A JP3915367B2 (ja) | 2000-03-24 | 2000-03-24 | 可変動弁エンジンの制御装置 |
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