JP5401297B2 - 配線構造材、これを用いた屋内配線構造、及び該屋内配線構造を用いた屋内配線システム - Google Patents

配線構造材、これを用いた屋内配線構造、及び該屋内配線構造を用いた屋内配線システム Download PDF

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Description

本発明は、屋内の配線に用いられる配線構造材、これを用いた屋内配線構造、及び該屋内配線構造を用いた屋内配線システムに関する。
従来の住居等の建築物内の配線構造としては、分電盤から引き込んだ幹線を、天井裏や床下等に配設したジョイントボックス等を介して分岐させ、その分岐させた配線を、天井裏や床下、内壁内部等を引き回し、部屋の各部へ配線するようにしていた(例えば、下記特許文献1及び下記特許文献2参照)。
このような配線構造では、例えば、コンセント及びスイッチ等の各種配線器具や、照明器具及び空調機器等の各種電気機器の接続器具を移設する必要が生じた場合、並びに、これら各種電気機器の接続器具や、上記各種の配線器具を新たに増設する必要が生じた場合には、比較的、大掛かりな作業が必要となる。例えば、既設の建築仕上材(天井材や床材、内装壁材など)を除去して配線工事を施した後、新たな建築仕上材を施工したり、建築仕上材に、配線用の穿孔等を設け、適宜の仕上げ加工を施したりする必要があった。また、鉄筋コンクリート造の建築物において、直床や直天井、直壁仕上げ等の構造とされている場合には、予め配線用の配管を埋設施工している場合が多い。このような構造では、各種器具の移設や増設、配線態様の変更自体が困難となり、配線用のモール等を露出させて這わせるように配線して各種器具を施工する必要があり、見栄えが悪くなるという問題もあった。
一方、室内空間に配設される巾木などの建築部材に配線スペースを設け、該配線スペースを利用して配線する配線構造が提案されている(例えば、下記特許文献3及び下記特許文献4参照)。
また、下記特許文献5では、天井側の内側接線部領域(入隅部)に沿って上部アウタービームを架設し、床面側の入隅部に沿って巾木を支持する下部アウタービームを設け、これら上下アウタービームに、配線引き回し空間を設けた構造体支持構造が提案されている。このものでは、上部アウタービームに形成した下方に向けて開口する支持部と、下部アウタービームに形成した上方に向けて開口する支持部とによって、パネル材を支持する構造とされている。
特開平10−164726号公報(図1参照) 特開2003−274543号公報(図1参照) 特開平9−247828号公報(図1参照) 特開2004−173364号公報(図1参照) 特開平11−229539号公報(図2参照)
しかしながら、上記特許文献3,4に記載されたような配線構造では、壁部に壁パネルの取り付けや壁クロスの貼着がなされた後に、床面と壁面とが交差する入隅部に沿って施工される巾木などの建築部材を配線部材として用いる構造とされている。また、上記特許文献5に記載された構造体支持構造では、上下のアウタービームの各支持部にパネル材の上下端部を支持させる構造とされている。
このような構造では、交換やリフォーム等のために壁パネルを取り外したい場合や、新たに壁パネルを施工したい場合には、巾木等の建築部材乃至は上下アウタービームを取り外し、さらに必要により既設の壁パネルを取り外すなどして、新たな壁パネルを施工する必要があった。
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、屋内の配線が接続される各種器具の移設や増設を容易に行い得るとともに、壁パネルなどの施工性を向上し得る配線構造材、これを用いた屋内配線構造、及び該屋内配線構造を用いた屋内配線システムを提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、本発明に係る配線構造材は、屋内空間における天井側の入隅部または床側の入隅部に、該入隅部の長手方向に沿って配設される配線構造材であって、前記入隅部の施工下地に固定される固定保持部と、前記入隅部の長手方向に沿うように設けられ通線部と、これら固定保持部及び通線部を被装するように形成されたカバー部とを備えており、前記固定保持部は、前記入隅部に前記通線部とともに配設された状態で、壁パネルの端部及び取付対象器具の両方またはいずれか一方が固定止具を用いて着脱可能に固定され、これらを保持する構造とされていることを特徴とする。
このような構成とされた配線構造材を、天井側及び床側の入隅部の両方またはいずれか一方に沿って配設することで、電力線や情報線などの配線を通線部を用いて配線することができる。従って、天井裏や床下、内壁内部を利用して配線する構造とされたものと比べて、配線の引き回しや屋内空間側への引き出しに、大掛かりな作業を必要とせず、各種器具の移設や増設を容易に行うことができる。
また、当該配線構造材は、天井側及び床側の入隅部の両方またはいずれか一方に沿って配設される、比較的、長尺のものであるので、所望部位において屋内空間側に引き出した配線を各種器具に接続できる。従って、各種器具の移設や増設を容易に行うことができる。
さらに、当該配線構造材の固定保持部を施工下地に固定した状態で、壁パネルの端部及び制御ユニットや照明器具、コンセント、スイッチ等の取付対象器具の両方またはいずれか一方を、着脱可能に固定保持することができるので、壁パネルなどを取り外す際や取り付ける際に、該固定保持部を施工下地から取り外すことなく壁パネルなどの取り外しや取り付けを行うことができる。従って、壁パネルなどの施工性を向上させることができる。
つまり、当該配線構造材を天井側及び床側の入隅部の両方またはいずれか一方に沿って配設し、電力線や情報線などの配線を通線部に通しておくことで、屋内空間に、給電基盤乃至は通信基盤となる配線を予め設けておくことができ、また、屋内空間のリフォーム等を容易に行うことができる。
また、上記固定保持部及び通線部を被装するように形成されたカバー部を備えているので、固定保持部に止着された固定止具や通線部の配線が露出せず、見栄えが良い。
本発明に係る配線構造材においては、前記カバー部を、前記固定保持部及び前記通線部を有したベース構造材に、着脱可能に取り付けられるカバー体としてもよい。
このような構成とすれば、ベース構造材の通線部に配線し、固定保持部に壁パネルの端部や、取付対象器具を固定保持させることができる。
また、カバー体をベース構造材から取り外すことで、ベース構造材の通線部に通された配線のメンテナンスや、各種器具の移設や増設等をより容易に行うことができる。
また、前記目的を達成するために、本発明に係る屋内配線構造は、前記配線構造材を、屋内空間における天井側及び床側の入隅部の両方またはいずれか一方に沿って配設し、前記屋内空間に引き込んだ配線を、前記通線部に通して配線することを特徴とする。
このような構成とすることで、各種器具の移設や増設を容易に行うことができるとともに、壁パネルなどの施工性を向上させることができる。
本発明に係る屋内配線構造においては、前記固定保持部に、電気機器を有した機能壁パネルの端部を保持させ、前記通線部の配線を、該電気機器に接続するようにしてもよい。
このような構成とすれば、機能壁パネルに設けられた電気機器への給電や各種信号の送受信等を、配線構造材に配線された電力線や情報線を通じて行うことができる。
また、本発明に係る屋内配線構造においては、前記配線構造材を、天井側の入隅部に沿って配設するとともに、床側の入隅部に沿って配設し、かつ、通線部を設けた縦配線部材を、これら天井側の配線構造材と、床側の配線構造材とを接続するように壁部に沿って縦方向に配設するようにしてもよい。
このような構成とすれば、縦配線部材を用いて、屋内空間に引き込んだ配線を、天井側の配線構造材側から床側の配線構造材側、または床側の配線構造材側から天井側の配線構造材側へ配線することができる。
前記縦配線部材としては、前記壁部の縦隅部に沿って配設される縦隅部材としてもよい。
また、前記縦配線部材としては、壁パネルとしてもよい。
また、本発明に係る屋内配線構造においては、前記屋内空間の外部から幹線を引き込む引込孔を設け、該引込孔に、幹線引込ジョイントボックスを取り付け、該幹線引込ジョイントボックスにおいて前記幹線と前記配線とを接続するようにしてもよい。
このような構成とすれば、外部から引き込んだ幹線と、配線構造材の通線部に通した配線とを、幹線引込ジョイントボックスにおいて接続することで、該幹線引込ジョイントボックスを起点として配線構造材を用いて屋内の隅々に配線することができる。
また、前記目的を達成するために、本発明に係る屋内配線システムは、屋内空間に引き込んだ配線を、前記屋内配線構造を用いて配線し、この配線と、屋内に設けられた設備機器とを接続したことを特徴とする。
このような構成とすれば、屋内に設けられた各種設備機器への給電や各種信号の送受信等を、配線構造材に配線された電力線や情報線を通じて行うことができる。
本発明に係る配線構造材、これを用いた屋内配線構造、及び該屋内配線構造を用いた屋内配線システムは、上述のような構成としたことで、各種器具の移設や増設を容易に行うことができるとともに、壁パネルなどの施工性を向上させることができる。
本発明の一実施形態に係る配線構造材、及びこれを用いた屋内配線構造の一実施形態を模式的に示し、図2におけるX−X線矢視に対応させた一部破断概略拡大縦断面図、及び部分拡大概略縦断面図である。 同屋内配線構造を模式的に示す一部破断概略斜視図である。 (a)〜(c)は、いずれも同屋内配線構造を模式的に示し、(a)は、図1におけるY1−Y1線矢視に対応させた一部破断概略拡大横断面図、(b)は、図1におけるY2−Y2線矢視に対応させた一部破断概略拡大横断面図、(c)は、図1におけるY3−Y3線矢視に対応させた一部破断概略拡大横断面図である。 同屋内配線構造に用いられる配線構造材としての廻縁構造材の一例を模式的に示す一部破断概略分解斜視図である。 同屋内配線構造に用いられる配線構造材としての巾木構造材の一例を模式的に示す一部破断概略分解斜視図である。 (a)は、同屋内配線構造に用いられる幹線引込ジョイントボックスの一例を模式的に示す概略斜視図、(b)は、同幹線引込ジョイントボックスと、そのカバーの一例とを模式的に示す概略斜視図である。 (a)は、同屋内配線構造に用いられる縦配線部材の一例を模式的に示す一部破断概略分解斜視図、(b)は、同屋内配線構造に用いられる分岐ジョイントボックスの一例と、そのカバーの一例とを模式的に示す概略斜視図である。 (a)〜(c)は、いずれも同屋内配線構造の施工手順の一例を模式的に示す一部破断概略斜視図である。 (a),(b)は、いずれも同施工手順を模式的に示す一部破断概略斜視図である。 図9(b)に相当する施工手順を模式的に示し、図1に対応させた一部破断概略拡大縦断面図、及び部分拡大概略縦断面図である。 (a)は、同施工手順を模式的に示す一部破断概略斜視図、(b)は、(a)におけるZ1部に対応させた一部破断概略拡大斜視図、(c)は、(a)におけるZ2部に対応させた一部破断概略拡大斜視図である。 (a),(b)は、同屋内配線構造に用いられる幹線の引込経路の一例をそれぞれ模式的に示す概略縦断面図である。 (a),(b)は、いずれも同屋内配線構造を用いた屋内配線システムの一実施形態をそれぞれ模式的に示す概略斜視図である。
以下に本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
図1〜図13は、本実施形態に係る配線構造材、これを用いた屋内配線構造、及び該屋内配線構造を用いた屋内配線システムについて説明するための説明図である。
なお、一部の図では、他図に付している詳細な符号の一部を省略している。
また、図2、図9及び図11(a)、(b)では、天井材の図示を省略して天井側から見た状態を示している。
また、以下の実施形態において指す表面(手前)及び裏面(背面)は、屋内空間側から見た状態を基準として説明する。
本実施形態に係る屋内配線構造1は、図1〜図3に示すように、配線構造材としての廻縁構造材10と、配線構造材としての巾木構造材30と、縦配線部材としての縦入隅部材50とを備えている。
廻縁構造材10は、屋内空間における壁部を構成する壁材4と、屋内空間における天井部を構成する天井材7とが交差する天井側入隅部2に沿って配設されるとともに、通線部21を有している。
巾木構造材30は、壁材4と、屋内空間における床部を構成する床材8とが交差する床側入隅部3に沿って配設されるとともに、通線部41を有している。これら廻縁構造材10と、巾木構造材30とによって、後記する壁パネル80が固定保持される。
縦入隅部材50は、これら廻縁構造材10と巾木構造材30とを接続するように、隣接する壁材4,4同士が交差する壁部の縦入隅部5に沿って配設されるとともに、通線部52を有している(図3(b)参照)。
これら廻縁構造材10、巾木構造材30及び縦入隅部材50のそれぞれに設けられた通線部21,41,52には、屋内空間に引き込んだ配線C3,C4が通されて配線される。
また、天井側入隅部2,2に沿って縦入隅部5に向けてそれぞれ配設された廻縁構造材10,10の縦入隅部側端部間、つまり、天井側入隅部2,2同士が交差する屋内空間の天井側入隅角部近傍には、幹線引込ジョイントボックス60が配設されている(図2及び図3(a)参照)。
一方、床側入隅部3,3に沿って縦入隅部5に向けてそれぞれ配設された巾木構造材30,30の縦入隅部側端部間、つまり、床側入隅部3,3同士が交差する屋内空間の床側入隅角部近傍には、分岐ジョイントボックス70が配設されている(図2及び図3(c)参照)。
これら幹線引込ジョイントボックス60と分岐ジョイントボックス70との間に、縦入隅部材50が配設されている。
また、本実施形態では、天井材7に設けた引込孔Hを介して、屋内空間の外部から幹線C1,C2を引き込むようにしている(図8(a)も参照)。この幹線C1,C2の一端部と、縦入隅部5に向けてそれぞれ配設された廻縁構造材10,10の各通線部21,21、及び縦入隅部材50の通線部52に通された各配線C3,C4の一端部とを、幹線引込ジョイントボックス60において接続している。
また、縦入隅部材50の通線部52に通された配線C3,C4の他端部と、縦入隅部5に向けてそれぞれ配設された巾木構造材30,30の各通線部41,41に通された各配線C3,C4の一端部とを、分岐ジョイントボックス70において接続している。
つまり、本実施形態では、屋内空間の外部から引き込んだ幹線C1,C2を、幹線引込ジョイントボックス60において分岐させるようにして、各廻縁構造材10,10、及び縦入隅部材50の各通線部21,21,52に配線C3,C4を通して配線するようにしている。また、縦入隅部材50の通線部52に通された配線C3,C4を、分岐ジョイントボックス70において分岐させるようにして、各巾木構造材30,30の各通線部41,41に通して配線するようにしている。
これら幹線C1,C2及び配線C3,C4としては、電力線(電線)や情報線(信号線)等が挙げられ、電力線としては、100Vや200V等の交流電源が送電される交流電圧線、直流電源が送電される直流電圧線等が挙げられる。また、情報線としては、映像信号や音声信号、その他、各種の信号等が送信される各種ケーブルや光ファイバー等が挙げられる。
また、屋内空間の外部から引き込まれる幹線C1,C2の他端部は、例えば、建物内の適所に配設された分電盤等に接続されている。
屋内配線構造を構成する配線部材としての廻縁構造材10、巾木構造材30、縦入隅部材50、幹線引込ジョイントボックス60、及び分岐ジョイントボックス70は、それぞれが配設される入隅部の施工下地に固定される。これら各部材の施工下地への固定手段としては、タッピンねじや木ねじ等のねじ乃至は釘等の固定止具Sとしてもよく、適宜の接着剤等を固定手段としてもよい。または、これらを組み合わせるようにしてもよい。
施工下地としては、固定手段の態様にもよるが、固定止具Sを採用する場合には、固定止具Sの保持強度が保たれるように、例えば、壁材4の裏面側に設けられた下地壁4Aを構成する内壁胴縁6や、間柱、桟部材等を施工下地としてもよい。また、天井材7の裏面側に設けられた天井野縁6Aや、床材8の裏面側に設けられた下地床8Aを構成する根太等を施工下地としてもよい。
このような施工下地は、建物の構造や固定手段の態様に応じて、適宜のものを施工下地とすればよく、壁材4や、天井材7、床材8自体を、施工下地として把握するようにしてもよい。また、鉄筋コンクリート造等の建築物において、下地壁4Aや下地床8Aが、建築躯体としてのコンクリート壁やコンクリート床とされ、直壁や直床、直天井仕上げ等とされている場合には、建築躯体を施工下地としてもよく、または、その表面に適宜、設けられた壁材や床材、天井材などを施工下地として把握するようにしてもよい。
また、壁クロスや壁紙等が貼着された壁仕上げ面や天井仕上げ面等を施工下地として把握してもよく、または、それらを剥離させ、石膏ボードや合板捨張下地等の下地ボードを露出させて、それらを施工下地として把握してもよい。または、このような下地ボード等を施工せずに、内壁胴縁6や、間柱、桟部材等自体を、施工下地として把握するようにしてもよい。この場合は、後記するように、屋内空間の内壁の略全周に亘って、本実施形態に係る配線構造材によって壁パネル80を保持させるようにしてもよい。
次に、上記した各部材の詳細について、図4〜図7をも参照して説明する。
廻縁構造材10は、図4に示すように、ベース構造材としての廻縁ベース20及びベース固定具26と、このベース構造材に着脱可能に取り付けられるカバー体としての廻縁カバー11とを備えている。
ベース固定具26は、略水平に延びる水平片部26aと略鉛直下方に延びる鉛直片部26bとを有し、縦断面形状が、略倒L字状とされており、アルミニウムやステンレス、炭素鋼等の適宜の金属材料から押出成形やプレス成形、鋳造成形または切削加工等によって一体的に成形された金属製とされている。または、硬質合成樹脂製としてもよい。
このベース固定具26の水平片部26aの先端部(手前側端部)には、この水平片部26aから段下がり状に形成された係合部29が設けられている。この係合部29には、上方に向けて突出するとともに、当該廻縁構造材10の長手方向と同方向に沿って形成された係止突条29aが設けられている。
ベース固定具26の鉛直片部26bの先端部(下端部)には、手前側かつ上方に向けて屈曲させるように鉤状に形成されたベース受部27が設けられている。また、鉛直片部26bの基端部(上端部)には、ベース受部27により凹溝状に形成された凹部と対向するように、下方に向けて開口したベース保持ガイド凹溝28が設けられている。
このベース固定具26は、水平片部26aを天井材7の表面に当接させるとともに、鉛直片部26bを壁材4の表面に当接させ、天井側入隅部2に沿って適宜、間隔を空けて配設される。また、このベース固定具26は、水平片部26a及び鉛直片部26bのそれぞれに設けられた止具挿通孔を介して、例えば、ねじ等の固定止具Sを挿通させ、固定止具Sにより施工下地4(6,7,6A)に対して固定される(図1参照)。
廻縁ベース20は、上記同様、一体的に成形された金属製とされ、比較的、長尺に形成されており、長手方向の全長に亘って延びる複数本(図例では三本)の通線部21を、上下に積層させるように有している。
各通線部21は、縦断面形状が、上方に向けて開口する略コ字状(略C字状乃至は略U字状)とされ、最下段の通線部21の背面側には、下方に向けて垂下片22が垂設されている。この垂下片22は、壁パネル80の上端部81を保持する保持部として機能し、この垂下片22に、壁パネル80の上端部81がねじ等の固定止具Sにより着脱可能に固定保持される。また、この垂下片22の上端部近傍部位には、手前側に向けて開口するとともに、当該廻縁ベース20の長手方向と同方向に沿って形成された係合凹溝22aが設けられている。この係合凹溝22aには、後記する取付対象器具としての制御ユニット89の背面側に設けられた係合突片部89bが係合する(図1参照)。
また、最下段の通線部21の手前側片部には、背面側に屈曲させるようにして鉤状に形成された係合片部23が設けられている。この係合片部23は、図1に示すように、取付対象器具としての制御ユニット89を保持する保持部として機能し、この係合片部23に、制御ユニット89がボルトとナット等の固定止具B,N、及び係止具9により着脱可能に固定保持される。
中段の通線部21の背面側には、ベース固定具26のベース受部27と互いに係合する鉤状の係合片部24が設けられており、最上段の通線部21の背面側片部25が、ベース固定具26のベース保持ガイド凹溝28に係合する形状とされている。ベース保持ガイド凹溝28は、この背面側片部25の上下動を許容し得るよう形成されている。
なお、廻縁ベース20は、廻縁カバー11と同様の合成樹脂製とされたものとしてもよい。
廻縁カバー11は、ポリプロピレンや、ABS(アクリロニトリルブタジエンスチレン)、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、PPS(ポリフェニレンサルファイド)等の合成樹脂材料を主材とした材料から押出成形や射出成形、切削加工等によって一体的に成形された合成樹脂製とされ、長尺に形成されている。または、上記同様の金属製のものとしてもよい。
この廻縁カバー11は、平板状の手前面部12と、この手前面部12の上端から背面側に向けて延びるように連成された天面部13と、手前面部12の下端から背面側に向けて延びるように連成された底面部14とを備えている。
天面部13の先端部(背面側端部)裏面には、ベース固定具26の係止突条29aに係止される係止凹溝13aが当該廻縁カバー11の長手方向の全長に亘って形成されている。
上記構成とされた廻縁構造材10は、図1に示すように、施工下地に対して固定されたベース固定具26に対して、廻縁ベース20が着脱可能に固定保持される。すなわち、廻縁ベース20の背面側片部25を、ベース固定具26のベース保持ガイド凹溝28に挿し込み、廻縁ベース20を上方に向けて移動させ、その係合片部24を、ベース固定具26のベース受部27に係合させることで、廻縁ベース20がベース固定具26を介して施工下地に対して固定される。つまり、本実施形態では、これらベース固定具26並びに廻縁ベース20の係合片部24及び背面側片部25が、施工下地に固定される固定部として機能し、上記保持部とともに、固定保持部として機能する。
また、上記のように固定された状態では、廻縁ベース20の垂下片22が壁材4に沿うように、その裏面が壁材4の表面に当接している。
廻縁カバー11は、上記のように施工下地に対して固定されたベース固定具26及び廻縁ベース20からなるベース構造材を被装するように形成されており、本実施形態では、ベース固定具26に着脱可能に取り付けられる。すなわち、ベース固定具26が、上記のように施工下地に固定された状態では、水平片部26aの先端部に設けられた係合部29と、天井材7の表面とによって、手前側に向けて開口する係合凹部が形成され、この係合凹部に、廻縁カバー11の天面部13の先端部を挿し込み、その裏面に設けられた係止凹溝13aを、ベース固定具26の係止突条29aに係止させることで、廻縁カバー11が取り付けられる。なお、廻縁カバー11の天面部13の先端部は、上記係合凹部にスムーズに挿し込み得るように、背面側に向けて先細り状に形成されている。
上記のように廻縁カバー11が取り付けられた状態では、その底面部14の先端部(背面側端部)が、後記する壁パネル80の上端部81の手前面に当接し、廻縁ベース20の各通線部21の手前側、及び最下段の通線部21の下方側には、収容空間が形成される。この収容空間に、壁パネル80の後記する制御ユニット89が収容される。
なお、本実施形態では、廻縁構造材10のベース構造材として、廻縁ベース20とベース固定具26とからなるものを例示しているが、ベース固定具を設けずに、廻縁ベース20を直接、施工下地に対して固定するようにしてもよい。この場合は、廻縁ベースに対して、廻縁カバーを着脱可能に取り付け得るよう、廻縁ベース及び廻縁カバーのそれぞれに、互いに係合する係合部を設けるようにすればよい。
巾木構造材30は、図5に示すように、ベース構造材としての巾木ベース40と、この巾木ベース40に着脱可能に取り付けられるカバー体としての巾木カバー31とを備えている。
巾木ベース40は、上記同様の金属製乃至は合成樹脂製とされ、比較的、長尺に形成されており、廻縁ベース20と同様、長手方向の全長に亘って延びる複数本(図例では三本)の通線部41を、上下に積層させるように有している。
各通線部41は、縦断面形状が、手前に向けて開口する略コ字状(略C字状乃至は略U字状)とされ、各通線部41に通された配線C3,C4が容易に抜け出ないように、各通線部41の手前側には、上方に向けて突出する突片部が設けられている。
また、最下段の通線部41の手前側には、固定止具Sが止着される固定下片部42が連成されている。この固定下片部42の手前側には、上方かつ手前側に向けて屈曲させるように鉤状に形成されたカバー受部43が形成されている。
この巾木ベース40の最上段の通線部41の上方位置には、上方に向けて開口した係合凹部44が設けられるとともに、その背面側には、固定止具Sが止着される立上片部45が連成されている。これら係合凹部44及び立上片部45は、壁パネル80の下端部83を保持する保持部として機能し、係合凹部44に、壁パネル80の下端部83を嵌め入れ、立上片部45に、壁パネル80の下端部83がねじ等の固定止具Sにより着脱可能に固定保持される。
また、この立上片部45の上端部には、背面側に段部が形成されるようにして係合部46が形成されている。この係合部46には、背面側に向けて開口するとともに、当該巾木ベース40の長手方向と同方向に沿って形成された係止凹溝46aが設けられている。
この巾木ベース40は、固定下片部42を床材8の表面に当接させるとともに、立上片部45を壁材4の表面に当接させ、固定下片部42乃至は立上片部45に対して、例えば、ねじ等の固定止具Sを止着することによって、施工下地8(4,6)に対して固定される。つまり、本実施形態では、これら固定下片部42乃至は立上片部45が、施工下地に固定される固定部として機能し、上記保持部とともに、固定保持部として機能する。
なお、図1では、壁パネル80の上端部81及び下端部83をそれぞれに固定保持する廻縁ベース20の垂下片22及び巾木ベース40の立上片部45を、固定止具が貫通し、該固定止具の先端が施工下地4にまで至っている例を示しているが、このような態様に限られず、これら垂下片22及び立上片部45の厚み内に、固定止具が止まるような止着態様としてもよい。
巾木カバー31は、上記同様の金属製乃至は合成樹脂製とされ、比較的、長尺に形成されており、平板状の手前面部32と、この手前面部32の上端からC面取り形状を形成するとともに背面側に向けて延びるように連成された天面部33と、手前面部32の下端から背面側に向けて延びるように連成された底面部34とを備えている。
天面部33の先端部(背面側端部)には、下方に向けて屈曲させるように形成された係合片部35が連成されており、この係合片部35の手前面には、巾木ベース40の係止凹溝46aに係止する係止突条35aが当該巾木カバー31の長手方向に沿って形成されている。
また、この巾木カバー31には、壁パネル80の下端部83を受け入れる受入開口36が形成されている。この受入開口36は、上記した係合片部35及び天面部33の一部を切除して形成されている。
なお、図5において、符号33aは、天面部33の裏面に形成され、受入開口36の切除を容易にするための切欠溝である。
また、図5では、上記した係合片部35及び天面部33の一部を切除して形成された切欠き形状の受入開口36を例示しているが、壁パネル80の下端部83の横断面形状に合わせて、平面視矩形状とされた受入開口としてもよい。
巾木カバー31は、上記のように施工下地に対して固定されたベース構造材としての巾木ベース40を被装するように形成されており、巾木ベース40に着脱可能に取り付けられる。すなわち、巾木ベース40が、上記のように施工下地に固定された状態では、立上片部45の上端部に設けられた係合部46と、壁材4の表面とによって、上方に向けて開口する係合凹部が形成され、この係合凹部に、巾木カバー31の天面部33の先端部に連成された係合片部35を挿し込み、その裏面に設けられた係止突条35aを、巾木ベース40の係止凹溝46aに係止させる。さらに、巾木ベース40の固定下片部42の手前側に設けられたカバー受部43と、床材8の表面とによって、手前側に向けて開口する係合凹部が形成され、この係合凹部に、巾木カバー31の底面部34の先端部(背面側端部)34aを挿し込み、係合させることで、巾木カバー31が取り付けられる。なお、巾木カバー31の底面部34の先端部34aは、上記係合凹部にスムーズに挿し込み得るように、背面側に向けて先細り状に形成されている。
縦入隅部材50は、図3(b)及び図7(a)に示すように、縦入隅ベース51と、この縦入隅ベース51を被装するように形成された縦入隅カバー59とを備えている。
縦入隅ベース51は、上記同様の金属製乃至は合成樹脂製とされ、比較的、長尺に形成されており、廻縁ベース20及び巾木ベース40と同様、長手方向の全長に亘って延びる複数本(図例では三本)の通線部52を、水平方向(左右方向)に並列させるように有している。
各通線部52は、横断面形状が、概ね手前に向けて開口する略コ字状(略C字状乃至は略U字状)とされており、各通線部52に通された配線C3,C4が容易に抜け出ないよう、各通線部52の側壁間が奥側よりも手前側が幅狭となるように形成されている。
また、この縦入隅ベース51は、横断面形状が、略L字状とされ、そのL字状の両片部53,53を、縦入隅部5近傍の隣接する壁材4,4の表面に当接させ、両片部53,53の手前面に対して、例えば、ねじ等の固定止具を止着することによって、施工下地6に対して固定される。
縦入隅カバー59は、上記同様の金属製乃至は合成樹脂製とされ、比較的、長尺に形成されており、図3(b)に示すように、平板状の手前面部59aと、この手前面部59aの両側部に連成され、縦入隅部5近傍の隣接する壁材4,4のそれぞれの表面に向けて延びるように形成された両側面部59b,59bとを有している。
この縦入隅カバー59は、図1に示すように、その上端部が、後記する幹線引込ジョイントボックス60のカバー69の押え部69bに保持され、下端部が、後記する分岐ジョイントボックス70のカバー79の押え部79bに保持されて、縦入隅部5に固定される。
なお、上記した廻縁構造材10及び巾木構造材30と同様、縦入隅ベースに対して、縦入隅カバーを着脱可能に取り付け得るよう、縦入隅ベース及び縦入隅カバーのそれぞれに、互いに係合する係合部を設けるようにしてもよい。
また、上記した廻縁ベース20、ベース固定具26、巾木ベース40及び縦入隅ベース51の固定止具等が止着される部位には、適宜、固定止具の止着箇所の目安乃至は位置決めとして、長手方向に沿って凹溝を設けるようにしてもよい。
幹線引込ジョイントボックス60は、図6(a)、(b)に示すように、分岐回路等を内蔵したブロック状体とされており、略直方体形状の中間接続部65と、この中間接続部65の手前側隅角部から上方に向けて突設された上接続部66と、中間接続部65の背面側隅角部から下方に向けて突設された下接続部67とを備えている。この幹線引込ジョイントボックス60は、天井材7に設けた引込孔H(図1及び図8(a)、(b)参照)に、上接続部66を嵌め入れるようにして固定し、適宜箇所に設けられた止具挿通孔68を介して、例えば、ねじ等の固定止具を挿通させ、該固定止具により施工下地に対して固定される。
上接続部66には、図6(a)に示すように、上記した幹線C1,C2がそれぞれに接続される接続端子61,62が設けられるとともに、天井裏空間7A(図1参照)に配線される配線C3,C4がそれぞれに接続される接続端子63,64が設けられている。
中間接続部65には、図6(a)、(b)に示すように、上記した廻縁構造材10,10の各通線部21,21の配線C3,C4がそれぞれに接続される接続端子63,64が、当該中間接続部65の四周側面部のうちの隣接する二側面部のそれぞれに設けられている。これら中間接続部65の接続端子63,64は、当該幹線引込ジョイントボックス60が、引込孔Hに取り付けられるとともに、上記した各廻縁構造材10,10が、天井側入隅部2,2に沿って配設された状態で、各廻縁構造材10,10の各通線部21,21側に向くように設けられている(図11(b)も参照)。
下接続部67には、図6(b)に示すように、上記した縦入隅部材50の通線部52の配線C3,C4がそれぞれに接続される接続端子63,64が設けられている。
この幹線引込ジョイントボックス60には、図2及び図6(b)に示すように、当該幹線引込ジョイントボックス60を被装するように形成されたカバー69が着脱可能に取り付けられる。
カバー69は、図3(a)及び図6(b)に示すように、縦入隅部5に向けて配設された各廻縁構造材10,10の縦入隅部5側の各端部を受け入れる切欠部69a,69aが両側に設けられ、下部側には、上記した縦入隅カバー59の上端部を受け入れて保持する押え部69bが設けられている。
なお、幹線引込ジョイントボックス60に対して、カバー69を着脱可能に取り付け得るよう、幹線引込ジョイントボックス60及びカバー69のそれぞれには、互いに係合する係合部が設けられている。
分岐ジョイントボックス70は、図7(b)に示すように、分岐回路等を内蔵したブロック状体とされており、平面視略L字状とされた分岐接続部75と、この分岐接続部75の背面側隅角部から上方に向けて突設された上接続部76とを備えている。この分岐ジョイントボックス70は、上記床側入隅角部の床材8の表面、及び隣接する壁材4,4の各表面に、その背面側を当接させ、適宜箇所に設けられた止具挿通孔77を介して、例えば、ねじ等の固定止具を挿通させ、該固定止具により施工下地に対して固定される(図11(c)も参照)。
上接続部76には、図7(b)に示すように、上記した縦入隅部材50の通線部52の配線C3,C4がそれぞれに接続される接続端子71,72が設けられている。
分岐接続部75には、上記した巾木構造材30,30の各通線部41,41の配線C3,C4がそれぞれに接続される接続端子73,74が、当該分岐接続部75のそれぞれの先端部に設けられている。これら分岐接続部75の接続端子73,74は、当該分岐ジョイントボックス70が、上記床側入隅角部に配設されるとともに、上記した各巾木構造材30,30が、床側入隅部3,3に沿って配設された状態で、各巾木構造材30,30の各通線部41,41側に向くように設けられている(図11(c)も参照)。
この分岐ジョイントボックス70には、図2及び図7(b)に示すように、当該分岐ジョイントボックス70を被装するように形成されたカバー79が着脱可能に取り付けられる。
カバー79は、図3(b)、(c)及び図7(b)に示すように、縦入隅部5に向けて配設された各巾木構造材30,30の縦入隅部5側の各端部を受け入れて被装する巾木カバー部79a,79aを床側両側に有し、上部側には、上記した縦入隅カバー59の下端部を受け入れて保持する押え部79bが設けられている。
なお、分岐ジョイントボックス70に対して、カバー79を着脱可能に取り付け得るよう、分岐ジョイントボックス70及びカバー79のそれぞれには、互いに係合する係合部が設けられている。
また、図例では、上記した幹線引込ジョイントボックス60及び分岐ジョイントボックス70の接続端子として、3心線の電力線C1,C3がそれぞれに接続される接続端子と、2心線の情報線C2,C4がそれぞれに接続される接続端子とを示しているが、接続される幹線乃至は配線の構造に応じて、適宜の接続端子の採用が可能である。
また、これら幹線引込ジョイントボックス60及び分岐ジョイントボックス70としては、接続端子を備えたブロック状体とされたものに限られず、開閉可能な蓋を備えた容器状のジョイントボックスとし、その内部において幹線と各配線乃至は各配線同士を結線する構造とされたものとしてもよい。
壁パネル80は、図1及び図2に示すように、壁材4の表面に沿って縦方向に配設される縦方向に長尺の板状体とされ、本実施形態では、電気機器としての面状ヒーター85を内蔵した暖房機能付きの機能壁パネル80とされている。
この機能壁パネル80の上端部81には、ねじ等の固定止具Sが挿通される止具挿通孔82(図10参照)が形成されており、上記した廻縁構造材10に設けられた保持部としての垂下片22に対して、固定止具Sを用いて着脱可能に固定されるとともに、保持される。
この機能壁パネル80の下端部83には、固定止具Sが挿通される止具挿通孔84(図10参照)が形成されており、上記した巾木構造材30に設けられた保持部としての立上片部45に対して、固定止具Sを用いて着脱可能に固定されるとともに、保持部としての係合凹部44に着脱可能に保持される。
この機能壁パネル80の背面側の適所には、図1及び図10に示すように、壁材4にねじ等の固定止具Sにより固定された受金具88と係合する中間固定具としての引掛金具87が設けられている。この引掛金具87は、機能壁パネル80の縦枠等の背面側に金具収容凹部を形成し、ねじ等の固定止具Sにより固定される。このように、機能壁パネル80の背面側の適所に、引掛金具87を設け、壁材4に設けた受金具88に係合させることで、機能壁パネル80と壁材4の表面との間に隙間等が形成され難く、また、機能壁パネル80の反り等を低減することができる。なお、このような中間固定具を設けずに、上端部81及び下端部83のみを、上記した廻縁構造材10及び巾木構造材30に固定保持させるようにしてもよい。
また、この機能壁パネル80は、面状ヒーター85を制御し、この面状ヒーター85と電力線及び情報線により接続される制御ユニット89を備えている。
制御ユニット89は、図10及び図11(b)に示すように、略直方体形状とされ、その上部には、ボルト等の固定止具Bが挿通される止具挿通孔が形成された固定突片89aが上方に向けて突設されている。また、制御ユニット89の背面側上縁部には、背面側に向けて突出した係合突片部89bが設けられている。
この制御ユニット89は、図1及び図10に示すように、廻縁構造材10に設けられた保持部としての鉤状の係合片部23に、係止具9を係止させ、この係止具9に対して、固定止具としてのボルトB及びナットNを用いて着脱可能に固定されるとともに、保持される。
この機能壁パネル80の面状ヒーター85には、図2に示すように、制御ユニット89を介して、または直接的に、上記した廻縁構造材10の各通線部21に通された配線C3,C4が接続される。
なお、本実施形態では、面状の輻射ヒーターを壁パネルに内蔵した暖房機能付きの機能壁パネルを例示しているが、その他、種々の機能、例えば、送風機能や空気浄化機能、照明機能、音響機能等を備えた機能壁パネルとしてもよい。この場合は、種々の機能に応じて、適宜の電気機器(例えば、送風機や静電霧化装置、LED(発光ダイオード)などの照明器具、スピーカーや加振器などの音響機器など)を壁パネルに設けるようにすればよい。
また、本実施形態では、制御ユニット89を備えた機能壁パネル80を例示しているが、このような制御ユニットを備えない機能壁パネルとしてもよい。この場合は、廻縁カバーの縦断面形状を、上記収容空間が形成されないような形状としてもよい。または、制御ユニットを内蔵した機能壁パネルとしてもよい。
また、機能壁パネルとしては、電気機器を有した給電等の必要なものに限られず、断熱機能や、吸音機能、防音機能、調湿機能等を有した各種の機能性材料から製されたものや、各種の機能性材料を内蔵したものとしてもよい。
さらには、本実施形態に係る廻縁構造材10及び巾木構造材30によって固定保持される壁パネルとしては、上記のような機能性を有した機能壁パネルに限られず、基材の表面に表面化粧板等を積層した化粧壁パネルとしてもよい。
また、廻縁構造材10に固定保持させる取付対象器具としては、制御ユニットに限られず、照明器具やその他の電気機器、乃至はコンセントやスイッチ等の配線器具を、取付対象器具としてもよい。また、このような取付対象器具を、廻縁構造材に固定保持させる態様に代えて、または加えて、巾木構造材に、取付対象器具を固定保持する固定保持部を設け、該巾木構造材に、取付対象器具を固定保持させる態様としてもよい。このような場合にも、当該屋内配線構造1の各通線部に通された配線を、各取付対象器具に接続することができる。さらには、上記した縦配線部材としての縦入隅部材に、上記同様の取付対象器具を固定保持する固定保持部を設け、該縦入隅部材に、取付対象器具を固定保持させる態様としてもよい。
次に、上記構成とされた各部材を備えた屋内配線構造1の施工手順(施工方法)の一例を、図8〜図11に基づいて説明する。
<幹線引込接続工程>
まず、図8(a)に示すように、天井側入隅角部近傍の天井材7に、引込孔Hを設けておき、この引込孔Hを介して屋内空間の外部から幹線C1,C2を引き込み、幹線引込ジョイントボックス60の各接続端子に接続する。
<各配線部材取付工程>
次いで、図8(b)に示すように、幹線引込ジョイントボックス60の上接続部66(図6(a)参照)を、引込孔Hに嵌め入れ、固定止具を用いて、天井側入隅角部に固定する。
また、廻縁ベース20を固定保持するベース固定具26を、天井側入隅部2に沿って所定間隔を空けて、固定止具を用い、天井側入隅部2に固定する。
また、天井側入隅角部に配設された幹線引込ジョイントボックス60に向けて、各廻縁ベース20,20を、ベース固定具26に固定保持させ、それぞれの天井側入隅部2,2に沿って配設する(図9(a)も参照)。
この際、各廻縁ベース20の長さ寸法を、各天井側入隅部2の長さに応じて、床上で調整しておくようにしてもよい。また、廻縁ベース20が所定長さに形成されている場合には、天井側入隅部2の長さに応じて、床上で長手方向端部同士を接続してから、持ち上げ、ベース固定具26に取り付けるようにしてもよい。
次いで、図9(a)に示すように、床側入隅角部に向けて、各巾木構造材30の各巾木ベース40を、固定止具を用いて、各床側入隅部3,3に固定する。
また、縦入隅部材50の縦入隅ベース51を、固定止具を用いて、縦入隅部5に固定する。
この際、上記廻縁ベース20と同様、床側入隅部3や縦入隅部5の長さに応じて、各巾木ベース40や縦入隅ベース51の長さ寸法を調整しておくようにしてもよく、また、これらが所定長さに形成されている場合には、長手方向端部同士を突き合わせて接続するようにしてもよい。
また、分岐ジョイントボックス70を、固定止具を用いて、床側入隅角部に固定する。
<壁パネル取付工程>
上記のように、廻縁ベース20及び巾木ベース40を各入隅部2,3に固定した後、図9(b)及び図10に示すように、機能壁パネル80を、これら廻縁ベース20及び巾木ベース40に取り付ける。
この際、機能壁パネル80の背面側に設けられた引掛金具87に対応させて、壁材4の表面に、受金具88を固定しておき、これら受金具88と引掛金具87とを係合させるとともに、機能壁パネル80の下端部83を、巾木ベース40の係合凹部44に嵌め入れ、仮保持させる。
次いで、固定止具Sを用いて、機能壁パネル80の上端部81を廻縁ベース20の垂下片22に固定し、下端部83を巾木ベース40の立上片部45に固定する。
また、制御ユニット89を、廻縁ベース20の係合片部23に係止された係止具9に対して、ボルトB及びナットNを用いて固定する。
<配線接続工程>
上記のように各配線部材及び壁パネルを取り付けた状態では、図11(a)に示すように、幹線引込ジョイントボックス60には、引込孔Hを介して屋内空間に引き込まれた幹線C1,C2が接続され、廻縁ベース20、縦入隅ベース51及び巾木ベース40の各通線部21,52,41は、屋内空間に露出した状態であり、本実施形態では、このように各通線部21,52,41を露出させた状態で、容易に配線、接続等を行うことができる。
すなわち、図11(b)に示すように、各廻縁ベース20の各通線部21に、配線C3,C4を通して配線し、各配線C3,C4の一端部を、幹線引込ジョイントボックス60に接続する。また、廻縁ベース20に通された配線C3,C4を、制御ユニット89に接続する。
また、図11(b)、(c)に示すように、縦入隅ベース52に、配線C3,C4を通して配線し、各配線C3,C4の一端部を、幹線引込ジョイントボックス60に接続し、各配線C3,C4の他端部を、分岐ジョイントボックス70に接続する。
また、図11(c)に示すように、各巾木ベース40の各通線部41に、配線C3,C4を通して配線し、各配線C3,C4の一端部を、分岐ジョイントボックス70に接続する。
<各カバー取付工程>
上記のように、各通線部21,52,41に各配線C3,C4を配線し、各ジョイントボックス60,70において接続した後、各部にカバーを取り付ける。
まず、廻縁カバー11及び巾木カバー31の長さを切断等により調整し、各ベース20,40に、それぞれ取り付ける。
また、縦入隅カバー59の長さを切断等により調整し、縦入隅部5に取り付ける。または、縦入隅ベース51に対して着脱可能に取り付ける。
次いで、幹線引込ジョイントボックス60に、カバー69を取り付け、天井側入隅角部に向けて、それぞれの入隅部に沿って配設された各廻縁カバー11,11及び縦入隅カバー59の天井側入隅角部側の端部をカバーする(図1〜図3参照)。
また、分岐ジョイントボックス70に、カバー79を取り付け、床側入隅角部に向けて、それぞれの入隅部に沿って配設された各巾木カバー31,31及び縦入隅カバー59の床側入隅角部側の端部をカバーする(図1〜図3参照)。
この状態では、各ベース20,40,51及び各ジョイントボックス60,70は、各カバー11,31,59,69,79によって被装されており、各部に止着された固定止具や各通線部21,41,52に通された配線C3,C4が露出せず、見栄えが良い。
上記のような施工手順により、図1及び図2に示すように、上記した各部材を用いて、屋内配線構造1が施工される。この状態では、屋内空間の外部から引き込まれた幹線C1,C2は、幹線引込ジョイントボックス60を起点として分岐され、その分岐した各配線C3,C4は、廻縁構造材10、縦入隅部材50、分岐ジョイントボックス70、及び巾木構造材30により、屋内空間の各入隅部に沿って、屋内空間の隅々にまで配線される。
なお、上記した施工手順は、一例であり、施工順序等は、上記各部材の機能を阻害しないように、別順序でなされるようにしてもよい。
以上のように、本実施形態に係る屋内配線構造1では、各入隅部2,5,3に沿って配設された廻縁構造材10、縦入隅部材50及び巾木構造材30の各通線部21,52,41を用いて屋内空間に引き込んだ配線C3,C4を配線するようにしている。従って、天井裏や床下、内壁内部を利用して配線する構造とされたものと比べて、配線の引き回しや屋内空間側への引き出しに、大掛かりな作業を必要とせず、各種器具の移設や増設を容易に行うことができる。
また、廻縁構造材10及び巾木構造材30は、天井側、床側の各入隅部に沿って配設される、比較的、長尺のものであるので、所望部位において屋内空間側に引き出した配線を各種器具に接続できる。従って、各種器具の移設や増設を容易に行うことができる。
さらに、廻縁構造材10の廻縁ベース20及び巾木構造材30の巾木ベース40を施工下地に固定した状態で、機能壁パネル80の端部81,83や、取付対象器具としての制御ユニット89を、着脱可能に固定保持することができる。従って、これら壁パネル80などを取り外す際や取り付ける際に、廻縁ベース20や巾木ベース40を、施工下地から取り外すことなく、これら壁パネル80などの取り外しや取り付けを行うことができ、壁パネル80などの施工性を向上させることができる。
つまり、廻縁構造材10、巾木構造材20及び縦入隅部材50を、各入隅部に沿って配設し、電力線や情報線などの配線C3,C4を各通線部21,41,52に通しておくことで、屋内空間に、給電基盤乃至は通信基盤となる配線を予め設けておくことができ、また、屋内空間のリフォーム等を容易に行うことができる。
また、本実施形態では、廻縁構造材10及び巾木構造材30の上記各固定保持部及び通線部を被装するカバー部を、これら固定保持部及び通線部からなるベース構造材(ベース固定具及び廻縁ベース、並びに巾木ベース)に、着脱可能に取り付けられる別体のカバー11,31としている。従って、各ジョイントボックス60,70のカバー69,79を必要に応じて取り外し、各カバー11,31を上記ベース構造材から取り外すことで、上記ベース構造材の通線部21,41に通された配線C3,C4のメンテナンスや、各種器具の移設や増設等をより容易に行うことができる。
さらに、本実施形態では、縦入隅部材50も同様、各ジョイントボックス60,70のカバー69,79を取り外すことで、縦入隅カバー59を容易に取り外すことができ、縦入隅ベース51の通線部52に通された配線C3,C4のメンテナンスや、各種器具の移設や増設等をより容易に行うことができる。
さらにまた、本実施形態に係る屋内配線構造1によれば、上記施工手順のように、電気工事(配線工事)と、大工工事とを比較的、分離させて施工することができ、施工性を向上させることができる。すなわち、電気工事として上記幹線引込接続工程を行った後、大工工事として上記各配線部材取付工程、及び壁パネル取付工程を行い、電気工事として上記配線接続工程を行い、大工工事として各カバー取付工程を行うことができる。この結果、各施工業者の作業を集約することができ、施工性を向上させることができる。
次に、本実施形態に係る屋内配線構造1に用いられる幹線の引込経路の一例について、図12に基づいて説明する。
図12(a)は、例えば戸建住宅等の木造建築物の一例を示し、リビングやダイニング、居室等の区画R1と、廊下や洗面所等の区画R2とが間仕切壁4によって間仕切られた例を示している。また、区画R1に、屋内配線構造1を施工した例を示している。
このような木造建築物においては、区画R1の天井材7に引込孔Hを設け、区画R1の天井裏空間7Aを介して配線された幹線C1,C2を、引込孔Hを介して引き込み、幹線引込ジョイントボックス60に接続するようにしてもよい。
または、区画R1の天井裏空間7Aと、区画R2の天井裏空間7Bとを連通させるように、間仕切壁4に引込孔H1をさらに設け、区画R2の天井裏空間7Bを介して配線された幹線C1,C2を、引込孔H1及び区画R1の天井裏空間7A、及び引込孔Hを介して引き込み、幹線引込ジョイントボックス60に接続するようにしてもよい。
このように、幹線の引込経路は、当該木造建築物の分電盤等の配設箇所に応じて、適宜の経路を選択することができる。
図12(b)は、例えばマンション等の鉄筋コンクリート造建築物の一例を示し、上記同様、リビングやダイニング、居室等の区画R3と、廊下や洗面所等の区画R4とが間仕切壁4によって間仕切られた例を示している。また、区画R3に、屋内配線構造1を施工した例を示している。この例では、区画R3は、建築躯体としてのコンクリート天井及びコンクリート床に、天井材7及び床材8をそれぞれ施工した直天井及び直床仕上げとされている。
上記のように、直天井及び直床仕上げとされた区画R3に、幹線C1,C2を引き込む場合は、区画R3に間仕切壁4を介して隣接する区画R4の天井裏空間7Aと、区画R3の屋内空間とを連通させるように、間仕切壁4に引込孔Hを設け、この引込孔Hを介して、区画R4の天井裏空間7Aに配線された幹線C1,C2を引き込むようにすればよい。つまり、このような鉄筋コンクリート造建築物においても、一般的に、洗面所や浴室、キッチン等は、配管等のために、二重天井乃至は二重床構造とされており、本例では、このような二重天井とされた区画R4の天井裏空間7Aに配線された幹線C1,C2を区画R3に引き込むようにしている。
上記各例のように、本実施形態に係る屋内配線構造1によれば、引込孔Hを介して引き込んだ幹線C1,C2を、幹線引込ジョイントボックス60に接続することで、屋内配線構造1が施工される屋内空間(区画R1,R3)の外部から容易に幹線C1,C2を引き込むことができる。また、このように言わば一点から引き込んだ幹線C1,C2を、本実施形態に係る屋内配線構造1を用いて、屋内空間の隅々に配線できるので、通線時の施工性が良く、また、配線経路の確認や各配線のメンテナンス等を容易に行うことができる。
なお、上記した各例では、天井裏空間を利用して配線された幹線を、天井側入隅角部に配設された幹線引込ジョイントボックスに接続した例を示しているが、床下空間を利用して配線された幹線を、屋内空間に引き込むようにしてもよい。この場合は、幹線引込ジョイントボックスを、床側入隅角部に配設し、分岐ジョイントボックスを、天井側入隅角部に配設するようにすればよい。また、それに応じて、床材や、床下空間部の間仕切壁に、引込孔等を適宜、設けるようにすればよい。
次に、本実施形態に係る屋内配線構造1を用いた屋内配線システムの一実施形態について、図13に基づいて説明する。
図13(a)は、第1実施形態に係る屋内配線システム100を示している。
この屋内配線システム100は、上記した屋内配線構造1を用いて、屋内空間に引き込んだ配線C3,C4を、屋内空間の各入隅部に沿って隅々に配線し、その配線C3,C4を、屋内空間に設けられた各種電気機器や設備機器に接続した例を示している。
本実施形態では、上記同様、縦入隅部5の天井側から引き込んだ配線C3,C4を、廻縁構造材10、縦入隅部材50、及び巾木構造材30を用いて屋内空間の隅々に配線している。
これら廻縁構造材10と、巾木構造材30とによって、上記同様の機能壁パネル80を固定保持し、この機能壁パネル80の制御ユニット89等に配線C3,C4を接続している。
また、本実施形態では、廻縁構造材10の廻縁ベース20(図1等参照)の適所に、複数の照明器具80Dを固定保持させている。この照明器具80Dとしては、複数のLEDをライン状に内蔵したものとしてもよい。また、このような照明器具80Dを、廻縁ベース20に固定保持させる場合には、当該部位には、廻縁カバーを設けないようにしてもよく、または、照明器具の形状に対応させた透光性のカバーを設けるようにしてもよい。
また、本実施形態では、開閉扉等が配設される戸枠の上方に、通気壁パネル80Cを設けている。この通気壁パネル80Cの上端部は、上記した機能壁パネル80と同様、廻縁構造材10の廻縁ベース20(図1等参照)の固定保持部に固定保持され、その下端部は、戸枠に固定されている。この通気壁パネル80Cは、複数本のルーバー部材を設けた構造とされ、当該屋内空間と隣室とが通気される。
さらに、本実施形態では、当該屋内空間乃至は別室空間に設けられた各設備機器、さらには屋外に設けられた各設備機器等に接続されたホームコントローラー(屋内コントローラー)90を有した制御壁パネル80Aを、廻縁構造材10と、巾木構造材30とによって固定保持し、このホームコントローラー90に配線C3,C4を接続している。
このホームコントローラー90には、表示部や操作部、各種制御プログラム等を格納する記憶部等が設けられており、当該屋内空間乃至は別室空間に設けられた各設備機器、さらには屋外に設けられた各設備機器等の稼働状況の確認や、稼働態様の変更設定等が表示部や操作部をしてなされる。
上記設備機器としては、屋内配線構造1を用いて接続される各種電気機器や、上記同様の配線器具が挙げられる。
各種電気機器としては、機能壁パネル80の制御ユニット89及びその電気機器85(図1等参照)や、照明器具80D、床暖房装置91、音響装置、警報器、インターホン親機及び子機、テレビ、パーソナルコンピューター、各種センサー等が挙げられる。
上記のように、本実施形態に係る屋内配線システム100によれば、各種設備機器への給電や各種信号の送受信等を、屋内配線構造1の上記した各通線部に配線された電力線や情報線を通じて行うことができる。特に、図例のように、屋内配線構造1を用いて、屋内空間の各入隅部に沿って隅々に配線することで、各種設備機器との接続が容易に行え、このような設備機器の移設や増設、さらにはメンテナンス等も容易に行うことができる。
また、図例のように、各種設備機器と接続されたホームコントローラー90を設けることで、各種設備機器の制御や稼働状況の確認、稼働態様の変更設定等を集約して行うことができる。
次に、第2実施形態に係る屋内配線システム100Aについて、図13(b)に基づいて説明する。
なお、上記第1実施形態に係る屋内配線システム100との相違点について主に説明し、同様の構成については、同一符号を付し、その説明を省略或いは簡略に説明する。
本実施形態では、ホームコントローラー90に接続される上記設備機器として、エアコン等の空気調和装置92と、天井パネル送風機93とをさらに配設した態様としている。
これら空気調和装置92や、天井パネル送風機93への配線も、屋内配線構造1を用いることで、引き回すようにして配線する必要がなく、比較的、短い経路で配線することができる。
なお、天井パネル送風機93への配線は、幹線引込ジョイントボックス60に設けられた上接続部66の接続端子63,64(図6(a)参照)に配線を接続し、天井裏空間を利用して配線するようにしてもよい。または、屋内配線構造1が備える各配線部材から配線を引き出し、天井材7に添わせるようにしてモール等を固定し、配線するようにしてもよい。
また、上記した屋内配線システム100では、各壁パネル80,80A,80Cを、壁材4の表面に沿って部分的に施工した例を示しているが、本実施形態に係る屋内配線システム100Aでは、屋内空間の内壁の略全周に亘って、各壁パネル80,80A,80B,80Cを施工した例を示している。
すなわち、上記した各壁パネル80,80A,80Cに加えて、断熱材等を内蔵した断熱壁パネル80Bを、廻縁構造材10と巾木構造材30とによって、上記同様にして固定保持させている。上記した屋内配線システム100では、機能壁パネル80の表面と、壁材4の表面との間に段差が形成されるが、本実施形態のように、屋内空間の内壁の略全周に亘って、各壁パネルを施工することで、そのような段差の形成を防止できる。
なお、縦入隅部材50に隣接して施工される壁パネル80Bの縦入隅部側の端部は、縦入隅部材50の側部に突き付けて納める態様としてもよい。または、縦入隅カバー59や、各ジョイントボックス60,70のカバー69,79(図3等参照)等に、壁パネル80Bの縦入隅部側の端部を受け入れる開口を形成し、該端部を、これらカバーによって被装させるようにして納めるようにしてもよい。
なお、上記した屋内配線構造では、天井側入隅部及び床側入隅部に沿って、それぞれに配線構造材としての廻縁構造材及び巾木構造材を配設した例を示しているが、いずれか一方のみを対応する入隅部に沿って配設するようにし、その配線構造材に、壁パネルの端部及び取付対象器具の両方またはいずれか一方を固定止具を用いて着脱可能に固定保持させる態様としてもよい。
また、廻縁構造材に、引戸等の建具を移動自在に吊り下げ支持する吊下レールや、ピクチャーレール等を固定保持する固定保持部をさらに設けるようにしてもよい。
さらに、配線構造材としての廻縁構造材及び巾木構造材を、施工下地に固定されるベース構造材と、このベース構造材に着脱可能に取り付けられるカバーとを備えたものを例示しているが、このような態様に限られない。上記固定保持部、及び通線部を被装するように形成されたカバー部を一体的に有した配線構造材としてもよい。
さらにまた、各配線構造材の固定保持部や通線部の構造は、図例のものに限られない。固定保持部としては、入隅部の施工下地に固定されるとともに、該施工下地に固定された状態で、壁パネルの端部及び取付対象器具の両方またはいずれか一方が固定止具を用いて着脱可能に固定され、これらを保持し得る構造であればよい。また、通線部としては、入隅部に沿うようにして、各種の電力線や情報線などを配線し得る構造であればよい。
また、上記した各屋内配線システムでは、各配線構造材を、屋内空間の各入隅部に沿って略全周に亘って配設した例を示しているが、屋内空間を構成する四周の壁部のうち、少なくとも一つの壁部の入隅部に沿って、その入隅部の略全長に亘って、または、その一部に、少なくともいずれか一方の配線構造材を配設するようにしてもよい。
また、廻縁構造材と巾木構造材とを接続するように壁部に沿って縦方向に配設される縦配線部材としては、上記した縦入隅部に配設される縦入隅部材に限られず、廻縁構造材と巾木構造材とによって固定保持される壁パネルの内部に、縦方向に沿って通線部を設け、この壁パネルを、上記した縦入隅部材に代えて、または加えて縦配線部材として施工するようにしてもよい。この場合は、壁パネルの通線部に通された配線等の接続やメンテナンス等が行えるように、壁パネルの表面に開閉扉や開閉蓋等を設けるようにしてもよい。
または、屋内空間の形態に応じて、縦出隅部に配設される縦出隅部材を、縦配線部材としてもよい。この場合は、通線部を設けた縦出隅ベースと、この縦出隅ベースを被装する縦出隅カバーとを、縦出隅部の形状に対応させて形成するようにすればよい。また、それに応じて、適宜、各ジョイントボックスやカバーを形成するようにすればよい。
さらに、屋内空間の外部から引き込む幹線が接続される幹線引込ジョイントボックスの配設箇所は、上記のように、上記天井側入隅角部または上記床側入隅角部に限られず、幹線の引き込み箇所に応じて、適宜の箇所に配設するようにすればよい。例えば、廻縁構造材や巾木構造材、縦配線部材の途中部位に設けるようにしてもよい。この場合は、引き込んだ幹線を分岐させて、他の配線部材の配線と接続する分岐ジョイントボックスを、各配線部材の適宜箇所に配設するようにしてもよい。
1 屋内配線構造
2 天井側入隅部
3 床側入隅部
4 壁材(壁部、施工下地)
5 縦入隅部(縦隅部)
6 内壁胴縁(施工下地)
6A 天井野縁(施工下地)
7 天井材(施工下地)
8 床材(施工下地)
10 廻縁構造材(天井側の配線構造材)
11 廻縁カバー(カバー部、カバー体)
20 廻縁ベース(ベース構造材)
21 通線部
22 垂下片(固定保持部)
23 係合片部(固定保持部)
26 ベース固定具(固定保持部、ベース構造材)
30 巾木構造材(床側の配線構造材)
31 巾木カバー(カバー部、カバー体)
40 巾木ベース(ベース構造材)
41 通線部
42 固定下片部(固定保持部)
44 係合凹部(固定保持部)
45 立上片部(固定保持部)
50 縦入隅部材(縦配線部材、縦隅部材)
52 通線部
60 幹線引込ジョイントボックス
80 機能壁パネル(壁パネル)
81 機能壁パネルの上端部
83 機能壁パネルの下端部
85 面状ヒーター(電気機器)
89 制御ユニット(取付対象器具)
80A 制御壁パネル(壁パネル)
90 ホームコントローラー(電気機器、設備機器)
80B 断熱壁パネル(壁パネル)
80C 通気壁パネル(壁パネル)
80D 照明器具(取付対象器具)
91 床暖房装置(設備機器)
92 空気調和装置(設備機器)
93 天井パネル送風機(設備機器)
100,100A 屋内配線システム
B ボルト(固定止具)
N ナット(固定止具)
S ねじ(固定止具)
C1 電力線(幹線)
C2 情報線(幹線)
C3 電力線(配線)
C4 情報線(配線)
H 引込孔

Claims (9)

  1. 屋内空間における天井側の入隅部または床側の入隅部に、該入隅部の長手方向に沿って配設される配線構造材であって、
    前記入隅部の施工下地に固定される固定保持部と、前記入隅部の長手方向に沿うように設けられ通線部と、これら固定保持部及び通線部を被装するように形成されたカバー部とを備えており、
    前記固定保持部は、前記入隅部に前記通線部とともに配設された状態で、壁パネルの端部及び取付対象器具の両方またはいずれか一方が固定止具を用いて着脱可能に固定され、これらを保持する構造とされていることを特徴とする配線構造材。
  2. 請求項1において、
    前記カバー部は、前記固定保持部及び前記通線部を有したベース構造材に、着脱可能に取り付けられるカバー体とされていることを特徴とする配線構造材。
  3. 請求項1または2に記載の配線構造材を、屋内空間における天井側及び床側の入隅部の両方またはいずれか一方に沿って配設し、前記屋内空間に引き込んだ配線を、前記通線部に通して配線することを特徴とする屋内配線構造。
  4. 請求項3において、
    前記固定保持部に、電気機器を有した機能壁パネルの端部を保持させ、前記通線部の配線を、該電気機器に接続することを特徴とする屋内配線構造。
  5. 請求項3または4において、
    前記配線構造材を、天井側の入隅部に沿って配設するとともに、床側の入隅部に沿って配設し、かつ、通線部を設けた縦配線部材を、これら天井側の配線構造材と、床側の配線構造材とを接続するように壁部に沿って縦方向に配設することを特徴とする屋内配線構造。
  6. 請求項5において、
    前記縦配線部材は、前記壁部の縦隅部に沿って配設される縦隅部材であることを特徴とする屋内配線構造。
  7. 請求項5または6において、
    前記縦配線部材は、壁パネルであることを特徴とする屋内配線構造。
  8. 請求項3乃至7のいずれか1項において、
    前記屋内空間の外部から幹線を引き込む引込孔を設け、該引込孔に、幹線引込ジョイントボックスを取り付け、該幹線引込ジョイントボックスにおいて前記幹線と前記配線とを接続することを特徴とする屋内配線構造。
  9. 屋内空間に引き込んだ配線を、請求項3乃至8のいずれか1項に記載の屋内配線構造を用いて配線し、この配線と、屋内に設けられた設備機器とを接続したことを特徴とする屋内配線システム。
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