JP5400717B2 - 合成樹脂用安定化剤、該安定化剤を含有する合成樹脂組成物および樹脂部材 - Google Patents

合成樹脂用安定化剤、該安定化剤を含有する合成樹脂組成物および樹脂部材 Download PDF

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Description

本発明は、式(1)で表される合成樹脂用安定化剤、および該安定化剤のうち少なくとも1種類と少なくとも1種類の合成樹脂を含有する合成樹脂組成物、および該樹脂組成物から得られる樹脂部材に関する。
合成樹脂は軽量性、加工性、電気的特性、耐水性、耐薬品性、機械的強度などの優位性により、電気器具、自動車部品、機械部品など、幅広い分野で利用されている。
しかしながら、合成樹脂は主に光や熱の作用により経時的に物性変化や外観変化(着色)などの劣化を生ずることが知られている。そこで、この劣化を防止し、樹脂の耐久性を向上させることを目的として、種々の安定化剤が考案・使用されている。例えば、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤などの酸化防止剤、ヒンダードアミン系光安定剤(Hinderd Amine Light Stabilizer:HALS)、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤などの紫外線吸収剤などである。
樹脂の劣化は、主に光や熱の作用によって励起状態の分子(ラジカル)が樹脂中に形成されることによって引き起こされることが知られている。そのため、樹脂中に発生したラジカルを捕捉し、樹脂中のラジカル数を抑制するものとして、酸化防止剤やヒンダードアミン系光安定剤が考案されている。一方、ラジカル発生の原因となる紫外線領域の光を選択的に吸収し、樹脂内にラジカルが形成されるのを防止するものとして紫外線吸収剤が考案されている。
例えば、特許文献1には、環状オレフィン重合体の熱劣化を避けるべく、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤を併用することが開示されている。しかしながら、一般に上記の酸化防止剤は比較的多量に用いるため、所望する高分子の機械的物性が損なわれることがある。
また、特許文献2には、マレイミド・オレフィン共重合体ベースの光学材料にフェノール系酸化防止剤とリン系酸化防止剤を併用し、透明性を維持しつつ熱劣化を防止する技術が開示されている。この方法は、加熱加工時に発生する熱劣化による着色には有効であるが、紫外線などの環境下での機械特性や熱特性の劣化には効果が低い。
特許文献3および4には、有機系紫外線吸収剤を用いて長波紫外線領域(320〜400nm)までを吸収する技術が開示されている。しかし、このような場合、高濃度に添加する必要があるため、紫外線吸収剤の析出やブリードアウトが生じるという問題があった。また、ベンゾフェノン系やベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤の中には、皮膚刺激性や生体内への蓄積性の懸念があるものがある。
特開2002−179875号公報 特開2005−47969号公報 特表2005−517787号公報 特開平7−285927号公報
本発明は、前記のような従来技術に伴う問題を解決しようとするものである。すなわち広範な合成樹脂に対して熱安定性および光安定性を向上させることができ、その安定性向上効果が少量添加によって発現され、かつ透明な合成樹脂を得ることのできる合成樹脂用安定化剤、該安定化剤を含む合成樹脂組成物、および該樹脂組成物から得られる樹脂部材を提供することを目的としている。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、式(1)で表される金属錯体が合成樹脂に対して著しく高度な熱安定性および光安定性向上効果を有することを見出した。そこで、該金属錯体を合成樹脂用安定化剤として使用することにより、上記課題を解決に導き、本発明の完成に至った。すなわち、本発明は以下に示すとおりの合成樹脂用安定化剤、および該合成樹脂用安定化剤のうち少なくとも1種類を含む合成樹脂組成物、および該樹脂組成物から得られる樹脂部材に関する。
項1.式(1):
Figure 0005400717
(式中、Y、Y、YおよびYはそれぞれ互いに独立して、NH、NR、酸素原子または硫黄原子であり、
、Y、YまたはYに帰属されるNRのRは、炭素数1〜8のアルキル基または置換基を有してもよい炭素数6〜15のアリール基である。尚、Y、Y、YおよびYのうち少なくとも2つがNRで表される場合、これらNRのRはそれぞれ互いに独立した置換基を示す。
また、ZおよびZはそれぞれ互いに独立して、窒素原子、CHまたはCRであり、ZまたはZに帰属されるCRのRは、置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数6〜15のアリール基、置換基を有していてもよい炭素数4〜12のヘテロアリール基、置換基を有していてもよい炭素数5〜12のヘテロアラルキル基または炭素数7〜15のアラルキル基を示す。尚、ZおよびZがともにCRで表される場合、これらCRのRはそれぞれ互いに独立した置換基を示す。
、R、RおよびRの各々は、存在しないか、あるいは存在する場合は、1つのベンゼン環の6個の炭素原子のうち5員環と共有された2個の炭素原子を除いた4個の炭素原子に結合する4個の水素原子のうち1ないし4個を置換することができ、4個のベンゼン環の水素原子を置換した置換基の全てはそれぞれ互いに独立して、置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ハロゲノ基、置換基を有していてもよい炭素数1〜16のアルキルアミノスルホニル基、置換基を有していてもよいモルホリノスルホニル基、置換基を有していてもよいピペリジノスルホニル基、置換基を有していてもよいピロリジノスルホニル基、置換基を有していてもよいチオモルホリノスルホニル基または置換基を有していてもよいピペラジノスルホニル基であり、Mは金属原子を示す。)
で表される、合成樹脂用の安定化剤。
項2.式(1)における金属原子Mが、コバルト原子、ニッケル原子、亜鉛原子、または銅原子である項1に記載の合成樹脂用の安定化剤。
項3.前記項1または2に記載の合成樹脂用安定化剤のうち少なくとも1種類と、少なくとも1種類の合成樹脂を含有することを特徴とする合成樹脂組成物。
項4.前記合成樹脂が、アクリル酸系樹脂、エポキシ系樹脂およびポリカーボネート系樹脂からなる群から選択される少なくとも1種である、項3に記載の合成樹脂組成物。
項5.項3または4に記載の合成樹脂組成物から得られる樹脂部材。
本発明の合成樹脂用安定化剤は、広範な合成樹脂に対し、少量の添加量で長期に渡り熱安定性、光安定性を向上させる効果がある。また、該安定化剤は広範な合成樹脂に溶解するために透明性が高い。従って、本発明の合成樹脂用安定化剤を用いることで、長期間に渡って優れた耐光性、耐熱性を持続することができる透明な合成樹脂組成物を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、式(1):
Figure 0005400717
(式中、Y、Y、YおよびYはそれぞれ互いに独立して、NH、NR、酸素原子または硫黄原子であり、Y、Y、YまたはYに帰属されるNRのRは、炭素数1〜8のアルキル基または置換基を有してもよい炭素数6〜15のアリール基である。尚、Y、Y、YおよびYのうち少なくとも2つがNRで表される場合、これらNRのRはそれぞれ互いに独立した置換基を示す。また、ZおよびZはそれぞれ互いに独立して、窒素原子、CHまたはCRであり、ZまたはZに帰属されるCRのRは、置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数6〜15のアリール基、置換基を有していてもよい炭素数4〜12のヘテロアリール基、置換基を有していてもよい炭素数5〜12のヘテロアラルキル基または炭素数7〜15のアラルキル基を示す。尚、ZおよびZがともにCRで表される場合、これらCRのRはそれぞれ互いに独立した置換基を示す。R、R、RおよびRの各々は、存在しないか、あるいは存在する場合は、1つのベンゼン環の6個の炭素原子のうち5員環と共有された2個の炭素原子を除いた4個の炭素原子に結合する4個の水素原子のうち1ないし4個を置換することができ、4個のベンゼン環の水素原子を置換した置換基の全てはそれぞれ互いに独立して、置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ハロゲノ基、置換基を有していてもよい炭素数1〜16のアルキルアミノスルホニル基、置換基を有していてもよいモルホリノスルホニル基、置換基を有していてもよいピペリジノスルホニル基、置換基を有していてもよいピロリジノスルホニル基、置換基を有していてもよいチオモルホリノスルホニル基または置換基を有していてもよいピペラジノスルホニル基であり、Mは金属原子を示す。)
で表される合成樹脂用の安定化剤、該安定化剤のうち少なくとも1種類を含有する合成樹脂組成物、および該組成物より得られる樹脂部材を提供するものである。
また、式(1)におけるZおよびZ、R、R、R、R、R、RおよびMについて以下に例示する。
式中、Y、Y、YまたはYに帰属される、前記のNRのRとしては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、シクロヘキシル、n−ヘプチル基、n−オクチル基等のアルキル基や、フェニル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、3−クロロフェニル基、4−ブロモフェニル基、3,4−ジクロロフェニル基、ナフチル基等のアリール基が挙げられる。
尚、Y、Y、Y、Yのうち少なくとも2つがNRで表される場合、これらNRのRはそれぞれ互いに独立した置換基を示す。
ここで、式(1)におけるY、Y、YおよびYは、合成方法の簡便さの観点から、酸素原子または硫黄原子であることが特に好ましい。
式中、ZまたはZに帰属される、前記のCRのRとしては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、シクロヘキシル、n−ヘプチル基、n−オクチル基等のアルキル基や、フェニル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、3−クロロフェニル基、4−ブロモフェニル基、3,4−ジクロロフェニル基、ナフチル基等のアリール基や、2−フリル基、2−チエニル基、5−クロロ−2−チエニル基、2−ピロリル基、2−オキサゾリル基、5−メチル−2−オキサゾリル基、2−チアゾリル基等のヘテロアリール基や、4−ピリジルメチル基、4−キノリルメチル基、2−チエニルメチル基等のヘテロアラルキル基や、
4−アセトアミドベンジル基、3−アミノベンジル基、4−アミノベンジル基、3−メトキシベンジル基、2−メトキシフェネチル基、4−(n−ペンチルオキシ)ベンジル基、2−アリルオキシフェネチル基、5−アリル−2−ヒドロキシ−3−メトキシベンジル基、4−フェニルベンジル基、2−ブロモベンジル基、3−フェネチル基、4−ブロモベンジル基、2−クロロベンジル基、3−クロロベンジル基、4−クロロベンジル基、6−ブロモ−2−ヒドロキシベンジル基、5−ブロモ−3−ニトロ−2−ヒドロキシフェネチル基、4−(n−ブチル)ベンジル基、3−ブロモ−5−メトキシ−4−ヒドロキシベンジル基、4−ベンジルオキシベンジル基、6−ブロモ−3−メトキシ−2−ヒドロキシベンジル基、(1−ブロモ−2−ナフチル)−n−プロピル基、2−ベンジルオキシベンジル基、3,5−ビストリフルオロメチルフェネチル基、4−tert−ブチルベンジル基、5−ブロモ−2−フルオロベンジル基、3−ブロモ−4−メトキシベンジル基、5−ブロモ−2−メトキシベンジル基、3−ブロモ−5−クロロ−2−ヒドロキシベンジル基、4−ブロモ−2−フルオロベンジル基、2−ブロモ−4,5−ジメトキシフェネチル基、3,4−エチレンジオキシベンジル基、3−ブロモ−4−フルオロフェネチル基、6−ブロモ−3,4−メチレンジオキシベンジル基、3−ブロモ−4−ヒドロキシベンジル基、2−ブロモ−5−フルオロフェネチル基、4−シアノベンジル基、4−トリフルオロベンジル基、4−(4−クロロフェノキシ)フェネチル基、4−(N,N−ジエチルアミノ)ベンジル基、3,4−ジアセトキシベンジル基、4−(N,N−ジフェニルアミノ)ベンジル基、4−[N−(4,4−ジオキソチオモルホリノ)]ベンジル基、4−(N−ピロリジノ)ベンジル基、3−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンジル基、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェネチル基、4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルベンジル基、(6−ヒドロキシ−2−ナフチル)−n−プロピル基、4−イソプロピルベンジル基、4−イソブチルベンジル基等のアラルキル基が挙げられる。
前記のZまたはZに帰属されるCRのRとして例示したものの中では、合成方法の簡便さや反応性の観点から、アラルキル基であることが特に好ましい。
尚、ZおよびZがともにCRで表される場合、これらCRのRはそれぞれ互いに独立した置換基を示す。
さらに、式(1)におけるZおよびZは、合成方法の簡便さの観点から、NHであることが特に好ましい。
式中、R、R、RまたはRに帰属される、前記の置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、2−メトキシエチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、3−クロロ−n−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、4−ヒドロキシ−n−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、シクロヘキシル、6−フェニル−n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基等が挙げられる。
式中、R、R、RまたはRに帰属される、前記の炭素数1〜4のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、tert−ブトキシ基等が挙げられる。
式中、R、R、RまたはRに帰属される、前記のハロゲノ基としては、例えば、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨード基等が挙げられる。
式中、R、R、RまたはRに帰属される、前記の置換基を有していてもよい炭素数1〜16のアルキルアミノスルホニル基としては、例えば、N−メチルアミノスルホニル基、N−エチルアミノスルホニル基、N−イソプロピルアミノスルホニル基、N−n−プロピルアミノスルホニル基、N−n−ブチルアミノスルホニル基、N,N−ジメチルアミノスルホニル基、N,N−メチルエチルアミノスルホニル基、N,N−ジエチルアミノスルホニル基、N,N−エチルイソプロピルアミノスルホニル基、N,N−ジイソプロピルアミノスルホニル基、N,N−ジ−n−プロピルアミノスルホニル基、N,N−ジ−n−ブチルアミノスルホニル基、N,N−ジイソブチルアミノスルホニル基、N,N−ジ−2−エチルヘキシルアミノスルホニル基等が挙げられる。
式中、R、R、RまたはRに帰属される、置換基を有していてもよいモルホリノスルホニル基としては、例えば、モルホリノスルホニル基、2−メチルモルホリノスルホニル基、3−メチルモルホリノスルホニル基、2−エチルモルホリノスルホニル基、3−n−プロピルモルホリノスルホニル基、3−n−ブチルモルホリノスルホニル基、2,3−ジメチルモルホリノスルホニル基、2,6−ジメチルモルホリノスルホニル基、3−フェニルモルホリノスルホニル基等が挙げられる。
式中、R、R、RまたはRに帰属される、置換基を有していてもよいピペリジノスルホニル基としては、例えば、ピペリジノスルホニル基、2−メチルピペリジノスルホニル基、3−メチルピペリジノスルホニル基、4−メチルピペリジノスルホニル基、2−エチルピペリジノスルホニル基、4−n−プロピルピペリジノスルホニル基、3−n−ブチルピペリジノスルホニル基、2,4−ジメチルピペリジノスルホニル基、2,6−ジメチルピペリジノスルホニル基、4−フェニルピペリジノスルホニル基等が挙げられる。
式中、R、R、RまたはRに帰属される、置換基を有していてもよいピロリジノスルホニル基としては、例えば、ピロリジノスルホニル基、2−メチルピロリジノスルホニル基、3−メチルピロリジノスルホニル基、2−エチルピロリジノスルホニル基、3−n−プロピルピロリジノスルホニル基、3−n−ブチルピロリジノスルホニル基、2,4−ジメチルピロリジノスルホニル基、2,5−ジメチルピロリジノスルホニル基、3−フェニルピロリジノスルホニル基等が挙げられる。
式中、R、R、RまたはRに帰属される、置換基を有していてもよいチオモルホリノスルホニル基としては、例えば、チオモルホルノスルホニル基、2−メチルチオモルホリノスルホニル基、3−メチルチオモルホリノスルホニル基、2−エチルチオモルホリノスルホニル基、3−n−プロピルチオモルホリノスルホニル基、3−n−ブチルチオモルホリノスルホニル基、2,3−ジメチルチオモルホリノスルホニル基、2,6−ジメチルチオモルホリノスルホニル基、3−フェニルチオモルホリノスルホニル基等が挙げられる。
式中、R、R、RまたはRに帰属される、置換基を有していてもよいピペラジノスルホニル基としては、例えば、ピペラジノスルホニル基、2−メチルピペラジノスルホニル基、3−メチルピペラジノスルホニル基、2−エチルピペラジノスルホニル基、3−n−プロピルピペラジノスルホニル基、3−n−ブチルピペラジノスルホニル基、2,5−ジメチルピペラジノスルホニル基、2,6−ジメチルピペラジノスルホニル基、3−フェニルピペラジノスルホニル基、2−ピリミジルピペラジノスルホニル基等が挙げられる。
前記のR、R、RおよびRの各々は、存在しないか、あるいは存在する場合は、1つのベンゼン環の6個の炭素原子のうち5員環と共有された2個の炭素原子を除いた4個の炭素原子に結合する4個の水素原子のうち1ないし4個、好ましくは1または2個を置換することができ、4個のベンゼン環の水素原子を置換した置換基の全てはそれぞれ互いに独立して、置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ハロゲノ基、置換基を有していてもよい炭素数1〜16のアルキルアミノスルホニル基、置換基を有していてもよいモルホリノスルホニル基、置換基を有していてもよいピペリジノスルホニル基、置換基を有していてもよいピロリジノスルホニル基、置換基を有していてもよいチオモルホリノスルホニル基または置換基を有していてもよいピペラジノスルホニル基であり、経済性すなわち原料の入手の簡便さや、反応工程数、収率の観点からみれば、存在しないか、置換基を有してもいてもよい炭素数1〜8のアルキル基、ハロゲノ基、炭素数1〜4のアルコキシ基であることが好ましく、存在しないか、ハロゲノ基、炭素数1〜4のアルコキシ基であることがより好ましく、存在しないことがさらに好ましい。
また、置換基を有してもよい炭素数1〜16のアルキルアミノスルホニル基、置換基を有していてもよいモルホリノスルホニル基、置換基を有していてもよいピペリジノスルホニル基、置換基を有していてもよいピロリジノスルホニル基、置換基を有していてもよいチオモルホリノスルホニル基または置換基を有していてもよいピペラジノスルホニル基である場合には、溶媒に対する溶解性の面で特に有利であり、中でも置換基を有していてもよい炭素数1〜16のアルキルアミノスルホニル基または置換基を有していてもよいモルホリノスルホニル基である場合に特に有利となる。
、Y、YおよびY、ZおよびZ、R、R、RおよびRはそれぞれ互いに独立したものであるが、合成方法の簡便さおよび取得する該金属錯体の品質(純度)管理の観点から、好ましくはY=Y且つY=Y且つZ=Z且つR=R=R=Rである。また、該金属錯体の各種溶媒に対する溶解性の観点から言えば、Y=Y≠Y=Y且つZ=Z且つR=R=R=R、またはY=Y=Y=Y且つZ=Z且つR=R≠R=Rであることが好ましい。
式中、Mで表される金属原子は、例えば、コバルト原子、ニッケル原子、亜鉛原子または銅原子等が挙げられる。
式(1)で表される金属錯体は、下記式(2)で表される配位子と、金属ハロゲン化物、金属硫酸塩、金属酢酸塩、金属硝酸塩等の金属塩とを反応させることで合成することができる。
式(2):
Figure 0005400717
式(2)において、Y、Y、Z、R、Rは、それぞれ式(1)中のY(および/またはY)、Y(および/またはY)、Z(および/またはZ)、R(および/またはR)、R(および/またはR)に対応している。
式(2)で表される配位子は、例えば、「特開昭56−87575」、「Synthesis 1987,368」、「Synthesis 1982,590」、「Synthesis 1982,1066−1067」、「J.Org.Chem.2002,67,5753−5772」、「J.Org.Chem.2002,67,5753−5772」、「J.Org.Chem.1961,26,3434−3445」、「Gazz.Chim.Ital.1996,126,329−337」、「Gazz.Chim.Ital.1994,124,301−308」、「特表2007−535421」において開示されている方法で合成することができる。
以下、式(2)で表される配位子の製造方法を一部説明する。
≪配位子の製造方法≫
i) 下記式(3):式(2)においてY=Y=S,Z=Nの場合
Figure 0005400717
例えば、特開昭56−87575に記載されている方法に従って合成することができる。すなわち、2−アミノベンゾチアゾール(RおよびRが存在しない場合)または2−アミノ−置換ベンゾチアゾール(RおよびRが置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、炭素数1〜4のアルコキシ基またはハロゲノ基の場合)をフェノール等の酸触媒存在下において、150〜185℃に加熱し、反応させることによって2,2’−イミノビスベンゾチアゾールまたは2,2’−イミノビス(置換ベンゾチアゾール)を合成することができる。
ii) 下記式(4):式(2)においてY=S,Y=O,Z=Nの場合
Figure 0005400717
例えば、Synthesis 1987,368に記載されている方法に従って合成することができる。すなわち、2−アミノフェノール(Rが存在しない場合)または2−アミノ−置換フェノール(Rが置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、炭素数1〜4のアルコキシ基またはハロゲノ基の場合)をN,N’−ジメチルホルムアミド(DMF)に溶解させ、塩基として水酸化ナトリウム水溶液を加え、室温で30分間攪拌し、ここにS,S’−ジメチル−N−(2−ベンゾチアゾリル)−カルボンイミドジチオエート(Rが存在しない場合)またはS,S’−ジメチル−N−[2−(置換ベンゾチアゾリル)]−カルボンイミドジチオエート(Rが置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、炭素数1〜4のアルコキシ基またはハロゲノ基の場合)のDMF溶液を滴下し、窒素雰囲気下で還流させることで2−(2−ベンゾチアゾリルアミノ)ベンゾオキサゾールまたは2−[2−(置換ベンゾチアゾリル)アミノ]置換ベンゾオキサゾールを合成することができる。
前記S,S’−ジメチル−N−(2−ベンゾチアゾリル)カルボンイミドジチオエートまたはS,S’−ジメチル−N−[2−(置換ベンゾチアゾリル)]カルボンイミドジチオエートは、例えば、Synthesis 1982,590に記載されている方法に従って合成することができる。
すなわち、2−アミノベンゾチアゾール(Rが存在しない場合)または2−アミノ−置換ベンゾチアゾール(Rが置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、炭素数1〜4のアルコキシ基またはハロゲノ基の場合)をDMFに溶解させ、水浴または氷浴下でこの溶液に、水酸化ナトリウム水溶液を滴下し、次に二硫化炭素を滴下し、さらに水酸化ナトリウム水溶液を滴下した後、ヨウ化メチルを滴下することで、S,S’−ジメチル−N−(2−ベンゾチアゾリル)カルボンイミドジチオエート(Rが存在しない場合)またはS,S’−ジメチル−N−(2−置換ベンゾチアゾリル)カルボンイミドジチオエート(Rが置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、炭素数1〜4のアルコキシ基またはハロゲノ基の場合)を合成することができる。
iii) 下記式(5):式(2)においてY=S,Y=NH,Z=Nの場合
Figure 0005400717
例えば、Synthesis 1982,1066−1067に記載されている方法に従って合成することができる。すなわち、o−フェニレンジアミン(Rが存在しない場合)またはo−(置換フェニレン)ジアミン(Rが置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、炭素数1〜4のアルコキシ基またはハロゲノ基の場合)をDMFに溶解させ、ここにS,S’−ジメチル−N−(2−ベンゾチアゾリル)−カルボンイミドジチオエート(Rが存在しない場合)またはS,S’−ジメチル−N−[2−(置換ベンゾチアゾリル)]−カルボンイミドジチオエート(Rが置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、炭素数1〜4のアルコキシ基またはハロゲノ基の場合)のDMF溶液を滴下した後に、10〜16時間還流させることで2−(2−ベンゾチアゾリルアミノ)ベンゾイミダゾールまたは2−[2−(置換ベンゾチアゾリルアミノ)]置換ベンゾイミダゾールを合成することができる。
iv) 下記式(6):式(2)においてY=S,Y=NH,Z=CHの場合
Figure 0005400717
例えば、J.Org.Chem.2002,67,5753−5772に記載されている方法に従って合成することができる。すなわち、o−フェニレンジアミン(Rが存在しない場合)またはo−(置換フェニレン)ジアミン(Rが置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、炭素数1〜4のアルコキシ基またはハロゲノ基の場合)と、エチル−2−ベンゾチアゾリルアセテート(Rが存在しない場合)またはエチル−2−(置換ベンゾチアゾリル)アセテート(Rが置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、炭素数1〜4のアルコキシ基またはハロゲノ基の場合)を窒素雰囲気下において160℃で6時間還流することによって(2−ベンゾチアゾリル)(2−ベンゾイミダゾリル)メタンまたは[2−(置換ベンゾチアゾリル)][2−(置換ベンゾイミダゾリル)]メタンを合成することができる。
前記エチル−2−ベンゾチアゾリルアセテートまたはエチル−2−(置換ベンゾチアゾリル)アセテートは、例えば、J.Org.Chem.2002,67,5753−5772に記載されている方法に従って合成することができる。
すなわち、エチルシアノアセテートと、2−アミノ−チオフェノールまたは2−アミノ−置換チオフェノールを混合し、窒素雰囲気下において120℃で2時間反応させることで、エチル−2−ベンゾチアゾリルアセテートまたはエチル−2−(置換ベンゾチアゾリル)アセテートを合成することができる。
v) 下記式(7):式(2)においてY=Y=O,Z=CHの場合
Figure 0005400717
例えば、US3250780に記載されている方法に従って合成することができる。すなわち、2−アミノフェノール(RおよびRが存在しない場合)または2−アミノ−置換フェノール(RおよびRが置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、炭素数1〜4のアルコキシ基またはハロゲノ基の場合)とマロン酸を混合し、この混合液を攪拌下のポリリン酸中に70℃に保温しながら加える。次にこの反応液を175℃まで昇温し、反応させることで、ビス(2−ベンゾオキサゾリル)メタンまたはビス[2−(置換ベンゾオキサゾリル)]メタンを合成することができる。
vi) 下記式(8):式(2)においてY=Y=S,Z=CHの場合
Figure 0005400717
例えば、J.Org.Chem.1961,26,3434−3445に記載されている方法に従って合成することができる。すなわち、2−アミノチオフェノール(RおよびRが存在しない場合)または2−アミノ−置換チオフェノール(RおよびRが置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、炭素数1〜4のアルコキシ基またはハロゲノ基の場合)とマロン酸を混合し、この混合液を攪拌下のポリリン酸中に70℃に保温しながら加える。次にこの反応液を125−150℃で2時間反応させることで、ビス(2−ベンゾチアゾリル)メタンまたはビス[2−(置換ベンゾチアゾリル)]メタンを合成することができる。
vii) 下記式(9):式(2)においてY=NR、Y=NR,Z=CHの場合
Figure 0005400717
例えば、Gazz.Chim.Ital.1996,126,329−337に記載されている方法に従って合成することができる。すなわち、(N−置換−)o−フェニレンジアミン(RおよびRが存在しない場合)または(N−置換−)[o−(置換フェニレン)]ジアミン(RおよびRが置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、炭素数1〜4のアルコキシ基またはハロゲノ基の場合)とマロン酸ジエチルを混合し、この混合液を窒素雰囲気下において155℃で11時間還流することで、ビス[2−(N−置換)ベンゾイミダゾリル]メタンまたはビス[2−(N−置換)(置換ベンゾイミダゾリル)]メタンを合成することができる。
viii) 下記式(10):式(2)においてZ=CRの場合
Figure 0005400717
例えば、Gazz.Chim.Ital.1994,124,301−308に記載されている方法に従って合成することができる。前記の通り、式(1)中のZまたはZに帰属されるCRのRとしてはアラルキル基であることが特に好ましい。ここでは、このアラルキル基が、例えば、4−ピリジルメチル基である場合を取り上げ、以下、合成方法を説明する。4−ピリジルメチル基以外の置換基である場合にも対応する基質(置換基に対応するアルデヒド体)を選択することで、同様の合成方法に従って合成することが可能である。
iv)で得られた(2−ベンゾチアゾリル)(2−ベンゾイミダゾリル)メタンまたは[2−(置換ベンゾチアゾリル)][2−(置換ベンゾイミダゾリル)]メタン、または
v)で得られたビス(2−ベンゾオキサゾリル)メタンまたはビス[2−(置換ベンゾオキサゾリル)]メタン、または
vi)で得られたビス(2−ベンゾチアゾリル)メタンまたはビス[2−(置換ベンゾチアゾリル)]メタン、または
vii)で得られたビス[2−(N−置換)ベンゾイミダゾリル]メタンまたはビス[2−(N−置換)(置換ベンゾイミダゾリル)]メタンと、
酢酸および酢酸ナトリウムを混合し、ここに4−ピリジンカルボキシアルデヒドを添加し反応させた後に、パラジウムカーボン等を用いて還元することで、
iv)で得られた化合物からは、対応する4−[β,β−(2−ベンゾチアゾリル)(2−ベンゾイミダゾリル)エチル]ピリジンまたは4−[β,β−{2−(置換ベンゾチアゾリル)}{2−(置換ベンゾイミダゾリル)}エチル]ピリジンを、
v)で得られた化合物からは、対応する4−[β,β−ビス(2−ベンゾオキサゾリル)エチル]ピリジンまたは4−[β,β−ビス{2−(置換ベンゾオキサゾリル)}エチル]ピリジンを、
vi)で得られた化合物からは、対応する4−[β,β−ビス(2−ベンゾチアゾリル)エチル]ピリジンまたは4−[β,β−ビス{2−(置換ベンゾチアゾリル)}エチル]ピリジンを、
vii)で得られた化合物からは、対応する4−[β,β−ビス{2−(N−置換)ベンゾイミダゾリル}エチル]ピリジンまたは4−[β,β−ビス{2−(N−置換)(置換ベンゾイミダゾリル)エチル]ピリジンを合成することができる。
ix) 式(2)においてRおよびRのそれぞれ少なくとも一つの置換基が、置換基を有していてもよい炭素数1〜16のアルキルアミノスルホニル基、置換基を有していてもよいモルホリノスルホニル基、置換基を有していてもよいピペリジノスルホニル基、置換基を有していてもよいピロリジノスルホニル基、置換基を有していてもよいチオモルホリノスルホニル基または置換基を有していてもよいピペラジノスルホニル基の場合
例えば、特表2007−535421に記載されている方法に従って、前記i)〜viii)の方法で得られた配位子(式(2)においてRおよびRの各々は、存在しないか、あるいは存在する場合は、1つのベンゼン環の6個の炭素原子のうち5員環と共有された2個の炭素原子を除いた4個の炭素原子に結合する4個の水素原子のうち1ないし3個が置換されたものに限る)に、置換基を有していてもよい炭素数1〜16のアルキルアミノスルホニル基、置換基を有していてもよいモルホリノスルホニル基、置換基を有していてもよいピペリジノスルホニル基、置換基を有していてもよいピロリジノスルホニル基、置換基を有していてもよいチオモルホリノスルホニル基または置換基を有していてもよいピペラジノスルホニル基を導入することができる。
ここでは、i)で得られた2,2’−イミノビスベンゾチアゾールまたは2,2’−イミノビス(置換ベンゾチアゾール)を例に取り上げ、以下、合成方法を説明する。
i)で得られた2,2’−イミノビスベンゾチアゾールまたは2,2’−イミノビス(置換ベンゾチアゾール)をクロロスルホン酸に添加し、混合物を一晩攪拌する。さらに塩化チオニルを添加し、50℃で1時間攪拌する。室温まで冷却後、混合物を氷の上に注ぎ、吸引ろ過する。濾取した固形物を残った氷と一緒に一級または二級アミンと攪拌することで対応する2,2’−イミノビス(置換ベンゾチアゾール)を合成することができる。
≪式(1)で表される金属錯体の製造方法≫
例えば、Polyhedron 2006,25,2363−2374やJ.Org.Chem.2002,67,5753−5772に記載されている方法に従って、前記のi) 〜viii)の製造方法に基づいて得られた配位子と、金属ハロゲン化物、金属硫酸塩、金属酢酸塩、金属硝酸塩等の金属塩とを反応させることによって対応する金属錯体を合成することができる。すなわち前記のi) 〜ix)の製造方法に基づいて得られた配位子と、式(1)中のMに対応する金属の酢酸塩を、メタノール、エタノール、水、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)等の溶媒中で反応させることにより合成することができる。
≪式(1)で表される合成樹脂用安定化剤のうち少なくとも1種類を含む合成樹脂組成物≫
本発明における合成樹脂組成物は、式(1)で表される少なくとも1種類の合成樹脂用安定化剤を含有し、さらに、少なくとも1種類の合成樹脂、および/または合成樹脂の前駆体としての重合性モノマーを含むことを特徴とする。さらに、必要に応じて少なくとも1種類の溶媒を含有してもよい。
本発明の合成樹脂用安定化剤の各々の添加量としては、合成樹脂安定化効果を得られる限り特に限定されることはないが、合成樹脂材料100重量部に対して0.001〜15重量部、好ましくは0.01〜10重量部、より好ましくは0.03〜5重量部である。0.001重量部未満では、十分な安定化効果が得られないおそれがあり、15重量部以上添加しても添加量に見合う安定化効果が得られず経済的でない。
合成樹脂の安定化効果の観点からは、本発明における式(1)で表される合成樹脂用安定化剤は分子レベルで溶解した状態で含有されることが好ましい。
本発明の合成樹脂用安定化剤を、合成樹脂、および/または樹脂材料の前駆体としての重合性モノマー、必要に応じて溶媒に混合する方法としては、特に制限されることなく公知の方法で混合することができる。
例えば、合成樹脂用安定化剤、および合成樹脂(、および/または樹脂材料の前駆体としての重合性モノマー)を溶媒に溶解させて使用する場合には、特に混合の手順に関して制限を受けることはなく、いかなる順序で各成分を混合してもよい。尚、溶媒として重合性モノマーを使用する場合にも同様にして混合することができる。
溶媒を使用することなく該合成樹脂用安定化剤を、加熱により溶融させる等して流動性をもたせた合成樹脂(溶媒を含まない樹脂成分そのもの)中に練りこむ方法を採用してもよい。この場合には公知の溶融混練機を使用することが好ましい。一例を挙げると、短軸押出機を用いて溶融混練した後にストライド状に押し出し、ペレット状にカットすることで、成形材料としての合成樹脂組成物を得ることができる。溶融混練時の温度は使用する合成樹脂用安定化剤の分解温度と、使用する樹脂材料の融点またはガラス転移点の双方を考慮した上で適宜設定することができ、また混練時の圧力については、使用する樹脂材料の物性に応じて適宜設定することができる。
本発明の合成樹脂組成物には、従来公知の合成樹脂を特に制限されることなく、1種類または2種類以上を組み合わせて適宜用いることができる。
このような合成樹脂としては、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸や、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、ポリ(メタ)アクリル酸プロピル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル、ポリ(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等のポリ(メタ)アクリル酸エステル系樹脂や、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸エチル共重合体、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ブチル共重合体、(メタ)アクリル酸エチル−アクリルアミド共重合体等の(メタ)アクリル酸エステル共重合体や、ポリスチレン、ポリ(α−メチルスチレン)等のポリスチレン系樹脂や、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体等のスチレン系共重合体や、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、1,4-シクロヘキシルジメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ乳酸、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンアジペート、ポリグリコール酸、ポリカプロラクトン等のポリエステル系樹脂や、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリ−4-メチルペンテン−1、ポリブテン−1等のポリオレフィン系樹脂や、ポリオキシメチレン、ポリエチレンオキシド、ポリフェニレンオキシド等のポリエーテル系樹脂や、シリコーン系樹脂や、ポリエーテルスルホンやポリアリールスルホン等のポリスルホン系樹脂や、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12などのポリアミド系樹脂や、ポリカーボネートや分岐ポリカーボネートなどのポリカーボネート系樹脂や、ポリ塩化ビニルやポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコールなどのポリビニル系樹脂などの熱可塑性樹脂、もしくはエポキシ系樹脂や、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン系樹脂や、ポリイミド系樹脂等の熱硬化性合成樹脂や、エチレン−プロピレン共重合ゴム、ポリブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム等の合成ゴム等が挙げられる。
本発明の合成樹脂用安定化剤は、好ましくは、アクリル酸系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエーテル系樹脂、シリコーン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、より好ましくは、アクリル酸系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリカーボネート系樹脂に使用される。
尚、アクリル酸系樹脂は、(メタ)アクリル酸や(メタ)アクリル酸エステルをモノポリマーとし、これを重合して得られるホモポリマーおよびコポリマーを示す。例えば、ポリ(メタ)アクリル酸エステル系樹脂や、(メタ)アクリル酸エステル共重合体などである。(メタ)アクリルは、メタクリルおよびアクリルを示す。
また、合成樹脂用安定化剤を樹脂の前駆体としての重合性モノマーに添加しても使用できる。また、重合性モノマーは合成樹脂組成物の溶媒としても使用することができる。このような重合性モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸や、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステルや、スチレン、α−メチルスチレン、3−クロロスチレン、4−ブロモスチレン、4−ニトロスチレン、4−メトキシスチレン等のスチレン系モノマーや、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、テトラブロモビスフェノールA、テトラフェニロールエタン、フェノールノボラック、o−クレゾールノボラック等のフェノール系グリシジルエーテル型エポキシ化合物や、前記フェノール系グリシジルエーテル型エポキシ化合物の芳香環を水添した化合物や、ポリプロピレングリコール等のアルコール系グリシジルエーテル型エポキシ化合物や、ヘキサヒドロ無水フタル酸、ダイマー酸等のグリシジルエステル型エポキシ化合物や、ヒダントイン、イソシアヌル酸、ジアミノジフェニルメタン等のグリシジルアミン型エポキシ化合物や、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)エーテル等の脂環式エポキシ化合物や、トリメチレンオキシド、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3,3−ジメチルオキセタン、3,3−ジクロルメチルオキセタン、3−エチル−3−フェノキシメチルオキセタン、3−エチル−3−[{(3−エチルオキセタニル)メトキシ}メチル]オキセタン、ビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、1,4−ビス[{(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ}メチル]ベンゼン、トリ[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチルフェニル]エーテル、(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)オリゴジメチルシロキサン等のオキセタン化合物等が挙げられる。
本発明において用いる合成樹脂は、単一の樹脂であっても2種以上の樹脂であっても良い。また、重合性モノマーは、単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。2種類以上を組み合わせて使用する場合の混合比率は適宜選択することができる。
本発明の合成樹脂組成物は、上述した式(1)で表される合成樹脂用安定化剤に加えて、本発明の効果を阻害しない範囲で従来公知の添加剤が適宜添加されていてもよい。このような添加剤としては、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤などの酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、熱安定剤、硬化剤、硬化触媒、架橋剤、カップリング剤、レベリング剤、潤滑剤、帯電防止剤、核剤、難燃剤、フィラー、着色剤、光触媒材料、防錆剤、撥水剤、導電性材料、アンチブロッキング材、可塑剤、流れ調整剤、離型剤、発泡剤、蛍光増白剤、防炎加工剤、無機系光遮蔽剤等を適宜添加してもよい。
重合性モノマーを用いる場合において、重合工程を設ける場合には別途開始剤や硬化剤を併用してもよい。開始剤や硬化剤としては特に限定されるものではなく、使用する重合性モノマーの種類に応じて、一般に慣用されている物の中から適宜選択することができる。また、その使用量は、重合性モノマーの活性に応じて適宜選択することができる。
熱硬化の場合に使用されるラジカル重合開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビスイソバレロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサノン−1−カルボニトリル)等のアゾ系化合物や、メチルエチルケトンパーオキシド、メチルイソブチルケトンパーオキシド、シクロヘキサノンパーオキサイド等のケトンパーオキシド類や、ベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキシド等のジアシルパーオキシド等を挙げることができる。
光硬化の場合に用いられるラジカル重合開始剤としては、例えば、p−イソプロピル−α−ヒドロキシイソブチルフェノン、α−ヒドロキシイソブチルフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、4’−メチルチオ−2,2−ジメチル−2−モルホリノアセトフェノン、ベンゾインイソブチルエーテル、2−クロロチオキサントン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド等を挙げることができる。
熱硬化の場合に使用されるカチオン重合開始剤としては、例えば、三フッ化ホウ素・ジエチルエーテル錯体、三フッ化ホウ素・アミン錯体、塩化アルミニウム、四塩化チタン、四塩化スズ、塩化鉄(III)、塩化亜鉛等のルイス酸類や、アンモニウム塩、スルホニウム塩、オキソニウム塩、ホスホニウム塩等を挙げることができる。
光硬化の場合に使用されるカチオン重合開始剤としては、例えば、芳香族スルホニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ホスホニウム塩等を挙げることができる。
硬化剤としては、特にエポキシ樹脂に関して使用されるものとして、例えば、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水クロレンド酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、ドデセニル無水コハク酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸などの酸無水物や、ジエチレントリアミン、トリエチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ジエチルアミノプロピルアミン、N−アミノエチルピペラジン、イソホロンジアミン、メンセンジアミン、ピペリジン、N,N−ジメチルピペラジンなどの脂肪族アミンや、m−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホンなどの芳香族アミンや、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾールなどのイミダゾール類や、三フッ化ホウ素・アミン錯体、塩化アルミニウム、四塩化チタン、四塩化スズ、塩化鉄(III)、塩化亜鉛等のルイス酸類や、アンモニウム塩、スルホニウム塩、オキソニウム塩、ホスホニウム塩や、ポリメルカプタン、ポリサルファイドなどを挙げることができる。
エポキシ樹脂の硬化剤としては、酸無水物類が樹脂の機械特性を向上する点で好ましく、操作性において常温で液状のものが好ましい。具体的には、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、ドデセニル無水コハク酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸等を挙げることができる。
常温で固体の酸無水物、例えば、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸等の酸無水物を使用する場合には、常温で液状の酸無水物に溶解させ、常温で液状の混合物として使用することが操作上好ましい。
エポキシ樹脂化合物には硬化反応を促進するために、さらに硬化促進剤を使用することもできる。硬化促進剤は、単独または2種以上を混合して使用することができる。例えば、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、ベンジルジメチルアミン、2,4,6−トリス(ジアミノメチル)フェノール、1,8−ジアザビスシクロ(5,4,0)ウンデセン−7とそのオクチル酸塩などの第三級アミン類やイミダゾール類および/またはそれらの有機カルボン酸塩や、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、ベンジルトリフェニルホスホニウム臭素塩、ベンジルトリブチルホスホニウム臭素塩などのホスフィン類および/またはそれらの第四級塩や、オクチル酸亜鉛、ラウリン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、オクチル酸錫などの有機カルボン酸金属塩や、亜鉛とβ−ジケトンよりなるアセチルアセトン亜鉛キレート、ベンゾイルアセトン亜鉛キレート、ジベンゾイルメタン亜鉛キレート、アセト酢酸エチル亜鉛キレートなどの金属− 有機キレート化合物や、芳香族スルホニウム塩などが挙げられる。
≪合成樹脂組成物から得られる樹脂部材≫
前記のごとき合成樹脂組成物からは、従来公知の成形、固化方法により樹脂部材を得ることができる。
成形方法としては、例えば、射出成形法、押出成形法、真空成形法、圧縮成形法、積層成形法、トランスファー成形法等が挙げられる。樹脂部材の形態としては、シート、プレート、フィルム等が挙げられるが、特に限定されるものではない。
また、本発明の合成樹脂組成物を塗膜化して樹脂部材とする場合には、樹脂部材は、基材上に合成樹脂組成物を塗布または積層した形態、またはその基材を有しない積層体形態のいずれの形態でもよい。
基材の材質は、特に限定されるものではなく、用途に応じて適宜選択し、使用することができ、例えば、ガラス、金属板、セラミックス等の無機系基材や、合成樹脂等の有機系基材が挙げられる。基材の形状は、所望によりフィルムでもボードでも良く、特に限定されない。
合成樹脂組成物を基材に塗布または積層する方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、ディップコート法、スピンコート法のごとき公知の方法が挙げられる。
基材への積層に際して、本願の合成樹脂組成物以外の組成物を積層してもよく、また、積層体の剥離のため基材に予めフッ素系樹脂、シリコーン樹脂等の剥離性組成物をコーティングしてもよい。
かくして、基材上に合成樹脂組成物を塗布または積層する、あるいは所望により基材から合成樹脂組成物を含む積層体を剥離することにより、該樹脂組成物から樹脂部材が得られる。
《製造例および実施例》
以下に実施例および比較例を挙げ、本発明を具体的に説明するが、本発明は、これら実施例によって何ら限定されるものではない。
(合成例1)
フェノール18.8g(0.2モル)を50℃まで加熱し溶融させ、ここに2−アミノベンゾチアゾール45.1g(0.3モル)を加えた後、さらに180℃まで加熱し、20時間保温した。その後、反応液を80℃まで冷却し、エタノール60gを滴下し、さらに1時間保温した。その後、室温まで冷却し、析出物を濾別し、エタノールで洗浄後、乾燥し、配位子として白色の2,2’−イミノビスベンゾチアゾール32.1gを得た。収率は2−アミノベンゾチアゾールに対して75.5%であった。
(合成例2)
合成例1で得られた2,2’−イミノビスベンゾチアゾール10g(0.035モル)をクロロスルホン酸70.1g(0.602モル)に添加し、混合物を室温で18時間攪拌した。さらに塩化チオニル10g(0.084モル)を添加し50℃で1時間攪拌した。室温まで冷却後、この混合物を400gの氷の上に注ぎ、吸引ろ過した。濾取した固形物を残った氷と一緒にジイソブチルアミン13.1g(0.101モル)と即座に攪拌した。室温まで暖めた後、約1mLの50重量%強度の水酸化ナトリウム溶液によって混合物をアルカリ性にした。固体を吸引ろ過し、水で洗浄後、乾燥することで薄黄色の2,2’−イミノビス[6−(N,N−ジイソブチルアミノスルホニル)ベンゾチアゾール]18.6gを得た。収率は2,2’−イミノビスベンゾチアゾールに対して80.0%であった。
(合成例3)
合成例1で得られた2,2’−イミノビスベンゾチアゾール28.3g(0.1モル)を温メタノール2250g(60℃)に溶解させ、ここに酢酸銅・1水和物10.0g(0.05モル)を温メタノール400gに溶解させた溶液を滴下した。生じた析出物を濾別し、メタノールで洗浄後、乾燥し、灰緑色の銅錯体24.8gを得た。収率は2,2’−イミノビスベンゾチアゾールに対して78.9%であった。
(合成例4)
合成例3において酢酸銅・1水和物10.0g(0.05モル)に代えて、酢酸ニッケル・4水和物12.4g(0.05モル)を用いた以外は合成例3と同様にして、赤紫色のニッケル錯体23.5gを得た。収率は2,2’−イミノビスベンゾチアゾールに対して75.4%であった。
(合成例5)
合成例3において酢酸銅・1水和物10.0g(0.05モル)に代えて、酢酸コバルト・4水和物12.5g(0.05モル)を用いた以外は合成例3と同様にして、橙色のコバルト錯体28.5gを得た。収率は2,2’−イミノビスベンゾチアゾールに対して91.4%であった。
(合成例6)
合成例3において酢酸銅・1水和物10.0g(0.05モル)に代えて、酢酸亜鉛・2水和物11.0g(0.05モル)を用いた以外は合成例3と同様にして、白色の亜鉛錯体28.4gを得た。収率は2,2’−イミノビスベンゾチアゾールに対して90.1%であった。
(合成例7)
合成例2で得られた2,2’−イミノビス[6−(N,N−ジイソブチルアミノスルホニル)ベンゾチアゾール]4.00g(0.006モル)を温DMF24g(70℃)に溶解させ、ここに酢酸ニッケル・4水和物0.75g(0.003モル)を添加した。この混合物を70℃で1時間攪拌し、室温まで冷却した後メタノール20gを滴下した。生じた析出物を濾別し、メタノールで洗浄後、乾燥し、黄緑色のニッケル錯体3.58gを得た。収率は2,2’−イミノビス[6−(N,N−ジイソブチルアミノスルホニル)ベンゾチアゾール]に対して85.9%であった。
(合成例8)
合成例7において酢酸ニッケル・4水和物0.75g(0.003モル)に代えて、酢酸コバルト・4水和物0.75g(0.003モル)を用いた以外は合成例7と同様にして、黄色のコバルト錯体4.17gを得た。収率は2,2’−イミノビス[6−(N,N−ジイソブチルアミノスルホニル)ベンゾチアゾール]に対して89.3%であった。
《エポキシ樹脂硬化物に対する安定化効果》
(実施例1)
3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(ダイセル化学工業株式会社製, セロキサイド2021P, エポキシ当量130)100.0重量部、ヘキサヒドロ無水フタル酸およびメチルヘキサヒドロ無水フタル酸の混合物(新日本理化株式会社製, リカシッドMH−700)125.0重量部、テトラフェニルホスホニウムブロミド1.0重量部、合成例3で得られた銅錯体0.1重量部を混合した。得られたエポキシ樹脂組成物中の溶存ガスを真空にて脱気した後、熱風乾燥機内にて110℃2時間の前硬化、次いで180℃2時間の後硬化を行い、エポキシ樹脂硬化物を得た。このエポキシ樹脂硬化物を、後記の方法(光変色性および熱変色性)により評価を行った。結果を第1表および第2表に示す。
(実施例2)
実施例1において銅錯体0.1重量部に代えて、合成例4で得られたニッケル錯体0.1重量部を用いた以外は実施例1と同様にしてエポキシ樹脂硬化物を得た。このエポキシ樹脂硬化物を、後記の方法により評価を行った。結果を第1表および第2表に示す。
(実施例3)
実施例1において銅錯体0.1重量部に代えて、合成例5で得られたコバルト錯体0.1重量部を用いた以外は実施例1と同様にしてエポキシ樹脂硬化物を得た。このエポキシ樹脂硬化物を、後記の方法により評価を行った。結果を第1表および第2表に示す。
(実施例4)
ビスフェノールAをグリシジルエーテル化した化合物(ジャパンエポキシレジン株式会社製, jER828, エポキシ当量184)100.0重量部、ヘキサヒドロ無水フタル酸およびメチルヘキサヒドロ無水フタル酸の混合物(新日本理化株式会社製, リカシッドMH−700)86.0重量部、2−エチル−4−メチルイミダゾール0.5重量部、合成例3で得られた銅錯体0.1重量部を混合した。得られたエポキシ樹脂組成物中の溶存ガスを真空にて脱気した後、熱風乾燥機内にて100℃6時間の前硬化、次いで150℃4時間の後硬化を行い、エポキシ樹脂硬化物を得た。このエポキシ樹脂硬化物を、後記の方法により評価を行った。結果を第3表および第4表に示す。
(実施例5)
実施例4において銅錯体0.1重量部に代えて、合成例4で得られたニッケル錯体0.1重量部を用いた以外は実施例4と同様にしてエポキシ樹脂硬化物を得た。このエポキシ樹脂硬化物を、後記の方法により評価を行った。結果を第3表および第4表に示す。
(実施例6)
実施例5においてニッケル錯体0.1重量部に代えて、0.2重量部を用いた以外は実施例4と同様にしてエポキシ樹脂硬化物を得た。このエポキシ樹脂硬化物を、後記の方法により評価を行った。結果を第3表および第4表に示す。
(実施例7)
実施例4において銅錯体0.1重量部に代えて、合成例5で得られたコバルト錯体0.1重量部を用いた以外は実施例4と同様にしてエポキシ樹脂硬化物を得た。このエポキシ樹脂硬化物を、後記の方法により評価を行った。結果を第3表および第4表に示す。
(実施例8)
実施例7においてコバルト錯体0.1重量部に代えて、0.2重量部を用いた以外は実施例4と同様にしてエポキシ樹脂硬化物を得た。このエポキシ樹脂硬化物を、後記の方法により評価を行った。結果を第3表および第4表に示す。
(実施例9)
実施例4において銅錯体0.1重量部に代えて、合成例6で得られた亜鉛錯体0.1重量部を用いた以外は実施例4と同様にしてエポキシ樹脂硬化物を得た。このエポキシ樹脂硬化物を、後記の方法により評価を行った。結果を第3表および第4表に示す。
(比較例1)
3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(ダイセル化学工業株式会社製, セロキサイド2021P, エポキシ当量130)100.0重量部、ヘキサヒドロ無水フタル酸およびメチルヘキサヒドロ無水フタル酸の混合物(新日本理化株式会社製, リカシッドMH−700)125.0重量部、テトラフェニルホスホニウムブロミド1.0重量部を混合した。得られたエポキシ樹脂組成物中の溶存ガスを真空にて脱気した後、熱風乾燥機内にて110℃2時間の前硬化、次いで180℃2時間の後硬化を行い、エポキシ樹脂硬化物を得た。このエポキシ樹脂硬化物を、後記の方法により評価を行った。結果を第1表および第2表に示す。
(比較例2)
ビスフェノールAをグリシジルエーテル化した化合物(ジャパンエポキシレジン株式会社製, jER828, エポキシ当量184)100.0重量部、ヘキサヒドロ無水フタル酸およびメチルヘキサヒドロ無水フタル酸の混合物(新日本理化株式会社製, リカシッドMH−700)86.0重量部、2−エチル−4−メチルイミダゾール0.5重量部を混合した。得られたエポキシ樹脂組成物中の溶存ガスを真空にて脱気した後、熱風乾燥機内にて100℃6時間の前硬化、次いで150℃4時間の後硬化を行い、エポキシ樹脂硬化物を得た。このエポキシ樹脂硬化物を、後記の方法により評価を行った。結果を第3表および第4表に示す。
《合成樹脂用安定化剤の安定化効果の測定》
前記実施例および比較例により得られた厚み約3mmのシート状の各硬化物に、長時間に渡り光および熱を与え、一般的に樹脂の耐光性、耐熱性ならびに透明性の評価に採用される黄色度を指標として、光変色性および熱変色性、すなわち、安定化剤の安定化効果につき検討した。
黄色度(YI)は、JIS K7103に従って、シートの三刺激値(X,Y,Z)を分光光度計を用いて透過法で求めた後、下記の式により、光照射または加熱前後の黄色度およびその黄色度の変化(ΔYI)を算出した。
YI=100(1.28X−1.06Z)/Y
ΔYI=YIt−YI0
YIt :光照射または加熱後の黄色度
YI0 :光照射または加熱前の黄色度
[光変色性]
得られた各硬化物の前記シートを、スガ試験機株式会社製キセノンウェザーメーターの試験炉内に設置し、放射照度60W/mの光を42日間照射した。照射前および照射後の硬化物について、分光光度計(株式会社日立ハイテクノロジーズ製)にて黄色度を測定し、黄色度の変化を求めた。
[熱変色性]
得られた各硬化物の前記シートをエスペック株式会社製小型環境試験機の試験炉内に設置し、120℃の条件下で14日間加熱した。加熱前および加熱後の硬化物について、分光光度計(株式会社日立ハイテクノロジーズ製)にて黄色度を測定し、黄色度の変化を求めた。
Figure 0005400717
Figure 0005400717
Figure 0005400717
Figure 0005400717
《ポリカーボネート樹脂に対する安定化効果》
(実施例10)
ポリカーボネート樹脂(帝人化成株式会社製, パンライト L1225)100.0重量部と合成例7で得られたニッケル錯体0.2重量部、およびクロロホルム1650.0重量部を混合した。得られたポリカーボネート樹脂組成物をバーコーター(日本シーダース株式会社製)を用いてポリエチレンテレフタレート基材上に塗布し、その後、室温下、窒素雰囲気下において3分間予備乾燥させた後に、80℃で3分間乾燥した。その後、基材を取り除き、ポリカーボネート樹脂薄膜を得た。尚、コーティング膜の膜厚は5μmであった。
このポリカーボネート樹脂薄膜を後記の光透過性の測定方法により評価を行った。結果を第5表に示す。
(実施例11)
実施例10において銅錯体0.2重量部に代えて、合成例8で得られたコバルト錯体0.2重量部を用いた以外は実施例10と同様にしてポリカーボネート樹脂薄膜を得た。このポリカーボネート樹脂薄膜を後記の方法により評価を行った。結果を第5表に示す。
(比較例3)
ポリカーボネート樹脂(帝人化成株式会社製, パンライト L1225)100.0重量部とクロロホルム1650.0重量部を混合した。得られたポリカーボネート樹脂組成物をバーコーター(日本シーダース株式会社製)を用いてポリエチレンテレフタレート基材上に塗布し、その後、室温下、窒素雰囲気下において3分間予備乾燥させた後に、80℃で3分間乾燥した。その後、基材を取り除き、ポリカーボネート樹脂薄膜を得た。尚、コーティング膜の膜厚は5μmであった。
このポリカーボネート樹脂薄膜を後記の方法により評価を行った。結果を第5表に示す。
[光透過性]
得られた各樹脂薄膜を、スガ試験機株式会社製キセノンウェザーメーターの試験炉内に設置し、放射照度60W/mの光を21日間照射した。照射前および照射後の硬化物について、265nmにおける光線透過率(%)を分光光度計(株式会社日立ハイテクノロジーズ製)にて測定し、以下の式により光線透過率保持率(%)を求めた。

※ 光線透過率保持率(%)
=(促進耐光性試験前の光線透過率/促進耐光性試験後の光線透過率)×100
Figure 0005400717
《アクリル樹脂に対する安定化効果》
(実施例12)
トリプロピレングリコールジアクリラート100.0重量部と合成例3で得られた銅錯体0.1重量部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.5重量部を混合した。得られたアクリル重合性モノマー組成物中の溶存ガスを真空にて脱気した後、熱風乾燥機内にて40℃で2時間保持し、80℃まで4時間で昇温後、80℃で1時間保持することによりアクリル樹脂硬化物を得た。
このアクリル樹脂硬化物を後記の方法により評価を行った。結果を第6表に示す。
(実施例13)
実施例12において銅錯体0.1重量部に代えて、合成例4で得られたニッケル錯体0.1重量部を用いた以外は実施例12と同様にしてアクリル樹脂硬化物を得た。このアクリル樹脂硬化物を後記の方法により評価を行った。結果を第6表に示す。
(実施例14)
実施例12において銅錯体0.1重量部に代えて、合成例5で得られたコバルト錯体0.1重量部を用いた以外は実施例12と同様にしてアクリル樹脂硬化物を得た。このアクリル樹脂硬化物を後記の方法により評価を行った。結果を第6表に示す。
(比較例4)
トリプロピレングリコールジアクリラート100.0重量部と、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.5重量部を混合した。得られたアクリル重合性モノマー組成物中の溶存ガスを真空にて脱気した後、熱風乾燥機内にて40℃で2時間保持し、80℃まで4時間で昇温後、80℃で1時間保持することによりアクリル樹脂硬化物を得た。
このアクリル樹脂硬化物を後記の方法により評価を行った。結果を第6表に示す。
《合成樹脂用安定化剤の安定化効果の測定》
前記実施例により得られた厚み約3mmのシート状の各硬化物に、長時間に渡り光を与え、一般的に樹脂の耐光性ならびに透明性の評価に採用される黄色度を指標として、光変色性、すなわち、安定化剤の安定化効果につき検討した。
黄色度(YI)は、JIS K7103に従って、シートの三刺激値(X,Y,Z)を分光光度計を用いて透過法で求めた後、下記の式により、光照射または加熱前後の黄色度およびその黄色度の変化(ΔYI)を算出した。
YI=100(1.28X−1.06Z)/Y
ΔYI=YIt−YI0
YIt :光照射後の黄色度
YI0 :光照射前の黄色度
[光変色性]
得られた各樹脂薄膜を、スガ試験機株式会社製キセノンウェザーメーターの試験炉内に設置し、放射照度60W/mの光を42日間照射した。照射前および照射後の硬化物について、分光光度計(株式会社日立ハイテクノロジーズ製)にて黄色度を測定し、黄色度の変化を求めた。
Figure 0005400717
本発明により、広範な合成樹脂に対し、少量の添加量で長期に渡り熱安定性、光安定性を向上させる効果があり、かつ広範な合成樹脂に溶解するために透明性が高い合成樹脂用安定化剤が提供できる。また、該安定化剤を含有する、長期間に渡って優れた耐光性、耐熱性を持続することができる透明な合成樹脂組成物、および該樹脂組成物から得られる樹脂部材が提供できる。

Claims (5)

  1. 式(1):
    Figure 0005400717

    (式中、Y、Y、YおよびYはそれぞれ互いに独立して、NH、NR、酸素原子または硫黄原子であり、
    、Y、YまたはYに帰属されるNRのRは、炭素数1〜8のアルキル基または置換基を有してもよい炭素数6〜15のアリール基である。尚、Y、Y、YおよびYのうち少なくとも2つがNRで表される場合、これらNRのRはそれぞれ互いに独立した置換基を示す。
    また、ZおよびZはそれぞれ互いに独立して、窒素原子、CHまたはCRであり、ZまたはZに帰属されるCRのRは、置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数6〜15のアリール基、置換基を有していてもよい炭素数4〜12のヘテロアリール基、置換基を有していてもよい炭素数5〜12のヘテロアラルキル基または炭素数7〜15のアラルキル基を示す。尚、ZおよびZがともにCRで表される場合、これらCRのRはそれぞれ互いに独立した置換基を示す。
    、R、RおよびRの各々は、存在しないか、あるいは存在する場合は、1つのベンゼン環の6個の炭素原子のうち5員環と共有された2個の炭素原子を除いた4個の炭素原子に結合する4個の水素原子のうち1ないし4個を置換することができ、4個のベンゼン環の水素原子を置換した置換基の全てはそれぞれ互いに独立して、置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ハロゲノ基、置換基を有していてもよい炭素数1〜16のアルキルアミノスルホニル基、置換基を有していてもよいモルホリノスルホニル基、置換基を有していてもよいピペリジノスルホニル基、置換基を有していてもよいピロリジノスルホニル基、置換基を有していてもよいチオモルホリノスルホニル基または置換基を有していてもよいピペラジノスルホニル基であり、Mは金属原子を示す。)
    で表される、合成樹脂用の安定化剤。
  2. 式(1)における金属原子Mが、コバルト原子、ニッケル原子、亜鉛原子、または銅原子である請求項1に記載の合成樹脂用の安定化剤。
  3. 請求項1または2に記載の合成樹脂用安定化剤のうち少なくとも1種類と、少なくとも1種類の合成樹脂を含有することを特徴とする合成樹脂組成物であって、
    合成樹脂用安定化剤の添加量が、合成樹脂100重量部に対して0.001〜15重量部である合成樹脂組成物
  4. 前記合成樹脂が、アクリル酸系樹脂、エポキシ系樹脂およびポリカーボネート系樹脂からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項3に記載の合成樹脂組成物。
  5. 請求項3または4に記載の合成樹脂組成物から得られる樹脂部材。
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