JP5398779B2 - 情報処理システム、方法およびプログラム - Google Patents
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Description
図1は、実施形態における事務品質マネジメントシステムの一例を示す概念図である。
この事務品質マネジメントシステムは、複数行の銀行のそれぞれに設置されるクライアント装置と、システムの主幹となるサーバ装置とが通信ネットワークを介して通信可能なシステムである。図1では、クライアント装置は、クライアント装置20a〜20cの3つを示しているが、この数は特に限定されない。この例では、クライアント装置20aが「○○銀行」、クライアント装置20bが「○×銀行」、クライアント装置20cが「××銀行」といったように、各銀行に設置される。
この取得したインシデントデータは、取得元の銀行ごとに、項目の種類、数、名称などがそれぞれ異なり、銀行ごとに独自の構成をなす。
このインシデントデータでは、事務事故などの発生日、発生時刻、判明時刻、対応時間、損失種類、報告種類、発生場所、発生業務、発生科目、発生工程、原因区分、損失などが管理される。このインシデントデータは、サーバ装置10の管理事業者が主体となって、各銀行間で協議して定められたフォーマットにしたがったデータである。
例えば、事務事故の発生場所に関するコンソーシアムデータは、各銀行からのインシデントデータをもとに、各銀行のそれぞれで発生した事務事故の発生場所に関わる情報を発生元の銀行の区別無しに纏めて管理するためのデータである。
図3は、実施形態における事務品質マネジメントシステムによるコンソーシアムデータの処理手順の一例を示すフローチャートである。
サーバ装置10のインシデントデータ入力部11は、各クライアント装置からのインシデントデータを入力する(ステップS1)。このインシデントデータには、出力元のクライアント装置20が設置される銀行の識別情報が含まれる。
この対応データは、出力元の銀行からのインシデントデータ上の管理項目とコンソーシアムデータ上の管理情報の対応関係を示すデータであり、コンソーシアムデータの分析項目名、および対応先のインシデントデータの出力元の銀行ごとに区分して記憶装置15の対応データ記憶部22に記憶する。
また、1対Nで対応する場合とは、インシデントデータの中の複数種類の管理情報が、コンソーシアムデータ中の1種類の管理情報に共通して対応する場合である。
この対応関係は、コンソーシアムデータの管理情報とインシデントデータの管理情報とが前述したN対1で対応する場合に該当する。
これらの対応関係は、コンソーシアムデータの管理情報とインシデントデータの管理情報とが前述した1対Nで対応する場合に該当する。
図5に示した例は、前述した分析項目名「原因区分」に関するコンソーシアムデータであり、対応データでも示した区分、事例項目の他に、当該事例項目の定義、事例情報、実損失データにおける構成比が対応付けて管理される。
このシステムのサーバ装置10の共通化データ分析処理部13は、所定期間に属する各銀行のインシデントデータと、同じ期間における当該インシデントデータ反映後のコンソーシアムデータとを比較分析することにより、ある銀行を自行として指定した際の、自行、他行における損失額の時系列推移のグラフや自行における損失事象の増減傾向や他行比競争力を示すリスクマップなどを生成する。
まず、業務品質改善を目的とした分析について説明する。この分析では、共通化データ分析処理部13は、ある銀行を自行として指定した際の、自行のインシデントデータをもとに、自行の業務ごとの事務過誤の原因構成比および発生件数を分析する(ステップS21)。
この分析結果では、自行の業務ごとの事務過誤の原因構成比、および自行の業務ごとの事務過誤の発生件数が示される。ここでは、業務は、預金、融資、内国為替、外国為替、金融商品、公金事務、サービス、諸届、総務、本部業務に区分される。また、ここでは、事務過誤の原因は、業務の正確性、事務手続の適切性、人員配置の適切性、内部・外部不正、外部委託先・サプライヤー、その他が挙げられる。
図8に示した例は、原因ごとの事務過誤の増減傾向や他行比競争力を示すリスクマッピングデータである。円形エリアの大きさは、件数の多さに比例する。
ここでは、業務の正確性分析の下位概念である、コンソーシアムデータで示される、原因の事例項目「行員の知識不足」や「行員の能力不足」の特定対象、発生業務、発生科目、発生取引、発生工程、損失種類が表形式で示される。特定対象は、増加傾向にある事象や他行比劣後の可能性がある事象に区分され、増加傾向や他行比劣後の程度が所定の基準を超える事象が示される。
ここでは、事務手続の正確性分析の下位概念である、コンソーシアムデータで示される、原因の事例項目「作業手順の不備、不明確」、および「作業手順が複雑、非効率」の特定対象、発生業務、発生科目、発生取引、発生工程、損失種類が表形式で示される。特定対象は、増加傾向にある事象や他行比劣後の可能性がある事象に区分され、増加傾向や他行比劣後の程度が所定の基準を超える事象が示される。
ここでは、「内部不正(自行)は、*件、外部不正(自行)は*件発生しました。代表的な内部不正、外部不正(自行、他行)の明細は以下の通りです」とのメッセージとともに、自行の内部不正、他行の内部不正、自行の外部不正、他行の外部不正のそれぞれの発生日、発生業務、発生場所、損失種類、判明の経緯、担当者、損失額が表形式で示される。担当者は発生者および検証者に区分され、損失額は直接損失額および損失金額に区分される。
ここでは、他行比劣後の可能性がある事象として、発生件数が多い業務の業務名および科目名が示され、また、他行比劣後の可能性がある事象として、直接損失額が多い業務の業務名および科目名が示される。
ここでは、対応人件費を多く要している自行および他行での事象が示され、また、事故対応に費やしている自行での対応日数の平均値および他行での対応日数の平均値が表形式で示される。
図15は、実施形態における事務品質マネジメントシステムによる、自行、他行における損失額の時系列推移の分析結果の一例を示す図である。
この例では、自行の直接損失、他行の直接損失、自行の損失金額、他行の損失金額の推移が示される。
図16は、実施形態における事務品質マネジメントシステムによる、バーゼル区分によるリスク顕在化の集中エリアの分析結果の一例を示す図である。
この例では、損失額に関わるリスク顕在化の多いエリアとして、バーゼル区分の下位概念であるビジネスラインおよび損失事象があわせて示され、全エリアの全損失額に対する当該ビジネスラインおよび損失事象に関わる損失額の自行の構成割合、および他行の構成割合が示される。
ここでは、自行の直接損失額の業務構成比が円グラフで示される。業務は、図7でも示した預金、融資、内国為替、外国為替、金融商品、公金事務、サービス、諸届、総務、本部業務に区分される。
共通化データ分析処理部13は、自行におけるワースト損失事象と他行における類似損失事象を特定する(ステップS27)。
ここでは、自行における最大損失事象や、他行における類似損失の発生日、発生業務、発生場所、損失種類、判明の経緯、担当者、損失額、バーゼル区分が表形式で示される。バーゼル区分は、ビジネスラインおよび損失事象に区分される。ここでは、さらに、他行における最大損失事象の各項目には、自行における最大損失事象の各項目とのマッチ項目が示される。図18に示した例では、自行における最大損失事象や、他行における類似損失の間で、発生業務、発生科目、発生場所、損失種類、担当者、バーゼル区分が一致しており、これらの項目のマッチ項目は「○」となり、その他のマッチ項目は空欄となる。
図19は、実施形態における事務品質マネジメントシステムによる、他行におけるワースト損失事象の特定結果の一例を示す図である。
ここでは、他行における最大損失事象の発生日、発生業務、発生場所、損失種類、判明の経緯、担当者、損失額、バーゼル区分が表形式で示される。
分析データ出力部14は、これらの生成された分析結果を、当該分析結果における自行に対応する銀行のクライアント装置に送信して、当該クライアント装置の表示装置などに表示させる。
発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
Claims (6)
- 各事業体間で様式の異なる、当該各事業体の事務処理の品質の低下事象を示す事象情報をそれぞれ取得する取得手段と、
前記各事業体のそれぞれの事象情報の様式と、各事業体間で共通の事象情報の様式との対応関係を示す対応情報を記憶する記憶手段と、
前記対応情報および前記取得した事象情報をもとに、当該取得した事象情報を前記共通の事象情報の様式にしたがった情報に変換して、前記共通の事象情報を生成する生成手段と、
前記取得手段により取得した、前記各事業体のうち指定した事業体に関わる事象情報および前記生成した共通の事象情報をもとに、前記指定した事業体と他の事業体の間の事務処理の品質の低下事象の特徴の比較分析を行ない、この分析結果を前記指定した事業体向けの分析結果として出力する出力手段と
を備え、
前記出力手段は、
業務ごとの事務過誤の原因構成比および発生件数を分析して、前記原因ごとの事務過誤の発生件数、ある事業体を基準とした他の事業体に対する事務過誤の増減傾向や事務過誤の他事業体比競争力を示すリスクマッピング情報を出力する
ことを特徴とする情報処理システム。 - 前記記憶手段は、
前記事業体の事象情報の単一種類の情報と前記共通の事象情報の単一種類の情報との対応関係、前記事業体の事象情報の単一種類の情報と前記共通の事象情報の複数種類の情報との対応関係、および、前記事業体の事象情報の複数種類の情報と前記共通の事象情報の単一種類の情報との対応関係を示す対応情報を記憶し、
前記生成手段は、
前記事業体の変換対象の単一種類の情報が前記共通の事象情報の単一種類の情報との対応関係にある場合に、この情報を対応先の前記共通の事象情報の単一種類の情報に変換し、
前記事業体の変換対象の単一種類の情報が前記共通の事象情報の複数種類の情報との対応関係にある場合に、この情報を対応先の前記共通の事象情報の複数種類の情報に分割して変換し、
前記事業体の変換対象の複数種類の情報が前記共通の事象情報の単一種類の情報との対応関係にある場合に、これらの情報を纏めて対応先の前記共通の事象情報の単一種類の情報に変換する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。 - 前記出力手段は、
ある事業体および他の事業体の損失額の分析を行なうことで、ある事業体の最大損失事象と他の事業体における類似損失事象とを示す情報を出力する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。 - 前記取得手段は、
前記出力手段により出力した分析結果の出力先である当該事業体からの前記事象情報を前記分析結果が前記出力先の事業体に把握された後における、前記事務処理の品質の改善に要する期間経過後の所定のタイミングで再度取得する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。 - 各事業体間で異なる様式である、事務処理の品質の低下事象を示す事象情報の様式と各事業体間で共通の事象情報の様式との対応関係を示す対応情報を記憶する記憶手段を備える情報処理システムで用いられる方法であって、
前記各事業体の前記事象情報をそれぞれ取得し、
前記対応情報および前記取得した事象情報をもとに、当該取得した事象情報を前記共通の事象情報の様式にしたがった情報に変換して、前記共通の事象情報を生成し、
前記取得した、前記各事業体のうち指定した事業体に関わる事象情報および前記生成した共通の事象情報をもとに、前記指定した事業体と他の事業体の間の事務処理の品質の低下事象の特徴の比較分析を行ない、この分析結果を前記指定した事業体向けの分析結果として出力し、
前記出力することは、
業務ごとの事務過誤の原因構成比および発生件数を分析して、前記原因ごとの事務過誤の発生件数、ある事業体を基準とした他の事業体に対する事務過誤の増減傾向や事務過誤の他事業体比競争力を示すリスクマッピング情報を出力することである
ことを特徴とする方法。 - 各事業体間で異なる様式である、事務処理の品質の低下事象を示す事象情報の様式と各事業体間で共通の事象情報の様式との対応関係を示す対応情報を記憶する記憶手段を備えるコンピュータを制御するためのプログラムであって、
前記コンピュータを、
前記各事業体の前記事象情報をそれぞれ取得する取得手段、
前記対応情報および前記取得した事象情報をもとに、当該取得した事象情報を前記共通の事象情報の様式にしたがった情報に変換して、前記共通の事象情報を生成する生成手段、および
前記取得手段により取得した、前記各事業体のうち指定した事業体に関わる事象情報および前記生成した共通の事象情報をもとに、前記指定した事業体と他の事業体の間の事務処理の品質の低下事象の特徴の比較分析を行ない、この分析結果を前記指定した事業体向けの分析結果として出力する出力手段
として機能させ、
前記出力手段に、
業務ごとの事務過誤の原因構成比および発生件数を分析して、前記原因ごとの事務過誤の発生件数、ある事業体を基準とした他の事業体に対する事務過誤の増減傾向や事務過誤の他事業体比競争力を示すリスクマッピング情報を出力させるためのプログラム。
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