JP5398254B2 - 制御棒・燃料支持金具取扱装置 - Google Patents

制御棒・燃料支持金具取扱装置 Download PDF

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Description

本発明は、沸騰水型原子炉(BWR)の定期検査時に原子炉内の制御棒と燃料支持金具を把持して取外し、引き上げて原子炉内へ移送する場合と、これらの制御棒及び燃料支持金具を原子炉内に再び取付けて装架する場合に使用される制御棒・燃料支持金具取扱装置に関する。
一般に、BWRの炉心は、第18図に示すように原子炉圧力容器1の内部に円筒状の炉心シュウラド2を設け、この炉心シュウラド2内に燃料集合体3および制御棒4を装荷して構成されている。上記燃料集合体3は上部を上部格子板5により、また下部を燃料支持金具6を介して炉心支持板7により支持され、各燃料集合体3には燃料支持金具6のオリフィス孔6Aより冷却材が流入するようになっている。
また、制御棒4は、原子炉圧力容器1の底部を貫通して設けられた制御棒駆動機構8に連結され、この制御棒駆動機構8により炉心支持板7に取り付けられた制御棒案内管9内を通り、燃料支持金具6に支持された4体の燃料集合体3の間の十字状空間部を上下方向に昇降するようになっている。
図19は、制御棒4と制御棒駆動機構8との従来の連結構造を示すものであり、符号10は、制御棒4の下端に設けられたスパッド式カップリングである。このカップリング10の内側にロックプラグ12がばね12Aにより付勢された状態で配置されている。これらのカップリング10とロックプラグ12との間に制御棒駆動機構8のカップリングスパッド11が挿入されることによって、制御棒4と制御棒駆動機構8とが連結される。また、制御棒駆動機構8のアンカップルロッド13がロックプラグ12をばね12Aの付勢力に抗して押し上げることにより、制御棒4と制御棒駆動機構8との連結が解除される。
ところで、BWRの定期検査時に制御棒4を原子炉圧力容器1内から引上げる場合には、燃料集合体3を炉心内から引抜いた後、制御棒4と制御棒駆動機構8との連結を解除して、制御棒4を原子炉圧力容器1内から引上げるようにしている。しかしながら、従来のBWRは上述した如くロックプラグ12を上方向へ押し上げて制御棒4と制御棒駆動機構8との連結を解除するため、ロックプラグ12とカップリングスパッド11との間にクラッド等の異物が噛み込んでいると、ロックプラグ12を押し上げることが困難となり、制御棒4と制御棒駆動機構8との連結を解除できなくなる恐れがあった。
そこで、上記不具合を解消するために、制御棒駆動機構8との連結手段にバイオネットカップリングを用いた制御棒4が提案されている。図20(A)〜(C)は、バイオネットカップリングを用いた制御棒4と制御棒駆動機構8との連結構造を示すもので、符号14は制御棒4の下端に設けられたバイオネットカップリングである。このバイオネットカップリング14は、制御棒駆動機構8のカップリングスパット11が挿入される穴15の内面に、係合凸部16を周方向にほぼ90度間隔で配設して構成されている。バイオネットカップリング14を図20(B)の状態にすることで、バイオネットカップリング14の係合凸部16とカップリングスパット11とが係合されて、制御棒4と制御棒駆動機構8とが連結される。また、バイオネットカップリング14を図20(B)の状態から(C)の状態へ周方向にほぼ45度回転させることにより、係合凸部16とカップリングスパット11との係合が外れて、制御棒4と制御棒駆動機構8との連結が解除されるようになっている。
このようなバイオネットカップリング14を用いた制御棒4では、従来のスパッド式カップリング10(図19参照)のように、ロックプラグ12とカップリングスパッド11との間にクラッド等の異物の噛込みが無いので、制御棒4と制御棒駆動機構8との連結を確実に解除することができる。
しかし、制御棒駆動機構8との連結を解除するためにはバイオネットカップリング14、つまり、制御棒4を軸心周りにほぼ45°回転させなければならないが、制御棒4は、図18に示すように、炉心支持板7の固定ピン(不図示)により固定された燃料支持金具6の十字状挿通孔(不図示)内に挿入されているので、回転させることができず、無理に回転させると制御棒4と燃料支持金具6とを破損させる恐れがある。
また、燃料支持金具6を炉心支持板7の上記固定ピンから外してフリー(回転自在)にした後、制御棒4と燃料支持金具6とを同時に回転させると、燃料支持金具6の上部が角柱状であるので、隣接する燃料集合体3に衝突してしまい、燃料集合体3を損傷させる恐れがある。
そこで、特許文献1には、燃料支持金具つかみ部と制御棒つかみ部とを備え、制御棒4と燃料支持金具6とを原子炉圧力容器1内から取り外して同時に吊り出すことができる制御棒・燃料支持金具つかみ具が提案されている。
特開平7−110394号公報
ところが、特許文献1に記載の制御棒・燃料支持金具つかみ具では、制御棒4と制御棒駆動機構8とのバイオネットカップリングを介しての連結及び連結解除は、人間系の判断で行われる作業であるため、人為的な操作ミスや確認ミスが発生することがある。このため、これらのミスを発見し修正するための後戻り作業が必要になり、その分、作業時間が追加されてクリティカル工程に影響を与えてしまう。
本発明の目的は、上述の事情を考慮してなされたものであり、制御棒と制御棒駆動機構とのバイオネットカップリングを介しての連結及び連結解除を、人為的な操作ミス及び確認ミスなく確実に実施できる制御棒・燃料支持金具取扱装置を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、制御棒と燃料支持金具とを同時に取外しまたは取付けして、制御棒の交換作業時間を大幅に短縮できる制御棒・燃料支持金具取扱装置を提供することにある。
本発明は、原子炉圧力容器内で燃料集合体間に配置され、下端部がバイオネットカップリングにより制御棒駆動機構に着脱可能に連結された制御棒と、前記原子炉圧力容器内の上部格子板の下方に位置する炉心支持板に設置され、前記燃料集合体の下端部を支持すると共に前記制御棒を挿通する十字状挿通孔が形成された燃料支持金具と、をそれぞれ取外し、取付ける制御棒・燃料支持金具取扱装置において、懸吊ワイヤにより巻上げ及び巻下げ可能に支持され、金具つかみ部材により燃料支持金具を把持して、この燃料支持金具を取外し及び取付け可能とする燃料支持金具つかみ具と、この燃料支持金具つかみ具内に収容されると共に、昇降及び回転可能な昇降・回転部を備え、この昇降・回転部の下部に設けられた制御棒つかみ部材により前記燃料支持金具の前記十字状挿通孔を通して制御棒を把持して、この制御棒と前記制御棒駆動機構との連結解除及び連結を行い、前記制御棒を取外し及び取付け可能とする制御棒つかみ具と、前記燃料支持金具つかみ具のつかみ具フレームの下端が前記炉心支持板に着座したことを検出する燃料支持金具側着座検出器からの信号、前記燃料支持金具つかみ具の前記金具つかみ部材が前記燃料支持金具を把持したことを検出する燃料支持金具側つかみ検出器からの信号、及び前記制御棒つかみ具の前記昇降・回転部に設けられて前記制御棒つかみ部材に作用する荷重を計測する荷重計測器からの信号を用いて、前記燃料支持金具つかみ具及び前記制御棒つかみ具の動作を操作指令する操作手段と、この操作手段からの指令により、前記燃料支持金具つかみ具を制御し、前記制御棒つかみ具を自動制御する制御盤と、を有することを特徴とするものである。
本発明によれば、制御棒と制御棒駆動機構との連結及び連結解除を行なう制御棒つかみ具が制御盤により自動制御されるので、制御棒と制御棒駆動機構とのバイオネットカップリングを介しての連結及び連結解除を、人為的な操作ミス及び確認ミスなく確実に実施できる。
また、懸吊ワイヤに支持されて、燃料支持金具を取外し及び取付け可能とする燃料支持金具つかみ具内に、制御棒を取外し及び取付け可能とする制御棒つかみ具が収容されたので、制御棒と燃料支持金具とを同時に取外しまたは取付けして、制御棒の交換作業時間を大幅に短縮できる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面に基づき説明する。但し、本発明は、これらの実施の形態に限定されるものではない。
図1は、本発明に係る制御棒・燃料支持金具取扱装置の一実施形態を示す構成図である。図2は、図1の燃料支持金具つかみ具と制御棒つかみ具とが組み付けられたつかみ具組付体における着座状態を示す側面図である。図4は、図1の制御棒つかみ具を示す側面図である。本実施形態において、背景技術と同様な部分については、同一の符号を付すことにより説明を簡略化し、または省略する。
図1に示す制御棒・燃料支持金具取扱装置20は、BWRの定期検査における制御棒交換作業時に、制御棒4及び燃料支持金具6を同時に取外し、または取付けるために使用されるものであり、燃料支持金具つかみ具21と制御棒つかみ具22とが組み付けられたつかみ具組付体23と、操作手段としての操作ペンダント24と、つかみ具組付体23及び操作ペンダント24に電気的に接続された制御盤25とを有して構成される。ここで、制御棒4は、図20に示すバイオネットカップリング14を用いて制御棒駆動機構8に連結されている。
燃料支持金具つかみ具21は、図2及び図3に示すように、燃料支持金具6を取外し及び取付け可能とするものであり、複数本(例えば2本)のパイプ状フレーム26の下端にボックス状フレーム27が固着されたつかみ具フレーム28を備えて構成される。
パイプ状フレーム26の上端に、懸吊ワイヤ29を接続するワイヤ接続部30が設けられ、燃料支持金具つかみ具21は、この懸吊ワイヤ29により巻上げ及び巻下げ可能に支持される。また、ボックス状フレーム27の下端に金具つかみ部材31が、開閉シリンダ32によって開閉可能に枢支される。この金具つかみ部材31は、開操作時に燃料支持金具6を把持する。
複数本のパイプ状フレーム26間には、制御棒つかみ具22が上下方向に移動可能に収容される。このパイプ状フレーム26の下端に係止部33が設けられ、この係止部33に制御棒つかみ具22の当接部34が当接することで(図3参照)、制御棒つかみ具22が燃料支持金具つかみ具21により支持される。
制御棒つかみ具22は、図18及び図20に示す制御棒4と制御棒駆動機構8との連結を解除して制御棒4を取外し可能とし、且つ制御棒4と制御棒駆動機構8とを連結して制御棒4を取付け可能とするものであり、図4及び図5に示すように、つかみ具本体35、制御棒つかみ部材37、昇降・回転部36、昇降シリンダ38、回転機構部39、押上・押下シリンダ40及び荷重計測器41を有して構成される。
つかみ具本体35は、複数本(例えば2本)のパイプ部材42が複数本のブリッジ部材43により結合されて構成され、このつかみ具本体35が、燃料支持金具つかみ具21におけるつかみ具フレーム28のパイプ状フレーム26内に上下方向に移動可能に収容される。このつかみ具本体35の下端のブリッジ部材43が前記当接部34として機能する。
昇降・回転部36は、下端に制御棒つかみ部材37を備えると共に、上端が、つかみ具本体35に設置された昇降シリンダ38によりスライド機構部44を介して支持される。スライド機構部44は、昇降シリンダ38のピストンロッド45に、このピストンロッド45の軸方向にスライド自在に配設されると共に、昇降・回転部36の上端部を、この昇降・回転部36の軸回りに回転自在に支持する。ピストンロッド45が進出する昇降シリンダ38の伸び動作により昇降・回転部36が下降し、ピストンロッド45が退避する昇降シリンダ38の縮み動作により昇降・回転部36が上昇する。
また、昇降・回転部36の上端部にはセクタギア46が固定され、このセクタギア46が回転機構部39により駆動される。つまり、回転機構部39は、つかみ具本体35に固定されたモータ47と、このモータ47の駆動シャフトに取り付けられてセクタギア46に噛み合う駆動ギア48とを有してなる。モータ47の駆動により、駆動ギア48及びセクタギア46を介して昇降・回転部36が、軸回りに所定角度回転する。
制御棒つかみ部材37は、図5に示すようにフック形状に形成され、昇降・回転部36の下端に枢支されて、開閉シリンダ49により開閉可能に構成される。制御棒つかみ部材37は、閉操作時に、制御棒4のハンドル部を係止してこの制御棒4を把持し(図5の実線表示)、開操作時に、制御棒4のハンドル部の把持を解除する(図5の2点鎖線表示)。
荷重計測器41は、昇降・回転部36に内蔵された例えばロードセルであり、制御棒つかみ部材37に作用する荷重を計測する。即ち、荷重計測器41は、制御棒つかみ部材37に作用している荷重が制御棒4のみの荷重であるか、図7(A)に示す制御棒駆動機構8の中空ピストン17がバイオネットカップリング14によって制御棒4に連結されて、制御棒つかみ部材37に作用する荷重が制御棒4及び中空ピストン17の総和荷重になっているかを計測する。尚、図7、図8、図13〜図15において、符号18は制御棒駆動機構8のボールナットを、符号19は制御棒駆動機構8のボールねじをそれぞれ示す。
押上・押下シリンダ40は、図4に示すように、つかみ具本体35の上端に設置される。この押上・押下シリンダ40のピストンロッド50の先端は、上部格子板5に係止可能な係止プレート51に固定される。押上・押下シリンダ40は、ピストンロッド50が進出した伸び動作状態では、つかみ具本体35を上部格子板5に対して押下位置に保持し、ピストンロッド50が退避する縮み動作状態で、つかみ具本体35を上部格子板5に対して押上位置に保持する。
図2及び図4に示すように、上述の燃料支持金具つかみ具21及び制御棒つかみ具22には、金具つかみ部材31や制御棒つかみ部材37などの各部材の動作状態や動作位置を検出するためのリミットスイッチなどの検出器が設けられている。
つまり、燃料支持金具つかみ具21は、図2に示すように、燃料支持金具側着座検出器としてのFS着座LS52と、燃料支持金具側つかみ検出器としてのFSつかみLS53とを有する。ここで、LSはリミットスイッチの略称である。また、FSは燃料支持金具の略称であり、後述のCRは制御棒の略称である。
FS着座LS52は、制御棒支持金具つかみ具21におけるつかみ具フレーム28の下端に設置され、炉心支持板7に植設されたピン(不図示)に接触することでON作動し、つかみ具フレーム28の下端が炉心支持板7に着座したことを検出する。また、FSつかみLS53は、つかみ具フレーム28の下端または開閉シリンダ32に設置されて、金具つかみ部材31の開操作時にON作動し、金具つかみ部材31が燃料支持金具6を把持したことを検出する。FS着座LS52がON作動したときに操作ペンダント24(図6)のFS着座ランプ54が点灯し、また、FSつかみLS53がON作動したときに操作ペンダント24のFSつかみランプ55が点灯する。
図2及び図3に示すように、制御棒つかみ具22のつかみ具本体35における当接部34、または燃料支持金具つかみ具21のつかみ具フレーム28における係止部33(本実施の形態では当接部34)に、当接部34が係止部33に当接したときにON作動する、上限位置検出器としてのFS上限LS56が設置される。このFS上限LS56のON作動により、制御棒つかみ具22のつかみ具本体35が燃料支持金具つかみ具21のつかみ具フレーム28により支持されたこと、及び燃料支持金具つかみ具21のつかみ具フレーム28が制御棒つかみ具22のつかみ具本体35に対して上限位置に到達したことが検出される。このFS上限LS56のON作動時に、操作ペンダント24(図6)のFS上限ランプ57が点灯する。 図4及び図5に示すように、制御棒つかみ具22は、昇降位置検出器としてのCR上昇LS58及びCR下降LS59、回転位置検出器としてのCR左極限LS60、CR右極限LS63、CR中間第1LS61及びCR中間第2LS62、押上・押下位置検出器としてのCR押上LS64及びCR押下LS65、制御棒側着座検出器としてのCR着座LS66及び制御棒側つかみ検出器としてのCRつかみLS67を有して構成される。
昇降位置検出器は、昇降シリンダ38による昇降・回転部36の昇降位置を検出するものであり、このうち上昇位置検出器としての前記CR上昇LS58が昇降・回転部36の上昇位置(実際には昇降シリンダ38のピストンロッド45の退避位置)を検出し、下降位置検出器としての前記CR下降LS59が昇降・回転部36の下降位置(実際には昇降シリンダ38のピストンロッド45の進出位置)を検出する。CR上昇LS58が昇降・回転部36の上昇位置(つまり、昇降シリンダ38のピストンロッド45の退避位置)でON作動したときに、操作ペンダント24(図6)のCR上昇ランプ68が点灯する。また、CR下降LS59が昇降・回転部36の下降位置(つまり、昇降シリンダ38のピストンロッド45の進出位置)でON作動したときに、操作ペンダント24のCR下降ランプ69が点灯する。
回転位置検出器は、回転機構部39による昇降・回転部36の回転位置を検出するものであり、左極限位置検出器としての前記CR左極限LS60が、昇降・回転部36の左回転極限位置を検出し、また、右極限位置検出器としての前記CR右極限LS63が、昇降・回転部36の右回転極限位置を検出する。更に、中間第1位置検出器としての前記CR中間第1LS61は、昇降・回転部36が、左回転極限位置から右回転極限位置へ向かう中間第1位置(例えば左回転極限位置から約40°の回転位置)に到達したことを検出する。また、中間第2位置検出器としての前記CR中間第2LS62は、昇降・回転部36が、左回転極限位置から右回転極限位置へ向かう中間第2位置(例えば左回転極限位置から約50°の回転位置)に到達したことを検出する。
CR左極限LS60は、昇降・回転部36が左回転極限位置に到達したときにON作動して、このとき操作ペンダント24(図6)の左極限ランプ70が点灯する。また、CR右極限LS63は、昇降・回転部36が右回転極限位置に到達したときにON作動して、このとき操作ペンダント24の右極限ランプ73が点灯する。更に、CR中間第1LS61は、昇降・回転部36が中間第1位置に到達したときにON作動して、このとき操作ペンダント24の中間第1ランプ71が点灯する。また、CR中間第2LS62は、昇降・回転部36が中間第2位置に到達したときにON作動して、このとき操作ペンダント24の中間第2ランプ72が点灯する。
押し上げ・押上位置検出器は、押上・押下シリンダ40によるつかみ具本体35の押上・押下位置を検出するものであり、このうち、押上位置検出器としての前記CR押上LS64がつかみ具本体35の押上位置を検出し、押下位置検出器としての前記CR押下LS65がつかみ具本体35の押下位置を検出する。CR押上LS64がつかみ具本体35の押上位置でON作動したときに、操作ペンダント24(図6)のCR押上ランプ74が点灯する。また、CR押下LS65がつかみ具本体35の押下位置でON作動したときに、操作ペンダント24(図6)のCR押下ランプ75が点灯する。
図5に示すように、前記CR着座LS66は、昇降・回転部36の下端に設置され、この昇降・回転部36の下端が制御棒4のハンドル部に着座したときにON作動して、この着座を検出する。また、前記CRつかみLS67は、昇降・回転部36の下端または開閉シリンダ49に設置されて、制御棒つかみ部材37の閉操作時にON作動し、この制御棒つかみ部材37が制御棒4のハンドル部を係止して把持したことを検出する。CR着座LS66がON作動したときに操作ペンダント24(図6)のCR着座ランプ76が点灯し、CRつかみLS67がON作動したときに、操作ペンダント24のCRつかみランプ77が点灯する。
図6に示すように、操作ペンダント24は、作業者が燃料支持金具つかみ具21及び制御棒つかみ具22の動作を操作するものであり、電源スイッチ部78、モード選択部79、座標入力部80、マニュアル操作部81、自動運転操作部82、表示部83及び計測荷重表示部101を有する。
モード選択部79は、作業者が制御棒4及び燃料支持金具6の取付け操作モードまたは取外し操作モードのいずれかを選択するスイッチを備える。また、座標入力部80は、作業者が操作対象の制御棒4の位置(目標位置)を入力する箇所である。この目標位置は、懸吊ワイヤ29を具備するホイストなどの懸吊装置を備えた燃料交換機により検出された、前記ホイストの現在位置と照合される。
マニュアル操作部81は、作業者が燃料支持金具つかみ具21及び制御棒つかみ具22をマニュアル操作するために使用されるものであり、FSつかみスイッチ84、FSはなしスイッチ85、CRつかみスイッチ86、CRはなしスイッチ87、CR上昇スイッチ88、CR下降スイッチ89、CR押上スイッチ90、CR押下スイッチ91、左回転スイッチ92及び右回転スイッチ93を有する。
FSつかみスイッチ84は、燃料支持金具つかみ具21の金具つかみ部材31を手動で開操作して燃料支持金具6を把持する操作スイッチであり、FSはなしスイッチ85は、この金具つかみ部材31を手動で閉操作して燃料支持金具6の把持を解除操作するスイッチである。CRつかみスイッチ86は、制御棒つかみ具22の制御棒つかみ部材37を手動で閉操作して制御棒4を把持する操作スイッチであり、CRはなしスイッチ87は、この制御棒つかみ部材37を手動で開操作して制御棒4の把持を解除操作するスイッチである。
CR上昇スイッチ88は、制御棒つかみ具22の昇降シリンダ38を手動で縮み動作させて、昇降・回転部36を上昇させる操作スイッチであり、CR下降スイッチ89は、この昇降シリンダ38を手動で伸び動作させて、昇降・回転部36を下降させる操作スイッチである。CR押上スイッチ90は、制御棒つかみ具22の押上・押下シリンダ40を手動で縮み動作させて、つかみ具本体35を押し上げる操作スイッチであり、CR押下スイッチ91は、この押上・押下シリンダ40を手動で伸び動作させて、つかみ具本体35を押し下げる操作スイッチである。左回転スイッチ92は、制御棒つかみ具22の回転機構部39を手動操作して、昇降・回転部36を左方向に回転させる操作スイッチであり、右回転スイッチ93は、この回転機構部39を手動操作して、昇降・回転部36を右方向に回転させる操作スイッチである。
自動運転操作部82は、作業者が制御棒つかみ具22を自動運転させるために使用されるものであり、カップリング操作スイッチ94、アンカップリング操作スイッチ95及びカップリング確認操作スイッチ96を有する。カップリング操作スイッチ94は、制御棒つかみ具22により制御棒4と制御棒駆動機構8とを自動で連結させるための操作スイッチであり、カップリング確認操作スイッチ96は、制御棒つかみ具22により制御棒4と制御棒駆動機構8との連結を自動で確認させるための操作スイッチである。アンカップリング操作スイッチ95は、制御棒つかみ具22により制御棒4と制御棒駆動機構8との連結を解除をさせるための操作スイッチである。
表示部83は、燃料支持金具つかみ具21及び制御棒つかみ具22の各種動作の完了などを表示するものであり、カップリング正常ランプ97、カップリング異常ランプ98、アンカップリング正常ランプ99及びアンカップリング異常ランプ100の他、前述のCR上昇ランプ68、CR下降ランプ69、CR押上ランプ74、CR押下ランプ75、CRつかみ具ランプ77、CR着座ランプ76、FSつかみランプ55、FS着座ランプ54、FS上限ランプ57、左極限ランプ70、右極限ランプ73、中間第1ランプ71及び中間第2ランプ72を有する。
カップリング正常ランプ97は、制御棒つかみ具22の自動運転による制御棒4と制御棒駆動機構8との連結が正常に完了した場合に点灯し、カップリング異常ランプ98は、この連結が正常に完了しなかった場合に点灯する。また、アンカップリング正常ランプ99は、制御棒つかみ具22の自動運転による制御棒4と制御棒駆動機構8との連結解除が正常に完了した場合に点灯し、アンカップリング異常ランプ100は、この連結解除が正常に完了しなかった場合に点灯する。また、計測荷重表示部101は、制御棒つかみ具22の荷重計測器41により計測された荷重を表示する。
図1に示す制御盤25は、操作ペンダント24の各種操作スイッチが操作されて出力される、操作ペンダント24からの操作指令により、燃料支持金具つかみ具22及び制御棒つかみ具22を制御し、且つ制御棒つかみ具22を自動制御する。更に、制御棒つかみ具22の自動制御では、制御盤25は、CR上昇LS58、CR下降LS59、CR左極限LS60、CR中間第1LS61、CR中間第2LS62、CR右極限LS63、CR押上LS64、CR押下LS65、CR着座LS66及びCRつかみLS67からの検出データに基づいて、制御棒つかみ具22の自動制御を実行する。
この制御棒つかみ具22による自動制御を含めた燃料支持金具つかみ具21及び制御棒つかみ具22による制御棒4及び燃料支持金具6の取外し操作、取付け操作の各操作手順を、図7〜図17を用いて以下に説明する。
[A]制御棒4及び燃料支持金具6の取外し操作手順(図7〜図12)
制御棒4及び燃料支持金具6の取外し操作手順では、まず、図7(A)に示すように、燃料支持金具つかみ具21及び制御棒つかみ具22のつかみ具組付体23を、原子炉圧力容器1内の取外し操作対象制御棒4の位置まで作業者が移動させる(図10のS1)。この移動は、燃料交換機により検出されるつかみ具組付体23の現在位置を、操作ペンダント24の座標入力部80に入力された目標位置に一致させることで実施される。
このときには、制御棒つかみ具22のFS上限LS56がON作動して操作ペンダント24のFS上限ランプ57が点灯している。また、制御棒つかみ具22の昇降シリンダ38は伸び動作状態にあり、CR下降LS59がON作動して操作ペンダント24のCR下降ランプ69が点灯している。更に、制御棒つかみ具22の制御棒つかみ部材37は開操作状態になってCRつかみLS67がOFF作動し、また、燃料支持金具つかみ具21の金具つかみ部材31は閉操作状態にあってFSつかみLS53がOFF作動している。また、制御棒4は、バイオネットカップリング14により制御棒駆動機構8の中空ピストン17に連結されている。
次に、図7(B)に示すように、作業者はホイストを操作して、懸吊ワイヤ29によりつかみ具組付体23を巻下げ操作し、まず制御棒つかみ具22の昇降・回転部36の下端を制御棒4のハンドル部に着座させ、次に制御棒つかみ具22の係止プレート51を上部格子板5に係止させる(S2、S3、S4)。昇降・回転部36が制御棒4のハンドル部に着座することで、CR着座LS66がON作動し操作ペンダント24のCR着座ランプ76が点灯する。また、制御棒つかみ具22は、係止プレート51を介して上部格子板5に支持される。
次に、図7(C)に示すように、作業者はホイストを操作して燃料支持金具つかみ具21のみを巻下げ操作し、燃料支持金具21のつかみ具フレーム28の下端を炉心支持板7に着座させる(S5)。このとき、FS着座LS52がON作動して操作ペンダント24のFS着座ランプ54が点灯するので、その後作業者は、燃料支持金具つかみ具21の金具つかみ部材31を開操作させて、この金具つかみ部材31により燃料支持金具6を把持させる(S6)。このとき、燃料支持金具つかみ具21のFSつかみLS53がON作動して、操作ペンダント24のFSつかみランプ55が点灯する。また、燃料支持金具つかみ具21のみが巻上げられたことで、制御棒つかみ具22のFS上限LS56がOFF作動して、操作ペンダント24のFS上限ランプ57が消灯する。
次に、図7(D)に示すように、作業者は、ホイストを操作して燃料支持金具つかみ具21のみを巻上げ操作し、この燃料支持金具つかみ具21を上限位置に到達させて、金具つかみ部材31により把持された燃料支持金具6を制御棒4の上方位置まで上昇させる(S7、S8)。燃料支持金具つかみ具21が巻上げられた段階で、この燃料支持金具つかみ具21のつかみ具フレーム28下端が炉心支持板7から離れるので、FS着座LS52がOFF作動して操作ペンダント24のFS着座ランプ54が消灯する。また、燃料支持金具21が上限位置に到達したことで、制御棒つかみ具22のFS上限LS56がON作動して操作ペンダント24のFS上限ランプ57が点灯する。
次に、作業者は操作ペンダント24のアンカップリング操作スイッチ95を操作して、制御棒4と制御棒駆動機構8との連結を解除するアンカップリング自動運転を開始する(S9)。このとき、制御盤25は、開始条件(つまり、つかみ具組付体23が目標位置に到達していること、FS上限LS56、FSつかみLS53及びCR着座LS66がON作動していること)を確認し(S10)、開始条件が満たされている場合には制御棒4と制御棒駆動機構8とのアンカップリング操作を許可し(S11)、満たされていない場合には、操作ペンダント24のアンカップリング異常ランプ100を点灯させて、自動制御の動作を一時停止させる(S12)。
ステップS11の後、図7(E)に示すように、制御盤25は、制御棒つかみ具22の制御棒つかみ部材37を閉操作させて、この制御棒つかみ部材37により制御棒4のハンドル部を把持させる(S13)。これにより、CRつかみLS67がON作動して操作ペンダント24のCRつかみランプ77が点灯する(S14)。CRつかみLS67がON作動しない場合には、CRつかみランプ77が点灯しないことで、制御棒つかみ部材37による制御棒4の把持がなされていない旨が告知される(S15)。
次に、制御盤25は、CRつかみLS67がON作動した場合に、図8(F)に示すように、昇降シリンダ38を縮み動作させて昇降・回転部36を上昇させる(S16)。これにより、昇降・回転部36と共に制御棒4が上昇し、制御棒駆動機構8の中空ピストン17も上昇する。中空ピストン17の上昇により、この中空ピストン17は制御棒駆動機構8のボールナット18との間に隙間Tを形成する。次に制御盤25は、昇降シリンダ38の縮み動作により、CR上昇LS58がON作動しているか否かを判断する(S17)。ON作動していない場合には、操作ペンダント24のCR上昇ランプ68が点灯されないことで、昇降シリンダ38による昇降・回転部36の上昇異常が告知される(S18)。
ステップS17でCR上昇LS58がON作動している場合に、制御盤25は、制御棒つかみ具22の荷重計測器41により、制御棒4と制御棒駆動機構8の中空ピストン17との総和荷重を検出し、この荷重を記憶して操作履歴として保存する(S19)。尚、昇降シリンダ38により昇降・回転部36が上昇し、制御棒4が制御棒つかみ部材37に係止された段階で、制御棒4のハンドル部が昇降・回転部36の下端から離れるのでCR着座LS66がOFF作動し、操作ペンダント24のCR着座ランプ76が消灯する。
次に、制御盤25は、図8(G)に示すように、回転機構部39を作動させて昇降・回転部36を軸回りに右方向に回転させる(S20)。この回転中に、図20に示す制御棒4のバイオネットカップリング14における係合凸部16と制御棒駆動機構8の中空ピストン17におけるカップリングスパッド11との係合が外れる位置(図20(C))に至ると、制御棒駆動機構8の中空ピストン17が落下して、荷重計測器41の荷重計測値が中空ピストン17の荷重分だけ減少する。落下した中空ピストン17はボールナット17に載置される。
そこで、制御盤25は、昇降・回転部36がCR中間第1LS61をON作動(中間第1ランプ71点灯)させるまで回転し(S21)、CR中間第2LS62をON作動させる前に荷重計測器41が計測値の減少を検出したか否かを判断する(S22、S23)。制御盤25は、荷重計測器41の計測値が減少したときに、回転機構部39による昇降・回転部36の回転を一旦停止させる(S24)。
尚、CR中間第1LS61がON作動する中間第1位置は、制御棒4のバイオネットカップリング14の係合凸部16と制御棒駆動機構8の中空ピストン17のカップリングスパッド11との係合が外れると想定される最小の角度位置である。また、CR中間第2LS62がON作動する中間第2位置は、上述の係合凸部16とカップリングスパッド11との係合が外れると想定される最大の角度位置である。
ステップS22及びS23において、荷重計測器41による計測値の減少が検知されることなく、昇降・回転部36が中間第2位置に至ってCR中間第2LS62がON作動(中間第2ランプ72が点灯)したときには、制御盤25は、昇降・回転部36の回転を停止させる(S25)。次に、制御盤25は、昇降シリンダ38により昇降・回転部36を下降させた後(S26)、回転機構部39により昇降・回転部36を逆方向に回転させる(S27)。そして、CR中間第1LS61がOFF作動(中間第1ランプ71が消灯)した後(S28)、昇降・回転部36が左回転極限位置に至ったときに(S29)、制御盤25は、昇降・回転部36の逆回転を停止させる(S30)。ステップS30以降の動作は、中空ピストン17の落下未達処理動作として作業者が手動で実行する(S31)。
制御盤25は、昇降・回転部36の右回転を一旦停止した後(S24)、図8(H)に示すように、制御棒つかみ具22の押上・押下シリンダ40を縮み動作させてつかみ具本体35を押し上げる(S32)。この押し上げ操作により、CR押上LS64がON作動し、CR押上ランプ74が点灯すると共に、制御棒4と制御棒駆動機構8の中空ピストン17とが完全に離脱する。制御盤25は、ステップS32の後、CR押上LS64がON作動したか否かを判断する(S33)。CR押上LS64がON作動していない場合には、CR押上ランプ74が点灯しないことで、押上・押下シリンダ40によるつかみ具本体35の押上異常が告知される(S34)。
制御盤25は、CR押上LS64がON作動しているときに、荷重計測器41による計測値が制御棒4のみの値であることを検知する(S35)。荷重計測器41の計測値が制御棒4のみの値でないときには、例えば操作ペンダント24のアンカップリング異常ランプ100が点灯して、荷重計測器41の計測値の異常、つまり制御棒駆動機構8の中空ピストン17が制御棒4から離脱していないことが告知される(S36)。
次に、図8(I)に示すように、制御盤25は、制御棒つかみ部材37により昇降・回転部36を、右回転極限位置まで更に右方向に回転させ(S37)、回転中または回転停止後に、押上・押下シリンダ40を伸び動作させてつかみ具本体35を押し下げる。昇降・回転部36が右回転極限位置に至ったときにCR右極限LS63がON作動(右極限ランプ73が点灯)し、つかみ具本体35が押下位置に至ったときにCR押下LS65がON作動(CR押上ランプ75が点灯)する。
制御盤25は、昇降・回転部36の回転完了後、または昇降・回転部36の押下完了後に、荷重計測器41による荷重の計測値が制御棒4のみの値であるか否かを再度検知する(S38)。制御盤25は、荷重が制御棒4のみの値であるときに操作ペンダント24のアンカップリング正常ランプ99を点灯して、制御棒4と制御棒駆動機構8とのアンカップリング(連結解除)が正常に行われたことを告知し(S39)、荷重が制御棒4のみの値でないときに、例えば操作ペンダント24のアンカップリング異常ランプ100を点灯させて、荷重の異常を告知する(S40)。以上のステップS10〜S39の操作によって、制御棒4と制御棒駆動機構8との連結を解除するアンカップリング自動運転が完了する。
次に、作業者は、図8(J)に示すように、ホイストを操作してつかみ具組付体23を巻上げ(S41)、図9(K)に示すように、このつかみ具組付体23の制御棒つかみ具22により把持された制御棒を、ゲートを通過させて燃料プールまで移動させる。
作業者は、その後、図9(L)に示すように、ホイストを操作してつかみ具組付体23を巻下げ、制御棒4が燃料プールの床に到達する前に昇降シリンダ38を伸び動作させて昇降・回転部36を下降させる。この昇降・回転部36の下降により、CR下降LS59がON作動してCR下降ランプ69が点灯する。
図9(M)に示すように、制御棒4が燃料プールの床に着座したとき、制御棒4のハンドル部が制御棒つかみ具22の昇降・回転部36の下端に着座して、CR着座LS66がON作動(CR着座ランプ76が点灯)する。作業者は、CR着座ランプ76の点灯後、つかみ具組付体23の巻下げを停止し、制御棒つかみ部材37を開操作して、この制御棒つかみ部材37による制御棒4の把持を解除する。そして作業者は、CRつかみLS67のOFF動作によるCRつかみランプ77の消灯を確認した後、ホイストを操作してつかみ具組付体23を巻上げ、制御棒4及び燃料支持金具6の取外し操作を完了する。
[B]制御棒4及び燃料支持金具6の取付け操作手順(図13〜図17)
制御棒4及び燃料支持金具6の取付け操作手順では、まず、図13(A)に示すように、作業者は、未使用状態の制御棒4が収納された制御棒ラック102から制御棒4を取り出すべく、ホイストを操作してつかみ具組付体23を巻下げる。
この状態のつかみ具組付体23の燃料支持金具つかみ具21には、金具つかみ部材31によって燃料支持金具6が把持されており、従ってFSつかみLS53がON作動して、FSつかみランプ55が点灯している。また、この状態のつかみ具組付体23の制御棒つかみ具22では、制御棒つかみ部材37は開操作されている。更に、制御棒つかみ具22の当接部34が燃料支持金具つかみ具21の係止部33に当接して燃料支持金具つかみ具21が上限位置にあり、FS上限LS56がON作動してFS上限ランプ57が点灯している。
次に、図13(B)に示すように、作業者は、制御棒つかみ具22の回転・昇降部36の下端が制御棒4のハンドル部に着座する前に、この制御棒つかみ具22の昇降シリンダ38を伸び動作させて昇降・回転部36を下降させた状態とし、つかみ具組付体23を引き続き巻下げる。制御棒つかみ具22の昇降・回転部36の下端が制御棒4のハンドル部に着座してCR着座LS66がON作動し、CR着座ランプ76が点灯した時点で、作業者はホイストを操作して、つかみ具組付体23の巻下げを停止する。
その後、図13(C)に示すように、作業者は制御棒つかみ具22の制御棒つかみ部材37を閉操作して、この制御棒つかみ部材37により制御棒4のハンドル部を把持させる。このとき、CRつかみLS67がON作動してCRつかみランプ77が点灯する。
次に、図13(D)に示すように、作業者は、制御棒つかみ具22の昇降シリンダ38を縮み動作させて制御棒つかみ部材37にて制御棒4の荷重を支持させ、荷重計測器41により、この未使用状態の制御棒4の荷重を計測させる。このときには、昇降シリンダ38により昇降・回転部36が上昇位置にあって、CR上昇LS58がON作動しCR上昇ランプ68が点灯する。また、制御棒4のハンドル部が昇降・回転部36の下端から離れるので、CR着座LS66がOFF作動し、CR着座ランプ76が消灯する。
次に作業者は、図13(E)に示すように、ホイストを操作してつかみ具組付体23を巻上げ、制御棒4を懸吊したつかみ具組付体23を、ゲートを通過させて炉心(原子炉圧力容器1内)へ移動させる。そして、作業者は、図13(F)に示すように、制御棒4を懸吊したつかみ具組付体23を目標位置に位置づけた後(S51)、このつかみ具組付体23をホイストを操作して下降させる(S52)。
次に作業者は、図14(G)に示すように、制御棒つかみ具22の係止プレート51が上部格子板5を係止して、制御棒つかみ具22が上部格子板5に支持されたときに、ホイストを操作してつかみ具組付体23の巻下げを停止する(S53)。
この図14(G)の状態で、作業者は操作ペンダント24のカップリング操作スイッチ94を操作する。これにより、制御盤25は、制御棒4と制御棒駆動機構8とを連結するカップリング自動運転を開始する(S54)。このとき、制御盤25は、開始条件(つまり、つかみ具組付体23が目標位置に到達していること、FS上限LS56、FSつかみLS53及びCRつかみLS67がON作動していること)を確認する(S55)。この開始条件が満たされていない場合には、操作ペンダント24のカップリング異常ランプ98が点灯して、自動運転の動作を一時停止させる(S56)。
制御盤25は、ステップS55にて開始条件が満たされている場合に、カップリング操作を許可し(S57)、制御棒つかみ具22の荷重計測器41にて計測された制御棒4のみの荷重を検知して記憶し、履歴として保存する(S58)。
次に制御盤25は、図14(H)に示すように、昇降シリンダ38の作動流体(例えばエア)を放出して昇降シリンダ38を解放状態とし、昇降・回転部36及び制御棒4を自重で下降させる(S59)。すると、制御棒4の下端が制御棒駆動機構8の中空ピストン17の上端に接触し、制御棒4のハンドル部が昇降・回転部36の下端に着座する。これにより、CR着座LS66がON作動してCR着座ランプ76が点灯する。制御盤25は、CR着座LS66がON作動したか否かを判断し(S60)、ON作動しなかったときに、CR着座ランプ76を点灯させないことで、昇降・回転部36の制御棒4への着座異常を告知する(S61)。
次に制御盤25は、図14(I)に示すように、制御棒4の下端(バイオネットカップリング14)を制御棒駆動機構8の中空ピストン17上端に接触させた状態で、制御棒つかみ具22の回転機構部39を駆動して、昇降・回転部36を左方向に連続して回転させる(S62)。この回転中に、図20(A)及び(C)に示すように、制御棒4のバイオネットカップリング14内に中空ピストン17のカップリングスパッド11が挿入されて、図14(J)に示すように、昇降・回転部36及び制御棒4が自重で落下する(S63)。このとき、昇降・回転部36の下端が制御棒4のハンドル部に着脱してCR着座LS66がON作動し、CR着座ランプ76が点灯する。
制御盤25は、回転機構部39を引き続き作動させて、昇降・回転部36を左回転極限位置まで引き続き連続して回転させる(S64)。この昇降・回転部36の左回転により、図20(B)に示すように、制御棒4のバイオネットカップリング14の係合凸部16が中空ピストン17のカップリングスパッド11に係合して、制御棒4と制御棒駆動機構8とが連結される。昇降・回転部36が左回転極限位置まで回転したときに、CR左極限LS60がON作動して左極限ランプ70が点灯する。これをもって、制御盤25は、制御棒4と制御棒駆動機構8との連結が完了したと判断し、操作ペンダント24のカップリング正常ランプ97を点灯させ(S65)、カップリング自動運転を停止する。
このカップリング自動運転完了後に、作業者は、操作ペンダント24のカップリング確認操作スイッチ96を操作する。これにより、制御盤25は、制御棒4と制御棒駆動機構8との連結の適否を確認するカップリング確認自動運転を開始する(S66)。尚、このときには、操作ペンダント24のカップリング正常ランプ97が消灯する。
まず、制御盤25は、図15(L)に示すように、制御棒つかみ具22の昇降シリンダ38を縮み動作させて、昇降・回転部36を上昇させる(S67)。制御盤25は、昇降・回転部36の上昇により、CR上昇LS58がON作動しているか否かを判断し(S68)、ON作動していない場合には、昇降シリンダ38による昇降・回転部36の上昇異常を、CR上昇ランプ68が点灯しないことで告知する(S69)。CR上昇LS58がON作動した場合には、CR上昇ランプ68が点灯する。
昇降・回転部36の上昇により、この昇降・回転部36と共に、制御棒4及び制御棒駆動機構8の中空ピストン17が上昇して、中空ピストン17とボールナット18との間に隙間Tが形成される。制御盤25は、このとき荷重計測器41が計測している荷重が制御棒4のみの荷重であるか、制御棒4と中空ピストン17との総和荷重であるかを検知して、制御棒4と制御棒駆動機構8とのカップリングの適否を判定する(S70)。荷重計測器41の計測値が制御棒4のみの荷重であるときには、その旨を、例えばカップリング異常ランプ98を点灯するなどして告知する(S71)。尚、昇降・回転部36の上昇により制御棒4及び中空ピストン17が上昇したときには、昇降・回転部36の下端が制御棒4のハンドル部から離れるので、CR着座LS66がOFF作動してCR着座ランプ76が消灯する。
次に制御盤25は、図15(M)に示すように、昇降シリンダ38を伸び動作させて昇降・回転部36を下降させる(S72)。制御盤25は、このとき、昇降・回転部36の下端が制御棒4のハンドル部に着脱して、CR着座LS66がON作動しているか否かを判断し(S73)、ON作動していない場合にはその旨を、CR着座ランプ76が点灯しないことで告知する(S74)。CR着座LS66がON作動した場合には、CR着座ランプ76が点灯する。
制御盤25は、昇降・回転部36を下降させた後、図15(O)に示すように、制御棒つかみ部材37を開操作させて制御棒4の把持を解除させる(S75)。制御盤25は、このときCRつかみLS67がOFF作動しているか否かを判断する(S76)。CRつかみLS67がOFF作動していないときには、CRつかみランプ77が点灯状態に保持されることで、制御棒つかみ部材37による制御棒4の把持解除異常を告知する(S77)。CRつかみLS67がOFF作動したときには、CRつかみランプ77が消灯する。
制御盤25は、CRつかみLS67がOFF作動していると判断したときに、図15(P)に示すように、昇降シリンダ38を縮み動作させて昇降・回転部36を上昇させる(S78)。このときには、昇降・回転部36の下端が制御棒4のハンドル部から離れるのでCR着座LS66がOFF作動し、CR着座ランプ76が消灯する。上述の昇降・回転部36の上昇操作をもって、制御盤25はカップリング確認自動運転を完了し、例えば操作ペンダント24のカップリング正常ランプ97を点灯してその旨を表示する(S79)。
作業者は、上述のカップリング確認自動運転完了後に、図15(Q)に示すように、ホイストを操作して燃料支持金具つかみ具21を巻下げ(S80)、つかみ具フレーム28の下端を炉心支持板7に着座させた後、金具つかみ部材31を閉操作させて燃料支持金具6の把持を解除し(S81)、この燃料支持金具6を炉心支持板7に取付ける。このとき、つかみ具フレーム28の下端が炉心支持板7に着座することで、FS着座LS52がON作動してFS着座ランプ54が点灯し、また、金具つかみ部材31が閉操作されることで、FSつかみLS53がOFF作動してFSつかみランプ55が消灯する。
作業者は、その後、図15(R)に示すように、ホイストを操作して燃料支持金具つかみ具21を巻上げ、燃料支持金具つかみ具21の係止部33が制御棒つかみ具22の当接部34に当接した段階で、燃料支持金具つかみ具21及び制御棒つかみ具22(つまりつかみ具組付体23)を巻上げて(S82)、制御棒4及び燃料支持金具6の取付け操作を完了する。
以上のように構成されたことから、本実施の形態によれば、次の効果(1)及び(2)を奏する。
(1)制御棒4と制御棒駆動機構8との連結及び連結解除を行う制御棒つかみ具22が制御盤25により自動制御されるので、制御棒4と制御棒駆動機構とのバイオネットカップリング14を介しての連結及び連結解除を、人間系の判断を介さずに実施でき、従って、これらの連結及び連結解除を人為的な操作ミス及び確認ミスなく確実に実施できる。
(2)懸吊ワイヤ29にて支持されて、燃料支持金具6を取外し及び取付け可能とする燃料支持金具つかみ具21内に、制御棒4を取外し及び取付け可能とする制御棒つかみ具22が収容されてつかみ具組付体23が構成されたので、このつかみ具組付体23を用いて制御棒4と燃料支持金具6とを同時に取外しまたは取付けできる。その結果、制御棒4の交換作業時間を大幅に短縮できる。
本発明に係る制御棒・燃料支持金具取扱装置の一実施形態を示す構成図。 図1の燃料支持金具つかみ具と制御棒つかみ具とが組み付けられたつかみ具組付体における着座状態を示す側面図である。 図2のつかみ具組付体における懸吊状態を示す側面図。 図1の制御棒つかみ具を示す側面図。 図4のV−V線に沿う断面図。 図1の操作ペンダントを示す正面図。 燃料支持金具及び制御棒の取外し操作の手順を示す説明図。 燃料支持金具及び制御棒の取外し操作の、図7に続く手順を示す説明図。 燃料支持金具及び制御棒の取外し操作の、図8に続く手順を示す説明図。 燃料支持金具及び制御棒の取外し操作の手順を示すフローチャート。 燃料支持金具及び制御棒の取外し操作の、図10に続く手順を示すフローチャート。 図11の一部の手順を示すフローチャート。 燃料支持金具及び制御棒の取付け操作等の手順を示す説明図。 燃料手段を及び制御棒の取付け操作等の、図13に続く手順を示す説明図。 燃料支持金具及び制御棒の取付け操作等の、図14に続く手順を示す説明図。 燃料支持金具及び制御棒の取付け操作等の手順を示すフローチャート。 燃料支持金具及び制御棒の取付け操作等の、図16に続く手順を示すフローチャート。 一般的なBWRの炉心部を示す断面図。 制御棒と制御棒駆動機構との従来の連結構造を示す断面図。 (A)〜(C)は、制御棒と制御棒駆動機構との連結構造にバイオネットカップリングを用いた場合を示す各断面図。
符号の説明
1 原子炉圧力容器
4 制御棒
5 上部格子板
6 燃料支持金具
7 炉心支持板
8 制御棒駆動機構
14 バイオネットカップリング
20 制御棒・燃料支持金具取扱装置
21 燃料支持金具つかみ具
22 制御棒つかみ具
24 操作ペンダント
25 制御盤
28 つかみ具フレーム
29 懸吊ワイヤ
30 ワイヤ接続部
31 金具つかみ部材
33 係止部
35 つかみ具本体
36 昇降・回転部
37 制御棒つかみ部材
38 昇降シリンダ
39 回転機構部
40 押上・押下シリンダ
41 荷重計測器
50 ピストンロッド
51 係止プレート
52 FS着座LS(燃料支持金具側着座検出器)
53 FSつかみLS(燃料支持金具側つかみ検出器)
56 FS上限LS(上限位置検出器)
58 CR上昇LS(昇降位置検出器)
59 CR下降LS(昇降位置検出器)
60 CR左極限LS(回転位置検出器)
61 CR中間第1LS(回転位置検出器)
62 CR中間第2LS(回転位置検出器)
63 CR右極限LS(回転位置検出器)
64 CR押上LS(押上・押下位置検出器)
65 CR押下LS(押上・押下位置検出器)
66 CR着座LS(制御棒側着座検出器)
67 CRつかみLS(制御棒側つかみ検出器)

Claims (8)

  1. 原子炉圧力容器内で燃料集合体間に配置され、下端部がバイオネットカップリングにより制御棒駆動機構に着脱可能に連結された制御棒と、前記原子炉圧力容器内の上部格子板の下方に位置する炉心支持板に設置され、前記燃料集合体の下端部を支持すると共に前記制御棒を挿通する十字状挿通孔が形成された燃料支持金具と、をそれぞれ取外し、取付ける制御棒・燃料支持金具取扱装置において、
    懸吊ワイヤにより巻上げ及び巻下げ可能に支持され、金具つかみ部材により燃料支持金具を把持して、この燃料支持金具を取外し及び取付け可能とする燃料支持金具つかみ具と、
    この燃料支持金具つかみ具内に収容されると共に、昇降及び回転可能な昇降・回転部を備え、この昇降・回転部の下部に設けられた制御棒つかみ部材により前記燃料支持金具の前記十字状挿通孔を通して制御棒を把持して、この制御棒と前記制御棒駆動機構との連結解除及び連結を行い、前記制御棒を取外し及び取付け可能とする制御棒つかみ具と、
    前記燃料支持金具つかみ具のつかみ具フレームの下端が前記炉心支持板に着座したことを検出する燃料支持金具側着座検出器からの信号、前記燃料支持金具つかみ具の前記金具つかみ部材が前記燃料支持金具を把持したことを検出する燃料支持金具側つかみ検出器からの信号、及び前記制御棒つかみ具の前記昇降・回転部に設けられて前記制御棒つかみ部材に作用する荷重を計測する荷重計測器からの信号を用いて、前記燃料支持金具つかみ具及び前記制御棒つかみ具の動作を操作指令する操作手段と、
    この操作手段からの指令により、前記燃料支持金具つかみ具を制御し、前記制御棒つかみ具を自動制御する制御盤と、を有することを特徴とする制御棒・燃料支持金具取扱装置。
  2. 前記燃料支持金具つかみ具は、上端に懸吊ワイヤを接続するワイヤ接続部が設けられ、下端に金具つかみ部材が開閉可能に設けられたつかみ具フレームを備え、このつかみ具フレームは、制御棒つかみ具を上下方向に移動可能に収容し、且つ支持するよう構成されたことを特徴とする請求項1に記載の制御棒・燃料支持金具取扱装置。
  3. 前記制御棒つかみ具は、つかみ具本体と、
    下端に制御棒つかみ部材が開閉可能に設けられた昇降・回転部と、
    前記つかみ具本体に対して前記昇降・回転部を昇降させる昇降シリンダと、
    前記昇降・回転部を軸回りに所定角度回転させる回転機構部と、
    前記つかみ具本体の上端に設けられ、上部格子板に係止可能な係止プレートにピストン先端が固定されて、前記つかみ具本体を押上げ及び押下げ可能とする押上・押下シリンダと、
    前記昇降・回転部に設けられ、制御棒つかみ部材に作用する荷重を計測する荷重計測器と、を有することを特徴とする請求項1に記載の制御棒・燃料支持金具取扱装置。
  4. 前記制御棒つかみ具のつかみ具本体、または燃料支持金具つかみ具のつかみ具フレームに、前記つかみ具本体が前記つかみ具フレームに支持されると共に、前記つかみ具フレームが前記つかみ具本体に対して上限位置に到達したことを検出する上限位置検出器を有することを特徴とする請求項2または3に記載の制御棒・燃料支持金具取扱装置。
  5. 前記制御棒つかみ具は、昇降シリンダによる昇降・回転部の昇降位置を検出する昇降位置検出器と、
    回転機構部による前記昇降・回転部の回転位置を検出する回転位置検出器と、
    押上・押下シリンダによるつかみ具本体の押上・押下位置を検出する押上・押下位置検出器と、
    前記昇降・回転部の下端が制御棒に着座したことを検出する制御棒側着座検出器と、
    制御棒つかみ部材が制御棒を把持したことを検出する制御棒側つかみ検出器とを有し、
    これらの検出器の検出データに基づいて制御盤が前記制御棒つかみ具を自動制御することを特徴とする請求項3に記載の制御棒・燃料支持金具取扱装置。
  6. 前記昇降位置検出器は、昇降・回転部の上昇位置を検出する上昇位置検出器と、昇降・回転部の下降位置を検出する下降位置検出器と、を有して構成されたことを特徴とする請求項5に記載の制御棒・燃料支持金具取扱装置。
  7. 前記回転位置検出器は、前記昇降・回転部の左回転極限位置を検出する左極限位置検出器と、前記昇降・回転部の右回転極限位置を検出する右極限位置検出器と、前記両極限位置間の中間第1位置に前記昇降・回転部が到達したことを検出する中間第1位置検出器と、前記両極限位置間の中間第2位置に前記昇降・回転部が到達したことを検出する中間第2位置検出器と、を有して構成されたことを特徴とする請求項5に記載の制御棒・燃料支持金具取扱装置。
  8. 前記押上・押下位置検出器は、つかみ具本体の押上位置を検出する押上位置検出器と、前記つかみ具本体の押下位置を検出する押下位置検出器と、を有して構成されたことを特徴とする請求項5に記載の制御棒・燃料支持金具取扱装置。
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