JP5398198B2 - X線コンピュータ断層撮影装置 - Google Patents

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Description

本発明は、多列のX線検出器を備えるX線コンピュータ断層撮影装置に関する。
X線コンピュータ断層撮影装置は、X線検出器からの投影データを記憶機器に記憶している。一方、X線コンピュータ断層撮影装置において、特許文献1に示すような、撮影範囲を指定し、表示する技術がある。近年のX線検出器の検出素子列数の増加に伴い、記憶する投影データの量が増大している。現在の装置では、X線検出器の検出面上に占めるX線照射野(スキャン範囲)の位置及び大きさに依らず、検出面全体からの投影データを固定サイズで記憶している。すなわち、検出面全体のうちの一部の検出素子列にのみX線が照射される場合、X線が照射された検出素子列からの投影データだけでなく、X線が照射されなかった検出素子列からの投影データをも記憶機器に記憶している。つまり、現状では、画像再構成に不必要な投影データが記憶機器の記憶領域を無駄に占有してしまっている。これに伴い、画像再構成をする段階においては、不必要な投影データをも記憶機器から読み出さなければならず、余計な処理時間が発生してしまっている。
特開2005―323724号公報
本発明の目的は、画像再構成に必要な投影データの効率的保存及び利用を実現するX線コンピュータ断層撮影装置を提供することにある。
本発明のある局面に係るX線コンピュータ断層撮影装置は、X線を発生するX線管球と、前記X線管球から発生され被検体を透過するX線を検出するX線検出器と、前記X線管球と前記X線検出器とを回転可能に支持する回転機構と、前記X線検出器の検出面における注目領域の位置及び大きさを操作者からの指示に従って設定する設定部と、前記X線管球と前記X線検出器と前記回転機構とを制御して、前記検出面のうちの少なくとも前記設定された注目領域にX線が照射されるように前記被検体をスキャンする制御部と、前記検出面から出力データを収集するデータ収集部と、前記X線管球からX線が発生されているか否かを判定する判定部と、前記収集された出力データから、前記注目領域に対応する注目出力データを抽出する抽出部であって、前記判定部の判定結果に基づいて、前記注目出力データから、X線発生時において出力された発生時出力データとX線未発生時において出力された未発生時出力データとを区別して抽出する抽出部と、前記抽出された未発生時出力データを、出力データのデータ量よりも少ないデータ量を有しX線未発生時に収集されたデータであることを表すコードに変換するコード変換部と、前記抽出された注目出力データを記憶する記憶部であって、前記発生時出力データと前記コードとを記憶する記憶部と、を具備する。
本発明によれば、画像再構成に必要な投影データの効率的保存及び利用を実現することが可能となる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態に係わるX線コンピュータ断層撮影装置を説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係わるX線コンピュータ断層撮影装置の構成を示す図である。図1に示すように、X線コンピュータ断層撮影装置は、ガントリ10を有する。ガントリ10は、円環又は円板状の回転フレーム12を回転可能に支持する。回転フレーム12は、撮影領域中に天板に載置された被検体を挟んで対向するようにX線管球14とX線検出器16とを有する。回転フレーム12は、回転駆動部18からの駆動信号の供給を受けて、例えば0.4秒/回転の速度でX線管球14とX線検出器16とを連続回転させる。
X線管球14は、高電圧発生部20からスリップリング21を経由して高電圧の印加及びフィラメント電流の供給を受けてX線を発生する。X線管球14は、スキャン制御部22の制御のもと、X線を連続的に発生させる。X線管球14は、大きなコーン角を有するコーンビームX線を発生する。管球位置検出部24は、X線管球14の角度を検出するために設けられ、典型的にはロータリーエンコーダを有している。X線管球14の角度は、典型的には、X線管球14が最上位置にあるときを基準角度(0°)としてそこからの変位角として検出される。この場合、角度(180°)は、最下位置に対応する。X線管球14には、コリメータ15が取り付けられている。コリメータ15は、可変開口を有し、X線管球14から発生されたコーンビームX線の立体角を限定する。可変開口幅は、スキャン制御部22により制御される。
X線検出器16は、図2に示すように、列方向(スライス方向)とチャンネル方向との両方向に関して稠密に分布される複数の検出素子161を有する。チャンネル方向に沿って1列に並べられる複数の検出素子161をまとめて検出素子列162と呼ぶ。各検出素子列162は、その長軸をチャンネル方向に平行にして複数配列される。これら複数の検出素子161、あるいは複数の検出素子列162がX線検出器16の検出面を構成する。検出素子161には、X線の強度に応じた電流信号が発生される。図1に示すように、X線検出器16には、データ収集回路(DAS)26が接続されている。
データ収集回路26は、スキャン制御部22の制御のもとで、X線検出器16から検出素子161又は検出素子列162ごとに読み出される電流信号を増幅し、デジタル信号である投影データに変換する。よく知られているように、後述する前処理が行われる前の投影データは、生データと呼ばれ、前処理後の投影データは、単に投影データと呼ばれている。なお、電流信号は、X線が照射された検出素子161からだけでなく、X線が照射されなかった検出素子161からも読み出される。データ収集回路26は、生データに、その生データに対応する電流信号を発生した検出素子161が属する検出素子列162の列番号を示す列番号コード、及びその生データが収集されたときのX線管球14の位置(ビュー角度)を示すビューコードを付す。
また、X線コンピュータ断層撮影装置は、スキャン制御部22を中枢として、前処理部30、全データ記憶部32、再構成処理部34、表示部36、データ出力部38、及び操作部40を備える。
前処理部30は、データ収集回路26から受け取った生データに対して、対数変換、感度補正等の前処理を施して、画像再構成処理の直前段階にある投影データを発生する。
全データ記憶部32は、前処理部30により発生された全ての投影データを記憶する。全データ記憶部32は、投影データを、列番号コード、及びビューコードに関連付けて記憶する。なお、全データ記憶部32は、データ収集回路26により発生された全ての生データを記憶してもよい。この際、生データには、列番号コード、及びビューコードが関連づけられて記憶される。
再構成処理部34は、投影データを画像再構成処理することにより、画像データを発生する。画像再構成アルゴリズムとしては、Feldkamp再構成等のコーンビーム再構成が好適である。
表示部36は、発生された画像データを表示したり、スキャン条件を設定するための設定画面を表示したりする。
データ出力部38は、投影データをDVD(Digital Versatile Disc)、CD(Compact Disc)、MO(Magnetic Optical disc)等の持ち運び可能な記録媒体へ記録したり、図示しないネットワークを介して他の装置へ伝送したりする。
操作部40は、操作者からの各種指令やスキャン条件の入力を受け付ける。具体的には、操作部40は、スキャン条件として、スキャン範囲の大きさ及び位置の指示を受付ける。スキャン範囲は、X線検出器16の検出面上のX線照射野を示す。換言すれば、スキャン範囲は、生データ及び投影データの収集に用いる検出素子161又は検出素子列162の範囲を示す。通常、スキャン範囲は、操作者により操作部40を介して、スキャン範囲に含まれる検出素子列162の列数(以下、収集列数と呼ぶ)により指定される。例えば、検出素子列162の総数が8列の場合にスキャン範囲として収集列数「2列」が指定されると、スキャン制御部22は、列方向に関して中心2列をスキャン範囲に設定する。なお、X線検出器16の検出素子列162の総数は8列に限定されず、例えば4列等の8列以下であっても、例えば320列等の8列以上であってもよい。また、スキャン範囲は、検出面上のどの位置及び大きさに設定されてもよい。例えば、スキャン範囲が端列付近の検出素子列162に設定されても、あるいは、所望位置に配置された一つ或いは複数の検出素子161に設定されてもよい。また、スキャン範囲は、一検出面上に複数設定されても構わない。
スキャン制御部22は、操作部40を介して指定されたスキャン条件に基づいてスキャン条件を設定する。具体的には、スキャン制御部22は、操作部40からの指示に基づいて設定したスキャン範囲に対してX線が限定的に照射されるように、コリメータ15の開口幅を設定する。そしてスキャン制御部22は、X線管球14とX線検出器16と回転フレーム12とを制御して、被検体をスキャンする。スキャン中、検出面のうち少なくとも設定されたスキャン範囲には、X線管球14からコーンビームX線が連続的に照射される。第1実施形態において、スキャン制御部22は、スキャン中、天板(図示せず)又はガントリ10を移動させない、いわゆるコンベンショナルスキャンを行なう。
図1に示すようにX線コンピュータ断層撮影装置は、さらに、データ抽出部42、及び抽出データ記憶部44を備える。
データ抽出部42は、データ収集回路26から受信する生データから、スキャン範囲内に関する生データを抽出する。ここで、スキャン範囲内に関する生データを、範囲内生データと呼ぶことにする。一方、スキャン範囲外に関する生データを、範囲外生データと呼ぶことにする。抽出された範囲内生データ、前処理部30に送信される。前処理部30は、受信した範囲内生データを前処理して、範囲内生データに基づく投影データである範囲内投影データを発生する。
抽出データ記憶部44は、範囲内投影データを列番号コードとビューコードとに関連づけて記憶する。なお、抽出データ記憶部44は、データ抽出部42により抽出された範囲内生データを記憶してもよい。この際、範囲内生データは、列番号コードとビューコードとに関連付けて抽出データ記憶部44に記憶される。
次に、第1実施形態における処理を詳細に説明する。以下、説明を具体的にするため、X線検出器16は、8列の検出素子列162を備えるとする。さらに、スキャン範囲は、X線検出器16の全列よりも狭い範囲、具体的には、中心2列、すなわち、4及び5列目の検出素子列162であるとする。
まず、全データ記憶部32における投影データの読み書き方式と抽出データ記憶部44における投影データの読み書き方式との違いについて説明する。
図3は、全データ記憶部32における投影データの読み書き方式を説明するための図である。まずは、全データ記憶部32へ投影データを書き込む(記憶する)処理について説明する。スキャン中、データ収集回路26は、X線管球14が一定角度回転する毎に、全ての検出素子列162から生データを収集する。図3に示すように、例えば、X線管球14が位置(N)に位置しているとき、データ収集回路26は、全ての検出素子列162からの生データを収集する。この位置(N)の生データは、1列目の検出素子列からの生データ〜8列目の検出素子列からの生データにより構成される。この位置(N)における全列分の生データは、前処理部30により、全列分の投影データ51に変換される。この位置(N)の全列分の投影データ51は、1列目の検出素子列からの投影データ(列1データ)〜8列目の検出素子列からの投影データ(列8データ)により構成される。位置(N)の全列分の投影データ51は、全データ記憶部32の記憶領域に記憶される。すなわち、全データ記憶部32は、範囲内投影データ(4及び5列目に関する投影データ51A)だけでなく、範囲外投影データ(1〜3列目及び6〜8列目に関する投影データ51B)をも記憶する。この際、記憶される各列の投影データには、各列にそれぞれ対応する列番号コードと、位置(N)を示すビューコードとが関連付けられている。
図3に示すように、X線管球14が位置(N)から位置(N+1)に移動されると、データ収集回路26は、同様に、位置(N+1)における全列分の生データを収集する。そして、全データ記憶部32は、位置(N+1)における全列分の生データに対応する全列分の投影データ52(範囲内投影データ52A及び範囲外投影データ52B)を、位置(N)に関する投影データ51に続けて記憶する。この際、データ収集回路26は、位置(N+1)における各列の生データについて、各列にそれぞれ対応する列番号コードと、位置(N+1)を示すビューコードとを関連付ける。この様に、全データ記憶部32は、バックアップ等のため、全列分の投影データ51,52…を記憶する。この場合、例えば、一回のスキャンで1000ビュー分の投影データが発生されるとすると、1000ビュー×8列=8000列分の投影データが、全データ記憶部32に記憶されることとなる。
次に、全データ記憶部32から投影データを読み出す処理について説明する。全列分の投影データを用いての画像再構成処理の開始要求を受けると、再構成処理部34は、全データ記憶部32から、必要なビュー角度分の投影データを読み出す。この際、再構成処理部34は、全列分である8列分の投影データを、1つのビュー角度に関する投影データの集合として読み出す。この場合、例えば、画像再構成に必要な投影データが1000ビュー分の投影データであるとすると、1000ビュー×8列=8000列分の投影データが全データ記憶部32から読み出される。例えば、位置(N)における8列分の投影データ51を読み出すと、その次の8列分の投影データを位置(N+1)における投影データ52として読み出す。このようにして必要な全ての投影データを読み出すと、再構成処理部34は、読み出した投影データに基づいて画像データを再構成する。
図4は、抽出データ記憶部44における投影データの読み書き方式を説明するための図である。まずは、抽出データ記憶部44へ投影データを書き込む(記憶する)処理について説明する。図4に示すように、例えば、X線管球14が位置(N)に位置しているとき、データ収集回路26は、全ての検出素子列162からの生データを収集するとする。この位置(N)の全列分の生データから、範囲内生データである4及び5列目の生データがデータ抽出部32により抽出される。そして、抽出された位置(N)の範囲内生データに対応する範囲内投影データ51Aは、抽出データ記憶部44に記憶される。この際、記憶される各列の投影データには、各列にそれぞれ対応する列番号コードと、位置(N)を示すビューコードとが関連付けられている。
X線管球が位置(N)から位置(N+1)に移動されると、データ収集回路26は、同様に、位置(N+1)における全列分の生データを収集する。この位置(N+1)に関する全列分の生データから、範囲内生データである4及び5列目に関する生データが、データ抽出部42により抽出される。そして、抽出データ記憶部44は、位置(N+1)の範囲内生データに対応する範囲内投影データ52Bを、位置(N)に関する範囲内投影データ51Bに続けて記憶する。この様に、抽出データ記憶部42は、データ量の削減等のために、範囲外投影データ51B、52B(1〜3列目及び6〜8列目に関する投影データ)を記憶せずに、範囲内投影データ51A、51A(4及び5列目に関する投影データ)のみを記憶する。例えば、一回のスキャンで1000ビュー分の投影データが発生されるとすると、1000ビュー×2列=2000列分の投影データが、抽出データ記憶部44に記憶されることとなる。
この抽出データ記憶部44の記憶方式と上述の全データ記憶部32の記憶方式とを比較すると明らかなように、範囲内投影データのみを記憶することで、1スキャン分の投影データのための記憶領域を大幅に削減することが可能となる。また、これに伴い、より多くスキャンすることが可能となる。
次に、同図4を参照しながら、抽出データ記憶部44から投影データを読み出す処理について説明する。範囲内投影データのみを用いての画像再構成処理の開始要求を受けると、再構成処理部34は、抽出データ記憶部44から、必要なビュー角度分の投影データを読み出す。この際、再構成処理部34は、収集列数分、この場合、2列分の投影データを1つのビュー角度に関する投影データの集合として読み出す。例えば、位置(N)における2列分の投影データ51Aを読み出すと、その次の2列分の投影データを位置(N+1)における投影データ52Aとして読み出す。このように、収集列数に基づいて、投影データを読み出すことで、その投影データのビュー角度(管球位置)及び列番号を特定することが可能となる。必要な投影データを読み出すと、再構成処理部34は、読み出した投影データに基づいて画像データを再構成する。例えば、画像再構成に必要な投影データが1000ビュー分の投影データであるとすると、1000ビュー×2列=2000列分の投影データが、抽出データ記憶部44から読み込まれる。
この抽出データ記憶部44からの読み出し方式と上述の全データ記憶部32からの読み出し方式とを比較すると明らかなように、範囲内投影データのみが読み出されることで、画像再構成に必要な投影データを読み出す量を大幅に削減することが可能となる。これに伴い、画像再構成における処理時間を短縮させることが可能となる。
次に、スキャン制御部22の制御のもとに行なわれる、抽出データ記憶部44への範囲内投影データの書き込み(記憶)処理の流れを説明する。図5は、範囲内投影データの記憶処理の流れを示す図である。なお、この記憶処理の前段階において、操作者から操作部40を介した指示に基づいて、全ての検出素子列162よりも狭い範囲にスキャン範囲が設定されているものとする。
操作部40を介してスキャン範囲が指定され、スキャン開始の指示がなされると、スキャン制御部22は、少なくとも指定されたスキャン範囲にコーンビームX線を連続的に照射させて、被検体をコンベンショナルスキャンする。コンベンショナルスキャン中、データ収集回路26は、X線管球14が一定角度回転する毎に、X線検出器16の全列分の生データを収集する。データ収集回路26による生データの収集は、X線管球14が一回転する間に、例えば1000回繰り返される。収集された生データは、1ビュー毎に、データ収集回路26によりデータ抽出部42に送信される。データ抽出部42は、データ収集回路26から生データを受信する(ステップSA1)。なお、データ抽出部42が抽出する生データには、データ収集回路26により列番号コードとビューコードとが付されているものとする。
生データを受信すると、データ抽出部42は、その生データが範囲内生データであるか否かを判定する(ステップSA2)。この判定処理を詳細に説明する。まず、データ抽出部42は、受信した生データに付されている列番号コードが示す列番号と、スキャン範囲に含まれる検出素子列162の列番号とを照合する。照合の結果、受信した生データに付されている列番号がスキャン範囲に含まれる検出素子161の列番号に含まれると判定した場合、データ抽出部42は、その生データを範囲内生データであると判定する(ステップSA2:YES)。この範囲内生データは、データ抽出部42により、前処理部30に送信される。範囲内生データを受信すると、前処理部30は、この範囲内生データに前処理をして範囲内投影データを発生する(ステップSA3)。発生された範囲内投影データは、前処理部30により抽出データ記憶部44に送信される。範囲内投影データを受信すると、抽出データ記憶部44は、この範囲内投影データを記憶する(ステップSA4)。
一方ステップSA2において、受信した生データに付されている列番号がスキャン範囲に含まれる検出素子161の列番号に含まれると判定した場合、データ抽出部42は、その生データを範囲外生データであると判定する(ステップSA2:NO)。この範囲外生データは、データ抽出部42により、処理対象外とされる(ステップSA5)。この処理対象外とされた範囲外投影データは、抽出データ記憶部44に記憶されない。
ステップSA4又はステップSA5が終了すると、スキャン制御部22は、すべての生データについて処理したか否か、すなわちスキャンが終了したか否かを判定する(ステップSA6)。まだ処理していない生データがある、すなわち、まだスキャンが終了していないと判定すると(ステップSA6:NO)、スキャン制御部22は、再び、ステップSA1からステップSA6までを繰り返す。一方、まだ処理していない生データがない、すなわち、スキャンが終了したと判定すると(ステップSA6:YES)、スキャン制御部22は、範囲内投影データの記憶処理を終了する。
このように、抽出データ記憶部44は、範囲外投影データを記憶せずに、範囲内投影データのみを記憶することができる。すなわち、再構成処理に必要な投影データのみを記憶することができる。このため、全列分の投影データを記憶する場合に比して、投影データの記憶データ量を、削減することができる。スキャン範囲によっては、記憶データ量を半分以下に削減することも可能である。
範囲内投影データを用いての画像再構成処理の開始要求がなされると、再構成処理部34は、抽出データ記憶部44から、画像再構成に必要なビュー角度分の範囲内投影データを読み出し、画像再構成処理を行なう。この画像再構成処理により再構成処理部34は、画像データを発生する。また、スキャンと同時に画像再構成処理を行なうように設定された場合、範囲内投影データは、ステップSA4においてデータ抽出部44に記憶されると同時に、再構成処理部34に供給されてもよい。範囲内投影データの供給を受けた再構成処理部34は、画像再構成処理を行い、画像データを発生する。
範囲内投影データのみを用いる画像再構成処理は、範囲外投影データを読み出さないので、全列分の投影データを用いる画像再構成処理に比して再構成処理における処理時間が短い。
かくして第1実施形態によれば、画像再構成に必要な投影データの効率的保存及び利用を実現するX線コンピュータ断層撮影装置を提供することが可能となる。
なお、X線コンピュータ断層撮影装置は、全データ記憶部32を備えるとしたが、不要である場合は、備えていなくともよい。
また、図5に示される範囲内投影データの書き込み(記憶)処理は、必ずしも、上記のようにスキャン中リアルタイムに実行される必要はない。例えば、以下のような実施例が考えられる。
長期保存や他施設での利用を目的として、投影データをDVD、CD、MO等の持ち運び可能な記録媒体へ記録したり、ネットワークを介して他の装置へ伝送したりすることが考えられる。近年のX線検出器の多列化に伴い、スキャンにより発生する投影データの容量が膨大になっている。従って、全列分の投影データから範囲内投影データを抽出することは、記録媒体への記憶又は他装置への伝送するデータ量の削減という観点から、有意義である。そこで、スキャン制御部22は、データ出力部38により、DVD、CD、MO等の持ち運び可能な記録媒体に投影データを書き込む場合や、ネットワークを介して他装置へ伝送する場合に、範囲内投影データの記憶処理を開始してもよい。なお、この場合、ステップSA1においては、全データ記憶部32から、記録媒体への記憶又は他装置への伝送に必要なビュー角度分の生データが読み出される。そして読み出した生データについて、ステップSA2〜ステップSA6までの処理が行なわれる。ステップSA6後、データ出力部38は、記録媒体への記憶又は他装置への伝送に必要なビュー角度分の投影データを抽出データ記憶部44から読み出して、DVD、CD、MO等の持ち運び可能な記録媒体に書き込んだり、ネットワークを介して他装置へ伝送したりする。なお、この場合、ステップSA5において必ずしも範囲内投影データを抽出データ記憶部44に記憶させる必要はない。ステップSA5においてデータ出力部38は、データ抽出部42から範囲内投影データを受信し、受信した範囲内投影データを記録媒体に書き込んだり、ネットワークを介して他装置へ伝送したりしてもよい。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態に係わるX線コンピュータ断層撮影装置について説明する。なお以下の説明において、本実施形態と略同一の機能を有する構成要素については、同一符号を付し、必要な場合にのみ重複説明する。
図6は、本発明の第2実施形態に係わるX線コンピュータ断層撮影装置の構成を示す図である。図6に示すように、X線コンピュータ断層撮影装置は、ガントリ60を備える。X線管球14は、スキャン制御部22の制御のもと、コーンビームX線をパルス的に発生させる。ここでパルス的とは、所定時間をおいてX線が繰り返し発生されることを意味する。ガントリ60のX線管球14の近傍には、リファレンス検出器62が設けられている。リファレンス検出器62は、X線検出器16と同様のメカニズムで入射X線の強度に応じた電流信号を発生する、小型の検出器である。リファレンス検出器62は、X線管球14からX線が発生されているか否かを判定するために設けられる。リファレンス検出器62には、データ収集回路64が接続されている。
データ収集回路64は、X線検出器16から読み出される電流信号を増幅し、デジタル信号(生データ)に変換する。また、データ収集回路64は、リファレンス検出器62から読み出される電流信号を増幅し、デジタル信号に変換する。リファレンス検出器62からのデジタル信号を、リファレンスデータと呼ぶことにする。データ収集回路64は、生データに、列番号コード、ビューコード、及び同一のビュー角度に関するリファレンスデータを付す。生データ等は、非接触データ伝送部28を経由して、前処理部30及びデータ抽出部42に伝送される。
X線コンピュータ断層撮影装置は、前処理部30、全データ記憶部32、データ出力部42、及びスキャン制御部22の他に、データ抽出部72、未照射コード変換部74、抽出データ記憶部76、投影データ変換部78、及び再構成処理部80をさらに備える。
スキャン制御部22は、操作部40を介して入力されたスキャン条件に基づいて、X線管球14とX線検出器16と回転フレーム12とを制御して、被検体をコーンビームX線でスキャンする。具体的には、スキャン制御部22は、少なくともスキャン範囲にコーンビームX線が照射されるように、X線管球14からX線を複数回単発的に発生させる。第2実施形態において、スキャン制御部22は、X線照射中に被検体が載置された天板(図示せず)又はガントリ10をスライス方向に移動させるヘリカルスキャンを行なう。
データ抽出部72は、範囲内データ抽出処理と照射データ抽出処理とを行なう。範囲内データ抽出処理においてデータ抽出部72は、第1実施形態と同様に、データ収集回路64から受信する生データから、範囲内生データを抽出する。照射データ抽出処理においてデータ抽出部72は、リファレンスデータの値や処理対象の生データの値に基づいて、データ収集回路64から受信する生データからX線照射時において収集された生データを抽出する。ここで、X線照射時において収集された生データを照射生データ、X線未照射時において収集された生データを未照射生データと呼ぶことにする。データ抽出部72は、範囲内データ抽出処理と照射データ抽出処理とを組み合わせることが可能である。
例えば、データ抽出部72は、範囲内生データに対して照射データ抽出処理をし、範囲内生データから照射データを抽出することができる。この範囲内生データ且つ照射生データを、範囲内・照射生データと呼ぶことにする。そして、残りの範囲内生データ且つ未照射生データを、範囲内・未照射生データと呼ぶことにする。前処理部30は、範囲内・照射生データを前処理して、範囲内・照射投影データを発生する。
未照射コード変換部74は、未照射生データを、X線未照射時において収集された生データであることを示すコードに変換する。以下、このコードを未照射コードと呼ぶことにする。未照射コードは、例えば数ビット程度のコードで表現される。従って、未照射コードのデータ長は、未照射生データのデータ長に比して短い。具体的には、未照射コード変換部74は、範囲内・未照射生データを範囲内・未照射コードに変換する。
抽出データ記憶部76は、抽出された生データ、それに対応する投影データ、未照射コードを記憶する。例えば、抽出データ記憶部76は、範囲内・照射投影データと範囲内・未照射コードとを記憶する。範囲内・照射投影データと範囲内・未照射コードとは、列番号コード、ビューコード、及びリファレンスデータに関連付けて記憶される。範囲内・照射投影データと範囲内・未照射コードとは、抽出データ記憶部76の記憶領域に、列番号順及びビュー角度順に並べて記憶される。また、抽出データ記憶部76は、後述する範囲内・未照射投影データも列番号コード、及びビューコードに関連付けて記憶する。
投影データ変換部78は、未照射コードを、未照射生データに対応する投影データである未照射投影データに変換する。例えば、投影データ変換部78は、未照射コードを、投影データと同じデータ長を有し、投影データ値に対応する所定値のデータに変更する。この所定値は、複数の未照射投影データ値に基づいて経験的に得られた値である。投影データ変換部78に記憶されている。投影データ変換部78は、具体的には、範囲内・未照射コードを、範囲内・未照射生データに対応する範囲内・未照射投影データに変換する。
再構成処理部80は、投影データを画像再構成処理して画像データを発生する。具体的には、再構成処理部80は、範囲内・照射投影データと範囲内・未照射投影データとを画像再構成処理して画像データを発生する。
以下、第2実施形態における処理を詳細に説明する。以下、説明を具体的にするため、X線検出器16は、8列の検出素子列を備えるとする。さらに、スキャン範囲は、X線検出器16の全ての検出素子列162よりも狭い範囲、具体的には、中心2列、すなわち、4及び5列目の検出素子列162であるとする。また、ヘリカルスキャン中、1、3及び4回転目にはX線を照射せず、2及び5回転目にのみX線を照射させる場合を考える。
まず、図7を参照しながら、範囲内・照射投影データ及び未照射コードの記憶処理の概要を説明する。ヘリカルスキャンにより、1〜5回転目に関する全列分の生データである初期の生データRD1が発生される。2及び5回転目に発生された生データは照射生データであり、1、3及び4回転目に発生された生データは未照射生データである。なお、初期の生データRD1は、全データ記憶部32に記憶される。
まず、データ抽出部72により、初期の生データRD1から範囲内生データが抽出され、範囲外生データが除去される。範囲内生データ抽出処理後の生データRD2は、範囲内・照射生データと範囲内・未照射生データとを含む。前処理部30は、範囲内・照射生データを前処理して範囲内・照射投影データを発生する。一方、未照射コード変換部74は、範囲内・未照射生データを範囲内・未照射コードに変換する。そして、抽出データ記憶部76は、図7に示すように、範囲内データRD3(範囲内・照射投影データと範囲内・未照射コード)を、列番号及びビュー角度の順番に従って記憶領域に記憶する。
このように、抽出データ記憶部74は、範囲内投影データのうちの範囲内・未照射投影データを記憶するのではなく、範囲内・未照射投影データの代わりに範囲内・未照射コードを記憶する。従って、範囲内投影データをそのまま記憶する場合に比して、1スキャンあたりの投影データの記憶データ量を削減することが可能となる。
次に、図8を参照しながら、スキャン制御部22の制御のもとに行なわれる、範囲内・照射投影データ及び範囲内・未照射コードの書き込み(記憶)処理の流れを説明する。なお、ステップSB1の前段階において、操作者からの指示に基づいて、全列よりも狭い範囲にスキャン範囲が設定されているものとする。操作部40等を介してスキャンの開始指示がなされると、スキャン制御部22は、設定されたスキャン範囲にX線が照射され、2回転目及び5回転のみにX線を照射しながらヘリカルスキャンする。
スキャン中、データ収集回路64は、例えば、X線管球14が一定角度回転する毎に、全列から生データを読み込む。読み込まれた生データは、データ収集回路64により、データ抽出部72に送信される。データ収集回路64による生データの読み込みは、X線管球14が一回転する間に、例えば1000回繰り返される。データ収集回路64は、生データを読み込む毎に、読み込んだ生データをデータ抽出部72に送信する。データ抽出部72は、データ収集回路64から生データを受信する(ステップSB1)。なお、データ抽出部72が抽出する生データには、データ収集回路64により、リファレンスデータ、列番号コード、及びビューコードが付されているものとする。
生データを受信すると、データ抽出部72は、受信した生データに付されている列番号コードとスキャン範囲に含まれる検出素子列162の列番号コードとを照合することにより、生データが範囲内生データであるか否かを判定する(ステップSB2)。受信した生データに付されている列番号がスキャン範囲に含まれる検出素子列162の列番号に含まれる場合、データ抽出部72は、その生データを範囲内生データであると判定する(ステップSB2:YES)。
次にデータ抽出部72は、範囲内生データが範囲内・照射生データであるか否かを判定する(ステップSB3)具体的には、データ抽出部72は、生データに付されているリファレンスデータの値を予め設定された閾値と比較する。この閾値は、X線照射時において発生されたリファレンスデータの値とX線未照射時において発生されたリファレンスデータの値との境目の値である。この閾値は、経験的に求められる値である。生データに付されているリファレンスデータが所定値よりも大きい場合、データ抽出部72は、生データを範囲内・照射生データであると判定する(ステップSB3:YES)。範囲内・照射生データは、データ抽出部72により、前処理部30へ送信される。前処理部30は、範囲内・照射生データを前処理して、範囲内・照射投影データを発生する(ステップSB4)。範囲内・照射投影データは、前処理部30により抽出データ記憶部76に送信される。範囲内・照射投影データを受信すると、抽出データ記憶部76は、この範囲内・照射投影データを記憶する(ステップSB5)。
一方、ステップSB3において、生データに付されているリファレンスデータが閾値よりも小さい場合、データ抽出部72は、生データを範囲内・未照射生データであると判定する(ステップSB3:NO)。範囲内・未照射生データは、データ抽出部72により、未照射コード変換部74に送信される。範囲内・未照射生データを受信すると、未照射コード変換部74は、範囲内・未照射生データを範囲内・未照射コードに変換する(ステップSB6)。未照射コード変換部74は、未照射生データに付されている列番号コードと同じ列番号コードを範囲内・未照射コードに付す。範囲内・未照射コードは、未照射コード変換部74により、抽出データ記憶部76に送信される。範囲内・未照射コードを受信すると、抽出データ記憶部76は、この範囲内・未照射コードを記憶する(ステップSB7)。
ステップSB5又はステップSB7が終了すると、スキャン制御部22は、すべての生データについて処理したか否か、すなわち、スキャンが終了したか否かを判定する(ステップSB8)。まだ処理していない生データがある、すなわち、まだスキャンが終了していないと判定すると(ステップSB8:NO)、スキャン制御部22は、再び、ステップSB1からステップSB8までを繰り返す。一方、まだ処理していない生データがない、すなわち、スキャンが終了したと判定すると(ステップSB8:YES)、スキャン制御部22は、範囲内・照射投影データと範囲内・未照射コードとの記憶処理を終了する。
範囲内・照射投影データと範囲内・未照射コードとの記憶処理の終了時には、範囲内・照射投影データと範囲内・未照射コードとは、互いに区別されることなく、列番号及びビューの順番に従って記憶されている。
なお、図8に示す、範囲内投影データ及び範囲内・未照射コードの書き込み(記憶)処理は、必ずしも、上記のようにスキャン中リアルタイムに実行される必要はない。例えば、スキャン制御部22は、データ出力部38により、DVD、CD、MO等の持ち運び可能な記録媒体に範囲内投影データ及び範囲内・未照射コードを書き込む場合や、ネットワークを介して他装置へ伝送する場合に、範囲内投影データ及び範囲内・未照射コードの書き込み(記憶)の記憶処理を開始してもよい。なお、この場合、ステップSB1においては、全データ記憶部32から、記録媒体への記憶又は他装置への伝送に必要なビュー角度分の生データが読み出される。そして読み出した生データについて、ステップSB2〜ステップSB8までの処理が行なわれる。ステップSB8後、データ出力部38は、記録媒体への記憶又は他装置への伝送に必要なビュー角度分の投影データを抽出データ記憶部76から読み出して、DVD、CD、MO等の持ち運び可能な記録媒体に書き込んだり、ネットワークを介して他装置へ伝送したりする。なお、この場合、ステップSB5及びSB7において必ずしも範囲内・照射投影データ及び範囲内・未照射コードを抽出データ記憶部74に記憶させる必要はない。ステップSB5及びSB7においてデータ出力部38は、データ抽出部72から範囲内・照射投影データ及び範囲内・未照射コードを受信し、記録媒体に書き込んだり、ネットワークを介して他装置へ伝送したりしてもよい。
次に、図9を参照しながら、範囲内・照射投影データ及び範囲内・未照射コードを用いての画像再構成処理の流れについて説明する。操作部40等を介して画像再構成処理の開始指示を受けると、画像再構成処理が開始される。まず、再構成処理部80は、抽出データ記憶部から、画像再構成に必要な範囲内データ(範囲内・照射投影データ又は範囲内・未照射コード)を読み出す(ステップSC1)。
データの読み出し中、再構成処理部80は、読み出している範囲内データが範囲内・照射投影データか否かを判定する(ステップSC2)。この判定処理は、例えば、読み出しているデータのデータ長に基づいて判定される。また、投影データに対して投影データであることを示すコードが付され、未照射コードに対して未照射コードであることを示すコードが付されている場合、これらコードに基づいて判定されても良い。読み出しているデータが範囲内・照射投影データであると判定した場合(ステップSC2:YES)、再構成処理部80は、再構成処理部80内部のメモリに、その範囲内・照射投影データを保持する。一方、範囲内データが範囲内・照射投影データでない、すなわち、範囲内・未照射コードであると判定した場合(ステップSC2:NO)、再構成処理部80は、この範囲内・未照射コードを投影データ変換部78に送信する。範囲内・未照射コードを受信すると、投影データ変換部78は、この範囲内・未照射コードを範囲内・未照射投影データに変換する(ステップSC3)。範囲内・未照射投影データは、投影データ変換部78により、再構成処理部80に送信される。範囲内・未照射投影データを受信すると、再構成処理部80は、その範囲内・未照射投影データを内部のメモリに保持する。
範囲内・照射投影データ又は範囲内・未照射投影データが保持されると、再構成処理部80は、画像再構成処理に必要な全ての範囲内投影データが揃ったか否かを判定する(ステップSC4)。必要な全ての範囲内投影データが揃っていないと判定すると(ステップSC4:NO)、再びステップSC1に戻り、抽出データ記憶部76から範囲内データを読み出す。必要な全ての範囲内投影データが揃ったと判定すると(ステップSC4:YES)、再構成処理部80は、メモリに保持されている範囲内投影データを画像再構成処理して、画像データを発生する(ステップSC5)。画像データが発生されると、スキャン制御部22は、画像再構成処理を終了する。
このように、範囲内・未照射投影データを範囲内・未照射コードに置き換えて記憶した場合にも、範囲内・未照射投影データと範囲内・未照射コードとを関連付けておくことで、範囲内・未照射コードを範囲内・未照射投影データに変換して画像再構成処理を行なうことができる。
かくして第2実施形態によれば、画像再構成に必要な投影データの効率的保存及び利用を実現するX線コンピュータ断層撮影装置を提供することが可能となる。
なお、本発明は上記第1及び第2実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。
(変形例1)
上記の第2実施形態におけるヘリカルスキャン中においてスキャン範囲を移動させるために、X線管球14にコリメータ15が取り付けられる場合がある。コリメータ15の動作は、スキャン制御部22により制御される。ヘリカルスキャン中、スキャン制御部22によるコリメータ15の動作に伴い、X線検出器16の検出面に対するX線照射野(スキャン範囲)が移動する。スキャン制御部22は、スキャン範囲の移動に応じて変化するスキャン範囲に含まれる検出素子列162の列番号をデータ収集回路64に送信する。データ収集回路64は、受信した列番号を、対応する生データに付す。データ抽出部72は、このスキャン範囲の移動に伴って変化する列番号に従って、範囲内生データを抽出する。従って、変形例1に係わるX線コンピュータ断層撮影装置は、コリメータの動作に応じて位置及び大きさが変化するスキャン範囲に対応する範囲内生データを抽出でき、抽出された範囲内生データに基づく範囲内投影データを記憶することができる。
(変形例2)
上記の第2実施形態では、ヘリカルスキャンが行なわれるとした。しかしながらこれに限定する必要はなく、第2実施形態は、コンベンショナルスキャンにも適用可能である。
以下、変形例2に係わるX線コンピュータ断層撮影装置について、臨床的に有意義な心臓スキャンを例に挙げて説明する。X線管球14は、一定時間をおいて単発的に繰り返しX線を発生する。ガントリ10には、被検体の心電図のデータを発生する。発生された心電図のデータは、スキャン制御部22に送信される。スキャン制御部22は、心電図の特徴波(例えばR波)の発生タイミングに同期して、X線管球14にX線を単発的に繰り返し発生させる。この際、スキャン制御部22は、少なくともスキャン範囲にX線が照射されるようにスキャンを行なう。また、スキャン中、スキャン制御部22は、被検体が載置されている天板又はガントリ70を移動させないコンベンショナルスキャンを行なう。なお、スキャン制御部22は、心電波形に同期してX線を発生させずに、任意のタイミングでX線を単発的に繰り返し発生させてもよい。
変形例2に係わるデータ抽出部72は、第2実施形態と同様に、リファレンス検出器からのリファレンスデータに基づいて、範囲内生データから範囲内・照射生データと範囲内・未照射生データとを区別して抽出する。範囲内・未照射生データは、未照射コード変換部74により、範囲内・未照射コードに変換される。抽出データ記憶部76は、第2実施形態と同様に、範囲内・照射生データに対応する範囲内・照射投影データと範囲内・未照射コードとを記憶する。
このように、変形例2に係わるX線コンピュータ断層撮影装置は、コンベンショナルスキャンにおいてX線を単発的に発生させ、範囲内・照射投影データと範囲内・未照射コードとを記憶することができる。
(変形例3)
全データ記憶部32の記憶領域が有限であるため、投影データを定期的にバックアップする必要がある。このバックアップ処理において、データ出力部42は、範囲内投影データを、スキャン範囲に含まれる検出素子列162の列数に基づいて全データ記憶部32から読み出すことで、バックアップ処理の処理時間を短縮することができる。
また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
本発明の第1実施形態に係わるX線コンピュータ断層撮影装置のブロック構成図。 図1のX線検出器の概略構成図。 図1の全データ記憶部における投影データの読み書き方式の説明図。 図1の抽出データ記憶部における投影データの読み書き方式の説明図。 図1のスキャン制御部による範囲内投影データの記憶処理の流れを示す図。 本発明の第2の実施形態に係わるX線コンピュータ断層撮影装置のブロック構成図。 図6の抽出データ記憶部における照射投影データ及び未照射コードの記憶処理の概要を示す図。 図6のスキャン制御部による範囲内・照射投影データ及び範囲内・未照射コードの書き込み(記憶)処理の流れを示す図。 図6のスキャン制御部による範囲内・照射投影データ及び範囲内・未照射コードを用いての画像再構成処理の流れを示す図。
符号の説明
10…ガントリ、12…回転フレーム、14…X線管球、15…コリメータ、16…X線検出器、18…回転駆動部、20…高電圧発生部、21…スリップリング、22…スキャン制御部、24…管球位置検出部、26…データ収集回路、28…非接触データ伝送部、30…前処理部、32…全データ記憶部、34…再構成処理部、36…表示部、38…データ出力部、40…操作部、42…データ抽出部、44…抽出部データ記憶部

Claims (7)

  1. X線を発生するX線管球と、
    前記X線管球から発生され被検体を透過するX線を検出するX線検出器と、
    前記X線管球と前記X線検出器とを回転可能に支持する回転機構と、
    前記X線検出器の検出面における注目領域の位置及び大きさを操作者からの指示に従って設定する設定部と、
    前記X線管球と前記X線検出器と前記回転機構とを制御して、前記検出面のうちの少なくとも前記設定された注目領域にX線が照射されるように前記被検体をスキャンする制御部と、
    前記検出面から出力データを収集するデータ収集部と、
    前記X線管球からX線が発生されているか否かを判定する判定部と、
    前記収集された出力データから、前記注目領域に対応する注目出力データを抽出する抽出部であって、前記判定部の判定結果に基づいて、前記注目出力データから、X線発生時において出力された発生時出力データとX線未発生時において出力された未発生時出力データとを区別して抽出する抽出部と、
    前記抽出された未発生時出力データを、出力データのデータ量よりも少ないデータ量を有しX線未発生時に収集されたデータであることを表すコードに変換するコード変換部と、
    前記抽出された注目出力データを記憶する記憶部であって、前記発生時出力データと前記コードとを記憶する記憶部と、
    を具備するX線コンピュータ断層撮影装置。
  2. 前記判定部は、前記X線管球の近傍に取り付けられたリファレンス検出器からの出力に基づいて、前記X線管球からX線が発生されているか否かを判定する、請求項記載のX線コンピュータ断層撮影装置。
  3. 前記注目出力データに基づいて前記被検体に関する画像データを再構成する再構成処理部をさらに備える請求項1記載のX線コンピュータ断層撮影装置。
  4. 前記コードを前記コードに対応する所定値を有する所定の出力データに変換する出力データ変換部と、
    前記発生時出力データと前記所定の出力データとに基づいて画像データを再構成する再構成処理部と、
    をさらに備える請求項記載のX線コンピュータ断層撮影装置。
  5. 前記X線管球には、コリメータが取り付けられており、
    前記制御部は、少なくとも前記コリメータの動作に応じて位置及び大きさが変化する注目領域にX線が照射されるように前記被検体をスキャンし、
    記抽出部は、前記位置及び大きさが変化する注目領域に対応する注目出力データを抽出する、
    請求項1記載のX線コンピュータ断層撮影装置。
  6. 前記抽出された注目出力データを移動可能な記録媒体に書き込む、またはネットワークを介して接続された他の装置に伝送するデータ出力部をさらに備える請求項1記載のX線コンピュータ断層撮影装置。
  7. 前記発生時出力データと前記コードとを移動可能な記録媒体に書き込む、またはネットワークを介して接続された他の装置に伝送するデータ出力部をさらに備える請求項記載のX線コンピュータ断層撮影装置。
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