JP5397712B2 - 筋力補助装置 - Google Patents

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Description

本発明は、筋力補助装置に関し、特に作業者の腕を下方から支持する筋力補助装置に関する。
従来より、作業者の腕を下方から支持する筋力補助装置が提案されている。このような筋力補助装置としては、例えば、「カメラを保持する撮影者が装着する撮影補助装置1Aが、撮影者の肘又は上腕部が載せられる腕受け部40Aと、支柱10と、支柱10の上部10aに連結され、撮影者に固定される固定部20と、支柱10の下部10bに連結され、腕受け部40Aを下方から支持する支持部30Aとを有する。固定部20は、折り曲げ可能なフレキシブルアーム21を用いて構成される。支持部30Aは、伸縮可能なガススプリングダンパー31Aを用いて構成され、ガススプリングダンパー31Aの圧縮応力により腕受け部40Aを支持する。」(特許文献1参照)というものが提案されている。
また、作業者の腕を下方から支持する筋力補助装置としては、ブドウ栽培等の作業補助をする作業用補助具として「作業者の少なくとも一方の腕を、弾性力によって付勢することで上方へ上げた状態に支持するブドウ栽培等の作業補助具において、作業者の胴体に装着される胴体固定部10と、作業者の腕を受けて支持する部分である腕受部20と、超弾性の特性を備える形状記憶合金によって長尺状に形成され、下端側31が胴体固定部10に固定されると共に、上端側32が腕受部20に固定されることで、胴体固定部10と腕受部20との間に配される長尺状弾性部材30とを具備する。」(特許文献2参照)というものが提案されている。
また、作業者の腕を下方から支持する筋力補助装置としては、例えば「肩ジョイント部材208内には、前後及び上下の回動方向を一方向に制限するラチェット機構209と、横及び上下方向に回動自在とする横方向回動機構210とが設けられている。このラチェット機構209は横方向回動機構210の回動部材210cに固着されたラチェット歯車209aと、上腕アーム部材201にその軸が固定された爪209bと、この爪209bをラチェット歯車209a方向に付勢するコイルばね部材209cとを備えている。これにより、肩ジョイント部材208は、上腕アーム部材201を前及び上方向に曲げる方向、即ち上腕アーム部材201及び肩甲骨部材207間の角度が増大する方向にのみ回動し、その回動位置において逆方向への回動が阻止される。」(特許文献3参照)というものも提案されている。
特開2011−107280号公報(要約、図1) 特開2009−106270号公報(要約、図1) 特開2011−92507号公報(段落[0037]、図1)
作業者が腕を上方に上げながら行う作業としては、腕を固定した状態で行う作業以外にも、腕を上下動させながら行う作業もある。例えば、船舶を建造する際の溶接作業や研磨作業は、腕を上方に上げつつ、腕を上下動させながら行われる。しかしながら、特許文献1に記載の筋力補助装置は、腕を固定した状態で支持することを想定しているため、腕の荷重をガスダンパーで吸収する構成となっている。つまり、特許文献1に記載の筋力補助装置は、速度変化に対応して負荷が変動するガスダンパーを用いているため、腕を上下動させた際には腕に負荷を与えてしまい、腕を上下動させる作業には用いることができないという問題点があった。
また、特許文献2に記載の筋力補助装置も、ブドウ棚での作業を前提としたもの、つまり、腕を上方で固定した作業を前提としたものである。このため、特許文献2に記載の筋力補助装置は、胴体固定部と腕受部とを長尺の形状記憶合金によって直接接続し、腕の荷重を支持する構成となっている。このため、特許文献2に記載の筋力補助装置は、腕の荷重を支持するにはバネ定数の高い形状記憶合金を用いる必要があるため、想定した腕の支持高さから下方に腕を下ろした際、形状記憶合金の反力(つまり、腕に対して上向きに付与される荷重)が過大となり、腕を下方に下ろしづらい。このため、特許文献2に記載の筋力補助装置も、腕を上下動させる作業には用いることができないという問題点があった。
また、特許文献3に記載の筋力補助装置も、上腕アーム部材がラチェット機構によって一方向にしか回転できない構成となっているため、腕を上下動させる作業には用いることができないという問題点があった。
つまり、特許文献1〜特許文献3に記載の筋力補助装置はいずれも、腕を上下動させる作業には用いることができないという問題点があった。
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたものであり、腕を上下動させる作業にも用いることが可能な筋力補助装置を得ることを目的とする。
本発明に係る筋力補助装置は、作業者の胴体に装着される胴体固定部と、作業者の腕を下方から支持する腕受部材と、一方の端部が前記腕受部材に接続された連結部材と、前記連結部材の他方の端部と前記胴体固定部とを接続する連結機構と、を備え、前記連結機構は、前記胴体固定部に接続され、固定軸及び第1軸受部が形成された第1軸支持部材と、一方の端部が前記第1軸支持部材の前記固定軸に固定されたぜんまいバネと、前記第1軸支持部材に固定され、第2軸受部が形成された第2軸支持部材と、一方の端部が前記第1軸支持部材の前記第1軸受部に回転自在に支持され、途中部が前記第2軸支持部材の前記第2軸受部に回転自在に支持され、前記第1軸受部の支持箇所と前記第2軸受部の支持箇所との間に、前記ぜんまいバネの他方の端部が固定された回転軸と、前記回転軸の他方の端部に固定されたピニオンと、ベース部及び該ベース部に直動自在に支持された可動部を有し、前記ベース部が前記第2軸支持部材に固定されたスライド機構と、前記ピニオンに噛み合う状態で前記スライド機構の前記可動部に固定され、前記連結部材の他方の端部が接続されたラックと、を備えたものである。
本発明に係る筋力補助装置は、腕受部材にかかる腕の荷重を、胴体固定部と連結部材との間に設けられた連結機構で受ける構成となっている。また、この連結機構は、腕の上下動をスライド機構の直動運動とし、この直動運動をラック&ピニオンを介してぜんまいバネに伝える構成となっている。このため、本発明の連結機構は、腕の荷重を弱いバネ反力で吸収することができるので、ぜんまいバネのバネ定数を低いものとすることができる。したがって、本発明は、腕を上下動させても腕に付与される荷重の変動が少なく(さらに、ぜんまいバネを定荷重バネとしたときには荷重を変動させることなく)、作業者が腕を上下動させた場合でも、適度なバネ反力によって腕の荷重を相殺しつづけながら、腕の上下動に追従することができる。
本発明の実施の形態に係る筋力補助装置を示す斜視図である。 本発明の実施の形態に係る筋力補助装置を作業者が装着した状態を示す側面図である。 本発明の実施の形態に係る筋力補助装置の連結機構を示す分解斜視図である。 船舶を建造する際の溶接作業時や研磨作業時に作業者の肩周りに働くモーメントを説明するための説明図である。 本発明の実施の形態に係る筋力補助装置の別の一例を示す図であり、胴体固定部及び連結機構の近傍を示す分解斜視図である。 本発明の実施の形態に係る筋力補助装置のさらに別の一例を示す図であり、当該筋力補助装置を作業者が装着した状態を示す側面図である。 本発明の実施の形態に係る筋力補助装置のさらに別の一例を示す斜視図である。
実施の形態.
図1は、本発明の実施の形態に係る筋力補助装置を示す斜視図である。また、図2は、この筋力補助装置を作業者が装着した状態を示す側面図である。
図1に示すように、本実施の形態に係る筋力補助装置100は、腕受部材2、胴体固定部3、連結部材4、及び、連結機構10を備えている。
胴体固定部3は、作業者1の胴体に装着されるものであり、例えばベルトのようなものである。この胴体固定部3には、連結機構10が設けられている。腕受部材2は、作業者1の腕を下方から支持するものである。この腕受部材2は、腕受部2aによって作業者の腕を支持する。本実施の形態においては、腕受部2aは、上部が開口した断面U字形状となっている。これにより、作業者1は、腕受部2aから腕を出し入れすることが容易となっている。また、この腕受部材2には、連結部材4の一方の端部が接続されている。この連結部材の他方の端部は、胴体固定部3に設けられた連結機構10と接続されている。本実施の形態では、連結部材4は、端部に雌ネジが形成された第1連結部材4aと、第1連結部材4aの雌ネジに螺合される雄ネジが端部に形成された第2連結部材4bと、で構成されている。このため、本実施の形態に係る連結部材4は、第1連結部材4aの雌ネジに挿入する第2連結部材4bの雄ネジの長さを調整することにより、連結部材4の長さを調整することが可能となっている。
本実施の形態に係る筋力補助装置100は、連結機構10にぜんまいバネ12が設けられており、腕受部材2及び連結部材4を介して連結機構10に伝達された作業者1の腕の荷重がこのぜんまいバネ12で吸収される構成となっている。以下、図1,2及び後述の図3を参照しながら、本実施の形態に係る連結機構10の詳細について説明する。
図3は、本発明の実施の形態に係る筋力補助装置の連結機構を示す分解斜視図である。
連結機構10は、本発明の第1軸支持部材に相当するケース11、ぜんまいバネ12、本発明の第2軸支持部材に相当するカバー13、回転軸14、ピニオン15、ラック16、及び、スライド機構17を備えている。
ケース11は、胴体固定部3(より詳しくは、作業者1が筋力補助装置100を装着した際に、作業者1の側方となる位置)に接続固定される略円盤状の板部材と、該板部材の周縁部から延設された側壁部と、を備える。このケース11の板部材には、例えば略中央部に、軸受部11bが形成されている。また、ケース11の板部材には、軸受部11bから所定距離離れた位置に、固定軸11aが設けられている。本実施の形態では、固定軸11aは、作業者1が筋力補助装置100を装着した際に軸受部11bの後方斜め上側となる位置に設けられている。なお、本実施の形態ではケース11を有底円筒形状に形成しているが、ケース11の形状はこれに限定されるものではない。例えば、有底の略角筒形状に形成しても勿論よい。換言すると、ケース11の板部材を例えば略正方形や略長方形に形成してもよい。また、本実施の形態では、後述のぜんまいバネ12を覆うためにケース11に側壁部を形成しているが、ぜんまいバネ12を覆う必要が無い場合は側壁部を形成する必要は特にない。
ぜんまいバネ12は、弾性体である板部材の両端が渦巻き状に巻かれたN型のぜんまいバネである。このぜんまいバネ12の一方の端部12aは、ケース11の固定軸11aに固定されている。
カバー13は、ケース11の板部材の形状(換言すると、ケース11の開口部の形状)に対応して略円盤状に形成された板部材である。カバー13はケース11の開口部を閉塞するように設けられ、ケース11とカバー13によってぜんまいバネ12を覆う構成となっている。このカバー13には、ケース11の軸受部11bと対向する位置に、軸受部13aが設けられている。
上述したケース11の軸受部11b及びカバー13の軸受部13aには、回転軸14が回転自在に支持されている。詳しくは、回転軸14は、一方の端部がケース11の軸受部11bに回転自在に支持され、途中部がカバー13の軸受部13aに回転自在に支持され、他方の端部がカバー13から突出して設けられている。そして、回転軸14は、軸受部11bの支持箇所とカバー13の支持箇所との間に、ぜんまいバネ12の他方の端部12bが固定されている。また、回転軸14のカバー13から突出した部分には、ピニオン15が固定されている。
また、カバー13におけるケース11とは反対側の面(つまり、回転軸14が突出し、ピニオン15が設けられた側の面)には、スライド機構17が設けられている。このスライド機構17は、ベース部17a及び該ベース部17aに直動自在に支持された可動部17bを備え、ベース部17aがカバー13に固定されている。また、スライド機構17の可動部17bには、ピニオン15と噛み合うように、ラック16が取り付けられている。そして、連結機構10に接続される連結部材4の端部は、このラック16に接続固定されている。なお、本実施の形態に係るスライド機構17には、可動部17bの稼働範囲を一定の距離に規制するストッパー(図示せず)が設けられている。
このように構成された筋力補助装置100においては、作業者1の腕が腕受部材2(より詳しくは腕受部2a)に載せられると、腕の荷重は、連結部材4を介して、連結機構10のラック16に伝達される。そして、腕の荷重が伝達されたラック16は、スライド機構17の直動方向に沿って、下方に移動しようとする。つまり、ラック16は、ピニオン15を回転させようとする。このとき、ピニオン15は回転軸14を介してぜんまいバネ12に接続されているため、ぜんまいバネ12のバネ反力により、作業者1の腕の荷重を吸収することができる。
ここで、本実施の形態に係る筋力補助装置100は、従来の筋力補助装置(例えば、特許文献2に記載の筋力補助装置)と比べ、腕の荷重を吸収するために必要なバネ反力を小さくすることができる。つまり、特許文献2に記載の筋力補助装置においては、形状記憶合金に腕の荷重がかかった際、この形状合金には、胴体固定部との接続位置が支点となり腕受部が力点となるモーメントが作用する。一方、本実施の形態に係る筋力補助装置100においては、腕受部材2にかかった腕の荷重は、スライド部によって直線運動に変えられ、ラック16、ピニオン15及び回転軸14を介してぜんまいバネ12に伝達される。このため、ぜんまいバネ12は、回転軸14が支点となり、ピニオン15のピッチ円半径だけ離れた位置(ピニオン15とラック16の噛み合い位置)が力点となるモーメントが作用する。このため、本実施の形態に係る筋力補助装置100は、従来の筋力補助装置(例えば、特許文献2に記載の筋力補助装置)と比べ、腕の荷重を吸収するために必要なバネ反力を小さくすることができる。
このため、本実施の形態に係る筋力補助装置100は、ぜんまいバネ12としてバネ常数の低いものを用いることができる。つまり、腕受部材2に腕を載せた状態で腕を下方に下ろすと、ラック16がスライド機構17の可動部17bの可動方向に沿って下方に移動し、ピニオン15及び回転軸14を介してぜんまいバネ12が巻かれることとなる。このとき、ぜんまいバネ12としてバネ常数の低いものを用いることにより、ぜんまいバネ12のバネ反力の増加が少なくなる。つまり、本実施の形態に係る筋力補助装置100は、腕受部材2に腕を載せた状態で腕を下方に下ろした際、作業者1の腕に付与されるバネ12のバネ反力の増加が少ないので、作業者1は容易に腕を下ろすことができる。また、腕受部材2に腕を載せた状態で腕を上方に上げると、ぜんまいバネ12に付与される荷重が減少するため、ぜんまいバネ12は渦巻きが緩む方向に変形する。これにより、ラック16は、スライド機構17の可動部17bの可動方向に沿って上方に移動する。このとき、ぜんまいバネ12としてバネ常数の低いものを用いることにより、ぜんまいバネ12のバネ反力の減少が少なくなるので、作業者1の腕の上げに対応して、腕受部材2は良好に追従することができる。なお、ぜんまいバネ12として定荷重バネを用いることにより、作業者1が腕を上下動させた際におけるぜんまいバネ12のバネ反力を一定にすることができ、腕の上下動がより容易となる。
上記のように、本実施の形態に係る筋力補助装置100は、作業者1の腕の荷重を吸収しつつ、作業者1の腕の上下動も容易となっている。このため、例えば、船舶を建造する際の溶接作業や研磨作業に用いることができる。
図4は、船舶を建造する際の溶接作業時や研磨作業時に作業者の肩周りに働くモーメントを説明するための説明図である。
図4(a)に示すように、作業者1が作業道具50を持って溶接作業や研磨作業を行うと、作業者1の肩関節周りには、図4に示すようなモーメントT[Nm]が作用する。詳しくは、図4(b)の「A」は、作業者1が重量2[kg]の作業道具50を持って前後方向に溶接作業を行う際に、肩関節周りに作用するモーメントT[Nm]を示している。また、図4(b)の「B」は、作業者1が重量2[kg]の作業道具50を持って左右方向に溶接作業を行う際に、肩関節周りに作用するモーメントT[Nm]を示している。また、図4(b)の「C」は、作業者1が重量2.4[kg]の作業道具50を持って研磨作業を行う際に、肩関節周りに作用するモーメントT[Nm]を示している。
図4(b)からわかるように、作業者1が重量2[kg]の作業道具50を持って前後方向に溶接作業を行う際、作業者1の肩関節周りには、最小で13.8[Nm]、最大で14.1[Nm]のモーメントTが作用している。また、作業者1が重量2[kg]の作業道具50を持って左右方向に溶接作業を行う際、作業者1の肩関節周りには、最小で13.1[Nm]、最大で14.5[Nm]のモーメントTが作用している。また、作業者1が重量2.4[kg]の作業道具50を持って研磨作業を行う際、作業者1の肩関節周りには、最小で16.7[Nm]、最大で18.8[Nm]のモーメントTが作用している。つまり、船舶を建造する際に作業者1が溶接作業及び研磨作業を行うと、作業者1の肩関節周りには、最小で13.1[Nm]、最大で18.8[Nm]のモーメントTが作用する。
ここで、図4(a)に示すように、肩から肘までの長さをL[m]、肩関節周りに作用するモーメントT[Nm]を吸収するために必要な肘の押上力をF[N]とすると、これらT[Nm]、L[m]及びF[N]は、下記(1),(2)の関係となる
T[Nm]=F×L[Nm]…(1)
F[N]=T[Nm]/L[m]…(2)
つまり、肩から肘までの長さL[m]を0.3[m]とすると、作業者1の肩関節周りに作用する最小モーメントT=13.1[Nm]を吸収するために必要な肘の押上力F[N]は、43.7[N]となることがわかる。また、肩から肘までの長さL[m]を0.3[m]とすると、作業者1の肩関節周りに作用する最大モーメントT=18.8[Nm]を吸収するために必要な肘の押上力F[N]は、62.7[N]となることがわかる。
したがって、船舶を建造する際の溶接作業時や研磨作業時に本実施の形態に係る筋力補助装置100を使用する場合、腕受部材2に作用する力(作業者1の腕を持ち上げる方向に働く力)が約43[N]〜63[N]となるようにぜんまいバネ12及びピニオン15のピッチ円半径を設定すればよいことがわかる。つまり、ぜんまいバネ12に定荷重バネを用いる場合には、腕受部材2に作用する力が約43[N]〜63[N]となる定荷重バネを選定すればよい。
また、ぜんまいバネ12に定荷重バネでないものを用いる場合には、ラック16の可動範囲において腕受部材2に作用する力が約43[N]〜63[N]となるように、ぜんまいバネ12のバネ定数を選定すればよい。例えば、本実施の形態では、バネ定数300[Nmm/回]〜500[Nmm/回]のぜんまいバネ12を想定している。例えば、バネ定数300[Nmm/回]のぜんまいバネ12の場合、ピッチ円半径が25[mm]のピニオン15を用いると、出力が1[N]変化するラック16の変位は13.6[mm]となる。このため、出力が20[N](=63[N]−43[N])変化するラック16の変位は、272[mm]となる。したがって、ラック16の可動範囲を272mm以内とすればよい。また例えば、バネ定数300[Nmm/回]のぜんまいバネ12の場合、ピッチ円半径が50[mm]のピニオン15を用いると、出力が1[N]変化するラック16の変位は53.4[mm]となる。このため、出力が20[N](=63[N]−43[N])変化するラック16の変位は、1068mmとなる。したがって、ラック16の可動範囲を1068mm以内とすればよい。また例えば、バネ定数500[Nmm/回]のぜんまいバネ12の場合、ピッチ円半径が25[mm]のピニオン15を用いると、出力が1[N]変化するラック16の変位は7.8[mm]となる。このため、出力が20[N](=63[N]−43[N])変化するラック16の変位は、156mmとなる。したがって、ラック16の可動範囲を156mm以内とすればよい。また例えば、バネ定数500[Nmm/回]のぜんまいバネ12の場合、ピッチ円半径が50[mm]のピニオン15を用いると、出力が1[N]変化するラック16の変位は31.4[mm]となる。このため、出力が20[N](=63[N]−43[N])変化するラック16の変位は、628mmとなる。したがって、ラック16の可動範囲を628mm以内とすればよい。
以上、本実施の形態に係る筋力補助装置100においては、作業者1の荷重を吸収しつつ、作業者1の腕の上下動にも良好に追従できる構成となっているので、船舶を建造する際の溶接作業時や研磨作業時においても作業者1の腕の荷重を良好に吸収することができる。このとき、本実施の形態に係る筋力補助装置100は、電気エネルギーの供給が不要な構成となっているので、充電機器や電力供給ケーブル等が不要となり、筋力補助装置100を小型化できるという効果も得られる。このため、作業者1への筋力補助装置100の重量による負担が少なく、長時間にわたって溶接作業や研磨作業を行っても作業者1の疲労を抑制することができる。また、本実施の形態に係る筋力補助装置100は、電気エネルギーの供給が不要な構成となっているので、簡略な構造で安価に製作することもできる。
また、本実施の形態に係る筋力補助装置100のぜんまいバネ12に定荷重バネを用いることにより、作業者1が腕を上下動させた際におけるぜんまいバネ12のバネ反力を一定にすることができ、より作業性がよい筋力補助装置100を得ることができる。
また、本実施の形態に係る筋力補助装置100は、腕受部材2に上部が開口した断面U字形状の腕受部2aを備えている。このため、作業道具50を交換する際や腕を上方に持ち上げる必要がない状態において、腕受部2aから腕を容易に取り出すことができ、より作業性のよい筋力補助装置とすることができる。
また、本実施の形態に係る筋力補助装置100は、スライド機構17に可動部17bの可動範囲を規制するストッパーを設けているので、ぜんまいバネ12が塑性変形することを防止できる。
なお、本実施の形態では、連結機構10(より詳しくは、ケース11)を胴体固定部3に直接固定したが、例えば図5に示すようなジョイント20を介して、連結機構10を胴体固定部3に接続してもよい。詳しくは、図5に示すジョイント20は、胴体固定部3を挟持する挟持部材21,22と、挟持部材22に取り付けられ、横方向に突設された凸部23aを有する接続部材23と、凸部23aが回転自在に挿入される凹部24a及び凸部23aと略直角に突設された凸部24bを有する接続部材24と、連結機構10のケース11に取り付けられ、凸部24bが回転自在に挿入される凹部25aを有する固定部材25と、を備えている。つまり、ジョイント20は、2つの軸心31,32で回転可能な2自由度のジョイントとなっている。ジョイント20を介して連結機構10を胴体固定部3に接続することにより、作業者1の腕の向きに応じて腕受部材2、連結部材4及び連結機構10の姿勢(傾き)も変更できるので、筋力補助装置100をより作業性のよいものとすることができる。なお、図5で示したジョイント20はあくまでも一例であり、1自由度や3自由度のジョイントを介して、連結機構10を胴体固定部3に接続してもよい。このようなジョイントを用いても同様の効果を得ることができる。
また、図6に示すように、ジョイント(例えばジョイント20)を、腕受部材2と連結部材4との間に設けてもよい。つまり、ジョイントを介して、腕受部材2と連結部材4とを接続してもよい。作業者1の腕の向きに応じて腕受部材2の姿勢も変更できるので、腕受部材2の内面(作業者1の腕に接触する面)が常に作業者の腕に密着し、筋力補助装置100の装着感を向上させることができる。
また、本実施の形態では、胴体固定部3のみによって作業者1が筋力補助装置100を装着する構成となっていたが、作業者1の筋力補助装置100の装着方法はこれに限定されるものではない。例えば、図7に示すように、胴体固定部3に接続された肩掛け部7を筋力補助装置100に備えてもよい。肩掛け部7を作業者1の肩に掛けることにより、筋力補助装置100の荷重や当該筋力補助装置100にかかる腕の荷重を、作業者1の腰と肩に分散することができる。このため、装着時に疲労感をより抑制することが可能な筋力補助装置100を得ることができる。
また、本実施の形態では、ピニオン15及びラック16により回転軸14とスライド機構17の可動部17bとを接続する構成としたが、ピニオン15及びラック16を用いず、回転軸14とスライド機構17の可動部17bとを固定してもよい。そして、スライド機構17を、回転軸14を中心とした円弧に沿って可動部17bが移動自在となるように、ベース部17aが可動部17bを支持する構成にしてもよい。このように回転軸14とスライド機構17の可動部17bとを固定することにより、当該可動部17b、連結部材4及び腕受部材2を弾性的に回動させて、腕に伝わる負荷を低減することができる。この際、回転軸14が支点となりスライド機構17の可動部17bが力点となるモーメントをぜんまいバネ12が吸収できればよいので、ピニオン15及びラック16により回転軸14とスライド機構17の可動部17bとを接続した筋力補助装置100と同様に、従来の筋力補助装置(例えば、特許文献2に記載の筋力補助装置)と比べて腕の荷重を吸収するために必要なバネ反力を小さくすることができる。
また、本実施の形態では、船舶を建造する際の溶接作業時や研磨作業時に使用することを想定した筋力補助装置100について説明したが、筋力補助装置100の使用用途はこれに限定されるものではない。船舶製造時のガウジング作業、高い位置に実をつける果実等(例えば、みかんやブドウ等)の収穫作業等、作業者1が腕を上げながら行う種々の作業に筋力補助装置100を使用できることはいうまでもない。このとき、片方の腕のみを上げる作業に筋力補助装置100を用いる場合には、腕受部材2、連結部材4及び連結機構10を胴体固定部3の片側のみに設ければよい。
1 作業者、2 腕受部材、2a 腕受部、3 胴体固定部、4 連結部材、4a 第1連結部材、4b 第2連結部材、7 肩掛け部、10 連結機構、11 ケース(第1軸支持部材)、11a 固定軸、11b 軸受部、12 ぜんまいバネ、12a,12b 端部、13 カバー(第2軸支持部材)、13a 軸受部、14 回転軸、15 ピニオン、16 ラック、17 スライド機構、17a ベース部、17b 可動部、20 ジョイント、21 挟持部材、22 挟持部材、23 接続部材、23a 凸部、24 接続部材、24a 凹部、24b 凸部、25 固定部材、25a 凹部、31 軸心、32 軸心、50 作業道具、100 筋力補助装置。

Claims (8)

  1. 作業者の胴体に装着される胴体固定部と、
    作業者の腕を下方から支持する腕受部材と、
    一方の端部が前記腕受部材に接続された連結部材と、
    前記連結部材の他方の端部と前記胴体固定部とを接続する連結機構と、
    を備え、
    前記連結機構は、
    前記胴体固定部に接続され、固定軸及び第1軸受部が形成された第1軸支持部材と、
    一方の端部が前記第1軸支持部材の前記固定軸に固定されたぜんまいバネと、
    前記第1軸支持部材に固定され、第2軸受部が形成された第2軸支持部材と、
    一方の端部が前記第1軸支持部材の前記第1軸受部に回転自在に支持され、途中部が前記第2軸支持部材の前記第2軸受部に回転自在に支持され、前記第1軸受部の支持箇所と前記第2軸受部の支持箇所との間に、前記ぜんまいバネの他方の端部が固定された回転軸と、
    前記回転軸の他方の端部に固定されたピニオンと、
    ベース部及び該ベース部に直動自在に支持された可動部を有し、前記ベース部が前記第2軸支持部材に固定されたスライド機構と、
    前記ピニオンに噛み合う状態で前記スライド機構の前記可動部に固定され、前記連結部材の他方の端部が接続されたラックと、
    を備えたことを特徴とする筋力補助装置。
  2. 前記ぜんまいバネが定荷重バネであることを特徴とする請求項1に記載の筋力補助装置。
  3. 前記ぜんまいバネは、バネ定数が300[Nmm/回]〜500[Nmm/回]であることを特徴とする請求項1に記載の筋力補助装置。
  4. 前記腕受部材は、作業者の腕を下方より支持する断面U字形状の腕受部を備えたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の筋力補助装置。
  5. 前記胴体固定部に接続され、作業者の肩に掛けられる肩掛け部を備えたことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の筋力補助装置。
  6. 前記胴体固定部と前記第1軸支持部材との間は、少なくとも1自由度のジョイントを介して接続されていることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の筋力補助装置。
  7. 前記腕受部材と前記連結部材との間は、少なくとも1自由度のジョイントを介して接続されていることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の筋力補助装置。
  8. 前記スライド機構には、前記可動部の可動範囲を規制するストッパーが設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の筋力補助装置。
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