JP5397460B2 - 耐疲労亀裂伝播特性に優れる鋼材の製造方法 - Google Patents

耐疲労亀裂伝播特性に優れる鋼材の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、使用条件によっては、構造物に負荷される変動荷重により疲労亀裂が発生し、疲労破壊が懸念される、船舶、橋梁、海洋構造物などの大形構造物に溶接して使用される鋼材(厚板、形鋼)に適した、耐疲労亀裂伝播特性に優れた鋼に関するものである。
鋼板に連続的に変動荷重が与えられると、疲労亀裂が発生する場合がある。特に溶接部では、溶接金属と鋼材との間に不連続な形状変化、組織変化や残留応力変化が存在するために応力が集中しやすく、疲労亀裂の発生点になりやすい。
また、通常、発生した疲労亀裂は伝播を続け、最悪の場合には構造物自体の破壊となる。構造物が船舶、橋梁、海洋構造物などであれば、破壊した場合の社会的影響は大きく、多くの場合は人命の危険を伴うことが予想される。
これら構造物では、溶接部からの疲労破壊の発生を防止するため、構造的に応力集中が生じない設計を採用したり、適切な溶接条件の選定により溶接金属と母材との境界で応力集中が生じることを回避している。
構造物に疲労亀裂が発生した場合、鋼材の疲労伝播速度が遅ければ、構造物の破壊を生じる前に定期点検で亀裂を発見し、補修することが可能で、補修の頻度ひいては定期点検の頻度を低減させ、ライフサイクルコスト的に有利となる。
鋼材の耐疲労亀裂伝播特性に関しては、ミクロ組織において軟質フェライト相に硬質なパーライトやベイナイトあるいはマルテンサイト相を分散させ、その硬度差や第2相の分散状態や量を規定すること、および当該ミクロ組織を有する鋼板の製造方法に関して多数の提案がなされている(例えば、特許文献1〜5)。
特開平6−271984号公報 特許第3037855号公報 特許第2962134号公報 特開平08−739100号公報 特開2001−316756号公報
しかしながら、構造体の設計方法により疲労破壊を防止する場合、設計に大きな制約が生じるために効率的な設計ができず、一方、溶接施工側で応力集中を防止することは溶接の仕上に時間がかかり、非効率的であると同時に高コスト化の原因となっている。
また、特許文献1〜5記載の鋼板は成分組成において高価なMoを必須元素として添加したり、製造条件において熱処理条件や冷却方法に制約が多く、大量の鋼板を必要とする大型構造物への適用は必ずしも容易でなかった。
そこで本発明は、特殊な製造条件を用いずに製造可能な耐疲労亀裂伝播特性に優れる溶接構造用鋼材を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決するため、軟質なフェライト相に硬質な第2相が分散した鋼として、フェライト・パーライト鋼を対象に、耐疲労亀裂伝播特性に優れたミクロ組織および該ミクロ組織を得るための成分組成および製造条件について、従来技術とは全く発想が異なる鋼素材の凝固ミクロ偏析に着目して、種々検討を行った。
その結果、1.特定の体積率(体積分率)及びアスペクト比(伸長性)を有する粒状パーライト組織が耐疲労亀裂伝播特性に優れること、2.そのような組織が偏析度と偏析部のフェライト変態挙動に依存し、ミクロ偏析する成分元素の調整や、素材製造段階で生じるミクロ偏析を溶体化処理により軽減することで得られることを見出した。
本発明は得られた知見を基に更に検討を加えてなされたもので、すなわち本発明は、
1.質量%で、
C:0.05〜0.2%
Si:0.05〜0.7%
Mn:1.482.5
P:0.03%以下
S:0.02%以下
Al:0.005〜0.1%
Ti:0.005〜0.03%を満足し、
更に、
Cu:0.05〜1%
Ni:0.05〜4%
Cr:0.01〜2%
Mo:0.01〜1%
Nb:0.003〜0.1%
V:0.003〜0.5%
B:0.0005〜0.004%
の1種または2種以上を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる鋼を1200℃〜1350℃に5h以上保持する溶体化処理した後、Ar以下まで冷却し、再度1000〜1350℃に加熱後、熱間圧延を行い、パーライト、ベイナイト、マルテンサイトの少なくとも1種以上の第2相が体積率15%以上24.6%以下、アスペクト比:5以下であることを特徴とする耐疲労亀裂伝播特性に優れた鋼材の製造方法。
2.1に記載の成分組成の鋼を1200℃〜1350℃に5h以上保持する溶体化処理後Ar1以下まで冷却し、再度1000〜1350℃に加熱後、熱間圧延後、加速冷却を行うことを特徴とする耐疲労亀裂伝播特性に優れた鋼材の製造方法。
3.1または2に記載の成分組成の鋼を1200℃〜1350℃に5h以上保持する溶体化処理後Ar以下まで冷却し、再度1000〜1350℃に加熱後、熱間圧延し、加速冷却後、Ac点以下の温度で焼戻しを行うことを特徴とする耐疲労亀裂伝播特性に優れた鋼材の製造方法。
本発明によれば、ミクロ組織において硬質第2相が分散し、耐疲労亀裂伝播特性の優れた溶接構造用鋼材を極めて容易に実製造することが可能で、産業上極めて有用である。
耐疲労亀裂伝播特性に及ぼす第2相の体積分率およびアスペクト比の影響を示す図。 バンド状硬質第2相の形成機構を示す模式図。 溶体化処理がミクロ組織に及ぼす影響を示す図。 溶体化処理が耐疲労亀裂伝播特性に与える影響を示す図。
本発明は、ミクロ凝固偏析が少ない成分組成とし、溶体化処理を施した後、熱間圧延を行うことを特徴とする。以下、成分組成、製造条件および得られるミクロ組織について詳細に説明する。尚、成分組成において%は質量%とする。
[成分組成]
C:0.05〜0.2%
Cは、強度を向上させ、硬質第2相であるパーライト、ベイナイトまたはマルテンサイト分率を支配する基本的な元素であり、溶接構造用鋼としての強度を確保し、硬質第2相であるパーライト、ベイナイトまたはマルテンサイトの体積率を15%以上確保するため、最低0.05%以上必要である。
一方、Cが0.2%を越えての添加は、溶接構造用鋼にとって基本となる溶接性を低下させるために、上限を0.2%とした。好ましくは、0.08〜0.18%の範囲のC量とすることが好ましい。
Si:0.05〜0.7%以下
Siは、鋼中へ固溶し強度を上昇させる基本的な元素であるが、そのような効果を期待するためには最低0.05%以上の添加が必要である。一方、0.7%を越えての添加は母材および溶接熱影響部の靭性を損なうため、上限を0.7%とした。好ましくは、0.6%を上限とすることが望ましい。
Mn:0.05〜2.5%
Mnは、溶接構造用鋼の高強度化に有用な元素であることから、0.05%以上を添加する。しかしながら、2.5%を越えての添加は、溶接性を阻害することから、上限を2.5%とした。
P:0.03%以下
Pは、鋼中へ不可避的に存在し脆化を促進させることから、少ないことが望ましい。しかしながら、Pを低減することは溶製上、多大なコストアップを招き、実用性を損なうことから、0.03%を上限とした。好ましくは、0.025%を上限とすることが望ましい。
S:0.02%以下
Sも鋼中に不可避的に存在し、MnSを形成して、フェライトの変態核となり、硬質第2相のバンド化を促進させることから、少ないことが望ましい。しかしながら、Sを低減することは溶製上、多大なコストアップを招き、実用性を損なうことから、0.02%を上限とした。好ましくは、0.015%を上限とするのが望ましい。
Al:0.005〜0.1%
Alは脱酸元素として最も有効であり、鋼中の酸化物系介在物を低減することで、鋼材の靭性、延性を向上させる。しかしながら、0.005%未満ではその効果が小さく、逆に0.1%を越えての添加は効果が飽和し、逆に靭性を低下させる。したがって、0.005〜0.1%の範囲とした。
Ti:0.005〜0.03%
TiはTiNとしてフリーNの固定化に有効であり、溶接熱影響部の靭性向上も期待できるが、0.005%未満ではその効果が小さく、逆に0.03%を越えての添加は、Ti炭化物の析出に伴い、耐疲労亀裂伝播特性や靭性の低下をもたらすことから、上限を0.03%とした。
以上が本発明の基本成分組成であるが、更に特性を向上させる場合、Cu、Ni、Cr、Mo、Nb、V、B、Ca、Mg、REMの1種または2種以上を選択元素として添加する。
Cu:0.05〜1
CuはCrと同様に、母材の高強度化に対して多量に添加しても、ミクロ偏析に伴うArへの影響が小さく、ベイナイトまたはマルテンサイトの粒状化に対して有効な元素である。
しかし、0.05%未満ではその効果が小さく、逆に1%を越えての添加は、Cu析出に伴う脆化を助長するので、上限を1%とした。なお、Cuは熱間脆性も促進させることから、添加に際しては、Niとの併用が好ましい。
Ni:0.05〜4
Niは、母材や溶接熱影響部の靭性を損なうことなく、高強度化を得る有効な元素であるが、0.05%未満ではその効果が得られない。一方、4%を越えて添加しても疲労特性に与える影響は飽和することから、実用性を考慮し、上限を4%とした。
Cr:0.05〜2%
Crは、母材の高強度化に対して多量に添加しても、ミクロ偏析に伴うArへの影響が小さく、ベイナイトまたはマルテンサイトの粒状化に対して有効な元素である。しかしながら、0.05%未満では高強度化に対して不十分であり、逆に2%を越えての添加は、溶接性を損なうために、上限を2%とした。
Mo:0.01〜1%
Moは焼入れ性を増加させ、厚肉材の高強度化を図る有用な元素であり、その効果を期待する際には0.01%以上の添加が必要である。一方、Moの増加は溶接性を低下させるので、上限を1%とした。
Nb:0.003〜0.1%
Nbは、微量の添加で組織の微細化とNbの析出強化により極めて熱間圧延溶接構造用鋼材の高強度化に対して有効な元素であるが、0.003%以上の添加を必要とする。一方、0.1%を越えての添加は逆に靭性を損なうので、上限は0.1%とした。
V:0.003〜0.5%
VもNbと同様に微量添加で高強度化を得る有用な元素であり、その効果を得るためには0.003%以上添加する必要がある。逆に、0.5%を越えての添加は、HAZ靭性を低下させることから、上限を0.5%とした。
B:0.0005〜0.004%
Bは、焼入れ性を向上させる有用な元素であるが、その効果を期待する場合には0.0005%以上の添加が必要である。逆に、0.004%を越えての添加しても効果は飽和することから、上限を0.004%とした。
Ca:0.0005〜0.006%
Caは鋳造時のノズル詰まり防止や介在物の形態を制御し、いっそうのHAZ靭性向上を期待する場合に添加するが、その量が0.0005%未満では効果がなく、逆に0.006%を越えて添加すると清浄性を損なうことから、上限を0.006%とした。
Mg:0.0005〜0.006%
Mgは、鋼中のSを固定して鋼板の靭性を向上させる働きや微細な酸化物や酸硫化物あるいはそれらの複合の介在物となりTiNの析出の核として微細分散に効果的な元素である。この効果は0.0005%以上の添加で有効となり、0.006%を越えて添加すると効果が飽和するとともに鋼中の介在物量が粗大化および増加し、清浄性を阻害し靭性をかえって劣化させる。
REM:0.0005〜0.02%
REMは、鋼中のSを固定して鋼板の靭性を向上させる働きや微細な酸化物や酸硫化物あるいはそれらの複合の介在物となりTiNの析出の核として微細分散に効果的な元素である。この効果は0.0005%以上の添加で有効となり、0.02%を越えて添加すると効果が飽和するとともに鋼中の介在物量が粗大化および増加し、清浄性を阻害し靭性をかえって劣化させる。
[製造条件]
上記組成の溶鋼を、転炉、電気炉、真空溶解炉等通常の方法で溶製し、連続鋳造法、造塊法などの通常公知の鋳造方法でスラブ等の圧延素材とする。
溶体化処理
本発明で、溶体化処理は、ミクロ凝固偏析を解消し、耐疲労亀裂伝播特性を向上させる重要な工程である。
図2は、高Mn鋼においてパーライトがバンド状に伸長する機構を模式的に説明する図で、高Mn鋼の場合、Mnのミクロ凝固偏析(C/Co)が増加し、γ域の圧延中でMnが正偏析、負偏析したミクロ偏析部が層状に形成される(a)。
Mnが負偏析した領域はAr点が高くなるため、冷却過程において先行してフェライト変態が生じ、このフェライト変態に伴いMn正偏析部に炭素が排出される(b)。その結果、Mn正偏析部において炭素が濃化してパーライト変態し、パーライトがバンド化する(c)。
すなわち、添加した合金がミクロ偏析して過度に正負ミクロ偏析部のフェライト変態温度(Ar)差が拡大した場合に、バンド状のパーライトが形成され、パーライトを粒状化するためには、正負ミクロ偏析部のAr温度差を小さくすることが有効である。
図3は、溶体化処理がミクロ組織に及ぼす影響を示す図で、(a)はSi−Mn鋼、(b)はNb添加鋼の場合を示す。
ミクロ組織は素材を1250℃−50hの溶体化処理後、1100℃に再加熱し、圧延仕上げ温度920℃で板厚22mmに熱間圧延後、空冷させ、L、C、およびZ断面を観察した。溶体化処理を行うことで、硬質第2相が粒状化し、ミクロ組織の異方性が極めて少なくなる。
図4は、図3で示した其々のミクロ組織を有する鋼の耐疲労亀裂伝播特性で、(a)はSi−Mn鋼、(b)はNb添加鋼の場合を示す。溶体化処理された鋼では耐疲労亀裂伝播特性が向上する。
以下、本発明の溶体化処理条件を具体的に説明する。本発明に係る成分組成の素材では1200〜1350℃の温度範囲で少なくとも5h以上加熱、保持を行うことが望ましい。
加熱温度が1200℃未満では、溶体化が不十分で第2相がバンド化し、逆に1350℃を越えての加熱はスケールロスや表面疵が増加する。よって、加熱温度は1200〜1350℃の範囲が望ましい。保持時間については、5h未満では溶体化の効果が小さいので、5h以上とすることが望ましく、一方、上限については特に規定しないが、生産性を考慮すると100h以下が望ましい。
再加熱条件
溶体化処理後、Ac1点以下まで冷却した後、1000〜1350℃に再加熱する。再加熱は溶体化処理で粗大化したγを微細化させるために必要な工程で、Ac1点以上の温度から再加熱すると、γの再結晶が不十分で粗大なまま残留し、母材の靭性を低下させるためAc1点以下まで冷却する。
再加熱温度は、1000〜1350℃とする。1000℃未満では添加元素が十分固溶しないで、溶接構造用鋼として必要な強度靭性が得られず、一方、1350℃以上に加熱するとγ粒が粗大化し、溶接構造用鋼として必要な靭性が確保できないため、1000〜1350℃とする。
熱間圧延
再加熱後、熱間圧延を行い所望の板厚とするが、本発明では、所望する強度靭性に応じて、熱間圧延において適宜、圧下率、圧延温度を規定する制御圧延を実施したり、熱間圧延後、加速冷却し、更に焼き戻しを行うことが可能である。熱間圧延、加速冷却および加速冷却後の焼き戻しは常法でよく、本発明では特に規定しない。以下、本発明の効果を実施例で示す。
本発明に係る鋼では、ミクロ組織としてパーライト、ベイナイト、マルテンサイトの少なくとも1種以上の第2相が体積率15%以上、アスペクト比:5以下が得られる。
パーライト、ベイナイト、マルテンサイトの少なくとも1種以上の第2相を有するミクロ組織の鋼では、当該第2相のアスペクト比が5以下の場合、その体積分率が15%以上となると疲労亀裂伝播速度は大きく低下するようになる。尚、第2相のアスペクト比(伸長性)は圧延方向の断面ミクロ組織における平均アスペクト比とする。
図1に、アスペクト比(伸長性)が5以下の第2相の体積率が疲労亀裂伝播速度に与える影響を示す。図では比較のため、アスペクト比(伸長性)が10の鋼について調査した結果を合わせて示す。
試験材はC:0.04〜0.23%、Mn:0.1〜1.6%を含む成分組成でYP:300〜350MPaの鋼で、第2相はパーライト、ベイナイト、マルテンサイトの少なくとも1種以上に調整した。
アスペクト比(伸長性)が5以下の第2相の場合、体積率が15%以上では疲労亀裂伝播速度は大きく低下し、アスペクト比(伸長性)が10の場合は体積率が増加しても疲労亀裂伝播速度の低下は小さい。
常用プロセスにより溶製した鋼素材を用いて、厚鋼板および形鋼を常用プロセスにて製造し、強度、靭性および耐疲労亀裂伝播特性を調べた。供試材の化学組成および製造条件を表1に、得られた鋼材のミクロ組織、強度、靭性およびΔK=25MPa√mにおける疲労亀裂伝播速度を表2に示す。
開発鋼で溶体化処理条件が好ましい範囲内の表2中、No.2、5、7、9〜11の鋼では、疲労亀裂伝播速度が8×10−8mm/cycle以下と極めて疲労亀裂伝播速度が遅延した鋼材が得られ、表2中、No.3、6の鋼は8〜9×10−8mm/cycleの疲労亀裂伝播速度であった。
一方、溶体化処理を施さず発明範囲を逸脱する鋼で表2中、No.1、4の鋼は、硬質第2相が伸長していることにより、疲労亀裂伝播速度が9.5×10−8mm/cycle以上と高く耐疲労亀裂伝播特性に劣る。

Claims (3)

  1. 質量%で、
    C:0.05〜0.2%
    Si:0.05〜0.7%
    Mn:1.482.5
    P:0.03%以下
    S:0.02%以下
    Al:0.005〜0.1%
    Ti:0.005〜0.03%を満足し、
    更に、
    Cu:0.05〜1%
    Ni:0.05〜4%
    Cr:0.01〜2%
    Mo:0.01〜1%
    Nb:0.003〜0.1%
    V:0.003〜0.5%
    B:0.0005〜0.004%
    の1種または2種以上を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる鋼を1200℃〜1350℃に5h以上保持する溶体化処理した後、Ar以下まで冷却し、再度1000〜1350℃に加熱後、熱間圧延を行い、パーライト、ベイナイト、マルテンサイトの少なくとも1種以上の第2相が体積率15%以上24.6%以下、アスペクト比:5以下であることを特徴とする耐疲労亀裂伝播特性に優れた鋼材の製造方法。
  2. 請求項1に記載の成分組成の鋼を1200℃〜1350℃に5h以上保持する溶体化処理後Ar1以下まで冷却し、再度1000〜1350℃に加熱後、熱間圧延後、加速冷却を行うことを特徴とする耐疲労亀裂伝播特性に優れた鋼材の製造方法。
  3. 請求項1または2に記載の成分組成の鋼を1200℃〜1350℃に5h以上保持する溶体化処理後Ar以下まで冷却し、再度1000〜1350℃に加熱後、熱間圧延し、加速冷却後、Ac点以下の温度で焼戻しを行うことを特徴とする耐疲労亀裂伝播特性に優れた鋼材の製造方法。
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