JP5716419B2 - 耐疲労特性に優れた厚鋼板およびその製造方法 - Google Patents

耐疲労特性に優れた厚鋼板およびその製造方法 Download PDF

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本発明は、溶接鋼構造物用として好適な厚鋼板およびその製造方法に係り、とくに溶接部の耐疲労特性の向上に関する。なお、ここでいう「厚鋼板」は、板厚:40mm以上の鋼板をいうものとする。
橋梁、船舶、建築物、海洋構造物等の溶接構造物や、建設、輸送等に使用する機械、機器に使用される鋼材は、強度、靭性などの機械的性質や溶接性に優れていることはもちろんであるが、稼動時における定常の繰返し荷重や、風、地震等の震動に起因する非定常の繰返し荷重に対しても、構造物の構造安全性を確保できる特性を有することが要求される。
繰返し荷重を受ける溶接鋼構造物の安全性を確保するためには、疲労強度が高い耐疲労特性に優れた鋼材(厚鋼板)を使用することが重要となるが、一般に、鋼材(厚鋼板)母材の疲労強度は、鋼材母材の強度に比例して高くなるが、鋼材溶接部の疲労強度は、母材の疲労強度に比べ低い疲労強度を示す。溶接部の疲労強度が低い理由は、溶接止端部等の形状の不連続による局所的な応力集中部の存在と、溶接時に生じる引張残留応力の存在とによることが知られている。
そして、溶接止端部等の形状の不連続をなくし応力集中を軽減し、溶接部の疲労強度を高くする技術として、TIG溶接等によるドレッシングやグラインダーによる表面仕上げなどの処理が知られている。また、溶接時に生じる引張残留応力を低減あるいは消失させ、さらには圧縮応力を残留させて、溶接部の疲労強度を高くする技術として、ショットピーニング処理や、変態温度の低い溶接材料を使用した溶接施工が知られている。また、応力集中の軽減と残留応力の低下・消滅とを併せて、疲労強度を向上させる技術として、超音波打撃処理が考えられている。しかし、溶接構造物には、規模に応じて、数百あるいは数千もの応力集中個所が存在するため、このような処理を工業的な規模で実施することは、施工時間や施工コストの観点からも、非現実的であると言える。
そこで、たとえ微小疲労亀裂が発生しても、大きな疲労亀裂に進展しないように、鋼材自体に、疲労亀裂の進展抑制効果を付与することが考えられる。例えば、特許文献1には、疲労亀裂が進展しにくい性質を有する鋼板が提案されている。特許文献1に記載された鋼板は、硬質部の素地とこの素地に分散した軟質部とからなる組織を有し、これら硬質部と軟質部の硬度差がビッカース硬さで150HV以上である鋼板である。この鋼板は、中程度のΔK領域において疲労亀裂進展抑制特性に優れており、例えば溶接部から発生した疲労亀裂の進展抑制効果を有し、この鋼板を使用した溶接構造物では、疲労寿命の延長が期待できるとしている。なお、特許文献1に記載された鋼板は、鋼材組成と圧延後の熱処理条件を適正に組合せる方法で製造できるとしている。
また、特許文献2には、耐疲労亀裂伝播特性に優れた厚鋼材が記載されている。特許文献2に記載された厚鋼材は、軟質相と該軟質相を網目状に囲む硬質第二相からなる二相組織を有し、軟質相が、フェライト、焼戻しベイナイト、焼戻しマルテンサイトの1種または2種以上から構成されかつ平均ビッカース硬さが150HV以下、かつ硬質第二相がベイナイト、マルテンサイト、焼戻しベイナイト、焼戻しマルテンサイトの1種または2種以上から構成され、かつ平均ビッカース硬さが250HV以上、かつ硬質第二相の粒界占有率(硬質第二相が占めている粒界長さの総和/総粒界長さ)が0.5以上を満足する厚鋼材であり、母材の疲労亀裂進展速度を、いずれの亀裂進展方向においても顕著に抑制できるとしている。なお、特許文献2に記載された厚鋼材は、予め鋼片に1200〜1350℃で2〜100hの拡散熱処理を施したのち、AC3変態点〜1250℃に加熱し、圧延後にAr3変態点以上から400℃以下まで加速冷却する熱間圧延を施し、さらに二相域に加熱した後400℃以下まで加速冷却する処理を施すか、鋼片を熱間圧延したのち、1150〜1250℃で2〜100hの加熱後、加速冷却する拡散熱処理を施し、さらに二相域に加熱した後400℃以下まで加速冷却する処理を施すことにより、製造できるとしている。
特許第2962134号公報 特許第3785392号公報
しかし、特許文献1に記載された技術では、上記した組織の鋼板を製造するために、圧延後、組成に応じて、直接焼入れ、再加熱焼入れ処理、あるいは二相域加熱焼入れ、さらには焼戻し等の特別な熱処理を必要とし、製造工程が複雑となり、工業的な製造においては問題を残していた。また、特許文献2に記載された技術では、所望の組織を得るために、拡散熱処理と、加速冷却処理、さらには二相域加熱処理を必要とし、製造工程が複雑となるという問題がある。
本発明は、上記した従来技術の問題を有利に解決し、溶接後熱処理を施すことなく溶接ままで、高疲労強度を有する溶接継手部を形成できる、溶接継手部の耐疲労特性に優れた厚鋼板およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記した目的を達成するために、溶接継手部の耐疲労特性に及ぼす各種要因について鋭意研究した。その結果、図1に示す板厚60mmの厚鋼板のように、少なくとも鋼板表裏面から2mmまでの表層領域のみを高硬度化し、板厚の1/4位置から3/4位置までの内層領域の平均ビッカース硬さに比べて、表層領域の平均ビッカース硬さが1.20倍以上高い厚鋼板とすることにより、母材はもちろん、溶接ままでも溶接継手部の疲労強度を向上させることができることを見出した。なお、図1に示す断面硬さ分布を有する厚鋼板は、表層の平均硬さは310HVであり、内層の平均硬さは180HVである。
上記した厚鋼板における溶接継手部の疲労強度向上の機構については、現在までのところ明確になってはいないが、本発明者らは、つぎのように推察している。
鋼板の溶接部に発生する溶接残留応力は、鋼板の組成と溶接熱履歴(溶接熱サイクル)とにより決まることから、溶接条件が同一であれば、溶接の残留応力は鋼板の降伏強さに比例することになる。鋼板表層の硬化領域の存在の有無は溶接の残留応力には影響しない。というのは、鋼板の表層に存在する硬化領域(表層高硬化領域)は、溶接時に消失し、溶接の熱履歴で決定される、低硬さの組織に変化する。このため、表層に硬化領域が存在しない場合の溶接継手部と同等の、溶接残留応力を示すことになる。
溶接止端部では、溶接時の熱履歴により、鋼板の表層に存在する硬化領域が消失し、それより低い硬さの領域(溶接熱影響部)に変化する。しかし、溶接止端部(溶接熱影響部)の大きさが小さい場合には、その周辺の表層硬化領域の拘束により、溶接止端部の強度は見掛け上高くなる。そのため、表層に硬化領域を有する鋼板を用いて作製された溶接継手部では、表層に硬化領域がない鋼板を用いて作製された溶接継手部に比べて、高い疲労強度を示すものと推察される。
なお、表層に硬化領域を存在させることにより、疲労亀裂の起点となる表層が高強度となるため、鋼板母材の疲労強度も高くなる。
本発明は、かかる知見に基づき、さらに検討を加えて完成されたものである。すなわち、本発明の要旨は次のとおりである
)鋼素材に、熱間圧延を施し、厚鋼板とするにあたり、前記鋼素材が、質量%で、C:0.03〜0.15%、Si:0.18〜0.6%、Mn:0.5〜1.79%、P:0.03%以下、S:0.03%以下、Al:0.01%以上0.08%以下、N:0.008%以下を含み、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有し、前記熱間圧延を、加熱温度:1100〜1300℃とし、圧延終了温度を、表面温度で、Ar変態点以上の温度とする圧延とし、該圧延終了後、表面から2mm以内の領域である表層における平均冷却速度で、1℃/s以上15℃/s以下となる冷却を、表層における温度がMs変態温度以下の温度となるまで行なうことを特徴とする板厚40mm以上で、耐疲労特性に優れた溶接鋼構造物用厚鋼板の製造方法。
(2)()において、前記組成に加えてさらに、質量%で、Ni:2%以下、Cu:2%以下、Cr:0.6%以下、Mo:0.6%以下、B:0.005%以下のうちから選ばれた1種または2種以上を含有する組成とすることを特徴とする溶接鋼構造物用厚鋼板の製造方法。
)()または()において、前記組成に加えてさらに、質量%で、Nb:0.1%以下、V:0.2%以下、Ti:0.05%以下のうちから選ばれた1種または2種以上を含有する組成とすることを特徴とする溶接鋼構造物用厚鋼板の製造方法。
)()ないし()のいずれかにおいて、前記組成に加えてさらに、質量%で、Ca:0.004%以下を含有することを特徴とする溶接鋼構造物用厚鋼板の製造方法。
(5)(1)ないし(4)のいずれかに記載の溶接鋼構造物用厚鋼板の製造方法で製造されてなる、表層に硬化領域を有する厚鋼板であって、前記表層が、鋼板表裏面から板厚方向に2mmまでの領域であり、該表裏面から板厚方向に2mmまでの領域の平均ビッカース硬さHVsが、板厚の1/4位置から3/4位置までの領域の平均ビッカース硬さHVmの1.20以上であることを特徴とする板厚40mm以上で、耐疲労特性に優れた溶接鋼構造物用厚鋼板。
)(5)に記載の厚鋼板同士を突合せ、溶接により複数の積層を形成し溶接接合してなる溶接継手。
)()において、前記複数の積層のうち、前記厚鋼板表裏面で止端部を形成する積層が、入熱量:50kJ/cm以下の溶接により形成されてなる積層であることを特徴とする溶接継手。
)(5)に記載の厚鋼板を主板として、該主板に補剛板を隅肉溶接により複数の積層を形成し溶接接合してなる隅肉溶接継手。
)()において、前記複数の積層のうち、前記主板表裏面で止端部を形成する積層が、入熱量:50kJ/cm以下の溶接により形成されてなる積層であることを特徴とする隅肉溶接継手。
本発明によれば、溶接後熱処理を施すことなく溶接ままで、高疲労強度を有する溶接継手部を形成することができ、溶接鋼構造物の疲労寿命が向上し、産業上格段の効果を奏する。
本発明になる厚鋼板の断面硬さ分布の一例を示すグラフである。
本発明になる厚鋼板は、板厚が30mm以上で、降伏強さYSが300MPa以上、引張強さTSが490MPa以上の高強度を有し、表層に硬化領域を有する厚鋼板である。ここでいう「表層」とは、鋼板の表裏面から板厚方向に2mmまでの領域をいうものとする。そして、この鋼板の表裏面から板厚方向に2mmまでの領域(表層)を、板厚の1/4位置から3/4位置までの領域(内層)よりも、ビッカース硬さの平均で1.20倍以上高い硬さを有する硬化領域とする。すなわち、本発明では、鋼板表裏面から板厚方向に2mmまでの領域(表層)の平均ビッカース硬さHVsと、板厚の1/4位置から3/4位置までの領域(内層)の平均ビッカース硬さHVmとの比、HVs/HVmを1.20以上とする。これにより、溶接継手部の耐疲労特性が向上する。
鋼板の表層に存在する硬化領域は、溶接時に消失し、溶接熱履歴により決定されるより低い硬さの組織に変化する。このため、溶接部に残留する応力は、表層に硬化領域が存在しない場合の溶接部と同等の、残留応力となる。一方、溶接の熱影響が及ばない周辺は依然として、表層に硬化領域が存在し、溶接熱影響部を拘束し、その強度が見掛け上高くなる。そのため、表層に硬化領域がない鋼板を用いて作製された溶接部に比べて、高い疲労強度を示すと考えられる。
表層の硬さが、内層の硬さに比べて、ビッカース硬さの平均で1.20倍未満では、溶接止端部の溶接熱影響部への、その周辺の硬化領域からの拘束が不足して、溶接熱影響部の見掛けの強度向上が得られず、所望の溶接継手部の耐疲労特性の向上が得られない。なお、好ましくは溶接部疲労特性の安定確保の観点から1.5倍以上である。
表層に硬化領域を有する本発明厚鋼板は、質量%で、C:0.03〜0.15%、Si:0.05〜0.6%、Mn:0.5〜1.8%、P:0.03%以下、S:0.03%以下、Al:0.08%以下、N:0.008%以下を含み、あるいはさらに、Ni:2%以下、Cu:2%以下、Cr:0.6%以下、Mo:0.6%以下、B:0.005%以下のうちから選ばれた1種または2種以上を含み、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成とすることが好ましい。なお、上記した組成に加えてさらに、質量%で、Nb:0.1%以下、V:0.2%以下、Ti:0.05%以下のうちから選ばれた1種または2種以上、および/または、Ca:0.004%以下、REM:0.02%以下のうちから選ばれた1種または2種を含有してもよい。
以下、厚鋼板の好ましい組成の限定理由について説明する。質量%はとくに断わらない限り、単に%で記す。
C:0.03〜0.15%
Cは、鋼の強度を増加させる作用を有する元素であり、本発明ではとくに表層の硬さ増加に寄与し、疲労強度を顕著に増加させる作用を有する。このような効果を得るためには、0.03%以上の含有を必要とする。一方、0.15%を超えて含有すると、溶接性が低下する。このため、Cは0.03〜0.15%の範囲に限定した。なお、溶接部靭性の観点から好ましくは0.03〜0.10%である。
Si:0.05〜0.6%
Siは、脱酸剤として作用するとともに、固溶して鋼の強度を増加させる作用を有する元素である。このような効果を得るためには、0.05%以上の含有を必要とする。一方、0.6%を超える含有は、靭性を低下させるとともに、溶接性を低下させる。このため、Siは0.05〜0.6%の範囲に限定した。なお、好ましくは0.1〜0.4%である。
Mn:0.5〜1.8%
Mnは、焼入れ性の向上を介し鋼の強度を増加させるとともに、靭性を向上させる作用を有する。このような効果を得るためには、0.5%以上の含有を必要とする。一方、1.8%を超える含有は、溶接性を低下させる。このため、Mnは0.5〜1.8%の範囲に限定した。なお、好ましくは1.0〜1.6%である。
P:0.03%以下
Pは、粒界等に偏析し、靭性を劣化させるため、できるだけ低減することが望ましいが、0.03%までは許容できる。このため、Pは、0.03%以下に限定した。なお、好ましくは0.015%以下である。
S:0.03%以下
Sは、鋼中では、介在物として存在し延性、靭性等を劣化させるため、できるだけ低減することが望ましいが、0.03%までは許容できる。このようなことから、Sは0.03%を上限とした。なお、好ましくは0.01%以下である。
Al:0.08%以下
Alは、脱酸剤として作用するとともに、結晶粒の微細化にも寄与する元素である。このような効果を得るためには、0.01%以上含有することが望ましいが、0.08%を超える過剰の含有は、靭性の低下に繋がる。このため、Alは0.08%以下に限定した。なお、好ましくは0.05%以下である。
N:0.008%以下
N(全N量)は、Cと同様に、固溶強化により鋼の強度を増加させる元素であるが、過剰な含有は靭性の低下を招くため、本発明ではNは0.008%以下に限定した。
上記した成分が基本の成分であるが、本発明では上記した基本の組成に加えてさらに、Ni:2%以下、Cu:2%以下、Cr:0.6%以下、Mo:0.6%以下、B:0.005%以下のうちから選ばれた1種または2種以上を含有する組成とすることができる。
Ni、Cu、Cr、Mo、Bはいずれも、強度を増加させる作用を有する元素であり、必要に応じて、選択して含有できる。
Niは、焼入れ性向上を介して鋼の強度を増加させるとともに、靭性を向上させる作用を有する元素である。また、Niは、Cu含有時にCuによる熱間脆性の発生を防止する作用をも有する。このような効果を確保するためには、0.08%以上の含有を必要とする。一方、2%を超える含有は、鋼材コストの高騰を招くとともに、溶接性が低下する。このため、Niは含有する場合には2%以下に限定することが好ましい。なお、より好ましくは0.08〜2%である。
Cuは、固溶強化を介して鋼の強度を増加させる作用を有する元素である。このような効果を確保するためには、0.02%以上の含有を必要とする。一方、2%を超える含有は、溶接性が低下するとともに、鋼材製造時に疵が生じやすくなる。このため、含有する場合には、Cuは2%以下に限定することが好ましい。なお、より好ましくは、0.02〜1%である。
Crは、焼入れ性の向上や焼戻軟化抵抗の増加を介して鋼の強度を増加させる作用を有する元素である。このような効果は、0.02%以上の含有で認められる。一方、0.6%を超える含有は、溶接性と靭性を低下させる。このため、含有する場合には、Crは0.6%以下に限定することが好ましい。なお、より好ましくは、0.02〜0.5%である。
Moは、焼入れ性の向上や焼戻軟化抵抗の増加を介して鋼の強度を増加させる作用を有する元素である。このような効果は、0.01%以上の含有で認められる。一方、0.6%を超える含有は、溶接性と靭性を低下させる。このため、含有する場合には、Moは0.6%以下に限定することが好ましい。なお、より好ましくは、0.01〜0.2%である。
Bは、少量の含有で焼入れ性を向上させ、鋼の強度を増加させる作用を有する元素である。このような効果は0.0003%以上の含有で認められる。一方、0.005%を超える含有は、溶接性を低下させる。このため、含有する場合には、Bは0.005%以下に限定することが好ましい。なお、より好ましくは0.003%以下である。
また、上記した各組成に加えてさらに、必要に応じて、Nb:0.1%以下、V:0.2%以下、Ti:0.05%以下のうちから選ばれた1種または2種以上を含有してもよい。
Nb、V、Tiは、いずれも析出強化を介して鋼の強度を増加させる元素であり、必要に応じて、選択して含有できる。
Nbは、焼戻時に炭化物として析出し、析出強化に寄与する元素である。また、Nbは圧延・焼入れ時のオーステナイト粒を細粒化する作用も有する。このような効果は、0.005%以上の含有で顕著となるが、0.1%を超える含有は、靭性を低下させる。このため、含有する場合には、Nbは0.1%以下に限定することが好ましい。なお、より好ましくは0.05%以下である。
Vは、焼戻時に炭化物として析出し、析出強化に寄与する元素である。また、Vは、圧延・焼入れ時のオーステナイト粒を細粒化する作用も有する。このような効果は、0.005%以上の含有で顕著となるが、0.2%を超える含有は、靭性を低下させる。このため、含有する場合には、Vは0.2%以下に限定することが好ましい。なお、より好ましくは0.1%以下である。
Tiは、焼戻時に炭化物として析出し、析出強化に寄与するとともに、溶接熱影響部の靭性を向上させる。このような効果は0.005%以上の含有で顕著となる。一方、0.05%を超える含有は、溶接熱影響部の靭性を低下させるとともに、鋼材コストの高騰を招く。このため、Tiは0.05%以下に限定することが好ましい。なお、より好ましくは0.03%以下である。
また、上記した各組成に加えてさらに、必要に応じて、Ca:0.004%以下を含有してもよい。
Caは、介在物の形態制御を介し、延性、靭性を向上させるとともに、溶接熱影響部靭性を向上させる元素であり、必要に応じて含有できる。
Caは、介在物の形態制御を介し、延性、靭性を向上させるとともに、溶接熱影響部靭性を向上させる元素であり、このような効果を得るためには0.001%以上の含有を必要とするが、0.004%を超える含有は、CaS介在物が増加し靭性を低下させる悪影響を及ぼす。このため、含有する場合は0.004%以下に限定することが好ましい
上記した成分以外の残部は、Feおよび不可避的不純物である。
つぎに、本発明厚鋼板の好ましい製造方法について、説明する。
好ましくは上記した組成を有する鋼素材(スラブ)を出発素材とする。鋼素材の製造方法はとくに限定する必要はなく、転炉等の通常の溶製方法で溶製した溶鋼を、連続鋳造法等の通常の鋳造方法でスラブ(鋼素材)等とすることが好ましい。なお、造塊法−分塊圧延を利用しても何等問題はない。
ついで、スラブ(鋼素材)に、熱間圧延を施し、厚鋼板とする。熱間圧延の加熱温度は、1100〜1300℃とすることが好ましい。加熱温度が、1100℃未満では、熱間変形抵抗が高すぎて、圧延機の負荷が過大となる。一方、1300℃を超えて高温となると、γ結晶粒の粒径が粗大化し、靭性を低下させる。このため、熱間圧延の加熱温度は、1100〜1300℃に限定することが好ましい。
なお、熱間圧延の圧延終了温度は、表面の温度で、Ar変態点以上の温度とすることが好ましい。圧延終了温度がAr変態点未満では、フェライトが生成し、表層に所望の硬化領域を形成できなくなる。熱間圧延終了後、厚鋼板には、表層における平均冷却速度で、1℃/s以上となる冷却を、表層における温度がMs変態温度(Ms点)以下の温度となるまで、施す。
表層における冷却速度が、平均で、1℃/s未満では、表層(表面から2mm以内の領域)の硬さ(平均)が内層の硬さ(平均)の1.20倍以上となる硬化領域を安定して形成することが難しくなる。なお、冷却速度は好ましくは5℃/s以上である。また、冷却速度の上限は板歪発生の観点から、15℃/s以下である。上記したような冷却は、例えば、加速冷却装置または直接焼入装置のような冷却装置による冷却で達成できる。
上記した条件の冷却は、表層における温度がMs点以下の温度となる冷却停止温度まで、行なう。冷却停止温度が、Ms点を超えて高くなると、マルテンサイト相以外の相が形成され、表層に安定して硬化領域を形成できなくなる。
本発明になる、上記したような、表層に硬化領域を有する厚鋼板は、溶接鋼構造物用として好適であり、耐疲労特性に優れた溶接部(溶接継手部)を形成できる。ここでいう「耐疲労特性に優れた」とは、JIS Z 3103に準拠した溶接継手部の疲労試験を行なって、JSSC疲労強度等級が一等級向上する場合をいうものとする。
本発明になる厚鋼板を用いて突合せ溶接継手や、隅肉溶接継手を形成すると、溶接継手部の耐疲労特性を顕著に向上することができる。
突合せ溶接継手では、本発明になる厚鋼板同士を突合せ、溶接により複数の積層を形成し溶接接合して溶接継手とする。この際、複数の積層のうち、厚鋼板表裏面で止端部を形成する積層を、入熱量:50kJ/cm以下の溶接により形成することが好ましい。厚鋼板表裏面で止端部を形成する積層の溶接入熱量が50kJ/cmを超えて入熱量が多くなると、溶接熱影響部の寸法が大きくなりすぎて、表層に形成された硬化領域による拘束の影響が小さくなり、疲労強度の向上効果が小さくなる。
また、隅肉溶接継手では、本発明になる厚鋼板を主板とし、該主板に補剛板を隅肉溶接により複数の積層を形成し溶接接合して溶接継手とする。この際、複数の積層のうち、主板(本発明になる厚鋼板)表裏面で止端部を形成する積層を、入熱量:50kJ/cm以下の溶接により形成することが好ましい。主板(本発明になる厚鋼板)表裏面で止端部を形成する積層の溶接入熱量が50kJ/cmを超えて入熱量が多くなると、溶接熱影響部の寸法が大きくなりすぎて、表層に形成された硬化領域による拘束の影響が小さくなり、疲労強度の向上効果が小さくなる。なお、隅肉溶接継手では、溶接は、止端部を少なくする観点からまわし溶接とすることが好ましく、これにより、更なる疲労強度の向上効果が認められる。また、溶接方法は、溶接欠陥発生防止という観点から炭酸ガス溶接などのガスシールドアーク溶接とすることが好ましい。
表1に示す組成の鋼素材(スラブ)に、表2に示す条件の熱間圧延を施し、厚鋼板を得た。まず、得られた厚鋼板について、板厚方向断面の硬さ分布を、ビッカース硬度計(試験力:98N)を用いて、ピッチ:1.0mmで測定した。そして、得られた測定結果から、鋼板表裏面から2mmまでの領域(表層)、および、板厚の1/4位置から3/4位置までの領域(内層)、について算術平均し、各領域の平均硬さを算出した。
また、得られた厚鋼板の1/4位置から、試験方向が圧延方向となるように、JIS Z 2201に規定のJIS 14A号試験片を採取し、JIS Z 2241の規定に準拠して、引張試験を実施し、引張特性(降伏強さYS、引張強さTS、伸びEl)を求めた。
また、得られた厚鋼板の1/4位置から、試験片長さ方向が圧延方向となるように、JIS Z 2242の規定に準拠して、Vノッチ試験片を採取し、シャルピー衝撃試験を実施し、破面遷移温度vTrs(℃)および−40℃における吸収エネルギー(J)を求め、母材の低温靭性を評価した。
また、得られた厚鋼板から、突合せ溶接継手および隅肉溶接継手用試験材を採取し、入熱:25kJ/cmの炭酸ガス溶接により、突合せ溶接継手および十字隅肉溶接継手を作製した。なお、突合せ溶接の開先は、開先面:40°のV開先とし、多層盛とした。十字隅肉溶接は、荷重非伝達型とし、開先無しで2層3パスの溶接とした。得られた溶接継手から、JIS Z 3103に準拠して、平行部に溶接部を含むように疲労試験片(平行部幅:板厚の2倍)を採取し、応力範囲Δσ:100〜450MPaとする疲労試験を実施し、破断までの繰返し数Nfを求め、200万回疲労強度を評価した。なお、母材(厚鋼板)についても、溶接継手の場合と同じ形状の試験片を採取し、同様に疲労試験を行なって、200万回疲労強度を評価した。
得られた結果を表2に示す。
Figure 0005716419
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本発明例はいずれも、表層に硬化領域を有し、降伏強さYS:300MPa以上、引張強さTS:490MPa以上の高強度を有し、−40℃における吸収エネルギーが31J以上の高靭性とを兼備する厚鋼板となっており、しかも、母材および溶接部において、200万回疲労強度が一等級以上向上した耐疲労特性に優れた厚鋼板となっている。一方、本発明の範囲を外れる比較例は、従来の疲労強度等級並の200万回疲労強度となっている。

Claims (9)

  1. 鋼素材に、熱間圧延を施し、厚鋼板とするにあたり、
    前記鋼素材が、質量%で、C:0.03〜0.15%、Si:0.18〜0.6%、Mn:0.5〜1.79%、P:0.03%以下、S:0.03%以下、Al:0.01%以上0.08%以下、N:0.008%以下を含み、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有し、
    前記熱間圧延を、加熱温度:1100〜1300℃とし、圧延終了温度を、表面温度で、Ar変態点以上の温度とする圧延とし、該圧延終了後、表面から2mm以内の領域である表層における平均冷却速度で、1℃/s以上15℃/s以下となる冷却を、表層における温度がMs変態温度以下の温度となるまで行なうことを特徴とする板厚40mm以上で、耐疲労特性に優れた溶接鋼構造物用厚鋼板の製造方法。
  2. 前記組成に加えてさらに、質量%で、Ni:2%以下、Cu:2%以下、Cr:0.6%以下、Mo:0.6%以下、B:0.005%以下のうちから選ばれた1種または2種以上を含有する組成とすることを特徴とする請求項に記載の溶接鋼構造物用厚鋼板の製造方法。
  3. 前記組成に加えてさらに、質量%で、Nb:0.1%以下、V:0.2%以下、Ti:0.05%以下のうちから選ばれた1種または2種以上を含有する組成とすることを特徴とする請求項またはに記載の溶接鋼構造物用厚鋼板の製造方法。
  4. 前記組成に加えてさらに、質量%で、Ca:0.004%以下を含有することを特徴とする請求項ないしのいずれかに記載の溶接鋼構造物用厚鋼板の製造方法。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載の溶接鋼構造物用厚鋼板の製造方法で製造されてなる、表層に硬化領域を有する厚鋼板であって、前記表層が、鋼板表裏面から板厚方向に2mmまでの領域であり、該表裏面から板厚方向に2mmまでの領域の平均ビッカース硬さHVsが、板厚の1/4位置から3/4位置までの領域の平均ビッカース硬さHVmの1.20以上であることを特徴とする板厚40mm以上で、耐疲労特性に優れた溶接鋼構造物用厚鋼板。
  6. 請求項5に記載の厚鋼板同士を突合せ、溶接により複数の積層を形成し溶接接合してなる溶接継手。
  7. 前記複数の積層のうち、前記厚鋼板表裏面で止端部を形成する積層が、入熱量:50kJ/cm以下の溶接により形成されてなる積層であることを特徴とする請求項に記載の溶接継手。
  8. 請求項5に記載の厚鋼板を主板として、該主板に補剛板を隅肉溶接により複数の積層を形成し溶接接合してなる隅肉溶接継手。
  9. 前記複数の積層のうち、前記主板表裏面で止端部を形成する積層が、入熱量:50kJ/cm以下の溶接により形成されてなる積層であることを特徴とする請求項に記載の隅肉溶接継手。
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