JP5396898B2 - 動的帯域割当方法及び局側装置 - Google Patents

動的帯域割当方法及び局側装置 Download PDF

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Description

本発明は、PON(Passive Optical Network)システムを構成する局側装置と、この局側装置が行う上り送信の動的帯域割当方法に関する。
局側装置と、これに接続された光ファイバから光カプラを介して複数の光ファイバに分岐した構成を成す光ファイバ網と、分岐した光ファイバの終端にそれぞれ接続された宅側装置とを含むPONシステムが既に実施されている。
このPONシステムの局側装置は、上り信号の干渉を防止するため、複数の宅側装置に対して時分割で上り方向の帯域を動的に割り当てている。
具体的には、局側装置は、各宅側装置から予め上り方向に送出したいデータ量が記された帯域要求用の制御フレーム(レポート:リクエストともいう。)を受け、このレポートに記されたデータ量(リクエスト値)に基づいて各宅側装置に割り当てるべき帯域を決定し、送信許可帯域の通知(グラント)を行うための制御フレーム(ゲート)を送出する。
このグラントのためのゲートフレームには、上りの送信開始時刻と送信許可長(時間相当値)とが記されているので、各宅側装置は、ゲートフレームに記された所定時間において所定量のデータを上り方向に送出することができる(例えば、特許文献1参照)。
複数の宅側装置からの帯域要求レポートに対して局側装置がどのように帯域を割り当てるかについては、すなわち、局側装置が行う上り方向の動的帯域割当方法としては、1つの宅側装置からレポートが届くごとに当該宅側装置に随時帯域を割り当てる、分散型DBA(Dynamic Bandwidth Allocation:動的帯域割当)と、複数の宅側装置からレポートを集中的に集めておき、集めた各レポートに基づいて複数の宅側装置に対する帯域割当を総合的に行う、集中型DBAとがある(例えば、特許文献2参照)。
上記2種類の動的帯域割当方法のうち、集中型DBAは、換言すると、複数の宅側装置から集めたレポートに基づいて、次回のグラント周期内に局側装置が受信する各宅側装置の上りデータの帯域割当を総合的に実施し、次回分のレポートと上りデータとの送信時間を局側装置が各宅側装置にそれぞれグラントするものである。
この集中型DBAによれば、所定サイクル長のグラント周期の範囲内において、帯域が不足しがちな優先度が高い宅側装置に対して、優先的に帯域を割り当てる優先制御を行うことができ、各宅側装置に対する帯域保証を行えるという利点がある。
特開2004−129172号公報 特開2007−243770号公報(図6及び図7)
ところで、例えば、IEEE802.3avに準拠した10G−EPONシステムで用いる光バースト信号には、図14に示すように、ユーザデータの転送のための時間領域(図5のData領域)以外に、レーザのオンオフに必要な時間(図14の光バースト信号中の両端部の三角領域)と、フレーム同期のために必要な同期時間(図14の光バースト信号中のSyncTime)等よりなるオーバーヘッドが付随している。
しかしながら、上記従来の集中型DBAにおいては、各宅側装置がレポートと上り方向のユーザデータの送信を別個に行うように、局側装置が帯域割当を行うのが通常である。
このため、各宅側装置は、次回のグラント周期において、レポートの光バースト信号とユーザデータの光バースト信号を別個に光ファイバに送出することになるので、論理的な接続数に対して上記オーバーヘッドの領域が2倍必要となり、上り方向の帯域利用効率が悪化するという問題がある。
一方、IEEE802.3avでは、通信速度の高速化に伴って不足するリンクバジェットを前方誤り訂正(FEC: Forward Error Correction)による符号化技術で補う方策を採っているため、図14に示すように、ユーザデータのデータ領域は、FECコードワード(FEC Code Word )と呼ばれるデータ量単位によって伝送データ量が決定される。
また、局側装置がグラントに記す送信許可の時間については、TQ(Time Quanta(=16ns))と呼ばれる時間単位でカウントする。
このため、IEEE802.3avに準拠したPONシステムでは、局側装置が各宅側装置に上り送信させるためにグラントする伝送データ量は、FECコードワード(以下、FCWと略記することがある。)単位でその端数分が切り上げられるともに、更に、この伝送データ量を時間相当値に変換する際に、TQ単位でその端数分が切り上げられるようになっている(図14の斜線部分参照)。
従って、上記従来の集中型DBAのように、各宅側装置にレポートとユーザデータの上り送信を個別に行わせると、レポートの光バースト信号とユーザデータの光バースト信号の双方に対して、上記FCW単位及びTQ単位の端数分の切り上げが行われ、この切り上げに伴う空き時間がレポート及びユーザデータの双方について生じてしまうので、この点でも上り送信の帯域利用効率が阻害されることになる。
本発明は、上記従来の問題点に鑑み、グラント周期内でのバースト数を減少させて空いた時間を有効活用することにより、上り方向の帯域利用効率を向上することができる動的帯域割当方法と、この方法を行う局側装置を提供することを目的とする。
本発明の動的帯域割当方法(請求項1〜3)は、複数の宅側装置から集めたレポートに基づいて、次回のグラント周期内に局側装置が受信する前記各宅側装置の上りデータの帯域割当を行い、次回分の前記レポートと前記上りデータの送信時間を前記局側装置が前記各宅側装置にそれぞれグラントする動的帯域割当方法であって、次回分の前記レポートのうちの一部又は全部と、当該レポートと送信元が同じ前記上りデータとを、連続した単一バーストとなるように帯域割当を行う単一化処理と、前記単一バーストのレポート部分を含むすべての次回分の前記レポートの受信時刻を、次回の前記グラント周期内の早い側よりに稠密に配置するスケジューリング処理と、を含むことを特徴とする。
本発明の動的帯域割当方法によれば、次回分のレポートのうちの一部又は全部と、当該レポートと送信元が同じ上りデータとを、連続した単一バーストとなるように帯域割当を行う(単一化処理)ので、そのレポートと上りデータが別個のバーストである場合に比べて、バーストに付随するオーバーヘッドや、データ単位及び時間単位の端数分の切り上げ回数を削減することができる。
また、単一バーストのレポート部分を含むすべての次回分のレポートの受信時刻を、次回のグラント周期内の早い側よりに稠密に配置する(スケジューリング処理)ので、次回のグラント周期に生じる空き時間をできるだけ長くすることができる。
このため、例えば、スケジューリング処理によって生じた上記空き時間を任意の宅側装置のための送信時間に割り当てる等により、上り方向の帯域利用効率を向上することができる。
ところで、本発明の動的帯域割当方法において、レポートと上りデータとを単一バースト化する場合に、各上りデータの送信時間長を全く考慮せずに、すべての宅側装置につき一律に単一バーストを生成すると、次回のグラント周期での次回分のレポートの回収時期が遅れてしまい、一部の宅側装置について次々回分の帯域割当計算が間に合わず、公平な帯域割当を行えない場合がある。
そこで、前記スケジューリング処理において、前記単一バーストのレポート部分を含むすべての次回分の前記レポートの受信時刻を、当該レポートの到着が次回の前記グラント周期の開始に間に合うように設定された最終レポート到着時刻以前に配置することが好ましい。
この場合、単一バーストのレポート部分を含むすべての次回分のレポートの受信時刻が上記最終レポート到着時刻と同時刻かこれよりも早くなるので、単一バースト化しても次回のグラント周期において次回分のレポートの回収が遅れることがなく、すべての宅側装置について次々回分の帯域割当計算を行うことができ、公平な帯域割当を行うことができる。
本発明の動的帯域割当方法において、前記スケジューリング処理によって次回の前記グラント周期に生じた空き時間については、例えば、その一部又は全部を、いずれかの前記宅側装置のための送信時間に割り当てることができる(請求項)。
この場合、上記空き時間がいずれかの宅側装置の上りデータの送信時間に割り当てられるので、上り方向の帯域利用効率が向上する。
また、局側装置がグラント周期を可変に設定可能な場合は、前記スケジューリング処理によって次回の前記グラント周期に生じた空き時間の範囲で、当該グラント周期を短縮させることにしてもよい(請求項)。
この場合、次回のグラント周期を短縮させることによってそれ以降の帯域割当を前倒しに行うことができるので、上り方向の帯域利用効率が向上する。
本発明の動的帯域割当方法において、具体的には、前記スケジューリング処理は、すべての次回分の前記レポートを次回の前記グラント周期内の早い方から遅い方に向かって前詰めに配置してから、所定順位で選択した前記宅側装置に対応する前記レポートに対して順次前記単一化処理を実行する、前詰め方式のスケジューリング方式によって行うことができる(請求項)。
この場合、前記レポートに、最低保証帯域用のデータ量を記した第1リクエスト値と、これ以上のデータ量を記した第2リクエスト値とが含まれている場合には、前記所定順位として、前記第1リクエスト値を割り当てた前記宅側装置を高順位としたものを採用することが好ましい(請求項)。
その理由は、小さい方の第1リクエスト値を割り当てた宅側装置を高順位として単一バースト化すれば、単一バースト化できる宅側装置が多くなり、帯域利用効率を向上できる可能性が増大するからである。
また、この場合、複数の前記宅側装置が、上り送信レートが異なる複数種類のものよりなる場合には、前記所定順位は、前記上り送信レートが大きい前記宅側装置を高順位としたものを採用することが好ましい(請求項)。
その理由は、上り送信レートが大きい宅側装置ほど、単一バースト化による時間短縮効果が大きくなるからである。
本発明の動的帯域割当方法において、前記スケジューリング処理は、次回分の前記上りデータをそのデータ量が大きいものから順に前記グラント周期内の遅い方から早い方に向かって後詰めに配置してから、前記最終レポート到着時刻よりも前にはみ出た前記上りデータに対して順次前記単一化処理を実行する、後詰めのスケジューリング方式を採用することもできる(請求項)。
かかる後詰めのスケジューリング方式では、グラント周期の前側(時間が早い側)に空き時間ができるが、この空き時間を任意の宅側装置の上りデータ用に割り当てて全体を前側にシフトさせることにより、単一バーストのレポート部分を含むすべてのレポートを、最終レポート到着時刻以前に稠密に配置できる。
更に、本発明の動的帯域割当方法において、前記スケジューリング処理は、すべての前記レポートと前記上りデータについて前記単一化処理を行ってから、すべての前記単一バーストを送信時間が短いものから順に次回の前記グラント周期内の早い方から遅い方に向かって前詰めに配置する仮スケジューリング処理と、前記仮スケジューリング処理において、前記最終レポート到着時刻より後にレポート部分がはみ出た前記単一バーストが生じた場合に、そのレポート部分を前記単一バーストから分離して当該レポートを前記グラント周期の最前に配置する再配置処理と、を含むものを採用することもできる(請求項)。
この場合、上記仮スケジューリング処理においてすべての単一バーストがいったんグラント周期内の早い方から遅い方に向かって前詰めに配置され、最終レポート到着時刻より後にレポート部分がはみ出た単一バーストが生じた場合に上記再配置処理を行うので、仮スケジューリング処理が終了した時点で一応のスケジューリング結果が得られている。
このため、何らかのシステム上の不具合でスケジューリング処理が途中で中断しても、その中断時点での仮スケジューリングの結果に基づいてグラントを生成することにより、宅側装置に対する上り送信の制御を実行することができる。
本発明の局側装置(請求項9〜11)は、複数の宅側装置から集めたレポートに基づいて、次回のグラント周期内に自身が受信する前記各宅側装置の上りデータの帯域割当を行い、次回分の前記レポートと前記上りデータとの送信時間を前記各宅側装置にそれぞれグラントする局側装置であって、次回分の前記レポートのうちの一部又は全部と、当該レポートと送信元が同じ前記上りデータとを、連続した単一バーストとなるように帯域割当を行う単一化手段と、前記単一バーストに含まれる前記レポートの受信時刻が、次回の前記グラント周期の終了時刻から所定時間遡った基準時刻以前となるように、当該単一バーストの送信時刻を設定し、前記レポートを含まない前記上りデータの受信時刻が前記基準時刻の後となるように、当該上りデータの送信時刻を設定するスケジューリング手段と、を備えていることを特徴とする。
本発明の局側装置によれば、上記単一化手段が、次回分のレポートのうちの一部又は全部と、当該レポートと送信元が同じ上りデータとを、連続した単一バーストとなるように帯域割当を行うので、そのレポートと上りデータが別個のバーストである場合に比べて、バーストに付随するオーバーヘッドや、データ単位及び時間単位の端数分の切り上げ回数を削減することができる。
また、上記スケジューリング手段が、前記単一バーストのレポート部分を含むすべての次回分の前記レポートの受信時刻が、次回の前記グラント周期の終了時刻から所定時間遡った基準時刻以前となるように、当該単一バーストと前記レポートの送信時刻を設定し、前記レポートを含まない前記上りデータの受信時刻が前記基準時刻の後となるように、当該上りデータの送信時刻を設定するので、単一バーストのレポート部分を含むすべての次回分のレポートの受信時刻が、次回のグラント周期内の早い側よりに稠密に配置され、次回のグラント周期に生じる空き時間をできるだけ長く発生させることができる。
このため、例えば、上記スケジューリング手段の処理によって生じた上記空き時間を任意の宅側装置のための送信時間に割り当てる等により、上り方向の帯域利用効率を向上することができる。
以上の通り、本発明によれば、集中型DBAを行う場合において、グラント周期内でのバースト数を減少させて空いた時間を有効活用するようにしたので、上り方向の帯域利用効率を向上することができる。
マルチレートPONシステムの一例を示す接続図である。 上り送信レートが異なる上り送信の時分割による波形図である。 局側装置の内部機能を示すブロック図である。 レポート及びグラントのフレーム構成例を示す図である。 局側装置と任意の1台の宅側装置との間の処理の流れを示す図である。 一般的な集中型DBAを示すシーケンス図である。 割当実行部が行う第1割当処理のフローチャートである。 宅側装置の上りバッファのデータ蓄積状態を示す概念図である。 動的帯域割当部での処理内容を示すフローチャートである。 割当実行部が行う第2割当処理のフローチャートである。 第2割当処理の変形例(第2実施形態)を示すフローチャートである。 割当実行部が行う帯域割当(第3実施形態)を示すフローチャートである。 最終レポート到着時刻の説明図である。 上り方向の光バースト信号を示す概念図である。
〔システムの全体構成〕
図1は、本発明の動的帯域割当方法が適用されるPONシステムの概略構成図である。
図1において、局側装置1は、複数の宅側装置2〜4に対する集約局として設置されており、各宅側装置2〜4はそれぞれPONシステムの加入者宅に設置されている。
局側装置1に接続された1本の光ファイバ5は、光カプラ6を介して分岐する複数の光ファイバ(支線)7〜9とともに光ファイバ網を構成しており、分岐した光ファイバ7〜9の終端にそれぞれ宅側装置2〜4が接続されている。
局側装置1は上位ネットワーク11と接続され、宅側装置2〜4はそれぞれのユーザネットワーク12〜14と接続されている。
なお、図1では3個の宅側装置2〜4を示しているが、1つの光カプラ6から例えば32分岐して32個の宅側装置を接続することが可能である。また、図1に示す接続例では、光カプラ6を1個だけ使用しているが、分岐数の少ない光カプラを縦列に複数段配置することにより、広い地域に分散している宅側装置を短い光ファイバで局側装置1と接続することもできる。
図1に示すシステム構成では、各宅側装置2〜4は、局側装置1への上り方向の最大の送信レート(以下、「上り送信レート」という。)が互いに異なっており、それぞれ、1Gbps,2Gbps,10Gbpsになっている。従って、本実施形態のPONシステムでは、1GbpsのGE(Gigabit Ethernet:Ethernetは登録商標)−PONをベースとして、更に2Gbpsの上り信号及び10Gbpsの上り信号が、例えば図2に示すように、時分割多重化されて局側装置1に送信される。
なお、本実施形態において、図1に示す、上り送信レートが異なる宅側装置2〜4が混在収容されたPONシステムを、「マルチレートPONシステム」という。
1Gbpsの宅側装置2のアクセス制御は、基本的にGE−PONの通信方式に則って行われる。
すなわち、レポートR(宅側装置2が帯域要求するための制御フレーム:「リクエスト」ともいう。)には、宅側装置2が局側装置1に送りたいデータ量を2バイト単位で記し、ゲートG(局側装置1が送信許可を与える制御フレーム)には、局側装置1が2バイト単位の送信許可長と送信開始時刻を記すようになっている。
時刻は16ns(=TQ)ごとにインクリメントされるカウンタ(図示せず。)で表現され、PONシステム内で同期がとられている。なお、他の宅側装置3,4においても同様である。
また、本実施形態のPONシステムでは、各宅側装置2〜4には、例えばIP電話等の低レイテンシが要求される通信サービスに対応するため、各宅側装置2〜4ごとに異なる最低保証帯域B1,B2,B3がそれぞれ設定されている。
以下、各宅側装置2〜4にそれぞれ最低保証帯域B1〜B3が設定されており、かつ、各宅側装置2〜4の上り送信レートが異なるマルチレートPONシステムの場合を例にとって、局側装置1の構成と、その局側装置1が行う本発明に係る動的帯域割当方法について説明する。
〔局側装置の構成〕
図3は、本実施形態の局側装置1の内部機能を示すブロック図である。
図3において、局側装置1は、上位ネットワーク11から宅側装置2〜4への下り信号処理用として、上位ネットワーク11からの信号を受信する受信部101と、受信した信号を一時記憶するバッファ102と、バッファ102に一時記憶された信号を宅側装置2〜4へ送信する送信部103とを備えている。
また、本実施形態の局側装置1は、宅側装置2〜4から上位ネットワーク11への上り信号処理用として、宅側装置2〜4からの信号を受信する受信部104と、受信した信号を一時記憶するバッファ105と、バッファ105に一時記憶された信号を上位ネットワーク11へ送信する送信部106とを備えている。
更に、本実施形態の局側装置1は、自身が管理する各宅側装置2〜4に対する動的帯域割当を実行する動的帯域割当部107を備えている。この割当部107は、リクエスト受信部108と、算出部109と、割当実行部110と、グラント送信部112と、記憶部113とを有する。
このうち、記憶部113は、全ての宅側装置2〜4の上り送信レート(図1の例では、1Gbps,2Gbps,10Gbps)と、その宅側装置2〜4の最低保証帯域(図1の例では、B1〜B3)とを、所定の参照テーブルに記憶している。
図4(a)は、宅側装置2〜4が送信するレポートRのフレーム構成例を示す図であり、図4(b)は、局側装置1が送信するゲートGのフレーム構成例を示す図である。
図4(a)に示すように、宅側装置2〜4のレポートRにおいて、1つのレポートRで帯域要求するデータ量(リクエスト値R1,R2)は2種類あり、それぞれ2バイト単位の数値で表される。この2種類のリクエスト値R1,R2のうち、第1リクエスト値R1は、各宅側装置2〜4が自身の最低保証帯域B1〜B3用のデータ量を記すためのものである。
他方、第2リクエスト値R2は、第1リクエスト値R1以上のデータ量を記すためのものであり、本実施形態では、宅側装置2〜4が1回のグラント周期で上り送信させたい最大のデータ量(上りバッファに溜まっている最大の蓄積量)が記される。なお、これらリクエスト値R1,R2の詳細については、後述する。
また、図4(b)に示すように、局側装置1のゲートGにおいても、各宅側装置2〜4に対する送信許可長(時間相当値)が2バイト単位の数値で表される(図4(b)の Grant ♯1〜♯4参照)。
更に、局側装置1のゲートGには、一般にフラグフィールド(図4(b)の「Number of grants/Flags」)と呼ばれるデータ領域が含まれており、このフラグフィールドは、局側装置1が送信するゲートフレームの種類を宅側装置2〜4が識別する識別子である。
例えば、局側装置1は、宅側装置2〜3にレポートRを送信させたい場合には、このフラグフィールドに0以外の所定値を立てる。かかるレポートRの送信を強制するフラグフィールドを「フォースレポート」という。
図3に示す局側装置1において、宅側装置2〜4が上り方向に送出したいデータ量(リクエスト値R1,R2を含む。)をレポートRに記してリクエストすると、このレポートRは、受信部104及びバッファ105を経て動的帯域割当部107のリクエスト受信部108に受信され、算出部109に渡る。
算出部109は、記憶部113に記憶されている宅側装置2〜4の上り送信レートと最低保証帯域B1〜B3とを参照し、各宅側装置2〜4ごとに、グラント周期における上り送信レートを考慮した最低保証帯域B1〜B3の比率を反映する優先度を算出する。なお、この優先度の詳細についても後述する。
次に、動的帯域割当部107の割当実行部110は、まず、各宅側装置2〜4について第1リクエスト値R1を用いた帯域割当を実行し、これによって余剰帯域が生じた場合に、優先度が高い宅側装置2〜4から順に、第1リクエスト値R1の代わりに第2リクエスト値R2を用いた割当を行って、送信開始時刻と時間相当値の送信許可長とを含むゲートGを生成する。
この時間相当値の送信許可長が記載されたゲートGは、グラント送信部112により、バッファ102及び送信部103を介して、対応する宅側装置2〜4宛に送出される。このゲートGによる指示を受けた宅側装置2〜4は、当該ゲートGに記された送信開始時刻と送信許可長(時間)に基づいて上り方向にデータを送出する。
図5は、上記の動的帯域割当について、局側装置1と任意の1台の宅側装置2〜4との間で見た処理の流れを示す図である。
図5に示すように、局側装置1は、宅側装置2〜4からレポートR(第1及び第2リクエスト値R1,R2を含む。)を受けた後、上り送信レートと最低保証帯域とに基づく優先度の算出、その優先度に基づく帯域割当の実行、及びグラント生成を順次行い、宅側装置2〜4に時間相当量でのグラント送信を行う。
〔集中型DBAについて〕
ところで、前記した通り、複数の宅側装置2〜4からの帯域要求(リクエスト)に対して局側装置1が行う動的帯域割当方法には、分散型DBAと集中型DBAとがあるが、本実施形態の局側装置1は、後者の集中型DBAに属する帯域制御を行う。
図6は、上記集中型DBAを示すシーケンス図である。図6において、時間は左側から右側へ進行するものとしている。また、図6では、図1に準じて宅側装置2〜4が3台あると仮定している。
また、以下において、局側装置1による固定長の動作周期であるグラント周期を符号Tで表し、今回のグラント周期を符号Tc(添え字cは「current 」)で表し、次回のグラント周期をTn(添え字nは「next」)で表すものとする。
図6に示すように、集中型DBAでは、局側装置1は、今回のグラント周期Tcにおいて、宅側装置2〜4からのレポートRを最初にかためて受信し、各レポートRを受信し終わった時点で次サイクルの割当計算を開始する。
そして、局側装置1は、今回のグラント周期Tcでの計算結果を記した3つのゲートGを生成し、これらのゲートGをそれぞれ各宅側装置2〜4に送信して、次回分のレポートRとデータ(上りのユーザデータ)D用の帯域割当を各宅側装置2〜4に通知する。
すなわち、局側装置1は、今回のグラント周期Tcに複数の宅側装置2〜4から集めたレポートRに基づき、次回のグラント周期Tn内に局側装置1が受信する各宅側装置2〜4の上りデータDの帯域割当を総合的に実施し、次回分のレポートRと上りデータDとの送信時間を、各宅側装置2〜4にそれぞれグラントする。
かかる集中型DBAによれば、予め定めた所定サイクル長(グラント周期T)の範囲内で、帯域の不足しがちな優先度が高い宅側装置2〜4からのレポートRに、優先的に帯域を割り当る帯域制御を行うことができる。
しかし、集中型DBAにおいては、局側装置1は、通常、各宅側装置2〜4に許可するレポートRと上りデータDに対して個別に帯域割当を行って、ゲートGを生成するようになっているので、図6に破線で示すように、各宅側装置2〜4が送信する次回分のレポートRとデータDは時間的に離れた別個の光バースト信号となる。
このため、前述の通り、レポートRとデータDとで、図14に示すオーバーヘッドの領域がそれぞれ必要となるし、FCW単位及びTQ単位の端数分の切り上げもそれぞれ行われるので、上り送信の帯域利用効率が阻害されるという問題がある。
〔動的帯域割当の概要〕
そこで、本実施形態の局側装置1では、動的帯域割当部107の割当実行部110において、次回分のレポートRのうちの一部又は全部と、当該レポートRと送信元が同じデータDとを、連続した単一バーストBとなるように帯域割当を行う単一化処理と、単一バーストのレポート部分を含むすべての次回分のレポートRの受信時刻を、次回のグラント周期Tn内の早い側よりに稠密に配置するスケジューリング処理とを行い、これにより、上り方向の帯域利用効率を向上させるようにしている。
なお、上記割当実行部110による単一化処理とスケジューリング処理の詳細については、後述する。また、以下において、割当実行部110が後述の「第1割当処理」に続いて行う、単一化処理とスケジューリング処理を含む一連の割当処理を、「第2割当処理」という。
一方、本実施形態では、上り方向の最大の送信レート(上り送信レート)が異なる複数の宅側装置2〜4が共存するマルチレートPONの場合においても、各宅側装置2〜4のQoSを維持した帯域割当を行うことも目的の1つとしている。
そこで、本実施形態の局側装置1は、前記した通り、各宅側装置2〜4の上り送信レート(1Gbps,2Gbps,10Gbps)と、各宅側装置2〜4のQoSの指標としての「最低保証帯域B1〜B3」という設計パラメータを、記憶部113に記憶する等によって常時把握している。
そして、動的帯域割当部107の割当実行部110は、各宅側装置2〜4に送信許可するデータ量を決定するに当たって、少なくとも最低保証帯域B1〜B3のためのデータ量(第1リクエスト値R1)については、低レイテンシを維持して送信を行えるようにグラントするためのゲートGを与える。
また、割当実行部110は、最低保証帯域B1〜B3を越えたデータ量については、その最低保証帯域B1〜B3を超えて帯域を要求している宅側装置2〜4の間で、それぞれの宅側装置2〜4に設定された上り送信レートを考慮した最低保証帯域B1〜B3の比に応じて、帯域が割り振られるものとする。
以下、この割当実行部110による、複数のリクエスト値R1,R2に対応したデータ量の割当処理(複数リクエスト方式)を、「第1割当処理」という。
そして、本実施形態の割当実行部110では、レポートRとデータDを別のバーストで個別に送信させるものと仮定して、上記第1割当処理(図7)によって各宅側装置2〜4に対するデータ量(時間相当値)を決定してから、そのレポートRとデータDの単一化処理とスケジューリング処理を含む前記第2割当処理(図10)を行う。
そこで、以下においては、まず第1割当処理(図7)を説明してから、第2割当処理(図10)について説明することにする。
〔割当実行部による第1割当処理〕
図7は、割当実行部110が行う第1割当処理のフローチャートである。
割当実行部110による第1割当処理は、図6に示す集中型DBAに属するものであり、グラント周期Tごと行われる。
図7に示すように、割当実行部110は、次々回の割当計算に間に合わせるため、次回のグラント周期Tnの最初の部分に、レポートRの回収に必要な時間を割り当て(図7のステップST1)、この時間を差し引いた残りの時間を、次回のグラント周期Tn内に局側装置1が受信する各宅側装置2〜4からの上りデータの送信時間として割り当てる。
次に、割当実行部110は、残りの上りデータ送信時間に対して、宅側装置2〜4からのリクエスト情報分の帯域を割り当てるが、本実施形態では、宅側装置2〜4は、局側装置1に対するリクエスト情報として、1つのレポートRに前記2つのステータスパラメタ(第1及び第2のリクエスト値R1,R2)を記載している。
そこで、割当実行部110は、まず、各宅側装置2〜4の第1のリクエスト値R1のデータ量に相当する送信時間を、各宅側装置2〜4に対してすべての次回のグラント周期Tnに割り当てるようになっている(図5のステップST2)。
その後、上りデータ送信時間に未だ余りがある場合には、前記算出部109が算出した優先度が最も高い宅側装置2〜4に対して、第1のリクエスト値R1の代わりに第2のリクエスト値R2を採用し、この第2のリクエスト値R2に対応する送信時間を割り当てる(図5のステップST3)。
この場合において、上りデータ送信時間の余剰時間が、次の割当て候補の宅側装置2〜4の第2のリクエスト値R2相当の時間よりも更に大きい場合は、上りデータ送信時間がまだ余っていることになるので、次に優先度が高い宅側装置2〜4についても、第1リクエスト値R1の代わりに第2リクエスト値R2相当の時間を割り当てていく。
そして、割当実行部110は、すべての宅側装置2〜4について第2リクエスト値R2相当分での割り当てが行われたか否か、或いは、上りデータ送信時間の余剰時間が、次の割当て候補の宅側装置2〜4の第2リクエスト値R2相当の時間以下になったか否かを判定する(図5のステップST4)。
この判定がYesの場合には、割当実行部110は、上りデータ送信時間の余剰時間のすべてを最終割当候補の宅側装置2〜4の送信時間に割り当て、帯域割当のフローを終了する。
このように、グラント周期Tに十分な余剰時間がある限り、第2リクエスト値R2に相当する分の時間を順に割り当てることが許容される。これにより、異なる上り送信レートの回線間における、データの送信密度の差の影響を小さくする効果が得られる。
例えば、限られた個数の宅側装置2〜4に対して、纏まった時間を上りデータ送信時間として割り当てることを想定した場合、上り送信レートが大きい宅側装置4(本実施形態では、10Gbps)は、上り送信レートが小さい宅側装置2(本実施形態では、1Gbps)と比べて送信時間が相対的に短い。このため、纏まった割当時間を有効に利用するためには、比較的大きいデータ量をキューに溜めておく必要がある。
しかし、大きなデータ量をキューに溜めておくことは、通信のレイテンシが大きくなるということであり、これでは通信品質が悪化することになる。
そこで、本実施形態では、グラント周期Tに余剰時間が残っている限り、その余剰分を優先度順に複数の宅側装置2〜4に順番に割当てていくことで、上り送信レートが大きいことに起因する、送信データのバッファリングによる通信品質の悪化を回避するようにしている。
〔2種類のリクエスト値について〕
図8は、宅側装置2〜4の上りバッファのデータ蓄積状態を示す概念図である。
図8において、f1〜f6は可変長フレーム(本実施形態では、可変長範囲が64〜1522byteであるイーサネットフレーム)を示している。また、図8の例では、上りバッファに6つの可変長フレームf1〜f6が蓄積されており、△印はそれらのフレームf1〜f6間の区切り(境目)を示している。
前記した通り、本実施形態の宅側装置2〜4は、上り送信したいデータ量を局側装置1に要求するに当たり、第1及び第2リクエスト値R1,R2を1つのレポートRに格納し、そのレポートR(図4(a))のフレームを局側装置1に送信する。
そこで、各宅側装置2〜4は、上りバッファ内の可変長フレームf1〜f6の蓄積状態に基づいて、各リクエスト値R1,R2を決定する。
図8に示すように、第1リクエスト値R1は、予め設定された閾値Th以下でかつこれに最も近い、可変長フレームf2の区切りに相当するデータ量になっている。
上記閾値Thは、この値以下のデータ量であれば最低保証帯域B1〜B3用のデータ量となることを示すが、本実施形態では、この閾値Thを、宅側装置2〜4が固定値として保有するのではなく局側装置1が動的に設定し、ゲートGを通じて各宅側装置2〜4に通知する。なお、局側装置1での閾値Thの設定方法については、後述する。
一方、第2リクエスト値R2は、宅側装置2〜4が1回のグラント周期Tで上り送信したい最大のデータ量(図例ではバッファ総量)以下でかつこれに最も近い、可変長フレームf6の区切りに相当するデータ量になっている。
このように、本実施形態では、第1及び第2リクエスト値R1,R2は、いずれも可変長フレームf2,f6の区切り(図6の△印)と一致するデータ量になっている。
従って、宅側装置2〜4のリクエスト値R1,R2を局側装置1(動的帯域割当部107の割当実行部110)がそのまま採用してゲートGを生成する動的帯域割当を行っても、分割不能な可変長フレームf1〜f6を集合単位として、それらのフレームf1〜f6をグラント周期T内に効率よく配列することができる。
このため、可変長フレームf1〜f6がアライメントできずに、当該フレームf1〜f6がグラント周期Tに入らないという形での無駄時間の発生が抑制される。
もっとも、1つのグラント周期Tに対する帯域割当の最終段階には、可変長フレームf1〜f6をアライメントできなくなり、ある程度の無駄時間が発生するが、その無駄時間は、高々、割当実行部110が最後に割り振りを行う1つの宅側装置2〜4だけであり、無駄時間の長さも、高々、可変長フレームf1〜f6の最大サイズ(イーサネットフレームの場合には、1522byte)の時間相当分までに抑えられる。
〔動的帯域割当部の処理内容〕
図9は、動的帯域割当部107の処理内容を示すフローチャートである。
図9において、ステップST1〜ST4は、動的帯域割当部107の前記算出部109が実行する各パラメータの演算処理を示している。また、ステップST5とステップST6は割当実行部110が実行する処理である。
このうち、ステップST5の第1割当処理の内容は、前記図7のフローチャートに示されており、ステップST6の第2割当処理の内容は、後述する図10のフローチャートに示されている。更に、ステップST7は、前記グラント送信部112が実行する処理である。
図9に示すように、動的帯域割当部107の算出部109は、優先度の算出に先立ち、第1リクエスト値R1を決定するための前記閾値Thを動的に設定する(図9のステップST1)。
〔第1リクエスト値の閾値の設定方法〕
ここで、ある宅側装置2〜4の最低保証帯域をBmin(Mbps)とすると、宅側装置2〜4に対する閾値を単純に固定値に設定するとすれば、その閾値は、T×Bmin(bit)で算出される。しかし、閾値をT×Bminの固定値に設定すると、次のような問題がある。
すなわち、例えば、最低保証帯域Bminが比較的小さい宅側装置2〜4において、フレームサイズが比較的大きい可変長フレームでの通信を行おうとすると、送信したい可変長フレームのデータ量が固定の閾値(T×Bmin)を超えてしまうことがあり、このようなフレームの場合には、最低保証帯域Bminを割り当てているつもりでも、データを送信できない。
そこで、本実施形態では、最低保証帯域Bminが比較的小さい宅側装置2〜4でも、第1リクエスト値R1での上り送信が可能となるように、算出部109は、閾値Thを、任意期間での当該閾値Thの平均値が宅側装置2〜4の最低保証帯域Bminに相当するデータ量となるように、宅側装置ごとに動的に更新する。
具体的には、算出部109は、グラント周期Tごとの最低保証帯域Bminでのデータ量Q(Q=T×Bmin)と、当該グラント周期Tに実際に設定した閾値Thrとの差を、グラント周期Tごとに累積加算しており、この累積加算値(=Σ(Q−Thr))の絶対値が、任意のグラント周期Tの時点で可変長フレームの最大サイズ以下に収まるように、閾値Thを動的に更新している。
上記累積加算値(=Σ(Q−Thr))の絶対値が、常に可変長フレームの最大サイズ以下に収まっておれば、任意期間での閾値Thの平均値が概ね最低保証帯域Bminに相当するデータ量になっていると判断できるからである。
このように、本実施形態では、任意期間での閾値Thの平均値が、宅側装置2〜4の最低保証帯域Bminに相当するデータ量(T×Bmin)となるように動的に更新されるので、逐次更新される閾値Thには、必ず、最低保証帯域Bminに相当するデータ量よりも大きい値が含まれることになる。
従って、最低保証帯域Bminに相当するデータ量を一定周期ごとに各宅側装置に送信させることができ、低レイテンシが求められる通信アプリケーションに有効に対応できるようになる。
また、算出部109は、宅側装置2〜4が実行する通信アプリケーションに求められる最小の許容レイテンシ(例えば、IP電話の場合には、100ms)の間に少なくとも1回は、宅側装置2〜4ごとに動的に更新する閾値Thを、上り送信に用いる前記可変長フレームの規格上の最大値(イーサネットフレームでは1522byte)以上に設定するようになっている。
このため、可変長フレームの長短に関係なく、最低保証帯域Bminに相当するデータ量を低レイテンシで送信することができ、可変長フレームのフレームサイズの変化が帯域保証に及ぼす影響が低減される。
〔優先度の更新処理〕
次に、算出部109は、各宅側装置2〜4に送信データ量の目標となる目標送信帯域Bprop(i) を設定する(図9のステップST2)。
ここで、各宅側装置2〜4の上り送信レートをBmax(i)、最低保証帯域をBmin(i)とすると、目標送信帯域Bprop(i) は、次の式(1)で算出される。
Figure 0005396898
なお、上記式(1)において、Σは、複数の宅側装置2〜4に対する総和を示す。また、添え字(i)は、グラント周期Tが今回周期であることを示している。
上記式(1)で算出される目標送信帯域Bprop(i) は、着目する宅側装置の上り送信レートBmax(i)に対して、各宅側装置2〜4の上り送信レートで正規化した最低保証帯域Bmin(i)によって算出した最低保証帯域比(右辺第2項)を掛け合わせたものである。
すなわち、この目標送信帯域Bprop(i) は、1グラント周期Tにおける上り送信レートを考慮した最低保証帯域Bmin(i)の比率を反映しており、各宅側装置2〜4の目標送信帯域Bprop(i) をすべて時間的に合計すると、ちょうどグラント周期Tと一致する。
次に、算出部109は、それぞれの宅側装置2〜4について、目標送信帯域Bprop(i) に対する1グラント周期T当たりの目標送信量Dprop(i)(=Bprop(i) ×T)と、当該グラント周期Tに実際に送信できた実データ量Dreal(i) との差を足し込んで行き、これらの差の時間方向の総計St(=Σ(Dprop(i)−Dreal(i)))を順次更新する(図9のステップST3)。
上記差の時間方向の総計St(=Σ(Dprop(i)−Dreal(i)))は、着目する宅側装置における、目標送信量Dprop(i) に対する実際の送信量の不足分を表している。
そこで、この不足分を着目する宅側装置の最低保証帯域Bmin(i)で正規化した値(=Σ(Dprop(i)−Dreal(i))/Bmin(i))を優先度として見なし、この優先度を各グラント周期Tにおいて逐次演算して更新する(図9のステップST4)。
上記優先度の大きさに従って余剰帯域を割り振る順を決めるということは、各宅側装置においてΣ(Dprop(i)−Dreal(i))/Bmin(i)が平均して等しくなるように、帯域が割り振られるということを意味する。
すなわち、目標送信量Dprop(i) と実送信量Dreal(i) との差が、上り送信レートを考慮した最低保証帯域比となるように収束することになる。そして、もともと目標送信量Dprop(i) は、1グラント周期Tにおける上り送信レートを考慮した最低保証帯域の比率を反映しているので、各宅側装置2〜4の実送信量Dreal(i) が上り送信レートを考慮した最低保証帯域比となるように、余剰帯域が調整されることになる。
上記のようにして算出部109が優先度を更新すると、前記割当実行部110がその優先度に基づいて次回周期の第1割当処理(図7)を実行したあとで(図9のステップST5:詳細は図7参照)、次回分のリクエストRとデータDの単一バースト化を含む第2割当処理(図10)を実行し(図9のステップST6:詳細は図10参照)、グラント情報としてのゲートGを生成する。
そして、このゲートGは、グラント送信部112を通じて各宅側装置2〜4に送信される(図9のステップST7)。
上記のように、本実施形態の動的帯域割当方法によれば、第1リクエスト値R1での割り当ての後で余剰帯域が生じた場合に、第2リクエスト値R2での送信を許可する宅側装置2〜4(送信許可量を増大させる宅側装置)を選択する基準となる優先度として、上り送信レートを考慮した最低保証帯域B1〜B3の比率を反映する優先度を採用しているので、上り送信レートが異なる各宅側装置2〜4のQoSに応じた公平性を確保した帯域割当を行うことができる。
〔割当実行部による第2割当処理〕
図10は、割当実行部110が行う第2割当処理のフローチャートである。以下、この図10を参照しつつ、本実施形態の第2割当処理について説明する。
前記した通り、本実施形態の割当実行部110は、レポートRとデータ(上りのユーザデータ)Dを別バーストで送信させると仮定して前記第1割当処理(図7)を実行しており、かかる第1割当処理により、各宅側装置2〜4に対するレポートRとデータDの割当帯域(時間相当値)が予め決定される(図10のステップST1)。これが第2割当処理の初期状態である。
図10に示す例において、上記初期状態においては、4つのレポートRa〜Rdがグラント周期Tnにおける早い側(前側:図10の左側)から遅い側に向かって前詰めに並べられ、これに対応する4つのデータDa〜Ddがグラント周期Tnの残りの部分に割り当てられている。
次に、割当実行部110は、次回分の各レポートRa〜Rdのうちの一部又は全部と、当該レポートRa〜Rdと送信元が同じデータDa〜Ddとを、連続した単一バーストBとなるように帯域を割り当てる単一化処理を実行する。
また、割当実行部110は、単一バーストBのレポート部分を含むすべての次回分のレポートRa〜Rdの自装置(局側装置1)での受信時刻を、次回のグラント周期Tn内の早い側よりに稠密に配置するスケジューリング処理を実行する。
具体的には、割当実行部110は、すべての次回分のレポートRa〜Rdを次回のグラント周期Tn内の早い方から遅い方に向かって前詰めに配置してから(図10のステップST1:初期状態)、予め定めた所定順位に基づいて単一バースト化する対象となる宅側装置2〜4を選択し、選択した宅側装置2〜4がレポートRとデータDとが連続した単一バーストBを送信するものとして帯域を割り当る(図10のステップST2)。
なお、宅側装置2〜4に対する単一バーストBの送信指令は、レポートRの送信を強制する前記フォースレポート付きのゲートGによって行うことができる。
フォースレポートを含むゲートGに従って宅側装置2〜4がレポートRを送信する場合に、そのゲートGでの送信許可長が通常のレポートR分よりも長く設定されている場合には、宅側装置2〜4は、キューに含まれているユーザデータをレポートRの後に含めて上り送信するので、レポートRとデータDとが同一バースト化されることになる。
一方、例えば、1Gbpsと10Gbpsの2種類の上り送信レートの宅側装置2,4が混在収容されている場合を想定すると、本実施形態の割当実行部110は、同一バースト化を行う宅側装置2,4の選択するための前記所定順位を、次の(1)〜(4)の順で高順位となるように定めている。
(1) 第1リクエスト値R1が割り当てられている、10Gbpsの宅側装置
(2) 第1リクエスト値R1が割り当てられている、1Gbpsの宅側装置
(3) 第2リクエスト値R2が割り当てられている、10Gbpsの宅側装置
(4) 第2リクエスト値R2が割り当てられている、1Gbpsの宅側装置
上記所定順位(1)〜(4)を採用した理由は次の通りである。すなわち、第1リクエスト値R1は第2リクエスト値R2に比べて小さい値が想定されているので、小さい方の第1リクエスト値R1を割り当てた宅側装置2〜4を高順位として単一バースト化した方が、単一バースト化できる宅側装置2〜4の数が多くなり、帯域利用効率を向上できる可能性が増大するからである。
一方、図14に示す1FCWの時間相当長は、平均すると、1Gbpsでは127.788TQに相当し、10Gbpsでは12.875TQに相当する。しかし、これらの1FCWのTQ値を各データレートで正規化して考えると、僅かではであるが、上り送信レートが大きい10Gbpsの宅側装置4を単一バースト化した方が、単一バースト化による時間短縮効果の点で有利になるので、同種のリクエスト値の中では10Gbpsの宅側装置4を高順位に設定している。
なお、図10の例では、4つのレポートRa〜Rdのうち、レポートRbとデータDbが最も高順位のものとして選択されて単一バースト化され、その次に、レポートRcとデータDc、及び、レポートRdとデータDdが選択されて単一バースト化されている。
〔最終レポート到着時刻について〕
ところで、上記のように1つのグラント周期Tn内で複数のレポートRとデータDを単一バースト化する場合において、各データDa〜Ddの送信時間長を全く考慮せずに、すべての宅側装置2〜4につき一律に単一バーストBを生成するとすれば、次回のグラント周期Tnでの次回分のレポートRa〜Rdの回収時期が遅れてしまい、一部の宅側装置2〜4について次々回分の帯域割当計算が間に合わず、公平な帯域割当が行えなくなる場合がある。
そこで、本実施形態の割当実行部110は、図13に示す最終レポート到着時刻tfをグラント周期Tごとに把握しており、単一バーストBに含まれるレポート部分も含め、すべてのレポートRa〜Rdの受信時刻(具体的には受信終了時刻)が当該最終レポート到着時刻tf以前に配置されるように、スケジューリング処理を行うようになっている。
具体的には、最終レポート到着時刻tfは、図13に示すように、グラント周期Tの終了時刻から事前回収に見合う所定時間だけ遡った基準時刻、すなわち、最も遠い宅側装置までの往復伝搬時間RTTと、グラント生成に必要な計算時間とを差し引いた場合の時刻になっている。
このため、遅くとも単一バーストBのレポート部分を含むすべての次回分のレポートRa〜Rdの受信時刻が、最終レポート到着時刻tfよりも前(図13のオフセット分の範囲)にスケジューリングされるように、宅側装置2〜4による各レポートRa〜Rdの送信時刻を設定しておけば、その各レポートRa〜Rdの到着が次回のグラント周期Tnの開始に間に合うことになる。
すなわち、単一バーストBのレポート部分を含むすべての次回分のレポートRa〜Rdの受信時刻が最終レポート到着時刻tfよりも早ければ、単一バースト化しても次回のグラント周期TnにおいてレポートRa〜Rdの回収が遅れず、すべての宅側装置2〜4について次々回分の帯域割当計算を行うことができる。
図10に戻り、割当実行部110は、複数のレポートRa〜Rdのうち、最後のレポートRが最終レポート到着時刻tfを超えたか否かを判定しており(図10のステップST3)、最後のレポートRが上記時刻tfを超える1つ手前まで、単一バースト化を繰り返す(図10のステップST4)。
なお、図10の例では、レポートRaについての単一バースト化を実行すると、当該レポートRaが最終レポート到着時刻tfを超えてしまうので、レポートRaに対する単一バースト化が中止されている。
このように、割当実行部110は、最後にスケジュールされているレポートRが最終レポート到着時間tfを超えない範囲で、或いは、すべての宅側装置2〜4においてレポートRとデータDを単一バースト化できるまで、レポートR及び単一バーストBをグラント周期Tn内の早い方から遅い方に向かって前詰めにするスケジューリング処理を行う。
一方、単一バースト化と前詰めのスケジューリング処理を繰り返すと、図10に破線ハッチングで示すように、グラント周期Tnの最後尾部分に空き時間が発生する。
そこで、割当実行部110は、レポートRと単一バーストBとを前詰めに配置して発生した上記空き時間を、さらに帯域を欲しているいずれかの宅側装置用の送信時間(図10の例では、レポートRdに対応するデータDd)として追加的に割り当てる(図10のステップST5)。
なお、このとき、割当実行部110は、空き時間の割り当て対象となる宅側装置の選択を、前記算出部109が算出した、上り送信レートを考慮した最低保証帯域の比率を反映する優先度に従って実行する。また、空き時間の全部を1つの宅側装置に割り当てるのではなく、一部のみを割り当てることにしてもよい。
以上の通り、本実施形態の局側装置1によれば、動的帯域割当部7の割当実行部110が、次回分のレポートRのうちの一部又は全部と、当該レポートRと送信元が同じ上りデータDとを、連続した単一バーストBとなるように帯域割当を行うので、そのレポートRと上りデータDが別個のバーストである場合に比べて、バーストに付随するオーバーヘッドや、データ単位及び時間単位の端数分の切り上げ回数を削減することができる。
また、割当実行部110が、単一バーストBやレポートRを次回のグラント周期Tnの早い方から遅い方に向かって前詰めに配置することにより、単一バーストBのレポート部分を含むすべての次回分のレポートRの受信時刻を、次回のグラント周期Tn内の早い側よりに稠密に配置するので、次回のグラント周期Tnに生じる空き時間ができるだけ長くなる。
このため、上記空き時間を任意の宅側装置2〜4に追加的に割り当てることで上り送信時間を有効利用でき、上り方向の帯域利用効率を向上することができる。
もっとも、局側装置1がグラント周期Tを可変に設定可能になっている場合は、割当実行110のスケジューリング処理によって次回のグラント周期Tnに生じた空き時間の範囲で、当該グラント周期Tnを短縮させることにしてもよい。
この場合、次回のグラント周期Tnを短縮させることによってそれ以降の帯域割当を前倒しに行うことができるので、上り方向の帯域利用効率が向上する。なお、上記「空き時間の範囲」とは、スケジューリング処理によって生じた全空き時間を最大時間とする意味であり、この最大時間の分だけグラント周期Tnを短縮させてもよいし、最大時間よりも短い所定時間を設定してその分だけグラント周期Tnを短縮させてもよい。
〔第2割当処理の変形例(第2実施形態)〕
図11は、第2割当処理の変形例(第2実施形態)を示すフローチャートである。以下、この図11を参照しつつ、第2割当処理の変形例を説明する。
この変形例においても、割当実行部110は、レポートRとデータ(上りのユーザデータ)Dを別バーストで送信させると仮定して前記第1割当処理(図7)を実行しており、かかる第1割当処理により、各宅側装置2〜4に対するレポートRとデータDの割当帯域(時間相当値)が予め決定される(図11のステップST1)。
次に、割当実行部110は、複数のデータDa〜Ddのうち、それをバースト送信するのに必要な送信時間長が大きいものから順に、グラント周期Tn内の遅い方から早い方に向かって後詰めに配置する(図11のステップST2)。
図11の例では、データDa、データDd、データDb及びデータDcの順に送信時間長が大きくなっているので、Da→Dd→Db……の順で、各データDがグラント周期Tnに後詰めに仮置きされる。
その後、割当実行部110は、最終レポート到着時刻tfより前までデータDを仮置きしたか否かを判定し(図11のステップST3)。この判定がYesの場合に、最終レポート到着時刻tfを跨ぐものを含む当該時刻tfから前側(すなわち、時間が早い側)にはみ出たデータDについて、レポートRと単一バースト化し、その単一バーストBを同様に後詰めに配置する(図11のステップST4)。
図11の例では、データDbを仮置きした時点で最終レポート到着時刻tfを超えているので、データDb,Dcがそれぞれ対応するレポートRb,Rcと単一バースト化され、これによってできた単一バーストBが後ろ詰めにスケジューリングされている。
以上の後詰めのスケジューリング処理の場合には、もともとレポートRとデータDを別個のバーストでスケジュールすると想定していた初期状態と比べて、バーストの数が減った分だけグラント周期Tnの先頭部分に空き時間が発生じる。
そこで、割当実行部11は、データDと単一バーストBを後詰めに配置して発生した上記空き時間を、さらに帯域が必要ないずれかの宅側装置用の送信時間(図11の例では、レポートRbに対応するデータDb)として追加的に割り当てる(図11のステップST5)。
なお、このとき、割当実行部110は、空き時間の割り当て対象となる宅側装置の選択を、前記算出部109が算出した、上り送信レートを考慮した最低保証帯域の比率を反映する優先度に従って実行する。
また、この第2実施形態では、割当実行部110は、追加的に割り当てた空き時間分だけ、全体のスケジュールを前方にずらすにようになっている。
こうすることで、単一バーストBのレポート部分を含むすべての次回分のレポートRの受信時刻が、次回のグラント周期内Tn内の早い側(前側)よりに稠密に配置され、各レポートR到着時間が最終レポート到着時間tfを超えずにスケジューリングされる。
〔割当実行部による帯域割当の変形例(第3実施形態)〕
図12は、割当実行部110が行う帯域割当の変形例(第3実施形態)を示すフローチャートである。以下、この図12を参照しつつ、帯域割当の変形例を説明する。
図10及び図11に示す第1及び第2実施形態では、レポートRとデータDを別バーストと仮定して第1割当処理(図7)を行ってから、そのレポートRとデータDの単一化処理とスケジューリング処理を含む第2割当処理を行うが、図12の第3実施形態では、データDの帯域割当とスケジューリングを同時に行うようになっている。
すなわち、図12に示すように、第3実施形態の割当実行部110は、初期状態として、各宅側装置2〜4のユーザデータ分として第1リクエスト値R1を割り当てて、すべてのレポートRとデータDについて単一化処理を行うとともに(図12のステップST1)、これらの単一バーストB(レポート+第1リクエスト値R1)を送信時間が短いものから順に、次回のグラント周期Tn内の早い方から遅い方に向かって前詰めに配置する仮スケジューリング処理を行う(図12のステップST2)。
次に、割当実行部110は、上記仮スケジューリング処理の結果、最終レポート到着時刻tfより後にレポート部分がはみ出した単一バーストB(図12の例では、Rd+Ddのバースト)が生じるか否かを判定し(図12のステップST3)、そのような単一バーストBについてレポート部分Rdを分離し、その分離したレポートRdをグラント周期Tnの最前に配置する再配置処理を行う(図12のステップST4)。
換言すると、割当実行部110は、単一バーストBに含まれるレポートRdが最終レポート到着時刻tfよりも後に仮スケジューリングされている場合には、その単一バーストBに関して、レポートRdとデータDdを別バーストで個別に送信することにして、分離後のレポートRdについてはグラント周期Tnの先頭に配置し、かつ、分離後のデータDdについてはグラント周期Tnの最後尾に来るようにスケジューリングし直す。
割当実行部110は、ステップST3の判定結果がNoである場合には、グラント周期Tn内に帯域が余っており、かつ、すべての宅側装置2〜4に第2リクエスト値R2が割り当てられていないか否かを判定する(図12のステップST5)。
上記判定がYesの場合には、割当実行部110は、算出部109が求めた優先度の高い宅側装置2〜4について、第1リクエスト値R2の代わりに、第2リクエスト値R2又は残り帯域のうち小さい方を割り当てる(図12のステップST6)。
また、割当実行部110は、上記割り当てによっていずれかのレポートRの到着が最終レポート到着時間tfを超えてしまうことがないようにスケジューリングを行い、超えてしまう場合(図12のステップST7でYes)には、最初のステップST1に戻ってスケジューリングをやり直す。
なお、図12の例では、レポートRbに対応する宅側装置2〜4の優先度が高いものとして、データDdの送信時間が拡張されている(図12のハッチング部分参照)。
このように、割当実行部110は、第2レポート値R2を割り当てた後においても、レポートRとデータDを単一バースト化したときの送信時間が短い順にグラント周期Tnの先頭からスケジューリングし、レポートRが最終レポート到着時間tfを超えたら単一バーストBを分離して再スケジュールするという手順を繰り返す。
割当実行部110は、グラント周期Tnの残り帯域がなくなるまで、或いは、すべての宅側装置2〜4に第2リクエスト値R2が割り当たるまで、上記の手順を繰り返す(図12のステップST5及びST6参照)。
この第3実施形態に係る動的帯域割当方法によれば、仮スケジューリング処理においてすべての単一バーストBがいったんグラント周期Tn内の早い方から遅い方に向かって前詰めに配置され、最終レポート到着時刻tfより後にレポート部分がはみ出た単一バーストBが生じた場合に再配置処理を行うので、仮スケジューリング処理が終了した時点で一応のスケジューリング結果が得られている。
このため、何らかのシステム上の不具合でスケジューリング処理が途中で中断しても、その中断時点での仮スケジューリングの結果に基づいてグラント送信のためのゲートフレームGを生成することにより、宅側装置2〜4に対する上り送信の制御を実行できるという利点がある。
〔その他の変形例〕
今回開示した実施形態は本発明の例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は、上記実施形態ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲とその構成と均等な意味及び範囲内での全ての変更が含まれる。
例えば、上記実施形態では、1Gbpsと2Gbpsと10Gbpsの3種類の上り送信レートがあるマルチレートPONの場合を例示したが、事後的なシステムの拡張に伴って、例えば20Gbpsの上り送信レートの宅側装置を追加することも可能である。
また、上記実施形態では、局側装置1の記憶部113(図3)がすべての宅側装置2〜4の上り送信レートと最低保証帯域B1〜B3を記憶しているが、各宅側装置2〜4からのレポートRによって上り送信レートと最低保証帯域B1〜B3とをその都度記憶し直すことにより、記憶部113での記憶を随時更新してもよい。
この場合、宅側装置2〜4の上り送信レートが変化しても、局側装置1はそれを把握することができる。また、レポートRに上り送信レートと最低保証帯域B1〜B3の情報を記載するようにすれば、それらを記憶部113に記憶させる必要がなくなる。
更に、本発明の局側装置1とこれによる動的帯域割当方法は、マルチレートPONに限定されるものではなく、宅側装置の上り送信レートが1種類のみのPONシステムにも採用することができるし、各宅側装置2〜4に最低保証帯域B1〜B3が設定されていない場合、すなわち、単一のリクエスト値だけが記されたレポートRによって帯域割当を行う場合にも採用することができる。
1 局側装置
2〜4 宅側装置
107 動的帯域割当部
108 リクエスト受信部
109 算出部
110 割当実行部(単一化手段、スケジューリング手段)
112 グラント送信部
B1〜B3 最低保証帯域
R1 第1リクエスト値
R2 第2リクエスト値
R レポート
G ゲート
D データ(上りのユーザデータ)
B 単一バースト
Tc 今回のグラント周期
Tn 次回のグラント周期

Claims (11)

  1. 複数の宅側装置から集めたレポートに基づいて、次回のグラント周期内に局側装置が受信する前記各宅側装置の上りデータの帯域割当を行い、次回分の前記レポートと前記上りデータの送信時間を前記局側装置が前記各宅側装置にそれぞれグラントする動的帯域割当方法であって、
    次回分の前記レポートと前記上りデータを別バーストと仮定してその割当帯域を決定する第1割当処理と、決定した前記割当帯域の次回の前記グラント周期内での配置を決定する第2割当処理とを含み、
    前記第2割当処理は、
    次回分の前記レポートのうちの一部又は全部と、当該レポートと送信元が同じ前記上りデータとを、連続した単一バーストとなるように帯域割当を行う単一化処理と、
    前記単一バーストのレポート部分を含むすべての次回分の前記レポートの受信時刻を、次回の前記グラント周期内の早い側よりに稠密に配置するスケジューリング処理と、
    を含むことを特徴とする動的帯域割当方法。
  2. 複数の宅側装置から集めたレポートに基づいて、次回のグラント周期内に局側装置が受信する前記各宅側装置の上りデータの帯域割当を行い、次回分の前記レポートと前記上りデータの送信時間を前記局側装置が前記各宅側装置にそれぞれグラントする動的帯域割当方法であって、
    次回分の前記レポートのうちの一部又は全部と、当該レポートと送信元が同じ前記上りデータとを、連続した単一バーストとなるように帯域割当を行う単一化処理と、
    前記単一バーストのレポート部分を含むすべての次回分の前記レポートの受信時刻を、次回の前記グラント周期内の早い側よりに稠密に配置するスケジューリング処理と、
    を含み、
    前記スケジューリング処理によって次回の前記グラント周期に生じた空き時間の一部又は全部を、いずれかの前記宅側装置のための送信時間に割り当てることを特徴とする動的帯域割当方法。
  3. 複数の宅側装置から集めたレポートに基づいて、次回のグラント周期内に局側装置が受信する前記各宅側装置の上りデータの帯域割当を行い、次回分の前記レポートと前記上りデータの送信時間を前記局側装置が前記各宅側装置にそれぞれグラントする動的帯域割当方法であって、
    次回分の前記レポートのうちの一部又は全部と、当該レポートと送信元が同じ前記上りデータとを、連続した単一バーストとなるように帯域割当を行う単一化処理と、
    前記単一バーストのレポート部分を含むすべての次回分の前記レポートの受信時刻を、次回の前記グラント周期内の早い側よりに稠密に配置するスケジューリング処理と、
    を含み、
    前記スケジューリング処理によって次回の前記グラント周期に生じた空き時間の範囲で、当該グラント周期を短縮させることを特徴とする動的帯域割当方法。
  4. 前記スケジューリング処理は、すべての次回分の前記レポートを次回の前記グラント周期内の早い方から遅い方に向かって前詰めに配置してから、所定順位で選択した前記宅側装置に対応する前記レポートに対して順次前記単一化処理を実行する、前詰めのスケジューリング方式である請求項2又は3に記載の動的帯域割当方法。
  5. 前記レポートには、最低保証帯域用のデータ量を記した第1リクエスト値と、これ以上のデータ量を記した第2リクエスト値とが含まれており、
    前記所定順位は、前記第1リクエスト値を割り当てた前記宅側装置を高順位としたものである請求項に記載の動的帯域割当方法。
  6. 複数の前記宅側装置は、上り送信レートが異なる複数種類のものよりなり、
    前記所定順位は、前記上り送信レートが大きい前記宅側装置を高順位としたものである請求項又はに記載の動的帯域割当方法。
  7. 前記スケジューリング処理は、次回分の前記上りデータをその送信時間長が大きいものから順に前記グラント周期内の遅い方から早い方に向かって後詰めに配置してから、前記最終レポート到着時刻よりも前にはみ出た前記上りデータに対して順次前記単一化処理を実行する、後詰めのスケジューリング方式である請求項2又は3に記載の動的帯域割当方法。
  8. 前記スケジューリング処理は、すべての前記レポートと前記上りデータについて前記単一化処理を行ってから、すべての前記単一バーストを送信時間が短いものから順に次回の前記グラント周期内の早い方から遅い方に向かって前詰めに配置する仮スケジューリング処理と、
    前記仮スケジューリング処理において、前記最終レポート到着時刻より後にレポート部分がはみ出た前記単一バーストが生じた場合に、そのレポート部分を前記単一バーストから分離して当該レポートを前記グラント周期の最前に配置する再配置処理と、を含む請求項2又は3に記載の動的帯域割当方法。
  9. 複数の宅側装置から集めたレポートに基づいて、次回のグラント周期内に自身が受信する前記各宅側装置の上りデータの帯域割当を行い、次回分の前記レポートと前記上りデータの送信時間を前記各宅側装置にそれぞれグランとする局側装置であって、
    次回分の前記レポートと前記上りデータを別バーストと仮定してその割当帯域を決定する第1割当処理と、決定した前記割当帯域の次回の前記グラント周期内での配置を決定する第2割当処理と、を実行する割当実行部を備えており、
    前記割当実行部は、前記第2割当処理の実行手段として、
    次回分の前記レポートのうちの一部又は全部と、当該レポートと送信元が同じ前記上りデータとを、連続した単一バーストとなるように帯域割当を行う単一化手段と、
    前記単一バーストのレポート部分を含むすべての次回分の前記レポートの受信時刻が、次回の前記グラント周期の終了時刻から所定時間遡った基準時刻以前となるように、当該単一バーストと前記レポートの送信時刻を設定し、前記レポートを含まない前記上りデータの受信時刻が前記基準時刻の後となるように、当該上りデータの送信時刻を設定するスケジューリング手段と、
    有することを特徴とする局側装置。
  10. 複数の宅側装置から集めたレポートに基づいて、次回のグラント周期内に自身が受信する前記各宅側装置の上りデータの帯域割当を行い、次回分の前記レポートと前記上りデータとの送信時間を前記各宅側装置にそれぞれグラントする局側装置であって、
    次回分の前記レポートのうちの一部又は全部と、当該レポートと送信元が同じ前記上りデータとを、連続した単一バーストとなるように帯域割当を行う単一化手段と、
    前記単一バーストのレポート部分を含むすべての次回分の前記レポートの受信時刻が、次回の前記グラント周期の終了時刻から所定時間遡った基準時刻以前となるように、当該単一バーストと前記レポートの送信時刻を設定し、前記レポートを含まない前記上りデータの受信時刻が前記基準時刻の後となるように、当該上りデータの送信時刻を設定するスケジューリング手段と、を備え、
    前記スケジューリング処理によって次回の前記グラント周期に生じた空き時間の一部又は全部を、いずれかの前記宅側装置のための送信時間に割り当てることを特徴とする局側装置。
  11. 複数の宅側装置から集めたレポートに基づいて、次回のグラント周期内に自身が受信する前記各宅側装置の上りデータの帯域割当を行い、次回分の前記レポートと前記上りデータとの送信時間を前記各宅側装置にそれぞれグラントする局側装置であって、
    次回分の前記レポートのうちの一部又は全部と、当該レポートと送信元が同じ前記上りデータとを、連続した単一バーストとなるように帯域割当を行う単一化手段と、
    前記単一バーストのレポート部分を含むすべての次回分の前記レポートの受信時刻が、次回の前記グラント周期の終了時刻から所定時間遡った基準時刻以前となるように、当該単一バーストと前記レポートの送信時刻を設定し、前記レポートを含まない前記上りデータの受信時刻が前記基準時刻の後となるように、当該上りデータの送信時刻を設定するスケジューリング手段と、を備え、
    前記スケジューリング処理によって次回の前記グラント周期に生じた空き時間の範囲で、当該グラント周期を短縮させることを特徴とする局側装置。
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