JP5394079B2 - 大気開放型cvd装置および金属酸化物膜の製造方法 - Google Patents

大気開放型cvd装置および金属酸化物膜の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5394079B2
JP5394079B2 JP2009007629A JP2009007629A JP5394079B2 JP 5394079 B2 JP5394079 B2 JP 5394079B2 JP 2009007629 A JP2009007629 A JP 2009007629A JP 2009007629 A JP2009007629 A JP 2009007629A JP 5394079 B2 JP5394079 B2 JP 5394079B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
narrow
metal oxide
film
gas
oxide film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2009007629A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010163663A (ja
Inventor
敬輔 佐藤
美史 傳井
真仁 井口
誠浩 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NTK Ceratec Co Ltd
Original Assignee
Nihon Ceratec Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nihon Ceratec Co Ltd filed Critical Nihon Ceratec Co Ltd
Priority to JP2009007629A priority Critical patent/JP5394079B2/ja
Publication of JP2010163663A publication Critical patent/JP2010163663A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5394079B2 publication Critical patent/JP5394079B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Description

本発明は、各種基材表面、例えば幅あるいは径の狭い、深さのある細溝状、細筒状等の微小部分の内面に金属酸化物膜を形成するための大気開放型CVD装置および金属酸化物膜の製造方法に関する。
基材表面に金属酸化物薄膜を形成する方法として、例えば、ゾルゲル法、真空蒸着法、CVD法、PVD法、溶射法等が知られている。これらのうち、大気開放型CVD法は、大型設備を必要とせず、長尺状の基材にも連続的に金属酸化物膜を形成することができるという特徴がある。大気開放型CVD法は、キャリアガス供給源、原料気化器、ノズル、これらを接続する配管、基材を載置して加熱する基材加熱装置等からなるCVD装置により、気化させた原料をキャリアガスとともに、加熱された基材表面にノズルから吹き付け、基材表面で空気中の酸素と混合ガスを反応させて基材表面に酸化物膜を堆積させる。
例えば特許文献1には、従来の大気開放型CVD装置の一例が示されており、加熱された基材の表面にノズルのガス噴出部分から混合ガスを吹き付けることで、基材表面に金属酸化物膜を形成している。
特開2007−239083号公報
特許文献1に記載された従来の大気開放型CVD装置は、ノズルの混合ガス噴出部分の形状が、スリット形状あるいは細孔を設けた所謂平面的な形状であり、幅または径の狭い細溝や細管、あるいは深さのある細溝や細筒といった微小部分の内面に成膜しようとすると、吹き付けられた原料混合ガスが基材の形状や気流の影響により、微小部分の内面に上手く送入されず、基材内面への緻密な成膜が困難であるという問題があった。
さらに、このような微小部分の内面へ成膜する場合、ガス噴出部分から放たれた原料の大半が基材で反応、堆積することなく排気されてしまい、供給する混合ガスの数%程度しか反応に使用することができない。そのため、原料のロスが大きく、基材表面に金属酸化物膜を堆積できたとしてもその成膜速度は遅く、基材上に緻密な金属酸化物膜を効率的かつ低コストで形成することが困難であった。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、大気開放型CVD法により、幅または径の狭い細溝状や細筒状、あるいは深さのある細溝状や細筒状といった微小部分の内面に緻密で、かつ効率的な金属酸化物膜を形成できる大気開放型CVD装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る大気開放型CVD装置は、気化させた金属酸化物膜の原料とキャリアガスの混合ガスを、大気開放下に加熱した基材に吹き付けてその基材内面に金属酸化物膜を形成する大気開放型CVD装置であって、記混合ガスを供給するための成膜ノズル前記成膜ノズルのガス噴出部に設置され、細溝状あるいは細筒状部分を有する前記基材方向へ伸びるとともに細溝状あるいは細筒状部分よりも細い所定長の管状部材とを備え、前記管状部材より前記細溝状あるいは細筒状部分に前記混合ガスを送入し、該細溝状あるいは細筒状部分で該混合ガスを循環させて該細溝状あるいは細筒状部分の内面に前記金属酸化物膜を成膜することを特徴とする。
このように、ノズルのガス噴出部分を成膜する基材の径よりも細い管状部材とすることで、基材となる細溝状あるいは細筒状の内面に強制的に原料混合ガスを送入でき、緻密な成膜が可能となる。
本発明の大気開放型CVD装置は、例えば、成膜の際、前記基材と前記管状部材とを所定間隔離間させるか、あるいは前記管状部材の先端部が前記細溝状あるいは細筒状部分の底部に接触しない深さだけ前記管状部材の一部を細溝状あるいは細筒状部分に挿入して前記金属酸化物膜を成膜することを特徴とする。また、例えば、前記基材と前記管状部材との離間間隔を、前記成膜時における前記混合ガスのガス流量で調節することを特徴とする。
本発明の金属酸化物膜の製造方法は、気化させた金属酸化物膜の原料とキャリアガスの混合ガスを、大気開放下に加熱した基材に吹き付けてその基材内面に金属酸化物膜を形成する金属酸化物膜の製造方法であって、前記基材が細溝状あるいは細筒状部分を有し、混合ガスを供給するための成膜ノズルのガス噴出部に、前記基材方向へ伸びるとともに前記細溝状あるいは細筒状部分よりも細い所定長の複数の管状部材を設置し、前記管状部材より該細溝状あるいは細筒状部分に前記混合ガスを送入することで、細溝状あるいは細筒状部分で該混合ガスを循環させて該細溝状あるいは細筒状部分の内面に前記金属酸化物膜を成膜することを特徴とする。
本発明によれば、大気開放型CVD装置のノズルのガス噴出部となる部分を、成膜する細溝状あるいは細筒状の径よりも細い管とすることで、幅または径の狭い細溝状や細筒状、あるいは深さのある細溝状や細筒状といった微小部分の内面に原料混合ガスを強制送入でき、基材内部で原料混合ガスが循環し、緻密な金属酸化物膜を形成することができる。さらに循環し、基材外部へ出ようとする原料混合ガスでその基材の縁の部分も成膜可能となる。また、成膜対象各々に向けて成膜するため原料のロスが少なくできるので効率が良く、かつ低コストで酸化物膜を形成できる。また、大気開放型CVD法を使用することで、大型設備を必要としないため、連続的に実用に耐える金属酸化物膜を形成することが可能となり、実用的価値が極めて高い成膜装置を提供できる。
本発明の実施の形態例に係る大気開放型化学気相析出(CVD)装置の概略構成を模式的に示す図である。 本発明の実施の形態例に係るCVD装置のノズルおよびその近辺を拡大して模式的に示す図である。 本発明の実施の形態例に係るCVD装置のノズル部と基材位置を説明するための図である。 成膜後の観察箇所を説明するための図である。 実施例1における成膜後の基材底面の写真である。 実施例2における成膜後の基材底面の写真である。 実施例3における成膜後の基材底面の写真である。 実施例4における成膜後の基材底面の写真である。 比較例1における成膜後の基材の断面写真である。 従来の成膜技術との対比における本願発明の成膜方法を模式的に示す図である。
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態を詳細に説明する。図1は、本発明の実施の形態例に係る大気開放型化学気相析出(CVD)装置(以下、単にCVD装置ともいう。)の概略構成を模式的に示している。また、図2は、図1のCVD装置のノズル部分を拡大して模式的に示している。図1および図2に示すように本実施の形態例に係るCVD装置は、ガス供給部1、ガス流量計2、原料気化部4、酸素ガス供給部6、酸素ガス流量計11、ノズル7、ノズルフード部13、これらを接続する配管3a〜3c、多孔板8、多孔板8より伸びる例えば細管等からなる管状部材12、管状部材12の下部に載置された基材10、基材10を加熱するためのヒーター9aを配した加熱装置9を備える。なお、基材10は、幅または径の狭い細溝状や細筒状、あるいは深さのある細溝状や細筒状といった微小部分を有する。
本実施の形態例に係るCVD装置のガス供給部1は、例えば窒素ガスボンベ等のキャリアガス供給源であり、このキャリアガス(例えば、乾燥窒素ガス)は、その供給量がガス流量計2で計数されながら、ヒーターH1で加熱された配管3aを介して、原料気化部4へ供給される。原料気化部4内には金属酸化物の原料5が載置されており、原料気化部4全体をヒーターH2で加熱している。原料5は、原料気化部4内で、例えば60〜300℃程度に加熱気化され、気化した金属酸化物の原料は、例えば毎分0.5〜30.0リットル程度の流量のキャリアガスとともに混合ガス供給管3bへ送られる。なお、この混合ガス供給管3bもヒーターH3で加熱されている。
一方、酸素ガス供給部6からは、その供給量が酸素ガス流量計11で計数されながら、ヒーターH3で加熱された配管3cを介して酸素ガスが供給される。この配管3cと混合ガス供給管3bとがその下流側で接続されているので、原料気化部4で気化させた金属酸化物の原料とキャリアガスとの混合ガス中に酸素ガスが供給される。そして、金属酸化物の原料と、キャリアガスの混合ガスと、酸素ガスとが混合した原料混合ガスがノズル7内に供給される。なお、酸素ガスと原料混合ガスの割合は、任意に選択することができるが、酸素ガスを原料混合ガスに対し、最低でも1%混合することが好ましい。
このように金属酸化物の原料とキャリアガスの混合ガスと酸素ガスとの混合による原料混合ガスがノズル7内に供給されることで、ヒーター9aを配した加熱装置9で加熱された基材10の内面に、ノズルフード部13に設置された多孔板8に設けられた管状部材12を通じて、この原料混合ガスが吹き付けられる。その結果、空気中の酸素と混合ガスが反応して基材10の内面に金属酸化物膜が堆積する。なお、ガス供給部1あるいは酸素ガス供給部6につながる配管には、必要に応じて除湿器を連結してもよい。
図3は、図2のノズル部分をさらに拡大して示す図であり、後述する実施例1〜4に対応させて模式的に示している。図3(a)に示すように多孔板8より伸びる管状部材12の径D1は、基材(カップ部材)10の径φよりも細く作られている。基材10の径より細くすることで、基材10内に管状部材12の一部を挿入することが可能となり、原料混合ガスを強制的に送入できるからである。なお、管状部材12の径は基材10の径より細ければ特に限定しないが、放たれた原料混合ガスが基材内部で循環した後、外部へ排出されやすい程度の径であることが好ましい。
さらに、管状部材12と基材10との離間距離および挿入深さも特に限定しない。つまり、図3(d)に示すように管状部材12が基材10から離間していても、あるいは図3(c)に示すように管状部材12の先端部が基材10の上面部(カップ縁部)と一致する位置にあっても、あるいは図3(a)および図3(b)に示すように管状部材12を基材10の内部に挿入して成膜を行ってもよい。このとき挿入深さは限定しないが、挿入時、管状部材12の先端部が基材10の底部に接触しない程度であることが好ましい。管状部材12を接触させてしまうと管状部材12内にガスの逆流が生じるためである。また、離間距離は成膜時のガス流量で調節が可能である。
さらには、管状部材12の形状についても特に限定はしない。本実施の形態例では円筒状の細管を使用しているが、これに限定されず、例えば楕円または三角形や多角形の管や、それらにテーパーをつけた管でもよい。また、基材10内に管状部材12の一部を挿入して成膜する場合に限り、管状部材12の基材10に挿入される部分に横穴を空けることで、基材内面の側面部に効率よく成膜することも可能である。
また、基材10内に管状部材12の一部を挿入して成膜する場合、管状部材12を挿入したまま成膜を行ってもよいし、あるいはノズル7を少しずつ上昇させながら成膜を行ってもよい。あるいは、ノズル7を固定し、基材10側を少しずつ下降させてもよいし、ノズル7と基材10の双方を可動させてもよい。
ノズルフード部13、多孔板8、管状部材12の材質や厚み等については、加熱によりゆがみが発生しない程度のものであれば、例えばステンレス鋼を使用する等、特に限定しない。
また、多孔板8に配置される管状部材12は単数あるいは複数のいずれであっても特に限定しないが、複数本を設置して成膜する場合、一度に大量の基材内面に成膜が可能である。また、多孔板8に対する管状部材12の配置も特に限定しない。しかしながら、ノズルフード13内の気流差等で膜質に差が生じないよう均等に配置する方がより好ましい。
本実施の形態例に係るCVD装置において、大気開放型CVD法により酸化物膜を形成する基材に制限はなく、混合ガスを吹き付ける際の加熱に耐えられる材料であれば、通常のCVD法に用いられる基材、例えば金属、金属酸化物、ガラス、陶磁器、セラミックス、プラスチック等を使用することができる。また、基材の種類は、用途等に応じて選択されるが、好ましい基材としては、プラスチック、ステンレス鋼や鉄等の導電性材料、酸化亜鉛や酸化チタン等の誘電体多結晶、あるいは単結晶材料、Si半導体材料等がある。
また、基材に形成する酸化物に特に制限はないが、好ましい酸化物としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化イットリウム、サファイア、Sn:In23(ITO:Indium Tin Oxide)等の金属酸化物が挙げられる。この金属酸化物を構成する原料としては、それを揮発させて大気中に放出した際に、大気中の酸素あるいは水分等と反応して金属酸化物を形成するものであれば特に限定されない。例えば、各種金属のアルキル化合物、アルケニル化合物、フェニルあるいはアルキルフェニル化合物、アルコキシド化合物、ジ−ピバロイルメタン化合物、ハロゲン化合物、アセチルアセトネート化合物、EDTA化合物等が挙げられる。これらのうち、安全性等の観点からジ−ピバロイルメタン化合物が好ましい。
上述したキャリアガスとしては、加熱下で使用する原料化合物と反応する媒体でなければ、特に限定されない。例えば、上述した窒素ガス以外にも、アルゴンガス等の不活性ガス、炭酸ガス、有機フッ素系ガスあるいはヘキサン、ヘプタン等の有機物等を使用できる。なお、安全性、経済性の面からは不活性ガスが好ましく、中でも窒素ガスが経済性の面より最も好ましい。また、酸素ガス供給部6から供給される酸素ガスは、酸素単体を使用しても、あるいは酸素を窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガスと混合して供給してもよい。さらには、酸素ガスとともに、あるいは酸素ガスに代えてオゾンを使用することも可能である。この場合、酸素ガスと不活性ガスの混合割合は、容量比で10:90〜100:0(通常は、20:80、あるいは100:0)とすることが好ましい。
以上の説明のとおり、大気開放型CVD装置のノズルのガス噴出部分を基材の穴径よりも細い管とすることで、幅または径の狭い細溝状や細筒状、あるいは深さのある細溝状や細筒状といった微小部分の内面に原料混合ガスを強制送入することが可能となるため、基材上に緻密で、かつ効率的な金属酸化物膜を形成することができる。
また、ノズルに配された多孔板に管状部材を複数本設置することで、一度に大量の基材の成膜が可能となるため成膜効率を向上することができる。さらに、成膜対象各々に向けて成膜するため、原料のロスが少なく低コストで膜形成ができる。さらには、大気開放型CVD法を使用することにより、大型設備を必要としないため、連続的に実用に耐える金属酸化物膜を形成することが可能となり、実用的価値が極めて高くなる。
ここでは、図3に示すように基材10と管状部材12の間隔を振り分け、図1および図2に示したCVD装置を使用して成膜実験を行った。なお、これらの実施例では、多孔板8の材質をステンレス鋼とし、その厚みtを10mmとした。同様に管状部材12の材質もステンレス鋼とし、その外径D1を1.6mm、内径D2を1.0mmとした。また、基材10としてφ2.6mm、深さdが5mmのアルミ基材を準備した。さらに、これらの実施例では、原料としてY(DPM)3(トリス(ジピバロイルメタナト)イットリウム:tris(dipivaloylmethanato)yttrium(純度99.6%))を用いた。成膜条件としては、N2キャリアガスのガス流量を10リットル/min、O2ガス流量を1リットル/min、Y(DPM)3の気化温度を220℃、基板の加熱温度を500℃、成膜時間を20分に設定した。
図4は、本実施例において形成された膜の膜厚測定方法等を説明するための図であり、表1は成膜結果を示している。本実施例では、図4(a)に示すように、所定厚のアルミ基材からなる分離可能な模擬形状部材40a,40bに貫通孔41を設け、その側面部Aと底面部Bに膜厚測定用のSiカットウエハを配して、管状部材42より貫通孔(カップ)41へ原料ガスを送入した。図4(b)は、上記の側面部Aと底面部Bに形成された金属酸化物膜43を模式的に示しており、形成された金属酸化物膜43のうち側面部Aの膜については、切断線a1−a2に沿って縦方向に切断し、その破断面45の上部、中部、下部の3箇所につき膜厚を測定した。また、底面部Bについては、形成された金属酸化物膜43の底面部分を切断線b1−b2に沿って水平方向に切断し、その破断面47の中心部、周縁内部、周縁外部の3箇所の膜厚を測定した。
実施例1の成膜条件は、管状部材と基材とについて、図3(a)に示すように管状部材を基材カップの内部に挿入(挿入距離S1=4mm)して成膜した。また、実施例2は、図3(b)に示すように管状部材を基材カップの内部に距離S2=2.5mm挿入して成膜した。一方、実施例3は、図3(c)に示すように、管状部材の先端部がカップ縁部と一致する位置(管状部材−カップ間距離S3=0mm)で成膜した例であり、実施例4は、図3(d)に示すように管状部材の先端を基材から離間させた状態(管状部材−カップ間距離S4=2mm)で成膜した例である。図5〜図8は、管状部材−カップ間距離を上記4つの水準で振った実施例1〜4における成膜後の金属酸化物膜の状態を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した結果を示している。
比較例
比較例として、上記実施例と同様の成膜条件とし、上述した引用文献に見られるノズルの形状を用いたスリット状ノズルを比較例1に、多孔穴状ノズルを比較例2に適用して実施例の結果と比較した。その結果を表1に示すとともに、比較例1の成膜後の写真を図9に示す。具体的には、所定厚のアルミ基板にφ2.6mmの貫通穴を空けてなる模擬形状基板をSiウエハ上に設置し、従来の大気開放型CVD装置で成膜を行った。なお、表1中の符号“−”は、成膜されなかったことを指している。
実施例における成膜結果として、表1から分かるようにカップ内部まで管状部材を挿入して成膜した方が側面における膜厚が厚い傾向にある。また、実施例と比較例とを対比すると、表1に示す比較例1および比較例2の方法では、深さ方向において約1mm程度のところまでしか成膜されず、底面には全く成膜されなかった。比較例1の成膜状態は、図9に示すように成膜部91と未成膜部93とを有することが分かる。よって、従来の方法では、基材内面への成膜は不可能であることが判明したが、これは気流等の影響により、吹き付けられた原料混合ガスが送入されなかったためである。これに対して実施例では、基材の底部まで成膜されていることが分かる。これは、実施例においてガス噴出部分である管状部材が基材内へ強制的に送入され、さらに基材内部で原料混合ガスが循環しているためである。
図10は、従来の成膜技術との対比における本願発明の成膜方法を模式的に示している。図10(a)は従来の内面成膜の様子を示しており、ノズル101から供給された原料混合ガス103が、加熱装置109上に載置した基材105の内部に送入されずに外部へ回り込んでいることが分かる。これに対して、図10(b)に示す本願発明の成膜方法では、管状部材110から供給された原料混合ガス113が、加熱装置109上に置いた基材105の内部の隅々にまで達し、原料混合ガスが基材内部で循環していることが分かる。
本発明は、大気開放型化学気相析出(CVD)装置を使用し、冷陰極蛍光管(CCFL)等に使用されるカップ電極といった基材の内面に金属酸化物膜を成膜することにより、寿命の向上等を目的とし、テレビやモニタといった液晶ディスプレイ等に利用できる。
1 ガス供給部
2 ガス流量計
3a〜3c 配管
4 原料気化部
5 原料
6 酸素ガス供給部
7 ノズル
8 多孔板
9 加熱装置
9a,H1〜H3 ヒーター
10 基材
11 酸素ガス流量計
12,42 管状部材
13 ノズルフード部
40a,40b 模擬形状部材
41 貫通孔
43 金属酸化物膜
45,47 破断面

Claims (4)

  1. 気化させた金属酸化物膜の原料とキャリアガスの混合ガスを、大気開放下に加熱した基材に吹き付けてその基材内面に金属酸化物膜を形成する大気開放型CVD装置であって、
    記混合ガスを供給するための成膜ノズル
    前記成膜ノズルのガス噴出部に設置され、細溝状あるいは細筒状部分を有する前記基材方向へ伸びるとともに細溝状あるいは細筒状部分よりも細い所定長の管状部材と
    を備え、
    前記管状部材より前記細溝状あるいは細筒状部分に前記混合ガスを送入し、該細溝状あるいは細筒状部分で該混合ガスを循環させて該細溝状あるいは細筒状部分の内面に前記金属酸化物膜を成膜することを特徴とする大気開放型CVD装置。
  2. 成膜の際、前記基材と前記管状部材とを所定間隔離間させるか、あるいは前記管状部材の先端部が前記細溝状あるいは細筒状部分の底部に接触しない深さだけ前記管状部材の一部を細溝状あるいは細筒状部分に挿入して前記金属酸化物膜を成膜することを特徴とする請求項1に記載の大気開放型CVD装置。
  3. 前記基材と前記管状部材との離間間隔を、前記成膜時における前記混合ガスのガス流量で調節することを特徴とする請求項2に記載の大気開放型CVD装置。
  4. 気化させた金属酸化物膜の原料とキャリアガスの混合ガスを、大気開放下に加熱した基材に吹き付けてその基材内面に金属酸化物膜を形成する金属酸化物膜の製造方法であって、
    前記基材が細溝状あるいは細筒状部分を有し、混合ガスを供給するための成膜ノズルのガス噴出部に、前記基材方向へ伸びるとともに前記細溝状あるいは細筒状部分よりも細い所定長の複数の管状部材を設置し、前記管状部材より該細溝状あるいは細筒状部分に前記混合ガスを送入することで、細溝状あるいは細筒状部分で該混合ガスを循環させて該細溝状あるいは細筒状部分の内面に前記金属酸化物膜を成膜することを特徴とする金属酸化物膜の製造方法。
JP2009007629A 2009-01-16 2009-01-16 大気開放型cvd装置および金属酸化物膜の製造方法 Expired - Fee Related JP5394079B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009007629A JP5394079B2 (ja) 2009-01-16 2009-01-16 大気開放型cvd装置および金属酸化物膜の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009007629A JP5394079B2 (ja) 2009-01-16 2009-01-16 大気開放型cvd装置および金属酸化物膜の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010163663A JP2010163663A (ja) 2010-07-29
JP5394079B2 true JP5394079B2 (ja) 2014-01-22

Family

ID=42580053

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009007629A Expired - Fee Related JP5394079B2 (ja) 2009-01-16 2009-01-16 大気開放型cvd装置および金属酸化物膜の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5394079B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4930446B2 (ja) * 2008-04-14 2012-05-16 トヨタ自動車株式会社 車両走行制御装置

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5120785A (en) * 1974-08-14 1976-02-19 Hitachi Ltd Cvd makunokeiseihoho
US4293594A (en) * 1980-08-22 1981-10-06 Westinghouse Electric Corp. Method for forming conductive, transparent coating on a substrate
JPH05259092A (ja) * 1992-03-13 1993-10-08 Mitsubishi Electric Corp 薄膜形成装置
JP2007239083A (ja) * 2006-03-13 2007-09-20 Nagaoka Univ Of Technology 基材表面に金属酸化物膜を形成する方法及び該方法に使用する大気開放型cvd装置のノズル
JP2008274374A (ja) * 2007-05-02 2008-11-13 Seiko Epson Corp 成膜装置および成膜方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010163663A (ja) 2010-07-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101203254B1 (ko) 루테늄막의 성막 방법 및 컴퓨터 판독 가능한 기억 매체
TW201111050A (en) Gas distribution showerhead and method of cleaning
WO2006057706A3 (en) Method for deposition of metal layers from metal carbonyl precursors
JP2007277719A (ja) 薄膜堆積システム内における基板の周辺端部での一酸化炭素中毒を抑制する方法及び装置
TW200828434A (en) Shower plate and its fabrication process, plasma processing equipment employing it, plasma processing method and process for fabricating electronic device
KR102245106B1 (ko) 확산 접합 플라즈마 저항성 화학 기상 증착(cvd) 챔버 히터
KR20100096033A (ko) 기판 처리 장치
KR101217419B1 (ko) Sr-Ti-O계 막의 성막 방법 및 기억 매체
TW201931513A (zh) 用於半導體製程腔室部件的Y2O3-SiO2保護性塗佈
US20020042191A1 (en) Chemical vapor deposition apparatus and chemical vapor deposition method
US20060182886A1 (en) Method and system for improved delivery of a precursor vapor to a processing zone
JP5394079B2 (ja) 大気開放型cvd装置および金属酸化物膜の製造方法
KR101171558B1 (ko) 성막 방법 및 기억 매체
JP2007239083A (ja) 基材表面に金属酸化物膜を形成する方法及び該方法に使用する大気開放型cvd装置のノズル
US8349146B2 (en) Method for manufacturing nickel silicide nano-wires
JP5095230B2 (ja) SrTiO3膜の成膜方法およびコンピュータ読取可能な記憶媒体
US20240023204A1 (en) Coated conductor for heater embedded in ceramic
CN101752223A (zh) 制造半导体器件的方法及装置
JP2005191023A (ja) プラズマ処理装置
KR101456099B1 (ko) 무 바인더 세라믹 코팅 메탈마스크
US11335896B2 (en) Method for producing yttrium oxide-containing thin film by atomic layer deposition
JP2005298874A (ja) Cvd原料及びそれを用いた気化供給方法並びに成膜方法
US6458212B1 (en) Mesh filter design for LPCVD TEOS exhaust system
JP2006120974A (ja) プラズマcvd装置
JP5245365B2 (ja) 希土類水酸化物被膜及び希土類酸化物被膜の形成方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120113

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130527

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130618

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130814

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130924

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20131016

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees