JP5394068B2 - 永久磁石がv字形に配置された電磁アクチュエータ - Google Patents

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Description

本発明は、永久磁石がV字形に配置された電磁アクチュエータに関する。
特許文献1は、コイルと、このコイルの磁束を通過させ、アーマチュア内に復帰路を形成するようになっているコアとを備え、電磁石の作用により移動できるアーマチュアに関連する作動部材を有する電磁アクチュエータを開示している。
コアはベースを有し、このベースから、中心ブランチを含むブランチが延び、中心ブランチのまわりをコアが延びている。電磁石は、2つの永久磁石を備え、これらの永久磁石は、コアが電磁石の磁束を通過させ、アーマチュア内に復帰路を形成し、コイルの磁束が磁石を貫通するように、コア内に組み込まれている。
前記特許文献1に記載された実施例の1つでは、コアの側方ブランチ内に、永久磁石が斜めに配置されており、これによって、電磁石の高さを高くすることなく、コイルの高さに実質的に等しい長さを有する磁石をコア内に収容することが可能となっている。
フランス国特許FR2865238号
しかし、上記の構成は、磁石を挿入できるように積層コアをカットしなければならないことを意味し、そのため、積層コアが機械的に弱体化し、組み立て上の問題が生じる。更に、積層コアと永久磁石との間のギャップは、積層コアをカットする精度に応じて決まるが、このカットを制御することは困難である。
本発明の目的は、組み立てが容易な、斜めの磁石を有する電磁アクチュエータを提供することにある。
この目的を達成するために、本発明は、アーマチュアと関連する少なくとも1つの電磁石の作用により移動させられる作動部材を有する電磁アクチュエータであって、コイルと、前記アーマチュアの磁束の復帰路を形成するように、コイルの磁束を通過させるコアを備え、このコアは、ベースを有し、このベースから、中心ブランチを含むブランチが延びており、かつ中心ブランチのまわりに、コイルが延びており、前記コアは、前記アーマチュア内に復帰路を形成し、前記永久磁石の磁束を通過させ、前記コイルの磁束が前記電磁石を貫通するよう、前記コアに関連する2つの永久磁石とを備える電磁アクチュエータにおいて、前記2つの永久磁石は、前記コアの中心ブランチ内に配置されていて、V字形を形成し、このV字形は、前記永久磁石を支持するとともに、前記ベースと一体的な支持部と前記永久磁石の上にあるエンド部分に、前記中心ブランチを分離するようになっていることを特徴とする電磁アクチュエータに関する。
コアは、磁石を支持するための部分を内蔵する主要部分(永久磁石を位置決めするために、この部分へアクセスすることは完全に自由である)と、前記部品に設置された磁石に取り付けられ、支持部分よりも上方に位置するエンド部分とに分離されており、エンド部分は、永久磁石によって形成されたV字形上に自らセンタリングされる。従って、このアクチュエータの組み立ては、容易となっている。
従って、永久磁石とコアを構成する積層部との間のギャップを低減または解消するには、エンド部品に圧縮力を加えるだけで十分である。
添付図面を参照し、次の説明を読めば、本発明について、よりよく理解できると思う。
図1に示すように、本発明の電磁アクチュエータは、コア2とコイル3を有する電磁石1を備えている。この電磁石1は、電磁力を、軸線に沿って移動できるプッシュロッド5と一体的なアーマチュア4に、制御された態様で加える。
このアクチュエータは、例えば内燃機関のバルブを作動させるのに使用され、プッシュロッド5がバルブのスライド軸線に沿うように配置されている。公知のように、アクチュエータは、アーマチュア4を選択的に反対方向に引き寄せるよう、電磁石1に対向している別の電磁石(図示せず)を備えている。
プッシュロッド5の端部とバルブの端部とは、対向するスプリング(図示せず)により、互いに向き合っている。これにより、2つの電磁石の間のほぼ中間部にアーマチュア4が延びる、プッシュロッド5とバルブとの組立体の平衡位置が得られている。
電磁石1のコア2は、ベース10を有し、このベース10から、2つの側方ブランチ11および中央ブランチが延びており、前記中央ブランチのまわりに、コイル3が位置している。
中央ブランチは、ベース10と一体的な対向する傾斜面を有する2つの支持部12を備え、この支持部12は、コア2を支持するようになっている。この支持部12は、永久磁石13がX軸に対して斜めに延び、V字状を形成するよう、永久磁石13を収納するようになっている。V字形の先端は、ベース10に向いている。従って、中央ブランチの端部を形成するV字形クサビ14が形成されている。
図1には、アーマチュア4内に復帰路を形成するよう、コア2を貫通する永久磁石13によって発生された磁束ライン路が、太い点線で示されている。クサビ14の作用端面15には、永久磁石13と平行な溝17が形成されている。この溝17は、溝17のいずれかの側面を通る永久磁石13の2つの磁束ラインをシャープに分離している。
図3(図1に対して、コアを上下逆に示されている)から分かるように、このアクチュエータは、次のように取り付けられている。
ベース10、側方ブランチ11および支持部である中央ブランチ12を有する積層部を組み立ててコア2を形成した後、中央ブランチの支持部12の所定位置に永久磁石13を挿入する。これに関連し、中央ブランチの支持部12には、永久磁石13の位置決めを容易にするための凹入段部50が設けられている。対応する積層部を組み立ててクサビ14を形成した後、矢印で示すように、永久磁石13にクサビ14を取り付ける。このクサビ14は、永久磁石13の上方に位置し、永久磁石13によって形成されたV字形によって、自動的にセンタリングされる。
図3は、2本のプッシュロッド(図示せず)を作動させるようになっているダブルアクチュエータを示す。このダブルアクチュエータは、2つのコイル3、3と、図1に示されているコアと同じ2つのコアを並置して、ブランチの単一ブランチを形成することによって得られる共通のコア2とを備えている。
前と同じように、このコア2は、中央ブランチを有し、この中央ブランチのまわりにコイル3が位置している。この中央ブランチ12は、永久磁石13を支持する支持部12とクサビ14とを有する。
組立体全体を所定位置に保持するために、非磁性クランプ18が使用されている。このクランプ18は、クサビ14の作用端面15における溝17内に収容された細長い部材19と支杆20を有する。
この支杆20は、クサビ14を貫通する孔内に進入して、永久磁石13の間に延び、最後にコア2における孔(図示せず)に進入し、例えばネジ留め、またはリベット締めによって、コアに締結されるようになっている(変形例として、支杆をコア2へ貫通させ、本体100に直接固定できる)。
非磁性クランプにより、一方の支持部12と永久磁石13との間、また、他方の永久磁石13とクサビ14との間の製造公差に起因して残留する残留ギャップをなくすか、または解消するように、圧縮力を加えることが可能となっている。このようにして、ギャップをなくすことにより、アクチュエータの磁気効率を高めることができる。
図1に示されている本発明の1つの特徴として、クサビ14の端面15は、側方ブランチ11の端面16に対して、値hだけセットバックされている。
従って、アーマチュア4がコア2に当接すると、アーマチュアは、側方ブランチ11の端面16にしか当接せず、中央ブランチには当接しない。
一般に、永久磁石が粉末材料を焼結することにより製造されているとき、この永久磁石は、衝撃に対して極めて敏感である。アーマチュア2がコア4に衝突したときのショックから永久磁石13を保護することが、セットバックhにより可能となっており、そのため、アクチュエータの寿命が長くなっている。
更に、かかるセットバックがないと、コアの製造公差により、アクチュエータのアーマチュアとブランチとの間に残留ギャップが生じ、コア2からアーマチュア4を繰り返し分離させる可能性を減じるような磁気ヒステリシスを生じさせる。しかし、前記したセットバックにより、このヒステリシスを低減または解消することが可能となっている。
この目的のために、1mmの10分の1の数倍程度の大きさのセットバックhを設けることが好ましい。すなわち、セットバックの値hは、アーマチュアと中心ブランチとの間に大きなギャップを形成するようなギャップよりも、相当に大きくすることが好ましい。このような大きなギャップは、アーマチュアがコアに接近しているときの残留ギャップの大きさをより大とする。これによって、残留ギャップに生じる磁気ヒステリシスの影響は、低減または解消させられる。
実際には、アクチュエータの性能を低下させないよう、0.36mm未満に維持しながら、0.1mmより大きいセットバックの値hを選択することが好ましい。
特に、図1および図2により分かる、本発明の特定の特徴によれば、コア2は、V字形の先端近くにおいて、永久磁石13の間に延びる空間30を有し、この空間30に、クサビ14の先端31が位置している。クランプ18によりクサビ14がクランプされるが、クサビ14の角度がかなり鋭角になっているので、X軸線に沿った先端13の位置が大きく分散する。この空間30により、先端31とコア2の残りの部分との接触は防止され、かつこの分散を吸収することが可能となっている。
更に、クサビ14とベース10との間に、十分に大きいギャップを形成するために、空間30は、十分に深いものとされ、これにより、使用中、磁束がクサビ14とベース10との間を通過し、永久磁石13を短絡することが防止される。
最後に、空間30は、永久磁石13がV字形の先端を形成する場所で、永久磁石13のベースにおいて、非磁性領域を形成し、よって、コアのこの領域にある永久磁石13の磁束ラインを、シャープに分離することが可能となっている。
本発明は、上に説明したものだけに限定されるものではなく、むしろ逆に、特許請求の範囲によって定められる範囲内の変形例を含むものである。
特に、永久磁石がV字形をなし、このV字形の先端が、コアのベースに向いているアクチュエータについて述べたが、先端がアーマチュアに向いた状態のV字形を磁石が形成するように、磁石を配置することも可能である。この際、ベースの磁石支持部品は、傾斜面を有するが、この傾斜面は、互いには対向せず、側方ブランチに向いており、一方、中心ブランチの端部は、クサビ形ではなく、帽子形となる。
本発明に係わるアクチュエータの部分断面略図である。 取り付け中の図1のアクチュエータの部分略図である。 本発明に係わるダブル電磁アクチュエータの一部分解切り欠き斜視図である。
符号の説明
1 電磁石
2 コア
3 コイル
4 アーマチュア
5 プッシュロッド
10 ベース
11 側方ブランチ
12 支持部
13 永久磁石
14 エンド部
15 作用端面
16 端面
17 溝
18 クランプ
19 細長い部材
20 支杆
30 空間
31 先端
50 凹入段部
100 本体

Claims (7)

  1. 電磁アクチュエータであって、アーマチュア(4)に関連する作動部材を有し、かつ少なくとも1つの電磁石の作用下で動くことができ、
    コイル(3)と、コア(2)と、2つの永久磁石(13)とを備え、
    前記コア(2)は、コイルの磁束を導き、アーマチュアに復帰路を形成するようになっており、前記コア(2)は、ベース(10)を有し、前記ベース(10)からはブランチが延び、ブランチには、まわりにコイルが延びる中心ブランチが含まれ、
    2つの永久磁石(13)は、前記コアに関連し、前記コアが永久磁石の磁束を導き、アーマチュアに復帰路を形成するようになっており、コイルの磁束は、磁石を通過し、
    2つの永久磁石は、V字形を形成するように前記コアの中心ブランチに配置され、V字形は、中心ブランチを支持部(12)とエンド部(14)とに分離し、支持部(12)は、永久磁石を支持し、前記ベースと一体となっており、エンド部(14)は、永久磁石を覆い、
    前記電磁アクチュエータは、前記エンド部(14)を前記永久磁石(13)に押圧するための押圧手段(18)を備え、
    前記押圧手段(18)は、非磁性クランプを備え、前記非磁性クランプは、細長い部分(19)と、少なくとも1つの支柱(20)とを有し、前記細長い部分(19)は、前記永久磁石(13)に平行な、エンド部(14)の作用面の溝(17)内にあり、前記支柱(20)は、この細長い部分(19)から延び、前記エンド部(14)を貫通し、前記永久磁石(13)の間を通ることを特徴とする電磁アクチュエータ。
  2. 前記永久磁石によって形成されるV字形の折り曲げ点は、前記ベース(10)に向かい、前記エンド部(14)はクサビ形となっている、請求項1記載の電磁アクチュエータ。
  3. 前記エンド部(14)は、前記アーマチュア(4)を向く作用端面(15)を有し、前記永久磁石(13)に平行な溝(17)が存在する、請求項1記載の電磁アクチュエータ。
  4. 支持部(12)とエンド部(14)の一方は、前記永久磁石の間に係合するポイントを形成し、他方は、前記永久磁石によって形成されたV字形のベースに空間(30)を有する、請求項1記載の電磁アクチュエータ。
  5. 前記空間(30)は、使用中に、磁束が、前記コアの支持部(12)とエンド部(14)の間を通過するのを防止するのに十分な深さを有する、請求項記載の電磁アクチュエータ。
  6. 中心ブランチのエンド部は、他のブランチの端面(16)に対し、ある値(h)だけセットバックしている端面(15)を有する、請求項1記載の電磁アクチュエータ。
  7. 前記セットバックの値(h)は、0.1mm〜0.35mmの範囲内にある、請求項記載の電磁アクチュエータ。
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