JP5393299B2 - 台所用液体洗浄剤組成物 - Google Patents
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Description
洗浄剤組成物の油汚れに対する洗浄力を向上するため、従来、界面活性剤の含有割合の高い洗浄剤組成物が提案されたり、油汚れに対する洗浄力の高い界面活性剤が使用されたりしている。
しかし、その反面、毎日繰り返される食器洗い等により手荒れが生じやすくなり、手肌の感触が悪くなる問題があった。
したがって、台所用の洗浄剤組成物においては、油汚れに対する洗浄力の向上と、手荒れを軽減すること(手肌マイルド性)および洗浄後における手肌の感触が良好であることのいずれも満足できる技術の開発が望まれていた。
特許文献1に記載された液体洗浄剤では、アニオン性オルガノポリシロキサンが食器等を洗浄する際に水で希釈されると手に吸着し、皮膚上に形成される当該アニオン性オルガノポリシロキサンの層によって、界面活性剤の化学的刺激あるいは洗浄器具(スポンジ等)の物理的刺激から皮膚が防御される、ことにより手荒れが少なくなると考えられている。
しかしながら、特許文献1に記載された液体洗浄剤では、実施例において、モデル汚染食器を洗浄できた皿の枚数が、最も多くて10枚であり充分とはいえず、油汚れに対する洗浄力のさらなる向上が望まれていた。
また、特許文献1に記載された液体洗浄剤は、洗浄後の手荒れの少なさを課題の一つとしているが、洗浄後の手の感触を改善するものの、手荒れ自体を充分に軽減できるものではなかった。また、洗浄後の手の感触は、食器洗いを行う前と同じ程度の感触に保たれているとはいえず、未だ充分なものではなかった。
そのため、従来の方法では、食器洗いを行った後における手肌の感触を、食器洗いを行う前と同じ程度の感触に保つことは困難であった。
一方、手肌の感触を良好に保つため、台所用の洗浄剤組成物において、洗浄成分と共に感触付与成分を配合すると、油汚れに対する洗浄力が低下しやすい問題があった。さらに、その際に洗浄剤組成物は白濁を起こしやすく、低温下での経時保存だけでなく、室温下での経時保存においても、透明外観を安定に確保することが困難であった。
すなわち、本発明の台所用液体洗浄剤組成物は、ノニオン性界面活性剤(A)と、下記の数式(S)で表されるナロー率が55質量%以上のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩(B1)と、アミンオキシド型界面活性剤及び/又は両性界面活性剤(C)と、ポリエーテル変性シリコーン(D)と、トルエンスルホン酸、トルエンスルホン酸塩、クメンスルホン酸、クメンスルホン酸塩、安息香酸、安息香酸塩及びエタノールからなる群から選ばれる少なくとも一種のハイドロトロープ剤(E1)とを含有することを特徴とする。
また、本発明の台所用液体洗浄剤組成物においては、前記ハイドロトロープ剤(E1)が、トルエンスルホン酸、トルエンスルホン酸塩、クメンスルホン酸、クメンスルホン酸塩、安息香酸及び安息香酸塩からなる群から選ばれる少なくとも一種とエタノールであることが好ましい。
また、本発明の台所用液体洗浄剤組成物においては、アルカンスルホン酸塩(B2)をさらに含有することが好ましい。
本発明の台所用液体洗浄剤組成物は、ノニオン性界面活性剤(A)と、前記ナロー率が55質量%以上のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩(B1)と、アミンオキシド型界面活性剤及び/又は両性界面活性剤(C)と、ポリエーテル変性シリコーン(D)と、特定のハイドロトロープ剤(E1)とを含有する。
本発明において、(A)成分はノニオン性界面活性剤である。
(A)成分は、特に限定されるものではなく、たとえばポリオキシアルキレンアルキルエーテル、エステル型ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、アルカノールアミド、ポリオキシエチレンアルカノールアミド等のアルカノールアミド誘導体、ポリオキシエチレンソルビタンエステル(炭素数8〜16、オキシエチレン基の平均繰返し数1〜10)、ソルビタンエステル(炭素数8〜16)、ソルビトールエステル(炭素数8〜16)、蔗糖脂肪酸エステル(炭素数6〜16)、メチルグルコシドエステル(炭素数6〜16)、メチルマンノシドエステル(炭素数6〜16)、エチルグルコシドエステル(炭素数6〜16)、N−メチルグルカミド(炭素数6〜16)、環状N−メチルグルカミド(炭素数6〜16)、アルキルグルコシド(炭素数6〜16)、アルキルポリグルコシド(炭素数6〜16)、アルキルグリセリルエーテル(炭素数6〜16)が挙げられる。
R11のアルキル基、アルケニル基において、炭素数は8〜18であり、油汚れに対する洗浄力や製品の低温安定性が向上することから、炭素数10〜14が好ましい。
R12は、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表す。
m1は、オキシアルキレン基の平均繰返し数を示す3〜25の数であり、5〜25が好ましい。
AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基を表し、1種単独であってもよく、2種以上が混在していてもよい。2種以上が混在する場合、ランダム状に混在していてもよく、ブロック状に混在していてもよい。
AOがオキシエチレン基の場合、m1は3〜25の数であり、5〜25が好ましく、7〜20がより好ましい。
化合物(I)として具体的には、前記一般式(I)において、
R11=炭素数12の直鎖状のアルキル基、R12=水素原子、m1=9、AO=オキシエチレン基で表される化合物(ポリオキシエチレンアルキルエーテル);
R11=炭素数12の直鎖状のアルキル基、R12=水素原子、m1=15、AO=オキシエチレン基で表される化合物が挙げられる。
R21のアルキル基、アルケニル基において、炭素数は6〜18であり、油汚れに対する洗浄力や製品の低温安定性が向上することから、炭素数8〜16が好ましい。
m2は、オキシアルキレン基の平均繰返し数を示す3〜25の数であり、5〜25が好ましい。
AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基を表し、上記式(I)におけるAOと同じである。
AOがオキシエチレン基の場合、m2は3〜25の数であり、5〜25が好ましく、6〜20がより好ましい。
化合物(II)として具体的には、前記一般式(II)において、
R21=炭素数10の直鎖状のアルキル基、m2=10、AO=オキシエチレン基で表される化合物(ポリオキシエチレンラウリン酸メチルエステル)が挙げられる。
R31のアルキル基において、炭素数は7〜17であり、油汚れに対する洗浄力や製品の低温安定性が向上することから、炭素数11〜13が好ましい。
Xは、水素原子又はヒドロキシエチル基を表す。
化合物(III)として具体的には、前記一般式(III)において、
R31=炭素数11の直鎖状のアルキル基、X=ヒドロキシエチル基、m3=0で表される化合物(ラウリン酸ジエタノールアミド);
R31=炭素数11の直鎖状のアルキル基、X=水素原子、m3=0で表される化合物(ラウリン酸モノエタノールアミド);
R31=炭素数11の直鎖状のアルキル基、X=水素原子、m3=2で表される化合物(ポリオキシエチレン(2)ラウリン酸モノエタノールアミド)が挙げられる。
そのなかでも、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルとアルカノールアミド誘導体との組合せがさらに好ましく、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルとポリオキシエチレンラウリン酸モノエタノールアミドとの組合せが特に好ましい。
台所用液体洗浄剤組成物における(A)成分の含有量は、10〜40質量%であることが好ましく、10〜30質量%であることがより好ましく、13〜27質量%であることがさらに好ましく、15〜25質量%であることが特に好ましい。
(A)成分の含有量が10質量%以上であると、手肌マイルド性がより向上する。また、油汚れに対する洗浄力がより向上する。さらに、濯ぎ性も向上する。加えて、特に低温条件での保存安定性が向上し、透明外観をより安定に確保できる。
(A)成分の含有量が40質量%以下であると、液体洗浄剤組成物の高粘度化が抑制され、流動性がより良好となる。また、特に低温下での経時保存で白濁を起こしにくくなる。
本発明において、(B1)成分は、下記の数式(S)で表されるナロー率が55質量%以上のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩(B1)である。
(B1)成分を含有することにより、主として、油汚れに対する洗浄力が良好となる。また、液体洗浄剤組成物の保存安定性が良好となり、透明外観を安定に確保できる。特に低温条件での保存安定性に優れる。さらに、手肌マイルド性も良好となる。
(B1)成分におけるアルキレンオキシド付加体とは、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩を意味し、アルキレンオキシドとは、エチレンオキシドを意味する。
(B1)成分において、ナロー率は55質量%以上であり、油汚れに対する洗浄力がさらに向上することに加えて、泡の持続性も向上することから、ナロー率は65質量%以上であることがさらに好ましい。ナロー率の上限値は高いほど好ましく、製造性の点から、実質的には90質量%以下である。
なお、数式(S)において、nmaxがゼロ(モル)のとき、ナロー率はY0とY1とY2との合計の割合(質量%)となり;nmaxが1(モル)のとき、ナロー率はY0とY1とY2とY3との合計の割合(質量%)となる。
(B1)成分の製造方法としては、たとえば、高級アルコールとエチレンオキシドとを常法により合成した反応生成物から、蒸留等により所望の分子量範囲、すなわち、所望のエチレンオキシド付加モル数を有するポリオキシエチレンアルキルエーテル(アルコールエトキシレート)を分取し、ついで、これを硫酸化反応し、中和することにより得られる。
また、特許第3312883号公報に記載の方法、すなわち、特定の触媒を使用した方法により、ナロー率55質量%以上の狭いエチレンオキシド付加モル数の分布をもったポリオキシエチレンアルキルエーテルを得ることができるため、当該ポリオキシエチレンアルキルエーテルを硫酸化反応し、中和することによっても得られる。なお、前記特定の触媒としては、表面改質された複合金属酸化物触媒が挙げられ、具体的には、金属水酸化物等により表面改質された、金属イオン(Al3+、Ga3+、In3+、Tl3+、Co3+、Sc3+、La3+、Mn2+等)が添加された酸化マグネシウム等の複合金属酸化物触媒や、金属水酸化物及び/または金属アルコキシド等により表面改質されたハイドロタルサイトの焼成物触媒等である。
R6において、炭素数は8〜18であり、10〜16が好ましく、12〜13がより好ましい。R6の炭素数が8以上であると、疎水性が高まるため、油汚れに対する洗浄力が向上する。一方、R6の炭素数が18以下であれば、(B1)成分自体の溶解性が良好となるため、経時保存時における析出などが抑制されて透明外観が得られやすくなる。
ただし、R6は、(B1)成分の原料である高級アルコールに由来する。そのため、該高級アルコールは、工業的に入手が容易な下記(a)〜(e)から選択されることが好ましい。なお、「分岐率」とは、全高級アルコールに対する、分岐鎖をもつ高級アルコールの割合(質量%)を示す。
(a)シェルケミカルズ社製、商品名「ネオドール23」(分岐率:20質量%)。これは、n−オレフィンから改良オキソ法により生成し、精留されたものである。
(b)ブテンの3量体からオキソ法により得られる炭素数13のアルコール(分岐率:100質量%)。
(c)中鎖アルコールからガーベット反応により得られる高級アルコール(分岐率:100質量%)。
(d)Sasol社製、商品名「Safol23」(分岐率:50質量%)。これは、石炭のガス化によって得られるオレフィンからオキソ法によりアルコールを得て、さらに水素化されたものである。
(e)天然油脂から合成された天然系高級アルコール(分岐率:0質量%)。
なお、ここでのnは、エチレンオキシドの「平均」付加モル数を示している。したがって、式(B1−1)で表されるポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩は、エチレンオキシドの付加モル数が異なるエチレンオキシド付加体の集合物である。ナロー率は、その集合物のなかで、最も多く存在するエチレンオキシド付加体(ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩)のエチレンオキシドの付加モル数を「nmax」とすることにより前記数式(S)から求められる。
具体的には、ナトリウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属原子;カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属原子;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン;アンモニウム等が挙げられ、これらが混在していてもよい。なかでも、Mとしては、アルカリ金属原子が好ましく、ナトリウムが特に好ましい。
高級アルコール、好ましくは前記(a)〜(e)から選択される高級アルコールに、エチレンオキシドを付加させてポリオキシエチレンアルキルエーテル(アルコールエトキシレート)を得る。エチレンオキシドを付加させる際に用いる触媒としては、たとえば特許第3312883号公報に記載のAl/Mg/Mnで構成される複合金属酸化物ルイス酸焼結固体触媒が好ましい。これにより、エチレンオキシドの付加モル数分布の狭いものが得られる。
得られたポリオキシエチレンアルキルエーテルを、サルファンでスルホン化あるいは硫酸化することによりポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステルを製造でき、さらに中和することによりポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩を製造できる。
台所用液体洗浄剤組成物における(B1)成分の含有量は、1〜15質量%であることが好ましく、3〜10質量%であることがより好ましく、6〜10質量%であることがさらに好ましい。
(B1)成分の含有量が1質量%以上であると、油汚れに対する洗浄力がより向上する。また、液体洗浄剤組成物の透明外観をより安定に保ちやすくなる。
(B1)成分の含有量が15質量%以下であると、手肌のマイルド性がより良い傾向になる。また、特に低温下での経時保存で白濁を起こしにくくなる。
本発明において、(C)成分は、アミンオキシド型界面活性剤及び/又は両性界面活性剤である。
アミンオキシド型界面活性剤としては、たとえばアルキルアミンオキシド、アルキルアミドプロピルジメチルアミンオキシドが挙げられる。
なかでも、下記一般式(IV)で表される化合物が好適なものとして挙げられる。
R1のアルキル基、アルケニル基において、炭素数は8〜18であり、油汚れに対する洗浄力がより向上することから、10〜14であることが好ましい。
R2、R3は、それぞれ独立して、炭素数1〜3のアルキル基、又は炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基であり、炭素数1〜3のアルキル基が好ましく、メチル基がより好ましく、R2およびR3はいずれもメチル基であることがさらに好ましい。
R4は、炭素数1〜4のアルキル基である。
Bは−CONH−、−NHCO−、−COO−、−OCO−又は−O−である。
rは、0又は1の数であり、0が好ましい。
両性界面活性剤としては、たとえば、アミノ酢酸ベタイン、スルホベタイン等のベタイン型のもの;グリシン系のもの、アミノプロピオン酸系のもの等のアミノ酸型のものが挙げられる。
具体的には、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリン酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン等のアミノ酢酸ベタイン;N−ラウリル−N,N−ジメチルアンモニウム−N−プロピルスルホベタイン、N−ラウリル−N,N−ジメチルアンモニウム−N−(2−ヒドロキシプロピル)スルホベタイン等のスルホベタイン;2−ラウリル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルジアミノエチルグリシンナトリウム等のグリシン系のもの;ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム、ラウリルアミノジプロピオン酸ナトリウム等のアミノプロピオン酸系のものが挙げられる。
台所用液体洗浄剤組成物における(C)成分の含有量は、1〜10質量%であることが好ましく、1〜8質量%であることがより好ましく、2〜6質量%であることがさらに好ましい。
(C)成分の含有量が1質量%以上であると、油汚れに対する洗浄力および手肌のマイルド性がより向上する。
(C)成分の含有量が10質量%以下であると、低温での保存安定性が向上する効果が得られる。また、液体洗浄剤組成物の高粘度化が抑制され、流動性がより良好となる。
本発明において、(D)成分はポリエーテル変性シリコーンである。
(D)成分は、重量平均分子量が2000〜30000の範囲内であることが好ましく、5000〜25000の範囲内であることがより好ましい。
(D)成分の重量平均分子量が2000以上であると、手肌への感触付与効果が高まって、洗浄後における手肌の感触がより良好となる。また、油汚れに対する洗浄力がより向上する。
(D)成分の重量平均分子量が30000以下であると、(D)成分自体の粘度が高くなりすぎず、取扱い性が良好となって、液体洗浄剤組成物の配合がより容易となる。
なお、(D)成分の重量平均分子量は、標準物質をポリスチレンとしてゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で分析を行った値を示す。
(D)成分の分子構造は、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよく、架橋していてもよい。
(D)成分としては、たとえば直鎖変性タイプ、側鎖変性タイプが挙げられ、側鎖変性タイプが好ましい。
「ポリオキシアルキレン基」としては、ポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基、ポリオキシエチレン基とポリオキシプロピレン基とが混在したものが好適なものとして挙げられる。
前記アルキルシロキサン基と、前記ポリオキシアルキレン基を有するアルキルシロキサン基とは、ランダム状に重合していてもよく、ブロック状に重合していてもよい。
側鎖変性タイプとして具体的には、東レ・ダウコーニング(株)製のSH3772M、SH3775M、SH3748、SH3749、SF8410、BY22−008(以上、商品名);信越化学工業(株)製のKF6016、KF6017(以上、商品名)が挙げられる。
R5のアルキル基は、炭素数1〜4が好ましく、組成物への溶解力が良好であることからメチル基がより好ましい。
hは、オキシエチレン基の平均繰返し数を示す2〜100の数であり、組成物への溶解力が向上することから、5〜20の数がより好ましい。
iは、オキシプロピレン基の平均繰返し数を示す0〜50の数であり、組成物への溶解力が向上することから、0〜10の数がより好ましい。
jは、ジメチルシロキサン基の平均重合度を示す5〜10000の数であり、組成物への溶解力が向上することから、5〜1000の数がより好ましい。
kは、メチルポリオキシアルキレンプロピルシロキサン基の平均重合度を示す1〜1000の数であり、組成物への溶解力が向上することから、1〜50の数がより好ましい。
jとkとは、手肌への感触付与効果が向上することから、j>kであることが好ましい。
化合物(V)の製造の際、やむを得ず混入する未反応物などの低分子量化合物は、可能な限りストリッピング等の精製工程などにより除去することが好ましい。
具体的な製造方法としては、まず、金属ケイ素と塩化メチルとを銅触媒存在下で加熱する直接法により、メチルクロロシラン類を得る。
次に、このメチルクロロシラン類から分留したジメチルジクロロシラン(沸点70.2℃)と、トリメチルクロロシラン(沸点57.3℃)と、メチルハイドロジェンジクロロシラン(沸点40.4℃)とを、所定の比率で混合し、多量の水を加えて加水分解することにより、環状及び直鎖状のジメチルシロキサンとメチルハイドロジェンシロキサン共重合体との混合物を得る。さらに、得られた環状及び直鎖状のジメチルシロキサンとメチルハイドロジェンシロキサン共重合体との混合物は、蒸留により低重合度の環状体(四量体、五量体)を分離して、オルガノハイドロジェンポリシロキサンの重合に用いる。
オルガノハイドロジェンポリシロキサンは、低重合度の環状体を、アルカリ又は強酸を触媒として加熱し、シロキサン結合の開裂と再結合を含む重合反応により得ることができる。アルカリ触媒による環状体の重合は、アルカリ金属水酸化物を触媒とし、150℃程度の高温で行われる。ただし、アルカリ金属水酸化物のなかでも水酸化リチウムと水酸化ナトリウムは、この温度でも低重合度の環状体に溶解せず、環状体を重合させることができないため、好ましくない。また、酸触媒による環状体の重合は、硫酸、塩酸、リン酸、活性白土、塩化鉄、ホウ酸、トリフルオロ酢酸などを触媒とし、常温又は加温して行うことができる。
ただし、ジメチルポリシロキサンの場合には、酸・塩基のどちらでも重合できるが、Si−H基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン(メチルハイドロジェンポリシロキサン)の場合に塩基性触媒を使用すると、重合中にSi−H基が分解してゲル化するため、好ましくない。このようなメチルハイドロジェンポリシロキサンの重合は、触媒を中和することによって停止させ、その後、副生した環状体をストリッピングにて除去し、目的のメチルハイドロジェンポリシロキサンの製造は完了する。
これらの中でも、洗浄後における手肌の感触(サラサラ感)がさらに良好であることから、SH3771M、SH3773M、SH3772M 、SH3775M、BY22−008、KF6017(以上、商品名)等がより好ましい。
なお、上記例示のポリエーテル変性シリコーンは市販品であり、容易に入手が可能である。
台所用液体洗浄剤組成物における(D)成分の含有量は、0.1〜10質量%であることが好ましく、0.5〜5質量%であることがより好ましく、1〜5質量%であることがさらに好ましい。
(D)成分の含有量が0.1質量%以上であると、洗浄後における手肌の感触を洗浄前と同じ程度により保ちやすくなる。また、油汚れに対する洗浄力が向上する。
(D)成分の含有量が10質量%以下であると、溶解性がより良好となって液体洗浄剤組成物の透明外観をより保ちやすくなり、安定に配合しやすくなる。
本発明において、(E1)成分は、トルエンスルホン酸、トルエンスルホン酸塩、クメンスルホン酸、クメンスルホン酸塩、安息香酸、安息香酸塩及びエタノールからなる群から選ばれる少なくとも一種のハイドロトロープ剤である。
(E1)成分を含有することにより、液体洗浄剤組成物の保存安定性が向上して透明外観をより安定に確保しやすくなる。
トルエンスルホン酸塩、クメンスルホン酸塩、安息香酸塩における塩の形態としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属の塩;マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属の塩;アンモニウム塩;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン塩が挙げられる。なかでも、アルカリ金属の塩が好ましく、ナトリウム塩がより好ましい。
(E1)成分の含有量が5質量%以上であると、液体洗浄剤組成物の低温条件での保存安定性がより向上する。
(E1)成分の含有量が20質量%以下であると、液体洗浄剤組成物の透明外観をより安定に保ちやすくなる。
いずれのハイドロトロープ剤も、その含有量が前記範囲であると、液体洗浄剤組成物の透明外観をより安定に保ちやすくなる。
エタノールに対する(E2)成分の配合割合が下限値以上であると、低温条件で透明外観をより保ちやすくなり、上限値以下であると、液体洗浄剤組成物の高粘度化が抑制されて流動性が良好になる。
本発明の台所用液体洗浄剤組成物には、前記(A)、(B1)、(C)、(D)、(E1)成分以外に、必要に応じて通常、硬質表面用又は衣料用等の液体洗浄剤組成物に用いられている成分を、本発明の効果を損なわない範囲で適宜、配合することができる。
具体的には、(A)成分、(B1)成分および(C)成分以外の界面活性剤として、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩等のカチオン性界面活性剤;アニオン性界面活性剤(ただし、(B1)成分を除く)が挙げられる。
アニオン性界面活性剤(ただし、(B1)成分を除く)の好適なものとしては、大別すると、カルボン酸塩タイプ、スルホン酸塩タイプ、硫酸エステル塩タイプ、リン酸エステルタイプが挙げられる。これらのうち、スルホン酸塩タイプ、硫酸エステル塩タイプがより好ましく、スルホン酸塩タイプが特に好ましい。
スルホン酸塩タイプとしては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩(B2)、α−オレフィンスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩等が挙げられる。なかでも、油汚れに対する洗浄力及び液体洗浄剤組成物の保存安定性が良好であることから、アルカンスルホン酸塩(B2)が好ましく、セカンダリーアルカンスルホン酸塩がより好ましい。
硫酸エステル塩タイプとしては、アルキル硫酸エステル塩、アルケニル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩(AES)、ポリオキシエチレンアルケニル硫酸エステル塩等が挙げられる。
セカンダリーアルカンスルホン酸塩は、「パラフィンスルホン酸塩」とも呼ばれる界面活性剤であって、通常、1分子当たり炭素数10〜21の二級アルキルスルホン酸塩の混合物の形態で提供される。
本発明においては、この混合物中に1分子当たり炭素数13〜18の二級アルキルスルホン酸塩を80質量%以上含有するものが好ましく、90質量%以上含有するものがさらに好ましい。なお、この混合物には、少量の一級アルキルスルホン酸塩、ジスルホン酸塩、ポリスルホン酸塩が含まれていてもよい。
p+q=10以上であると、油汚れに対する洗浄力が向上する。一方、p+q=14以下であると、式(B2−1)で表される成分自体の溶解性が良好となるため、保存時における析出などが抑制される。
前記式(B2−1)中、Mは、前記式(B1−1)におけるMと同じであり、なかでもアルカリ金属原子が好ましく、ナトリウムが特に好ましい。
HOSTAPUR SAS 30(商品名、クラリアントジャパン(株)製;炭素数13〜17の二級アルキルスルホン酸ナトリウムの含有量が90質量%以上)、
HOSTAPUR SAS 60(商品名、クラリアントジャパン(株)製;炭素数13〜17の二級アルキルスルホン酸ナトリウムの含有量が90質量%以上)、
MERSOL80(商品名、Bayer社製;平均炭素数15(炭素数13〜17の二級アルキルスルホン酸ナトリウムの含有量が80質量%以上))、
MARLONシリーズ(SASOL社製;PS65、PS60、PS60W(以上、商品名)、炭素数10〜18(炭素数13〜17の二級アルキルスルホン酸ナトリウムの含有量が90質量%以上))が挙げられる。
台所用液体洗浄剤組成物におけるアニオン性界面活性剤の含有量は、上述した(B1)成分を含めた合計量として1〜15質量%であることが好ましく、3〜10質量%であることがより好ましく、6〜10質量%であることがさらに好ましい。
アニオン性界面活性剤の含有量が1質量%以上であると、油汚れに対する洗浄力がより向上する。また、液体洗浄剤組成物の透明外観をより安定に保ちやすくなる。
アニオン性界面活性剤の含有量が15質量%以下であると、手肌のマイルド性がより良い傾向になる。
(B2)成分の含有量が1質量%以上であると、油汚れに対する洗浄力がより向上し、10質量%以下であると、手肌のマイルド性がより良い傾向になる。また、特に低温下での経時保存で白濁を起こしにくくなる。
かかる合計の含有量が20質量%以上であると、油汚れに対する洗浄力および泡の持続性がより向上する。また、液体洗浄剤組成物の透明外観をより安定に保ちやすくなる。
かかる合計の含有量が50質量%以下であると、液体洗浄剤組成物の高粘度化が抑制され、液体洗浄剤組成物を安定に調製できる。
また、本発明の台所用液体洗浄剤組成物には、(E1)成分以外のハイドロトロープ剤を配合してもよい。
(E1)成分以外のハイドロトロープ剤としては、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等の水溶性溶剤;キシレンスルホン酸、置換もしくは非置換ナフタレンスルホン酸等の芳香族スルホン酸又はそれらの塩等が挙げられる。
また、本発明の台所用液体洗浄剤組成物には、任意成分として、水酸化ナトリウム、硫酸等のpH調整剤;硫酸マグネシウム、硫酸亜鉛等の無機ビルダー;香料、色素、ラジカルトラップ剤等も配合することができる。
台所用液体洗浄剤組成物のpHが5以上であると、(B1)成分と(C)成分との相互作用が強すぎず、適度に抑えられて、液体洗浄剤組成物のゲル化又は固化がより起きにくくなる。
台所用液体洗浄剤組成物のpHが8以下であると、(B1)成分と(C)成分との相互作用が弱くなりすぎず、油汚れに対する洗浄力がより向上する。また、液体洗浄剤組成物の透明外観をより安定に保ちやすくなる。
台所用液体洗浄剤組成物(25℃に調温)のpHは、pHメーター(製品名:HM−30G、東亜ディーケーケー(株)製)等により測定される値を示す。
特に、本発明の台所用液体洗浄剤組成物が「洗浄後における手肌の感触を洗浄前と同じ程度に保つことができる」のは、(D)成分を、(A)成分、(B1)成分、(C)成分および(E1)成分と共に含有するためと考えられる。
本発明者らは鋭意検討により、ポリエーテル変性シリコーン(D)を用いることによって、従来、界面活性剤の種類又はその使用量を工夫するだけでは困難であった、「洗浄後における手肌の感触を洗浄前と同じ程度に保つこと」ができ、消費者に手肌のサラサラ感(なめらか感)として好まれる実感を付与できる、ことを見出した。
上述したように、特許文献1の技術では、洗浄後の手の感触は改善されるものの、洗浄前の感触と同じ程度の感触は得られず、手荒れ自体を軽減できるものではなかった。
本発明においては、食器洗い等の後に手肌に吸着する特に(D)成分自体のすべり性を積極的に利用することにより、手肌表面のすべり性が向上し、手肌にサラサラ感が付与される。これにより、洗浄後における手肌の感触を洗浄前の感触と同じ程度に保つことができ、かつ、それを実感できる。
加えて、本発明では、界面活性剤として(A)成分及び(B1)成分が用いられていることにより、洗浄後の手荒れ自体も軽減できる。
以上のように、本発明の台所用液体洗浄剤組成物は、手肌にサラサラ感を付与でき、手肌マイルド性(手荒れの軽減)に優れ、従来の手肌マイルドを訴求した台所用液体洗浄剤組成物では実現できなかった「手肌マイルド実効感」を付与することができる。
さらに、本発明の台所用液体洗浄剤組成物においては、(D)成分を選択的に用いることによって、(D)成分以外のシリコーンや油性の感触付与成分では困難であった透明外観を安定に確保することができる。
ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩は、エチレンオキシドの付加モル数が異なるエチレンオキシド付加体の集合物である。(B1)成分は、従来のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩(AES)に比べて、当該付加モル数(nmax−2)〜(nmax+2)のエチレンオキシド付加体を多く含有する。
当該付加モル数がnmaxより小さいエチレンオキシド付加体が多くなると、タンパク質を変性させる作用が強くなるため、手肌マイルド性が悪くなる傾向があり、当該付加モル数がnmaxより大きいエチレンオキシド付加体が多くなると、当該付加モル数の増加に伴い溶解性が低下するため、特に低温条件で析出しやすくなる、と考えられる。
(B1)成分は、当該付加モル数(nmax±2)のエチレンオキシド付加体の含有割合が高いことにより、当該付加モル数がnmaxより小さいエチレンオキシド付加体と当該付加モル数がnmaxより大きいエチレンオキシド付加体の含有割合がいずれも少なく、これらの影響を受けにくいため、従来のAESを用いた場合よりも、手肌マイルド性が向上し、また、液体洗浄剤組成物の保存安定性が向上して透明外観を安定に確保できる、と考えられる。
本発明における(B1)成分は、ナロー率が55質量%以上と高いことから、当該付加モル数がゼロのエチレンオキシド付加体の含有割合が従来のAESに比べて小さいものである。
表1〜3に示す配合組成に従って、以下に示す製造方法により、各例の液体洗浄剤組成物をそれぞれ調製した。ただし、実施例13は参考例である。
表1〜3中の配合量の単位は質量%であり、いずれの成分も純分換算量を示す。
なお、各例の液体洗浄剤組成物は、表に記載の各成分の合計が100質量%となるように調製した。各成分は50℃に保温したものを用いた。
[液体洗浄剤組成物の製造方法]
まず、200mlビーカに、(A)成分と、(B1)成分又は(B1’)成分と、(E1)成分と、(B2)成分と、共通成分とを入れ、マグネチックスタラーにより撹拌した。次に、(C)成分を入れて撹拌した。
その後、全体量(全体量を100質量部とする。)が93質量部になるように精製水を入れ、撹拌した後、pHを調整し、(D)成分又は(D’)成分を加え、全体量が100質量%になるように残りのエタノールを加えて液体洗浄剤組成物を製造した。
pHの調整は、各例の液体洗浄剤組成物(原液)のいずれも、25℃でのpHが5.6となるように、pH調整剤(0.1N水酸化ナトリウム又は0.1N硫酸)を適量添加することにより行った。
pH測定は、液体洗浄剤組成物を25℃に調整し、ガラス電極式pHメーター(製品名:ホリバF−22、(株)堀場製作所製)を用いて測定した。測定方法は、JIS K3362−1998に準拠して行った。
以下に、表中に示した成分について説明する。
・(A)成分
LME(2):ラウリン酸モノエタノールアミド(エチレンオキシドの平均付加モル数2)、川研ファインケミカル(株)、商品名「アミゼット2L−Y」;上記一般式(III)におけるR31=炭素数11の直鎖状のアルキル基、X=水素原子、m3=2)。
AE(15):アルコールエトキシレート(エチレンオキシドの平均付加モル数15)、ライオン(株)製、商品名「レオックスLC-150」;上記一般式(I)におけるR11=炭素数12の直鎖状のアルキル基、R12=水素原子、m1=15、AO=オキシエチレン基。
APG:アルキルポリグルコシド、Dow Chemical(株)製、商品名「TRION CG−110」;炭素数12〜14。
NRES:ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム(アルキル基の炭素数12〜13、エチレンオキシドの平均付加モル数2、ナロー率78質量%、前記数式(S)におけるnmax=2、エチレンオキシドの付加モル数がnmaxであるエチレンオキシドの付加体の割合Ynmax=Y2=25(質量%)、エチレンオキシドの付加モル数がゼロであるエチレンオキシドの付加体の割合Y0=13(質量%));原料アルコール:Safol23アルコール[サソール社製、炭素数12のアルコール(C12)と炭素数13のアルコール(C13)との質量比でC12/C13=6/4の混合物、分岐率50質量%]。
なお、「分岐率」とは、全高級アルコールに対する、分岐状の高級アルコールの割合(質量%)を示す。
原料アルコ−ルとして、上記Safol23を用いた。
4Lのオートクレーブ中に、前記原料アルコ−ル400gと、Al/Mg/Mnで構成される複合金属酸化物ルイス酸焼結固体触媒0.4gとを仕込み、オートクレーブ内を窒素置換し、撹拌しながら昇温した。その後、温度180℃、圧力を0.3mPaに維持しながらエチレンオキシド54gを導入し、反応物を得た。
次に、上記で得られたアルコールエトキシレート274gを、撹拌装置付の500mLフラスコにとり、窒素置換後、液体無水硫酸(サルファン)81gを反応温度40℃に保ちながらゆっくりと滴下した。滴下終了後、1時間撹拌を続け、目的とするポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸を得た。さらに、これを水酸化ナトリウム水溶液で中和することによりNRESを得た。
NRESについて、下記測定条件により、エチレンオキシドの付加モル数が異なるエチレンオキシド付加体の分布を測定した。そして、NRESのナロー率(質量%)を上記数式(S)に基づいて算出した。
[HPLCによるエチレンオキシド付加体の分布の測定条件]
装置 :LC−6A((株)島津製作所製)
検出器 :SPD−10A
測定波長:220nm
カラム :Zorbax C8(Du Pont(株)製)
移動相 :アセトニトリル/水=60/40(体積比)
流速 :1mL/min
温度 :20℃
AES:ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム(アルキル基の炭素数12、エチレンオキシドの平均付加モル数2、ナロー率50質量%、前記数式(S)におけるnmax=0、エチレンオキシドの付加モル数がnmaxであるエチレンオキシドの付加体の割合Ynmax=Y0=23(質量%);Y2=16(質量%))、テイカ(株)製、商品名「テイカポールNE1270」。
AX剤:アルキルジメチルアミンオキシド(アルキル基の炭素数12)、ライオンアクゾ社製、商品名「アロモックスDM12D−W」。
SH3771M:ポリエーテル変性シリコーン(重量平均分子量2411.6;上記一般式(V)におけるR5=水素原子、j=7、k=3、h=12、i=0)、東レ・ダウコーニング(株)製。
SH3773M:ポリエーテル変性シリコーン(重量平均分子量3968.9;上記一般式(V)におけるR5=水素原子、j=28、k=3、h=12、i=0)、東レ・ダウコーニング(株)製。
SH3772M:ポリエーテル変性シリコーン(重量平均分子量5229.6;上記一般式(V)におけるR5=水素原子、j=45、k=3、h=12、i=0)、東レ・ダウコーニング(株)製。
SH3775M:ポリエーテル変性シリコーン(重量平均分子量7083.6;上記一般式(V)におけるR5=水素原子、j=70、k=3、h=12、i=0)、東レ・ダウコーニング(株)製。
CF1188HV:ポリエーテル変性シリコーン(重量平均分子量20854.2;上記一般式(V)におけるR5=メチル基、j=210、k=9、h=12、i=0)、東レ・ダウコーニング(株)製。
SH200:ジメチコン(Fluid 50CS)、東レ・ダウコーニング(株)製。
SS3551:アミノ変性シリコーン、東レ・ダウコーニング(株)製。
パラトルエンスルホン酸Na:パラトルエンスルホン酸Na、テイカ(株)製、商品名「テイカトックス300」。
クメンスルホン酸Na:テイカトックス(株)製、商品名「テイカトックスN5040」。
安息香酸Na:安息香酸ナトリウム、(株)伏見製薬製。
エタノール:純正化学(株)製、試薬特級。
SAS:第2級アルカンスルホン酸ナトリウム、クラリアントジャパン(株)製、商品名「HOSTAPUR SAS 60」。
クエン酸:クエン酸、純正化学(株)製、試薬特級。
PEG1000:ポリエチレングリコール(分子量1000)、ライオン(株)製、商品名「PEG#1000」。
香料:特開2002−327194号公報に記載の香料組成物A。
水酸化Na:鶴見曹達(株)製。
硫酸:東邦亜鉛(株)製。
液体洗浄剤組成物中の各成分の含有量(配合量)を示す。配合量の単位は質量%であり、いずれの成分も純分換算量を示す。
クエン酸 :0.5質量%
PEG1000 :2.0質量%
香料 :0.3質量%
水酸化Na又は硫酸 :適量(pH5.6に調整するのに使用した量)
水 :バランス
各例の液体洗浄剤組成物について、以下に示す評価方法によって各評価を行い、その結果を表1〜3に併記した。
各例の液体洗浄剤組成物150mLを、直径50mm、高さ100mmの円筒ガラス瓶に収容し、フタを閉めて密封した。この状態で、25℃(室温条件)の恒温室内で1ヶ月間保存した後の液体の外観について、目視により観察し、下記評価基準に従って、液体洗浄剤組成物の保存安定性(外観)を評価した。
(評価基準) ○:透明外観 ×:不透明外観
各例の液体洗浄剤組成物100mLを、直径50mm、高さ100mmの円筒ガラス瓶に収容し、フタを閉めて密封した。この状態で、−5℃(低温条件)の恒温室内で1ヶ月間保存した後の液体の外観について、目視により観察し、下記評価基準(◎〜○が合格範囲)に従って、液体洗浄剤組成物の保存安定性(外観)を評価した。
(評価基準)
◎:均一透明。
○:円筒ガラス瓶の容積の5%未満を占める量の析出物が認められた。
△:円筒ガラス瓶の容積の5%以上10%未満を占める量の析出物が認められた。
×:円筒ガラス瓶の容積の10%以上を占める量の析出物が認められた。
牛脂(商品名:牛脂、和光純薬社製)0.5gを、縦10cm×横15cm×高さ5cmのタッパ容器内側の全面に均一になるように塗布し、激しく汚れた疎水表面汚垢モデルとした。
次いで、縦11.5cm×横7.5cm×高さ3cmの食器洗い用スポンジに、水道水38gと各例の液体洗浄剤組成物2gをそれぞれとり、数回手で揉んだ後、牛脂が塗布された上記タッパ容器を、25℃の水道水を用いて、通常家庭で行われる方法と同様にして洗浄した。洗浄した後、水道水でよくすすぎ、タッパ容器内側の牛脂が塗布された部位(汚染部)を手で触ったときの触感について評価した。
かかる評価は、下記の評価基準(◎〜○が合格範囲)に基づいて行い、油汚れに対する洗浄力の評価とした。
(評価基準)
◎:タッパ容器内側の汚染部のいずれの部位を触っても、油による皮膜の存在を感じることがなく、油の残留によるぬるつきはまったく感じられなかった。
○:タッパ容器内側の底面及び側面を触ると、油による皮膜の存在を感じることがなく、油の残留によるぬるつきは感じられないが、タッパ容器内側の角の部位には僅かにぬるつきが残っていた。
△:タッパ容器内側の底面を触ると、油による皮膜の存在を感じることがなく、油の残留によるぬるつきは感じられないが、タッパ容器内側の側面や角の部位にぬるつきが残っていた。
×:タッパ容器全体にぬるつきが感じられ、明らかに油が残留していることがわかった。
各例の液体洗浄剤組成物1質量%を水道水に溶解した水溶液を調製し、当該水溶液3リットルを入れた桶に、1日30分間、手を手首まで浸漬させた。この操作を3日間繰り返した次の日に、手荒れの状態を目視観察し、下記の評価基準に基づいて、手肌マイルド性を評価した。
(評価基準)
5点:全く手荒れしなかった。
4点:ほとんど手荒れしなかった。
3点:やや手荒れした。
2点:かなり手荒れした。
1点:非常に手荒れした。
手肌にサラサラ感が付与された場合、手肌表面の物理的な摩擦力が減少すると考え、手肌表面の摩擦力を求めることによって、手肌への感触付与効果について評価した。
手肌表面の摩擦力の測定には、静・動摩擦測定機(製品名「トライボマスター Type:TL-201-Sa」、トリニティラボ社製)を用いた。
この静・動摩擦測定機は、摩擦を電圧に変換する移動式の平面形状の接触子を備えており、この接触子が摩擦の測定対象部位を移動することにより、測定対象表面の摩擦力を測定することができる。
移動式の平面形状の接触子に化粧用パフを取り付け、次に、この化粧用パフ表面にポリエステルサテンを取り付けて、水道水で手洗いした後の指と、ポリエステルサテンとの間の摩擦係数を測定した。
この摩擦係数の値を1として、各例の液体洗浄剤組成物でお皿を洗浄した後の指と、ポリエステルサテンとの間の摩擦係数を相対値として求め、下記の評価基準に基づいて、手肌への感触付与効果を評価した。
なお、摩擦係数の測定は、前記接触子が指を押す力:荷重80g、摩擦変換部位平面接触子の移動速度:500mm/min.に設定して行った。
(評価基準)
◎:摩擦係数の相対値が0.95未満。
○:摩擦係数の相対値が0.95〜1.05以下。
×:摩擦係数の相対値が1.05超。
手肌への感触付与効果の評価が◎および○であれば、洗浄後における手肌の感触を洗浄前と同じ程度に保つことができたと判定できる。
さらに、前記相対値が1より小さくなることは、指とポリエステルサテンとの間に生じる摩擦力が洗浄前に比べて軽減されたことを示し、手肌にサラサラ感が付与されたといえる。
実施例4と実施例9との対比から、アルカンスルホン酸塩(B2)をさらに含有することにより、油汚れに対する洗浄力がより向上することが確認できた。
アニオン性界面活性剤として(B1)成分以外のもの(AES、SAS)を用いた比較例8〜9の液体洗浄剤組成物は、手肌マイルド性に劣り、低温下での経時保存で白濁を起こして透明外観を安定に確保できないことが確認された。
また、実施例4と比較例4との対比から、洗浄成分と共に感触付与成分を配合した際、従来問題とされていた、油汚れに対する洗浄力が低下しやすいこと、及び白濁を起こして透明外観の確保が困難であることについて、本発明の構成によれば、感触付与成分として(D)成分を用いても、油汚れに対する洗浄力が低下することなく、かつ、透明外観を安定に確保できることが確認できた。
さらに、(B1)成分を欠く比較例1の液体洗浄剤組成物は、油汚れに対する洗浄力が悪いこと、室温条件及び低温条件のいずれも保存安定性が悪いために透明外観を確保できないことが確認された。
(E1)成分を欠く比較例5の液体洗浄剤組成物は、室温条件及び低温条件のいずれも保存安定性が悪いために透明外観を確保できず、油汚れに対する洗浄力も劣ることが確認された。
Claims (4)
- ノニオン性界面活性剤(A)15〜40質量%と、
下記の数式(S)
で表されるナロー率が55質量%以上のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩(B1)と、
アミンオキシド型界面活性剤及び/又は両性界面活性剤(C)1〜10質量%と、
下記一般式(V)
で表されるポリエーテル変性シリコーン(D)0.1〜10質量%と、
トルエンスルホン酸、トルエンスルホン酸塩、クメンスルホン酸、クメンスルホン酸塩、安息香酸、安息香酸塩及びエタノールからなる群から選ばれる少なくとも一種のハイドロトロープ剤(E1)5〜20質量%と
を含有し、
アニオン性界面活性剤の含有量が、前記(B1)成分を含めた合計量として1〜15質量%であることを特徴とする台所用液体洗浄剤組成物。 - 前記ハイドロトロープ剤(E1)が、トルエンスルホン酸、トルエンスルホン酸塩、クメンスルホン酸、クメンスルホン酸塩、安息香酸、安息香酸塩及びエタノールからなる群から選ばれる少なくとも二種である請求項1記載の台所用液体洗浄剤組成物。
- 前記ハイドロトロープ剤(E1)が、トルエンスルホン酸、トルエンスルホン酸塩、クメンスルホン酸、クメンスルホン酸塩、安息香酸及び安息香酸塩からなる群から選ばれる少なくとも一種とエタノールである請求項2記載の台所用液体洗浄剤組成物。
- アルカンスルホン酸塩(B2)をさらに含有する請求項1〜3のいずれかに記載の台所用液体洗浄剤組成物。
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