JP5393156B2 - 第1級芳香族アミンの連続的な製造方法 - Google Patents

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Description

発明の詳細な説明
本発明は、第1級芳香族アミンを、相応する脂環式アルコールとアンモニアとを水素の存在下で80〜350℃の範囲内の温度で不均一系触媒の存在下で反応させることによる、連続的な製造方法に関する。
芳香族アミンは、医薬品及び植物保護作用物質の製造のために重要な出発化合物である。更に芳香族アミンは、プラスチックの製造の際に使用される。
前記化合物は従って、経済的に大きな意味合いを有し、かつ、その製造のために様々な方法が開発されてきた。
公知の一方法は、芳香族ニトロ化合物の水素化である(Houben-Weyl, Methoden der organischen Chemie, 第4版 第11/1巻, 360頁〜)。欠点は、この先行するニトロ化が、置換された芳香族化合物ではしばしば、複数のニトロ生成物の混合物又は位置異性体を提供することである。
一様な生成物を得るためには、アニリン及び置換されたアニリンを相応するシクロヘキサノール−及び/又はシクロヘキサノン誘導体から合成する手段が存在する。
US 3,553,268 (Witco Chemical Comp.)は、シクロヘキサノール、シクロヘキサノン及びアンモニアの混合物からニッケル触媒に対してアニリンを製造することを提供する。この方法が置換された芳香族アミンに対して適用可能でないことが欠点であるようである。更に、明らかに、最大で65質量%のシクロヘキサノールを含有する混合物しか使用できないことにより不利に制限されている。
US 3,442,950及びUS 3,347,921(共にHalcon International, Inc.)は、シクロヘキサノール及びシクロヘキサノン及びアンモニア又は第1級アミンからなる混合物の、脱水素化触媒、例えばPt/Cに対する反応を教示する。ここでの欠点は、高沸性生成物及び他の副成分、例えばイミン、シクロヘキシルアミン、フェノール、ジフェニルアミン及びフェニルシクロヘキシルアミンの形成であり、これは、手間のかかる方法の実施及び後処理を必要にする。
EP 50 229 A1 (BASF AG)は、シクロヘキサノール、シクロヘキサノール誘導体、シクロヘキサノン、シクロヘキサノン誘導体又はこれらの混合物の、アンモニア/水素雰囲気中での及びパラジウム触媒に対する反応を記載する。この方法の欠点は、良好な収率を達成するためには、前記触媒がパラジウムの他に更に亜鉛、そして極めて毒性のあるカドミウムを含有しなくてはならないことである。亜鉛及びカドミウムが取り除かれると、この収率は顕著に劣悪化する。触媒に関してカドミウムが取り除かれる場合には、明らかに、良好な収率のために、多様な脂肪族アミン、例えばN−メチルモルホリン又はN−メチルピペリジンが添加されなくてはならない。更なる実施例においては、しかしながら、前記触媒に関して、カドミウム無しで、そして、添加された脂肪族アミン無しでも、相応する芳香族アミンが良好な収率で合成されることができる。しかしながらこれは、触媒中でパラジウムの量が劇的に高められるか又はこの成形体が顕著に小さくされるかの場合にのみうまくいく。従って欠点は、高い貴金属含有量が触媒を極めて高価にし、そして、小さすぎる成形体は背圧(Anstaudruck)を不利に高め、かつ、ハンドリングにおいて問題であることである。
本発明は、技術水準の1個又は数個の欠点を克服して、第1級芳香族アミンの改善された経済的な製造方法を見出すとの課題に基づく。目的は、とりわけ、シクロヘキサノール及び置換されたシクロヘキサノールから、アニリン及び相応して置換された芳香族アミンを、良好な収率で製造可能であって、技術水準の欠点、特に上記した欠点を我慢する必要のない方法を見出すことであった。
これに応じて、第1級芳香族アミンを、相応する脂環式アルコールとアンモニアとを水素の存在下で80〜350℃の範囲内の温度で不均一系触媒の存在下で反応させることにより連続的に製造する方法において、この触媒の触媒活性材料が水素を用いたその還元前に、
二酸化ジルコニウム(ZrO2)90〜99.8質量%、
パラジウムの酸素含有化合物0.1〜5.0質量%及び
白金の酸素含有化合物0.1〜5.0質量%を含有することを特徴とする、第1級芳香族アミンの連続的な製造方法が見出された。
本発明によれば、シクロヘキサノール又は相応して置換されたシクロヘキサノールがアンモニア及び水素と高められた温度で、白金及びパラジウムを含有するバイメタル二酸化ジルコニウム触媒に対して反応される場合に、アニリン及び置換された芳香族アミン、特に置換されたアニリンが、記載された欠点無しに製造される。
気相中での合成のためには、反応物質−アルコールが狙いを定めて、有利には循環ガス流中で、蒸発され、かつガス状で反応器に供給される。前記循環ガスは、一方では反応物質−アルコールの蒸発のために、他方ではアミン化のための反応パートナーとして用いられる。
循環ガス運転様式においては、出発物質(アルコール、水素及びアンモニア)は、循環ガス流中で蒸発され、かつガス状で反応器に供給される。反応物質(アルコール及びアンモニア)が、水溶液としても蒸発され、かつ循環ガス流を用いて触媒床に導通されることもできる。
有利な反応器は、管型反応器である。循環ガス流を有する、適した反応器のための例は、Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry, 5th Ed., Vol. B4,199-238頁, "Fixed-Bed Reactors"中に見出される。
又は、この反応は有利には、管束型反応器中で単一ストランド装置(Monostranganlage)中で行われる。
単一ストランド装置では、前記反応が行われる管型反応器は、複数の(例えば2個の又は3個の)、個々の管型反応器の互いに前後した接続からなることができる。選択的には、ここでは、フィード(反応物質及び/又はアンモニア及び/又はH2を含有する)及び/又は循環ガス及び/又は後続した反応器からの反応器搬出物の中間導入が有利に可能である。
有利には、2個又は数個の反応器の互いに前後した接続は起こらない。
この循環ガス量は有利には、40〜1500m3(運転圧力で)/[m3触媒(かさ体積)(Schuettvolumen)・h]の範囲内、特に100〜700m3(運転圧力で)/[m3触媒(かさ体積)・h]の範囲内にある。
この循環ガスは、有利には少なくとも10、特に50〜100、特に有利には80〜100Vol%のH2を含有する。
液相中での合成のためには、蒸発が困難であるか又は熱不安定性である、全ての反応物質及び生成物が適する。この場合には、プロセス中でのアミンの蒸発及び再凝縮が断念されることができることが、更なる利点であると認められる。
本発明による方法においては、この触媒は有利には、触媒活性材料及び場合により、触媒が成形体として使用される場合に、成形助剤(例えばグラファイト又はステアリン酸)のみからなる触媒の形で使用され、即ち、更なる触媒活性随伴物質を含有しない。
この関連において、酸化物担体材料、二酸化ジルコニウム(ZrO2)は、触媒活性材料に属するとみなされる。
触媒は、この触媒活性のある、粉末に粉砕された材料を反応容器中に導入するか、又は、触媒活性材料を粉砕、成形助剤との混合、成形、及び触媒成形体−例えばタブレット、球体、リング、押出物(例えばストランド)−としての熱処理後に反応器中に配置されて使用される。
この触媒の成分の濃度の記載(質量%で)は、そのつど−他に記載がなければ−その最後の熱処理後のかつ水素での還元前の用意ができた触媒の触媒活性材料に対する。
触媒の触媒活性材料は、その最後の熱処理後にかつ水素でのその還元前に、この触媒活性成分及び前述した触媒担体材料の質量の合計として定義され、かつ、実質的に次の成分を含有する:
二酸化ジルコニウム(ZrO2)、パラジウムの酸素含有化合物及び白金の酸素含有化合物。
触媒活性材料の前述の成分の合計は、通常は70〜100質量%、有利には80〜100質量%、特に有利には90〜100質量%、特に>95質量%、特にとりわけ>98質量%、とりわけ>99質量%、例えばとりわけ有利には100質量%である。
本発明による方法において使用される触媒の触媒活性材料は、更に、元素の周期律表の第I A〜VI A及びI B〜VII B及びVIII群から選択された、1種又は数種の元素(酸化段階0)又はその無機の又は有機の化合物を含有することができる。
このような元素又はその化合物のための例は次のものである:
遷移金属、例えばCo又はCoO、Re又はレニウム酸化物、Mn又はMnO2、Mo又はモリブデン酸化物、W又はタングステン酸化物、Ta又はタンタル酸化物、Nb又はニオブ酸化物もしくはニオブオキサラート、V又はバナジウム酸化物もしくはバナジルピロホスファート;ランタニド、例えばCe又はCeO2もしくはPr又はPr23;アルキル金属酸化物、例えばNa2O;アルカリ金属カルボナート;アルカリ土類金属酸化物、例えばSrO;アルカリ土類金属カルボナート、例えばMgCO3、CaCO3及びBaCO3;酸化ホウ素(B23)。
有利には、本発明による方法において使用される触媒の触媒活性材料は、ルテニウム、銅、カドミウム、亜鉛、コバルト、鉄及び/又はニッケルを含有しない。
本発明による方法において使用される触媒の触媒活性材料は、その最後の熱処理後にかつ水素を用いたその還元前に、
二酸化ジルコニウム(ZrO2)90〜99.8質量%、有利には98〜99.6質量%、特に有利には98.8〜99.2質量%
パラジウムの酸素含有化合物0.1〜5.0質量%、有利には0.2〜1.0質量%、特に有利には0.4〜0.6質量%及び
白金の酸素含有化合物0.1〜5.0質量%、有利には0.2〜1.0質量%、特に有利には0.4〜0.6質量%を含有する。
本発明による方法において使用される触媒の製造のためには様々な方法が可能である。ここでは例えば、公知の沈殿方法を挙げることができる。
本発明による方法において使用される触媒は特に、二酸化ジルコニウム(ZrO2)の含浸により製造されることができ、前記二酸化ジルコニウムは、粉末又は成形体、例えばストランド、タブレット、球体又はリングの形態にある。
前記二酸化ジルコニウムは例えば、単斜晶又は正方晶の形態にあり、有利には単斜晶の形態で使用される。
成形体の製造は、慣用の方法により行われることができる。
含浸は、同様に慣用の方法により、例えば、A. B. Stiles, Catalyst Manufacture -Laboratory and Commercial Preparations, Marcel Dekker, New York (1983)に記載された方法により行われ、1つ又は複数の含浸段階におけるそのつど相応する金属塩溶液を設けることにより行われ、その際金属塩として、例えば相応する硝酸塩、酢酸塩又は塩化物が使用される。この材料は含浸に引き続き、乾燥され、かつ場合によりか焼される。
この含浸は、いわゆる「incipient wetness」方法により行われることができ、その際二酸化ジルコニウムはその水吸収能力に相応して、最大で、含浸溶液での飽和まで湿らせられる。この含浸はしかしながら、上清(ueberstehend)溶液中でも行われることができる。
多工程の含浸方法では、個々の含浸工程の間に乾燥させ、かつ場合によりか焼させることが目的に適う。多工程の含浸は有利には、二酸化ジルコニウムを大量の金属で負荷すべき場合に、特に適用すべきである。
金属成分を二酸化ジルコニウムに設けるためには、この含浸は、全ての金属塩で同時に又は個々の金属塩の任意の順序で相互に順番に行われることができる。
か焼(例えばこれは、200〜600℃の範囲内の温度で実施される)後に、触媒は、目的に応じて調製され、つまりこの触媒は粉砕により所定の粒径に調整されるか又はこの触媒はその粉砕後に成形助剤、例えばグラファイト又はステアリン酸と混合され、成形体、例えばタブレットへとプレスを用いてプレス処理され、熱処理される。この熱処理温度は、この際有利には、か焼の際の温度に相応する。
このようにして製造された触媒は、触媒活性金属を、その酸素含有化合物の混合物の形で、即ち、特に酸化物及び混合酸化物として含有する。
このようにして製造された触媒は、このまま貯蔵され、かつ場合によりハンドリングされる。触媒としてのその使用前に、触媒は通常は予備還元される。前記触媒はしかしながら、予備還元無しに使用されることもでき、その際触媒は次いで、水素化/脱水素化するアミン化の条件下で反応器中に存在する水素を用いて還元される。
予備還元のためには、前記触媒はまず、有利には150〜200℃で、例えば12〜20時間の期間にわたり、窒素−水素−雰囲気に曝され、かつ、引き続き、約24時間まで、有利には200〜400℃で、水素雰囲気中で処理される。この予備還元の際には、触媒中に存在する酸素を含有する金属化合物の一部は、相応する金属へと還元され、この結果この触媒は、様々な種類の酸素化合物と一緒に、触媒の活性のある形態において存在する。
選択された、EP-A-701 995 (BASF AG)中に開示される、Pd/Pt/ZrO2触媒は、本発明による方法において、特に有利に使用される。
本発明による方法は連続的に実施され、その際触媒は有利には、反応器中に固定層として配置されている。この際、触媒固定層の、上方からの、また同様に下方からの流れ(Anstroemung)が可能である。このガス流はこの際、温度、圧力及び量により、難沸性の(高沸性の)反応生成物もが気相中に残存するように調整される。
このアミン化剤アンモニアは、アミン化すべきアルコール性ヒドロキシ基に対して、化学理論量で、化学理論量を下回るか又は化学理論量を上回る量で使用されることができる。
アンモニアは一般的には、反応させるべきアルコール性ヒドロキシ基1モルに対して、1.5〜250倍、有利には2〜100倍、特に2〜10倍のモル過剰量で使用される。アンモニアのより高い過剰量が可能である。
有利には、排ガス量5〜800標準立方メーター/h、特に20〜300標準立方メーター/hが運ばれる。
液相中での運転の際には、反応物質(アルコール+アンモニア)を液相中で同時に、一般的には5〜30MPa(50〜300bar)、有利には5〜25MPa、特に有利には15〜25MPaの圧力で及び一般的には80〜350℃、有利には100〜300℃、特に120〜270℃、とりわけ130〜250℃、とりわけ特に有利には170〜230℃の温度で、水素を含めて、有利には外側から加熱された固定層反応器中に通常存在する触媒上に導通する。この際、流動式(Rieselfahrweise)もまた逆流式も可能である。触媒負荷は、一般的には、0.05〜5、有利には0.1〜2、特に有利には0.2〜0.6kgアルコール/触媒1リットル(かさ容積)及び時間の範囲内にある。場合により、反応物質の、適した溶媒、例えばテトラヒドロフラン、ジオキサン、N−メチルピロリドン又はエチレングリコールジメチルエーテルを用いた希釈が行われることができる。この反応物を、反応容器中への供給前に既に加熱、特に、反応温度に加熱することが目的に適っている。
気相中での運転の際には、ガス状反応物質(アルコール+アンモニア)は、蒸発のために十分に大きく選択されたガス流、有利には水素中で、一般的には0.1〜40MPa(1〜400bar)、有利には0.1〜10MPa、特に有利には0.1〜5MPaの圧力で、水素の存在下で触媒上を導通される。アミン化のための温度は一般的には、80〜350℃、有利には100〜300℃、特に120〜290℃、特に有利には160〜280℃である。この際、触媒固定層の、上方からの、また同様に下方からの流れが可能である。この必要とされるガス流は、有利には、循環ガス運転式により得られる。触媒負荷は、一般的には、0.01〜2、有利には0.05〜0.5kgアルコール/触媒1リットル(かさ容積)及び時間の範囲内にある。
この水素は反応に、一般的には、5〜400l、有利には50〜200l/1モルアルコール成分の量で供給され、その際このリットルの記載は、そのつど、標準条件に対して換算されている(S.T.P)。
液相中での運転でもまた同様に気相中での運転でも、より高い温度及びより高い全圧及び触媒負荷の適用が可能である。反応容器中での圧力は、これは、挙げられた温度でのアミン化剤アンモニア、アルコール及び形成される反応生成物並びに場合により併用される溶媒の分圧の合計から生じるが、目的に応じて、所望の反応圧力への水素の圧入により高められる。
液相中での連続運転でもまた同様に気相中での連続運転でも、過多量のアミン化剤は水素と一緒に循環して導通されることができる。
固定層として触媒が配置されている場合には、反応の選択性のために、この触媒成形体が反応器中で不活性な充填体と混合されること、いわば「希釈」されることが有利であることができる。このような触媒調製物中でのこの成形体の割合は、20〜80、特に30〜60、とりわけ40〜50容積部であることができる。
この反応の結果形成される反応水(そのつど、反応したアルコール基1モルに対して1モル)は、一般的には、反応の程度、反応速度、選択率及び触媒寿命に対して不利に作用を及ぼさず、かつ従って、目的に応じて、反応生成物の後処理の際に初めて反応生成物から、例えば蒸留により除去される。
この反応排出物からは、この反応排出物を目的に応じて放圧した後に、過多量の水素及び場合により存在する過多量のアミン化剤が除去され、かつこの得られる反応生成物は、例えば分別精留により精製される。この過多量のアミン化剤及び水素は、有利には、反応区域中に再度返送される。同じことは、場合によっては完全には反応していないアルコール成分にあてはまる。
このそのつどの純粋な生成物は、この粗製品から、公知の方法に応じた精留により得られることができる。この純粋な生成物は、水との共沸物として生じるか又は特許出願EP-A-1 312 599及びEP-A-1 312 600(共にBASF AG)に準拠して、濃縮した苛性ソーダ液を用いた液−液−抽出により脱水されることができる。この脱水は、純粋な蒸留の前に又は後に行われることができる。蒸留による脱水は、共留剤の存在下で公知の方法に応じても可能である。
この粗製品又は粗製品中の芳香族アミンが、ほとんど又は全く水と混合可能でない場合には、公知の方法を用いた有機の及び水性の相の分離による脱水もまた可能である。EP-A-1 312 599及びEP-A-1 312 600(共にBASF AG)中に教示された手法に応じて、分離された有機相から1工程で、アミン含有混合物の1種又は数種の易沸物質分画が分離されることができる。更なる工程においては、アミン含有混合物の1種又は数種の難沸物質分画を、蒸留により分離する可能性が存在する。続く蒸留工程においては、この混合物から、実質的に水不含のアミンが、塔の底部排出物又は側方排出物として、純粋な形で得られることができ、これは場合によって、更なる精製又は分離にかけられる。
アミンの後精製のためのこれらの個々の工程は、場合によって、唯一の塔中でも、バッチ式に又は連続的に実施されることができ、その際易沸性物質の分離は、塔の濃縮部の頂部排出部及び/又は側方排出部を介して、難沸性分画の分離は蒸留塔の底部排出部を介して、そして純粋なアミンの分離は塔の回収部中の側方排出部を介して行われることができる。
特に有利な一変法において、連続的な蒸留塔として分離壁塔が使用される。
未反応の反応物質及び場合により生じる適した副生成物は、再度合成中に返送されることができる。未反応の反応物質は、非連続的な又は連続的な運転様式において、分離器中で生成物の凝縮後に循環ガス流中で新規に触媒床を介して貫流されることができる。
アミン化剤としてのアンモニアの使用により、使用される脂環式アルコールのアルコール性ヒドロキシル基は、脂肪環での位置を維持しながら、第1級アミノ基(−NH2)に変換される。
脂環式アルコールとして、脂肪族のOH官能性を有する実質的に全てのアルコールが適する。即ち、このOH基は、脂肪族環中でsp3混成されたC原子で結合している。脂肪族環は、C原子の他に1種又は数種のヘテロ原子、例えばN、O又はSを有することができる。アルコールは更なる置換基を有するか又は官能基を含有することができ、これは、水素化/脱水素化するアミン化の条件下で不活性に振る舞い、例えばアルコキシ−、アルケニルオキシ−、アルキルアミノ−又はジアルキルアミノ基であり、又は、場合により、水素化するアミン化の条件下で水素化され、例えばCC−二重結合又は三重結合でもある。多価の脂環式アルコールがアミン化されることが所望される場合には、これは反応条件の制御を介して得られ、有利には相応するアミノアルコール又は複数回アミン化された生成物を得ることができる。
有利には、例えば以下の脂環式アルコールがアミン化される:シクロヘキサノール、その際このシクロヘキシル残基は1個又は数個のアルキル残基、特にC19−アルキル残基C56−シクロアルキル残基、及び/又はアリール残基を置換基として有することができる。
19−アルキル残基、有利にはC13−アルキル残基は、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、sec−ペンチル、ネオペンチル、1,2−ジメチルプロピル、n−ヘキシル、イソヘキシル、sec−ヘキシル、シクロペンチルメチル、n−ヘプチル、イソヘプチル、シクロヘキシルメチル、n−オクチル、イソオクチル、2−エチルヘキシル、n−ノニルである。
アリール残基は、例えばフェニル、1−ナフチル、2−ナフチルである。
有利に使用される脂環式アルコールのための更なる例は次のものである:2,6−ジメチルシクロヘキサノール、2,4−ジメチルシクロヘキサノール、3,5−ジメチルシクロヘキサノール、2,3,6−トリメチルシクロヘキサノール、2,4,6−トリメチルシクロヘキサノール、2,6−ジエチルシクロヘキサノール、2−メチル−6−エチルシクロヘキサノール、2,6−ジイソプロピルシクロヘキサノール、2,6−ジ−sec−ブチルシクロヘキサノール、3−tert−ブチルシクロヘキサノール、2−イソプロピル−6−メチルシクロヘキサノール及び2−イソプロピル−6−エチルシクロヘキサノール。
反応物質として使用される脂環式アルコール、特にシクロヘキサノールは、入手しやすい化合物である。
反応物質として使用される脂環式アルコール、特にシクロヘキサノール、特にとりわけシクロヘキサノール及び2,6−ジメチルシクロヘキサノールは有利には、純度≧95質量%、特に≧98質量%を有する。
ケトン、特にシクロヘキサノンの含有量は有利には、≦2質量%、特に≦1質量%であり、特にとりわけ0〜≦0.5質量%、更に有利には0〜≦0.2質量%の範囲内にある。
例えば、反応物質として市販されている2,6−ジメチルシクロヘキサノールを使用することができ、これは少なくとも70質量%(例えば、Aldrich, ABCR, ASDI-Inter, ICN-RF, VWR)、有利には少なくとも95質量%(例えば、TCI-JP, TCI-US)、特に有利には少なくとも99質量%の含有量を有する。この特に有利に使用される反応物質、≧99質量%の純度を有する2,6−ジメチルシクロヘキサノールは、その品揃えにおいて様々な供給者を有し、例示的には、Acros社及びKantoが挙げられる。98質量%の製品を、例えば、Pfaltz-Bauer又はWileyで並びに他の提供者で得る。
本発明による方法を用いて有利に製造される芳香族アミン、特に置換されたアニリンは、相応する2,6−ジ−(C19−アルキル)−シクロヘキサノールからの2,6−ジ−(C19−アルキル)−アニリンである。例えば、2,6−ジメチルアニリン(2,6−キシリジン)、3,5−ジメチルアニリン、2,6−ジエチルアニリン、2−メチル−6−エチルアニリン、2,6−ジイソプロピルアニリン、2−イソプロピル−6−メチルアニリン及び2−イソプロピル−6−エチルアニリンである。
本発明による方法を用いて、特に有利に製造される芳香族アミンは、2,6−ジメチルシクロヘキサノールの反応による、2,6−ジメチルアニリン(2,6−キシリジン)である。
本発明による方法を用いて、特に、請求項17又は18に応じた方法を用いて、特に、2,6−ジメチルアニリン(2,6−キシリジン)を、純度≧99質量%、特に≧99.5質量%、特にとりわけ≧99.85質量%、及び、2,6−ジメチルフェノール含有量≦0.1質量%、特に≦0.05質量%、特にとりわけ≦0.02質量%、例えば0〜0.015質量%でもって、2,6−ジメチルシクロヘキサノール及びアンモニアから製造可能である。
質量%での前述した含有量は、次のようにガスクロマトグラフィにより測定される;
分離カラム:DB WAX(ポリエチレングリコール)
長さ(m):30
フィルム厚(μm) 0.5
内径(mm) 0.25
キャリアガス:ヘリウム
前圧力(バール) 1.0
スプリット(ml/分):100
セプタム洗浄(ml/分) 4
炉温度(℃):80
前加熱時間(分) 3
速度(℃/分) 5
炉温度(℃) 240
後加熱時間(分):30
注入温度(℃) 250
検出器温度(℃) 260
注入 HP 7673-Aオートサンプラー
注入容積(μl) 0.2
検出器タイプ:FID
実施例
全実施例のために、EP-B1-701 995の実施例4(6頁、12〜15行目)に応じて選択されたバイメタルパラジウム−/白金−触媒を使用し、また、ここに記載された方法(4頁、47〜52行目)にも応じて活性化した。この後で、この担持された貴金属−触媒を反応器中に取り付け、引き続き窒素−/水素流中で加圧無しに又は運転圧力下で200℃で還元した。
2,6−ジメチルアニリンの製造
10リットルの触媒充填を有する管型反応器中で2バールの全圧で、アンモニア170kg/h及び水素20kg/hからなる循環ガス流を作成した。この流中で連続的に2,6−ジメチルシクロヘキサノール122kg/hを付与し、かつ蒸発させた。このガス状混合物を、200〜270℃で、触媒床上を貫流させた。2,6−キシリジンに関する収率は、反応器後に、90%よりも大きかった。

Claims (17)

  1. フェニル残基が置換基として1個又は数個のC 1 9 −アルキル残基を有してよいフェニルアミンを、相応する脂環式アルコールとアンモニアとを水素の存在下で80〜350℃の範囲内の温度で不均一系触媒の存在下で反応させることにより連続的に製造する方法において、触媒の触媒活性材料が水素を用いたその還元前に、
    二酸化ジルコニウム(ZrO2)90〜99.8質量%、
    パラジウムの酸素含有化合物0.1〜5.0質量%及び
    白金の酸素含有化合物0.1〜5.0質量%を含有することを特徴とする、フェニル残基が置換基として1個又は数個のC 1 9 −アルキル残基を有してよいフェニルアミンの連続的な製造方法。
  2. 反応を120〜300℃の範囲内の温度で実施することを特徴とする、請求項1記載の方法。
  3. 反応を液相中で5〜30MPaの範囲内の絶対圧で又は気相中で0.1〜40MPaの範囲内の絶対圧で実施することを特徴とする、請求項1又は2記載の方法。
  4. 触媒の触媒活性材料が水素を用いたその還元前に、
    二酸化ジルコニウム(ZrO2)98〜99.6質量%、
    パラジウムの酸素含有化合物0.2〜1.0質量%及び
    白金の酸素含有化合物0.2〜1.0質量%を含有することを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
  5. 触媒の触媒活性材料が水素を用いたその還元前に、
    二酸化ジルコニウム(ZrO2)98.8〜99.2質量%、
    パラジウムの酸素含有化合物0.4〜0.6質量%及び
    白金の酸素含有化合物0.4〜0.6質量%を含有することを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
  6. アンモニアを、使用される脂環式アルコールに対して1.5〜250倍のモル量で使用することを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
  7. アンモニアを、使用される脂環式アルコールに対して2.0〜10倍のモル量で使用することを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
  8. 触媒が、固定層として反応器中に配置されていることを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項記載の方法。
  9. 反応を管型反応器中で実施することを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。
  10. 反応を循環ガス式に実施することを特徴とする、請求項1から9までのいずれか1項記載の方法。
  11. アルコールを水溶液として使用することを特徴とする、請求項1から10までのいずれか1項記載の方法。
  12. アンモニアを水溶液として使用することを特徴とする、請求項1から11までのいずれか1項記載の方法。
  13. シクロヘキサノールとアンモニアとの反応によるアニリンの製造のための、請求項1から12までのいずれか1項記載の方法。
  14. 2,6−ジ−(C1〜9−アルキル)−アニリンの製造のための、請求項1から12までのいずれか1項記載の方法。
  15. 2,6−ジメチルシクロヘキサノールとアンモニアとの反応による2,6−ジメチルアニリン(2,6−キシリジン)の製造のための、請求項1から12までのいずれか1項記載の方法。
  16. 反応粗生成物から有機相を分離し、前記有機相を引き続き蒸留塔中で連続的に蒸留により分離し、その際フェニル残基が置換基として1個又は数個のC 1 9 −アルキル残基を有してよいフェニルアミンを塔の回収部中の側方排出部を介して、易沸性物質及び水を頂部を介して、及び、難沸性物質を底部を介して取り出すことを特徴とする、請求項1から15までのいずれか1項記載の方法。
  17. 蒸留塔が分離壁塔であることを特徴とする、請求項16記載の方法。
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