JP5392877B1 - ペン型注射薬液の室温維持方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】円筒状の携帯魔法瓶に挿入可能な外径を有し、ペン型注射器の薬液側がホルダーの中央に来る円筒状孔を有する緩衝筒を発泡樹脂で製造して、前記携帯魔法瓶に挿入するので、ペン型注射器が魔法瓶の硬い内壁に衝突して損傷することはなく、かつ空間は保冷剤で冷却されるので、内部のインスリンも保冷される。また、前記ペン型注射器の注入ボタン側を挿入する筒状孔を有する断熱筒の外周に保冷剤を配設するので、ペン型注射器が直接に保冷剤と接して、冷やし過ぎるという問題も生じない。
【選択図】図1
Description
しかしながら、インスリンは熱に弱い性質がある。インスリンの保管温度は、1.「未使用は凍結を避け、2〜8℃に遮光して保存すること」。2.「使用中は冷蔵庫に入れず、室温に保管すること。」と定められている。
この温度を大きく逸脱することは、インスリン効果を喪失するので、注射しても、血糖上昇を来す恐れがある。
これに対し、特許文献1のように、熱に対して不安定なインシュリン等の薬剤を、保管に適した温度で極めて良好に保冷温し続けることができ、しかも容易にどこへでも持ち運ぶことができる画期的な薬剤用保冷温容器を提供すべく、薬剤を収納する保冷温容器であって、上部開口部を有する容器本体と、この容器本体の上部開口部を隠蔽する状態で該容器本体の上部に着脱自在に嵌合されるコップ状の蓋体とからなり、この容器本体は内筒体と外筒体とで構成され、この内筒体と外筒体との間は真空断熱部にする構造が提案されている。
本発明の技術的課題は、このような問題に着目し、近年普及して来たペン型の注射器に入ったインスリンなどの薬液を確実に室温に維持でき、しかも市販や家庭に有る魔法瓶に収納するだけで簡易に実現可能とすることにある。
具体的には、請求項1は、円筒状の携帯魔法瓶に挿入可能な外径を有し、ペン型注射器の薬液側が中央に来る円筒状孔を有する緩衝筒と、前記ペン型注射器の注入ボタン側を挿入する筒状孔を有する断熱筒と、この断熱筒の外周に保冷剤を配設する領域と、前記ペン型注射器を出し入れする開口を開閉する蓋手段とを備えたことを特徴とするペン型注射器のホルダーユニットである。
前記断熱筒を囲むように保冷剤を配設した状態で、前記魔法瓶に前記緩衝筒と断熱筒と保冷剤とを挿入してから、前記魔法瓶のキャップを締めることを特徴とするペン型注射器を魔法瓶に収納する方法である。
又は外筒の下端と内筒の下端との間をドーナツ形の円板から成る底板で塞いで形成したリング状の空間に保冷剤を挿入した状態で冷凍部に収納して保冷剤を凍結させる方法で湾曲した保冷剤を整型することを特徴とする請求項5に記載のペン型注射器を魔法瓶に収納する方法である。
少なくとも前記保冷剤を冷凍室や冷蔵室に入れて冷却してから、前記保冷剤つきの断熱筒と緩衝筒とを連結すると共にペン型注射器を収納した状態で前記魔法瓶に挿入することを特徴とするペン型注射器の薬液の冷却方法である。
また、前記ペン型注射器の他の部分すなわち注入ボタン側を挿入する筒状孔を有する断熱筒と、この断熱筒の外周に保冷剤を配設するので、ペン型注射器が直接に保冷剤と接して、冷やし過ぎるという問題も生じない。なお、スポンジ様の弾性材を介して、魔法瓶のキャップを締めれば、遊びはなく、ペン型注射器がガタガタする恐れもない。この詰め物の上下は蓋板や底板で塞いである。
また、前記ペン型注射器の下端及び/又は上端にスポンジなどの伸縮材や綿状体を詰める構造になっているので、ホルダーユニットに収納状態のペン型注射器がガタつくこともない。
図1において、円筒状の魔法瓶は内瓶1と外瓶2との間の空間3が真空状態になっており、魔法瓶はキャップ4で閉じられる。円筒状の内瓶1の中には、ホルダー用の緩衝筒として発泡樹脂体(発泡スチロール)5を挿入し、その中央にペン型のインスリン注射器Pを位置させてある。このペン型注射器Pの薬液すなわちインスリンiが、凍結した保冷剤6と接しないように、円筒状で伸縮性のある断熱筒7を配設し、前記キャップ4を締めた際に、前記断熱筒7が前記キャップ4で圧縮される。
なお、ペン型注射器Pの下端及び/又は上端と接するように、スポンジなどの伸縮体8、9や綿状体を詰めてあると、ペン型注射器Pがガタガタする遊びを無くせる。この詰め物8、9の上下は蓋板や底板で塞いである。
ペン型注射器Pを入れる緩衝筒5は、ペン型注射器Pが円筒状の魔法瓶の内壁に衝突して損傷するのを防止するためであるが、緩衝材は通常、断熱作用も有するので、好都合である。このように、緩衝作用が目的ではあるが、断熱筒7が伸縮材の場合は、必ずしも伸縮性を要しない。断熱筒7が伸縮性を有しない場合は、代わりに、緩衝筒5に伸縮性を持たせることになる。なお、両者共に伸縮性を有してもよいし、発泡スチロールのような発泡樹脂体の場合は、両者共に伸縮性はさほど有しなくてもよい。
鎖線71で示すように、緩衝筒5の上端に、小外径の断熱筒7を部分的に挿入してセンタリング可能にしてもよい。又は、鎖線72のように、緩衝筒5の内底位置に届くまで挿入したり、鎖線73のように、緩衝筒5内に部分的に挿入することもできる。
また、前記のように、ペン型注射器のインスリンiの位置が中央に位置決めされるので、熱的にも衝撃力も均一となる。
断熱筒7はガイド筒Gの中心に配置することが望ましく、そのために、断熱筒7の上下端が丁度入るサイズのドーナツ形円板を、ガイド筒Gの内周に挿入することができる。
このようにして、C状や半円状或いは円状に湾曲した形状に凍結させてから、円筒状の魔法瓶の中に挿入する。期待する保冷効果に合わせ、室内で使用する場合のように、保冷時間が短く或いは冷却要求が厳しくない場合は、冷却状態であれば、必ずしも凍結させる必要はない。逆に炎天下で使用する場合は、保冷剤は凍結させる。
保冷剤をC状や半円状或いは円状に湾曲した形状に整型するには、溶けた状態の保冷剤をリング状の空間Sに詰め込んでから、冷蔵庫の冷凍部に収納して保冷剤を凍結させるだけで足りる。
保冷剤6’が凍結してから、リング状の空間Sから取り出して、断熱筒7の外周に配設し、ペン型注射器と共に魔法瓶に挿入する。なお、内筒7’の中に断熱筒7が入る寸法にしておくと、保冷剤を空間Sから取り出したりせずにそのままで断熱筒7を挿入し、魔法瓶に収納できる。
また、断熱筒7と同等の外径の治具筒に保冷剤6を巻きつけて冷凍し、凍結後に分離して、凍結した保冷剤6のみを用いることも可能である。前記の治具筒が薄くて丈夫であれば、その治具筒ごと断熱筒7の外周に配設してもよい。
なお、図1の断熱筒7を、鎖線72のように、緩衝筒5内に内底位置に届くまで挿入し固定してある。また、緩衝筒5の一部にしか鎖線表示がしてないが、緩衝筒5の全部にシートを被せて、きれいに見えるようにしてもよい。
図4において、開閉蓋12を接着して固定し、代わりに断熱筒7自体を抜ける構造にすると、抜いた状態でペン型注射器Pを下から挿入してから、下端が開口したまま、断熱筒7を緩衝筒5に挿入すると共に保冷剤6を取付けてもよい。
以上の実施形態では、糖尿病の患者を想定して、ペン型注射器Pにインスリンiが入っている説明にしたが、インスリンiに代えて、他の薬液がペン型注射器Pに入っていても差し支えない。
B 注入ボタン
i 薬液(インスリン)
3 真空状態の空間
4 魔法瓶のキャップ
5 発泡スチロール製の緩衝筒
6 保冷剤
7 断熱筒
8・9 伸縮体
C クリップ
G ガイド筒
10 ドーナツ形の底板
S リング状の空間
11 ストッパー
12 開閉蓋
13 不透明のシート
Claims (7)
- 円筒状の携帯魔法瓶に挿入可能な外径を有し、ペン型注射器の薬液側が中央に来る円筒状孔を有する緩衝筒と、前記ペン型注射器の注入ボタン側を挿入する筒状孔を有する断熱筒と、この断熱筒の外周に保冷剤を配設する領域と、前記ペン型注射器を出し入れする開口を開閉する蓋手段とを備えたことを特徴とするペン型注射器のホルダーユニット。
- 前記断熱筒と前記緩衝筒の筒状孔同士が直結され又は前記断熱筒が前記緩衝筒内に部分的に若しくは内底位置まで挿入される構造であることを特徴とする請求項1に記載のペン型注射器のホルダーユニット。
- 前記緩衝筒及び/又は断熱筒は伸縮性が有り、前記ペン型注射器の下端及び/又は上端に伸縮材若しくは綿状体を詰める構造になっていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のペン型注射器のホルダーユニット。
- 前記保冷剤を露出させ又はシートで隠すと共に、前記断熱筒の外端を閉じる蓋部を有し、前記保冷剤の離脱防止としてなるストッパーを有することを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3に記載のペン型注射器のホルダーユニット。
- 円筒状の携帯魔法瓶に挿入可能な外径を有する緩衝筒と筒状孔同士が直結され又は前記緩衝筒内に部分的に若しくは内底位置まで挿入される断熱筒を有し、ペン型注射器の薬液側が前記緩衝筒側に位置し、注入ボタン側が前記断熱筒側に位置するように筒状孔中に挿入すると共に、
前記断熱筒を囲むように保冷剤を配設した状態で、前記魔法瓶に前記緩衝筒と断熱筒と保冷剤とを挿入してから、前記魔法瓶のキャップを締めることを特徴とするペン型注射器を魔法瓶に収納する方法。 - 前記保冷剤を筒状体の内壁に挿入し、この保冷剤の中央部に前記の断熱筒を挿入した状態で冷凍部に収納して保冷剤を凍結させる方法で湾曲した保冷剤を整型するか、
又は外筒の下端と内筒の下端との間をドーナツ形の円板から成る底板で塞いで形成したリング状の空間に保冷剤を挿入した状態で冷凍部に収納して保冷剤を凍結させる方法で湾曲した保冷剤を整型することを特徴とする請求項5に記載のペン型注射器を魔法瓶に収納する方法。 - 円筒状の携帯魔法瓶に挿入可能な外径を有し、ペン型注射器の薬液側が中央に来る円筒状孔を有する緩衝筒と、前記ペン型注射器の注入ボタン側を挿入し、かつ前記緩衝筒と筒状孔同士が直結され又は前記緩衝筒内に部分的に若しくは内底位置まで挿入される筒状孔を有し、前記注入ボタン側を挿入する側の外周に保冷剤を配設する断熱筒とを備えており、
少なくとも前記保冷剤を冷凍室や冷蔵室に入れて冷却してから、前記保冷剤つきの断熱筒と緩衝筒とを連結すると共にペン型注射器を収納した状態で前記魔法瓶に挿入することを特徴とするペン型注射器の薬液の冷却方法。
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