JP2014147402A - ペン型注射薬液の室温維持方法 - Google Patents

ペン型注射薬液の室温維持方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ペン型の注射器に入ったインスリンなどの薬液を確実に室温に維持でき、しかも市販や家庭に有る魔法瓶に収納するだけで簡易に実現可能とする。
【解決手段】ペン型注射器を挿入できる筒状孔を有する筒状体を発泡樹脂で製造して、魔法瓶に挿入するので、ペン型注射器が魔法瓶の硬い内壁に衝突して損傷することはなく、かつ空間は保冷剤で冷却されるので、内部のインスリンも保冷される。また、前記ペン型注射器の残部を取り巻くように、筒状の断熱体が配設されので、ペン型注射器が直接に保冷剤と接して、冷やし過ぎるという問題も生じない。又はペン型注射器を挿入する上下の緩衝筒からなるホルダーユニットと魔法瓶との間の空間に保冷剤を挿入可能に構成した場合は、上下の緩衝筒で保冷剤から遮断されるので、ペン型注射器の内部のインスリンが冷やし過ぎる恐れがない。しかも保冷剤を整型する必要もなく、簡易な構成で足りる。
【選択図】図1

Description

本発明は、ペン型注射器に入ったインスリンなどの薬液が室温に維持されるようにした簡易なペン型注射器ホルダーに関する。
糖尿病治療には、インスリンは重要な薬剤である。インスリンを注射することは、患者への負担が大きい。ところが、ペン型のインスリン注射器の普及は、糖尿病治療にインスリンを身近な存在とした。現在では、よりよい血糖コントロールのため、インスリンの頻回注射も一般的である。このことは、屋外でインスリンを使用する機会を増やした。
しかしながら、インスリンは熱に弱い性質がある。インスリンの保管温度は、1.「未使用は凍結を避け、2〜8℃に遮光して保存すること」。2.「使用中は冷蔵庫に入れず、室温に保管すること。」と定められている。
この温度を大きく逸脱することは、インスリン効果を喪失するので、注射しても、血糖上昇を来す恐れがある。
従って、夏季において、糖尿病患者が屋外労働や野外スポーツ、海山のレジャーに際して、インスリンを持ち出すためには、この温度管理が困難で、保冷を必要とする。ところが、従来の保冷方法は、特殊な製品であったり、携帯に不便で恒温性の不確実な資材の組み合わせであった。
これに対し、特許文献1のように、熱に対して不安定なインシュリン等の薬剤を、保管に適した温度で極めて良好に保冷温し続けることができ、しかも容易にどこへでも持ち運ぶことができる画期的な薬剤用保冷温容器を提供すべく、薬剤を収納する保冷温容器であって、上部開口部を有する容器本体と、この容器本体の上部開口部を隠蔽する状態で該容器本体の上部に着脱自在に嵌合されるコップ状の蓋体とからなり、この容器本体は内筒体と外筒体とで構成され、この内筒体と外筒体との間は真空断熱部にする構造が提案されている。
特開2003−180797
しかしながら、特許文献1のような構造では、構造が特殊なため高価になるだけでなく、近年普及して来たペン型のインスリン注射器には適しない。しかも、保冷剤とインスリン容器の側壁が接する構造なため、インスリン薬液が凍結し劣化する恐れがある。
本発明の技術的課題は、このような問題に着目し、近年普及して来たペン型の注射器に入ったインスリンなどの薬液を確実に室温に維持でき、しかも市販や家庭に有る魔法瓶に収納するだけで簡易に実現可能とすることにある。
本発明は、広く一般に使用されている、広口魔法瓶を利用し、その内部に本発明ホルダーユニットを挿入することで、簡便にインスリン保冷器として使用できることが特徴である。
具体的には、請求項1のように、魔法瓶に挿入可能なように、魔法瓶の内径より小さな外径を有し、ペン型注射器を挿入できる筒状孔を有する筒状体を発泡樹脂で製造してあり、前記ペン型注射器の残部を取り巻くように配設する筒状の断熱体と、この筒状の断熱体の外側に配設する保冷剤を挿入して前記魔法瓶のキャップを締めることを特徴とするペン型注射器のホルダーユニットである。
又はペン型注射器を挿入する上下の緩衝筒からなるホルダーユニットと魔法瓶との間の空間に保冷剤を挿入可能に構成したことを特徴とするペン型注射器のホルダーユニットでもよい。
請求項2は、前記下部緩衝筒及び/又は断熱筒は伸縮性が有り、前記ペン型注射器の下端及び/又は上端に伸縮材を詰める構造になっていることを特徴とする請求項1に記載のペン型注射器のホルダーユニットである。
請求項3は、前記の下部緩衝筒の上に載置される断熱筒からなるホルダーユニット及び/又は前記の上下の緩衝筒からなるホルダーユニットと保冷剤を魔法瓶に挿入してキャップを締めて成る請求項1又は請求項2に記載のペン型注射器のホルダーユニットである。
請求項4は、魔法瓶に挿入可能な外径を有する下部緩衝筒の孔にペン型注射器を部分的に挿入し、かつ魔法瓶に前記下部緩衝筒を挿入し、
前記ペン型注射器の残部を取り巻くように断熱筒を前記下部緩衝筒の上に挿入した状態で、
前記断熱筒を囲むように湾曲させた保冷剤を挿入し、魔法瓶のキャップを締めることを特徴とするペン型注射器を魔法瓶に収納する方法である。
又は、ペン型注射器を挿入する上下の緩衝筒からなるホルダーユニットと魔法瓶との間の空間に保冷剤を挿入する収納方法でもよい。
請求項5は、保冷剤を筒状体の内壁に挿入し、この保冷剤の中央部に前記の断熱筒を挿入した状態で冷凍部に収納して保冷剤を凍結させる方法で湾曲した保冷剤を整型することを特徴とする請求項4に記載のペン型注射器を魔法瓶に収納する方法である。
又は外筒の下端と内筒の下端との間をドーナツ形の円板から成る底板で塞いで形成したリング状の空間に保冷剤を挿入した状態で冷凍部に収納して保冷剤を凍結させる方法で湾曲した保冷剤を整型してもよい。
請求項6は、魔法瓶に挿入可能な外径を有し、ペン型注射器の薬液側を挿入する孔を有する下部緩衝筒と、前記ペン型注射器の他の一部を挿入する孔を有する上部緩衝筒とを有し、この上部緩衝筒の外径を細くして保冷剤を巻き付けてなることを特徴とするペン型注射器のホルダーユニットである。前記保冷剤はシートで隠してもよい。
請求項7は、ペン型注射器の薬液側でない部分を挿入する孔を有する上部緩衝筒の外径を細くして保冷剤を巻き付けてなる上部緩衝筒を冷蔵庫に入れて前記保冷剤を冷却した後に、ペン型注射器を収納すると共に前記上部緩衝筒と下部緩衝筒を連結した状態で魔法瓶に挿入することを特徴とするペン型注射器の薬液の冷却方法である。
請求項1記載のペン型注射器のホルダーユニットによると、魔法瓶の内径より小さな外径を有し、ペン型注射器を挿入できる筒状孔を有する筒状体を発泡樹脂で製造して、魔法瓶に挿入するので、ペン型注射器が魔法瓶の硬い内壁に衝突して損傷することはなく、かつ空間は保冷剤で冷却されるので、内部のインスリンも保冷される。
また、前記ペン型注射器の残部を取り巻くように、筒状の断熱体が配設され、この断熱筒の外側に、保冷剤を配設するので、ペン型注射器が直接に保冷剤と接して、冷やし過ぎるという問題も生じない。なお、スポンジ様の弾性材を介してキャップを締めるので、遊びはなく、ペン型注射器がガタガタする恐れもない。
又はペン型注射器を挿入する上下の緩衝筒からなるホルダーユニットと魔法瓶との間の空間に保冷剤を挿入可能に構成した場合は、上下の緩衝筒で保冷剤から遮断されるので、ペン型注射器の内部のインスリンが冷やし過ぎる恐れがない。しかも保冷剤を整型する必要もなく、簡易な構成で足りる。
請求項2のように、前記下部緩衝筒及び/又は断熱筒は伸縮性が有るので、ホルダーユニットを魔法瓶に挿入してキャップを締めると、ペン型注射器が魔法瓶の中に安定よく収納されるため、暑い夏期にアウトドアに持ち出したりしても安心である。
また、前記ペン型注射器の下端及び/又は上端に伸縮材を詰める構造になっているので、ホルダーユニットに収納状態のペン型注射器がガタつくこともない。
請求項3のように、前記の下部緩衝筒の上に載置される断熱筒からなるホルダーユニット及び/又は前記の上下の緩衝筒からなるホルダーユニットと保冷剤を魔法瓶に挿入してキャップを締めた構成にすると、インスリン薬液等が熱で劣化することは無く、しかも冷やし過ぎるという問題も解消される。また、屋外に持ち出しても、ペン型注射器が衝撃で損傷する恐れもない。
請求項4のように、魔法瓶の内径より小さな外径を有し、ペン型注射器を挿入できる筒状孔を有する発泡樹脂製の下部緩衝筒を、前記魔法瓶に挿入し、前記ペン型注射器の残部を取り巻くように筒状の緩衝体を前記下部緩衝筒の上に挿入した状態で、前記筒状の緩衝体を囲むように、凍結状態の保冷剤を挿入し、かつキャップを締める方法によると、保冷剤の作用で確実にペン型注射器の内部のインスリン薬液を室温に維持できる。しかも、筒状に形成した発泡樹脂体や緩衝体で、ペン型注射器が緩衝されるので、損傷する恐れもない。
又は、ペン型注射器を挿入する上下の緩衝筒からなるホルダーユニットと魔法瓶との間の空間に保冷剤を挿入する収納方法では、保冷剤を整型する必要はなく、またインスリンを冷やし過ぎる問題もない。
請求項5のように、前記の保冷剤を筒体の内壁に挿入し、この保冷剤の中央部に前記の筒状の緩衝体を挿入した状態で冷凍部に収納して保冷剤を凍結させるので、魔法瓶に挿入する際に、筒状の緩衝体の外周に巻けるように予め凍結させることが可能で、市販の汎用性のある保冷剤でも使用できる。
又は、外筒の下端と内筒の下端との間をドーナツ形の円板から成る底板で塞いで形成したリング状の空間に保冷剤を挿入した状態で冷凍部に収納して保冷剤を凍結させる方法によると、保冷剤の内径の寸法も外径の寸法と高制度に整型される、作業が簡便である。
請求項6のように、魔法瓶に挿入可能な外径を有し、ペン型注射器の薬液側を挿入する孔を有する下部緩衝筒と、前記ペン型注射器の他の一部を挿入する孔を有する上部緩衝筒とを有し、この上部緩衝筒の外径を細くして保冷剤を巻き付けてなるホルダーユニットを用いると、魔法瓶に挿入するだけで足りるので、魔法瓶の汎用性が増すだけでなく、細くした領域に一旦保冷剤を巻いて固定してあると、それ以降は患者が自分で保冷剤を整型したり保冷剤を気にしたりする必要がなく、面倒くさがる恐れもない。
この保冷剤や上部緩衝筒の上から、図6の鎖線のように、不透明のシートを被せると、使用者は保冷剤が見えず、意識する必要もない。
請求項7のように、ペン型注射器の薬液側でない部分を挿入する孔を有する上部緩衝筒の外径を細くして保冷剤を巻き付けてなる上部緩衝筒を冷蔵庫に入れて前記保冷剤を冷却した後に、ペン型注射器を収納すると共に前記上部緩衝筒と下部緩衝筒を連結した状態で魔法瓶に挿入する方法だと、患者が自分で保冷剤を整型したりする必要がなく、また魔法瓶の汎用性が増すので、簡便である。
本発明によるペン型インスリン注射器の室温維持ホルダーユニットを示す断面図である。 保冷剤の成型治具(成型装置)の実施形態で、(1)は分解型を示す斜視図、(2)は一体型を示す断面図である。 大型魔法瓶に適用するペン型インスリン注射器のホルダーユニットを示す断面図である。 図3のホルダーユニットを大型魔法瓶に収納した状態を示す断面図である。 魔法瓶の汎用性が増しかつ保冷剤を整型する煩わしさの無いホルダーユニットを例示する断面図である。 図5のホルダーユニットの上部緩衝筒と保冷剤に不透明シートを被せた例を示する断面図である。
次に本発明によるペン型注射インスリンの室温維持方法が実際上どのように具体化されるか実施形態を説明する。図1は本発明によるペン型注射器の室温維持ホルダーユニットの第1実施形態を示す断面図であり、市販の小径の円筒状魔法瓶を使用した例である。
図1において、円筒状の魔法瓶は内瓶1と外瓶2との間の空間3が真空状態になっており、魔法瓶はキャップ4で閉じられる。円筒状の内瓶1の中には、ホルダー用の下部緩衝筒として発泡樹脂体(発泡スチロール)5を挿入し、その中にペン型のインスリン注射器Pを入れてある。このペン型注射器Pの上部が凍結した保冷剤6と接しないように、円筒状で伸縮性のある断熱筒7を配設し、前記キャップ4を締めた際に、前記断熱筒7の上端に前記キャップ4が当接して圧縮される。
なお、ペン型注射器Pの下端及び/又は上端と接するように伸縮体8、9を詰めてあると、ペン型注射器Pがガタガタする遊びを無くせる。
前記下部緩衝筒5は、ペン型注射器Pを収納して保持できるように有底の筒状に形成してあるが、伸縮体8を詰める場合は、必ずしも有底である必要はなく、底無しでもよい。この場合は、伸縮体8が底部の役目も兼ねるので、きつ目に詰めた方がよい。
ペン型注射器Pを入れる下部緩衝筒5は、ペン型注射器Pが円筒状の魔法瓶の内壁に衝突して損傷するのを防止するためであるが、緩衝材は通常、断熱作用も有するので、好都合である。このように、緩衝作用が目的ではあるが、断熱筒7が伸縮材の場合は、必ずしも伸縮性を要しない。断熱筒7が伸縮性を有しない場合は、代わりに、下部緩衝筒5に伸縮性を持たせることになる。なお、両者共に伸縮性を有してもよい。
断熱筒7の外径を小さくして、その外周に保冷剤6を湾曲状態で配設し、かつ下部緩衝筒5の上に載置する。この際に、断熱筒7が下部緩衝筒5の内部に落下しないサイズとする。鎖線で示すように、下部緩衝筒5の上端に、小径の断熱筒7を部分的に挿入してセンタリング可能にしてもよい。
以上のようにして、円筒状の下部緩衝筒5と小径の断熱筒7にペン型注射器Pを挿入した状態で魔法瓶に挿入すると、保冷剤6の作用で、内瓶1の内面と前記下部緩衝筒5や断熱筒7の内外面や保冷剤6の内外面、ペン型注射器Pの外面との間の空間が冷気で満たされ、その結果、ペン型注射器Pの容器部に収納されているインスリンが保冷され、室温に維持される。なお、ペン型注射器Pは、クリップCが付いており、かつインスリン量を示す目盛が見えるように断面で表現してあるキャップ側を下にして収納することで、保冷剤6を遠ざけているので、インスリンの冷え過ぎを効果的に防止できる。
図2の(1)は、湾曲した保冷剤6を形成する実施形態を示す斜視図であり、小径の断熱筒7の外周に、40g程度の溶けた状態の保冷剤6’を巻いた状態で、ガイド筒Gの中に挿入してから、冷蔵庫の冷凍室に入れて凍結させる。
断熱筒7はガイド筒Gの中心に配置することが望ましく、そのために、断熱筒7の上下端が丁度入るサイズのドーナツ形円板を、ガイド筒Gの内周に挿入することができる。
このようにして、C状や半円状或いは円状に湾曲した形状に凍結させてから、円筒状の魔法瓶の中に挿入する。期待する保冷効果に合わせ、室内で使用する場合のように、保冷時間が短く或いは冷却要求が厳しくない場合は、冷却状態であれば、必ずしも凍結させる必要はない。逆に炎天下で使用する場合は、保冷剤は凍結させる。
(2)は一体型を例示する断面図で、ガイド筒Gの下端と内筒7’の下端との間をドーナツ形の底板10で塞ぐことにより、リング状の空間Sが形成されるように一体化してある。
保冷剤をC状や半円状或いは円状に湾曲した形状に整型するには、溶けた状態の保冷剤をリング状の空間Sに詰め込んでから、冷蔵庫の冷凍部に収納して保冷剤を凍結させるだけで足りる。
保冷剤6’が凍結してから、リング状の空間Sから取り出して、前記内瓶1に挿入し、断熱筒7の外周に配設する。
図3は、保冷剤をC状や半円状或いは円状に湾曲した形状に整型する必要のないホルダーユニットである。下部緩衝筒5は、上端が段状になっているだけであるが、キャップ状の上部緩衝筒75は、下端が逆の段状になっている。従って、ペン型注射器Pを挿入した状態で、上部緩衝筒75を被せて閉じると、上下の段状部同士が嵌合して、センタリングされ、中心が一致する。
外径は同一寸法で足りるが、下部緩衝筒5の下面や上部緩衝筒75の上面に十字状の溝を形成して輪ゴム11と12を嵌めて、上下の緩衝筒5、75が分離しない構成とする。図示のように、90度の凸角部のみを切り欠いてもよい。
このホルダーユニットは、図4のように、家庭用のダルマ形の魔法瓶Vに収納し、空いた空間に保冷剤61、61を挿入してから、キャップ4’で広口の開口を閉じる。従って、保冷剤61は自由度が高い。隙間の空間に入ればよく、例えば大型でも平坦でもよい。もちろん、図2のような補助具を使用して整型する必要もない。また、上下の緩衝筒5、75の内部の空間にペン型注射器Pを収納すると、完全に密閉されるので、冷気で冷やし過ぎて薬液が凍結したりする恐れはなく、安全である。
このように長所も多いので、整型しない保冷剤61でも使用できる程度の大径であれば、ダルマ形に限らず、円筒状の魔法瓶でも使用できる。魔法瓶の径の大小を応じて、或いは熱的若しくは機械的な事情から、上下の緩衝筒5、75の肉厚などは任意に設定できる。
図5は、図1の発想と図3、図4の発想とを併用した構造であり、図3の上部緩衝筒75の中間部の外径を細くして、細くした部分に保冷剤62を巻いた構造になっている。従って、下部緩衝筒5は、長さを短くしただけである。上部緩衝筒75’は、その分だけ長くしてある。保冷剤62を薄くかつ長く巻き付ける可能があるからである。
このように、上部緩衝筒75’の外径を細くした領域に予め保冷剤62を巻き、かつ外周にセロハンテープなどを巻いて、なるべく、上部緩衝筒75’の外径より太くならないようにする。なお、図2(1)のガイド円筒Gの中に保冷剤62を挿入すると、上部緩衝筒75’の外径よりはみ出すのを防止できる。このようなはみ出しを嫌うのは、魔法瓶に円滑に挿入可能とするためである。
保冷剤62を冷やす際は、上部緩衝筒75’と一緒に冷凍室や冷蔵室に入れるだけで足りるので、図2のように、保冷剤を整型する作業は不要であり、冷えた上部緩衝筒75’を冷蔵庫から取り出して、ペン型注射器Pを収納すると共に、この上部緩衝筒75’と下部緩衝筒5とを連結し、必要に応じて輪ゴム11と12を嵌めた状態で、魔法瓶に挿入するだけで足りる。なお、ペン型注射器Pに入っている薬液が冷え過ぎるのを防ぐべく、保冷剤62を取付ける小径部は、薬液収納部から遠ざけている。また、発泡樹脂からなる上部緩衝筒75’の内部に水滴が発生する恐れがある場合は、魔法瓶に挿入する前にペン型注射器Pに薄いハンカチや包帯などを巻いて水分を吸収させるとよい。
ホルダーユニットをこのような構造にすると、上下の緩衝筒75’・5を、円筒状の魔法瓶にも簡易に挿入して保冷できる。また、図2のように保冷剤を整型する手間も省ける。
商品化に際しては、デザイン上も保冷剤62が見えない方が好ましいので、図6に鎖線で示すように不透明の薄いシート13(一部透明であっても差し支えない)を貼り、シート13に社名や注意書きなどを表示すると、患者は保冷剤62が見えず、意識する必要もない。上部緩衝筒75’を冷蔵庫に出し入れするだけで足りるので、患者の使い勝手も良くなり、患者に優しい商品となる。
なお、下部緩衝筒5には、鎖線表示がしてないが、下部緩衝筒5にも別体のシートを被せて、きれいに見えるようにしてもよい。
以上の実施形態では、糖尿病の患者を想定して、ペン型注射器Pにインスリンが入っている説明にしたが、インスリンに代えて、他の薬液がペン型注射器Pに入っていても差し支えない。
また、輪ゴム11、12で、上下の緩衝筒5、75の分離を防ぐ例を示したが、段差部をテーパ状に形成して、分離を摩擦力で防止することも可能である。
以上のように、魔法瓶に挿入可能な外径を有し、ペン型注射器の薬液側を挿入できる孔を有する下部緩衝筒と、前記ペン型注射器の他の一部を挿入する孔を有する上部緩衝筒や断熱筒とを保冷剤と一緒に入れて、前記魔法瓶のキャップを締めるので、ペン型注射器に入った薬液を確実に室温に維持でき、しかも市販や家庭に有る魔法瓶に収納するので遮光性も維持できる。その結果、糖尿病患者でも夏期の外出が容易となり、行楽を楽しんだりもできる。また、薬液は冷蔵庫を嫌うので、節電目的でクーラーを使用しない期間は、室内で保管する場合でも、本発明により保冷剤を併用する方法が重宝されよう。
P ペン型のインスリン注射器
3 真空状態の空間
4 魔法瓶のキャップ
5 発泡スチロール製の下部緩衝筒
6 保冷剤
7 伸縮性の断熱筒
8・9 伸縮体
C クリップ
G ガイド筒
10 ドーナツ形の底板
S リング状の空間
75 キャップ状の上部緩衝筒
75’ キャップ状の上部緩衝筒
V ダルマ形の魔法瓶
61・62 保冷剤
4’ キャップ
13 不透明のシート
本発明は、ペン型注射器に入ったインスリンなどの薬液が室温に維持されるようにした簡易なペン型注射器ホルダーに関する。
糖尿病治療には、インスリンは重要な薬剤である。インスリンを注射することは、患者への負担が大きい。ところが、ペン型のインスリン注射器の普及は、糖尿病治療にインスリンを身近な存在とした。現在では、よりよい血糖コントロールのため、インスリンの頻回注射も一般的である。このことは、屋外でインスリンを使用する機会を増やした。
しかしながら、インスリンは熱に弱い性質がある。インスリンの保管温度は、1.「未使用は凍結を避け、2〜8℃に遮光して保存すること」。2.「使用中は冷蔵庫に入れず、室温に保管すること。」と定められている。
この温度を大きく逸脱することは、インスリン効果を喪失するので、注射しても、血糖上昇を来す恐れがある。
従って、夏季において、糖尿病患者が屋外労働や野外スポーツ、海山のレジャーに際して、インスリンを持ち出すためには、この温度管理が困難で、保冷を必要とする。ところが、従来の保冷方法は、特殊な製品であったり、携帯に不便で恒温性の不確実な資材の組み合わせであった。
これに対し、特許文献1のように、熱に対して不安定なインシュリン等の薬剤を、保管に適した温度で極めて良好に保冷温し続けることができ、しかも容易にどこへでも持ち運ぶことができる画期的な薬剤用保冷温容器を提供すべく、薬剤を収納する保冷温容器であって、上部開口部を有する容器本体と、この容器本体の上部開口部を隠蔽する状態で該容器本体の上部に着脱自在に嵌合されるコップ状の蓋体とからなり、この容器本体は内筒体と外筒体とで構成され、この内筒体と外筒体との間は真空断熱部にする構造が提案されている。
特開2003−180797
しかしながら、特許文献1のような構造では、構造が特殊なため高価になるだけでなく、近年普及して来たペン型のインスリン注射器には適しない。しかも、保冷剤とインスリン容器の側壁が接する構造なため、インスリン薬液が凍結し劣化する恐れがある。
本発明の技術的課題は、このような問題に着目し、近年普及して来たペン型の注射器に入ったインスリンなどの薬液を確実に室温に維持でき、しかも市販や家庭に有る魔法瓶に収納するだけで簡易に実現可能とすることにある。
本発明は、広く一般に使用されている、広口魔法瓶を利用し、その内部に本発明ホルダーユニットを挿入することで、簡便にインスリン保冷器として使用できることが特徴である。
具体的には、請求項1のように、円筒状の携帯魔法瓶に挿入可能な外径を有し、ペン型注射器の薬液側を挿入する筒状孔を有する下部緩衝筒と、前記ペン型注射器の他の部分を挿入する筒状孔を有する断熱筒とこの断熱筒の外周に保冷剤を配設する領域とを備えたことを特徴とするペン型注射器のホルダーユニットである。
請求項2は、前記下部緩衝筒及び/又は断熱筒は伸縮性が有り、前記ペン型注射器の下端及び/又は上端に伸縮材を詰める構造になっていることを特徴とする請求項1に記載のペン型注射器のホルダーユニットである。
請求項3は、前記の下部緩衝筒の上に載置される前記断熱筒を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のペン型注射器のホルダーユニットである。
請求項4は、円筒状の携帯魔法瓶に挿入可能な外径を有する下部緩衝筒の筒状孔にペン型注射器の薬液側を挿入し、しかも前記ペン型注射器の他の部分を取り巻くように断熱筒を前記下部緩衝筒の上に挿入した状態で、
前記断熱筒を囲むように保冷剤を配設し、前記魔法瓶に前記下部緩衝筒と断熱筒と保冷剤とを挿入してから、前記魔法瓶のキャップを締めることを特徴とするペン型注射器を魔法瓶に収納する方法である。
請求項5は、前記保冷剤を筒状体の内壁に挿入し、この保冷剤の中央部に前記の断熱筒を挿入した状態で冷凍部に収納して保冷剤を凍結させる方法で湾曲した保冷剤を整型することを特徴とする請求項4に記載のペン型注射器を魔法瓶に収納する方法である。
又は外筒の下端と内筒の下端との間をドーナツ形の円板から成る底板で塞いで形成したリング状の空間に保冷剤を挿入した状態で冷凍部に収納して保冷剤を凍結させる方法で湾曲した保冷剤を整型してもよい。
請求項6は、円筒状の携帯魔法瓶に挿入可能な外径を有し、ペン型注射器の薬液側を挿入する筒状孔を有する下部緩衝筒と、前記ペン型注射器の他の部分を挿入する筒状孔を有する上部緩衝筒とを有し、この上部緩衝筒の外径を細くして保冷剤を巻き付けてなることを特徴とするペン型注射器のホルダーユニットである。前記保冷剤はシートで隠してもよい。
請求項7は、円筒状の携帯魔法瓶に挿入可能な外径を有し、ペン型注射器の薬液側を挿入する筒状孔の開いた下部緩衝筒を備え、ペン型注射器の他の部分を挿入する筒状孔を有する上部緩衝筒の外径を細くして保冷剤を巻き付けてなる上部緩衝筒を備えており、少なくとも前記上部緩衝筒を冷凍室や冷蔵室に入れて前記保冷剤を冷却してから、ペン型注射器を収納すると共に前記上部緩衝筒と下部緩衝筒を連結した状態で前記魔法瓶に挿入することを特徴とするペン型注射器の薬液の冷却方法である。
請求項1記載のペン型注射器のホルダーユニットによると、円筒状の携帯魔法瓶に挿入可能な外径を有し、ペン型注射器の薬液側を挿入する筒状孔を有する下部緩衝筒を発泡樹脂で製造して、前記携帯魔法瓶に挿入するので、ペン型注射器が魔法瓶の硬い内壁に衝突して損傷することはなく、かつ空間は保冷剤で冷却されるので、内部のインスリンも保冷される。
また、前記ペン型注射器の他の部分を挿入する筒状孔を有する断熱筒とこの断熱筒の外周に保冷剤を配設するので、ペン型注射器が直接に保冷剤と接して、冷やし過ぎるという問題も生じない。なお、スポンジ様の弾性材を介してキャップを締めるので、遊びはなく、ペン型注射器がガタガタする恐れもない。
請求項2のように、前記下部緩衝筒及び/又は断熱筒は伸縮性が有るので、ホルダーユニットを魔法瓶に挿入してキャップを締めると、ペン型注射器が魔法瓶の中に安定よく収納されるため、暑い夏期にアウトドアに持ち出したりしても安心である。
また、前記ペン型注射器の下端及び/又は上端に伸縮材を詰める構造になっているので、ホルダーユニットに収納状態のペン型注射器がガタつくこともない。
請求項3のように、前記の下部緩衝筒の上に載置される前記断熱筒を有する構成にすると、インスリン薬液等が熱で劣化することは無く、しかも断熱されるため冷やし過ぎるという問題も解消される。また、屋外に持ち出しても、ペン型注射器が衝撃で損傷する恐れもない。
請求項4のように、円筒状の携帯魔法瓶に挿入可能な外径を有する発泡樹脂製の下部緩衝筒の筒状孔にペン型注射器の薬液側を挿入し、しかも前記ペン型注射器の他の部分を取り巻くように断熱筒を前記下部緩衝筒の上に挿入した状態で、前記断熱筒を囲むように保冷剤を配設し、前記魔法瓶に前記下部緩衝筒と断熱筒と保冷剤とを挿入してから、前記魔法瓶のキャップを締める方法によると、保冷剤の作用で確実にペン型注射器の内部のインスリン薬液を室温に維持できる。しかも、筒状に形成した発泡樹脂体や緩衝体で、ペン型注射器が緩衝されるので、損傷する恐れもない。
請求項5のように、前記の保冷剤を筒体の内壁に挿入し、この保冷剤の中央部に前記の筒状の断熱筒を挿入した状態で冷凍部に収納して保冷剤を凍結させるので、魔法瓶に挿入する際に、筒状の緩衝体の外周に巻けるように予め凍結させることが可能で、市販の汎用性のある保冷剤でも使用できる。
又は、外筒の下端と内筒の下端との間をドーナツ形の円板から成る底板で塞いで形成したリング状の空間に保冷剤を挿入した状態で冷凍部に収納して保冷剤を凍結させる方法によると、保冷剤の内径の寸法も外径の寸法と同様に高制度に整型されるので、作業が簡便である。
請求項6のように、円筒状の携帯魔法瓶に挿入可能な外径を有し、ペン型注射器の薬液側を挿入する筒状孔を有する下部緩衝筒と、前記ペン型注射器の他の部分を挿入する筒状孔を有する上部緩衝筒とを有し、この上部緩衝筒の外径を細くして保冷剤を巻き付けてなるホルダーユニットを用いると、円筒状の携帯魔法瓶に挿入するだけで足りるので、魔法瓶の汎用性が増すだけでなく、細くした領域に一旦保冷剤を巻いて固定してあると、それ以降は患者が自分で保冷剤を整型したり保冷剤を気にしたりする必要がなく、面倒くさがる恐れもない。
この保冷剤や上部緩衝筒の上から、図6の鎖線のように、不透明のシートを被せると、使用者は保冷剤が見えず、意識する必要もない。
請求項7のように、ペン型注射器の薬液側でな部分を挿入する筒状孔を有する上部緩衝筒の外径を細くして保冷剤を巻き付けてなる少なくとも上部緩衝筒を冷凍室や冷蔵室に入れて前記保冷剤を冷却してから、ペン型注射器を収納すると共に前記上部緩衝筒と下部緩衝筒を連結した状態で円筒状の携帯魔法瓶に挿入する方法だと、患者が自分で保冷剤を整型したりする必要がなく、また魔法瓶の汎用性が増すので、簡便である。なお、ペン型注射器の薬液側は、下部緩衝筒の筒状孔に挿入される。
本発明によるペン型インスリン注射器の室温維持ホルダーユニットを示す断面図である。 保冷剤の成型治具(成型装置)の実施形態で、(1)は分解型を示す斜視図、(2)は一体型を示す断面図である。 大型魔法瓶に適用するペン型インスリン注射器のホルダーユニットを示す断面図である。 図3のホルダーユニットを大型魔法瓶に収納した状態を示す断面図である。 魔法瓶の汎用性が増しかつ保冷剤を整型する煩わしさの無いホルダーユニットを例示する断面図である。 図5のホルダーユニットの上部緩衝筒と保冷剤に不透明シートを被せた例を示する断面図である。
次に本発明によるペン型注射インスリンの室温維持方法が実際上どのように具体化されるか実施形態を説明する。図1は本発明によるペン型注射器の室温維持ホルダーユニットの第1実施形態を示す断面図であり、市販の小径の円筒状魔法瓶を使用した例である。
図1において、円筒状の魔法瓶は内瓶1と外瓶2との間の空間3が真空状態になっており、魔法瓶はキャップ4で閉じられる。円筒状の内瓶1の中には、ホルダー用の下部緩衝筒として発泡樹脂体(発泡スチロール)5を挿入し、その中にペン型のインスリン注射器Pを入れてある。このペン型注射器Pの上部が凍結した保冷剤6と接しないように、円筒状で伸縮性のある断熱筒7を配設し、前記キャップ4を締めた際に、前記断熱筒7の上端に前記キャップ4が当接して圧縮される。
なお、ペン型注射器Pの下端及び/又は上端と接するように伸縮体8、9を詰めてあると、ペン型注射器Pがガタガタする遊びを無くせる。
前記下部緩衝筒5は、ペン型注射器Pを収納して保持できるように有底の筒状に形成してあるが、伸縮体8を詰める場合は、必ずしも有底である必要はなく、底無しでもよい。この場合は、伸縮体8が底部の役目も兼ねるので、きつ目に詰めた方がよい。
ペン型注射器Pを入れる下部緩衝筒5は、ペン型注射器Pが円筒状の魔法瓶の内壁に衝突して損傷するのを防止するためであるが、緩衝材は通常、断熱作用も有するので、好都合である。このように、緩衝作用が目的ではあるが、断熱筒7が伸縮材の場合は、必ずしも伸縮性を要しない。断熱筒7が伸縮性を有しない場合は、代わりに、下部緩衝筒5に伸縮性を持たせることになる。なお、両者共に伸縮性を有してもよい。
断熱筒7の外径を小さくして、その外周に保冷剤6を湾曲状態で配設し、かつ下部緩衝筒5の上に載置する。この際に、断熱筒7が下部緩衝筒5の内部に落下しないサイズとする。鎖線で示すように、下部緩衝筒5の上端に、小径の断熱筒7を部分的に挿入してセンタリング可能にしてもよい。
以上のようにして、円筒状の下部緩衝筒5と小径の断熱筒7にペン型注射器Pを挿入した状態で魔法瓶に挿入すると、保冷剤6の作用で、内瓶1の内面と前記下部緩衝筒5や断熱筒7の内外面や保冷剤6の内外面、ペン型注射器Pの外面との間の空間が冷気で満たされ、その結果、ペン型注射器Pの容器部に収納されているインスリンが保冷され、室温に維持される。なお、ペン型注射器Pは、クリップCが付いており、かつインスリン量を示す目盛が見えるように断面で表現してあるキャップ側を下にして収納することで、保冷剤6を遠ざけているので、インスリンの冷え過ぎを効果的に防止できる。
図2の(1)は、湾曲した保冷剤6を形成する実施形態を示す斜視図であり、小径の断熱筒7の外周に、40g程度の溶けた状態の保冷剤6’を巻いた状態で、ガイド筒Gの中に挿入してから、冷蔵庫の冷凍室に入れて凍結させる。
断熱筒7はガイド筒Gの中心に配置することが望ましく、そのために、断熱筒7の上下端が丁度入るサイズのドーナツ形円板を、ガイド筒Gの内周に挿入することができる。
このようにして、C状や半円状或いは円状に湾曲した形状に凍結させてから、円筒状の魔法瓶の中に挿入する。期待する保冷効果に合わせ、室内で使用する場合のように、保冷時間が短く或いは冷却要求が厳しくない場合は、冷却状態であれば、必ずしも凍結させる必要はない。逆に炎天下で使用する場合は、保冷剤は凍結させる。
(2)は一体型を例示する断面図で、ガイド筒Gの下端と内筒7’の下端との間をドーナツ形の底板10で塞ぐことにより、リング状の空間Sが形成されるように一体化してある。
保冷剤をC状や半円状或いは円状に湾曲した形状に整型するには、溶けた状態の保冷剤をリング状の空間Sに詰め込んでから、冷蔵庫の冷凍部に収納して保冷剤を凍結させるだけで足りる。
保冷剤6’が凍結してから、リング状の空間Sから取り出して、前記内瓶1に挿入し、断熱筒7の外周に配設する。
図3は、保冷剤をC状や半円状或いは円状に湾曲した形状に整型する必要のないホルダーユニットである。下部緩衝筒5は、上端が段状になっているだけであるが、キャップ状の上部緩衝筒75は、下端が逆の段状になっている。従って、ペン型注射器Pを挿入した状態で、上部緩衝筒75を被せて閉じると、上下の段状部同士が嵌合して、センタリングされ、中心が一致する。
外径は同一寸法で足りるが、下部緩衝筒5の下面や上部緩衝筒75の上面に十字状の溝を形成して輪ゴム11と12を嵌めて、上下の緩衝筒5、75が分離しない構成とする。図示のように、90度の凸角部のみを切り欠いてもよい。
このホルダーユニットは、図4のように、家庭用のダルマ形の魔法瓶Vに収納し、空いた空間に保冷剤61、61を挿入してから、キャップ4’で広口の開口を閉じる。従って、保冷剤61は自由度が高い。隙間の空間に入ればよく、例えば大型でも平坦でもよい。もちろん、図2のような補助具を使用して整型する必要もない。また、上下の緩衝筒5、75の内部の空間にペン型注射器Pを収納すると、完全に密閉されるので、冷気で冷やし過ぎて薬液が凍結したりする恐れはなく、安全である。
このように長所も多いので、整型しない保冷剤61でも使用できる程度の大径であれば、ダルマ形に限らず、円筒状の魔法瓶でも使用できる。魔法瓶の径の大小を応じて、或いは熱的若しくは機械的な事情から、上下の緩衝筒5、75の肉厚などは任意に設定できる。
図5は、図1の発想と図3、図4の発想とを併用した構造であり、図3の上部緩衝筒75の中間部の外径を細くして、細くした部分に保冷剤62を巻いた構造になっている。従って、下部緩衝筒5は、長さを短くしただけである。上部緩衝筒75’は、その分だけ長くしてある。保冷剤62を薄くかつ長く巻き付ける可能があるからである。
このように、上部緩衝筒75’の外径を細くした領域に予め保冷剤62を巻き、かつ外周にセロハンテープなどを巻いて、なるべく、上部緩衝筒75’の外径より太くならないようにする。なお、図2(1)のガイド円筒Gの中に保冷剤62を挿入すると、上部緩衝筒75’の外径よりはみ出すのを防止できる。このようなはみ出しを嫌うのは、魔法瓶に円滑に挿入可能とするためである。
保冷剤62を冷やす際は、上部緩衝筒75’と一緒に冷凍室や冷蔵室に入れるだけで足りるので、図2のように、保冷剤を整型する作業は不要であり、冷えた上部緩衝筒75’を冷蔵庫から取り出して、ペン型注射器Pを収納すると共に、この上部緩衝筒75’と下部緩衝筒5とを連結し、必要に応じて輪ゴム11と12を嵌めた状態で、魔法瓶に挿入するだけで足りる。なお、ペン型注射器Pに入っている薬液が冷え過ぎるのを防ぐべく、保冷剤62を取付ける小径部は、薬液収納部から遠ざけている。また、発泡樹脂からなる上部緩衝筒75’の内部に水滴が発生する恐れがある場合は、魔法瓶に挿入する前にペン型注射器Pに薄いハンカチや包帯などを巻いて水分を吸収させるとよい。
ホルダーユニットをこのような構造にすると、上下の緩衝筒75’・5を、円筒状の魔法瓶にも簡易に挿入して保冷できる。また、図2のように保冷剤を整型する手間も省ける。
商品化に際しては、デザイン上も保冷剤62が見えない方が好ましいので、図6に鎖線で示すように不透明の薄いシート13(一部透明であっても差し支えない)を貼り、シート13に社名や注意書きなどを表示すると、患者は保冷剤62が見えず、意識する必要もない。上部緩衝筒75’を冷蔵庫に出し入れするだけで足りるので、患者の使い勝手も良くなり、患者に優しい商品となる。
なお、下部緩衝筒5には、鎖線表示がしてないが、下部緩衝筒5にも別体のシートを被せて、きれいに見えるようにしてもよい。
以上の実施形態では、糖尿病の患者を想定して、ペン型注射器Pにインスリンが入っている説明にしたが、インスリンに代えて、他の薬液がペン型注射器Pに入っていても差し支えない。
また、輪ゴム11、12で、上下の緩衝筒5、75の分離を防ぐ例を示したが、段差部をテーパ状に形成して、分離を摩擦力で防止することも可能である。
以上のように、魔法瓶に挿入可能な外径を有し、ペン型注射器の薬液側を挿入できる孔を有する下部緩衝筒と、前記ペン型注射器の他の一部を挿入する孔を有する上部緩衝筒や断熱筒とを保冷剤と一緒に入れて、前記魔法瓶のキャップを締めるので、ペン型注射器に入った薬液を確実に室温に維持でき、しかも市販や家庭に有る魔法瓶に収納するので遮光性も維持できる。その結果、糖尿病患者でも夏期の外出が容易となり、行楽を楽しんだりもできる。また、薬液は冷蔵庫を嫌うので、節電目的でクーラーを使用しない期間は、室内で保管する場合でも、本発明により保冷剤を併用する方法が重宝されよう。
P ペン型のインスリン注射器
3 真空状態の空間
4 魔法瓶のキャップ
5 発泡スチロール製の下部緩衝筒
6 保冷剤
7 伸縮性の断熱筒
8・9 伸縮体
C クリップ
G ガイド筒
10 ドーナツ形の底板
S リング状の空間
75 キャップ状の上部緩衝筒
75’ キャップ状の上部緩衝筒
V ダルマ形の魔法瓶
61・62 保冷剤
4’ キャップ
13 不透明のシート

Claims (7)

  1. 魔法瓶に挿入可能な外径を有し、ペン型注射器を部分的に挿入できる孔を有する下部緩衝筒と、前記ペン型注射器の他の一部を挿入する孔を有する断熱筒と、この断熱筒の外周に配設する保冷剤を挿入して前記魔法瓶のキャップを締めるか又はペン型注射器を挿入する上下の緩衝筒からなるホルダーユニットと魔法瓶との間の空間に保冷剤を挿入可能に構成したことを特徴とするペン型注射器のホルダーユニット。
  2. 前記下部緩衝筒及び/又は断熱筒は伸縮性が有り、前記ペン型注射器の下端及び/又は上端に伸縮材を詰める構造になっていることを特徴とする請求項1に記載のペン型注射器のホルダーユニット。
  3. 前記の下部緩衝筒の上に載置される断熱筒からなるホルダーユニット及び/又は前記の上下の緩衝筒からなるホルダーユニットと保冷剤を魔法瓶に挿入してキャップを締めて成る請求項1又は請求項2に記載のペン型注射器のホルダーユニット。
  4. 魔法瓶に挿入可能な外径を有する下部緩衝筒の孔にペン型注射器を部分的に挿入し、かつ魔法瓶に前記下部緩衝筒を挿入し、
    前記ペン型注射器の残部を取り巻くように断熱筒を前記下部緩衝筒の上に挿入した状態で、
    前記断熱筒を囲むように湾曲させた保冷剤を挿入し、魔法瓶のキャップを締めるか、
    又はペン型注射器を挿入する上下の緩衝筒からなるホルダーユニットと魔法瓶との間の空間に保冷剤を挿入することを特徴とするペン型注射器を魔法瓶に収納する方法。
  5. 保冷剤を筒状体の内壁に挿入し、この保冷剤の中央部に前記の断熱筒を挿入した状態で冷凍部に収納して保冷剤を凍結させる方法で湾曲した保冷剤を整型するか、
    又は外筒の下端と内筒の下端との間をドーナツ形の円板から成る底板で塞いで形成したリング状の空間に保冷剤を挿入した状態で冷凍部に収納して保冷剤を凍結させる方法で湾曲した保冷剤を整型することを特徴とする請求項4に記載のペン型注射器を魔法瓶に収納する方法。
  6. 魔法瓶に挿入可能な外径を有し、ペン型注射器の薬液側を挿入する孔を有する下部緩衝筒と、前記ペン型注射器の他の一部を挿入する孔を有する上部緩衝筒とを有し、この上部緩衝筒の外径を細くして保冷剤を巻き付け、前記保冷剤を露出させ又はシートで隠してなることを特徴とするペン型注射器のホルダーユニット。
  7. ペン型注射器の薬液側でない部分を挿入する孔を有する上部緩衝筒の外径を細くして保冷剤を巻き付けてなる上部緩衝筒を冷蔵庫に入れて前記保冷剤を冷却した後に、ペン型注射器を収納すると共に前記上部緩衝筒と下部緩衝筒を連結した状態で魔法瓶に挿入することを特徴とするペン型注射器の薬液の冷却方法。
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