JP5391885B2 - 排気ガス浄化用触媒、排気ガス浄化用触媒の製造方法、排気ガス浄化用ハニカム触媒 - Google Patents

排気ガス浄化用触媒、排気ガス浄化用触媒の製造方法、排気ガス浄化用ハニカム触媒 Download PDF

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本発明は、内燃機関から排出される排気ガスを浄化する処理に適用して好適な排気ガス浄化触媒、排気ガス浄化用触媒の製造方法及び排気ガス浄化用ハニカム触媒に関する。
近年、内燃機関から排出される排気ガス中に含まれる炭化水素系化合物(HC)、一酸化炭素(CO)、窒素酸化物(NOX)等の有害物質を除去するために、アルミナ(Al2O3)等の金属酸化物担体に白金(Pt)やロジウム(Rh)等の貴金属粒子を担持した排気ガス浄化触媒が広く利用されるようになっている。従来の一般的な排気ガス浄化触媒では、周囲の雰囲気変動に対する貴金属粒子の耐久性を向上させるために、貴金属粒子が多量に用いられている。しかしながら、貴金属粒子を多量に用いることは地球資源保護の観点から見ると望ましくない。
排気ガスを浄化する性能を一定以上保持しつつ、貴金属の使用量を少なくするための一つの方策は、貴金属粒子の粒径を小さくすることである。貴金属粒子の粒子径を小さくすれば、比表面積が増加するから、所望の触媒浄化性能を得るための貴金属の使用量は少なくて済む。しかしながら、貴金属粒子の粒子径が小さいと、高温での使用や長時間での使用により互いに熱凝集(シンタリング)をしてしまうため、耐久性が低下するおそれがある。
そこで、貴金属粒子が第1の化合物に担持され、この貴金属粒子を担持した第1化合物が第2の化合物に内包されて、当該貴金属が担持された第1の化合物同士がこの第2の化合物により隔てられた構造を有する排気ガス浄化用触媒が開発された(特許文献1)。このような構造を有する排気ガス浄化用触媒は、貴金属粒子が第1の化合物に担持されることにより、第1の化合物に貴金属粒子が物理的に固定されることにより、貴金属粒子の移動凝集が抑制され、かつ、この貴金属粒子を担持した第1の化合物が、第2の化合物によって互いに隔てられることで、この貴金属を担持した第1の化合物が互いに接触し凝集することを抑制する。これらのことにより、貴金属粒子が耐久後に凝集することを防止して耐久性を向上させることができる。
国際公開第2007/052627号
特許文献1の発明は、車両が加減速する際における排気ガスの酸化/還元雰囲気変動が生じたときの、HCやCOといった還元ガスの浄化に対して、より一層の改良の余地が残されていた。特に、貴金属が排気ガス浄化活性に優れるRhである場合に、触媒の更なる改良が求められる。
上記課題を解決する本発明の排気ガス浄化触媒は、Rhを担持した第1の酸化物粒と、Ptを担持した第2の酸化物粒と、これらの酸化物粒の間に介在する第3の酸化物粒とを有し、前記第1の酸化物粒と前記第2の酸化物粒との重心間距離が50〜400nmであることを要旨とする。
本発明の排気ガス浄化用触媒によれば、Rhを担持し酸素吸放出能を有する第1の酸化物粒の近傍にPtを担持し酸素吸放出能を有する第2の酸化物粒を、適切な距離を隔てて具備しているので、還元ガスの浄化に必要な酸素が第2の酸化物から十分に供給されるので、排気ガス雰囲気変動の際にも優れた排気ガス浄化性能を発揮することができる。
本発明の排気ガス浄化用触媒の一実施形態の模式図である。 本発明の排気ガス浄化触媒が担持されたハニカム触媒の模式的な斜視図である。 図2のハニカム触媒における一つの細孔について、その貫通方向に垂直な断面における拡大断面図である。 ハニカム触媒上に積層された触媒層の積層構造の模式図である。 酸素放出速度の計測装置の概念図である。 酸素放出速度の計測条件を示す温度−時間チャート図である。 酸素放出速度の算出方法を説明するグラフである。 各実施例の酸素評価速度とNOx浄化率との関係を示すグラフである。
〔排気ガス浄化用触媒〕
以下、本発明の排気ガス浄化触媒の実施形態について、図面を用いつつ説明する。
図1は、本発明の排気ガス浄化用触媒の一実施形態の模式図である。図1に示す排気ガス浄化用触媒1は、排気ガス浄化活性を有する触媒金属であるRh粒子2を、第1の酸化物粒3の表面に担持したRh担持酸化物粒4と、Rh粒子2とは別の触媒金属であるPt粒子5を、第2の酸化物粒6の表面に担持したPt担持酸化物粒7と、Rh担持酸化物粒4及びPt担持酸化物粒7との周囲に微細分散している第3の酸化物粒8とを有している。第2の酸化物粒6は、酸素吸放出能(Oxygen Storage Capacity)を有する材料からなる。
図示した本実施形態の排気ガス浄化用触媒1は、Rh担持酸化物粒4及びPt担持酸化物粒7はそれぞれ、微細粒子の一次粒子又は微細粒子が集合してなる二次粒子の形態を有している。Rh担持酸化物粒4及びPt担持酸化物粒7は、図1では模式的に円形に示しているが、実際の一次粒子又は二次粒子は、球状とは限られず、また粒子径も均一ではない。また、第3の酸化物粒8も模式的に四角形に示しているが、実際の第3の酸化物粒8は直方体を有しているとは限らない。
図示した本実施形態の排気ガス浄化用触媒1は、Rh担持酸化物粒4とPt担持酸化物粒7との重心間距離Lが50〜400nmの範囲にある。
図1に示す排気ガス浄化用触媒1は、第1の酸化物粒3がRh粒子2を担持することにより、この第1の酸化物粒3がRh粒子2と化学的に結合しアンカー剤として作用し、Rh粒子2の移動を化学的に抑制する。同様に、また、第2の酸化物粒6がPt粒子5を担持することにより、この第2の酸化物粒6がPt粒子5と化学的に結合しアンカー剤として作用し、Pt粒子5の移動を化学的に抑制する。更に、Rh担持酸化物粒4及びPt担持酸化物粒7を第3の酸化物粒8で覆い、内包する形態とすることにより、第3の酸化物粒8がRh粒子2やPt粒子5の移動障壁となって、これらRh粒子2やPt粒子5の移動を物理的に抑制する。これらの貴金属粒子の移動を化学的及び物理的に抑制することによって、Rh粒子2及びPt粒子5はいずれも凝集が抑制されるので、排気ガスの浄化を高温又は長期間行っても10nm程度以下の微細な粒径を維持するので優れた触媒活性を有している。
Ptを担持する第2の酸化物粒6は、酸素吸放出能を有する材料からなる。このことにより、排気ガス浄化用触媒1中に、Rh担持酸化物粒4及びPt担持酸化物粒7の両方を含む本実施形態の排気ガス浄化触媒においては、Pt担持酸化物粒7を構成する第2の酸化物粒6が、第1の酸化物粒3に担持されたRh粒子2周囲の雰囲気に作用する。より詳しくは、排気ガス浄化用触媒1中でRh担持酸化物粒4とPt担持酸化物粒7とが適切な間隔で分散している状態においては、排気ガス変動に応じて酸素吸放出能を有する第2の酸化物粒6が酸素を吸放出することにより、第1の酸化物粒3上でナノレベルの粒径を有するRh粒子2周囲の雰囲気中から過剰酸素を除去し、また不足酸素を供給する。つまり、Rh粒子2に対し、排気ガス変動時の酸素吸放出速度の向上を図ることができる。このことにより、車両が加減速した際に生じる雰囲気変動時のRh粒子2による排気ガス浄化特性を向上させることが可能となる。
したがって、排気ガス浄化に特に有効なRh粒子を含む排気ガス浄化用触媒において、本実施形態のようなPt担持酸化物粒7を有してない触媒構造の場合には、車両が加減速する際の酸化/還元雰囲気変動が生じた場合に、HCやCOといった還元ガスの浄化に対し、それをRhで浄化するために必要な酸素源が不足する結果、ナノレベルの微細Rh粒子による浄化効果を十分に活用することが難しい場合があることの懸念があったのに対して、本実施形態の排気ガス浄化用触媒1では、Pt担持酸化物粒7がRh担持酸化物粒4から適切な距離に位置する構造になることにより、Rh粒子2近傍の酸素吸放出速度が向上し、ナノレベルの微細Rh粒子に十分に酸素を供給させることができる結果、ナノレベルの微細Rh粒子による浄化効果、特にHCやCOといった還元ガスの浄化効果を十分に活用することが可能である。
また、排気ガス浄化に特に有効なRh粒子を含む排気ガス浄化用触媒において、本実施形態のようなPt担持酸化物粒7を有してない触媒構造の場合には、リッチ雰囲気の際にRh粒子にHCが吸着したままになり(HC被毒)が生じ、NOxの還元浄化が進みにくくなる場合があることの懸念があったのに対して、本実施形態の排気ガス浄化用触媒1では、Pt担持酸化物粒7がRh担持酸化物粒4から適切な距離に位置する構造になることにより、Rh粒子2近傍の酸素吸放出速度が向上し、リーン時にはナノレベルの微細Rh粒子に十分に酸素を供給させることができる結果、Rh粒子2に吸着していたHCはRh粒子に供給された酸素により分解される。したがって、Rh粒子2のHC被毒が効果的に抑制され、NOxの還元浄化の劣化が抑制される。
更に、本実施形態の排気ガス浄化用触媒1は、第2の酸化物粒6上に、微少量のPt粒子5を担持してPt担持酸化物粒7を構成することにより、この担持したPt粒子5を介した酸素吸収・放出反応が促進される。これにより第2の酸化物粒6上に担持されたPt粒子5近傍の雰囲気変動を抑制して、Pt粒子5の浄化性能を維持し、HC除去活性に優れるPt粒子5の浄化効果を十分に活用することが可能になる。
Rh担持酸化物粒4とPt担持酸化物粒7との重心間距離Lは、50〜400nmの範囲とする。重心間距離Lの下限値は、本発明で所期した触媒構造を保つために必要な距離として定められる。第1の酸化物粒3及び第2の酸化物粒6の半径の下限値がそれぞれ10nm、第3の酸化物粒8の粒径の下限値が20nmであることから、重心間距離Lが50nmに満たない場合には、第1の酸化物粒3及び第2の酸化物粒6の凝集が生じてしまい、本発明で所期した触媒構造を保つことが難しい。一方、重心間距離Lが400nmを超える場合は、第1の酸化物粒3上のRh粒子2に対し、Pt担持酸化物粒7からの酸素吸放出速度が十分でなく、結果として、Rh粒子2への酸素放出が悪化する。
このような重心間距離Lを満たす条件で、本実施形態の触媒構造を実現するにあたり、第1の酸化物粒3、第2の酸化物粒6及び第3の酸化物粒8の粒子径や混入比率は、自由に選定することが可能である。
なお、Rh担持酸化物粒4とPt担持酸化物粒7との重心間距離Lの測定は、以下の(1)〜(4)の手順で行うことが可能である。もっとも、他の方法であっても客観的かつ再現性が得られる分析方法であれば可能とする。
(1) 触媒粉末のTEM-EDX分析もしくはHAADF-STEM分析
(2) 画像中でのRh担持酸化物粒4及びPt担持酸化物粒7の輪郭抽出
(3) 抽出した輪郭を基に表面積から球近似及び中心点の設定
(4) 最近接中心点の検索と距離測定
まず、上記(1) の触媒粉末のTEM-EDX分析もしくはHAADF-STEM分析においては、触媒粉末をエポキシ樹脂にて包理処理し、硬化後、ウルトラミクロトームにより、超薄切片を作成した。その切片を用いて、透過型電子顕微鏡(TEM)もしくはHAADF(High-Angle-Annular-Dark-Field)-STEMにより触媒層内部の触媒粉末を観察しRh担持酸化物粒4、Pt担持酸化物粒7又は第3の酸化物粒8の判別を行う。一例としてTEM-EDXの場合の分析手順を示すと、まず、得られた映像の中で、コントラスト(影)の部分に焦点を充て、元素種を限定し、その元素を有する粒子の粒子径を特定した。これらの粒子の元素種、粒子径の相違によりRh担持酸化物粒4、Pt担持酸化物粒7又は第3の酸化物粒8の判別を行う。Rh担持酸化物粒4及びPt担持酸化物粒7と、第3の酸化物粒8との判別については、EDXにより貴金属種の有無を検出することで判断可能である。ただし、EDXのX線ビーム径に対し貴金属粒径が小さい場合には検出ができない場合があるため、Rh担持酸化物粒4とPt担持酸化物粒7との含有元素が異なることを利用し、Ndの検出強度比を用いて判別を行うことが好ましい。HAADF-STEM像の場合はコントラストにより判別が可能である。
次に、上記(2)の画像中でのRh担持酸化物粒4及びPt担持酸化物粒7の輪郭抽出においては、上記(1) で得られた像よりRh担持酸化物粒4及びPt担持酸化物粒7の輪郭を抽出するのであって、例えば、抽出方法は画像処理ソフトを用いたコントラストによる自動抽出、及びOHPシートなどに写し取る手動抽出のいずれであっても構わない。
次に、上記(3) の抽出した輪郭を基に表面積から球近似及び中心点の設定及び上記(4) の最近接中心点の検索と距離測定については、いずれも市販の画像処理ソフトにより可能である。抽出した輪郭により面積を算出し、この真球粒子と仮定した場合の表面積から算出した粒径及び重心を設定する。同様に面積からの真円仮定でも構わないが、表面積近似が好ましい。
一例として、この粒子の最近接となるPt担持酸化物粒7(あるいはRh担持酸化物粒4)を検索し、距離を測定するのに用いた装置名を示すと、ソフト名:カールツアイス製KS-400である。
次に、Rh担持酸化物粒4を構成する第1の酸化物粒3は、Zr-Ce-La複合酸化物よりなることが好ましい。その理由は、Rhが担持される酸化物は、担持されるRhが過剰に酸化されることのないZr(ジルコニウム)を主材料とし、Ce(セリウム)及び耐熱性向上を図るためのLa(ランタン)を含有することが好ましいからである。この第1の酸化物に対してのCeの添加効果について、そのメカニズムの詳細は不明であるが、担持するRhへの電子授受などに伴う排気ガス浄化活性向上が考えられる。
また、Pt担持酸化物粒7を構成する第2の酸化物粒6は、Zr、Ce、Nd(ネオジム)及びY(イットリウム)から選ばれる少なくとも1種を含む酸化物よりなることが好ましい。より好ましくは、第2の酸化物粒6は、Zr及び酸素吸放出能を有するCeを主材料とし、この主材料の耐熱性を高めるためのNd又はYを含む材料を用いることができる。
Rh粒子2を担持する第1の酸化物粒3とPt粒子5を担持する第2の酸化物粒6との組み合わせに関して、上記のように第1の酸化物粒3がZr-Ce-La複合酸化物よりなり、第2の酸化物粒6がZr、Ce、Nd及びYから選ばれる少なくとも1種を含む酸化物よりなる構成材料とすることで、Rh粒子2上でのCO-HC-NOx-O2が関与する排気浄化反応に対し、酸素吸放出速度向上効果を、高い耐久性で維持可能である。
第2の酸化物粒6は、Zr-Ce-Nd複合酸化物であることが、より好ましい。Pt粒子5を担持し、酸素吸放出能を有する第2の酸化物粒6としては、Ndを含んだ化合物であることがより好ましいのである。詳細なメカニズムは不明であるが、Yに対し、Ndは塩基性を示すため、酸性ガスであるNOx浄化に対し、良好な排気ガス浄化特性を得ることができる。また、酸素吸放出速度に対してもNdを添加した系では、Yを添加した系に対し、速度を増大する作用を示すことを見出している。
Rh担持酸化物粒4とPt担持酸化物粒7との重心間距離Lは、200〜250nmの範囲であることが、より好ましい。この範囲であれば、重心間距離Lを250nm以下とすることにより触媒の酸素吸放出速度を高めつつ、一方で、重心間距離Lを200nm未満にするために第1の酸化物粒3及び第2の酸化物粒6を粒径が数十nmレベルまで微細化するのに必要な、第1の酸化物粒3及び第2の酸化物粒6の粉末加工が不要となり、結果として、比較的安価に上記本発明の作用効果を発現させることが可能となる。
Pt担持酸化物粒7のメジアン径D2は、150〜200nmであることが好ましい。Pt担持酸化物粒7の各粒子の径は、第2の酸化物粒6の一次粒子又は二次粒子の大きさによって相違しており、Pt担持酸化物粒7が、メジアン径で150nmに満たない程に微細な酸化物粒である場合には、このような微細な酸化物を合成するためにはコロイド法などの高コストの製法を必要とし、加工コスト増を招く。一方、200nmを超えるメジアン径の場合においては、Rh担持酸化物粒4及びPt担持酸化物粒7粒間の距離増大を招き、結果として、本発明で所期した前述の作用発現が得にくい。また、重心間距離が同じであったとしても、Pt担持酸化物粒7が大きい場合は、Pt担持酸化物粒7が小さい場合と比べて、第2の酸化物粒6上に担持されたPt量が多いため、この第2の酸化物粒6上のPtが凝集し、肥大化することが懸念される。
Rh担持酸化物粒4のメジアン径D1は、特に限定されない、Pt担持酸化物粒7のメジアン径との兼ね合いで、Rh担持酸化物粒4とPt担持酸化物粒7との重心間距離50〜200nmを満たすようなRh担持酸化物粒4のメジアン径であればよい。排気ガス浄化用触媒1の製造工程を考慮すると、Rh担持酸化物粒4とPt担持酸化物粒7とを同一の粉砕装置により粉砕する場合には、Pt担持酸化物粒7と同程度のRh担持酸化物粒4の粒径とすることもできる。
第3の酸化物粒8は、アルミナ(Al2O3)やシリカ(SiO2)を適用することができる。
〔排気ガス浄化用触媒の製造方法〕
排気ガス浄化用触媒1を製造するには、Rh粒子と第1の酸化物粒と、Pt粒子と第2の酸化物粒と第3の酸化物粒とをそれぞれ用意する。第1の酸化物及び第2の酸化物のために金属アルコキシドのような酸化物前駆体を用意してもよい。また、第3の酸化物粒はベーマイトのような前駆体を用意してもよい。次に、Rh粒子を第1の酸化物粒の表面に担持させてRh担持酸化物粒を形成する。また、Pt粒子を第2の酸化物粒の表面に担持させてPt担持酸化物粒を形成する。これらのRh酸化物粒及びPt担持酸化物粒を粉砕する。粉砕することより、製造される排気ガス浄化触媒は、Rh酸化物粒とPt担持酸化物粒との重心間距離を50〜400nmの範囲にすることができる。この粉砕をするための粉砕装置については特に限定はなく、目標とする重心間距離や酸化物粒径に応じて適切な装置を選択すればよい。例えば湿式のボールミル等を用いた粉砕装置を用いることができる。粉砕後に第3の酸化物粒又は第3の酸化物の前駆体を加えて混合した後、乾燥させてから焼成することによって、排気ガス浄化用触媒1を得ることができる。
上記のような製造方法を用いることにより、本実施形態の排気ガス浄化用触媒1を比較的安価に製造可能となる。もちろん、貴金属担持酸化物粒を溶媒中で析出させ、その周囲に第3の酸化物を配置させるといったボトムアップ的手法も用いることは可能であるが、複数の工程を要し、製造コスト増大を招く。
〔排気ガス浄化用ハニカム触媒〕
次に、本発明の実施形態に係る排気ガス浄化用ハニカム触媒について、図2〜4を用いて説明する。
図2は、本発明の排気ガス浄化用ハニカム触媒の一実施形態の模式的な斜視図である。図2に示す排気ガス浄化用ハニカム触媒20は、耐熱性材料からなり、概略円柱形状を有し、一方の端面から他方の端面との間を貫通する多数の細孔20aを有している。なお、図2では、発明の理解を容易にするよう細孔20aを模式的に描いている。そのため、細孔20aの形状、寸法及び個数は現実の担体細孔とは相違している。現実の排気ガス浄化用ハニカム触媒は、隣接する細孔を隔てる隔壁は薄く、例えば0.1mm程度である。
図3に、図2の排気ガス浄化用ハニカム触媒20における一つの細孔20aについて、その貫通方向に垂直な断面における拡大断面図を示す。図3の拡大断面図に示されるように、触媒層10が隣接する細孔20aを隔てる隔壁の表面上に塗布形成されている。図3に示す触媒層10は、隔壁に近い側(内層側)Pdを含有する触媒コート層11を有すると共に、表層側に本発明の一実施形態の排気ガス浄化用触媒1を含む触媒コート層12を有し、合計2層の触媒コート層が積層されてなる。
図4に、図3の排気ガス浄化用ハニカム触媒20の一つの細孔20aの貫通方向と平行な方向に切断した部分的な断面図を示す。図4のように、細孔20a内を流れる排気ガスGに優先的に接触する位置に本発明の一実施形態の排気ガス浄化用触媒1を含む触媒コート層12が形成されることにより、本発明の一実施形態の排気ガス浄化用触媒1の効果がより顕著に発現できる。その理由は必ずしも明確ではないが、排気ガスが細孔20aの入口から出口にかけて流れる過程で排気ガス成分は、触媒コート層中で浄化していく。そのため、より排気ガス成分が濃い領域、換言すれば表層側に排気ガス浄化用触媒1を位置させることで、酸素吸放出機能の増強効果に特に効果的に得られ、その結果、排気ガス浄化用触媒1の特徴的な酸素吸放出機能を有効に活用できるのではないかと考える。
〔実施例1〕
(Rh-Pt含有触媒粉末調製)
1)硝酸Rh水溶液をZr-Ce-La複合酸化物に含浸担持し、150℃で12Hr乾燥後、400℃で1Hr焼成し、Rh担持Zr-Ce-La複合酸化物粉末を得た。この粉末を固形分として40%となるように純水に投入し、ビーズミルにてRh含有スラリを得た。この時のRh粉末粒子のレーザー散乱式粒度分布計:HORIBA製LA920により計測したメジアン径は152nmであった。
2)ジニトロジアミンPt水溶液をZr-Ce-Nd複合酸化物に含浸担持し、上記と同様にし、Pt含有スラリを得た。この時のPt粉末粒子のメジアン径は200nmであった。
3)上記1)及び2)で得られたスラリ及び、ベーマイトと硝酸とを予め混合しておいたスラリを所定量混合し、超音波ミキサーにて混合攪拌した。
4)次いで、上記混合スラリを乾燥してから550℃×3Hr、Air気流中にて焼成し、Pt-Rh含有触媒粉末を得た。この時、粉末に含まれるRh濃度は0.8wt%、Pt濃度は0.1wt%、Zr-Ce-La複合酸化物として29wt%、Zr-Ce-Nd複合酸化物として19.8wt%、残部がアルミナであった。この触媒粉末のRh担持酸化物粒とPt担持酸化物粒との重心間距離は、上述したカールツァイス製KS-400を用いて測定して254nmであった。
(Pd含有触媒粉末調製)
1)硝酸Pd水溶液をZr-Ce-La-Nd複合酸化物に含浸担持し、150℃で12Hr乾燥後、400℃で1Hr焼成し、Pd担持Zr-Ce-La-Nd複合酸化物を得た。
2)得られたPd含有粉末を純水に投入し、ビーズミルにて粉砕した。この時のPd含有粉末のメジアン径は150nmであった。
3)この溶液を上記と同様に、硝酸を含むベーマイト含有溶液と混合し、乾燥・焼成することで、Pd含有触媒粉末を得た。この時、触媒粉末に含まれるPd濃度は6wt%、Zr-Ce-La-Nd複合酸化物として、46wt%、残部がアルミナであった。
(触媒層コーティング)
1)内層コート層
上記Pd含有触媒粉末と、硝酸水と、Pd含有触媒粉末に対して8%のベーマイトとを磁性アルミナポットに投入し、次いで、アルミナボールを投入し、振とう・粉砕し(3μm=3000nm)、Pd含有触媒スラリを得た。得られたスラリを、900cpsi-2mil、φ99(容量0.7L)のコージェライト製ハニカムセル内に投入し、余剰スラリを空気流にて除去し、120℃で通風乾燥した。次いで、400℃×1Hr、Air中で焼成することにより、内層にPdを含有する触媒層を得た。この時のハニカム1LあたりのPd濃度は6.0g/Lであった。
更に、助触媒として、上記ハニカム触媒に所定量のBa(バリウム)を吸水可能な濃度に調整した、酢酸Ba水溶液に上記で得られたPd含有触媒層を塗布済の触媒ハニカムを浸漬させ、Pd含有触媒層中にBaを含む触媒ハニカムを得た。この時の触媒ハニカム1LあたりのBaOとしての量は3.0g/Lであった。
2)表層コート層
上記Rh-Pt含有触媒粉末と、硝酸水と、Rh-Pt含有触媒粉末に対して8%のベーマイトとを磁性アルミナポットに投入し、それ以降の工程は上述のPd含有触媒スラリと同様にして、Rh-Pt含有触媒スラリを得た。得られたスラリを、上述したBaを含むPd含有触媒層を形成した触媒ハニカムセル内に投入し、それ以降の工程は上述の内層コート層と同様にして、上記Rh-Pt含有触媒コート層を形成することにより、内層にPd含有触媒粉末、表層にRh-Pt含有触媒粉末を含有する触媒ハニカムを得た。この時のハニカム1LあたりのRh量及びPt量は、各々0.4g/L、0.05g/Lであった。
〔実施例2〕
実施例1のRh-Pt含有触媒粉末調製において、Rh担持Zr-Ce-La複合酸化物粒の粉砕粒径を153nm、Pt担持Zr-Ce-Nd複合酸化物粒の粉砕径を258nmとし、両者の重心間距離が351nmであった以外は実施例1同様にして、実施例2の触媒ハニカムを得た。
〔実施例3〕
実施例1のRh-Pt含有触媒粉末調製において、Rh担持Zr-Ce-La複合酸化物粒の粉砕粒径を157nm、Pt担持Zr-Ce-Nd複合酸化物粒の粉砕径を167nmとし、両者の重心間距離は219nmであった以外は実施例1同様にして、実施例3の触媒ハニカムを得た。
〔実施例4〕
実施例1のRh-Pt含有触媒粉末調製において、Rh担持Zr-Ce-La複合酸化物粒の粉砕粒径を172nm、Pt担持酸化物をZr-Ce-Y複合酸化物とし、Pt担持Zr-Ce-Y複合酸化物粒の粉砕径を203nmとし、重心間距離は260nmであった以外は実施例1と同様にして、実施例4の触媒ハニカムを得た。
〔実施例5〕
(Rh-Pt含有触媒粉末調製)
1)硝酸Rh水溶液をZr-Ce-La複合酸化物に含浸担持し、150℃で12Hr乾燥後、400℃で1Hr焼成し、Rh担持Zr-Ce-La複合酸化物粉末を得た。この粉末を固形分として40%となるように純水に投入し、ビーズミルにてRh含有スラリを得た。この時のRh粉末粒子のレーザー散乱式粒度分布計:HORIBA製LA920により計測したメジアン径は163nmであった。
2)ジニトロジアミンPt水溶液をZr-Ce-Nd複合酸化物に含浸担持し、上記と同様にし、Pt含有スラリを得た。この時のPt粉末粒子のメジアン径は205nmであった。
3)上記1)及び2)で得られたスラリ及び、ベーマイトと硝酸とを予め混合しておいたスラリを所定量混合し、超音波ミキサーにて混合攪拌した。
4)次いで、上記混合スラリを乾燥してから550℃×3Hr、Air気流中にて焼成し、Pt-Rh含有触媒粉末を得た。この時、粉末に含まれるRh濃度は0.8wt%、Pt濃度は0.1wt%、Zr-Ce-La複合酸化物として19wt%、Zr-Ce-Nd複合酸化物として、19.8wt%、残部がアルミナであった。この触媒粉末のRh担持酸化物粒とPt担持酸化物粒との重心間距離は、カールツァイス製KS-400を用いて298nmであった。
(Pd含有触媒粉末調製)
実施例1のPd含有触媒粉末調製と同じ製法により、同じPd含有触媒粉末を得た。
(触媒層コーティング)
1)内層コート層
実施例1と同じプロセスにして同じ内層コート層を得た。
2)表層コート層
上記Rh-Pt含有触媒粉末と、硝酸水と、Rh-Pt含有触媒粉末に対して8%のベーマイトとを磁性アルミナポットに投入し、以下は実施例1と同様にして、内層にPd含有触媒粉末、表層にRh-Pt含有触媒粉末を含有する触媒ハニカムを得た。この時のハニカム1LあたりのRh量及びPt量は、各々0.4g/L、0.05g/Lであった。
〔実施例6〕
(Rh-Pt含有触媒粉末調製)
1)硝酸Rh水溶液を平均粒子径22nmのZr-Ce-La複合酸化物が分散したコロイド溶液に滴下し、Rh担持Zr-Ce-La複合酸化物コロイド溶液を得た。
2)ジニトロジアミンPt水溶液を平均粒子径19nmのZr-Ce-Nd複合酸化物が分散したコロイド溶液に滴下し、Pt担持Zr-Ce-Nd複合酸化物コロイド溶液を得た。
3)上記1)及び2)で得られたコロイド溶液及び、ベーマイトと硝酸とを予め混合しておいたスラリを所定量混合し、超音波ミキサーにて混合攪拌した。
4)次いで、上記混合スラリを乾燥後、550℃×3Hr、Air気流中にて焼成し、Pt-Rh含有触媒粉末を得た。この時、粉末に含まれるRh濃度は0.8wt%、Pt濃度は0.1wt%、Zr-Ce-La複合酸化物として29wt%、Zr-Ce-Nd複合酸化物として19.8wt%、残部がアルミナであった。この触媒粉末のRh担持酸化物粒とPt担持酸化物粒との重心間距離は52nmであった。
その他は実施例1と同様にして、実施例6の触媒ハニカムを得た。
〔実施例7〕
実施例1のRhを担持させる酸化物がZrO2で、Rh担持ZrO2粉砕粒径が149nm、Pt担持材料がZr-Ce複合酸化物であり、このPt担持材料の粉砕粒径は200nm、Rh担持酸化物粒とPt担持材料との重心間距離が260nmであったこと以外は実施例1と同様にして、実施例7の触媒を得た。
〔参考例1〕
実施例1のRh-Pt触媒粉末調製において、Rh担持酸化物がZrO2(ジルコニア)であり、このRh担持ジルコニア粒の粉砕粒径が149nm、Pt担持Zr-Ce-Nd複合酸化物粒の粉砕径が200nmとし、重心間距離は248nmであった以外は同様にして、参考例1の触媒ハニカムを得た。この参考例1は本発明の排気ガス浄化用触媒の範疇に含まれる。
〔参考例2〕
実施例1のRh-Pt含有粉末粉末調製において、Rh担持Zr-Ce-La複合酸化物粒の粉砕粒径が153nm、Pt担持酸化物をZr-Ce-Y複合酸化物とし、Pt担持Zr-Ce-Y複合酸化物粒の粉砕径を258nmとし、重心間距離は351nmであった以外は実施例1と同様にして、参考例2の触媒ハニカムを得た。この参考例2は本発明の排気ガス浄化用触媒の範疇に含まれる。
〔比較例1〕
比較例1は、Pt担持酸化物粒の粒径が大きいため、Rh担持酸化物粒とPt担持酸化物粒との間の重心間距離が400nm以下ではない例である。
(Rh含有触媒粉末調製)
1)硝酸Rh水溶液をZr-Ce-La複合酸化物に含浸担持し、150℃で12Hr乾燥後、400℃で1Hr焼成し、Rh担持Zr-Ce-La複合酸化物粉末を得た。この粉末を固形分として40%となるように純水に投入し、ビーズミルにてRh含有スラリを得た。この時のRh粉末粒子のレーザー散乱式粒度分布計:HORIBA製LA920により計測したメジアン径は152nmであった。
2)上記1)で得られたスラリ及びベーマイトと硝酸とを予め混合しておいたスラリを所定量混合し、超音波ミキサーにて混合攪拌した。
3)次いで、上記混合スラリを乾燥してから550℃×3Hr、Air気流中にて焼成し、Rh含有触媒粉末を得た。この時、粉末に含まれるRh濃度は0.8wt%、Zr-Ce-La複合酸化物として29wt%、残部がアルミナであった。
(Pt含有触媒粉末調製)
ジニトロジアミンPt溶液をZr-Ce-Nd複合酸化物に含浸担持し、乾燥焼成後、Pt0.2%含有担持粉末を得た。このPt含有触媒粉末を得る過程で、ビーズミルにて粉砕することはなかった。そのため得られたPt含有担持粉末の粒径は3000nmであった。
(Pd含有触媒粉末調製)
1)硝酸Pd水溶液をZr-Ce-La-Nd複合酸化物に含浸担持し、150℃で12Hr乾燥後、400℃で1Hr焼成し、Pd担持Zr-Ce-La-Nd複合酸化物を得た。
2)得られたPd含有粉末を純水に投入し、ビーズミルにて粉砕した。この時のPd含有粉末の平均粒子径は150nmであった。
3)この溶液を実施例1のPd含有触媒粉末調製と同様に、硝酸を含むベーマイト含有溶液と混合し、乾燥・焼成することで、Pd含有粉末を得た。この時、粉末に含まれるPd濃度は6wt%、Zr-Ce-La-Nd複合酸化物として、46wt%、残部がアルミナであった。
(触媒コーティング)
1)内層コート
上記Pd含有触媒粉末と、硝酸水と、Pd粉末に対し8%のベーマイトとを磁性アルミナポットに投入し、次いで、アルミナボールを投入し、振とう・粉砕し、Pd含有スラリを得た。得られたスラリを、900cpsi-2mil、φ99(容量0.7L)のコージェライト製ハニカムセル内に投入し、余剰スラリを空気流にて除去し、120℃で通風乾燥した。次いで、400℃×1Hr、Air中で焼成することにより、内層にPdを含有する触媒層を得た。この時のハニカム1LあたりのPd濃度は6.0g/Lであった。
更に、助触媒として、上記ハニカム触媒に所定量のBaを吸水可能な濃度に調整した、酢酸Ba水溶液に上記で得られたPd含有触媒層を塗布済の触媒ハニカムを浸漬させ、Pd含有触媒層中にBaを含む触媒ハニカムを得た。この時の触媒ハニカム1LあたりのBaOとしての量は3.0g/Lであった。
2)表層コート層
上記Rh含有触媒粉末と、Pt含有触媒粉末と、硝酸水と、触媒貴金属担持粉末の合計に対して8%のベーマイトとを磁性アルミナポットに投入し、それ以降の工程は上述の内層コート層と同様にして、内層にPd含有触媒粉末、表層にRh含有触媒粉末及びPt含有触媒粉末を含有する触媒ハニカムを得た。この時のハニカム1LあたりのRh及びPt量は、各々0.4g/L、0.05g/Lであった。
〔比較例2〕
比較例2は、比較例1との相違が比較例1におけるPt担持酸化物粒について、Ptを担持していない点にある。換言すれば、表層コート層がPt含有触媒粉末と、Ptを担持しない酸化物粉末とを含む例である。
比較例1からPt担持工程を除いた以外は同様にして、比較例2の触媒を得た。
〔比較例3〕
比較例3は、Rh担持酸化物粒とPt担持酸化物粒との重心間距離が400nmを超える例である。
実施例1のPt担持酸化物粒径を605nmとし、重心間距離が410nmであった以外は実施例1と同様にして、比較例3の触媒ハニカムを得た。
〔触媒の評価〕
実施例1〜7、参考例1〜2、比較例1〜3の触媒ハニカムに耐久試験を行った。耐久試験の条件は、日産自動車製 V型6気筒3.5Lエンジン後方に触媒ハニカムを配置し、無鉛ガソリンを燃料にエンジンを動作させて触媒入口温度が900℃となるよう調整し、排気ガス雰囲気下にて200hの触媒耐久処理を行った。
耐久試験後に車両評価を行って触媒ハニカムのNOx浄化率を調べた。この車両評価では、日産自動車製、直列4気筒1.5Lエンジン搭載車のエンジン直下型触媒位置に所定の触媒ハニカムを搭載し、JC08モード(コールド始動)をシャシダイナモ上で走行した。このとき、使用燃料は無鉛レギュラーガソリンを使用した。そして、当該触媒ハニカムの前後からガスをサンプリングし、排気ガス分析装置(HORIBA製 MEXA-1600D及びMEXA-9100D)にて排気ガス成分を分析した。分析排気ガス成分から下記計算式にてNOx浄化率の算出を行った。
NOx浄化率(%)=[(触媒入口NOx量 - 触媒出口NOx量) / 触媒入口NOx量] ×100
また、耐久試験後の触媒について酸素放出速度を計測した。この酸素放出速度の計測は、エンジン排気ガス耐久試験を900℃×50Hrで行った後の触媒ハニカムの一部をサンプリングして触媒試料とし、マス分析計を装備した評価装置にてCOパルスの際のCO2生成速度から、触媒中の酸素を放出する速度として評価した。
この評価装置の概念図を図5に示す。同図に示す評価装置30は、U字管31の底部に触媒試料40が収容される。この触媒試料40が収容されたU字管31の底部及びその近傍を、加熱装置32により所定の温度、例えば600℃に加熱可能となっている。この加熱温度を計測するために熱電対33が触媒試料40近傍に配設される。U字管31にガスを供給するために、ガス成分の異なる複数のガス供給源34a、34b、34c及び34dが設けられている。これらガス供給源34a、34b、34c及び34dのそれぞれに切替バルブ35a、35b、35c及び35dが接続され、ガス配管36及び流量調整バルブ37を通じてU字管31の一方の開口に接続する。U字管31のもう一方の開口には、U字管31内に供給され、所定温度で触媒試料40に触れた後のガスを分析するための分析装置38が接続される。この分析装置38は、例えば四重極形質量分析計(Q-mass)を用いることができる。
評価装置30のU字管31に触媒試料0.100gを装入し、評価温度600℃の条件で評価した。このときの評価装置30に供給されるガス種、加熱温度及び操業時間を図6にグラフで示す。まず、前処理処理としてリッチ排気ガスを模したH2(4%)/Heガスを流量50cc/minで流しつつ600℃まで30分かけて加熱した。600℃を維持し、ガスを流しつつ30分経過したときに分析装置38でのデータ取得を開始し、5分後にガス種をHeガスに切り替えてU字管31内を5分間パージした。パージ後にガス種をCO(10%)/Heガスに切り替えて流量50cc/minで10分間COガスを供給し、このときに触媒試料40により浄化されて生成するCO2ガスを分析装置38で観察した。再びHeガスにガス種を切り替えてU字管31内を5分間パージした後、ガス種をリーン排気ガスを模したO2(10%)/Heガスに切り替えて流量50cc/minで10分間 O2(10%)/Heガスを供給してから再度Heガスにガス種を切り替えてU字管31内を5分間パージした。パージ後にガス種をCO(10%)/Heガスに切り替えて流量50cc/minで10分間COガスを供給し、このときに触媒試料40により浄化されて生成するCO2ガスを分析装置38で観察した。
分析装置38で観察して得られたデータの一例を図7にグラフで示す。図7にグラフで示された傾きを触媒試料40の酸素放出速度として定義した。
表1に実施例1〜7、参考例1〜2、比較例1〜3の触媒の構成成分及びそのサイズ、並びにNOx浄化率を示す。また、図8に実施例1〜7、参考例1〜2、比較例1〜3の触媒の酸素放出速度とNOx浄化率との関係をグラフに示す。
Figure 0005391885
表1及び図8から明らかなように、本発明に従う実施例1〜7、参考例1〜2は、酸素放出速度が高く、優れたNOx浄化性能を有している。
これに対して、Ptを担持するZr-Ce-Nd複合酸化物粒の粒径が3000nmと大きく、Rhを担持するZr-La-Ce複合酸化物粒との重心間距離を400nm以下にし得ない比較例1及び比較例2は、酸素放出速度が実施例1よりも低く、NOx浄化率も低かった。比較例1と比較例2との対比では、比較例2はZr-Ce-Nd複合酸化物粒がPtを担持していないため、比較例1よりも酸素放出速度及びNOx浄化率のいずれも低かった。また、比較例3は、Ptを担持するZr-Ce-Nd複合酸化物粒とRhを担持するZr-La-Ce複合酸化物粒との重心間距離が400nmを超えていたため、実施例1よりも酸素放出速度が低く、NOx浄化率も低かった。
参考例1は、実施例7と比べると、Ptを担持する酸化物がNdを含むことにより、酸素放出速度及びNOx浄化率に優れていた。つまり、実施例7は、PtやRhの担持材が、NdやY、La等の耐熱性向上効果を有する元素を含有しておらず、そのため、OSC機能の劣化が参考例1に比較して起きやすくなっていると考えられる。また、この参考例1と実施例1との対比により、Rh担持複合酸化物がZr-La-Ce複合酸化物である実施例1は、参考例1よりも良好なNOx浄化特性を具備していた。
また、実施例4と実施例1は、いずれも良好な酸素放出速度及びNOx浄化率を有しているが、両者を対比すると、Rh担持酸化物がZr-Ce-La複合酸化物である実施例1のほうが、Zr-Ce-Y複合酸化物である実施例4よりも良好な酸素放出速度及びNOx浄化率のいずれも優れていた。
以上、本発明者らによってなされた発明を適用した実施の形態について説明したが、この実施の形態による本発明の開示の一部をなす論述及び図面により本発明は限定されることはない。すなわち、上記実施の形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施の形態、実施例及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論であることを付け加えておく。
1 排気ガス浄化用触媒
2 Rh粒子
3 第1の酸化物粒
4 Rh担持酸化物粒
5 Pt粒子
6 第2の酸化物粒
7 Pt担持酸化物粒
8 第3の酸化物粒
11 触媒コート層
12 触媒コート層
20 排気ガス浄化用ハニカム触媒

Claims (7)

  1. Rhを担持した第1の酸化物粒と、Ptを担持し酸素吸放出能を有する第2の酸化物粒と、これらの酸化物粒の間に介在する第3の酸化物粒とを有し、
    前記Rhを担持した第1の酸化物粒と前記Ptを担持し酸素吸放出能を有する第2の酸化物粒との重心間距離が50〜400nmであることを特徴とする排気ガス浄化用触媒。
  2. Rhを担持する第1の酸化物がZr-Ce-La複合酸化物であり、Ptを担持する第2の酸化物がZr、Ce、Nd及びYから選ばれる少なくとも1種を含む酸化物であることを特徴とする請求項1に記載の排気ガス浄化用触媒。
  3. 前記第2の酸化物が、Zr-Ce-Nd複合酸化物であることを特徴とする請求項1に記載の排気ガス浄化用触媒。
  4. 記Rhを担持した第1の酸化物粒と前記Ptを担持し酸素吸放出能を有する第2の酸化物粒との重心間距離が200〜250nmであることを特徴とする請求項1に記載の排気ガス浄化用触媒。
  5. 前記Ptを担持し酸素吸放出能を有する第2の酸化物粒のメジアン径が150〜200nmであることを特徴とする請求項1に記載の排気ガス浄化用触媒。
  6. ハニカム状に貫通孔が複数形成された担体の隣接する当該貫通孔を隔てる隔壁の表面に触媒層が形成された排気ガス浄化用ハニカム触媒であって、
    前記触媒層は、表層側の請求項1記載の排気ガス浄化用触媒の触媒コート層と、内層側のPdを含有する触媒の触媒コート層とを積層形成してなることを特徴とする排気ガス浄化用ハニカム触媒。
  7. 請求項1に記載の排気ガス浄化用触媒を製造する方法であって、
    Rhを担持した第1の酸化物及びPtを担持した第2の酸化物を予め粉砕し、次いで第3の酸化物を混合した後、乾燥させてから焼成することを特徴とする排気ガス浄化用触媒の製造方法。
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