JP5391863B2 - 通信装置及び通信システム - Google Patents

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本発明は、複数の通信装置により通信ネットワークを構築する通信システムに関するものである。
従来、複数の通信装置により通信ネットワークを構築する通信システムにおいて、各通信装置が故障診断を行うとともに、その診断結果である故障診断情報を保存しておくことにより、故障原因等の事後的な解析に利用できるようにすることが提案されている。こうした通信システムは、故障診断情報を保存しておくためのリソースが豊富な通信装置には適しているものの、そのようなリソースの乏しい通信装置では、故障診断情報を保存しておくことができなかったり、保存は可能であっても記憶容量の不足により新たな故障診断情報を保存する際に過去の故障診断情報を消去しなければならなかったりするという問題が生じ得る。
そこで、自装置で発生した故障診断情報を他装置に保存させる構成の通信システムが提案されている(特許文献1参照)。具体的には、特許文献1に記載の通信システムは、車両に搭載された複数の電子制御装置(通信装置)により通信ネットワークを構築するものであり、電子制御装置の行う故障診断により故障診断情報が発生した場合に、その故障診断情報を特定の1つの装置(例えば車両外部の管理センター)に退避させる。そして、故障診断情報を退避させた電子制御装置は、退避が適正になされたことを条件にその故障診断情報を自己のメモリから消去する。
しかしながら、このように故障診断情報を特定の1つの装置に退避させる構成では、退避先の装置が故障診断情報を受け付けていない状況(電源途絶状態、起動前状態、異常状態等)においては、故障診断情報を退避させることができなくなってしまうという問題がある。
一方、自装置で発生した故障診断情報の保存を複数の他装置に依頼する構成の通信システムも提案されている(特許文献2参照)。特許文献2に記載の通信システムも、車両に搭載された複数の電子制御装置(通信装置)により通信ネットワークを構築するものであり、電子制御装置の行う故障診断により故障診断情報が発生した場合に、その故障診断情報を他の複数の電子制御装置へ送信する。故障診断情報を受信した複数の電子制御装置は、その故障診断情報をそれぞれ仮記憶するが、その後に調停を行い、調停により選ばれた電子制御装置のみが、仮記憶した故障診断情報を正式に記憶し、調停により選ばれなかった他の電子制御装置は、仮記憶した故障診断情報を消去する。具体的には、故障診断情報を仮記憶した複数の電子制御装置の中で、最も先に仮記憶を完了したものが調停により選ばれるようになっている。
特開2007−106164号公報 特開2006−199096号公報
しかしながら、前述した特許文献2に記載の構成では、故障診断情報を仮記憶した複数の通信装置の中で最も先に仮記憶が完了したものを、その故障診断情報を正式に記憶する通信装置として選択するようにしているため、故障診断情報を記憶する通信装置が片寄ってしまう可能性がある。すなわち、記憶容量に余裕のある通信装置が存在するにもかかわらず、記憶容量に余裕のない通信装置に故障診断情報が記憶されるといったことが生じ得ることになり、故障診断情報を自身で保存できない通信装置を不要に増加させてしまう要因となる。
本発明は、こうした問題にかんがみてなされたものであり、他の通信装置で発生した故障診断情報を保存しておくことが可能な複数の通信装置を備える通信システムにおいて、故障診断情報を効率よく保存することを目的としている。
上記目的を達成するためになされた本発明の通信装置は、複数の通信装置により通信ネットワークを構築するとともに、複数の通信装置として記憶要求装置及び複数の情報保存装置を備える通信システムにおいて、情報保存装置として機能するものである。
なお、この通信システムにおいて、記憶要求装置とは、故障診断により発生した故障診断情報を保存しておくためにその故障診断情報の記憶を他の通信装置に要求する通信装置のことである。また、情報保存装置とは、故障診断情報を保存しておくことが可能な記憶媒体を有し、記憶要求装置から記憶を要求された故障診断情報を自己の有する記憶媒体に記憶する通信装置のことである。
そして、本発明の通信装置(情報保存装置)では、仮記憶手段が、記憶要求装置から記憶を要求された故障診断情報を記憶媒体に記憶し、検索手段が、仮記憶手段により記憶媒体に記憶された故障診断情報を重複して記憶している他の情報保存装置を検索する。そして、重複解消手段が、検索手段により故障診断情報を重複して記憶している他の情報保存装置が検索された場合に、記憶媒体の空き容量が最も大きい情報保存装置のみにその故障診断情報が記憶されるように、不要な故障診断情報を消去するための処理を行う。
このような通信装置(情報保存装置)を備える通信システムでは、記憶要求装置が、故障診断により発生した故障診断情報の記憶を複数の情報保存装置に要求すると、その故障診断情報が複数の情報保存装置によって重複して記憶された状態となるが、この段階での記憶は暫定的なものであり(このような暫定的な記憶を「仮記憶」と表現する。)、その後に不要な故障診断情報が消去されることにより、記憶媒体の空き容量が最も大きい情報保存装置のみにその故障診断情報が記憶された状態となる。
したがって、この通信装置(情報保存装置)を備える通信システムによれば、複数の情報保存装置において記憶媒体の空き容量の片寄りを生じにくくして、故障診断情報を効率よく保存することができる。このため、故障診断情報を記憶可能な状態の情報保存装置の数が減少しにくくなり、故障診断情報を確実に保存するための信頼性を高めることができる。しかも、この通信システムによれば、記憶媒体の空き容量が最も大きい情報保存装置を記憶要求装置側で把握している必要がない。
ところで、記憶媒体を有する情報保存装置であっても、記憶要求装置から記憶を要求された故障診断情報のデータ量よりも記憶媒体の空き容量が小さい状態においては、その故障診断情報を記憶することができない。また、記憶要求装置から記憶を要求された故障診断情報のデータ量よりも記憶媒体の空き容量が大きい状態であっても、空き容量に余裕がなければ、要求に従い故障診断情報を記憶(仮記憶)することが好ましくないことも考えられる。
そこで、例えば、仮記憶手段は、記憶媒体の空き容量が、記憶要求装置から記憶を要求された故障診断情報の記憶を許容する判定基準値以上であることを条件として、その故障診断情報を記憶媒体に記憶させる。
このような通信装置(情報保存装置)によれば、記憶要求装置から記憶を要求された故障診断情報の記憶を制限することができる。例えば、記憶を要求された故障診断情報のデータ量自体を判定基準値とすれば、記憶媒体の空き容量が故障診断情報のデータ量以上であること(つまり、故障診断情報を記憶媒体に記憶可能であること)を条件として、その故障診断情報が記憶媒体に記憶されることになる。また、判定基準値を故障診断情報のデータ量よりも大きくなるように設定すれば、記憶媒体の空き容量に余裕がある場合にのみ故障診断情報が記憶媒体に記憶されるようにすることができる。
一方、通信システムにおいて種別の異なる記憶媒体が用いられる場合、種別によって信頼性などが異なることも考えられるため、記憶要求装置は、故障診断情報の記憶を許容する記憶媒体の種別を指定してその故障診断情報の記憶を要求することが好ましい。
この場合、例えば、仮記憶手段は、記憶媒体が記憶要求装置から指定された種別のものであることを条件として、記憶を要求された故障診断情報をその記憶媒体に記憶させるようにするとよい。このような通信装置(情報保存装置)を備える通信システムによれば、故障診断情報が適切な記憶媒体に記憶されるようにすることができる。
また、通信装置の具体例としては、車両に搭載される電子制御装置が挙げられる。こうした電子制御装置としては、車両のイグニッションスイッチのオン状態においてのみバッテリから電力が供給されて作動するものと、イグニッションスイッチのオフ状態においてもバッテリから電力が供給されて作動するものとが存在する。この点、例えば、イグニッションスイッチのオフ状態においてもバッテリから電力が供給されて作動する情報保存装置が通信システムに設けられていれば、イグニッションスイッチのオフ状態において記憶要求装置で発生した故障診断情報についても保存することが可能となる。
ところで、複数の情報保存装置によって故障診断情報が重複して記憶された状態を解消するための処理を行うことは、情報保存装置の処理負荷をその分増加させることになるため、このような処理は、通信装置本来の処理の妨げにならないタイミングで行うことが好ましい。
そこで、例えば、検索手段は、仮記憶手段により故障診断情報が記憶媒体に記憶された後、自己の処理負荷が所定値未満になったことを条件として、その故障診断情報を重複して記憶している他の情報保存装置を検索する。このような通信装置(情報保存装置)によれば、検索を行うことによる処理負荷の過上昇を防ぐことができる。
また、例えば、重複解消手段が、検索手段により検索されたすべての情報保存装置の処理負荷が所定の基準値未満であることを条件として、不要な故障診断情報を消去するための処理を行う。このような通信装置(情報保存装置)によれば、不要な故障診断情報を消去するための処理に伴う処理負荷の過上昇を防ぐことができる。
例えば、重複解消手段が、検索手段により検索されたすべての情報保存装置の処理負荷が基準値未満でなければ、基準値未満となるまで待機する。このような通信装置(情報保存装置)によれば、不要な故障診断情報を消去するための処理に伴う処理負荷の過上昇を防ぎつつ、その処理を確実に行うことが可能となる。
また、例えば、重複解消手段は、通信トラフィックの負荷が所定の基準値以下であることを条件として、不要な故障診断情報を消去するための処理を行う。このような通信装置(情報保存装置)によれば、不要な故障診断情報を消去するための処理に伴う通信トラフィックの負荷の過上昇を防ぐことができる。通信トラフィックの負荷が高い状況では各通信装置の処理負荷も必然的に高くなるため、結果的に、情報保存装置の処理負荷の過上昇を防ぐことができる。
ところで、本発明の通信装置(情報保存装置)を備える通信システムでは、記憶媒体の空き容量が最も大きい情報保存装置に故障診断情報を記憶するが、記憶媒体の空き容量が最も大きい情報保存装置として空き容量が同一のものが複数存在することも考えられる。
そこで、例えば、重複解消手段が、記憶媒体の空き容量が最も大きい情報保存装置として空き容量が同一のものが複数存在する場合に、優先順位の最も高い情報保存装置を空き容量が最も大きいものとみなす。このような通信装置(情報保存装置)を備える通信システムによれば、記憶媒体の空き容量が同一の情報保存装置が複数存在する場合にも、故障診断情報が記憶される情報保存装置を1つに決めることができる。
また、複数の情報保存装置によって故障診断情報が重複して記憶された状態を解消するための処理は、その故障診断情報を記憶している複数の情報保存装置のうちの1つ(例えば処理負荷が所定値未満になったもの)が主導権をとって行うことが考えられるが、主導権をとるための条件を複数の情報保存装置がほぼ同時に満たした場合には、複数の情報保存装置により検索が重複して行われることが考えられる。
そこで、例えば、重複解消手段は、検索手段による検索が他の情報保存装置により重複して行われている場合には、優先順位の最も高い情報保存装置による検索のみを有効にし、他の検索を無効にするための処理を行う。このような通信装置(情報保存装置)を備える通信システムによれば、検索が重複して行われることにより余分な処理が実行されてしまうのを防ぐことができる。
ここで、優先順位は、例えば、複数の情報保存装置の識別子に基づき決められるようにしてもよい。このようにすれば、優先順位を簡易的かつ一義的に決定することができる。
また、例えば、優先順位は、処理負荷が低い状態の情報保存装置ほど高くなるように決められるようにしてもよい。このようにすれば、情報保存装置の処理負荷の過上昇を防ぐことができる。
また、例えば、優先順位は、記憶媒体の静的容量(記憶データなしの状態での空き容量)の大きさに基づき決められるようにしても、優先順位を簡易的かつ一義的に決定することができる。
一方、本発明の通信装置(情報保存装置)を備える通信システムで保存した故障診断情報は、その通信システムに接続可能な外部装置によって読み出されることが想定される。ここで、記憶要求装置で発生した故障診断情報を読み出す際に、その故障診断情報がどの情報保存装置に保存されているかを外部装置で把握することは困難である。
そこで、例えば、記憶要求装置が、通信システムに接続された外部装置から故障診断情報を要求された場合に、その故障診断情報の外部装置への送信を複数の情報保存装置に要求することを前提として、故障情報送信手段が、記憶要求装置から外部装置への送信を要求された故障診断情報が記憶媒体に記憶されている場合に、その故障診断情報を外部装置へ送信する。
このような通信装置(情報保存装置)を備える通信システムによれば、外部装置から記憶要求装置に対して要求された故障診断情報を、その故障診断情報が記憶された情報保存装置から外部装置へ送信することができる。しかも、この通信システムによれば、外部装置は、故障診断情報が記憶された情報保存装置を把握していなくても、記憶要求装置に対して故障診断情報を要求するだけで、その故障診断情報を取得することができる。
次に、本発明の通信システムは、複数の通信装置により通信ネットワークを構築するとともに、複数の通信装置として記憶要求装置及び複数の情報保存装置を備えるものである。そして、本発明の通信システムにおいて、記憶要求装置では、記憶要求手段が、故障診断により発生した故障診断情報の記憶を複数の情報保存装置に要求する。また、本発明の通信システムは、情報保存装置として、前述した通信装置を備える。このような通信システムによれば、前述した効果と同様の効果を得ることができる。
ところで、記憶要求装置においては、故障診断により発生した故障診断情報の記憶を複数の情報保存装置に要求した後、その故障診断情報が1つの情報保存装置に保存されたことを確認した上で、自己のメモリ(RAMなどの一時的な記憶手段)からその故障診断情報を消去することが好ましい。しかしながら、このようにすると、故障診断情報の発生から消去までの期間が長くなるため、記憶要求装置において故障診断情報が連続的に発生してメモリに蓄積された場合に、新たに発生した故障診断情報をメモリに記憶できなくなるといったことが生じ得る。
そこで、例えば、記憶要求装置の消去手段が、記憶要求手段による要求が行われた直後にその故障診断情報を自己のメモリから消去する。このような通信システムによれば、記憶要求装置において故障診断情報が連続的に発生した場合にも、故障診断情報をメモリに記憶できなくなるといったことを生じにくくすることができる。
また、記憶要求装置で発生した故障診断情報を外部装置で読み出す際に、その故障診断情報がどの情報保存装置に保存されているかを外部装置で把握することは困難である。
そこで、例えば、記憶要求装置の送信要求手段が、当該通信システムに接続された外部装置から故障診断情報を要求された場合に、その故障診断情報の外部装置への送信を複数の情報保存装置に要求する。一方、情報保存装置の故障情報送信手段が、記憶要求装置から外部装置への送信を要求された故障診断情報が記憶媒体に記憶されている場合に、その故障診断情報を外部装置へ送信する。このような通信システムによれば、外部装置から記憶要求装置に対して要求された故障診断情報を、その故障診断情報が記憶された情報保存装置から外部装置へ送信することができる。しかも、この通信システムによれば、外部装置は、故障診断情報が記憶された情報保存装置を把握していなくても、記憶要求装置に対して故障診断情報を要求するだけで、その故障診断情報を取得することができる。
特に、例えば、記憶要求装置の不存在応答手段が、送信要求手段により故障診断情報の外部装置への送信を複数の情報保存装置に要求した後、所定時間が経過しても情報保存装置から外部装置への故障診断情報の送信が行われない場合に、故障診断情報が存在しないことを外部装置へ応答する。このような通信システムによれば、外部装置の要求する故障診断情報が存在しないことを外部装置に知らせることができる。
実施形態の故障診断情報記憶システムの概略構成を表すブロック図である。 リソースレスECUが故障診断情報の記憶を高機能ECUに要求する際のシーケンス図である。 同一の故障診断情報が重複して仮記憶された複数の高機能ECUが、その重複状態を解消する際のシーケンス図である。 高機能ECU[B]が仮記憶情報問合せメッセージを送信した場合のシーケンス図である。 処理負荷が高い状態の高機能ECUが、仮記憶情報問合せメッセージに対して高負荷状態であることを示す仮記憶情報応答メッセージを送信する場合のシーケンス図である。 仮記憶情報問合せメッセージを送信するタイミングが重なった場合のシーケンス図である。 (a)は故障診断情報記憶システムに保存されている診断情報を外部ツールで読み出す際のシーケンス図、(b)は同一の故障診断情報が複数の高機能ECUによって重複して仮記憶されている状態でのシーケンス図である。 診断情報問合せメッセージの送信から所定の待機時間が経過してもそれに対する応答通知メッセージを高機能ECUから受信できない場合のシーケンス図である。 リソースレスECUが実行する故障情報記憶要求処理のフローチャートである。 (a)は記憶要求メッセージの説明図、(b)は仮記憶情報問合せメッセージの説明図、(c)は仮記憶情報なしの仮記憶情報応答メッセージの説明図、(d)は仮記憶情報ありの仮記憶情報応答メッセージの説明図、(e)は高負荷状態の仮記憶情報応答メッセージの説明図、(f)は消去要求メッセージの説明図である。 高機能ECUが実行する記憶要求受信処理のフローチャートである。 高機能ECUが実行するデータ記憶処理のフローチャートである。 高機能ECUが実行する存在情報確認処理のフローチャートである。 高機能ECUが実行する問合せ有効判定処理のフローチャートである。 高機能ECUが実行する不要データ消去処理のフローチャートである。 (a)は仮記憶中フラグオフ要求メッセージの説明図、(b)は診断情報読出メッセージの説明図、(c)は診断情報問合せメッセージの説明図、(d)は診断情報応答メッセージの説明図、(e)は応答通知メッセージの説明図、(f)は診断情報不存在応答メッセージの説明図、(g)は変形例の仮記憶情報問合せメッセージの説明図である。 高機能ECUが実行する要求データ消去処理のフローチャートである。 リソースレスECUが実行する読出要求応答処理のフローチャートである。 高機能ECUが実行する故障情報応答処理のフローチャートである。
以下、本発明が適用された実施形態について、図面を用いて説明する。
[1.全体構成]
図1は、実施形態の故障診断情報記憶システム1の概略構成を表すブロック図である。
この故障診断情報記憶システム1は、車両に搭載された複数の電子制御装置(ECU)により通信ネットワーク(車内LAN)を構築したものである。具体的には、この故障診断情報記憶システム1は、複数のECUとして、エンジンECU10、ハイブリッド制御ECU(以下「HV制御ECU」という。)20、メータECU30、ボデーECU40、ドアECU50、ワイパーECU60及びゲートウェイECU(以下「G/WECU」という。)70を備えている。
そして、この故障診断情報記憶システム1では、エンジンECU10及びHV制御ECU20が接続された通信バス81と、メータECU30、ボデーECU40、ドアECU50及びワイパーECU60が接続された通信バス82とが、G/WECU70を介して接続されている。また、通信バス81には、ディーラなどにおいて車両の故障を修理する際に用いられる外部ツール(サービスツール)90が接続可能となっている。
なお、この故障診断情報記憶システム1において、通信バスを介して行うECU間のデータ通信には、車載ネットワークで一般的に利用されているCAN(Controller Area Network)プロトコルが用いられている。また、図1において各ECUについて括弧書きで示されている3桁の値は、各ECUに割り振られた識別子(CAN−IDのことであり、以下、単に「ID」という。)である。
各ECUは、車両各部の制御処理や他のECUとの通信処理などを実行するCPU、CPUによって実行されるプログラムが記憶されたROM、一時記憶メモリとしてのRAM、CPUによって与えられる送信データを通信バスへ出力するとともに通信バス上のデータをCPUに入力する通信ドライバなどを備えている。また、各ECUは、車両のイグニッションスイッチがオンされている間、図示しないバッテリから電力が供給されて作動する。ただし、ボデーECU40及びドアECU50は、イグニッションスイッチのオン状態だけでなく、オフ状態においても、バッテリから常に電力が供給されて作動するようになっている。
[2.処理の概要]
次に、本実施形態の故障診断情報記憶システム1で実行される処理の概要について説明する。
故障診断情報記憶システム1では、各ECUが、車載機器の故障診断を行うとともに、その診断結果である故障診断情報を自己のバックアップメモリに記憶(保存)する処理を行う。
ここで、故障診断情報には、該当する故障コード(DTC)や、故障が検出された時点での車載機器の稼働状況を示すデータであるフリーズフレームデータなどが含まれる。例えば、ワイパーECU60で発生する故障診断情報には、ワイパーが制御したとおりの位置まで動作しなかった際に検出するDTC「ワイパー位置異常」と、その異常の発生時刻と、異常発生時刻付近のワイパーモータへの制御値やユーザからのワイパー操作状態などのフリーズフレームデータとが含まれる。
また、ここでいうバックアップメモリとは、バッテリからの電力がECUに供給されない状態でも記憶情報が保持される記憶装置のことであり、不揮発性メモリ(例えばEEPROM)の他、電源がオフされた後も電池等で常時電源供給される構成の揮発性メモリ(例えばSRAM)も含まれる。
ただし、この故障診断情報記憶システム1には、バックアップメモリを有しない又はその記憶容量が乏しいECU(以下「リソースレスECU」という。)が含まれている。こうしたリソースレスECUは、自己の故障診断情報をバックアップメモリに保存しておくことができないため、リソースレスECU以外のECU(十分な記憶容量のバックアップメモリを有するECUであり、以下「高機能ECU」という。)に対して、故障診断情報の記憶を要求する。
本実施形態の故障診断情報記憶システム1は、高機能ECUを複数備えている。具体的には、エンジンECU10、HV制御ECU20、メータECU30、ボデーECU40及びG/WECU70が高機能ECUに該当し、ドアECU50及びワイパーECU60がリソースレスECUに該当する。なお、エンジンECU10及びHV制御ECU20は、バックアップメモリとしてSRAM及びEEPROMを有しており、メータECU30はSRAM、ボデーECU40及びG/WECU70はEEPROMをそれぞれ有している。一方、ドアECU50及びワイパーECU60は、バックアップメモリを有していない。
図2は、リソースレスECUが故障診断情報の記憶を高機能ECUに要求する際のシーケンス図である。
リソースレスECUは、故障診断情報が発生すると、その故障診断情報の記憶を高機能ECUに要求するための記憶要求メッセージを、ネットワーク上のすべてのECUへ送信(ブロードキャスト)する。そして、そのリソースレスECUは、送信した故障診断情報を直ちに消去する。これにより、図2に示すようにリソースレスECUにおいて故障診断情報が連続的に発生した場合にも、故障診断情報が記憶できなくなるといったことが防止される。
一方、記憶要求メッセージを受信した高機能ECUは、自己のバックアップメモリの空き容量に余裕があることを条件として、記憶要求された故障診断情報を自己のバックアップメモリに記憶する。図2に示す例では、リソースレスECUから3回の記憶要求メッセージが連続して送信され、1回目及び2回目については高機能ECU[A],[B]に、3回目については高機能ECU[A]のみに、故障診断情報が記憶されている。なお、高機能ECU[B]が3回目に故障診断情報を記憶しないのは、故障診断情報の記憶に伴いバックアップメモリの空き容量に余裕がなくなったためである。
このように、同一の故障診断情報が複数の高機能ECUによって重複して記憶され得るが、この段階での記憶は暫定的なものであり、後述する処理により記憶場所が1つに決定されることで重複状態が解消される。つまり、故障診断情報の記憶場所が他の高機能ECUに決定された時点で、自己のバックアップメモリからその故障診断情報を消去することになる。このように故障診断情報の記憶場所が1つに確定する前の暫定的な記憶を「仮記憶」と表現する。
図3は、同一の故障診断情報が重複して仮記憶された複数の高機能ECUが、その重複状態を解消する際のシーケンス図である。
本実施形態の故障診断情報記憶システム1では、故障診断情報を仮記憶している複数の高機能ECU(図3に示す例では高機能ECU[A],[B])のうち処理負荷の低いもの(図3に示す例では高機能ECU[A])が主導権をとり、その故障診断情報を重複して仮記憶している他の高機能ECUが存在するか否かを問い合わせるための仮記憶情報問合せメッセージを、ネットワーク上のすべてのECUへ送信する。
一方、他の高機能ECUからの仮記憶情報問合せメッセージを受信した高機能ECUは、問い合わせ対象の故障診断情報を自己のバックアップメモリに仮記憶している状態であるか否か(故障診断情報の存在の有無)を示す仮記憶情報応答メッセージを、仮記憶情報問合せメッセージの送信元の高機能ECUへ送信する。ここで、問い合わせ対象の故障診断情報を仮記憶していれば、自己のバックアップメモリの空き容量の情報を仮記憶情報問合せメッセージに含めて送信する。図3の例では、高機能ECU[B]が仮記憶情報ありの仮記憶情報応答メッセージ(空き容量の情報を含むもの)を送信し、高機能ECU[C]が仮記憶情報なしの仮記憶情報応答メッセージを送信する。
主導権を持つ高機能ECU(図3に示す例では高機能ECU[A])は、送信した仮記憶情報問合せメッセージに対する仮記憶情報応答メッセージを受信すると、故障診断情報を仮記憶している状態の高機能ECUの中から、バックアップメモリの空き容量が最も大きいものを選択する。
ここで、図3に示す例のように、主導権を持つ高機能ECU[A]がバックアップメモリの空き容量の最も大きいものであれば、主導権を持つ高機能ECUは、仮記憶情報ありの仮記憶情報応答メッセージの送信元であるすべての高機能ECU(図3の例では高機能ECU[B]のみ)へ、仮記憶している故障診断情報の消去を高機能ECUに要求するための消去要求メッセージを送信する。消去要求メッセージを受信した高機能ECUでは、仮記憶している故障診断情報が消去される。
一方、図4に示す例では、高機能ECU[B]が主導権をとり、仮記憶情報問合せメッセージを送信している。この例のように、主導権を持つ高機能ECU[B]がバックアップメモリの空き容量の最も大きいものでなければ、主導権を持つ高機能ECUは、空き容量の最も大きい高機能ECU(図4の例では高機能ECU[A])を除いた他の高機能ECU(図4の例では存在せず)へ消去要求メッセージを送信するとともに、自身が仮記憶している故障診断情報を消去する。なお、主導権を持つ高機能ECUは、重複状態が解消したことを通知するための仮記憶中フラグオフ要求メッセージを、空き容量の最も大きい高機能ECUへ送信する。
以上のように、複数の高機能ECUによって重複して仮記憶されていた故障診断情報のうち不要なものが消去され、空き容量の最も大きい高機能ECUのみに記憶された状態となり、仮記憶状態から確定的な記憶状態へ移行する。つまり、リソースレスECUが記憶場所を指定しなくても、バックアップメモリの空き容量に最も余裕のある高機能ECUに故障診断情報が記憶される。
なお、本実施形態の故障診断情報記憶システム1では、処理負荷が低い状態の高機能ECUが主導権をとり仮記憶情報問合せメッセージを送信するが、送信先の高機能ECUの処理負荷が高いことも考えられる。このため、図5に示すように、処理負荷が高い状態の高機能ECU(図5の例では高機能ECU[A])は、仮記憶情報問合せメッセージを受信すると、高負荷状態であることを示す仮記憶情報応答メッセージを、仮記憶情報問合せメッセージの送信元の高機能ECUへ送信する。そして、これを受信した高機能ECU(図5の例では高機能ECU[B])は、所定時間待機した後に仮記憶情報問合せメッセージを再度送信する。つまり、処理負荷の高い状態の高機能ECUが存在する場合には、同一の故障診断情報が複数の高機能ECUによって重複して仮記憶された状態を解消するための処理を直ちに行わない(処理負荷の高い状態のものが存在しなくなるまでその処理の開始を延期する)ようにしている。
また、図6に示すように、仮記憶情報問合せメッセージを送信するタイミングが重なることにより、複数の高機能ECU(図6の例では高機能ECU[A],[B])から仮記憶情報問合せメッセージが重複(バッティング)して送信されてしまうことも考えられる。この場合には、優先順位の最も高いもの(図6の例では高機能ECU[A])が送信した仮記憶情報問合せメッセージのみを有効とし、それ以外の仮記憶情報問合せメッセージを無効とすることで、重複状態を解消する。なお、無効とされた仮記憶情報問合せメッセージの送信元である高機能ECU(図6の例では高機能ECU[B])は、その仮記憶情報問合せメッセージに対する応答として受信した仮記憶情報応答メッセージをすべて破棄する。
図7(a)は、故障診断情報記憶システム1に保存されている診断情報を外部ツール90で読み出す際のシーケンス図である。
外部ツール90は、リソースレスECUで発生した故障診断情報を読み出す際に、そのリソースレスECUへ診断情報読出メッセージを送信する。この診断情報読出メッセージを受信したリソースレスECUは、自身で発生した故障診断情報を保存しているか問い合わせるための診断情報問合せメッセージをすべてのECUへ送信する。
診断情報問合せメッセージを受信した高機能ECUは、該当する故障診断情報がバックアップメモリに記憶(仮記憶も含む。)されていれば、診断情報問合せメッセージの送信元のリソースレスECUへ応答通知メッセージを送信するとともに、その故障診断情報を含む診断情報応答メッセージを外部ツール90へ送信する。これにより、外部ツール90は、リソースレスECUで発生した故障診断情報をどの高機能ECUが記憶しているかを把握していなくても、故障診断情報を読み出すことが可能となる。
なお、図7(b)に示すように、該当する同一の故障診断情報が複数の高機能ECUによって重複して仮記憶されている状態では、複数の高機能ECUから同一の故障診断情報が外部ツール90へ送信される。このため、外部ツール90は、同一の故障診断情報の応答があった場合には、例えば一番最初(又は最後)に応答のあったものを採用するといった調停処理を行うことにより、1つの故障診断情報のみを採用する。
また、図8に示すように、診断情報問合せメッセージの送信元であるリソースレスECUは、診断情報問合せメッセージの送信から所定の待機時間が経過してもそれに対する応答通知メッセージを高機能ECUから受信できなければ、故障診断情報が存在しない旨を通知するための診断情報不存在応答メッセージを外部ツール90へ送信する。
[3.ECUが実行する処理]
次に、故障診断情報記憶システム1においてリソースレスECU及び高機能ECUのそれぞれが実行する処理の具体的な内容について説明する。
まず、リソースレスECUが一定時間間隔で(例えば64msごとに)実行する故障情報記憶要求処理について、図9のフローチャートを用いて説明する。
リソースレスECUは、この故障情報記憶要求処理を開始すると、まずS101で、故障診断が行われたことにより故障診断情報が発生か否かを判定する。なお、故障診断により発生した故障診断情報はRAMに記憶された状態となっている。
そして、S101で、故障診断情報が発生したと判定した場合には、S102へ移行し、その故障診断情報の記憶を高機能ECUに要求するための記憶要求メッセージを、ネットワーク上のすべてのECUへ送信する。記憶要求メッセージは、具体的には図10(a)に示すように、当該メッセージが記憶要求メッセージであることを示すフラグ、高機能ECUに記憶させる故障診断情報(DTCやフリーズフレームデータ等)、バックアップメモリ種別情報、及び、送信元ID(自己のID)からなる。このうち、バックアップメモリ種別情報とは、故障診断情報の記憶を許可するバックアップメモリの種別を示す情報である。例えば、重要度の高い故障診断情報については信頼性の高いEEPROMのみに限定して許可し、重要度の高くない故障診断情報についてはEEPROMに比べて信頼性の劣る(データが化ける等の現象が生じやすい)SRAMについても許可するといったように、故障診断情報の記憶先となるバックアップメモリの種別を送信側から指定するために用いられる。なお、図示しないが、ECUから送信されるメッセージには、そのメッセージの送信先(ID)の情報が含まれている。
続いて、S103では、S102で送信した故障診断情報をRAMから消去する。その後、本故障情報記憶要求処理を終了する。
一方、S101で、故障診断情報が発生していないと判定した場合には、そのまま本故障情報記憶要求処理を終了する。
次に、リソースレスECUからの記憶要求メッセージを受信したことを契機に高機能ECUが実行する記憶要求受信処理について、図11のフローチャートを用いて説明する。
高機能ECUは、この記憶要求受信処理を開始すると、まずS201で、データ記憶処理を実行する。このデータ記憶処理では、自己のバックアップメモリの空き容量に余裕があり、かつ、受信した記憶要求メッセージに含まれるバックアップメモリ種別情報が自己のバックアップメモリの種別と一致する場合に、その記憶要求メッセージに含まれる故障診断情報を自己のバックアップメモリに仮記憶する処理を行う。なお、データ記憶処理の具体的な内容については後述する(図12)。
続いて、S202では、存在情報確認処理を実行する。その後、本記憶要求受信処理を終了する。この存在情報確認処理では、同一の故障診断情報が複数の高機能ECUによって重複して仮記憶された状態を解消するための処理を行う。なお、存在情報確認処理の具体的な内容については後述する(図13)。
次に、前述した記憶要求受信処理におけるS201の処理として高機能ECUが実行するデータ記憶処理について、図12のフローチャートを用いて説明する。
高機能ECUは、このデータ記憶処理を開始すると、まずS301で、バックアップメモリの空き容量に余裕があるか否かを判定する。本実施形態では、受信した記憶要求メッセージに含まれる故障診断情報を記憶可能な空き容量がある場合(空き容量が故障診断情報のデータ量以上である場合)には余裕があると判定する。なお、判定条件はこれに限定されるものではなく、十分な空き容量がある場合(例えば、空き容量が故障診断情報よりも大きい所定値以上の場合や、記憶容量に対する空き容量の割合が所定値以上の場合など)に余裕があると判定するようにしてもよい。
そして、S301で、バックアップメモリの空き容量に余裕があると判定した場合には、S302へ移行し、受信した記憶要求メッセージに含まれるバックアップメモリ種別情報が自己のバックアップメモリの種別と一致するか否かを判定する。例えば、バックアップメモリ種別情報がEEPROM/SRAM(これらのうちいずれでもよいという意味)であるのに対し、自己のバックアップメモリの種別がこれらのうち少なくとも一方である場合には、一致すると判定する。また例えば、バックアップメモリ種別情報がEEPROMであるのに対し、自己のバックアップメモリの種別がEEPROMでない場合(SRAMである場合など)には、一致しないと判定する。
そして、S302で、バックアップメモリ種別情報が自己のバックアップメモリの種別と一致すると判定した場合には、S303へ移行し、受信した記憶要求メッセージに含まれる故障診断情報を、記憶要求メッセージの送信元IDと対応づけて自己のバックアップメモリに仮記憶する。
続いて、S304では、故障診断情報を自己のバックアップメモリに仮記憶していることを示す仮記憶中フラグをオン状態にする。その後、本データ記憶処理を終了する。
一方、S301でバックアップメモリの空き容量に余裕がないと判定した場合や、S302でバックアップメモリ種別情報が自己のバックアップメモリの種別と一致しないと判定した場合には、故障診断情報を自己のバックアップメモリに記憶することなく本データ記憶処理を終了する。
次に、前述した記憶要求受信処理におけるS202の処理として高機能ECUが実行する存在情報確認処理について、図13のフローチャートを用いて説明する。
高機能ECUは、この存在情報確認処理を開始すると、まずS401で、他の高機能ECUからの仮記憶情報問合せメッセージを受信したか否かを判定する。仮記憶情報問合せメッセージとは、リソースレスECUの故障診断情報を仮記憶している状態の高機能ECUが、その故障診断情報を重複して仮記憶している他の高機能ECUが存在するか否かを問い合わせる際に送信するものである(後述するS405)。具体的には図10(b)に示すように、当該メッセージが仮記憶情報問合せメッセージであることを示すフラグ、問い合わせ対象の故障診断情報を特定可能なデータ(DTC)、及び、送信元IDからなる。
そして、S401で、他の高機能ECUからの仮記憶情報問合せメッセージを受信していないと判定した場合には、S402へ移行し、仮記憶中フラグがオン状態であるか否かを判定する。つまり、リソースレスECUの故障診断情報を自己のバックアップメモリに仮記憶している状態であるか否かを判定する。
そして、S402で、仮記憶中フラグがオン状態でないと判定した場合には、S401へ戻る。なお、S401へ戻ることなくそのまま本存在情報確認処理を終了するようにしてもよい。
一方、S402で、仮記憶中フラグがオン状態であると判定した場合には、S403へ移行し、自己の処理負荷が低い状態であるか否かを判定する。本実施形態では、特定の1つのタスク(例えば32msタスク)の処理時間を計測し、その計測結果に基づき処理負荷を判定する。例えば、32msタスクを実行するために要した時間が16ms以上であれば処理負荷が高い状態であると判定し、16ms未満であれば処理負荷が低い状態であると判定することができる。
このS403で、自己の処理負荷が低い状態でない(高い状態である)と判定した場合には、S401へ戻る。
一方、S403で、自己の処理負荷が低い状態であると判定した場合には、自身が他の高機能ECUへ仮記憶情報問合せメッセージを送信すべき条件が成立したことになるため、S404へ移行し、他の高機能ECUに対して仮記憶状態であるか否かの問い合わせ中であることを示す問合せ中フラグをオン状態にする。
続いて、S405では、ネットワーク上のすべてのECUへ仮記憶情報問合せメッセージを送信(ブロードキャスト)する。これにより、仮記憶情報問合せメッセージを受信した高機能ECUでは、仮記憶情報問合せメッセージの送信が禁止されることになる(S402:NO)。ただし、仮記憶情報問合せメッセージの送信から受信までには、G/WECU70による遅れなどにより、わずかながら時間がかかり、その間に他の高機能ECUから仮記憶情報問合せメッセージが重複して送信される可能性もあることから、後述する処理(S505)により優先順位の最も高いもののみが有効とされるようになっている。
続いて、S406では、問合せ有効判定処理を実行する。この問合せ有効判定処理では、S405で送信した仮記憶情報問合せメッセージに対する応答として送信されてくる仮記憶情報応答メッセージを受信するとともに、自身から他の高機能ECUに対する仮記憶情報問合せメッセージの送信が有効とされたことを示す問合せ有効フラグをオン状態又はオフ状態にする処理を行う。なお、問合せ有効判定処理の具体的な内容については後述する(図14)。
続いて、S407では、問合せ有効フラグがオン状態であるか否かを判定する。つまり、自身から他の高機能ECUに対する仮記憶情報問合せメッセージの送信が有効とされたか否かを判定する。
そして、S407で、問合せ有効フラグがオン状態であると判定した場合には、S408へ移行し、不要データ消去処理を実行する。その後、S410へ移行する。この不要データ消去処理では、複数の高機能ECUによって重複して仮記憶された故障診断情報のうち、不要なものを消去して重複状態を解消する処理を行う。なお、不要データ消去処理の具体的な内容については後述する(図15)。
一方、S407で、問合せ有効フラグがオン状態でない(オフ状態である)と判定した場合には、S409へ移行し、S405で送信した仮記憶情報問合せメッセージに対する応答として受信した仮記憶情報応答メッセージを破棄する。つまり、自身から他の高機能ECUに対する仮記憶情報問合せメッセージの送信が有効とされなかった場合には、これに対する応答である仮記憶情報応答メッセージを破棄するようにしている。このS409の後、S410へ移行する。
S410では、他の高機能ECUに対する仮記憶状態であるか否かの問い合わせが終了したものとして、問合せ中フラグをオフ状態に(リセット)する。その後、本存在情報確認処理を終了する。
一方、S401で、他の高機能ECUからの仮記憶情報問合せメッセージを受信したと判定した場合には、S411へ移行し、問い合わせ対象の故障診断情報を自己のバックアップメモリに仮記憶している状態であるか否か(故障診断情報の存在の有無)を示す仮記憶情報応答メッセージを、仮記憶情報問合せメッセージの送信元の高機能ECUへ送信する。その後、本存在情報確認処理を終了する。
具体的には、問い合わせ対象の故障診断情報を仮記憶していなければ、図10(c)に示すように、仮記憶情報なしの仮記憶情報応答メッセージであることを示すフラグ、問い合わせ対象の故障診断情報を特定可能なデータ(DTC)、及び、送信元IDからなる仮記憶情報応答メッセージを送信する。一方、問い合わせ対象の故障診断情報を仮記憶していれば、図10(d)に示すように、仮記憶情報ありの仮記憶情報応答メッセージであることを示すフラグ、問い合わせ対象の故障診断情報を特定可能なデータ(DTC)、自己のバックアップメモリの空き容量の情報、及び、送信元IDからなる仮記憶情報応答メッセージを送信する。
ただし、自己の処理負荷が高い状態においては、例外的に、こうした仮記憶情報応答メッセージ(図10(c),(d))に代えて、図10(e)に示すように、高負荷状態の仮記憶情報応答メッセージであることを示すフラグ、及び、送信元IDのみからなる仮記憶情報応答メッセージを送信する。
ちなみに、この処理において自己の処理負荷が高いと判定する基準は、前述したS403の処理において自己の処理負荷が高いと判定する基準よりも高く設定されている。つまり、処理負荷が著しく高い場合に、処理負荷の増大をできるだけ抑えるために高負荷状態の仮記憶情報応答メッセージを送信する。なお、判定基準はこれに限定されるものではなく、例えば前述したS403の処理と同じ判定基準としてもよい。
次に、前述した存在情報確認処理におけるS406の処理として高機能ECUが実行する問合せ有効判定処理について、図14のフローチャートを用いて説明する。
高機能ECUは、この問合せ有効判定処理を開始すると、まずS501で、前述したS405で送信した仮記憶情報問合せメッセージに対し、送信先のすべての高機能ECUから仮記憶情報応答メッセージを受信したか否かを判定し、受信したと判定した場合にS502へ移行する。ただし、何らかの原因により送信先の高機能ECUから仮記憶情報応答メッセージを受信できないことも考えられる。そこで、本実施形態では、仮記憶情報問合せメッセージを送信した時点(S405)からの経過時間が、すべての仮記憶情報応答メッセージを受信可能な時間としてあらかじめ設定されている所定のタイムアウト時間以上となった時点で、すべての仮記憶情報応答メッセージを受信したとみなしてS502へ移行するようにしている。
S502では、受信した仮記憶情報応答メッセージの送信元である高機能ECUのすべてが処理負荷の低い状態であるか否かを判定する。具体的には、受信した仮記憶情報応答メッセージの中に高負荷状態の仮記憶情報応答メッセージ(図10(e))が1つも含まれていなければ、仮記憶情報応答メッセージの送信元である高機能ECUのすべてが処理負荷の低い状態であると判定する。
そして、S502で、仮記憶情報応答メッセージの送信元である高機能ECUのすべてが処理負荷の低い状態であると判定した場合には、S503へ移行し、問合せ中フラグがオン状態の期間中に他の高機能ECUからの仮記憶情報問合せメッセージを受信したか否かを判定する。つまり、仮記憶情報問合せメッセージが複数の高機能ECUから重複して送信されている状態であるか否かを判定する。
そして、S503で、問合せ中フラグがオン状態の期間中に他の高機能ECUからの仮記憶情報問合せメッセージを受信していないと判定した場合には、S504へ移行し、自身から他の高機能ECUに対する仮記憶情報問合せメッセージの送信(他の高機能ECUに対する仮記憶状態の問い合わせ)が有効とされたことを示す問合せ有効フラグをオン状態にする。その後、本問合せ有効判定処理を終了する。
一方、S503で、問合せ中フラグがオン状態の期間中に他の高機能ECUからの仮記憶情報問合せメッセージを受信したと判定した場合には、S505へ移行し、受信した仮記憶情報問合せメッセージの送信元である高機能ECUの中に、IDに基づき決められている優先順位が自身よりも高いものが存在するか否かを判定する。
そして、S505で、優先順位が自身よりも高いものが存在しない(自己の優先順位が最も高い)と判定した場合には、S504へ移行し、問合せ有効フラグをオン状態にする。その後、本問合せ有効判定処理を終了する。
一方、S505で、優先順位が自身よりも高いものが存在すると判定した場合には、S506へ移行し、問合せ有効フラグをオフ状態にする。その後、本問合せ有効判定処理を終了する。なお、この場合には、優先順位が最も高い他の高機能ECUにおいて、問合せ有効フラグがオン状態とされることになる。
一方、S502で、仮記憶情報応答メッセージの送信元である高機能ECUのすべてが処理負荷の低い状態でない(処理負荷の高い状態の高機能ECUが存在する)と判定した場合には、S507へ移行し、所定時間待機した後、S502へ戻る。
次に、前述した存在情報確認処理におけるS408の処理として高機能ECUが実行する不要データ消去処理について、図15のフローチャートを用いて説明する。
高機能ECUは、この不要データ消去処理を開始すると、まずS601で、リソースレスECUの故障診断情報を仮記憶している状態の高機能ECUの中から、バックアップメモリの空き容量の最も大きいものを選択する。ここで、リソースレスECUの故障診断情報を仮記憶している状態の高機能ECUとは、自身(仮記憶情報問合せメッセージの送信元である高機能ECU)及び仮記憶情報ありの仮記憶情報応答メッセージの送信元である高機能ECUである。なお、前述したように、仮記憶情報ありの仮記憶情報応答メッセージの送信元である高機能ECUのバックアップメモリの空き容量の情報は、その仮記憶情報応答メッセージに含まれている(図10(d))。
続いて、S602では、バックアップメモリの空き容量の最も大きいECUが、自身であるか、それとも他の高機能ECUであるか否かを判定する。ここで、空き容量が同一の場合には、各ECUに割り振られているIDに基づき決められている優先順位の高い方を、空き容量が大きいものとして判定する。
そして、S602で、バックアップメモリの空き容量の最も大きいECUが自身であると判定した場合には、S603へ移行し、仮記憶している故障診断情報の消去を高機能ECUに要求するための消去要求メッセージを、仮記憶情報ありの仮記憶情報応答メッセージの送信元であるすべての高機能ECUへ送信する。消去要求メッセージは、具体的には図10(f)に示すように、当該メッセージが消去要求メッセージであることを示すフラグ、消去対象の故障診断情報を特定可能なデータ(DTC)、及び、送信元IDからなる。なお、後述するように、消去要求メッセージを受信した高機能ECUでは、仮記憶している故障診断情報が消去されるとともに、仮記憶中フラグがオフ状態にされる(図17)。
続いて、S604では、自己の仮記憶中フラグをオフ状態にする。その後、本不要データ消去処理を終了する。つまり、複数の高機能ECUによって重複して仮記憶されていた故障診断情報が、自己のバックアップメモリのみに記憶された状態となることにより、仮記憶状態から確定的な記憶状態へ移行する。
一方、S602で、バックアップメモリの空き容量の最も大きいECUが他の高機能ECUであると判定した場合には、S605へ移行し、仮記憶情報ありの仮記憶情報応答メッセージの送信元であるすべての高機能ECUのうち、バックアップメモリの空き容量が最も大きいと判定されたもの以外へ、消去要求メッセージを送信する。これにより、送信先の高機能ECUでは、仮記憶している故障診断情報が消去されるとともに、仮記憶中フラグがオフ状態にされる。
続いて、S606では、自身が仮記憶している故障診断情報を消去する。
続いて、S607では、バックアップメモリの空き容量が最も大きいと判定された高機能ECUへ、仮記憶中フラグをオフ状態にすることを要求するための仮記憶中フラグオフ要求メッセージを送信する。仮記憶中フラグオフ要求メッセージは、具体的には図16(a)に示すように、当該メッセージが仮記憶中フラグオフ要求メッセージであることを示すフラグ、要求対象の故障診断情報を特定可能なデータ(DTC)、及び、送信元IDからなる。この仮記憶中フラグオフ要求メッセージを受信した高機能ECU(バックアップメモリの空き容量が最も大きいと判定された高機能ECU)は、自己の仮記憶中フラグをオフ状態にする。
続いて、S608では、自己の仮記憶中フラグをオフ状態にする。その後、本不要データ消去処理を終了する。つまり、複数の高機能ECUによって重複して仮記憶されていた故障診断情報が、バックアップメモリの空き容量が最も大きい他の高機能ECUのバックアップメモリのみに記憶された状態となることにより、仮記憶状態から確定的な記憶状態へ移行する。
次に、消去要求メッセージ(S603,S605)を受信した高機能ECUが実行する要求データ消去処理について、図17のフローチャートを用いて説明する。
高機能ECUは、この要求データ消去処理を開始すると、まずS701で、自己のバックアップメモリに仮記憶している故障診断情報を消去する。
続いて、S702では、自己の仮記憶中フラグをオフ状態にする。その後、本要求データ消去処理を終了する。
次に、故障診断情報記憶システム1に接続された状態の外部ツール90から診断情報読出メッセージを受信した場合にリソースレスECUが実行する読出要求応答処理について、図18のフローチャートを用いて説明する。診断情報読出メッセージは、外部ツール90がECUで発生した故障診断情報を読み出すためにそのECUへ送信するものである。具体的には図16(b)に示すように、当該メッセージが診断情報読出メッセージであることを示すフラグ、及び、送信元である外部ツールのIDからなる。
リソースレスECUは、この読出要求応答処理を開始すると、まずS801で、自身で発生した故障診断情報を保存しているか問い合わせるための診断情報問合せメッセージをすべてのECUへ送信(ブロードキャスト)する。診断情報問合せメッセージは、具体的には図16(c)に示すように、当該メッセージが診断情報問合せメッセージであることを示すフラグ、外部ツールのID、及び、送信元IDからなる。なお、外部ツールのIDがあらかじめ1つに決められているならば、診断情報読出メッセージや診断情報問合せメッセージに外部ツールのIDを送信しないようにすることも可能である。
そして、後述するように、この診断情報問合せメッセージを受信した高機能ECUでは、その送信元のリソースレスECUの故障診断情報がバックアップメモリに記憶(仮記憶も含む。)されているか否かが判定され、記憶されている場合にはその故障診断情報を含む診断情報応答メッセージが外部ツール90へ送信されるとともに、診断情報問合せメッセージの送信元のリソースレスECUへ応答通知メッセージが送信される。診断情報応答メッセージは、具体的には図16(d)に示すように、当該メッセージが診断情報応答メッセージであることを示すフラグ、バックアップメモリから読み出した故障診断情報、外部ツール90が対象としているリソースレスECUのID、及び、送信元IDからなる。また、応答通知メッセージは、具体的には図16(e)に示すように、当該メッセージが応答通知メッセージであることを示すフラグ、外部ツール90が対象としているリソースレスECUのID、及び、送信元IDからなる。
続いて、S802では、S801で診断情報問合せメッセージを送信してから所定の待機時間が経過したか否かを判定し、待機時間が経過したと判定した場合にS803へ移行する。つまり、診断情報問合せメッセージに対する応答通知メッセージを受信可能な時間としてあらかじめ設定された待機時間が経過するまで待機するようにしている。
S803では、診断情報問合せメッセージに対する応答通知メッセージが受信できたか否かを判定する。
そして、S803で、診断情報問合せメッセージに対する応答通知メッセージが受信できたと判定した場合には、そのまま本読出要求応答処理を終了する。
一方、S803で、診断情報問合せメッセージに対する応答通知メッセージが受信できなかったと判定した場合には、S804へ移行し、故障診断情報が存在しない旨を通知するための診断情報不存在応答メッセージを外部ツール90へ送信する。その後、本読出要求応答処理を終了する。診断情報不存在応答メッセージは、具体的には図16(f)に示すように、当該メッセージが診断情報不存在応答メッセージであることを示すフラグ、及び、送信元IDからなる。
次に、リソースレスECUからの診断情報問合せメッセージ(S801)を受信した場合に高機能ECUが実行する故障情報応答処理について、図19のフローチャートを用いて説明する。
高機能ECUは、この故障情報応答処理を開始すると、まずS901で、受信した診断情報問合せメッセージの送信元IDに対応づけられた故障診断情報が自己のバックアップメモリに記憶されているか否かを判定する。
そして、S901で、送信元IDに対応づけられた故障診断情報が自己のバックアップメモリに記憶されていると判定した場合には、S902へ移行し、その故障診断情報を含む診断情報応答メッセージを外部ツール90へ送信する。
続いて、S903では、故障診断情報を外部ツール90へ送信したことを通知するための応答通知メッセージを、診断情報問合せメッセージの送信元のリソースレスECUへ送信する。その後、本故障情報応答処理を終了する。
一方、S901で、送信元IDに対応づけられた故障診断情報が自己のバックアップメモリに記憶されていないと判定した場合には、そのまま本故障情報応答処理を終了する。
[4.効果]
以上説明したように、本実施形態の故障診断情報記憶システム1において、高機能ECUは、リソースレスECUから記憶を要求された故障診断情報をバックアップメモリに仮記憶し(S201)、その故障診断情報を重複して仮記憶している他の高機能ECUを検索する(S405)。そして、バックアップメモリの空き容量が最も大きい高機能ECUのみにその故障診断情報が記憶されるように、不要な故障診断情報を消去するための処理を行う(S406〜S409)。
したがって、この故障診断情報記憶システム1によれば、複数の高機能ECUにおいてバックアップメモリの空き容量の片寄りを生じにくくして、故障診断情報を効率よく保存することができる。このため、故障診断情報を記憶可能な状態の高機能ECUの数が減少しにくくなり、故障診断情報を確実に保存するための信頼性を高めることができる。しかも、この故障診断情報記憶システム1によれば、バックアップメモリの空き容量が最も大きい高機能ECUをリソースレスECU側で把握している必要がない。
また、高機能ECUは、自己のバックアップメモリがリソースレスECUから指定された種別のものであることを条件として(S302:YES)、記憶を要求された故障診断情報をそのバックアップメモリに記憶するため(S303)、故障診断情報が適切なバックアップメモリに記憶されるようにすることができる。
さらに、この故障診断情報記憶システム1は、イグニッションスイッチのオフ状態においてもバッテリから電力が供給されて作動する高機能ECU(ボデーECU40)を備えているため、イグニッションスイッチのオフ状態においてリソースレスECU(ドアECU50)で発生した故障診断情報についても保存することができる。
一方、この故障診断情報記憶システム1においいて、高機能ECUは、故障診断情報をバックアップメモリに記憶した後(S201)、自己の処理負荷が低い状態になったことを条件として(S403:YES)、その故障診断情報を重複して記憶している他の高機能ECUを検索するようにしているため(S405)、検索を行うことによる処理負荷の過上昇を防ぐことができる。
また、高機能ECUは、受信した仮記憶情報応答メッセージの送信元である高機能ECUのすべてが処理負荷の低い状態であることを条件として(S502:YES)、不要な故障診断情報を消去するための処理を行うようにしているため(S407〜S409)、不要な故障診断情報を消去するための処理に伴う処理負荷の過上昇を防ぐことができる。特に、受信した仮記憶情報応答メッセージの送信元である高機能ECUのすべてが処理負荷の低い状態でなければ(S502:NO)、すべてが処理負荷の低い状態となるまで待機するようにしているため(S507)、不要な故障診断情報を消去するための処理に伴う処理負荷の過上昇を防ぎつつ、その処理を確実に行うことが可能となる。
また、高機能ECUは、バックアップメモリの空き容量が最も大きい高機能ECUとして空き容量が同一のものが複数存在する場合に、各ECUに割り振られているIDに基づき決められている優先順位の最も高いものを、空き容量が大きいものとみなすようにしているため(S602)、バックアップメモリの空き容量が同一の高機能ECUが複数存在する場合にも、故障診断情報が記憶される高機能ECUを1つに決めることができる。
さらに、この故障診断情報記憶システム1では、仮記憶情報問合せメッセージが複数の高機能ECUから重複して送信された場合には、各ECUに割り振られているIDに基づき決められている優先順位の最も高いもののみを有効にし、他を無効にするようにしているため(S503〜S506)、余分な処理が実行されてしまうのを防ぐことができる。
また、この故障診断情報記憶システム1では、リソースレスECUが、故障診断情報が含まれた記憶要求メッセージを送信した後に(S102)その故障診断情報を自己のメモリから直ちに消去するようにしているため(S103)、故障診断情報が連続的に発生した場合にも、故障診断情報をRAMに記憶できなくなるといったことを生じにくくすることができる。
一方、この故障診断情報記憶システム1において、リソースレスECUは、外部ツール90から故障診断情報を要求された場合に、その故障診断情報の外部ツール90への送信を複数の高機能ECUに要求する(S801)。そして、高機能ECUは、リソースレスECUから外部ツール90への送信を要求された故障診断情報がバックアップメモリに記憶されている場合に(S901:YES)、その故障診断情報を外部ツール90へ送信する(S902)。このため、この故障診断情報記憶システム1によれば、外部ツール90からリソースレスECUに対して要求された故障診断情報を、その故障診断情報が記憶された高機能ECUから外部ツール90へ送信することができる。しかも、この故障診断情報記憶システム1によれば、外部ツール90は、故障診断情報が記憶された高機能ECUを把握していなくても、リソースレスECUに対して故障診断情報を要求するだけで、その故障診断情報を取得することができる。
特に、リソースレスECUが、故障診断情報の外部ツール90への送信を高機能ECUに要求してから所定の待機時間が経過しても高機能ECUから外部ツール90への故障診断情報の送信が行われない場合に(S803:NO)、故障診断情報が存在しないことを外部ツール90へ応答するようにしているため(S804)、外部ツール90の要求する故障診断情報が存在しないことを外部ツール90に知らせることができる。
[5.特許請求の範囲との対応]
なお、本実施形態では、故障診断情報記憶システム1が通信システムに相当し、ECUが通信装置に相当し、リソースレスECUが記憶要求装置に相当し、高機能ECUが情報保存装置に相当し、外部ツール90が外部装置に相当し、バックアップメモリが記憶媒体に相当する。また、高機能ECUにより実行される処理のうち、S201が仮記憶手段としての処理に相当し、S405が検索手段としての処理に相当し、S406〜S409が重複解消手段としての処理に相当し、S901,S902が故障情報送信手段としての処理に相当する。また、リソースレスECUにより実行される処理のうち、S101,S102が記憶要求手段としての処理に相当し、S103が消去手段としての処理に相当し、S801が送信要求手段としての処理に相当し、S802〜S804が不存在応答手段としての処理に相当する。
[6.他の形態]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されることなく、種々の形態を採り得ることは言うまでもない。
例えば、上記実施形態では、各ECUに割り振られているIDに基づきECUの優先順位を決定するようにしているが(S505,S602)、これに限定されるものではない。例えば、処理負荷が低いものほど優先順位を高くするようにしてもよく、また、静的メモリ容量(記憶データなしの状態での空き容量)の大きい順(又は小さい順)に優先順位を高くするようにしてもよい。このような判定は、例えば図16(g)に示すように、仮記憶情報問合せメッセージなどの送信メッセージに、送信元の処理負荷を示すデータや、送信元のバックアップメモリの静的メモリ容量を示すデータを含めておくことで実現することができる。
また、上記実施形態では、高機能ECUは、リソースレスECUから故障診断情報の記憶を要求された場合に、自己のバックアップメモリの空き容量がその故障診断情報のデータ量以上であることを条件として(S301:YES)、その故障診断情報を仮記憶するようにしているが(S303)、これに限定されるものではない。例えば、バックアップメモリの空き容量が、故障診断情報のデータ量よりも大きくなるように設定された判定基準値以上であること(つまり、その故障診断情報を記憶してもなお空き容量に余裕が残ること)を条件として、その故障診断情報を仮記憶するようにしてもよい。このようにすれば、バックアップメモリに余裕がなくなってしまうことにより、自身で発生した故障診断情報を記憶できなくなってしまうといったことを防ぐことができる。
さらに、上記実施形態では、高機能ECUが、受信した仮記憶情報応答メッセージの送信元である高機能ECUのすべてが処理負荷の低い状態であることを条件として(S502:YES)、不要な故障診断情報を消去するための処理(S407〜S409)を行うようにしているが、これに限定されるものではない。例えば、高機能ECUの処理負荷に代えて、通信バスのバス負荷(通信トラフィックの負荷)が所定の基準値以下であることを条件として、不要な故障診断情報を消去するための処理を行うようにしてもよい。このようにすれば、通信トラフィックの負荷の過上昇を防ぐことができる。通信トラフィックの負荷が高い状況では各ECUの処理負荷も必然的に高くなるため、結果的に、高機能ECUの処理負荷の過上昇を防ぐことができる。
一方、上記実施形態では、本発明の通信システムとして、車両に搭載された複数の電子制御装置(通信装置)により通信ネットワークを構築したものを例示したが、これに限定されるものではなく、本発明は、車両以外で用いられる通信システムにも適用することができる。
1…故障診断情報記憶システム、10…エンジンECU、20…HV制御ECU、30…メータECU、40…ボデーECU、50…ドアECU、60…ワイパーECU、70…G/WECU、81…通信バス、82…通信バス、90…外部ツール

Claims (30)

  1. 複数の通信装置により通信ネットワークを構築するとともに、前記複数の通信装置として、故障診断により発生した故障診断情報を保存しておくためにその故障診断情報の記憶を他の通信装置に要求する記憶要求装置と、故障診断情報を保存しておくことが可能な記憶媒体を有し、前記記憶要求装置から記憶を要求された故障診断情報を自己の有する記憶媒体に記憶する複数の情報保存装置と、を備える通信システムにおいて、前記情報保存装置として機能する通信装置であって、
    前記記憶要求装置から記憶を要求された故障診断情報を前記記憶媒体に記憶する仮記憶手段と、
    前記仮記憶手段により前記記憶媒体に記憶された故障診断情報を重複して記憶している他の情報保存装置を検索する検索手段と、
    前記検索手段により故障診断情報を重複して記憶している他の情報保存装置が検索された場合に、前記記憶媒体の空き容量が最も大きい情報保存装置のみにその故障診断情報が記憶されるように、不要な故障診断情報を消去するための処理を行う重複解消手段と、を備え
    前記検索手段は、前記仮記憶手段により故障診断情報が前記記憶媒体に記憶された後、自己の処理負荷が所定値未満になったことを条件として、その故障診断情報を重複して記憶している他の情報保存装置を検索すること
    を特徴とする通信装置。
  2. 前記重複解消手段は、通信トラフィックの負荷が所定の基準値以下であることを条件として、不要な故障診断情報を消去するための処理を行うこと
    を特徴とする請求項1に記載の通信装置。
  3. 前記重複解消手段は、前記検索手段により検索されたすべての情報保存装置の処理負荷が所定の基準値未満であることを条件として、不要な故障診断情報を消去するための処理を行うこと
    を特徴とする請求項1に記載の通信装置。
  4. 複数の通信装置により通信ネットワークを構築するとともに、前記複数の通信装置として、故障診断により発生した故障診断情報を保存しておくためにその故障診断情報の記憶を他の通信装置に要求する記憶要求装置と、故障診断情報を保存しておくことが可能な記憶媒体を有し、前記記憶要求装置から記憶を要求された故障診断情報を自己の有する記憶媒体に記憶する複数の情報保存装置と、を備える通信システムにおいて、前記情報保存装置として機能する通信装置であって、
    前記記憶要求装置から記憶を要求された故障診断情報を前記記憶媒体に記憶する仮記憶手段と、
    前記仮記憶手段により前記記憶媒体に記憶された故障診断情報を重複して記憶している他の情報保存装置を検索する検索手段と、
    前記検索手段により故障診断情報を重複して記憶している他の情報保存装置が検索された場合に、前記記憶媒体の空き容量が最も大きい情報保存装置のみにその故障診断情報が記憶されるように、不要な故障診断情報を消去するための処理を行う重複解消手段と、を備え
    前記重複解消手段は、前記検索手段により検索されたすべての情報保存装置の処理負荷が所定の基準値未満であることを条件として、不要な故障診断情報を消去するための処理を行うこと
    を特徴とする通信装置。
  5. 前記重複解消手段は、前記検索手段により検索されたすべての情報保存装置の処理負荷が前記基準値未満でなければ、前記基準値未満となるまで待機すること
    を特徴とする請求項3又は請求項4に記載の通信装置。
  6. 複数の通信装置により通信ネットワークを構築するとともに、前記複数の通信装置として、故障診断により発生した故障診断情報を保存しておくためにその故障診断情報の記憶を他の通信装置に要求する記憶要求装置と、故障診断情報を保存しておくことが可能な記憶媒体を有し、前記記憶要求装置から記憶を要求された故障診断情報を自己の有する記憶媒体に記憶する複数の情報保存装置と、を備える通信システムにおいて、前記情報保存装置として機能する通信装置であって、
    前記記憶要求装置から記憶を要求された故障診断情報を前記記憶媒体に記憶する仮記憶手段と、
    前記仮記憶手段により前記記憶媒体に記憶された故障診断情報を重複して記憶している他の情報保存装置を検索する検索手段と、
    前記検索手段により故障診断情報を重複して記憶している他の情報保存装置が検索された場合に、前記記憶媒体の空き容量が最も大きい情報保存装置のみにその故障診断情報が記憶されるように、不要な故障診断情報を消去するための処理を行う重複解消手段と、を備え
    前記重複解消手段は、通信トラフィックの負荷が所定の基準値以下であることを条件として、不要な故障診断情報を消去するための処理を行うこと
    を特徴とする通信装置。
  7. 前記重複解消手段は、前記記憶媒体の空き容量が最も大きい情報保存装置として空き容量が同一のものが複数存在する場合に、優先順位の最も高い情報保存装置を空き容量が最も大きいものとみなすこと
    を特徴とする請求項1から請求項までのいずれか1項に記載の通信装置。
  8. 前記重複解消手段は、前記検索手段による検索が他の情報保存装置により重複して行われている場合には、優先順位の最も高い情報保存装置による検索のみを有効にし、他の検索を無効にするための処理を行うこと
    を特徴とする請求項1から請求項までのいずれか1項に記載の通信装置。
  9. 前記優先順位は、前記複数の情報保存装置の識別子に基づき決められること
    を特徴とする請求項又は請求項に記載の通信装置。
  10. 前記優先順位は、処理負荷が低い状態の情報保存装置ほど高くなるように決められること
    を特徴とする請求項又は請求項に記載の通信装置。
  11. 前記優先順位は、前記記憶媒体の静的容量の大きさに基づき決められること
    を特徴とする請求項又は請求項に記載の通信装置。
  12. 複数の通信装置により通信ネットワークを構築するとともに、前記複数の通信装置として、故障診断により発生した故障診断情報を保存しておくためにその故障診断情報の記憶を他の通信装置に要求する記憶要求装置と、故障診断情報を保存しておくことが可能な記憶媒体を有し、前記記憶要求装置から記憶を要求された故障診断情報を自己の有する記憶媒体に記憶する複数の情報保存装置と、を備える通信システムにおいて、前記情報保存装置として機能する通信装置であって、
    前記記憶要求装置から記憶を要求された故障診断情報を前記記憶媒体に記憶する仮記憶手段と、
    前記仮記憶手段により前記記憶媒体に記憶された故障診断情報を重複して記憶している他の情報保存装置を検索する検索手段と、
    前記検索手段により故障診断情報を重複して記憶している他の情報保存装置が検索された場合に、前記記憶媒体の空き容量が最も大きい情報保存装置のみにその故障診断情報が記憶されるように、不要な故障診断情報を消去するための処理を行う重複解消手段と、を備え
    前記重複解消手段は、前記記憶媒体の空き容量が最も大きい情報保存装置として空き容量が同一のものが複数存在する場合に、優先順位の最も高い情報保存装置を空き容量が最も大きいものとみなし、
    前記優先順位は、処理負荷が低い状態の情報保存装置ほど高くなるように決められること
    を特徴とする通信装置。
  13. 前記重複解消手段は、前記検索手段による検索が他の情報保存装置により重複して行われている場合には、優先順位の最も高い情報保存装置による検索のみを有効にし、他の検索を無効にするための処理を行うこと
    を特徴とする請求項12に記載の通信装置。
  14. 前記仮記憶手段は、前記記憶媒体の空き容量が、前記記憶要求装置から記憶を要求された故障診断情報の記憶を許容する判定基準値以上であることを条件として、その故障診断情報を前記記憶媒体に記憶させること
    を特徴とする請求項1から請求項13までのいずれか1項に記載の通信装置。
  15. 前記記憶要求装置は、故障診断情報の記憶を許容する記憶媒体の種別を指定してその故障診断情報の記憶を要求し、
    前記仮記憶手段は、前記記憶媒体が前記記憶要求装置から指定された種別のものであることを条件として、記憶を要求された故障診断情報をその記憶媒体に記憶させること
    を特徴とする請求項1から請求項14までのいずれか1項に記載の通信装置。
  16. 当該通信装置は、車両に搭載される電子制御装置であり、前記車両のイグニッションスイッチのオフ状態においてもバッテリから電力が供給されて作動すること
    を特徴とする請求項1から請求項15までのいずれか1項に記載の通信装置。
  17. 前記記憶要求装置は、前記通信システムに接続された外部装置から故障診断情報を要求された場合に、その故障診断情報の前記外部装置への送信を複数の情報保存装置に要求し、
    前記記憶要求装置から外部装置への送信を要求された故障診断情報が前記記憶媒体に記憶されている場合に、その故障診断情報を前記外部装置へ送信する故障情報送信手段を備えること
    を特徴とする請求項1から請求項16までのいずれか1項に記載の通信装置。
  18. 複数の通信装置により通信ネットワークを構築するとともに、前記複数の通信装置として、
    故障診断により発生した故障診断情報を保存しておくためにその故障診断情報の記憶を他の通信装置に要求する記憶要求装置と、
    故障診断情報を保存しておくことが可能な記憶媒体を有し、前記記憶要求装置から記憶を要求された故障診断情報を自己の有する記憶媒体に記憶する複数の情報保存装置と、
    を備える通信システムであって、
    前記記憶要求装置は、故障診断により発生した故障診断情報の記憶を複数の情報保存装置に要求する記憶要求手段を備え、
    前記情報保存装置として、請求項1から請求項16までのいずれか1項に記載の通信装置を備えること
    を特徴とする通信システム。
  19. 前記記憶要求装置は、前記記憶要求手段による要求が行われた直後にその故障診断情報を自己のメモリから消去する消去手段を備えること
    を特徴とする請求項18に記載の通信システム。
  20. 前記記憶要求装置は、当該通信システムに接続された外部装置から故障診断情報を要求された場合に、その故障診断情報の前記外部装置への送信を複数の情報保存装置に要求する送信要求手段を備え、
    前記情報保存装置は、前記記憶要求装置から外部装置への送信を要求された故障診断情報が前記記憶媒体に記憶されている場合に、その故障診断情報を前記外部装置へ送信する故障情報送信手段を備えること
    を特徴とする請求項18又は請求項19に記載の通信システム。
  21. 前記記憶要求装置は、前記送信要求手段により故障診断情報の前記外部装置への送信を複数の情報保存装置に要求した後、所定時間が経過しても前記情報保存装置から前記外部装置への故障診断情報の送信が行われない場合に、故障診断情報が存在しないことを前記外部装置へ応答する不存在応答手段を備えること
    を特徴とする請求項20に記載の通信システム。
  22. 複数の通信装置により通信ネットワークを構築するとともに、前記複数の通信装置として、故障診断により発生した故障診断情報を保存しておくためにその故障診断情報の記憶を他の通信装置に要求する記憶要求装置と、故障診断情報を保存しておくことが可能な記憶媒体を有し、前記記憶要求装置から記憶を要求された故障診断情報を自己の有する記憶媒体に記憶する複数の情報保存装置と、を備える通信システムであって、
    前記記憶要求装置は、
    故障診断により発生した故障診断情報の記憶を前記複数の情報保存装置に要求する記憶要求手段と、
    当該通信システムに接続された外部装置から故障診断情報を要求された場合に、その故障診断情報の前記外部装置への送信を前記複数の情報保存装置に要求する送信要求手段と、
    前記送信要求手段により故障診断情報の前記外部装置への送信を前記複数の情報保存装置に要求した後、所定時間が経過しても前記情報保存装置から前記外部装置への故障診断情報の送信が行われない場合に、故障診断情報が存在しないことを前記外部装置へ応答する不存在応答手段と、を備え、
    前記情報保存装置は、
    前記記憶要求装置から記憶を要求された故障診断情報を前記記憶媒体に記憶する仮記憶手段と、
    前記仮記憶手段により前記記憶媒体に記憶された故障診断情報を重複して記憶している他の情報保存装置を検索する検索手段と、
    前記検索手段により故障診断情報を重複して記憶している他の情報保存装置が検索された場合に、前記記憶媒体の空き容量が最も大きい情報保存装置のみにその故障診断情報が記憶されるように、不要な故障診断情報を消去するための処理を行う重複解消手段と、
    前記記憶要求装置から前記外部装置への送信を要求された故障診断情報が前記記憶媒体に記憶されている場合に、その故障診断情報を前記外部装置へ送信する故障情報送信手段と、を備えること
    を特徴とする通信システム
  23. 前記仮記憶手段は、前記記憶媒体の空き容量が、前記記憶要求装置から記憶を要求された故障診断情報の記憶を許容する判定基準値以上であることを条件として、その故障診断情報を前記記憶媒体に記憶させること
    を特徴とする請求項22に記載の通信システム
  24. 前記記憶要求装置は、故障診断情報の記憶を許容する記憶媒体の種別を指定してその故障診断情報の記憶を要求し、
    前記仮記憶手段は、前記記憶媒体が前記記憶要求装置から指定された種別のものであることを条件として、記憶を要求された故障診断情報をその記憶媒体に記憶させること
    を特徴とする請求項22又は請求項23に記載の通信システム
  25. 前記情報保存装置は、車両に搭載される電子制御装置であり、前記車両のイグニッションスイッチのオフ状態においてもバッテリから電力が供給されて作動すること
    を特徴とする請求項22から請求項24までのいずれか1項に記載の通信システム
  26. 前記重複解消手段は、前記記憶媒体の空き容量が最も大きい情報保存装置として空き容量が同一のものが複数存在する場合に、優先順位の最も高い情報保存装置を空き容量が最も大きいものとみなすこと
    を特徴とする請求項22から請求項25までのいずれか1項に記載の通信システム
  27. 前記重複解消手段は、前記検索手段による検索が他の情報保存装置により重複して行われている場合には、優先順位の最も高い情報保存装置による検索のみを有効にし、他の検索を無効にするための処理を行うこと
    を特徴とする請求項22から請求項26までのいずれか1項に記載の通信システム
  28. 前記優先順位は、前記複数の情報保存装置の識別子に基づき決められること
    を特徴とする請求項26又は請求項27に記載の通信システム
  29. 前記優先順位は、前記記憶媒体の静的容量の大きさに基づき決められること
    を特徴とする請求項26又は請求項27に記載の通信システム
  30. 前記記憶要求装置は、前記記憶要求手段による要求が行われた直後にその故障診断情報を自己のメモリから消去する消去手段を備えること
    を特徴とする請求項22から請求項29までのいずれか1項に記載の通信システム。
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