JP5391606B2 - 溶接性に優れた高強度冷延鋼板およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、鉄道車両、自動車、船舶などの構造体に用いるのに適した加工性と溶接性を兼ね備えた高強度冷延鋼板、特に、引張強度TSが440MPa以上の高強度冷延鋼板およびその製造方法に関する。
製鋼プロセスにおける脱ガス技術の進歩により、鋼中のC量を0.0030質量%以下まで低減した極低炭素鋼が比較的安価に大量に製造できるようになり、それにTiやNbなどの炭窒化物形成元素を添加して優れた加工性を付与した、いわゆるIF(Interstitial Free)鋼タイプの冷延鋼板が自動車部品や電気機器部品などに広く用いられるようになっている。そのため、種々のIF鋼タイプの冷延鋼板が開発されており、例えば、特許文献1や特許文献2には、TiやNbを添加したIF鋼に、さらにBを添加して耐二次加工脆性の向上を図った加工性に極めて優れた冷延鋼板が提案されている。また、特許文献3には、TiやNbを添加したIF鋼に、さらにNiを添加して優れたロウ付け溶接性を付与した深絞り加工用薄鋼板が開示されている。
一方、近年、自動車用鋼板においては、車体の軽量化や衝突安全性の観点から高強度化が図られており、また、工程の短縮化や金型数の削減などを目的に、板厚や特性が異なる2つ(または2種類)以上の鋼板を溶接して一体化したテーラードブランク材が用いられるようになっている。そのため、優れた加工性と溶接性を兼ね備えた高強度鋼板、特に、TSが440MPa以上の高強度冷延鋼板に対する要望が強くなっている。
加工性に関しては、上記したようなIF鋼タイプの冷延鋼板が望まれるが、IF鋼タイプの冷延鋼板を用いたテーラードブランク材の溶接性については、ほとんど検討されていない。テーラードブランク材の溶接性については、特許文献4に、板厚が異なる鋼板を、設備費が安価で、高速溶接が可能で、しかも溶接材料を使用しないプラズマ溶接によりテーラードブランク材を製造する方法において、板厚の厚い側の鋼板のC量を0.1質量%以上にしたり、Si量を0.8質量%以上にして、ハンピングビードという溶接欠陥の発生を防止する方法が提案されている。
特開昭61-246344号公報 特開平1-149943号公報 特開平2-232342号公報 特開2003-94170号公報
しかしながら、特許文献4に記載のテーラードブランク材の製造方法では、少なくとも一方の鋼板のC量を0.1質量%以上あるいはSi量を0.8質量%以上とする必要があり、テーラードブランク材の加工性が著しく劣るという問題がある。
特に、プラズマアーク溶接は、溶接速度が速くなるとハンピングビードが形成されやすくなるため、溶接速度の高速化(生産性の改善)が難しいという問題に対して、本発明では、これを達成するために母材(溶接素材)を改善することにより、溶接の高速化を達成することを課題とする。
すなわち、本発明は、高速でプラズマ溶接を行ってもハンピングビードが発生せず、かつテーラードブランク材の加工性の劣化を招くことのないTSが440MPa以上の溶接性に優れた高強度冷延鋼板およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、プラズマ溶接の高速化を行ってもハンピングビードが発生せず、かつテーラードブランク材の加工性の劣化を招くことのないTSが440MPa以上の高強度冷延鋼板の加工性と溶接性について鋭意検討を行った結果、以下の知見を見出した。
i) IF鋼にCuを添加することで高速プラズマ溶接時のハンピングビード発生を抑制し、さらに適切な範囲に鋼中O量を規定することにより高速プラズマ溶接時のハンピングビードの発生をよりいっそう防止できる。
ii) C量を0.005質量%以下とし、Tiを添加してIF鋼とし、かつフェライト単相の組織にすることによりテーラードブランク材としても優れた加工性が得られる。
本発明は、以上の知見に基づきなされたもので、質量%で、C:0.0005〜0.005%、Si:0.1〜1.0%、Mn:1〜2.5%、P:0.01〜0.2%、S:0.015%以下、sol.Al:0.05%以下、N:0.007%以下、Ti:0.01〜0.1%、B:0.0005〜0.0020%、Cu:0.05〜0.12%、Ni:0.03〜0.5%を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有し、かつフェライト単相からなる組織を有することを特徴とする引張強度が440MPa以上の溶接性に優れた高強度冷延鋼板を提供する。
本発明の高強度冷延鋼板は、さらに、0.25×[Cu]≦[Ni]≦0.75×[Cu]を満足することが好ましい。ただし、[Cu]はCu量(質量%)、[Ni]はNi量(質量%)とする。さらに、質量%で、O:0.0025〜0.0080%を含有することが好ましい。さらに、質量%で、Se:0.0005〜0.01%を含有することが好ましい。
本発明の高強度冷延鋼板は、上記のような組成を有するスラブを、熱間圧延後、680℃以下の巻取温度で巻取り、酸洗後、圧下率40%以上で冷間圧延し、引続き700〜850℃の温度範囲で再結晶焼鈍を施す方法により製造できる。
本発明により、プラズマ溶接の高速化を行ってもハンピングビードが発生せず、かつテーラードブランク材の加工性の劣化を招くことのないTSが440MPa以上の溶接性に優れた高強度冷延鋼板を製造できるようになった。また、本発明の高強度冷延鋼板は、優れた加工性を備えているため、自動車部品のみならず電気機器部品などにも好適である。
以下に、本発明の詳細を説明する。なお、成分元素の量を表す%は、特に断らない限り質量%を意味する。
1) 組成
C:0.0005〜0.005%
C量が0.0005%未満だと、製鋼段階での脱炭精錬の負荷が高くなる(真空脱ガスなどコスト増も招く)。また、C量が0.005%を超えると加工性の劣化を招く。したがって、C量は0.0005〜0.005%とする。好ましくは、C量を0.003%以下とする。
Si:0.1〜1.0%
Siは、鋼の高強度化に有効な元素である。そうした効果を得るには、Si量は0.1%以上とする必要がある。しかしながら、Si量が1.0%を超えるとフェライトの脆化を招き、強度-延性バランスを損なう。したがって、Si量は0.1〜1.0%とする。好ましくは、Si量を0.7%以下とする。
Mn:1〜2.5%
Mnは、鋼の高強度化に有効な元素である。そうした効果を得るには、Mn量は1%以上とする必要がある。しかしながら、Mn量が2.5%を超えると、スラブ中の中心偏析を助長したり、最終製品の加工性を劣化させるなどの問題がある。したがって、Mn量は1〜2.5%とする。なお、FeS生成による熱間脆性を防止する観点から、Mnは鋼中の固溶Sと結合し、MnSを形成させる目的で、Mn量を[Mn]、S量を[S]としたとき、([Mn]/55)/([S]/32)>100を満足させることが好ましい。
P:0.01〜0.2%
Pは、鋼の高強度化に有効な元素である。そうした効果を得るには、P量は0.01%以上とする必要がある。しかしながら、P量が0.2%を超えるとHAZ部における粒界破壊の懸念や母材や溶接部の低温靭性の劣化を招くのみならず、粒界偏析して耐衝撃性の劣化を招く。したがって、P量は0.01〜0.2%とする。
S:0.015%以下
S量が0.015%を超えると、Pと同様、母材や溶接部の低温靭性の劣化を招く。したがって、S量は0.015%以下とし、少ないほど好ましい。なお、上記のように、([Mn]/55)/([S]/32)>100を満足させることが好ましい。
sol.Al:0.05%以下
Alは通常製鋼段階での脱酸元素として利用されるが、本発明では、酸素を特定範囲にコントロールするため、sol.Al量は0.05%以下とする。sol.Al量が0.05%を超えると、Al2O3が多くなり、加工性を劣化させる他、介在物が溶接割れの起点となり得るなど好ましくない。したがって、sol.Al量は0.05%以下とする。
N:0.007%以下
N量が0.007%を超えると加工性や耐時効性の劣化を招く。したがって、N量は0.007%以下とするが、少ないほど好ましい。
Ti:0.01〜0.1%
Tiは、CやNと析出物を形成して加工性や耐時効性を向上させる。そうした効果を得るには、Ti量は0.01%以上とする必要がある。しかしながら、Ti量が0.1%を超えると、合金コストの増加をもたらす。したがって、Ti量は0.01〜0.1%とする。なお、次に述べるBの効果を有効に発揮させるには、Ti量を[Ti]、N量を[N]としたとき、[N]-(14/48)[Ti]≦0を満足させることが好ましい。
B:0.0005〜0.0020%
Bは、固溶状態で存在すると耐二次加工脆性を向上させる。そうした効果を得るには、B量は0.0005%以上とする必要がある。しかしながら、B量が0.0020%を超えると溶接割れを助長する。したがって、B量は0.0005〜0.0020%とする。
Cu:0.05〜0.5%
Cuは、加工性を劣化させずに高強度化を図れるとともに、高速プラズマ溶接時のハンピングビードの発生を防止するのに効果的な元素である。特に、後述する範囲の鋼中Oとの共存下で効果が高まる。そうした効果を得るには、Cu量は0.05%以上とする必要がある。しかしながら、Cu量が0.5%を超えるとその効果は飽和するとともに、表面性状の著しい悪化を招く。したがって、Cu量は0.05〜0.5%とする。なお、CuとOとの共存下で高速プラズマ溶接時のハンピングビードの発生を防止できる理由は、必ずしも明確ではないが、溶接時に溶融した鋼の粘性が適正化され、溶鋼の流動性が改善されるためと考えられる。
Ni:0.03〜0.5%
Cuの含有量を上記のようにすると、表面性状が悪化しやすくなる。それを防ぐ目的で、0.03%以上のNiを添加する必要がある。しかしながら、Ni量が0.5%を超えるとその効果は飽和する。したがって、Ni量は0.03〜0.5%とする。なお、Ni量を[Ni]、Cu量を[Cu]としたとき、0.25×[Cu]≦[Ni]≦0.75×[Cu]を満足させることが好ましい。
残部はFeおよび不可避的不純物であるが、さらに、以下の理由で、O:0.0025〜0.0080%や、Se:0.0005〜0.01%およびTe:0.0005〜0.01%のうちの少なくとも1種が含有されることが好ましい。
O:0.0025〜0.0080%
上述したように、Cuとの共存下で高速プラズマ溶接時のハンピングビードの発生をさらに抑制できる。Cuとの共存下で、おそらく溶接時の溶鋼の粘性・表面張力がさらに適正化されたものと考えられる。そうした効果を得るには、鋼中O量は0.0025%以上とする必要がある。より好ましくは、0.0040%以上とする。しかしながら、その量が0.0080%を超えると、その効果が飽和する他、連続鋳造スラブのブローホールが多くなりスラブ表面の手入れコストが増大したり、介在物が増加して鋼板の加工性を劣化させる悪影響が出る。
Se:0.0005〜0.01%、Te:0.0005〜0.01%
Se、Teは、Oと同様に、Cuとの共存下で溶接時の溶鋼の粘性・表面張力を適正化し、高速プラズマ溶接時のハンピングビードの発生を防止する。そうした効果を得るには、SeやTe量は0.0005%以上とする必要がある。しかしながら、SeやTe量が0.01%を超えるとその効果は飽和する。
2) 組織
加工性の観点から、フェライト単相の組織とする必要がある。ここで、フェライト単相とはポリゴナルフェライト相、ベイニチックフェライト相のいずれでもよく、両者が混在していてもよい。なお、440MPaのTSを確保するとともに溶接部の極端な軟化を防止するため、フェライト相の平均粒径は50μm以下であることが好ましい。
3) 製造条件
本発明の高強度冷延鋼板は、上記のような組成を有するスラブを、熱間圧延後、680℃以下の巻取温度で巻取り、酸洗後、圧下率40%以上で冷間圧延し、引続き700〜850℃の温度範囲で再結晶焼鈍を施す方法により製造できる。
熱間圧延後の巻取温度:680℃以下
巻取温度が680℃を超えるとFeやTiなどとPの化合物ができやすく、その後の冷間圧延-焼鈍時に深絞り加工性に好ましい{111}集合組織の発達を阻害する。したがって、巻取温度は680℃以下とする。より好ましくは650℃以下とする。
冷間圧延の圧下率:40%以上
加工性の観点から、圧下率は40%以上とする。成形性、とくに深絞り性向上の観点からは圧下率は50%以上とすることが好ましい。
再結晶焼鈍温度:700〜850℃
再結晶させるために、焼鈍温度は700℃以上とする必要があるが、850℃を超えるとフェライト粒が粗大化し、強度低下や表面性状の悪化を招く。したがって、再結晶焼鈍温度は700〜850℃とする。十分に再結晶させる観点からは、750℃以上の温度域で30秒以上保持することが好ましい。
その他の製造条件は、通常の方法を適用できる。すなわち、転炉または電気炉で鋼を溶製し、連続鋳造してスラブとする。また、スラブを熱間圧延するには、加熱後圧延する方法、加熱することなく直接圧延する方法、短時間加熱処理を施して圧延する方法などで行える。熱間圧延は、常法にしたがってAr3変態点以上の仕上温度で圧延すればよい。再結晶焼鈍は、箱焼鈍法、連続焼鈍法いずれでも行える。焼鈍後は、表面粗度の調整、板形状の平坦化などを目的にしたスキンパス圧延を行える。また、その後、化成処理、めっき処理などの表面処理を施すことも可能である。
表1に示すCu、O、Seを含有する基本組成0.002%C-0.2%Si-1.8%Mn-0.05%P-0.005%S
-0.02%sol.Al-0.003%N-0.04%Ti-0.0010%Bの鋼No.1〜7を真空溶解法で溶製し、1200℃で1hr加熱後、粗圧延を行って板厚35mmのシートバーを作製した。このシートバーを1250℃で1hr加熱後、7パスで最終圧延入側温度が900℃となるように仕上圧延を行い、580℃で1hrの巻取り相当熱処理を行って板厚4mmの熱延板とした。この熱延板を酸洗によってスケール除去し、圧下率60%で冷間圧延を行って板厚1.6mmの冷延板とし、ソルトバスを用いて830℃で180sec加熱後10℃/secの冷却速度で冷却する再結晶焼鈍を行い、ついで鋼板表面に付着したソルトを除去するための酸洗を行ったのち、伸張率0.5%のスキンパス圧延を施した。
そして、同一組成の鋼板同士を、溶接電流:60A、プラズマ用Arガス流量:0.6L/min、シールド用Arガス流量:10L/min、ノズル径:2.0mmφ、ノズル-試料間距離:3mmの条件を一定にし、溶接速度を0.2〜1.4m/minで変えてプラズマ溶接を行い、ハンピングビードの発生の有(×)無(○)を調査した。
結果を表1に示す。
従来のプラズマ溶接ではハンピングビードを発生せずに溶接できる限界速度が0.2〜0.4m/min程度であったのに対し、本発明であるCuを含有する試料(鋼No.3)は、1m/minの高速な溶接速度にしても、さらにOやSeを含有する試料(鋼No.4〜7)は、1m/min以上の高速な溶接速度にしてもハンピングビードが発生せず、高速プラズマ溶接性に優れていることがわかる。
Figure 0005391606
表2に示す成分組成の鋼No.A〜Fを溶製し、連続鋳造によりスラブとした後、1200℃で加熱後、900℃の仕上温度で仕上圧延を行い、580℃の巻取温度で巻取って、板厚6mmと4mmの熱延板とした。この熱延板を酸洗後、圧下率60%で冷間圧延を行って板厚2.4mmと1.6mmの冷延板とし、焼鈍温度830℃で連続焼鈍し、伸張率0.5%のスキンパス圧延を施した。
そして、同一組成の鋼板同士を、表3に示す板厚の組合わせで、溶接電流:60A、プラズマ用Arガス流量:0.6L/min、シールド用Arガス流量:10L/min、ノズル径:2.0mmφ、ノズル-試料間距離:3mm、溶接速度:1m/minの条件でプラズマ溶接を行い、ハンピングビードの発生の有(×)無(○)を調査した。また、得られた鋼板の圧延方向に直角な方向のTSや全伸びEl、および平均r値をJIS 5号試験片を用いて調査した。
結果を表3に示す。本発明例の成分組成を有する鋼板では、440MPa以上のTSが得られ、加工性にも優れ、高速プラズマ溶接時にハンピングビードが発生しないことがわかる。
Figure 0005391606
Figure 0005391606

Claims (5)

  1. 質量%で、C:0.0005〜0.005%、Si:0.1〜1.0%、Mn:1〜2.5%、P:0.01〜0.2%、S:0.015%以下、sol.Al:0.05%以下、N:0.007%以下、Ti:0.01〜0.1%、B:0.0005〜0.0020%、Cu:0.05〜0.12%、Ni:0.03〜0.5%を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有し、かつフェライト単相からなる組織を有することを特徴とする引張強度が440MPa以上の溶接性に優れた高強度冷延鋼板。
  2. さらに、0.25×[Cu]≦[Ni]≦0.75×[Cu]を満足することを特徴とする請求項1に記載の引張強度が440MPa以上の溶接性に優れた高強度冷延鋼板。ただし、[Cu]はCu量(質量%)、[Ni]はNi量(質量%)とする。
  3. さらに、質量%で、O:0.0025〜0.0080%を含有する組成を有することを特徴とする請求項1または2に記載の引張強度が440MPa以上の溶接性に優れた高強度冷延鋼板。
  4. さらに、質量%で、Se:0.0005〜0.01%を含有する組成を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の引張強度が440MPa以上の溶接性に優れた高強度冷延鋼板。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成を有するスラブを、熱間圧延後、680℃以下の巻取温度で巻取り、酸洗後、圧下率40%以上で冷間圧延し、引続き700〜850℃の温度範囲で再結晶焼鈍を施すことを特徴とする引張強度が440MPa以上の溶接性に優れた高強度冷延鋼板の製造方法。
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