JP5390190B2 - 第１および第２家具部分を有する家具アイテム - Google Patents

Description

本発明は、少なくとも第１および第２家具部分を有し、そのうちの一方の家具部分が定置的に、かつ他方の家具部分が移動可能に家具カーカスに取り付けられ、それらが相互に対して移動可能であり、また可動家具部分を閉端位置から開位置に移動させるために第１家具部分に配置されたロック可能なイジェクト装置、および第２家具部分に配置されて、可動家具部分の開閉経路の少なくとも一部分でイジェクト装置と係合する係合要素を有する、家具アイテムに関する。

可動家具部分と、可動家具部分を閉端位置から開位置に移動させるためのロック可能なイジェクト装置とを備えた家具アイテムは、それ自体公知である。これらの構成では、ロック可能なイジェクト装置は、取手金具が存在しなくても前面パネルの後部を把持して、引出しを開けることが少なくとも可能になる程度に、取手の無い可動家具部分を開くことを可能にする。その場合、イジェクト装置のロック解除は、例えばボタンを用いて達成することができ、またはタッチラッチ金具と呼ばれるものの場合、可動家具部分を閉じる方向へ圧力を前面パネルに加えることによって達成することができる。

その場合、引出しが閉位置の状態で引出しの前面パネルの内側と家具アイテムのカーカス壁の前端面との間に存在するフロントギャップを調整することができるようにするために、タッチラッチ機構の形を取り、かつ延長ガイドシステムに組み込まれた開閉装置の収容体を、長手方向に変位可能であると共に、選択可能な長手方向の調整位置に固定可能であるように形成することが、さらにＤＥ２０ ２００４ ０１９７３８Ｕ１から公知である。

本発明の目的は、一方ではフロントギャップの複雑でない改変を可能にし、かつ他方では構造的に単純な調整機構を有する、記載の一般的種類の家具アイテムを提供することである。

本発明によると、その目的は、第１家具部分に対して好ましくは直線的に変位可能な第２家具部分に係合要素が取り付けられることから達成される。

本発明に従って、今では、フロントギャップを適応させるために、例えばフックまたはピンの形を取ることのできる係合要素の位置を変化させるだけでよいという事実は、それ自体がすでに高精度の調整を要求している開閉機構を、特にそれがタッチラッチ機構の形を取る場合、変化させずに維持することができるので、現状技術と比較して、より容易に調整できるより安定した構造をもたらす。

その点に関して、可動家具部分が開位置の状態で、可動家具部分を家具のカーカスから取り外す必要なく、この場合可動家具部分に配置された係合要素の位置を容易に変化させることができるように、第１家具部分を家具アイテムのカーカスに定置的に取り付けることが好ましい。

係合要素付きの第２家具部分を家具アイテムのカーカスに定置的に取り付けることも可能であることは理解されるであろう。その場合には、この場合可動である第１家具部分が開位置のときに、係合要素へのアクセスが可能であるように、係合要素が配置されることに留意されたい。

本発明のさらなる実施形態に従って、係合要素が、変位装置によって調整可能に変位可能に第２家具部分に取り付けられた場合、係合要素の位置は特に容易に変化させることができる。その場合に変位装置は、第２家具部分に配置される収容体であって、その中に係合要素が可動家具部分の開閉方向に移動可能に取り付けて成る収容体を有すると、望ましいことが判明している。収容体内に係合要素を配置するおかげで、収容体は言わば係合要素のためのガイドとして働き、それによって、第２家具部分を操作することなく、第１家具部分に対する係合要素の位置の変化を達成することができる。

本発明の好適な実施形態では、その点に関して、好ましくはセルフロック変位装置が回転運動を直進運動に変換するように形成され、螺旋状摺動ガイドを有する回転自在に取り付けられた作動要素が、直線運動可能な係合要素に作動的に接続され、係合要素に簡単にアクセスできるように、作動要素の回転軸が係合要素の移動方向に対し略直角の角度を含むと望ましいことが判明している。一方で変位装置の快適な操作が可能になり、他方で、セルフロックの性質を持つ係合要素の場合、それはひとたび設定されると、さらなる補助なしに任意の位置に維持され、係合要素の無段の長手方向の変位が確実になる。ロック可能なイジェクト装置は、別個の接触装置または押しボタンによって解除することが基本的に考えられるが、本発明の好適な、特に操作性の良い実施形態は、ロック可能なイジェクト装置がタッチラッチ機構の形を取るように構成される。

その点に関して、構造的に特に単純な解決によると、ロック可能なイジェクト装置は収容体内に配置され、かつ収容体内に移動可能に取り付けられた受容要素を有し、該受容要素は第２家具部分に配置された係合要素と係合するように適応され、収容体内の可動の受容要素の移動方向は、可動家具部分の開閉方向に対して０°より大きい角度、好ましくは２゜から１５゜の間の角度を含むことが望ましいことが判明している。

換言すると、ロック可能なイジェクト装置の受容要素は、斜めに延びる直線状のガイド経路内を案内され、経路の１端でそれは係合要素と係合する一方、他端でそれは係合要素との係合が解除される。そのようにして、湾曲したまたはハート形のガイドが現状技術から公知の通り摺動し、その結果、材料の高い摩耗率は必然的に回避される
本発明のさらなる詳細および利点について、例証として図面に示す実施形態に関連する具体的な説明に基づき、より詳細に説明する。

図１ａないし１ｃは、カーカスレールの形の第１家具部分３、引出しレールの形の第２家具部分４、および第１家具部分３と第２家具部分４との間に配置された中間レール１５を含む、引出し用の延長ガイド１７を示す。延長ガイド１７は、第１家具部分３によって定置的に家具アイテムのカーカス（図示せず）に取り付けられる。ロック可能なイジェクト装置５の収容体６は、取付け板１２（図１ｂ）によって第１家具部分３に固定される。第１家具部分３に対して相対的に移動可能な第２家具部分４に配置されるのは、係合要素８が変位装置９の収容体１０内で、より詳しくは作動要素１１によって直線的に調整可能に変位可能となるような仕方で、ロック可能なイジェクト装置５の受容要素７（図１ｃ）と係合するように適応された係合要素８である。

係合要素８の直線変位性は、図２ａおよび２ｂに示すように、引出し１３の前面パネル１８と家具カーカスとの間のフロントギャップを調整できるようにすることに役立つ。

図２ａから、前面パネル１８を持つ引出し１３は、固定装置１４によって第２可動家具部分４に固定されることが分かる。図示した実施形態では、第２可動家具部分４は引出しレールを形成し、その上に係合要素８が、変位装置９の収容体１０内で直線移動可能な状態に取り付けられる。第２可動家具部分４は、第１家具部分３に対して相対的に移動可能に、中間レール１５を介在して第１家具部分３に接続される。図示した実施形態では、第１家具部分３は、家具アイテム１のカーカス２に定置的に配置されたカーカスレールによって形成される。ロック可能なイジェクト装置５は、固定板１２によって第１家具部分３に固定される。

図３および４に示すように、フロントギャップを変更するために、変位装置９の作動要素１１は適切な工具１６、この例ではねじ回しによって作動され、それによって係合要素８の位置は開閉方向ＯＲに変更される。図２ａに示した位置から、係合装置の作動要素１１は左方向に回転され、それによって係合要素８もまた左方向に、すなわち変位装置９の収容体１０（図２ｂ）内にさらに移動する。係合要素８のその直線変位は、第１定置家具部分３に対する第２可動家具部分４の相対位置をも変化させ、係合要素８がロック可能なイジェクト装置の受容要素７と係合すると、図２ｂに示すフロントギャップｘ’は、係合要素８の直線移動の大きさだけ、図２ａに示すフロントギャップｘより小さくなる。引出し１３の後端の中間レール１５の後端からの間隔ｄは、同じ量だけ短くなり、図２ｂに示す間隔ｄ’になる。

図５ａおよび５ｂは、係合要素８が２つの異なる位置にある変位装置９を詳細に示す。この例では、係合要素８は移動方向Ｌに直線移動可能に収容体１０内に取り付けられ、回転軸Ｒを中心に回転可能な作動要素１１に作動的に接続される。作動要素１１は係合要素８側に、係合要素８の歯配列に係合する螺旋状の摺動ガイドを有する。その配列により、作動要素１１の回転軸Ｒを中心とする回転運動は、係合要素８の移動方向Ｌの直進運動に変換される。回転軸Ｒは、図示した実施形態では移動方向Ｌに対して略直角の角度を含む。螺旋状摺動ガイドの反対側で、作動要素１１は工具１６と係合するように適応される。

今、図５ａに示す位置から、作動要素１１がその回転軸Ｒを中心に工具１６によって回転されると、係合要素８は右方向に、変位装置９の収容体１０内にさらに移動し、それによって係合要素８のアバットメント１９と収容体１０との間の間隔ｙ（図５ａ）は、図５ｂに示す間隔ｙ’まで減少する。その点に関して、アバットメント１９と収容体１０との間の間隔が変化する量は、前面パネル１８と家具のカーカス２との間のフロントギャップが変化する量と一致する。

変位装置９の作動要素１１を、係合要素８の面に対して斜めに延びる面内に配置することは、係合要素８の歯配列が作動要素１１の螺旋状摺動ガイドから離れることができず、それにより係合要素８の移動方向Ｌのより長い変位行程がもたらされるという利点を有する。

フロントギャップの調整のための家具アイテムのカーカスに対する可動家具部分の奥行き方向の変位の図示した実施形態は明らかに、限定的な意味に解釈されるべきではなく、フロントギャップの調整機構を持つ家具アイテムの本発明の概念を実施する多数の可能な方法の個別の実施例としてのみ解釈されるべきである。

相互に対して移動可能である第１および第２家具部分の上から見た斜視図である。 図１ａに示した第１および第２家具部分の下から見た斜視図である。 図１に示した第１および第２家具部分の平面図である。 引出しが１つの位置にあるときの家具アイテムの一部分の底面図である。 引出しが図２ａとは異なる位置にあるときの家具アイテムの一部分の底面図である。 係合要素を変位させるための工具と共に図１の実施形態を示す斜視図である。 引出しが固定された状態の図３の実施形態の下から見た斜視図である。 係合要素が１つの位置にあるときの係合要素のための変位装置を示す斜視図である。 係合要素が別の位置にあるときの係合要素のための変位装置を示す斜視図である。

Claims (9)

1. 少なくとも第１および第２家具部分を有し、そのうちの前記第１家具部分（３）が定置的に、かつ前記第２家具部分（４）が移動可能に家具カーカスに取り付けられ、それらが相対的に移動可能であり、また前記可動な第２家具部分を閉端位置から開位置に移動させるために前記第１家具部分に配置されたロック可能なイジェクト装置（５）、および前記第２家具部分に配置されて、前記可動な第２家具部分の開閉経路の少なくとも一部分で前記イジェクト装置と係合する係合要素を有する家具アイテムであって、前記係合要素（８）が前記第１家具部分（３）に沿って直線的に変位可能に前記第２家具部分（４）に取り付けられることを特徴とする家具アイテム。
2. 前記係合要素（８）が変位装置（９）によって調整可能に変位可能であるように前記第２家具部分（４）に取り付けられることを特徴とする、請求項１に記載の家具アイテム。
3. 前記変位装置（９）が前記第２家具部分（４）に配置された収容体（１０）を有し、その中で前記係合要素（８）が前記可動な第２家具部分（４）の開閉方向（ＯＲ、ＳＲ）に変位可能に取り付けられることを特徴とする、請求項２に記載の家具アイテム。
4. セルフロック変位装置（９）が回転運動を直進運動に変換するように適応され、螺旋状摺動ガイドを有する回転自在に取り付けられた作動要素（１１）が、前記直線的に移動可能な係合要素（８）に作動的に接続されることを特徴とする、請求項２または３に記載の家具アイテム。
5. 前記作動要素（１１）の回転軸（Ｒ）が前記係合要素（８）の移動方向（２）に対し略直角の角度を含むことを特徴とする、請求項４に記載の家具アイテム。
6. 前記ロック可能なイジェクト装置（５）がタッチラッチ機構の形態を取ることを特徴とする、請求項１ないし５の１項に記載の家具アイテム。
7. 前記ロック可能なイジェクト装置（５）が収容体（６）内に配置され、かつ前記収容体（６）内に移動可能に取り付けられた受容要素（７）を有し、前記受容要素が前記第２家具部分（４）に配置された前記係合要素（８）と係合するように設けられていることを特徴とする、請求項１ないし６の１項に記載の家具アイテム。
8. 前記収容体（６）内の前記可動受容要素（７）の移動方向が、前記可動な第２家具部分（４）の開閉方向（ＯＲ、ＳＲ）に対して０゜より大きい角度を含むことを特徴とする、請求項７に記載の家具アイテム。
9. 前記収容体（６）内の前記可動受容要素（７）の移動方向が、前記可動な第２家具部分（４）の開閉方向（ＯＲ、ＳＲ）に対して２゜から１５゜の間の角度を含むことを特徴とする、請求項８に記載の家具アイテム。

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