JP5388961B2 - 回転電機 - Google Patents
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Description
図4において、冷却ガスが封入されたケーシング21内に、固定子22および回転子23が配置され、回転子23の中心の回転軸24の両端部側には、冷却ガスを軸心部から吸気し、径方向外周部に送出するファン25が装着されている。ケーシング21内は、冷却ガスを効率よく循環させるために適宜仕切板で仕切られて冷却ガスの循環路が形成されており、循環路の途中に冷却ガスを冷却するためのガス冷却器26が配置されている。
ファン25へ流入した冷却ガスは、通路Aからガス冷却器26を通過し、そこで冷却された冷却ガスが、固定子コイルエンド22aが収容された端部ガス空間B→空隙27と回転子のガス通路(図示せず)→固定子のガス通路22b→固定子外周のガス空間C→通路D→帰還路E→ファン25へと循環し、固定子22と回転子23とが冷却されるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
上記特許文献1の回転電機の場合、図4は模式的に表現されているのでメインリードが記載されていないが、メインリードが接続される固定子コイルエンドの部分では、メインリードが障害になり、図4の空間Cから帰還路Eへ移送される途中の通路Dを形成することができない。
従って、特許文献1に記載されたような従来の回転電機では、空間Cから帰還路Eへの冷却ガスの移動は、メインリードが導出されない側(メインリードがケーシングの上出しの場合はケーシングの下側、メインリードが下出しの場合はケーシングの上側)のみで行われることになり、メインリードが導出される側では、通路Dを構成できないため、ファンに帰還する冷却ガスがアンバランスとなる。
このように、ファンの上側から、もしくは下側からのみ冷却ガスが流れ込む場合、ファンから吐出される冷却ガスは一方に偏ってしまうため、ガス冷却器の下部のみ、または上部のみに冷却ガスが集中してしまい、ガス冷却器が十分に機能を発揮できず、冷却性能が低下してしまうという問題点があった。
以下、この発明の実施の形態1を図に基づいて説明する。図1は、回転電機の側面断面図である。なお、本実施の形態では、回転電機として全閉横型のタービン発電機を例に説明する。
発電機は、冷却ガスが封入されたケーシング1内に配設された固定子2と、固定子2の内周側に所定の間隙を介して配置された回転子3と、ケーシング1内に冷却ガスを循環させるファン4と、冷却ガスを冷却するガス冷却器5とを備えている。以下これらを順に説明する。
また、固定子コイル7の両端側の固定子コイルエンド7aの一方(図では左方)の下部側にはメインリード8が接続され、ケーシング1の外部に引き出されている。メインリード8は、発電された電力を固定子コイル7から取り出す導体である。
鉄心11と、回転子鉄心11の軸方向に形成したスロットに挿入された回転子コイル(図示せず)とで構成され、回転軸10の両端部が軸受12により回転自在に支持されている。また、上記スロット部及びコイル部には軸方向へ進み径方向に抜ける冷却ガスのガス通路(図示せず)が設けられている。
部分、すなわち、ケーシング1端部の平面断面図である。
図2,図3に示すように、ガス冷却器5は、ケーシング1の側面に設けられた、冷却室カバー13で密閉された冷却器室14に収容されて、ケーシング1の側面の開口部1aに縦長に取り付けられており、後述する冷却ガスのガス循環通路内に配置されている。ガス冷却器5に外部から冷却水を導入して内部の細管に循環させ、多数のフィンを介して熱交換されて冷却ガスが冷却されるようになっている。
ファン4の軸受12側を仕切板で仕切り、この仕切板とケーシング1とで形成される空間A(図中にアルファベットで示す。以下同様。なお、図4の符号とは対応せず)がファン4の吸気側空間となる。ファン4の回転子本体側と上下にも仕切板が設けられ、ファン4の周囲を囲む空間Bが形成されている。空間Bの側方、つまり図1で紙面に垂直方向にあるケーシング1の側面には、図3に示すように、ケーシング1に開口部1bが形成されており、冷却器室14に連通している。ガス冷却器5は、ケーシング1側面の開口部1aに取り付けられているので、冷却ガスは冷却室14からガス冷却器5を通過して固定子コイルエンド7a側に送出される。
上記のように、ファン4からの冷却ガスは、先ずガス冷却器5へ送出して冷却する方式を採用している。そして、ガス冷却器5で冷却された低温の冷却ガスを直近から固定子コイルエンド7a側へ送出している。
空間Cに流入した冷却ガスは、回転子3の内部に形成された図示しないガス通路と、固定子2内径部と回転子3外径部との間の間隙9とに流入し、固定子2の図示しないガス通路を通過して径方向に抜け、固定子2外周とケーシング1との間に形成された空間Dに送出される。その後、空間Dで両端側に分かれてケーシング1の端部方向に折り返して進み、空間Aへと帰還する循環経路が形成されている。
右側のファン4から送出される冷却ガスも同様(ほぼ対称)に形成された経路をたどって循環する。
一方、ケーシング1の下部左側は、固定子コイルエンド7aの一端側からメインリード8が導出しており、図2に示すように3相のメインリード8は、幅方向の空間を所定の幅で占有するので、上部側と同様の連絡通路を形成することができない。
もし、空間Dを空間Cに繋げば、回転子3と固定子2を通過して温度上昇した冷却ガスが固定子コイルエンド7aに触れることになり冷却効果が失われてしまう。
なお、本願の回転電機は、ガス冷却器5を固定子コイルエンド7a近傍のケーシング1の側面に配置しているため、メインリード8はガス冷却器5側には引き出せないので、空間Cの下部又は上部から導出される構造となる。
接続パイプ17は、図2に示すように、3相のメインリード8の間に交差させて所定の絶縁距離を保って配設されている。絶縁距離が確保できる範囲で、接続パイプ17の径を太くし、また、図2のように回転軸10の軸方向に見て、複数個の接続パイプ17を、中心に対して左右にほぼ均等に分散させて配置するのが望ましい。そうすることで、上部側の連絡通路15とのバランスが良くなる。
しかしながら、右側下部も左側下部と同様に接続パイプ17を設けて空間Dと空間Aとを接続すれば、冷却ガス通路の通風抵抗が、図1方向に見て、左右でほぼ同じになるため、左右のファン4から送り出される冷却ガスをほぼ均等に循環させることができる。
シングの上側、メインリード下出しの場合はケーシングの下側)にも、ファンに冷却ガスが流入し、ファンから吐出される冷却ガスが、ガス冷却器の上下方向分散して均等化され、広い範囲を通過することによって、ガス冷却器が冷却性能を十分に発揮できるため、冷却効率を向上させた回転電機を得ることができる。
2 固定子 3 回転子
4 ファン 5 ガス冷却器
6 固定子鉄心 7 固定子コイル
7a 固定子コイルエンド 8 メインリード
9 間隙 10 回転軸
11 回転子鉄心 12 軸受
13 冷却器室カバー 14 冷却器室
15 連絡通路 16 仕切板
17 接続パイプ
A ファンの吸気側空間
B ファンを囲む空間
C 固定子コイルエンド部を囲む空間
D 固定子外周とケーシングとの空間。
Claims (3)
- 冷却ガスが封入されたケーシング内に配設され、固定子鉄心と固定子コイルとを有する固定子と、前記固定子コイルの両端部の固定子コイルエンドの一端から前記ケーシングの外部に導出されたメインリードと、前記固定子の内周側に空隙を介して配置され、回転軸に装着された回転子鉄心及び回転子コイルを有する回転子と、前記回転軸の両端部近傍に装着され、前記回転子コイルの反対側を吸気側とし前記冷却ガスを軸心側から吸気して外周側に送出するファンと、前記固定子コイルエンドが位置する近傍の前記ケーシングの側面に設けられた冷却器室に収容されて前記ケーシングの側面の開口部に取り付けられたガス冷却器とを備え、
前記ファンの前記吸気側に設けられた空間Aから前記ファンにより吸気された前記冷却ガスが、前記ファンの周囲を囲む空間B→前記冷却器室→前記ガス冷却器→前記固定子コイルエンドを囲む空間C→前記回転子と前記固定子との間隙及び前記回転子と前記固定子に形成されたガス通路→前記固定子の外周と前記ケーシングとの空間D→前記空間Aと循環するガス循環通路が形成され、
前記メインリードは前記空間Cを通り前記ケーシングの外部に導出されており、
少なくとも前記メインリードが導出される部分は、前記空間Dと前記空間Aとが、前記空間Cを貫通し前記メインリードと所定の絶縁距離を保って配設された接続パイプで連絡されて、前記接続パイプが前記空間D→前記空間Aを繋ぐ循環通路となっていることを特徴とする回転電機。 - 請求項1に記載の回転電機において、
前記メインリードの導出側と同じケーシング面側にあって、前記メインリードが接続されない前記固定子コイルエンド側にある空間Dと空間Aとは、前記メインリードが導出される側と同様に、前記空間Dと前記空間Aとが前記接続パイプで連絡されており、前記メインリードの導出側の180度反対側のケーシング面側は、前記空間B及び前記空間Cの外側に形成された連絡通路で連絡されていることを特徴とする回転電機。 - 請求項1又は請求項2記載の回転電機において、
前記接続パイプは複数個で構成し、前記回転軸の軸方向に見て、前記複数個の接続パイプが中心に対して左右にほぼ均等に分散されて配置されていることを特徴とする回転電機。
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