JP5387322B2 - リチウム空気電池システム - Google Patents

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Description

本発明は、リチウム空気電池システムに関する。
空気電池は、酸素を正極活物質とする電池であり、放電時には空気を外部から取り込んで用いる。そのため、正極及び負極の活物質を電池内に有する他の電池に比べ、電池容器内に占める負極活物質の割合を大きくすることが可能になる。したがって、原理的に放電できる電気容量が大きく、小型化や軽量化が容易という特徴を有している。また、正極活物質として用いる酸素の酸化力は強力であるため、電池起電力が比較的高い。さらに、酸素は資源的な制約がなくクリーンな材料であるという特徴も有するため、空気電池は環境負荷が小さい。このように、空気電池は多くの利点を有しており、ハイブリッド車用電池や携帯機器用電池等への利用が期待されている。
空気電池では、正極(以下において、「空気極」ということがある。)と負極との間に収容された電解質層に含まれる電解質(電解液や固体の電解質)が、空気極と負極との間におけるイオン伝導機能を担う。そして、空気電池から電気エネルギーを取り出すためには、イオンが電解質層を移動することが必要とされる。そのため、空気電池の性能を向上させるためには、イオンが電解質層を移動しやすい形態にすることが重要である。
このような空気電池に関する技術として、例えば特許文献1には、リチウム塩及びアルキレンカーボネート添加剤を含む、非水性有機溶剤系電解質を含有する、多孔質炭素系空気正極を有する空気電池が開示されている。
特開2009−170400号公報
特許文献1に開示されている技術では、空気極と負極との間をリチウムイオンが移動する。そのため、高容量の空気電池を提供することが可能になると考えられる。しかしながら、リチウムを負極活物質、酸素を正極活物質とし、有機溶媒を含有する電解液を用いた空気電池では、放電反応によって生成された過酸化リチウムや酸化リチウムが有機溶媒(特に、ジエチルカーボネート)を分解する。そのため、特許文献1に開示されている技術では、放電反応生成物と電解液とが反応することによって電解液が劣化し、空気電池の充放電サイクル特性が低下しやすいという問題があった。
そこで本発明は、充放電サイクル特性を向上させることが可能な空気電池システムを提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段をとる。すなわち、
本発明は、正極、Liを負極活物質として含有する負極、並びに、正極及び負極の間でイオンの伝導を担う非水電解液が充填される電解質層、を有する発電部と、該発電部を収容する筐体と、少なくとも、充電時、放電時、及び、充放電以外の時からなる群より選択される1又は2の時と、当該群より選択されなかった時とで、電解質層に充填される非水電解液を交換する交換手段と、を備え、交換手段による交換前の非水電解液に含有されている溶媒、及び、交換手段による交換後の非水電解液に含有されている溶媒は、放電反応生成物との反応性が異なることを特徴とする、空気電池システムである。
ここに、「少なくとも、充電時、放電時、及び、充放電以外の時からなる群より選択される1又は2の時と、当該群より選択されなかった時とで、電解質層に充填される非水電解液を交換する」とは、上記群から2つの時(例えば、充電時及び充放電以外の時)が選択された場合は、選択された2つの時の間(例えば、充電時と充放電以外の時との間)では非水電解液の交換が行われず、選択された2つの時と選択されなかった残りの1つの時との間(例えば、充電時と放電時との間、及び、放電時と充放電以外の時との間)でのみ非水電解液の交換が行われることをいう。これに対し、上記群から1つの時(例えば、充電時)のみが選択された場合は、選択された1つの時と選択されなかった2つの時との間(例えば、充電時と放電時との間、及び、充電時と充放電以外の時との間)でのみ非水電解液の交換が行われ、選択されなかった2つの時の間(例えば、放電時と充放電以外の時との間)では非水電解液の交換が行われない形態に加えて、選択された1つの時と選択されなかった2つの時との間(例えば、充電時と放電時との間、及び、充電時と充放電以外の時との間)で非水電解液の交換が行われるとともに、選択されなかった2つの時の間(例えば、放電時と充放電以外の時との間)においても非水電解液の交換が行われる形態をも含む概念である。また、「放電反応生成物」とは、空気電池の放電反応によって生成される過酸化リチウムや酸化リチウムをいう。
また、上記本発明において、炭酸エステル系溶媒を含有する非水電解液が、交換手段によって交換されることが好ましい。
ここに、「炭酸エステル系溶媒」の具体例としては、エチレンカーボネ−ト、プロピレンカ−ボネ−ト、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート等を挙げることができる。また、「炭酸エステル系溶媒を含有する非水電解液」とは、炭酸エステル系溶媒にリチウム塩等を溶解させた非水電解液をいう。
また、炭酸エステル系溶媒を含有する非水電解液が交換手段によって交換される上記本発明において、炭酸エステル系溶媒がジエチルカーボネートであることが好ましい。
また、上記本発明において、ジメチルスルホキシドを含有する非水電解液が、交換手段によって交換されることが好ましい。
ここに、「ジメチルスルホキシドを含有する非水電解液」とは、ジメチルスルホキシドにリチウム塩等を溶解させた非水電解液をいう。
また、ジメチルスルホキシドを含有する非水電解液が交換手段によって交換される上記本発明において、放電時に電解質層に充填されている非水電解液が、ジメチルスルホキシドを含有する非水電解液であっても良い。
また、上記本発明において、充放電以外の時に、ハロゲン系溶媒を含有する非水電解液が電解質層へと充填されても良い。
ここに、「ハロゲン系溶媒」の具体例としては、クロロホルムやジクロロメタン等を挙げることができる。
本発明の空気電池システムには、少なくとも、充電時、放電時、及び、充放電以外の時からなる群より選択される1又は2の時と、当該群より選択されなかった時とで、電解質層に充填される非水電解液を交換する交換手段が備えられる。そのため、本発明の空気電池システムによれば、充電時、放電時、及び、充放電時以外のすべての状態に亘って、同一種類の非水電解液のみが電解質層に充填され続ける事態を回避することができる。そのため、放電反応によって、非水電解液を分解する物質が生成された場合であっても、非水電解液を交換することによって、非水電解液の分解を抑制することが可能になる。したがって、本発明によれば、非水電解液の分解を抑制することによって充放電サイクル特性を向上させることが可能な、空気電池システムを提供することができる。
また、本発明において、炭酸エステル系溶媒を含有する非水電解液が交換手段によって交換されることにより、汎用性の高い空気電池システムを提供することが可能になる。また、非水電解液の溶媒として炭酸エステル系溶媒を用いた場合であっても、非水電解液を、炭酸エステル系溶媒よりも放電反応生成物と反応し難い溶媒を含有する非水電解液と交換することにより、炭酸エステル系溶媒の分解反応の進行を抑制することが可能になる。
また、本発明において、ジエチルカーボネートが用いられる場合であっても、非水電解液を交換して非水電解液の分解を抑制することにより、充放電サイクル特性を向上させることが可能になる。
また、ジメチルスルホキシドは、放電反応生成物によって分解され難い溶媒である。そのため、本発明において、ジメチルスルホキシドを含有する非水電解液が、交換手段によって交換されることにより、非水電解液の分解を抑制することが容易になる。
また、ジメチルスルホキシドのLi基準の電位窓は、+0.34V〜+4.2Vであるため、放電反応に使用することができる。したがって、ジメチルスルホキシドを含有する非水電解液を放電時に用いる形態であっても、非水電解液の分解を抑制することが可能な空気電池システムを提供することができる。
また、ハロゲン系溶媒(特に、クロロホルムやジクロロメタン)は、放電反応生成物によって分解され難い溶媒である。そのため、本発明において、充放電以外の時に、ハロゲン系溶媒を含有する非水電解液が電解質層へと充填されることにより、非水電解液の分解を抑制することが容易になる。
ジエチルカーボネートの核磁気共鳴分光法(NMR)による分析結果を示す図(H−NMRスペクトル図)である。 ジメチルスルホキシドの核磁気共鳴分光法(NMR)による分析結果を示す図(H−NMRスペクトル図)である。 本発明の空気電子システムを説明する図である。 放電反応終了後における本発明の空気電池システムを説明する図である。 充電反応前における本発明の空気電池システムを説明する図である。 充電反応時における本発明の空気電池システムを説明する図である。 充電反応終了後における本発明の空気電池システムを説明する図である。 放電反応前における本発明の空気電池システムを説明する図である。
ドライルームにおいて、1mLのジエチルカーボネート(以下において、「DEC」ということがある。)に、約10mgの放電反応生成物(過酸化リチウム(Li)、酸化リチウム(LiO))をそれぞれ浸漬した後、放電反応生成物を浸漬したDECをアルゴンボックス内で10日間に亘って放置した。その後、ドライルームにてDECの上澄み液を採取し、H−NMR測定用溶媒である重水(DO)と混ぜ、核磁気共鳴分光装置(INOVA300、VARIAN社製、H−NMR測定時300MHz)を用いてH−NMR測定を行った。結果を図1に示す。図1の一番上は、LiやLiOを浸漬していないDECのH−NMRスペクトル、図1の真ん中は、Liを浸漬させた後のDECのH−NMRスペクトル、図1の一番下は、LiOを浸漬させた後のDECのH−NMRスペクトルである。図1において、ケミカルシフトは百万分率(ppm)で表しており、DECのピークには「●」を、DEC以外のピークには「■」を付している。
図1に示すように、DECにLiを浸漬した後のDECからは、DEC及びHO以外のピークが確認された。したがって、LiはDECを分解すると考えられる。また、図1に示すように、DECにLiOを浸漬した後のDECからは、DEC及びHO以外のピークが確認された。したがって、LiOもDECを分解すると考えられる。
一方、ドライルームにおいて、1mLのジメチルスルホキシド(以下において、「DMSO」ということがある。)に、約10mgの放電反応生成物(過酸化リチウム(Li)、酸化リチウム(LiO))をそれぞれ浸漬した後、放電反応生成物を浸漬したDMSOをアルゴンボックス内で10日間に亘って放置した。その後、ドライルームにてDMSOの上澄み液を採取し、H−NMR測定用溶媒である重水素化ジメチルスルホキシド(DMSO−d)と混ぜ、核磁気共鳴分光装置(INOVA300、VARIAN社製、H−NMR測定時300MHz)を用いてH−NMR測定を行った。結果を図2に示す。図2の上側は、Liを浸漬させた後のDMSOのH−NMRスペクトル、図2の下側は、LiOを浸漬させた後のDMSOのH−NMRスペクトルである。図2において、ケミカルシフトは百万分率(ppm)で表している。
図2に示すように、Liを浸漬した後のDMSOからは、DMSOのピーク及びHOのピークのみが確認された。また、図2に示すように、LiOを浸漬した後のDMSOからは、DMSOのピーク及びHOのピークのみが確認された。したがって、DMSOは、LiやLiOによって分解されないと考えられる。なお、DMSOの電位窓はLi基準で+0.34V〜+4.2Vである。そのため、DMSOを含有する非水電解液が電解質層に充填されている状態で、放電反応を生じさせることができる。また、粒径が小さいLiは4V程度から酸化分解され始めると考えられる。そのため、DMSOを含有する非水電解液が電解質層に充填されている状態で、充電反応を生じさせることも可能である。
本発明者は、上記実験の結果、リチウム金属空気電池における放電反応生成物であるLiやLiOによってDECは分解される一方、DMSOは分解されないことを知見した。また、ハロゲン系溶媒(特に、クロロホルム、ジクロロメタン)も、LiやLiOによって分解されないことを知見した。したがって、放電反応時や充電反応時に電解質層に充填されているDEC含有非水電解液を、例えば充放電時以外等にDMSO含有非水電解液やハロゲン系溶媒含有電解液へと交換することによって、DECの分解を抑制することが可能になり、その結果、充放電サイクル特性を向上させることが可能になると考えられる。
本発明は、かかる知見に基づいてなされたものである。本発明は、放電反応生成物によって分解されやすい溶媒を含有する非水電解液を、放電反応生成物によって分解され難い溶媒を含有する非水電解液へと交換して、放電反応生成物による非水電解液の分解を抑制することによって、充放電サイクル特性を向上させることが可能な空気電池システムを提供することを、主な要旨とする。
以下、図面を参照しつつ、本発明について説明する。なお、以下に示す形態は本発明の例示であり、本発明は以下に示す形態に限定されるものではない。
図3は、本発明にかかる空気電池システム10の形態例を簡略化して示す図であり、放電反応時における空気電池システム10の様子を示している。図3に示すように、空気電池システム10は、正極層1及び負極層2、並びに、正極層1と負極層2との間に配設される電解質層3を有する発電部4と、この発電部4を収容する筐体5と、を備えている。正極層1と筐体5との間には、正極層1へと供給される酸素含有ガスが充填されるべき空間6が存在し、この空間6には、酸素含有ガスが流通すべき流路7が接続されている。さらに、空気電池システム10は、放電反応終了後且つ充電反応開始前に電解質層3へと供給される非水電解液が収容される収容部8、及び、充電反応終了後且つ放電反応開始前に電解質層3へと供給される非水電解液が収容される収容部9を有している。収容部8及び電解質層3は、筐体5を貫通する流路8aを介して接続されており、収容部9及び電解質層3は、筐体5を貫通する流路9aを介して接続されている。さらに、収容部8及び流路7は、流路8bを介して接続されており、収容部9及び流路7は、流路9bを介して接続されている。流路8aと電解質層3とを繋ぐ接続部には開閉手段8xが、流路8bと収容部8とを繋ぐ接続部には開閉手段8yが、流路9aと電解質層3とを繋ぐ接続部には開閉手段9xが、流路9bと収容部9とを繋ぐ接続部には開閉手段9yが、それぞれ備えられ、これらの開閉手段8x、8y、9x、9yの動作は、制御手段11によって制御されている。加えて、流路7には開閉手段7x(図3では不図示)が、流路7と流路8bとを繋ぐ接続部には開閉手段7yがそれぞれ備えられ、開閉手段7x、7yの動作も制御手段11によって制御されている。また、空気電池システム10において、正極層1は、固定材1a、1aを介して筐体5に固定されており、負極層2は、固定材2a、2aを介して筐体5に接続されている。
空気電池システム10は、放電反応時と充電反応時とで、電解質層3に異なる非水電解液が充填される。図3に示す放電反応時には、電解質層3に、例えば、塩(例えば、LiBF、LiPF、LiClO、LiBOB等。以下において同じ。)を溶解したDECが充填され、このDECは、電解質層3に配設されているセパレータ(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等の多孔膜や、樹脂不織布、ガラス繊維不織布等の不織布等。以下において同じ。)に保持される。すなわち、空気電池システム10は、電解質層3にDECを含有する非水電解液が充填された状態で、放電反応が行われる。この際、制御装置11によって、開閉手段7xが開動作するとともに開閉手段7yが閉動作するように制御され、開いている開閉手段7xを介して空間6へと酸素含有ガスが供給される。放電反応が行われると、多孔質部材によって構成される正極層1の表面に、放電反応生成物(LiやLiO)が生成される。空気電池システム10において、DECに塩を溶解させた非水電解液(以下において、「放電用電解液」ということがある。)を電解質層3へと供給する際には、制御手段11によって閉動作を行うように制御された開閉手段8xが閉じることにより流路8aと電解質層3との間を流体が移動不可能な状態とされ、制御手段11によって開動作を行うように制御された開閉手段9xが開くことにより流路9aと電解質層3との間を流体が移動可能な状態とされる。そして、流路9aを介して収容部9から電解質層3へと放電用電解液を供給し、放電用電解液の充填が終了したら、制御手段11によって閉動作を行うように開閉手段9xの動作が制御され、流路9aと電解質層3との間を流体が移動不可能な状態とされる。このように、空気電池システム10は、開閉手段8x及び9xを用いて放電用電解液の漏洩が防止された状態で、放電反応が行われる。
図4に、放電反応終了後における空気電池システム10の様子を示す。図4に示すように、放電反応終了後には、制御手段11によって開動作を行うように制御された開閉手段9x(図4では不図示)が開くことによって、電解質層3から流路9aへ、放電用電解液が移動可能な状態とされる。そして、流路7から空間6へと酸素含有ガスを供給しつつ、図示されていない電解液移動手段(例えば、ポンプ等。以下において同じ。)を作動させることにより、電解質層3に充填されていた放電用電解液を収容部9へと移動させる。収容部9に収容し得るすべての放電用電解液の移動が終了したら、開閉手段9xが閉動作するように、制御手段11によってその動作が制御される。
図5に、充電反応開始前における空気電池システム10の様子を示す。収容部9に収容し得るすべての放電用電解液の移動が終了して、開閉手段9xが閉じられたら、制御手段11によって、開閉手段7y、8y(図5では不図示)が開動作を行うように制御されるとともに、開閉手段7xが閉動作を行うように制御される。こうして制御されることにより、流路8b及び流路7の一部を介して、収容部8から空間6へ向けて流体が移動可能な状態とされる。かかる状態になったら、図示されていない電解液移動手段を作動させることにより、例えば、DMSOに塩を溶解させた非水電解液(以下において、「充電用電解液」ということがある。)を収容している収容部8から空間6へ向けて、充電用電解液を移動させる。
図6に、充電反応時における空気電池システム10の様子を示す。電解質層3が収容し得るすべての充電用電解液の移動が終了したら、制御手段11によって、開閉手段7y、8yが閉動作するように制御されると共に、開閉手段7x、9y(図6では不図示)が開動作するように制御される。このようにして開閉手段7x、7y、8y、9yの動作が制御されたら、充電反応が行われる。充電時には、正極層1に生成された放電反応物が酸化分解され、正極層1で酸素が発生する。充電反応によって発生した酸素は、空間6から流路7へと流入し、その一部は流路9bを経て収容部9へと達する。
図7に、充電反応終了後における空気電池システム10の様子を示す。図7に示すように、充電反応終了後には、制御手段11によって開動作をするように制御された開閉手段8x(図7では不図示)が開くことによって、電解質層3から流路8aへ、充電用電解液が移動可能な状態とされる。そして、流路7から空間6へと酸素含有ガスを供給しつつ、図示されていない電解液移動手段を作動させることにより、電解質層3に充填されていた充電用電解液を収容部8へと移動させる。収容部8に収容し得るすべての充電用電解液の移動が終了したら、開閉手段8xが閉動作するように、制御手段11によってその動作が制御される。
図8に、放電反応開始前における空気電池システム10の様子を示す。収容部8に収容し得るすべての充電用電解液の移動が終了して、開閉手段8xが閉じられたら、図示されていない電解液移動手段を作動させることにより、流路9b及び流路7の一部を介して、収容部9から空間6へ向けて放電用電解液を移動させる。電解質層3が収容し得るすべての放電用電解液の移動が終了したら、開閉手段9yが閉動作するように、制御手段11によってその動作が制御され、その後、放電反応が行われる。
このように、放電反応時には放電用電解液が用いられ、且つ、充電反応時には充電用電解液が用いられる空気電池システム10によれば、放電反応生成物によって分解されやすいDECと放電反応物とが接触する時間を短くすることができる。かかる形態とすることにより、非水電解液の分解を抑制することが可能になるので、本発明によれば、非水電解液の分解を抑制することによって充放電サイクル特性を向上させることが可能な、空気電池システム10を提供することができる。
空気電池システム10において、正極層1は、導電性材料、触媒、及び、これらを結着させる結着材等が含有される、多孔質の構造体である。また、正極層1には、正極層1の内部又は外面に当接して、正極層1の集電を行う正極層集電体(不図示)が設けられる。
正極層1に含有される導電性材料は、空気電池システム10の使用時における環境に耐えることができ、且つ、導電性を有するものであれば、特に限定されるものではない。正極層1に含有される導電性材料としては、カーボンブラックやメソポーラスカーボン等の炭素材料等を例示することができる。また、反応場の減少及び電池容量の低下を抑制する等の観点から、正極層1における導電性材料の含有量は、10質量%以上とすることが好ましい。また、充分な触媒機能を発揮し得る形態にする等の観点から、正極層1における導電性材料の含有量は、99質量%以下とすることが好ましい。
正極層1に含有される触媒としては、コバルトフタロシアニン及び二酸化マンガン等を例示することができる。充分な触媒機能を発揮し得る形態にする等の観点から、正極層1における触媒の含有量は、1質量%以上とすることが好ましい。また、反応場の減少及び電池容量の低下を抑制する等の観点から、正極層1における触媒の含有量は、90質量%以下とすることが好ましい。
正極層1に含有される結着材としては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)やポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等を例示することができる。正極層1における結着材の含有量は、特に限定されるものではないが、例えば10質量%以下とすることが好ましく、1質量%以上5質量%以下とすることがより好ましい。
また、正極層1には、正極層1の集電を行う正極層集電体が設けられる。正極層集電体は、導電性材料によって構成され、且つ、空気電池システム10を作動させて電気エネルギーを取り出すことが可能な形状を有していれば、その形態は特に限定されるものではない。正極層集電体を構成し得る材料としては、例えば、ステンレス鋼、ニッケル、アルミニウム、鉄、チタン、カーボン等を挙げることができる。このような正極層集電体の形状としては、メッシュ(グリッド)状等を挙げることができる。メッシュ状の正極層集電体が設けられる場合、この正極層集電体は、正極層1の内部に配置することができる。
正極層1は、例えば、導電性材料、触媒、及び、結着材等を混ぜた塗料を、正極層集電体の表面に、ドクターブレード法にて塗布する等の方法により作製することができる。このほか、導電性材料、及び、触媒等を含む混合粉末を熱圧着する等の方法により作製することもできる。また、正極層1を筐体5に固定する固定材1aは、金属空気電池における正極層の固定材として使用可能なものを適宜用いることができる。
また、空気電池システム10において、負極層2は、負極活物質として機能する金属リチウムを含有している。負極層2には、負極層2の内部又は外面に当接して、負極層2の集電を行う負極層集電体(不図示)が設けられる。
負極層2には少なくとも金属リチウムが含有されていれば良く、さらに、導電性を向上させる導電性材料や金属リチウム等を固定化させる結着材が含有されていても良い。反応場の減少及び電池容量の低下を抑制する等の観点から、負極層2における導電性材料の含有量は10質量%以下とすることが好ましい。また、負極層2における結着材の含有量は、特に限定されるものではないが、例えば10質量%以下とすることが好ましく、1質量%以上5質量%以下とすることがより好ましい。負極層2に含有され得る導電性材料及び結着材の種類、使用量等は、正極層1の場合と同様にすることができる。
空気電池システム10では、負極層2の内部又は外面に当接して、負極集電体が設けられる。負極集電体は、負極層2の集電を行う。空気電池システム10において、負極集電体の材料は、導電性を有する材料であれば特に限定されるものではない。負極集電体の材料は、銅、ステンレス鋼、及び、ニッケル等を用いることができる。また、負極集電体は、箔状、板状、又は、メッシュ(グリッド)状等の形状にすることができる。空気電池システム10において、負極層2は、例えば正極層1と同様の方法により作製することができる。また、負極層2を筐体5に固定する固定材2aは、金属空気電池における負極層の固定材として使用可能なものを適宜用いることができる。
また、空気電池システム10において、筐体5には、発電部4、及び、酸素含有ガスが少なくとも収容される。空気電池システム10において、筐体5の形状は特に限定されるものではない。筐体5の構成材料は、金属空気電池の筐体に使用可能な材料を適宜用いることができる。また、筐体5に収容される(空間6に存在させる)酸素含有ガスは、例えば、圧力が1.01×10Pa、酸素濃度が99.99%の酸素ガス等を用いることができる。また、空気電池システム10において、制御手段11は、開閉手段7x、7y、8x、8y、9x、9yの動作を制御可能なものであれば、特に限定されるものではなく、公知の制御手段を適宜用いることができる。
本発明の空気電池システムにおいて、筐体に収容される発電部の数は1つでも良く、2以上であっても良い。筐体に2以上の発電部が収容される場合、これらの発電部それぞれに備えられる空気極及び負極は、電気的に直列に接続されていても良く、電気的に並列に接続されていても良い。
本発明に関する上記説明では、放電反応時にDECを含有する非水電解液が用いられ、充電反応時にDMSOを含有する非水電解液が用いられる形態を例示したが、本発明は当該形態に限定されるものではない。本発明は、(1)充電時にDEC含有非水電解液が用いられ充電時以外にDMSO含有非水電解液が用いられる形態、(2)放電時にDEC含有非水電解液が用いられ放電時以外にDMSO含有非水電解液が用いられる形態、(3)充電時にDEC含有非水電解液が用いられ放電時にDMSO含有非水電解液が用いられ充放電時以外にハロゲン系溶媒を含有する非水電解液が用いられる形態、とすることも可能である。このほか、本発明は、(4)充電時及び放電時にDEC含有非水電解液が用いられ充放電時以外にハロゲン系溶媒を含有する非水電解液が用いられる形態、(5)充電時にDMSO含有非水電解液が用いられ充電時以外にDEC含有非水電解液が用いられる形態、(6)放電時にDMSO含有非水電解液が用いられ放電時以外にDEC含有非水電解液が用いられる形態、とすることも可能である。さらに、本発明は、(7)充電時にDMSO含有非水電解液が用いられ放電時にDEC含有非水電解液が用いられ充放電時以外にハロゲン系溶媒を含有する非水電解液が用いられる形態や、(8)充電時及び放電時にDEC含有非水電解液が用いられ充放電時以外にDMSO含有非水電解液が用いられる形態とすることも可能である。これら(1)〜(8)のいずれの形態であっても、放電反応生成物によって分解されやすい非水電解液と放電反応生成物とが常に接触し続ける事態を回避することができるので、非水電解液の分解を抑制して充放電サイクル特性を向上させることが可能になる。
本発明の空気電池システムは、電気自動車や携帯型情報機器の動力源等に利用することができる。
1…正極層
1a…固定材
2…負極層
2a…固定材
3…電解質層
4…発電部
5…筐体
6…空間
7…流路
7x…開閉手段
7y…開閉手段
8…収容部
8a…流路
8x…開閉手段
8y…開閉手段
9…収容部
9a…流路
9x…開閉手段
9y…開閉手段
10…空気電池システム
11…制御手段

Claims (6)

  1. 正極、Liを負極活物質として含有する負極、並びに、前記正極及び前記負極の間でイオンの伝導を担う非水電解液が充填される電解質層、を有する発電部と、
    該発電部を収容する筐体と、
    少なくとも、充電時、放電時、及び、充放電以外の時からなる群より選択される1又は2の時と、前記群より選択されなかった時とで、前記電解質層に充填される前記非水電解液を交換する交換手段と、
    を備え、
    前記交換手段による交換前の非水電解液に含有されている溶媒、及び、前記交換手段による交換後の非水電解液に含有されている溶媒は、放電反応生成物との反応性が異なることを特徴とする、空気電池システム。
  2. 炭酸エステル系溶媒を含有する非水電解液が、前記交換手段によって交換されることを特徴とする、請求項1に記載の空気電池システム。
  3. 前記炭酸エステル系溶媒がジエチルカーボネートであることを特徴とする、請求項2に記載の空気電池システム。
  4. ジメチルスルホキシドを含有する非水電解液が、前記交換手段によって交換されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の空気電池システム。
  5. 放電時に前記電解質層に充填されている前記非水電解液が、ジメチルスルホキシドを含有する非水電解液であることを特徴とする、請求項4に記載の空気電池システム。
  6. 充放電以外の時に、ハロゲン系溶媒を含有する非水電解液が前記電解質層へと充填されることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の空気電池システム。
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