JP5386719B2 - 識別機能を有するケーブル - Google Patents
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Description
図11は、本発明の識別用長尺テープに使用する識別タグを示す正面図である。識別タグ16は、RFID素子3、アンテナ4とキャリアフィルム15とからなる。本明細書においてRFID素子3は、情報を無線で送出するための機能を持つ微小装置の総称として使っており、それらの機能を有する半導体チップ、他の一般のRFID素子を含め、その種類、形態を問わない。たとえば、ケーブルに内蔵されるRFID素子3は、ミューチップ(登録商標、(株)日立製作所製)を使用することができる。
キャリアフィルム15上のアンテナ4にRFID素子3を実装した複数の識別タグを所定間隔で、幅3〜7mm程度のプラスチックテープ又は紙テープの上に接着剤を介して貼着させる。ここに、プラスチックテープとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレートなどを使用することができる。
本発明において、識別用長尺テープを適用する対象となるケーブルは、通信ケーブル、複合ケーブル、電力ケーブルのいずれであってもよい。このとき、使用されるケーブルはともにその規格は問わず、あらゆる絶縁ケーブルに適用可能である。
RFID素子にはランダムな個体別の128bitデータの識別情報を格納している。コンピュータを利用したデータベースを構築し、RFID素子の識別情報に対し、製作番号、品名、製造時期などの情報をリンクさせている。
図3は、図2に示す識別用長尺テープの部分拡大図であり、特に凹凸部分が施された識別用長尺テープの正面図である。また、図4は、図3に示す識別用長尺テープ7の長尺方向におけるA−A´線での断面図である。図3に示すように、この凹凸部分を正面からみると、格子状に凹凸部分が形成されている。そして図4に示すように、正面図において凸部である部分は、その裏面の対応する部分が凹部になっている。また、正面図のうち、凹部である部分は、その裏面の対応する部分が凸部になっている。このように本発明では、識別用長尺テープの長尺方向であって、RFID素子およびアンテナを備えた識別タグが存在する部分以外の部分において予め余長する部分を備えている。その意味で凹凸部分は、識別用長尺テープの長尺方向において予め余長する部分であればよく、特に図3および図4に示す形状に限定するものではない。
本発明において、貫通孔およびスリットは、特にその形状および大きさは限定されるものではなく、以下に記す本発明の作用を奏する限りにおいては、いかなる形状であってもよい。よって、貫通孔については、以下に菱形状の貫通孔の実施形態を示したが、それに限られるものではなく円形、楕円形であってもよく、その他の矩形状であってもよい。また、スリットについては、以下に矩形の切り欠き形状の実施形態を示したが、それに限られるものではなく、半円形、流線形であってもよい。また実施形態においては、1対のスリットを互いに向かい合うように形成したが、長手方向において千鳥状に配置することもできる。
本発明の識別機能を有するケーブルであれば、ケーブルの引張による張力に対しては、識別用長尺テープに設けられた易変形部が変位することにより長尺方向に伸びやすく、識別用長尺テープの長手方向に過度な張力がかかったとしても、易変形部が伸長することにより、引張応力を緩和することができるため、他の部位に比して強度の弱いアンテナ部分において折れやシワが生じることを抑制し、RFID素子とアンテナとが接続されている識別タグの場合には、RFID素子とアンテナとの剥離を防止し、それによる読取機能の低下やアンテナの損傷を防止することができる。
識別用長尺テープに使用する熱可塑性接着剤がケーブル製造時の熱又は圧力により溶け出し、これがケーブルのシースなどに粘着し、これらが常温に戻ることでケーブルのシースに一部貼り付き固定された識別用長尺テープに対し、過度の引張り応力又は屈曲応力が発生する。また、この接着剤の溶け出しがなくても、シースに使用する材料によっては、識別用長尺テープと密着する場合もあり、たとえシースの直下でない位置に識別用長尺テープを配置した場合にも識別用長尺テープがケーブル内を自由に動けなくなり、過度の引張り張力又は屈曲応力を受ける場合も生じる。この過度の引張り張力又は屈曲応力は識別用長尺テープのうち、RFID素子とアンテナの周辺に影響し、剥離若しくは損傷を生じて読取機能が低下してしまう。
識別用長尺テープ7に施したエンボス加工により、識別用長尺テープ7を貼付したケーブルを敷設または使用した場合の屈曲もしくは引張に対し、凹凸部分が伸縮し、RFID素子3およびアンテナ4にかかる変形の負荷を軽減または抑制させる。それにより、通常、ケーブルの変形によって生じる恐れのあるRFID素子3およびアンテナ4間の乖離もしくは破損を防ぐことができ、RFID素子3の安定した識別機能を提供することができる。
識別用長尺テープ7に設けたスリット8によって、識別用長尺テープ7を備えたケーブルを敷設または使用した場合の屈曲もしくは張力が加わった場合、スリット8が変位し、RFID素子3およびアンテナ4にかかる変形の負荷を軽減または抑制することができる。それによって、ケーブルの変形によるRFID素子3およびアンテナ4間の乖離もしくは破損を防ぐことができ、RFID素子3の安定した識別機能を提供することができる。
識別用長尺テープ7に設けた貫通孔9によって、識別用長尺テープ7を備えたケーブルを敷設または使用した場合の屈曲もしくは張力が加わった場合、貫通孔9の周辺部分が変位され、RFID素子3およびアンテナ4にかかる変形の負荷を軽減または抑制することができる。それによって、ケーブルの変形によるRFID素子3およびアンテナ4間の乖離もしくは破損を防ぐことができ、RFID素子3の安定した識別機能を提供することができる。
本発明の上記実施例のケーブルの、ケーブル外径に対し直径がその8倍のマンドレルに沿って、5往復屈曲した後、夫々のケーブルにリーダライターを翳して読取性を確認したところ、いずれの実施例のケーブルもRFID素子に格納された情報を読み取ることができ、良品であることが確認された。
2 バインダーテープ(絶縁電線の場合、導体またはセパレータ)
3 RFID素子
4 アンテナ部分
5 ケーブル
6 易変形部(凹凸部分)
7 識別用長尺テープ
8 易変形部(スリット)
9 易変形部(貫通孔)
10 セパレータ
11 凸部
12 凹部
13 第1の部分
14 第2の部分
15 キャリアフィルム
16 識別タグ
Claims (2)
- 非接触で識別情報を読み書きでき、該識別情報を無線で送出する機能を持つRFID素子と、該RFID素子の周辺に配置したアンテナとを備えた複数の識別タグを所定の間隔でキャリアフィルム上に配置した識別用長尺テープを備え、この識別用長尺テープを長手方向に配した識別機能を有するケーブルにおいて、前記識別用長尺テープは、その長尺方向において易変形部を有し、
前記易変形部は、前記識別用長尺テープの長手方向において設けられた凹凸部分、スリット、または貫通孔からなり、
前記凹凸部分、前記スリット、または前記貫通孔は、前記識別用長尺テープの長手方向において隣接する複数の前記識別タグの間に形成されていることを特徴とする識別機能を有するケーブル。 - 前記凹凸部分は、前記識別用長尺テープの長手方向に沿ってエンボス加工を施すことにより形成したものであることを特徴とする請求項1に記載の識別機能を有するケーブル。
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