JP5386065B2 - 芳香族ポリカーボネート樹脂組成物及びその成形体 - Google Patents

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Description

本発明は、芳香族ポリカーボネート樹脂及びその成形体に関し、詳しくは芳香族ポリカーボネート樹脂、ポリ乳酸樹脂、ポリ乳酸以外の植物系・生分解性樹脂を含有してなる、耐熱性、機械特性に優れた芳香族ポリカーボネート樹脂組成物ならびにそれからなる成形体に関する。この樹脂組成物は、OA機器、情報通信機器、家庭電化機器分野などに利用が可能である。
芳香族ポリカーボネート樹脂は耐衝撃性などの機械的特性に優れ、耐熱性、透明性に優れているため、電気、電子、OA機器、機械、自動車などの様々な分野で用いられているが、原料が石油由来であり、また使用後の分解性の面から近年問題となっている環境への負荷が大きいことが課題とされている。
一方でトウモロコシやサトウキビといった植物由来の原料から作られるポリ乳酸樹脂は、最終的には水と二酸化炭素に分解される(カーボンニュートラル)という点から環境負荷を低減できるため、環境対応型樹脂として開発が進んでいる。更に植物系プラスチックとしては高い融点を持ち、溶融成形が可能であることから実用上優れた植物系・生分解性樹脂としての利用が期待されている。しかしながらポリ乳酸樹脂それ自体は剛性が高いものの、脆性かつ熱変形温度が低いため、成形品を機械的強度が要求される部材に単体で利用することは困難である。
そこで両者をアロイ化することにより本問題を解決しようとする試みがなされてきた。芳香族ポリカーボネート/ポリ乳酸樹脂アロイについて、ポリカーボネート成分率を増量させれば機械的物性は保たれるが、植物系成分の比率(植物度)が低下し環境対応材料としての意味をなさない。一方ポリ乳酸樹脂の分率を増量しすぎると、耐衝撃性が著しく減少し、加えて熱変形温度の低下といった不具合を招く。
すなわちポリカーボネート/ポリ乳酸樹脂アロイを環境対応材料として位置づける際に、ポリ乳酸樹脂を中心とした植物度をできる限り増量し、かつ実用に耐えうる耐衝撃性と耐熱性を持たせる事が課題となる。
ポリカーボネートとポリ乳酸樹脂のアロイ化の大きな問題点として、例えば特許文献1に記載のあるようにポリカーボネートと比較して耐衝撃性が大きく低下することや真珠光沢による外観不良等が挙げられる。これを解決するためにエポキシ化合物やエラストマー成分を添加する技術が考案されてきた。例えば特許文献2及び3には芳香族ポリカーボネートとポリ乳酸とのポリマーアロイにエポキシ化合物、エラストマー成分を添加した実施例があるが、特許文献2においては、エラストマーを使用しているので耐熱性が低下するという欠点がある。また、特許文献3について植物度が高い系では耐衝撃性が大幅に向上しているとは言えない。
また、ポリカーボネート/ポリ乳酸/脂肪族ポリエステル樹脂の3成分のアロイ化により成形品の耐衝撃性を著しく向上させる芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は知られていない。
特開平7−109413号公報 特開2005−048067公報 特開2006−111858公報
本発明は、耐衝撃性、成形外観、ウェルド強度及び植物度が向上した芳香族ポリカーボネート樹脂組成物を提供することを課題とする。
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、芳香族ポリカーボネート樹脂及びポリ乳酸樹脂からなる混合樹脂に、脂肪族ポリエステルを特定の割合でブレンドすることにより上記目的を達成する芳香族ポリカーボネート樹脂組成物が得られることを見出し、本発明に到達した。
すなわち本発明は、以下の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物および成形体を提供するものである。
1. 芳香族ポリカーボネート(A)95〜30質量%及びポリ乳酸樹脂(B)5〜70質量%からなる混合樹脂100質量部に対して、脂肪族ジカルボン酸と脂肪族ジオールからなる脂肪族ポリエステル(C)を0.1〜100質量部配合してなる芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
2. 前記脂肪族ポリエステル(C)が、下記一般式(a)で表される繰返し単位を有する、上記1の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
Figure 0005386065
(式中、m及びnは、それぞれ1〜5の整数を示す。)
3. (A)と(B)とからなる混合樹脂100質量部に対して、カルボジイミド化合物、エポキシ化合物、イソシアネート化合物及びオキサゾリン化合物から選ばれる少なくとも一種を0.01〜10質量部添加してなる、上記1又は2の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
4. 前記脂肪族ポリエステル(C)のガラス転移温度(Tg)が0℃以下である、上記1〜3のいずれかの芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
5. 上記1〜4のいずれかの芳香族ポリカーボネート樹脂組成物からなる成形体。
本発明によれば、芳香族ポリカーボネート/ポリ乳酸樹脂アロイにおいて、ポリ乳酸樹脂以外の脂肪族ポリエステルを添加することで耐衝撃性が大幅に改良されるとともに、成形外観、ウェルド強度及び植物度が極めて良好な芳香族ポリカーボネート樹脂組成物を提供することができる。
以下に、本発明について、詳細に説明する。
まず、本発明の樹脂組成物を構成する芳香族ポリカーボネート樹脂(A)としては、特に制限はなく種々のものが挙げられる。通常、2価フェノールとカーボネート前駆体との反応により製造されるものを用いることができる。すなわち、2価フェノールとカーボネート前駆体とを溶液法あるいは溶融法、すなわち、2価フェノールとホスゲンの反応、2価フェノールとジフェニルカーボネートなどとのエステル交換反応により製造されたものを使用することができる。
2価フェノールとしては、様々なものが挙げられるが、特に2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン〔ビスフェノールA〕、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、4,4'−ジヒドロキシジフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロアルカン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトンなどが挙げられる。
特に好ましい2価フェノールとしては、ビス(ヒドロキシフェニル)アルカン系、特にビスフェノールAを主原料としたものである。また、カーボネート前駆体としては、カルボニルハライド、カルボニルエステル、またはハロホルメートなどであり、具体的にはホスゲン、2価フェノールのジハロホーメート、ジフェニルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートなどである。この他、2価フェノールとしては、ハイドロキノン、レゾルシン、カテコール等が挙げられる。これらの2価フェノールは、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
なお、芳香族ポリカーボネート樹脂(A)は、分岐構造を有していてもよく、分岐剤としては、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、α,α',α"−トリス(4−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリイソプロピルベンゼン、フロログリシン、トリメリット酸、イサチンビス(o−クレゾール)などがある。また、分子量の調節のためには、フェノール、p−t−ブチルフェノール、p−t−オクチルフェノール、p−クミルフェノールなどが用いられる。
また、本発明に用いる芳香族ポリカーボネート樹脂(A)としては、ポリカーボネート部とポリオルガノシロキサン部を有する共重合体、あるいはこの共重合体を含有する芳香族ポリカーボネート樹脂であってもよい。また、テレフタル酸などの2官能性カルボン酸、またはそのエステル形成誘導体などのエステル前駆体の存在下でポリカーボネートの重合を行うことによって得られるポリエステル−ポリカーボネート樹脂であってもよい。また、種々のポリカーボネート樹脂の混合物を用いることもできる。本発明において用いられる(A)成分の芳香族ポリカーボネート樹脂は、構造中に実質的にハロゲンを含まないものが好ましい。また、機械的強度および成形性の点から、その粘度平均分子量は、通常10,000〜100,000、好ましくは、11,000〜40,000、特に12,000〜25,000のものが好適である。
本発明で用いられるポリ乳酸樹脂(B)の原料である乳酸としては、L型、D型、ラセミ型のいずれを用いてもよく化学合成法及び発酵合成法のいずれの方法で得られた物を用いることもできるが、バイオリサイクルの観点から環境負荷因子の少ないトウモロコシなどの澱粉を乳酸発酵させて得られたものが好ましく用いられる。
本発明で用いられるポリ乳酸樹脂(B)は、前記乳酸を原料とし、(1)環化反応によって得られたラクチドを開環重合させてポリマーを得る二段階プロセス、及び(2)乳酸を直接重合させてポリマーを得る一段階プロセス、のいずれの方法によって得られたものであってもよい。
前記(1)の二段階プロセスは、以下に示す反応式に従って、高分子量のポリ乳酸樹脂(B)が得られる。
Figure 0005386065
(k及びlは重合度である。)
まず、乳酸(I)を自己縮合重合反応させて、低分子量ポリ乳酸樹脂(II)を得たのち、この低分子量ポリ乳酸樹脂(II)を解重合して、環状ジエステルであるラクチド(III)を得る。次いでこのラクチド(III)を開環重合させることにより、高分子量ポリ乳酸樹脂(IV)が得られる。
本発明で用いるポリ乳酸樹脂(B)の重量平均分子量は、通常10万〜25万、好ましくは13万〜20万の範囲である。また、融点は、通常130〜160℃程度であり、ガラス転移温度(Tg)は、通常50〜60℃程度である。
このポリ乳酸樹脂(B)を用いることにより、本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物に高流動性、耐溶剤性及び耐衝撃性を付与することができる。
また、芳香族ポリカーボネート(A)及びポリ乳酸樹脂(B)の組成割合は、芳香族ポリカーボネート(A)及びポリ乳酸樹脂(B)からなる混合樹脂中において、芳香族ポリカーボネート(A)は95〜30質量%、好ましくは80〜50質量%、更に好ましくは80〜60質量%であり、ポリ乳酸樹脂(B)は5〜70質量%、好ましくは10〜50質量%、更に好ましくは20〜40質量%である。芳香族ポリカーボネート(A)の組成割合が30質量%以上であれば良好な耐衝撃性や熱変形温度が達成され、ポリ乳酸樹脂(B)の組成割合が5質量%以上であれば環境対応材料としての一定の植物度が達成される。
本発明で用いられる脂肪族ポリエステル(C)としては、脂肪族ジカルボン酸と脂肪族ジオールからなるもの、又は脂肪族ジカルボン酸、脂肪族ジオール及び乳酸からなるものを用いることができるが、下記一般式(a)で表される繰り返し単位を含むものが好ましい。また、下記一般式(a)で表される2成分以上を共重合してなるランダム共重合体、ブロック共重合体を用いることもできる。
Figure 0005386065
(式中、m及びnは、それぞれ1〜5の整数を示す。)
ここで、脂肪族ジカルボン酸としては、特に制限はないが、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸等が挙げられ、脂肪族ジオールとしては、特に制限はないが、具体的には、エチレングリコール、プロパン−1,2−ジオール(プロピレングリコール)、プロパン−1,3−ジオール、ブタン−1,4−ジオール(ブチレングリコール)、ブタン−2,3−ジオール、ネオペンチルグリコールのような炭素数2〜5を有する脂肪族ジオール等を用いることができる。中でも、エチレングリコール、ブチレングリコールが好適である。
脂肪族ポリエステル(C)の原料としては、化学合成法及び発酵合成法のいずれの方法で得られた物も用いることができるが、バイオリサイクルの観点から環境負荷因子の少ない植物由来の原料が好ましく用いられる。また、脂肪族ポリエステル(C)の原料が植物由来であると、本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物の植物度が更に向上する点でも好ましい。
脂肪族ポリエステル(C)としては、上述の脂肪族ポリエステル1種を単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
脂肪族ポリエステル(C)の分子量および分子量分布は、実質的に成形加工が可能であれば、特に限定されない。重量平均分子量は、好ましくは1万以上、より好ましくは4万以上、特に好ましくは8万以上である。ここでいう重量平均分子量とは、溶媒としてヘキサフルオロイソプロパノールを用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリメタクリル酸メチル(PMMA)換算の重量平均分子量である。
脂肪族ポリエステル(C)のガラス転移温度(Tg)は、好ましくは0℃以下であり、また、融点は、好ましくは90℃以上であり、更に好ましくは150℃以上である。
脂肪族ポリエステル(C)の配合量は、芳香族ポリカーボネート樹脂(A)及びポリ乳酸樹脂(B)からなる混合樹脂100質量部に対して、0.1〜100質量部であるが、2〜50質量部であると好ましい。脂肪族ポリエステル(C)の配合量を0.1質量部以上とすることにより耐衝撃性が向上し、100質量部以下とすることにより大幅な弾性率の低下を防ぐ。
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物には、さらに必要に応じてカルボジイミド化合物、エポキシ化合物、イソシアネート化合物及びオキサゾリン化合物から選ばれる少なくとも一種を、芳香族ポリカーボネート樹脂(A)及びポリ乳酸樹脂(B)からなる混合樹脂100質量部に対して、0.01〜10質量部配合することができる。
上記のカルボジイミド化合物は、分子中に一個以上のカルボジイミド基を有する化合物であり、ポリカルボジイミド化合物をも含む。カルボジイミド化合物の製造方法としては、例えば、触媒として、例えば、O,O−ジメチル−O−(3−メチル−4−ニトロフェニル)ホスホロチオエート、O,O−ジメチル−O−(3−メチル−4−(メチルチオ)フェニル)ホスホロチオエート、O,O−ジエチル−O−2−イソプロピル−6−メチルピリミジン−4−イルホスホロチオエート等の有機リン系化合物、又は、例えばロジウム錯体、チタン錯体、タングステン錯体、パラジウム錯体等の有機金属化合物を用い、各種ポリイソシアネート化合物を約70℃以上の温度で、無溶媒又は不活性溶媒(たとえば、ヘキサン、ベンゼン、ジオキサン、クロロホルム等)中で脱炭酸重縮合により製造する方法を挙げることができる。
このカルボジイミド化合物に含まれるモノカルボジイミド化合物としては、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド、ジメチルカルボジイミド、ジイソブチルカルボジイミド、ジオクチルカルボジイミド、ジフェニルカルボジイミド、ナフチルカルボジイミド等を例示することができ、これらの中でも、特に工業的に入手が容易であるジシクロヘキシルカルボジイミドやジイソプロピルカルボジイミドが好ましい。
上記のエポキシ化合物としては、分子内に少なくとも1つ以上のエポキシ基を有する化合物を挙げることができる。具体的には、エポキシ化大豆油、エポキシ化あまに油、エポキシブチルステアレート、エポキシオクチルステアレート、フェニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、p−ブチルフェニルグリシジルエーテル、スチレンオキシド、ネオヘキセンオキシド、アジピン酸ジグリシジルエステル、セバシン酸ジグリシジルエステル、フタル酸ジグリシジルエステル、ビス−エポキシジシクロペンタジエニルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ブタジエンジエポキシド、テトラフェニルエチレンエポキシド、エポキシ化ポリブタジエン、エポキシ化スチレン−ブタジエン系共重合体、エポキシ化水素化スチレン−ブタジエン系共重合体、ビスフェノール−A型エポキシ化合物、ビスフェノール−S型エポキシ化合物、フェノールノボラック型エポキシ化合物、レゾルシノール型エポキシ化合物、3,4−エポキシシクロヘキサメチル−3,4−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、あるいは3,4−エポキシシクロヘキシルグリシジルエーテルなどの脂環式エポキシ化合物などを例示することができる。
上記のイソシアネート化合物としては、例えば2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2'−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3'−ジメチル−4,4'−ビフェニレンジイソシアネート、3,3'−ジメトキシ−4,4'−ビフェニレンジイソシアネート、3,3'−ジクロロ−4,4'−ビフェニレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、1,5−テトラヒドロナフタレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,3−シクロヘキシレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキシレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4'−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート又は3,3'−ジメチル−4,4'−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等が挙げられる。
イソシアネート化合物は、公知の方法で容易に製造することができ、また市販品を適宜使用することができる。市販のポリイソシアナート化合物としては、三井化学ポリウレタン株式会社製のヘキサメチレンジイソシアネート「タケネート」(登録商標)、日本ポリウレタン株式会社製の水添ジフェニルメタンジイソシアネート「コロネート」(登録商標)、日本ポリウレタン株式会社製の芳香族イソシアネート「ミリオネート」(登録商標)等がある。
上記のオキサゾリン化合物としては、例えば、2,2'−o−フェニレンビス(2−オキサゾリン)、2,2'−m−フェニレンビス(2−オキサゾリン)、2,2'−p−フェニレンビス(2−オキサゾリン)、2,2'−p−フェニレンビス(4−メチル−2−オキサゾリン)、2,2'−m−フェニレンビス(4−メチル−2−オキサゾリン)、2,2'−p−フェニレンビス(4,4'−ジメチル−2−オキサゾリン)、2,2'−m−フェニレンビス(4,4'−ジメチル−2−オキサゾリン)、2,2'−エチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2'−テトラメチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2'−ヘキサメチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2'−オクタメチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2'−エチレンビス(4−メチル−2−オキサゾリン)、又は2,2'−ジフェニレンビス(2−オキサゾリン)等が挙げられる。また、オキサゾリン基含有反応性ポリスチレンもオキサゾリン系化合物として使用することができる。
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、前述の必須成分及び任意成分と共に、熱可塑性樹脂に常用されている添加剤成分を必要により添加含有させることができる。添加剤成分としては、例えば、可塑剤、安定剤、無機充填剤、難燃剤、シリコーン系化合物、フッ素樹脂等が挙げられる。添加剤成分の配合量は、本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物の特性が維持される範囲であれば特に制限はない。
次に、本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物の製造方法について説明する。本発明の樹脂組成物は、前述の各配合割合で、さらには他の添加剤成分を任意の割合で配合し、溶融混練することにより得られる。このときの配合および混練は、通常用いられている機器、例えばリボンブレンダー、ドラムタンブラーなどで予備混合して、ヘンシェルミキサー、バンバリーミキサー、単軸スクリュー押出機、二軸スクリュー押出機、多軸スクリュー押出機、コニーダ等を用いる方法で行うことができる。混練の際の加熱温度は、通常200〜320℃であり、好ましくは220〜280℃の範囲で適宜選択される。
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、上記の溶融混練物、あるいは、得られたペレットを原料として、中空成形法、射出成形法、押出成形法、真空成形法、圧空成形法、熱曲げ成形法、カレンダー成形法、回転成形法などにより成形体とすることができる。本発明はまた、前述した本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物からなる成形体をも提供する。
次に、本発明を実施例により、更に詳しく説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
性能評価は、下記の測定方法に従って行なった。
(1)耐衝撃性試験
IZOD衝撃強度:ASTM D256に準拠して測定した。試験条件:〔温度:23℃、成形品肉厚:3.2mm(1/8インチ)、ノッチ有り〕、単位:kJ/m2
(2)耐熱性試験
荷重たわみ温度:JIS−K−7207に準拠、試験条件〔荷重:1.8MPa、昇温速度:120℃/h〕、単位:℃
(3)植物度
ポリ乳酸樹脂の質量分率とした。単位:%
(4)ウェルド強度
引張強度:JIS K7162に準拠して測定した。試験条件〔温度:23℃、肉厚:3.2mm(1/8インチ)、単位:MPa
(5)外観
目視により確認した。
○:フローマーク・真珠光沢等の外観不良が見られない
△:成形品のゲート部などで一部外観不良が見られる
×:成形品に全体的に外観不良が見られる
(6)流動性試験
MFR:JIS−K−7210に準拠して測定した。試験条件:〔温度:240℃、荷重:21.18N〕、単位:g/10min
実施例1〜17及び比較例1〜9
各配合原料をそれぞれ乾燥した後、第1〜3表に示す配合割合にて、タンブラーを用いて均一にブレンドした後、二軸スクリュー混練機で混練し、ペレット化した。
得られたペレットを、射出成形機を用いて成形し、所望の試験片を得た。この試験片を用いて性能評価を行った結果を第1〜3表に示す。
Figure 0005386065
Figure 0005386065
Figure 0005386065
第1〜3表において、(A)〜(C)成分に用いた材料は以下の通りである。
芳香族ポリカーボネート樹脂:「タフロン」(登録商標) A1900(出光興産株式会社製)
ポリ乳酸樹脂:「LACEA」(登録商標) H−100(三井化学株式会社製)
脂肪族ポリエステル1:「GSPla」(登録商標) (三菱化学株式会社製、ポリブチレンサクシネート、Tg:−32℃)
脂肪族ポリエステル2:「ルナーレ」(登録商標)SE(株式会社日本触媒製、ポリエチレンサクシネート、Tg:−11℃)
脂肪族ポリエステル3:「ビオノーレ」(登録商標)(昭和高分子株式会社製、ポリブチレンサクシネート‐アジペート、Tg:−40℃)
芳香族ポリエステル1:「タフペット」(登録商標)N1300(三菱レイヨン株式会社製、ポリブチレンテレフタレート)
芳香族ポリエステル2:「ダイヤナイト」(登録商標)PA200(三菱レイヨン株式会社製、ポリエチレンテレフタレート)
エポキシ化合物1:「エピクロン」(登録商標) AM‐040‐P(大日本インキ化学工業株式会社製、ビスフェノールAエポキシ樹脂)
エポキシ化合物2:「ボンドファスト」(登録商標) E(住友化学工業製、エポキシ変性エチレン−メタクリレート樹脂)
エラストマー成分:「メタブレン」(登録商標) S‐2001(三菱レイヨン株式会社製、アクリル/シリコーン系コアシェル構造エラストマー)
カルボジイミド化合物:「カルボジライト」(登録商標) LA‐1(日清紡績株式会社製、ジシクロヘキシルカルボジイミド)
イソシアネート化合物:「タケネート」(登録商標) 600(三井化学ポリウレタン株式会社製、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン)
オキサゾリン化合物:「エポクロス」(登録商標) RPS−1005(株式会社日本触媒製、オキサゾリン基含有反応性ポリスチレン)
第1〜3表より以下のことが分かる。
(1) 実施例1〜6と比較例1〜5との対比及び実施例7〜9と比較例7との対比から明らかなように、芳香族ポリカーボネート(A)及びポリ乳酸樹脂(B)からなる混合樹脂に脂肪族ポリエステル(C)を配合することでIZOD耐衝撃性が著しく向上し、耐熱性も良好となる。また従来の系で発現するフローマーク等の外観不良が抑えられる。
(2) 実施例13〜14から、エポキシ化合物とカルボジイミド化合物を添加することで、耐衝撃性とウェルド強度を改善することができる。
(3) 実施例1〜6、13、14及び比較例6から、エラストマー成分を添加した比較例と比べ、エラストマー系以上に耐衝撃性が向上している。
(4) 実施例1、比較例4及び5から、脂肪族ポリエステル(C)成分の代わりにPBT,PETといった芳香族ポリエステルを用いても、耐衝撃性は向上しない。
(5) 実施例16及び比較例8から、脂肪族ポリエステル(C)成分を増量すると熱変形温度が若干低下するが、十分な耐衝撃性を持たせることができる。また、添加量が多すぎると、熱変形温度とウェルド強度が大幅に低下する。

Claims (5)

  1. 芳香族ポリカーボネート(A)95〜30質量%及びポリ乳酸樹脂(B)5〜70質量%からなる混合樹脂100質量部に対して、脂肪族ジカルボン酸と脂肪族ジオールからなる脂肪族ポリエステル(C)を0.1〜100質量部配合してなる芳香族ポリカーボネート樹脂組成物(但し、(I)前記(A)〜(C)成分に、無機充填剤、グリシジル化合物または酸無水物をグラフトまたは共重合した高分子化合物、芳香族ポリカーボネート鎖を有するグラフトポリマー、および有機金属化合物よりなる群より選ばれる少なくとも一種の相溶化剤が配合されてなる樹脂組成物と、(II)(A’)ポリ乳酸樹脂80〜20質量%、(B’)芳香族ポリカーボネート樹脂20〜80質量%、さらに、(A’)と(B’)成分の合計100質量部に対し、(C’)顔料0.1〜20質量部、(D’)フッ素系樹脂0.1〜10質量部、(E’)ヒンダードフェノール系酸化防止剤0.01〜10質量部および(F’)脂肪族ポリエステル樹脂を含有してなる樹脂組成物を除く。)。
  2. 前記脂肪族ポリエステル(C)が、下記一般式(a)で表される繰返し単位を有する、請求項1に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
    Figure 0005386065
    (式中、m及びnは、それぞれ1〜5の整数を示す。)
  3. (A)と(B)とからなる混合樹脂100質量部に対して、カルボジイミド化合物、エポキシ化合物、イソシアネート化合物及びオキサゾリン化合物から選ばれる少なくとも一種を0.01〜10質量部添加してなる、請求項1又は2に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
  4. 前記脂肪族ポリエステル(C)のガラス転移温度(Tg)が0℃以下である、請求項1〜3のいずれかに記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物からなる成形体。
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