JP5385813B2 - 鞍乗り型車両の電装品取付構造 - Google Patents
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Description
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、鞍乗り型車両の電装品取付構造において、エンジンの近傍に複数の電装品を配置し、さらなるマスの集中化を図ることができるようにすることを目的とする。
この構成によれば、電装品ホルダが、発電機カバーの前方に位置するホルダ前部と、発電機カバーの上方に位置するホルダ上部とを有し、ホルダ前部及びホルダ上部に複数の電装品が取り付けられる。このため、発電機カバーの前方及び上方のエンジン周辺のデッドスペースを利用して電装品を取り付けでき、さらなるマスの集中化を図ることができる。
この場合、車体フレームと発電機カバーとの間に電装品ホルダが配され、発電機カバーの前方かつホルダ前部の車幅方向内側にハーネスが配索されるため、発電機カバーの前方のエンジン周辺のデッドスペースにハーネスを設けることができ、マスの集中化を図ることができる。また、コネクタをエンジン周辺に配置でき、マスの集中化を図ることができる。
この場合、ホルダ前部に凸条部を設けることでレギュレータが取り付けられる部分の剛性を向上できるとともに、上下に延びる凸条部に沿わせてハーネスを配することで、凸条部をハーネスガイドとしても利用することができる。
この場合、凸条部と直交する面を有する回り込み部のコネクタ受け部にコネクタが取り付けられるため、コネクタを凸条部の延びる方向に沿わせて回り込み部にコンパクトに配置できる。
さらにまた、前記電装品ホルダには、前記ホルダ上部から後方に延長されるホルダ後部が設けられ、該ホルダ後部に別の電装品が取り付けられても良い。
この場合、ホルダ後部に別の電装品を設けることで、エンジン周辺に電装品を配置でき、さらなるマスの集中化を図ることができる。
この場合、ホルダ前部及びホルダ上部の取り付け部によって電装品ホルダを車体フレームに取り付けできるとともに、ホルダ下部の脚部を発電機カバーに当接させて位置決めできるため、少ない部品点数で確実に電装品ホルダを取り付けできる。
この場合、エンジンからバッテリに伝わる熱を遮熱板によって抑えつつ、バッテリを電装品ホルダに配置してマスの集中化を図ることができる。
さらに、前記ホルダ上部の車幅方向内側にラジエータホースと前記ハーネスとが配される構成としても良い。
この場合、ホルダ上部の車幅方向内側のデッドスペースにラジエータホース及びハーネスを配置してマスの集中化を図りつつ、ホルダ上部で覆うようにして、ラジエータホース及びハーネスを保護することができる。
また、凸条部を設けることでレギュレータが取り付けられる部分の剛性を向上できるとともに、上下に延びる凸条部に沿わせてハーネスを配することで、凸条部をハーネスのガイドとしても利用することができる。
さらにまた、ホルダ後部に別の電装品を設けることで、エンジン周辺に電装品を配置でき、さらなるマスの集中化を図ることができる。
また、ホルダ前部及びホルダ上部の取り付け部によって電装品ホルダを車体フレームに取り付けできるとともに、ホルダ下部の脚部を発電機カバーに当接させて位置決めできるため、少ない部品点数で確実に電装品ホルダを取り付けできる。
さらに、ホルダ上部の車幅方向内側のデッドスペースにラジエータホース及びハーネスを配置してマスの集中化を図りつつ、ホルダ上部で覆うようにして、ラジエータホース及びハーネスを保護することができる。
図1は、本発明の実施の形態に係る電装品取付構造を備えた鞍乗り型車両を示す左側面図である。
鞍乗り型車両1は、車体フレーム2と、車体フレーム2の前部のヘッドパイプ3に操舵自在に支持される左右一対のフロントフォーク4と、これらフロントフォーク4の上端部に取り付けられて車体前部の上部に配置された操舵用のハンドル(図示略)と、フロントフォーク4に回転自在に支持された前輪5と、車体の略中央で車体フレーム2に支持されたエンジン6と、車体フレーム2に上下に揺動自在に支持されたスイングアーム7と、このスイングアーム7の後部に回転自在に軸支された後輪8と、車体フレーム2の上方に配置された燃料タンク9とを備えている。
ピボットプレート11には、車幅方向に貫通するピボット軸12が設けられ、スイングアーム7は、ピボット軸12を中心として上下に揺動自在に支持されている。スイングアーム7の前部の上部には、リアクッションユニット13の上端が取り付けられ、リアクッションユニット13の下端は、ピボットプレート11の下端に設けられたリンク機構14を介してピボットプレート11に連結されている。
クランクシャフト68を収容するクランクケース30の下方には、オイルパン31が設けられている。
クランクケース30の左側面の後部には、エンジン6の出力軸6Aが設けられ、エンジン6の出力は、出力軸6Aに設けられた前スプロケット17と、後輪8に設けられた後スプロケット18との間に架け渡される駆動チェーン19によって後輪8に伝達される。
クランクケース30の左側面には、車両の電装品を保持する電装品ホルダ120が設けられ、電装品ホルダ120には、バッテリ33(電装品)やレギュレータ66(電装品)等の電装品が取り付けられる。
また、燃料タンク9には、エンジン6に燃料を供給する燃料ポンプ9Aが内蔵されている。
メインフレーム10は左右一対の略対称形状で設けられ、車両前部のヘッドパイプ3から車幅方向に左右にそれぞれ分岐し、その前後の中間部まで拡幅しながら後方に延び、その後、後方へ延びるに従って徐々に幅狭になり、各後端部が左右のピボットプレート11の上部に溶接によって接合されている。ヘッドパイプ3は、キャスター角に合わせて後傾して設けられ、メインフレーム10は、ヘッドパイプ3の軸方向に直交するように後下がりに延びている。
また、ピボットプレート11の下端には、ピボットプレート11間を連結するクロス部材(図示略)が設けられている。
上側メインフレーム部材41は、ヘッドパイプ3の上部とピボットプレート11の上部とを連結する上部フレーム本体部44を有し、上部フレーム本体部44の後端は、メインフレーム10をピボットプレート11に溶接する後部接合部44Aとなっている。後部接合部44Aからは、上部フレーム本体部44と分岐して、上部フレーム本体部44の下方を前方に延びる分岐フレーム部46が設けられ、この分岐フレーム部46は、上部フレーム本体部44の前後の中間部まで延びている。上側メインフレーム部材41は、断面略矩形のチューブ状に形成され、閉断面構造を有する中空部材となっている。
中間フレーム部材43の後端は分岐フレーム部46の前端近傍に位置し、中間フレーム部材43の後方において上部フレーム本体部44と分岐フレーム部46との間には、メインフレーム10を車幅方向に貫通する開口10Aが形成されている。エンジン6の吸気装置の吸気口(図示略)は、開口10Aから外側面に臨むように配置される。
また、メインフレーム10間には、左右のメインフレーム10の前部を互いに連結するガセット部材51が設けられている。
左右の外側中間フレーム部材48には、左右一対のステアリングダンパー(図示略)が取り付けられるステアリングダンパー固定部84が設けられている。ガセット部材51の上面には、タンクカバー37用のステー83D、及び、アース取付け部89が設けられている。
図3〜図5に示すように、クランクケース30の左側面には、発電機収容室115が形成されており、発電機収容室115には、クランクシャフト68の回転を電力に変換する発電機114が収容される。発電機収容室115は、クランクケース30の左側面に、車幅方向の外側に突出する発電機カバー116を取り付けることで設けられている。
発電機114は、クランクケース30内で車幅方向に水平に延びるクランクシャフト68の左端部に設けられて車幅方向の左側(一側)の外側に突出し、発電機カバー116によって外側方を覆われることで発電機収容室115に収容されている。発電機カバー116は有底の円筒部を有し、この円筒部の底部が左側面に位置する状態で、その外径の中心がクランクシャフト68と略同軸となるように配置されている。
ホルダ下部125には、複数のハーネス98が支持されており、各ハーネス98の先端に設けられたハーネス側接続部98Aは、ホルダ下部125から外側に突出して配置されている。本実施の形態ではハーネス98は8本が設けられている。各ハーネス側接続部98Aの外側端には、車両に搭載された複数の電装部品の接続ケーブル(図示略)がそれぞれ接続される。
ケーブル132は柱状の接続端子部132Aを介してコネクタ131に接続されている。ケーブル132は、空間S内を後方に延びて上記ECUに接続される。このように、各ハーネス98がハーネス集合部98Bで一本に統合され、コネクタ131を介して一本のケーブル132によってECUに接続されるため、電装部品の配線をシンプルに構成することができる。
図4及び図6に示すように、ホルダ上部122は車両の前後方向に延びる鉛直面に対して略平行に延びる平板部122Aを有し、バッテリ33は、平板部122Aの外側面に当接して取り付けられる。図4、図6及び図9に示すように、平板部122Aの上縁及び下縁には、車幅方向外側に延びる上支持板122B及び下支持板122Cがそれぞれ設けられ、バッテリ33は、下支持板122Cに下方から支持され、上支持板122Bと下支持板122Cとの間に設けられている。上支持板122B及び下支持板122Cは、平板部122Aの前後方向の中間部に位置し、上支持板122B及び下支持板122Cには、バッテリ33を支持するゴムバンド135が引っ掛けられる爪部136がそれぞれ形成されている。
バッテリ33は、前後方向に長く形成された薄型のバッテリ本体部33Aと、車幅方向に2分割されたバッテリケース137とを有している。バッテリケース137は、バッテリ33の右半部を収容する内側ケース部137Aと、バッテリ33の左半部を収容する外側ケース部137Bとを組み合わせて箱型に形成される。
ゴムバンド135は、図9に示すように、上下の爪部136間に掛け渡され、バッテリ33は、外側ケース部137Bの外側面に当接するゴムバンド135によって平板部122Aの側に押し付けられることでホルダ上部122に固定される。
ホルダ上部122の後側固定孔部138の外側面には、バッテリ33を車幅方向外側から支持する支持アーム140が取り付けられている。支持アーム140は車幅方向に延びる取り付け板部140Aと、取り付け板部140Aの一端から屈曲して下方に延びる支持板部140Bとを有し、支持板部140Bには、バッテリ33の外側面に当接する当接部材140Cが取り付けられている。外側ケース部137Bの外側面には、バッテリ本体部33Aの側に窪んだ凹部137Cが形成されており、バッテリ33は、当接部材140Cが凹部137Cに係合した状態で支持アーム140によって固定される。
支持アーム140は、取り付け板部140Aの他端に形成された固定部140Dが、後側固定孔部138とともにボルト138Aによって電装品ホルダ後側固定部67Cに共締めされることで固定されている。
図3、図4及び図6に示すように、回り込み部123は、車幅方向に延びて車両の正面側を向く前板部160と、前板部160の下縁に連続するとともに前板部160に略直交し車両の上面側を向く直交板部161(直交する面)とを有している。前板部160はホルダ上部122の前縁に連続して設けられ、直交板部161はホルダ前部121の上縁に連続して設けられ、回り込み部123は、ホルダ前部121とホルダ上部122とを連結している。
図6に示すように、直交板部161には、コネクタ131を受けるコネクタ受け部162が設けられている。コネクタ受け部162は、コネクタ131が挿通されるコネクタ支持孔162Aと、コネクタ131を受けるコネクタ支持孔162Aの周縁部162Bとを備えている。また、周縁部162Bには、コネクタ131に形成された突起(図示略)が嵌合する貫通穴162Cが複数形成されている。
また、図11に示すように、コネクタ131の後方には車幅方向に延びる前板部160が位置し、前板部160は、前板部160の後方側の空間Sの前方側の一部を塞いでいる。このため、ホルダ前部121の車幅方向内側に異物等が侵入することを防止できる。
また、レギュレータ66は、後部のボルト166Bによってレギュレータ取り付け部163Bに締結されるとともに、前部のボルト166Aによってメインフレーム10側の電装品ホルダ前側固定部67Aに、レギュレータ取り付け部163Aとともに締結される。すなわち、レギュレータ66及びホルダ上部122のレギュレータ取り付け部163Aは、ボルト166Aによって電装品ホルダ前側固定部67Aに共締めされている。このため、レギュレータ66及び電装品ホルダ120を固定するための固定部を削減でき、簡単な構成で電装品を固定できる。
図4及び図12に示すように、ホルダ下部125の後部には、後方側に突出した脚部176が設けられ、脚部176は、側面視において発電機カバー116の前部に重なるように設けられている。脚部176の車幅方向内側面には、板状のゴム板177(弾性部材)が設けられており、脚部176は、ゴム板177を介して発電機カバー116の側面に当接している。
このように、各ハーネス98をホルダ下部125の内側の空間S内に配索するため、発電機カバー116の周囲のデッドスペースを利用してハーネス98をコンパクトに配置できるとともに、車幅方向内側にハーネス98を配置してマスの集中化を図ることができる。また、ホルダ下部125が車幅方向内側へ傾斜しているため、ホルダ下部125が鉛直に設けられる場合に比して、ハーネス側接続部98Aの端から上方に屈曲するハーネス98の屈曲度を小さくでき、ハーネス98の屈曲による負荷を低減できる。
また、ホルダ前部121に凸条部170を設けることでレギュレータ66が取り付けられる部分の剛性を向上できるとともに、上下に延びる凸条部170のガイド溝部172に沿わせてハーネス集合部98Bを配したため、凸条部170をハーネス98のガイドとしても利用することができる。
さらにまた、ホルダ後部124に通信機130を設けることで、エンジン6の周辺にさらに別の電装品を配置でき、さらなるマスの集中化を図ることができる。
また、エンジン6からバッテリ33に伝わる熱を遮熱板142によって抑えつつ、バッテリ33を電装品ホルダ120に配置してマスの集中化を図ることができる。
さらに、ホルダ上部122の車幅方向内側の空間Sにラジエータホース117B及びハーネス98のケーブル132を配置したため、マスの集中化を図ることができるとともに、ホルダ上部122で覆うようにして、ラジエータホース117B及びケーブル132を保護することができる。
上記実施の形態では、電装品ホルダ120には、レギュレータ66、バッテリ33及び通信機130が取り付けられるものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、電装品として、車載カメラ等を電装品ホルダ120に取り付けても良い。また、その他の鞍乗り型車両1の細部構成についても任意に変更可能であることは勿論である。
2 車体フレーム
6 エンジン
33 バッテリ
66 レギュレータ
98 ハーネス
114 発電機
116 発電機カバー
117B ラジエータホース
120 電装品ホルダ
121 ホルダ前部
122 ホルダ上部
123 回り込み部
124 ホルダ後部
125 ホルダ下部
128 中間固定孔部(取り付け部)
130 通信機(別の電装品)
131 コネクタ
138 後側固定孔部(取り付け部)
142 遮熱板
161 直交板部(直交する面)
162 コネクタ受け部
163A レギュレータ取り付け部
163B レギュレータ取り付け部
170 凸条部
175 ハーネス支持孔(ハーネス接合部)
176 脚部
177 ゴム板(弾性部材)
Claims (8)
- 車体フレームと、前記車体フレームに支持されるエンジンと、電装品を支持するとともに前記エンジンに近接して配される電装品ホルダとを備える鞍乗り型車両の電装品取付構造において、
前記エンジンは、車幅方向の一側に外側に突出する発電機と、該発電機の外側方を覆う発電機カバーとを有し、前記電装品ホルダは、前記発電機カバーの前方に位置するホルダ前部と、前記発電機カバーの上方に位置するホルダ上部と、前記ホルダ前部と前記ホルダ上部とを前記発電機カバーを上方に回り込むように延びて連結する回り込み部とを有し、前記ホルダ前部と前記ホルダ上部とのそれぞれの外側面に複数の電装品が取り付けられることを特徴とする鞍乗り型車両の電装品取付構造。 - 前記車体フレームは前記発電機カバーの前方から後方にかけて上方に回り込むように配され、前記電装品ホルダは側面視で前記車体フレームと前記発電機カバーとの間に配され、前記電装品ホルダには、前記ホルダ前部から下方に延長されるホルダ下部が設けられ、該ホルダ下部には複数のハーネス接合部が設けられ、
前記ハーネス接合部から前記ホルダ前部の車幅方向内側かつ前記発電機カバーの前方に複数のハーネスが配索され、前記回り込み部に前記複数のハーネスと接続されるコネクタが設けられることを特徴とする請求項1記載の鞍乗り型車両の電装品取付構造。 - 前記ホルダ前部には前後2箇所でレギュレータが取り付けられ、前記ホルダ前部の前後2箇所のレギュレータ取り付け部の間には、車幅方向外側に突出するとともに上下方向に延びる凸条部が設けられ、該凸条部の車幅方向内側に前記ハーネスが配されることを特徴とする請求項2記載の鞍乗り型車両の電装品取付構造。
- 前記回り込み部には、前記凸条部の上方に該凸条部と直交する面を有するとともに、前記コネクタが取り付けられるコネクタ受け部が設けられることを特徴とする請求項3記載の鞍乗り型車両の電装品取付構造。
- 前記電装品ホルダには、前記ホルダ上部から後方に延長されるホルダ後部が設けられ、該ホルダ後部に別の電装品が取り付けられることを特徴とする請求項2から4のいずれかに記載の鞍乗り型車両の電装品取付構造。
- 前記電装品ホルダは、前記ホルダ前部と、前記ホルダ上部とに前記車体フレームへの複数の取り付け部を有するとともに、前記ホルダ下部の後部に前記発電機カバーに弾性部材を介して当接する脚部を有することを特徴とする請求項5記載の鞍乗り型車両の電装品取付構造。
- 前記ホルダ上部の外側面にはバッテリが取り付けられ、前記ホルダ上部の車幅方向内側には遮熱板が設けられることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の鞍乗り型車両の電装品取付構造。
- 前記ホルダ上部の車幅方向内側にラジエータホースと前記ハーネスとが配されることを特徴とする請求項2から6のいずれかに記載の鞍乗り型車両の電装品取付構造。
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