JP5384704B1 - マーキング用具、マーキング用具の使用方法、及び鉄筋籠組立用型枠の作製方法 - Google Patents
マーキング用具、マーキング用具の使用方法、及び鉄筋籠組立用型枠の作製方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】リング部材の円周を所望の分割数に簡単に等分割でき、等分割した箇所に正確かつ効率よくマークを付すことができ、マーキング作業の精度向上及び効率化を図ることができるマーキング用具を提供すること。
【解決手段】リング部材24、34の円周を所望の分割数に等分割する際に使用されるマーキング用具1であって、帯状の長手方向に沿って複数の透孔2aが所定間隔αで形成された湾曲容易な第1の帯状ばね部材2と、帯状の長手方向に沿って複数の透孔3aが所定間隔β(β=2α)で形成された湾曲容易な第2の帯状ばね部材3と、第1の帯状ばね部材2の透孔2b、及び第2の帯状ばね部材3の透孔3bに挿通可能な線状長部材4と、第1の帯状ばね部材2の透孔2a、及び第2の帯状ばね部材3の透孔3aに挿通可能な線状短部材5とを含んで構成されている。
【選択図】 図1
【解決手段】リング部材24、34の円周を所望の分割数に等分割する際に使用されるマーキング用具1であって、帯状の長手方向に沿って複数の透孔2aが所定間隔αで形成された湾曲容易な第1の帯状ばね部材2と、帯状の長手方向に沿って複数の透孔3aが所定間隔β(β=2α)で形成された湾曲容易な第2の帯状ばね部材3と、第1の帯状ばね部材2の透孔2b、及び第2の帯状ばね部材3の透孔3bに挿通可能な線状長部材4と、第1の帯状ばね部材2の透孔2a、及び第2の帯状ばね部材3の透孔3aに挿通可能な線状短部材5とを含んで構成されている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、マーキング用具、マーキング用具の使用方法、及び鉄筋籠組立用型枠の作製方法に関し、より詳細には、リング部材の円周を所望の分割数に等分割し、等分割した箇所にマークを簡単に付すことができ、作業性を向上させることができるマーキング用具、マーキング用具の使用方法、及び鉄筋籠組立用型枠の作製方法に関する。
建造物の耐震基礎となる場所打ち杭には、通常、コンクリート構造体の補強を行うために、多数の鉄筋が格子状に組み合わされて筒状に形成された鉄筋籠と呼ばれる組立体が使用されている。
このような鉄筋籠は、一般的に、円周上の中心軸方向に配列された多数の主筋と、これら主筋の内側に直交する態様で配設され、その交差部で主筋と固定された複数の補強リング(帯状リング)と、これら主筋の外側にほぼ直交する態様で巻き付けられた多数のフープ筋とを含んで構成されている。これら主筋と補強リングとの交差部は、固定用金具又は溶接等により固定され、主筋とフープ筋との交差部は、鉄線結束やクリップ金具、又は溶接等により固定(接合)されるようになっている。
このような鉄筋籠の組み立てには、下記の特許文献1に記載されているような組立用型枠(すなわち、主筋を所定位置に配置(横設)させるための円弧形状をした枠部を有する上下一組の型枠)を使用して組み立てる場合と、このような組立用型枠を使用しないで組み立てる場合とがある。
ここで、従来の組立用型枠の形態及びその利用方法について説明する。図4は、従来の組立用型枠の形態及びその利用方法を示した図であり、(a)は、下部型枠に主筋及び補強リングが配置された状態、(b)は、下部型枠の上に設置された上部枠部に主筋が配置された状態を示す図である。
組立用型枠は、下部型枠20と、下部型枠20の上に設置される上部型枠30とを含んで構成されている。下部型枠20は、主筋41を支持する円弧状枠部21と、円弧状枠部21を支持する支持枠部22と、円弧状枠部21の内側面に所定の主筋配置間隔を備えて固着された主筋受け止め片23とを含んで構成されている。なお、下部型枠20は、組み立てる鉄筋籠の長さ方向に、一定間隔で並列配置される。
上部型枠30は、主筋41を支持するための円弧状枠部31と、円弧状枠部31の両端部に固着された載置片32と、円弧状枠部31の外側面に所定の主筋配置間隔を備えて固着された主筋受け止め片33とを含んで構成されている。上部型枠30は、下部型枠20の上に設置される。
なお、下部型枠20の円弧状枠部21のなす円の半径は、補強リング42のなす外半径よりも、主筋1本分(又は束ね配筋の場合は2本分)の直径ほど大きく設定されており、かかる設定により主筋受け止め片23、33に係止された主筋41が補強リング42に当接するようになっている。
次に、下部型枠20と上部型枠30とを用いた鉄筋籠の組み立て方法を説明する。まず、下部型枠20を、組み立てる鉄筋籠の長さ方向に、一定間隔で並列配置する。次に、主筋41を下部型枠20(の円弧状枠部21)の主筋受け止め片23に係止させるように順次載置してゆき、下部型枠20に主筋41を配置した後、補強リング(帯状板などをリング状に形成したもの)42を、下部型枠20(の円弧状枠部21)に載置された主筋41の上に載置し、これら主筋41と補強リング42との交差部を固定用金具等(図示せず)により固定する(図4(a))。
次に、図4(b)に示すように、下部型枠20の上に上部型枠30を配置してゆき、主筋41を上部型枠30(の円弧状枠部31)の主筋受け止め片33に係止させるように順次載置してゆく。上部型枠30に主筋41を配置した後、これら主筋41と補強リング42との交差部を、固定用金具等(図示せず)により固定する。その後、フープ筋等(図示せず)を取り付けた後、上部型枠30と下部型枠20とを取り外して、鉄筋籠の組立てを完成する。
上記したような組立用型枠(下部型枠20及び上部型枠30)を使用する場合、組み立てる鉄筋籠の直径や主筋本数等に対応した型枠を予め作製しておく必要があるが、鉄筋籠の組み立て作業、特に、固定用金具などを用いた主筋41と補強リング42との固定作業などを安全かつ迅速に行うことができる。
一方、組立用型枠を使用しない場合(すなわち、複数の作業者で主筋をかかえた状態のままで、補強リング42に主筋41を溶接等で固着してゆく方法)は、組み立てる鉄筋籠の直径や主筋本数等に対応した型枠を予め作製することなく鉄筋籠を組み立てることができる。
しかし、近年、耐震性向上等の要請から鉄筋籠が大径化するとともに、主筋本数が増え、また太径の主筋が用いられる傾向にあることから、組立用型枠を使用しない場合、組み立て作業者の負担が著しく増し、組み立てる際の安全性等を確保するために作業者を増やすなどの別途対応が必要となっていた。
鉄筋籠の組み立てにおいて、組立用型枠を使用することが、作業の効率化及び安全性向上の面からも好ましいが、依然として、組立用型枠を使用しないで鉄筋籠を組み立てる建設現場も多くある。組立用型枠を使用していない理由としては、1つの建設現場で使用する鉄筋籠のサイズは通常数種類あり、鉄筋籠の直径や主筋本数等に対応した複数の組立用型枠を予め作製しておく必要があること、またこれらの組立用型枠の作製に手間がかかることなどが考えられる。
図4に示した組立用型枠を構成する下部型枠20の円弧状枠部21、及び上部型枠30の円弧状枠部31は、ともに半円形状となっているが、下部型枠20は、図5(a)に示したように、円弧状枠部21を構成するリング部材24に支持枠材22を組み付けた後、リング部材24の内側に、主筋受け止め片23(図4参照)を所定間隔毎に取り付け、その後、リング部材24等を分割(例えば、4分割)して作製されるものである。
また、図5(b)に示した上部型枠30は、円弧状枠部31を構成するリング部材34の外側に、主筋受け止め片33(図4参照)を所定間隔毎に取り付け、その後、リング部材34を分割(例えば2分割)して、両端部に載置片32(図4参照)を固着して作製されるものである。なお、必要強度等に応じて、支持部材35が適宜組み付けられるようになっている。
下部型枠20や上部型枠30の作製に手間がかかる1つの要因は、下部型枠20を構成するリング部材24に主筋受け止め片23を取り付ける作業や上部型枠30を構成するリング部材34に主筋受け止め片33を取り付ける作業にあり、その作業のために行うリング部材24、34へのマーキング作業、すなわち、主筋本数(円周分割数)に応じてリング部材24、34の円周を等分割した箇所にマークを付す作業が特に手間がかかると考えられる。
従来、このマーキング作業は、作業者が計算機などを用いて、下部型枠20のリング部材24の内径に基づいて円周を求め、組み立てる鉄筋籠に使用する主筋の本数から前記円周を等分割した場合の間隔(ピッチ)を求めた後、作業者が、リング部材24の内側面に巻尺(メジャー)をあてながら、前記求めた間隔毎に、巻尺の目盛りを読み取りながら全周に亘ってマークを付してゆく。その後、マークを付した箇所に主筋が位置するように、マーク箇所近傍に主筋受け止め片23をリング部材24に固着する。
また、上部型枠30では、リング部材34の外径に基づいて円周を求め、組み立てる鉄筋籠に用いる主筋の本数から前記円周を等分割した場合の間隔(ピッチ)を求める。そして、作業者が、リング部材34の外側面に巻尺(メジャー)をあてながら、求めた間隔毎に、巻尺の目盛りを読み取りながら全周に亘ってマークを付し、その後、マークを付した箇所に主筋が位置するように、マーク箇所近傍に主筋受け止め片33をリング部材34に固着するという作業を行っていた。
このようなマーキング作業は、リング部材24、34の全周に亘ってマークを付してゆく際、巻尺の目盛りの読み取りが面倒であり、また、目盛りの読み取りミスや巻尺の位置ずれ等によりマークを均等間隔に付すことができなかった場合、その間違いに気が付きにくく、また手間もかかるという課題があった。
特に近年では、上述したとおり、鉄筋籠の大径化とともに、使用される主筋の本数が増えたため、リング部材24、34として、直径2〜3mの大径のものが使用される場合や、補強リング42の外周に主筋を90本程度配置する場合などもあり、上記マーキング作業にさらに手間がかかるようになってきた。
鉄筋籠の組み立てなどの建設分野において、型枠などに使用されるリング部材の円周を等分割する箇所にマークを付す場合に、マーキング作業の精度を高めかつ効率化を図るための対策はこれまで殆どなされておらず、上記した鉄筋籠の組立用型枠の使用を躊躇する要因がなかなか解消されないという課題があった。
本発明は上記課題に鑑みなされたものであって、リング部材の円周を所望の分割数に簡単に等分割でき、等分割した箇所に正確かつ効率よくマークを付すことができ、マーキング作業の精度向上及び効率化を図ることができるマーキング用具、マーキング用具の使用方法、及び当該マーキング用具の使用方法を用いた鉄筋籠組立用型枠の作製方法を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために本発明に係るマーキング用具(1)は、リング部材の円周を所望の分割数に等分割する際に使用されるマーキング用具であって、帯状の長手方向に沿って複数の透孔が第1の所定間隔で形成された湾曲容易な第1の帯状ばね部材と、帯状の長手方向に沿って複数の透孔が前記第1の所定間隔よりも広い第2の所定間隔で形成された湾曲容易な第2の帯状ばね部材と、前記第1の帯状ばね部材の透孔、及び前記第2の帯状ばね部材の透孔に挿通可能な線状長部材と、前記第1の帯状ばね部材の透孔、及び前記第2の帯状ばね部材の透孔に挿通可能な線状短部材とを含んで構成されていることを特徴としている。
上記マーキング用具(1)によれば、前記第1の帯状ばね部材、前記第2の帯状ばね部材、前記線状長部材、及び前記線状短部材を組み合わせて使用することにより、前記リング部材の円周を所望の分割数に簡単に等分割することができ、等分割した箇所に正確かつ効率よくマークを付すことが可能となる。
したがって、従来のように、前記リング部材の円周を所望の分割数に等分割するための間隔を計算機でいちいち計算する必要がなく、また、前記リング部材に巻尺などをあてながら、前記計算で求めた間隔となるように巻尺の目盛りをいちいち読み取りながら、マークを付す必要もなくなるため、前記リング部材の円周を等分割する箇所へマークを付す作業の精度向上及び効率化を図ることができる。また、様々なサイズの前記リング部材や所望の分割数に対応させることができ、汎用性の高い用具とすることができる。
したがって、従来のように、前記リング部材の円周を所望の分割数に等分割するための間隔を計算機でいちいち計算する必要がなく、また、前記リング部材に巻尺などをあてながら、前記計算で求めた間隔となるように巻尺の目盛りをいちいち読み取りながら、マークを付す必要もなくなるため、前記リング部材の円周を等分割する箇所へマークを付す作業の精度向上及び効率化を図ることができる。また、様々なサイズの前記リング部材や所望の分割数に対応させることができ、汎用性の高い用具とすることができる。
また本発明に係るマーキング用具の使用方法(1)は、上記マーキング用具(1)の使用方法であって、前記第1の帯状ばね部材を湾曲させて、前記リング部材の分割数に対応した数の前記透孔を含むリング部を形成し、前記第2の帯状ばね部材を湾曲させて、前記リング部材の分割数に対応した数の前記透孔を含むリング部を形成し、前記リング部材に対して、前記第1の帯状ばね部材の前記リング部と、前記第2の帯状バネ部材の前記リング部とを略同心円状に配置し、2本の前記線状長部材を、前記第1の帯状ばね部材の前記リング部の透孔と、前記第2の帯状バネ部材の前記リング部の透孔とに略十字状に挿通し、前記第1の帯状ばね部材の前記リング部の前記透孔と、該透孔に対応する前記第2の帯状バネ部材の前記リング部の前記透孔とに、前記線状短部材を順次挿通し、前記各リング部の円周に沿って放射状に挿通された前記線状短部材と前記リング部材とが交差する箇所にマークを付すことを特徴としている。
上記マーキング用具の使用方法(1)によれば、前記第1の帯状ばね部材で、前記リング部材の分割数に対応した数の前記透孔を含む前記リング部を形成し、前記第2の帯状ばね部材で、前記リング部材の分割数に対応した数の前記透孔を含む前記リング部を形成し、前記リング部材に対して、前記第1の帯状ばね部材の前記リング部と前記第2の帯状バネ部材の前記リング部とを略同心円状に配置し、略同心円状に配置されたこれらリング部に2本の前記線状長部材を略十字状に挿通することで、前記第1の帯状ばね部材の前記リング部及び前記第2の帯状ばね部材の前記リング部と、前記リング部材とを精度良く同心円状に配置することができる。
そして、前記第1の帯状ばね部材の前記リング部の前記透孔と、該透孔に対応する前記第2の帯状バネ部材の前記リング部の前記透孔とに、前記線状短部材を順次挿通してゆくという、簡単な組み付け・配置作業により、前記リング部材の円周を所望の分割数に簡単に等分割することができる。また、前記各リング部の円周に沿って放射状に挿通された前記線状短部材と前記リング部材とが交差する箇所へのマークを付す作業を一気に進めることができ、等分割した箇所に正確かつ効率よくマークを付すことができる。
したがって、前記リング部材の円周を所望の分割数に等分割し、等分割した箇所にマークを付すにあたって、従来のように、前記リング部材の円周を所望の分割数に等分割するための間隔を計算機でいちいち計算する必要がなく、また、前記リング部材に巻尺をあてながら、前記計算で求めた間隔となるように巻尺の目盛りをいちいち読み取りながら、マークを付す必要もなくなるため、前記リング部材の円周を等分割する箇所へマークを付す作業の精度向上及び効率化を図ることができる。
また本発明に係るマーキング用具の使用方法(2)は、上記マーキング用具の使用方法(1)において、前記リング部材が、鉄筋籠組立用のリング状型枠部材であることを特徴としている。
上記マーキング用具の使用方法(2)によれば、前記鉄筋籠組立用のリング状型枠部材(例えば、数十cmから3m程度の直径を有する大径のリング部材で、円周の分割数が数十〜百程度のもの)に適用することで、前記大径のリング部材の円周を所望の分割数に簡単に等分割でき、これら等分割した箇所に正確かつ効率よくマークを付すことができ、前記大径のリング部材へのマーキング作業の精度向上及び効率化を図ることができる。したがって、これまで、鉄筋籠の組み立てに際して組立用型枠の使用を躊躇していた建設現場への導入を促進することが可能となる。
本発明に係る鉄筋籠組立用型枠の作製方法(1)は、上記マーキング用具の使用方法(2)を用いて、前記リング状型枠部材の内側面又は外側面にマークを付すマーキング工程と、該マーキング工程によりマークが付された前記リング状型枠部材の内側面又は外側面の各箇所に鉄筋籠を構成する主筋が配置されるように、前記各箇所の近傍に主筋受け止め部材を取り付ける工程と前記主筋受け止め部材が取り付けられたリング状型枠部材を分割する分割工程とを含むことを特徴としている。
上記鉄筋籠組立用型枠の作製方法(1)によれば、前記リング状型枠部材を使って作製される鉄筋籠組立用の型枠の作製作業の効率を高めることができ、しかも主筋の配置位置精度の高い型枠を作製することができ、当該方法で作製された型枠を鉄筋籠の組み立てに使用することで、主筋の配置位置精度の高い鉄筋籠を効率良く組み立てることができ、作業性の向上を図ることができる。
したがって、鉄筋籠の組み立てに際して、型枠を使用するメリットを高めることができ、型枠の使用を躊躇していた建設現場での利用促進を図ることができ、鉄筋籠の組み立て作業の安全性及び効率化を図ることができる。
以下、本発明に係るマーキング用具、マーキング用具の使用方法、及び鉄筋籠の組立工法の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、実施の形態に係るマーキング用具を下部型枠(分割前のもの)の上に配置した状態を示す平面図であり、図2は、マーキング用具を上部型枠(分割前のもの)の上に配置した状態を示す平面図である。また、図3(a)は、実施の形態に係るマーキング用具を構成する第1の帯状ばね部材の部分拡大側面図であり、(b)は、第2の帯状ばね部材の部分拡大側面図である。
図1に示した下部型枠20(分割前のもの)は、図5(a)に示したものと同様の構成のものであり、分割後に円弧状枠部21(図4)となるリング部材24と、リング部材24を支持する支持枠材22とを含んで構成されている。また、図2に示した上部型枠30(分割前のもの)も図5(b)に示したものと同様の構成のものであり、分割後に円弧状枠部31(図4)となるリング部材34と、リング部材34を支持する支持部材35とを含んで構成されている。
マーキング用具1は、図1、2に示すように、下部型枠20や上部型枠30を構成するリング部材24、34の円周を所望の分割数に等分割し、等分割した箇所にマークを付す際に使用される用具であり、帯状の長手方向に沿って複数の透孔2aが所定間隔αで形成され、透孔2a間に透孔2bが形成された湾曲容易な第1の帯状ばね部材2と、帯状の長手方向に沿って複数の透孔3aが所定間隔αよりも広い所定間隔βで形成され、透孔3a間に透孔3bが形成された湾曲容易な第2の帯状ばね部材3と、第1の帯状ばね部材2の透孔2a、2b、及び第2の帯状ばね部材3の透孔3a、3bに挿通可能な2本の線状長部材4と、第1の帯状ばね部材2の透孔2a、2b、及び第2の帯状ばね部材3の透孔3a、3bに挿通可能な多数本の線状短部材5とを含んで構成されている。
第1の帯状ばね部材2は、図3(a)に示すように、帯状の薄板バネ材、例えば、幅40mm前後、厚み0.5mm前後のベイナイト鋼帯や焼き入れリボン鋼などで構成され、帯状の長手方向に透孔2aが所定間隔α毎に並列に形成され、これら透孔2a間の中間点に透孔2bが一列に形成されている。これら透孔2a、2b(例えば、直径2〜4mm程度の孔)が等分割用マークとして機能するようになっている。また、第1の帯状ばね部材2の側面には、透孔2aの基準位置(0の位置)からの数が一見して分かるように、一定間隔毎に、この場合、5の倍数間隔で孔数に対応する番号(0、5、・・・、95、100、・・)が付されている。
また、第2の帯状ばね部材3は、図3(b)に示すように、第1の帯状ばね部材2と同様の帯状の薄板バネ材、例えば、例えば、幅40mm前後、厚み0.5mm前後のベイナイト鋼帯や焼き入れリボン鋼などで構成され、帯状の長手方向に透孔3aが所定間隔β毎に並列に形成され、これら透孔3a間の中間点に透孔3bが一列に形成されている。これら透孔3a、3b(例えば、直径2〜4mm程度の孔)が等分割用マークとして機能するようになっている。また、第2の帯状ばね部材3の側面には、透孔3aの基準位置(0の位置)からの数が一見して分かるように、一定間隔毎、ここでは5の倍数間隔で孔の数に対応する番号(0、5、・・・、95、100、・・)が付されている。なお、第1の帯状ばね部材2と第2の帯状ばね部材3の材質は、上記ベイナイト鋼帯や焼き入れリボン鋼に限られるものではなく、リング部2c、リング部3cが略真円状となる湾曲容易な材質の部材が採用され得る。
また、第1の帯状ばね部材2に形成された透孔2aの所定間隔αと、第2の帯状ばね部材3に形成された透孔3aの所定間隔βとは、β=nα、(nは1より大きい数値)の関係を有しており、例えば、所定間隔αを20mm、所定間隔βを40mm、(すなわち、β=2α)の関係に設定することができる。
線状長部材4は、第1の帯状ばね部材2で形成されたリング部2cの透孔2a又は2b、及び第2の帯状ばね部材3で形成されたリング部3cの透孔3a又は3bに略十字状に交差させて挿通可能な長さのばね性を有する線材(例えば、太さ1mm〜3mm程度の細線材)で構成されている。線状長部材4の長さは、下部型枠20や上部型枠30を構成するリング部材24、34の直径よりも少し長めが好ましい。
また、線状短部材5は、第1の帯状ばね部材2で形成されたリング部2cの透孔2aと第2の帯状ばね部材3で形成されたリング部3cの透孔3aとに挿通され、リング部材24、34と交差可能な長さのばね性を有する線材(例えば、太さ1mm〜3mm程度の細線材)で構成されている。線状短部材5の長さは、下部型枠20や上部型枠30を構成するリング部材24、34の半径よりも少し短めが好ましい。
線状短部材5には、端部に加工が施されていない直線状の線材の他に、一端側がコの字状に折曲されたフック部を有する線材も含まれている。このフック部を有する線状短部材5は、例えば、線状短部材5をリング部2cの透孔2aとリング部3cの透孔3aとに挿通させる際に、第1の帯状ばね部材2の余り部分2dや第2の帯状ばね部材3の余り部分3dが邪魔となって、線状短部材5を透孔2a、3aに挿通させにくい箇所で使用することができる。
使い方は、前記フック部を第1の帯状ばね部材2の透孔2aに係止させ、他端側を、該透孔2aに対応する第2の帯状ばね部材3の透孔3a上を通るように配置する。この際、線状短部材5を第2の帯状ばね部材3の透孔3aに無理に挿通させなくてもよい。後のマーキング作業時に、フック部付の線状短部材5を第2の帯状ばね部材3の対応する透孔3aの上を通るように位置させた上で、線状短部材5とリング部材24、34との交点にマークを付すようにすれば、透孔2a、3aを挿通させた場合と同様に、正確に等分割点にマークを付すことが可能となっている。また、第1の帯状ばね部材2の余り部分2dが、第2の帯状ばね部材3のリング部3cと重なる場合には、第1の帯状ばね部材2のリング部2cの下に台部材を配置(例えば、第2の帯状ばね部材3の帯幅程度の高さを有する略直方体形状をした台部材を複数個配置)し、第1の帯状ばね部材2を第2の帯状ばね部材3に対して上に浮かせた形態で配置することも可能である。
また、図2に示した、上部型枠30に使用されるマーキング用具1には、下部型枠20に使用したものをそのまま使用することができる。すなわち、下部型枠20に使用したマーキング用具1(各部材を組み付けた状態のもの)の上にそのまま上部型枠30を載せて使用することも可能である。
次に、実施の形態に係るマーキング用具1の使用方法について説明する。ここでは、鉄筋籠組立用の下部型枠20のリング部材24の円周を鉄筋籠の主筋本数で等分割し、等分割した箇所にマークを付す場合と、上部型枠30のリング部材34の円周を前記主筋本数で等分割し、等分割した箇所にマークを付す場合について、図1〜5を参照しつつ説明する。
事前に、組み立てる鉄筋籠の外径(主筋を含めた外径)に対応する内径を有するリング部材24に支持枠部22を組み付けた状態の下部型枠20(図1)を予め作製しておくとともに、組み立てる鉄筋籠に使用する補強リング42の外径より若干小さめの外径を有するリング部材34に支持部材35を組み付けた状態の上部型枠30(図2)を予め作製しておく。
まず、第1の帯状ばね部材2を湾曲させてリング部2cを形成する。すなわち、リング部2c側面の透孔2aの配列数が、下部型枠20を用いて組み立てる鉄筋籠の主筋本数(補強リング42(図4)の外周に配置される主筋本数)と一致するように、又は透孔2aの配列数が、鉄筋籠の主筋本数の整数倍となるようにリング部2cを形成する。
例えば、鉄筋籠の主筋本数が80本の場合、第1の帯状ばね部材2の「0」の番号位置にある透孔2aと、「80」の番号位置にある透孔2aとが重なるようにリング部2cを形成し、重ねた部分を粘着テープなどで外れないように固定する。第1の帯状ばね部材2は、上記したように湾曲容易な部材で構成されているので、リング部2cは、ほぼ真円形状となる。
また、鉄筋籠の主筋本数が30本の場合、第1の帯状ばね部材2の「0」の番号位置にある透孔2aと、「30」の番号位置にある透孔2aとが重なるようにリング部2cを形成してもよいが、リング径が小さくなり、また、リング部2cを形成しない余り部分2dが長くなるので、このような場合には、第1の帯状ばね部材2の「0」の番号位置にある透孔2aと、30の倍数である「60」の番号位置、又は「90」の番号位置にある透孔2aとが重なるようにリング部2cを形成することもできる。
また、鉄筋籠の主筋本数が偶数のみならず、奇数の場合にも対応可能となっている。例えば、鉄筋籠の主筋本数が25本の場合、第1の帯状ばね部材2の「0」の番号位置にある透孔2aと、25の倍数である「50」や「100」の番号位置にある透孔2aとが重なるようにリング部2cを形成し、重ねた部分を粘着テープなどで外れないように固定する。
次に、第2の帯状ばね部材3を湾曲させてリング部3cを形成する。すなわち、上記したリング部2cの形成と同様に、リング部3c側面の透孔3aの配列数が、鉄筋籠の主筋本数と一致するように、又は透孔3aの配列数が、鉄筋籠の主筋本数の整数倍となるようにリング部3cを形成する。
例えば、鉄筋籠の主筋本数が80本の場合、第2の帯状ばね部材3の「0」の番号位置にある透孔3aと、「80」の番号位置にある透孔3aとが重なるようにリング部3cを形成し、重ねた部分を粘着テープなどで外れないように固定する。
この場合に、例えば、第1の帯状ばね部材2に形成された透孔2aの所定間隔αと、第2の帯状ばね部材3に形成された透孔3aの所定間隔βとの関係が、例えば、β=2αの関係に設定されている場合、リング部3cの直径サイズは、リング部2cの直径サイズの2倍となる。
また、鉄筋籠の主筋本数が30本の場合、第2の帯状ばね部材3の「0」の番号位置にある透孔3aと、「30」の番号位置にある透孔3aとが重なるようにリング部3cを形成してもよいが、リング径が小さくなり、また、リングを形成しない余り部3dが長くなるので、このような場合には、第2の帯状ばね部材3の「0」の番号位置にある透孔3aと、30の倍数である「60」の番号位置、又は「90」の番号位置にある透孔3aとが重なるようにリング部3cを形成し、重ねた部分を粘着テープなどで外れないように固定する。
なお、第1の帯状ばね部材2でリング部2cを形成する場合に、透孔2aの配列数が、鉄筋籠の主筋本数のm倍となるようにした場合には、第2の帯状ばね部材3でリング部3cを形成する場合も、透孔3aの配列数が、鉄筋籠の主筋本数のm倍となるようにリング部3cを形成することが好ましい。また、鉄筋籠の主筋本数が偶数のみならず、奇数の場合にも対応可能となっている。
上記のようにして、鉄筋籠の主筋本数(すなわち、分割数)に対応した数の透孔2a、3aを有するリング状に、第1の帯状ばね部材2と前第2の帯状ばね部材3とをそれぞれ形成した後、リング状に形成された第1の帯状ばね部材2と第2の帯状ばね部材3と(すなわち、リング部2cとリング部3cと)を略同心円状に位置させるように、線状長部材4を第1の帯状ばね部材2のリング部2cと第2の帯状ばね部材3のリング部3cとに取り付ける作業を行う。
まず、リング部材24に対してリング部2cとリング部3cとを略同心円状に配置する。このとき、リング部2cの透孔2aの「0」等の番号位置と、リング部3cの透孔3aの「0」等の番号位置とが略対向するように配置する。次に、2本の線状長部材4を、リング部3cの透孔3bと、リング部2cの透孔3bとに略十字状に挿通する作業を行う。
例えば、鉄筋籠の主筋本数が80本の場合、第2の帯状ばね部材3、及び第1の帯状ばね部材2の「0」(「80」)と「79」の番号位置にある透孔3a間の透孔3b、及び透孔2a間の透孔2bと、この透孔3b及び透孔2bとリング中心点との延長線上に位置する透孔3b及び透孔2b、すなわち、「39」と「40」の番号位置にある透孔3a間の透孔3b、及び透孔2a間の透孔2bとに1本目の中央位置決め部材4を挿通する。
2本目の線状長部材4をこの1本目の線状長部材4と略直交させるために、第2の帯状ばね部材3、及び第1の帯状ばね部材2の「19」と「20」の番号位置にある透孔3a間の透孔3b、及び透孔2a間の透孔2bと、この透孔3b及び透孔2bとリング中心点との延長線上に位置する透孔3b及び透孔2b、すなわち、「59」と「60」の番号位置にある透孔3a間の透孔3b、及び透孔2a間の透孔2bとに挿通する。
線状長部材4を第2の帯状ばね部材3及び第1の帯状ばね部材2に略十字状に取り付けた後、線状長部材4の交点(リング部2cとリング部3cとの中心点)が、リング部材24の中心と略重なるように、線状長部材4が取り付けられた状態のリング部2c及びリング部3cを配置する。
上記のようにして、線状長部材4が取り付けられた状態のリング部2c及びリング部3cを、リング部材24の内側に略同心円状となるように配置した後、リング部2cの透孔2aと、該透孔2aに対応する位置にあるリング部3cの透孔3aとに、線状短部材5を挿通する作業を行う。
例えば、鉄筋籠の主筋本数が80本で、リング部2cの透孔2a及びリング部3cの透孔3aの配列数が80個となっている場合、リング部2c及びリング部3cの同じ番号箇所の透孔2a及び透孔3aに線状短部材5を順次挿通し、図1に示したように、リング部2c及びリング部3cの全周に亘って線状短部材5を取り付ける。
なお、主筋本数が多い場合には、主筋本数の全てに対応する線状短部材5を取り付ける方法の他、線状短部材5の取り付けを間引くことも可能である。
例えば、鉄筋籠の主筋本数が80本で、リング部2cの透孔2a及びリング部3cの透孔3aの配列数が80個となっている場合には、80個の透孔2a及び透孔3aに対して1つ飛ばしで線状短部材5を取り付け、マーキング時には、これら40本の線状短部材5とリング部材24との交点にマークを付すとともに、これらマークの中間点に目測でマークを付す方法を採用することができる。主筋本数が多い場合には、主筋間隔が狭くなるので、作業者による目測でマークを付しても誤差が殆ど生じない。
例えば、鉄筋籠の主筋本数が80本で、リング部2cの透孔2a及びリング部3cの透孔3aの配列数が80個となっている場合には、80個の透孔2a及び透孔3aに対して1つ飛ばしで線状短部材5を取り付け、マーキング時には、これら40本の線状短部材5とリング部材24との交点にマークを付すとともに、これらマークの中間点に目測でマークを付す方法を採用することができる。主筋本数が多い場合には、主筋間隔が狭くなるので、作業者による目測でマークを付しても誤差が殆ど生じない。
これら線状短部材5の取り付けが完了すれば、次にリング部材24にマークを付す作業に進む。すなわち、これら線状短部材5とリング部材24との交点(リング部材24の内側面)にマークを付してゆく。マークを付す道具は、特に限定されないが、マジックやチョーク、テープなどを用いることができる。
これら線状短部材5とリング部材24との各交点(リング部材24の内側面)にマークを付与する作業が終了すれば、次に、マーキング用具1と下部型枠20をそのままにして上部型枠30を中心に据え(図2)、上部型枠30のリング部材34に等分割の箇所を示すマークを付与する作業に移る。
マーキング用具1は、上部型枠30のリング部材34へのマーキングにそのまま使用でき、マーキング用具1の上に上部型枠30を配置する。
まず、線状長部材4等が取り付けられた状態のリング部2c及びリング部3cと、上部型枠30のリング部材34とが略同心円状となるように、上部型枠30を配置する。すなわち、線状長部材4の交点が、上部型枠30のリング部材34の中心と略重なるように上部型枠30を配置する。
まず、線状長部材4等が取り付けられた状態のリング部2c及びリング部3cと、上部型枠30のリング部材34とが略同心円状となるように、上部型枠30を配置する。すなわち、線状長部材4の交点が、上部型枠30のリング部材34の中心と略重なるように上部型枠30を配置する。
線状長部材4等が取り付けられた状態のリング部2c及びリング部3cとリング部材34とが略同心円状となるように上部型枠30を配置した後、リング部2cの透孔2aと、該透孔2aに対応する位置にあるリング部3cの透孔3aとに挿通された線状短部材5をリング部材34と交差させてゆく。すなわち、図2に示したように、リング部2c及びリング部3cの全周に亘って取り付けられた線状短部材5をリング部材34と交差させるように配置してゆく。
線状短部材5のリング部材34に対する配置が完了すれば、次にリング部材34にマークを付す作業に進む。すなわち、これら線状短部材5とリング部材34との交点(リング部材の外側面)にマークを付してゆく。
上記のようにして下部型枠20のリング部材24と上部型枠30のリング部材34に対する均等分割点のマーキング作業を完了した後、下部型枠20のリング部材24の内周面に、マーク箇所に主筋が位置するように、マーク近傍箇所に主筋受け止め片23を取り付け(溶接等で固着し)、また上部型枠30のリング部材34の外周面に、マーク箇所に主筋が位置するように、マーク近傍箇所に主筋受け止め片33を取り付ける(溶接等に固着する)作業を行う。そして、下部型枠20及び上部型枠30に対する主筋受け止め片23、33の取り付けを完了した後、これら下部型枠20を4分割し、上部型枠30を2分割することにより、2組の型枠を作製することが可能となっている。
なお、同一のリング径を有する下部型枠20を複数作製する場合には、上記マークが付された下部型枠20の上に、マークを付与する前の下部型枠20を複数個重ねて配置し、マークが付された下部型枠20のリング部材24のマーク箇所から前記マークを付与する前の下部型枠20のリング部材24に、垂直に線を引くことで、複数の下部型枠20のリング部材24に対して一度に等分割する箇所へのマーキングを行うことが可能である。また、上部型枠30を複数作製する場合も上記と同様にして、複数の上部型枠30のリング部材34に対して一度に等分割する箇所へのマーキングを行うことが可能である。
上記のようにして、マーキング用具1を用いてリング部材24及びリング部材34に等分割する箇所へのマーキングを施して、鉄筋籠組立用の下部型枠20及び上部型枠30を作製した後は、これらの下部型枠20及び上部型枠30を用いて、図4を参照して説明した、型枠を用いた鉄筋籠の組み立て方法と同様の方法で鉄筋籠を組み立てることができる。
すなわち、下部型枠20を、組み立てる鉄筋籠の長さ方向に、一定間隔で並列配置して、主筋41を下部型枠20の円弧状枠部21の主筋受け止め片23に係止させるように順次載置してゆき、下部型枠20に主筋41を配置した後、補強リング42を、下部型枠20の円弧状枠部21に載置された主筋41の上に載置し、これら主筋41と補強リング42との交差部を固定用金具等により固定する。
次に、上部型枠30を下部型枠20の上に配設してゆき、主筋41を上部型枠30の円弧状枠部31の主筋受け止め片33に係止させるように順次載置してゆく。上部型枠30に主筋41を配置した後、これら主筋41と補強リング42との交差部を、固定用金具等により固定する。その後、フープ筋等(図示せず)を取付けて、上部型枠30と下部型枠20とを取り外し、鉄筋籠の組立てを完成する。
なお、鉄筋籠を組み立てる工程における鉄筋籠を構成する主筋41と補強リング42との固定には、例えば、特許3914897号公報に記載されているような鉄筋固定用金具を用いることで、鉄筋籠組立作業の一層の効率化を図ることができる。
上記実施の形態に係るマーキング用具1によれば、第1の帯状ばね部材2、第2の帯状ばね部材3、線状長部材4、及び線状短部材5を組み合わせて使用することにより、リング部材24及びリング部材34の円周を所望の分割数に簡単に等分割することができ、等分割した箇所に正確かつ効率よくマークを付すことが可能となる。
したがって、従来のように、リング部材24、34の円周を所望の分割数に等分割するための間隔を計算機でいちいち計算する必要がなく、また、リング部材24、34に巻尺などをあてながら、前記計算で求めた間隔となるように巻尺の目盛りをいちいち読み取りながら、マークを付す必要もなくなるため、リング部材24、34の円周を等分割する箇所へマークを付す作業の精度向上及び効率化を図ることができる。また、様々なサイズのリング部材24、34や所望の分割数に対応させることができ、汎用性の高い用具とすることができる。
また、上記実施の形態に係るマーキング用具の使用方法によれば、第1の帯状ばね部材2で、リング部材24、34の分割数に対応した数の透孔2aを含むリング部2cを形成し、第2の帯状ばね部材3で、リング部材24、34の分割数に対応した数の透孔3aを含むリング部3cを形成し、リング部材24、34に対して、第1の帯状ばね部材2のリング部2cと第2の帯状バネ部材3のリング部3cとを略同心円状に配置し、略同心円状に配置されたこれらリング部2c及びリング部3cに2本の線状長部材4を略十字状に挿通することで、リング部2c及びリング部3cと、リング部材24、34とを精度良く同心円状に配置することができる。
そして、第1の帯状ばね部材2のリング部2cの透孔2aと、該透孔2aに対応する第2の帯状バネ部材3のリング部3cの透孔3aとに、線状短部材5を順次挿通してゆくという、簡単な組み付け・配置作業により、リング部材24、34の円周を所望の分割数に簡単に等分割することができる。また、各リング部2c、3cの円周に沿って放射状に挿通された線状短部材5とリング部材24、34とが交差する箇所へのマークを付す作業を一気に進めることができ、等分割した箇所に正確かつ効率よくマークを付すことができる。
また、鉄筋籠組立用のリング状の型枠部材(例えば、数十cmから3m程度の直径を有する大径のリング部材で、円周の分割数が数十〜百程度のもの)に適用することで、大径のリング部材24、34の円周を所望の分割数に簡単に等分割でき、等分割した箇所に正確かつ効率よくマークを付すことができ、前記大径のリング部材24、34へのマーキング作業の精度向上及び効率化を図ることができる。
また、上記実施の形態に係る鉄筋籠用型枠の作製方法によれば、鉄筋籠の組み立てに使用する下部型枠20や上部型枠30を効率良く作製することが可能となり、しかも主筋の配置位置精度の高い型枠を作製することができ、当該工程で作製された型枠を鉄筋籠の組み立てに使用することで、主筋の配置位置精度の高い鉄筋籠を効率良く組み立てることができ、作業性の向上を図ることができる。また、鉄筋籠の組み立てに際して、下部型枠20や上部型枠30を使用するメリットを高めることができ、型枠の使用を躊躇していた建設現場での利用促進を図ることができ、鉄筋籠の組み立て作業の安全性及び効率化を図ることができる。
なお、上記実施の形態に係るマーキング用具1では、第1の帯状ばね部材2の長手方向に透孔2aが並列に形成され、また、第2の帯状ばね部材3の長手方向に透孔3aが並列に形成されているが、透孔2a、3aは一列であってもよい。
また、第1の帯状ばね部材2には、透孔2bが透孔2a間を2分割する箇所に形成され、第2の帯状ばね部材3には、透孔3bが透孔3a間を2分割する箇所に形成されているが、別の実施の形態では、透孔2a間を4分割する箇所(3箇所)に、透孔2bを形成し、また、透孔3a間を4分割する箇所(3箇所)に、透孔3bを形成してもよい。
かかる構成にすれば、第1の帯状ばね部材2に透孔2aが0から100までの101個形成され、第2の帯状ばね部材3に透孔3aが0から100までの101個形成されている場合には、100分割までのいずれの分割数であっても、線状長部材4をリング部2cとリング部3cに十字状に挿通することができ、リング部2c、3cをリング部材24、34に対して同心円状に配置する際の精度を高めることができる。
また、上記実施の形態では、マーキング用具1を、鉄筋籠組立用の型枠作製に使用した場合について説明したが、マーキング用具1の使用は、鉄筋籠組立用の型枠作製への使用に限定されるものではなく、各種大小のリング部材の円周を所望の分割数に分割する必要がある場合に広く適用することができる。
1 マーキング用具
2 第1の帯状ばね部材
2a、2b 透孔
2c リング部
2d 余り部分
3 第2の帯状ばね部材
3a、3b 透孔
3c リング部
3d 余り部分
4 線状長部材
5 線状短部材
20 下部型枠
24 リング部材
30 上部枠部
34 リング部材
2 第1の帯状ばね部材
2a、2b 透孔
2c リング部
2d 余り部分
3 第2の帯状ばね部材
3a、3b 透孔
3c リング部
3d 余り部分
4 線状長部材
5 線状短部材
20 下部型枠
24 リング部材
30 上部枠部
34 リング部材
Claims (4)
- リング部材の円周を所望の分割数に等分割する際に使用されるマーキング用具であって、
帯状の長手方向に沿って複数の透孔が第1の所定間隔で形成された湾曲容易な第1の帯状ばね部材と、
帯状の長手方向に沿って複数の透孔が前記第1の所定間隔よりも広い第2の所定間隔で形成された湾曲容易な第2の帯状ばね部材と、
前記第1の帯状ばね部材の透孔、及び前記第2の帯状ばね部材の透孔に挿通可能な線状長部材と、
前記第1の帯状ばね部材の透孔、及び前記第2の帯状ばね部材の透孔に挿通可能な線状短部材とを含んで構成されていることを特徴とするマーキング用具。 - 請求項1記載のマーキング用具の使用方法であって、
前記第1の帯状ばね部材を湾曲させて、前記リング部材の分割数に対応した数の前記透孔を含むリング部を形成し、
前記第2の帯状ばね部材を湾曲させて、前記リング部材の分割数に対応した数の前記透孔を含むリング部を形成し、
前記リング部材に対して、前記第1の帯状ばね部材の前記リング部と、前記第2の帯状バネ部材の前記リング部とを略同心円状に配置し、
2本の前記線状長部材を、前記第1の帯状ばね部材の前記リング部の透孔と、前記第2の帯状バネ部材の前記リング部の透孔とに略十字状に挿通し、
前記第1の帯状ばね部材の前記リング部の前記透孔と、該透孔に対応する前記第2の帯状バネ部材の前記リング部の前記透孔とに、前記線状短部材を順次挿通し、
前記各リング部の円周に沿って放射状に挿通された前記線状短部材と前記リング部材とが交差する箇所にマークを付すことを特徴とするマーキング用具の使用方法。 - 前記リング部材が、鉄筋籠組立用のリング状型枠部材であることを特徴とする請求項2記載のマーキング用具の使用方法。
- 請求項3記載のマーキング用具の使用方法を用いて、前記リング状型枠部材の内側面又は外側面にマークを付すマーキング工程と、
該マーキング工程によりマークが付された前記リング状型枠部材の内側面又は外側面の各箇所に鉄筋籠を構成する主筋が配置されるように、前記各箇所の近傍に主筋受け止め部材を取り付ける工程と
前記主筋受け止め部材が取り付けられたリング状型枠部材を分割する分割工程とを含むことを特徴とする鉄筋籠組立用型枠の作製方法。
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