JP5383878B2 - 洗濯機 - Google Patents
洗濯機 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5383878B2 JP5383878B2 JP2012176428A JP2012176428A JP5383878B2 JP 5383878 B2 JP5383878 B2 JP 5383878B2 JP 2012176428 A JP2012176428 A JP 2012176428A JP 2012176428 A JP2012176428 A JP 2012176428A JP 5383878 B2 JP5383878 B2 JP 5383878B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- protrusion
- rotating drum
- washing
- washing machine
- laundry
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Main Body Construction Of Washing Machines And Laundry Dryers (AREA)
Description
本発明は、外筐内に支持された洗濯槽の内部に回転ドラムを備えるドラム式の洗濯機に関する。
近年広く普及しているドラム式の洗濯機は、有底円筒形の洗濯槽を、斜め横姿勢又は横姿勢で外筐の内部に支持し、該洗濯槽の内部に有底円筒形の回転ドラムを同軸上での回転自在に支持して構成されている。洗濯槽及び回転ドラムの開口部は、外筐の前面に開設された洗濯物の投入口に対向しており、該投入口は、外筐に取り付けた扉により開閉可能に覆ってある(例えば、特許文献1参照)。
前記扉は、閉止時に投入口の周縁部に密着するリング状の外鍔と、該外鍔の内周に連設され、洗濯槽及び回転ドラムの内部に張り出す張り出し部とを有する耐熱ガラス製の扉本体と、該扉本体を外側から覆うように取り付けられた樹脂製の外装板とを備えてなる。
このようなドラム式の洗濯機による洗濯は、扉を開放し、投入口を経て回転ドラムの内部に洗濯物を投入した後、扉を閉止して洗濯槽の内部に適量の洗濯水を給水し、回転ドラムを回転させることにより実施される。回転ドラム内の洗濯物は、洗濯槽及び回転ドラムの底部に溜まる洗濯水中に浸され、回転ドラムの回転による持ち上げ及び落下を繰り返し、落下時に回転ドラムの内面にたたきつけられることで洗濯される。
以上の如きドラム式の洗濯機は、縦置きされた洗濯槽内で洗濯水と共に洗濯物を撹拌して洗濯するように構成された縦形洗濯機と比較した場合、洗濯水及び洗剤の使用量が少ないという利点を有する反面、洗濯物の汚れ落ちが悪いという欠点を有している。
この欠点を解消するため、多くのドラム式の洗濯機は、洗濯槽内の洗濯水を加圧して回転ドラム内に循環させる循環ポンプを備えている。この洗濯機においては、循環ポンプによる循環水が回転ドラム内にシャワー状に振り注ぎ、回転ドラム内の洗濯物と洗濯水との接触機会が増すことから、洗濯物の汚れ落ちの改善に有効であるが、ドラム式の洗濯機においては、更なる汚れ落ちの改善が求められている。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、洗濯物の投入口を開閉する扉の簡易な改良により、洗濯物の汚れ落ちを改善することが可能なドラム式の洗濯機を提供することを目的とする。
本発明に係る洗濯機は、外筐内に斜め横又は横姿勢で支持された有底円筒形の洗濯槽と、該洗濯槽の内部で同軸的に回転する有底円筒形の回転ドラムと、前記洗濯槽及び回転ドラムの開口部に面して前記外筐に形成された洗濯物の投入口を開閉可能に覆う前扉とを備える洗濯機において、前記前扉は、底板と該底板の周囲に連続する側壁とを有し、前記投入口の閉止時に前記回転ドラム内に張り出す有底筒状の扉本体を備えており、該扉本体は、前記回転ドラムの内部に向けて突設され、洗濯運転中に回転ドラム内で回転する洗濯物に当たり、該洗濯物に摩擦抵抗を加える突起を備え、該突起は、前記開口部を経て前記回転ドラムの内部に対向する前記底板のみに分散配置されていることを特徴とする。
本発明においては、投入口を閉止する前扉が回転ドラム内に張り出す有底筒状の扉本体を備え、該扉本体が回転ドラム内に対向する底板にのみ分散配置された突起を備えている。洗濯運転中に回転ドラム内で持ち上げられて落下する洗濯物は、扉本体の底板に当たり、該一面に設けた突起に摺接し、該突起による摩擦抵抗が加わる。突起の形成面は、洗濯板としての作用をなし、洗濯物の汚れは、突起との摩擦接触により洗濯水と共に絞り出され、汚れ落ちが促進されて、洗浄効果を高めることが可能となる。
また本発明に係る洗濯機は、前記突起が、頂部が面取りされた断面を有することを特徴とする。
この発明においては、突起の頂部を面取りすることにより、落下する洗濯物の引っ掛かりを防止し、突起との接触による洗濯物の損傷を防止する。
また本発明に係る洗濯機は、前記突起が、前記一面内で中央部を下として湾曲する円弧状の突条であることを特徴とする。
この発明においては、洗濯物との接触が突条の全長に亘って生じ、接触摩擦による汚れ落ちの促進効果を高めることができる。
また本発明に係る洗濯機は、前記突条が、中央部を所定幅に亘って切除し、左右両側に振り分け配置してあることを特徴とする。
この発明においては、洗濯物の接触により突条に付着する洗濯水を、下位置となる中央部に集め、切除部から流下させて回転ドラム内に戻し、前扉の開放時に突条に付着した洗濯水が外部に漏れ出すことを防止する。
また本発明に係る洗濯機は、前記突起が、前記一面内で中央部を上として湾曲する円弧状の突条であることを特徴とする。
この発明においては、回転ドラム内で落下する洗濯物が、突条に対し略直角をなすように接触し、接触摩擦による汚れ落ちの促進効果を高めることができる。
また本発明に係る洗濯機は、前記突起が、波形の屈曲形状を有し、前記一面内で上下に傾斜した方向に延びる突条であることを特徴とする。
この発明においては、波形の屈曲形状を有する突条が設けてあり、該突条と回転ドラム内で落下する洗濯物との接触摩擦が増大し、汚れ落ちの促進効果を高めることができる。
また本発明に係る洗濯機は、前記突起が、半球状、円錐台状又は円柱状であることを特徴とする。
この発明においては、回転ドラムの内部に対向する扉本体の底板の一面に、半球状、円錐台状又は円柱状をなす多数の突起が分散配置してあり、これらの突起と回転ドラム内で落下する洗濯物との接触機会が増加して、汚れ落ちの促進効果を高める。
本発明に係る洗濯機においては、前扉が備える有底筒状をなす扉本体の底板の一面に分散配置した突起が、回転ドラム内で持ち上げられて落下する洗濯物に接触し、該洗濯物に摩擦抵抗を加えて洗濯水と共に汚れを絞り出すように作用するから、洗濯物の汚れ落ちを促進し、仕上がり品質の向上、及び洗濯時間の短縮に寄与することが可能となる等、本発明は優れた効果を奏する。
以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。図1は、実施の形態に係る洗濯機の外観斜視図、図2は、実施の形態に係る洗濯機の内部構成を略示する縦断面図である。
図2に示すように実施の形態の洗濯機は、外装を構成する外筐1の内部に、洗濯槽2及び回転ドラム3を備えている。洗濯槽2は、一側の略全面に開口部20を有する大径の有底円筒体であり、外筐1の底面に立設された複数本の支持脚22(1本のみ図示)により下部を支え、外筐1の天面との間に架設された支持ばね(図示を省略する)により上部を吊支して、図示のように、開口部20を上に向けて軸心を傾けた斜め横姿勢にて弾性支持されている。
回転ドラム3は、洗濯槽2よりもやや小径の有底円筒体である。洗濯槽2の底板には、中央部の外側にドラムモータ4が固設してあり、回転ドラム3は、洗濯槽2の内側に突出するドラムモータ4の出力軸40に底部を同軸的に連結し、一側の開口部30を洗濯槽2の開口部20の内側に臨ませて支持されている。このように支持された回転ドラム3は、ドラムモータ4の駆動により、洗濯槽2の内部において同軸上にて回転する。
回転ドラム3には、周壁を貫通する小径の通水孔32,32…が全面に亘って多数形成されている。また回転ドラム3の周壁内面には、軸長方向に延びるバッフル33が、周方向に等配をなして複数突設されている。なお図2中には、多数の通水孔32,32…のうちの一部と、上下に位置する2つのバッフル33,33とを図示している。
外筐1の前面(図2の左側面)には、洗濯物の投入口10が形成してある。該投入口10は、洗濯槽2の開口部20及び回転ドラム3の開口部30に臨む位置に開設された円形断面の開口であり、該投入口10と洗濯槽2の開口部20との間は、ゴム等の弾性材料製のベローズ13により液密に封止されている。
以上のように設けられた投入口10は、図1に示す如く、外筐1の前面に取付けられ、後述の如く構成された円形の前扉5により開閉可能としてある。前扉5の近傍には、外筐1の前面から操作可能なドア開ボタン14が設けてあり、前扉5は、ドア開ボタン14の操作により、横位置に設けた縦方向のヒンジ(図示を省略する)を中心として開放され、また前扉5は、使用者の手動により閉操作して投入口10に合わせ、前記ヒンジの逆位置を外側から押すことにより、図1、図2に示すように、投入口10を塞ぐように閉止される。
図3は、前扉5の外観斜視図、図4は、前扉5の平面図、図5は、図4のVーV線による前扉5の断面図である。図2及び図5に示すように、前扉5は、リング状の外鍔51に縁取られた耐熱ガラス製の扉本体50を備えている。外鍔51の外周には、シール環52が巻装されている。該シール環52は、図2に示すように、前扉5が閉止されたとき投入口10の周縁部に密着し、該投入口10の内外を液密に封止する作用をなす。
扉本体50は、図2に示す閉止状態において、投入口10を経て洗濯槽2及び回転ドラム3内に張り出す有底薄肉の筒体であり、張り出し方向に縮径された側壁により、中心よりも下位置に偏倚した底板50aに連続する形状を有している。前扉5は、以上の如き扉本体50の開口部をシール環52の外側に嵌め込み固定した樹脂製の外装板53により覆って構成されている。図2に示すように、閉止状態にある扉本体50の周壁には、前記ベローズ13の内面に周設された封止リップ13aが弾接しており、前記シール環52との相乗作用により、洗濯槽2内の液密を保つように構成されている。
このように構成された前扉5は、扉本体50の底板50aの外面に複数の突起(抵抗付加部)54を備えている。図3、図4に示すように突起54は、底板50aの外縁に沿って延び、左右方向の中央部が下となるように湾曲する円弧形の突条として形成してあり、中央部を所定幅に亘って切除し、左右両側に振り分け、夫々の側で上下方向に各3つ並設されている。夫々の突起54は、図2及び図5に示すように、頂部が面取りされた三角形断面を有している。
扉本体50の底板50aの外面は、図2に示す如く前扉5が閉止されたとき、洗濯槽2及び回転ドラム3の内部に対向し、底板50aに設けられた突起54は、洗濯槽2及び回転ドラム3の内部に向けて突出する状態となる。
図1に示すように、外筐1前面の上部には、各種の操作のための操作キー及び各種の表示のための表示部を備える操作パネル15が設けてある。操作パネル15は、外筐1の内部に設けた運転制御部16に接続してある。運転制御部16は、CPU、ROM及びRAMを備えるコンピュータであり、後述する洗い運転、すすぎ運転及び脱水運転は、操作パネル15の操作に応じた運転制御部16の動作により、相互に関連した一連の運転、又は個々に独立した運転として実行される。
また洗濯機は、給水源からの給水を洗濯槽2の内部に送り込む給水路と、洗濯槽2の内部の貯留水を循環させる循環水路と、洗濯槽2の内部の貯留水を機外に排出する排水路とを備えている。
給水路は、給水管60、給水弁61及び接続管62を備えている。図2に示すように給水管60は、外筐1の内部に洗濯槽2の外側上部に沿って設けてあり、その一端は、洗濯槽2の内部に連通し、他端は、給水弁61の出側に接続されている。図1、図2に示すように接続管62は、外筐1の後部上面に突出するように設けてあり、外筐1の内側において給水弁61の入側に接続してある。接続管62は、外筐1の外部への突出部に接続した耐圧ホースを介して給水源(水道)に接続される。
給水弁61は、常閉形の電磁弁であり、運転制御部16から与えられる動作指令に応じて開となる。給水源からの給水は、給水弁61が開となることにより、接続管62、給水弁61及び給水管60を通って洗濯槽2の内部に給水される。この給水は、前述した通水孔32,32…を経て回転ドラム3の内部にも浸入し、図2に示すように、洗濯槽2及び回転ドラム3の底部に溜まる。
排水路は、排水管70、フィルタ装置71、排水弁72及び排水ホース73を備えている。排水管70は、洗濯槽2の最下部に開設された排水口に接続されて下方に延び、フィルタ装置71の入口に接続されている。図2中に円形のブロックにより略示するフィルタ装置71は、繊維屑を捕捉するリントフィルタを筒形のフィルタケース内に収容保持してなる公知の構成を有している。フィルタ装置71は、2つの出口を有しており、一方の出口は、排水弁72を介して排水ホース73に接続されている。排水ホース73は、外筐1の底面に沿って敷設され、機外に延びている。
排水弁72は、常閉形の電磁弁であり、運転制御部16から与えられる動作指令に応じて開となる。洗濯槽2及び回転ドラム3内の貯留水は、排水弁72が開となることにより、排水管70、フィルタ装置71及び排水ホース73を通って機外に排水される。フィルタ装置71は、排水中に含まれる繊維屑を捕捉、除去し、排水と共に繊維屑が機外に排出されることを防止する。
循環水路は、循環ポンプ80、循環水ホース81及び循環水ノズル82を備えている。循環ポンプ80は、前述したフィルタ装置71の他方の出口に連結してある。循環水ホース81は、循環ポンプ80の吐出口に一端を接続し、洗濯槽2の前部を通って上方に延びている。循環水ノズル82は、洗濯槽2の開口部20の周縁に一体形成され、循環水ホース81の他端に接続されており、洗濯槽2及び回転ドラム3の内部に向けて開口する噴射口を有している。
循環ポンプ80は、洗い又はすすぎ運転中に運転制御部16からの動作指令に応じて駆動される。この駆動により洗濯槽2内の貯留水は、排水管70及びフィルタ装置71を経て循環ポンプ80に吸い込まれて加圧され、循環水ホース81の内部を流れて循環水ノズル82に達し、該循環水ノズル82から回転ドラム3内に噴射され、該回転ドラム3内の洗濯物に降り注ぐ。循環水ノズル82からの噴射水は、洗濯槽2内の貯留水と共に、排水管70及びフィルタ装置71を経て循環ポンプ80に再度吸い込まれて循環する。フィルタ装置71は、このような循環水中に含まれる繊維屑を捕捉、除去し、洗濯槽2及び回転ドラム3内に戻されることを防止する作用をなす。
以上の如く構成された洗濯機の洗い運転は、前扉5を開放して、投入口10を経て回転ドラム3の内部に洗濯物を投入し、前扉5を閉止した後、給水弁61を開とし、洗濯槽2の内部に洗濯水を給水し、ドラムモータ4を駆動して回転ドラム3を低速度にて反復回転させることにより実行される。洗濯水は、適量の洗剤が溶けた水である。洗剤は、洗濯物と共に回転ドラム3内に投入してもよく、また、公知のように給水管60の途中に配した洗剤ケース内に投入し、給水管60内を流れる給水中に溶かし出し、該給水と共に洗濯槽2内に供給されるようにしてもよい。
このようにして給水される洗濯水は、洗濯槽2及び回転ドラム3の内部に前述の如く溜まり、この状態で回転ドラム3が回転した場合、洗濯物は、回転ドラム3の内周面に突設されたバッフル33の作用により持ち上げられて落下し、回転ドラム3の内周面に叩き付けられることで洗浄(叩き洗い)される。
循環ポンプ80は、以上の洗い運転中に駆動され、洗濯槽2内の洗濯水を吸い込んで加圧し、循環水ホース81を経て循環水ノズル82に送り込む。循環水ノズル82は、回転ドラム3内に洗濯水を噴射する。この噴射水は、回転ドラム3内の洗濯物に繰り返し降り注ぎ、該洗濯物と洗濯水との接触機会を増して洗浄効果を高める作用をなす。
このように実施される洗い運転において、回転ドラム3内で持ち上げられる洗濯物は、図2中に矢符により示すように、回転ドラム3の前部において落下する際、該回転ドラム3内に突出する扉本体50に当たる。扉本体50は、回転ドラム3内に対向する底板50aの外面に前述したように設けた複数の突起54を備えており、落下する洗濯物には、これらの突起54と摺接することで摩擦抵抗が加わる。
このとき突起54が設けられた扉本体50の底板50aは、所謂、洗濯板としての作用をなし、洗濯物の汚れは、突起54との摩擦接触により洗濯水と共に絞り出される。回転ドラム3内の洗濯物は、回転ドラム3の回転による持ち上げ、落下の過程で突起54に繰り返し接触し、夫々の接触機会での汚れの絞り出しが行われる結果、洗い運転における洗濯物の汚れ落ちは良好となり、前述した洗濯水の循環との相乗作用により洗浄効果を大幅に高め、洗い運転時間を短縮することが可能となる。
突起54は、前述した如く、頂部が面取りされた三角形断面を有しており、突起54に接触する洗濯物は、頂部に引っ掛かることなく滑り落ちる。従って、回転ドラム3内の洗濯物は、滞りなく突起54に順次接触することができ、前述した汚れ落ち効果は良好に発揮され、また突起54との接触により損傷する虞れもない。なお、突起54の断面形状は、図2及び図5に示す三角形に限らず、矩形、台形、半円形等の適宜の形状とすることができ、矩形、台形等の角を有する断面形状とする場合には、夫々の角部を面取りにより丸めた形状とするのが望ましい。
突起54には、夫々に接触する洗濯物から絞り出される洗濯水が付着するが、突起54は、図3及び図4に示すように、上下方向の中心線の両側に振り分け配置され、底板50aの外縁に沿って延びる円弧形の突条として形成されていることから、各突起54に付着した洗濯水は、夫々に沿って中央に集まるように流下し、振り分け部に面する端部から垂れ落ちて回転ドラム3内に戻される。従って、洗い運転の終了後に前扉5が開放された場合においても、突起54に付着した洗濯水が外部に漏れ出し、周辺を汚す虞れはない。
洗濯機のすすぎ運転は、以上の洗い運転を終え、排水弁72を開として洗濯槽2内の洗濯水を排水した後、まず、回転ドラム3を高速回転させる中間脱水を実施し、次いで、給水弁61を開として洗剤を含まないすすぎ水を給水し、回転ドラム3を低速回転せしめて実施される。中間脱水は、回転ドラム3の高速回転時の遠心力の作用により、回転ドラム3内の洗濯物に含まれる洗剤成分を除去すべく行われる。中間脱水された洗濯物は、この後に給水される清浄なすすぎ水と接触して濡らされ、回転ドラム3内での持ち上げ及び落下を繰り返すことですすぎ洗いされる。なお、このすすぎ運転は、中間脱水を含めてすすぎ水を入れ換え、通常複数回繰り返される。
循環ポンプ80は、すすぎ運転中にも駆動され、洗濯槽2内の貯留水を吸い込んで加圧し、循環水ホース81を経て循環水ノズル82に送り込む。循環水ノズル82は、回転ドラム3内にすすぎ水を噴射する。この噴射水は、回転ドラム3内の洗濯物に繰り返し降り注ぎ、該洗濯物とすすぎ水との接触機会を増して、すすぎ効果を高める作用をなす。
このすすぎ運転中においても、底板50aの外面に設けられた突起54は、回転ドラム3内で落下する洗濯物に摩擦接触し、該洗濯物に含まれるすすぎ水を絞り出す作用をなすから、すすぎ水の循環との相乗作用により、すすぎ効果を良好に高め、すすぎ運転の所要時間を短縮することができる。
前扉5に設ける突起54は、以上の実施の形態に示す構成に限らず、種々の構成により設けることができる。図6〜図9は、突起54の他の構成例を示す説明図であり、回転ドラム3の内側への扉本体50の対向面における突起54の形状及び配置を略示してある。
図6に示す突起54は、扉本体50の底板50aの外面に左右方向の中央が上となるように湾曲する円弧形の突条として形成してあり、中央部を所定幅に亘って切除し、左右両側に振り分け配置した構成となっている。このように設けられた突起54は、図2〜図5に示す突起54と同様、回転ドラム3内で落下する洗濯物に接触し、該洗濯物の汚れ落ちを促進する作用をなす。
回転ドラム3内で落下する洗濯物は、回転ドラム3の内周面に沿った速度成分を有するが、このように落下する洗濯物は、図6に示す突起54に対し略直角をなすように接触するから、接触摩擦による汚れ落ちの促進効果を高め得ることが想定される。
図7に示す突起54は、扉本体50の底板50aの外面上で、中央部が下となるように傾斜し、波形に屈曲する突条として形成してあり、中央部を所定幅に亘って切除し、両側に振り分け配置した構成となっている。このように設けられた突起54は、図2〜図6に示す突起54と同様、回転ドラム3内で落下する洗濯物に接触し、該洗濯物の汚れ落ちを促進する作用をなす。図7に示す突起は、波形をなすから、回転ドラム3内で落下する洗濯物との接触による接触摩擦が大きくなり、汚れ落ちの促進効果を高め得ることが想定される。
図8に示す突起54は、扉本体50の底板50aの外面に、左右方向の中央が下となるように傾斜する直線状の突条とし、底板50aの外面全体に上下方向に5つ並べて配置してある。このように、洗濯物が接触することが想定される底板50aの全面突起54を設けることにより、これらの突起54と洗濯物との接触機会が増加し、汚れ落ちの促進効果を一層高めることができる。図2〜図7に示す形状を有する突起54を、図8と同様に、扉本体50の底板50a全面に設けてもよい。また上下方向の並設数は、底板50aの範囲内で適宜に設定することができる。
図6〜図8に示す突起54は、図2〜図5に示す突起54と同様の断面形状とすることにより、洗濯物の引っ掛かり、損傷を防止することが可能となる。また図3〜図8に示す突起54は、左右方向に対称をなして配置してあるが、非対称の配置としてもよいことはいうまでもない。更に、底板50aの外面に設ける突起54は、夫々が同様の形状をなす必要はなく、図3〜図8に示す形状をなす突起を適宜に混在させてもよい。
図9に示す突起54は、扉本体50の底板50aの外面の全体に分散配置された半球状の突起として構成されている。この実施の形態においても、突起54と洗濯物との接触機会が増加し、汚れ落ちの促進効果を高めることができる。突起54は、頂部を面取りした円錐台形状、円柱形状であってもよい。
また実施の形態においては、前扉5に設けた突起54を抵抗付加部としてあるが、例えば、突起54と同様の形態で前扉5に凹部を設け、該凹部を抵抗付加部とする等、前扉5に設ける抵抗付加部は、洗濯物に摩擦抵抗を付加することが可能な適宜の構成により実現することが可能である。図10及び図11は、前扉5に設ける抵抗付加部の他の構成例を示す説明図である。
図10においては、扉本体50の底板50aに、微細な凹凸を全面に有する凹凸加工部55を形成し、この凹凸加工部55を抵抗付加部としている。図10中には、凹凸加工部55の形成範囲を網掛けして示してあり、この凹凸加工部55は、回転ドラム3の内部に対向する底板50aの外面の略全面に形成してある。
以上のような凹凸加工部55は、研磨性を有する微小粒子を底板50aに吹き付けるブラスト処理によって簡便に形成することができる。また凹凸加工部55は、研磨、切削、コテ当て等のブラスト処理以外の物理的な処理によって形成してもよい。
また凹凸加工部55は、化学的な処理によって形成することもできる。化学的な処理としては、例えば、弗化水素酸、弗素化合物、酸等の腐食物質を用い、底板50aの表面を不均一に腐食させる処理がある。更に凹凸加工部55は、予め表面が凹凸加工された樹脂製のシートを底板50aに貼着することにより、底板50a自体を加工せずに形成することも可能である。また、扉本体50の成形に際し、底板50aの対応部分に微細な凹凸が設けられた金型を使用し、扉本体50の成形と同時に凹凸加工部55が形成されるようにしてもよい。なお、凹凸加工部55における凹凸加工の粗さは、適宜に選択することができる。
以上の如く凹凸加工部55が設けられた扉本体50の底板50aは、所謂、洗濯板としての作用をなし、回転ドラム3内の洗濯物は、回転ドラム3の回転による持ち上げ、落下の過程で凹凸加工部55に繰り返し接触し、夫々の接触機会での汚れの絞り出しが行われる結果、洗い運転における洗濯物の汚れ落ちは良好となる。
図11においては、扉本体50の底板50aに、微細な凹凸を表面に有する凹凸突起56を複数設け、これらの凹凸突起56を抵抗付加部としている。図11に示す凹凸突起56は、図8に示す突起54と同様、扉本体50の底板50aの外面に、左右方向の中央が下となるように傾斜する直線状の突条として形成され、底板50aの外面全体に上下方向に3つ並べて配置してある。
凹凸突起56の表面の凹凸は、図11中に網掛けして示すように、各凹凸突起56の全面に形成してある。この凹凸は、前述した凹凸加工部55と同様、物理的処理又は化学的処理により形成することができ、また凹凸加工された樹脂製のシートの貼着により形成することもできる。
以上の如く凹凸突起56が設けられた扉本体50の底板50aは、所謂、洗濯板としての作用をなし、回転ドラム3内の洗濯物は、回転ドラム3の回転による持ち上げ、落下の過程で凹凸突起56に繰り返し接触し、夫々の接触機会での汚れの絞り出しが行われる結果、洗い運転における洗濯物の汚れ落ちは良好となる。凹凸突起56の表面には、微細な凹凸が形成されており、これらの凹凸は、接触する洗濯物に加わる摩擦抵抗を増すように作用するから、洗濯物の汚れ落ちは一層良好となる。
凹凸突起56は、図11に示す形状、配置に限らず、図3〜図9に示す突起54と同様の形状、配置、更にはこれらとも異なる形状、配置とすることができる。また、凹凸突起56の表面の凹凸は、図11に示すように各凹凸突起56の全面に形成するのではなく、表面の一部に形成してもよい。
なお以上の実施の形態においては、洗濯槽2及び回転ドラム3が、水平面に対して傾いた斜め横姿勢に支持された洗濯機、所謂、斜めドラム式の洗濯機について説明したが、本発明は、洗濯槽2及び回転ドラム3が横姿勢に支持された洗濯機、所謂、横ドラム式の洗濯機にも適用可能であり、同様の効果が得られる。
更に、斜めドラム式の洗濯機及び横ドラム式の洗濯機は、乾燥機としての機能を併せ持つ洗濯乾燥機として構成されるのが一般的であるが、この種の洗濯乾燥機においても本発明の適用が可能であることは言うまでもない。
1 外筐
2 洗濯槽
3 回転ドラム
5 前扉(扉)
10 投入口
20 開口部
30 開口部
50 扉本体
54 突起(抵抗付加部)
55 凹凸加工部(抵抗付加部)
56 凹凸突起(抵抗付加部)
2 洗濯槽
3 回転ドラム
5 前扉(扉)
10 投入口
20 開口部
30 開口部
50 扉本体
54 突起(抵抗付加部)
55 凹凸加工部(抵抗付加部)
56 凹凸突起(抵抗付加部)
Claims (7)
- 外筐内に斜め横又は横姿勢で支持された有底円筒形の洗濯槽と、該洗濯槽の内部で同軸的に回転する有底円筒形の回転ドラムと、前記洗濯槽及び回転ドラムの開口部に面して前記外筐に形成された洗濯物の投入口を開閉可能に覆う前扉とを備える洗濯機において、
前記前扉は、底板と該底板の周囲に連続する側壁とを有し、前記投入口の閉止時に前記回転ドラム内に張り出す有底筒状の扉本体を備えており、
該扉本体は、前記回転ドラムの内部に向けて突設され、洗濯運転中に回転ドラム内で回転する洗濯物に当たり、該洗濯物に摩擦抵抗を加える突起を備え、該突起は、前記開口部を経て前記回転ドラムの内部に対向する前記底板のみに分散配置されていることを特徴とする洗濯機。 - 前記突起は、頂部が面取りされた断面を有することを特徴とする請求項1に記載の洗濯機。
- 前記突起は、前記一面内で中央部を下として湾曲する円弧状の突条であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の洗濯機。
- 前記突条は、中央部を所定幅に亘って切除し、左右両側に振り分け配置してあることを特徴とする請求項3に記載の洗濯機。
- 前記突起は、前記一面内で中央部を上として湾曲する円弧状の突条であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の洗濯機。
- 前記突起は、波形の屈曲形状を有し、前記一面内で上下に傾斜した方向に延びる突条であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の洗濯機。
- 前記突起は、半球状、円錐台状又は円柱状であることを特徴とする請求項1に記載の洗濯機。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012176428A JP5383878B2 (ja) | 2011-12-12 | 2012-08-08 | 洗濯機 |
CN201280057838.3A CN103946439B (zh) | 2011-12-12 | 2012-11-26 | 洗衣机 |
PCT/JP2012/080430 WO2013088940A1 (ja) | 2011-12-12 | 2012-11-26 | 洗濯機 |
MYPI2014001517A MY170664A (en) | 2011-12-12 | 2012-11-26 | Washing machine |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011271622 | 2011-12-12 | ||
JP2011271622 | 2011-12-12 | ||
JP2012176428A JP5383878B2 (ja) | 2011-12-12 | 2012-08-08 | 洗濯機 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2013144091A JP2013144091A (ja) | 2013-07-25 |
JP5383878B2 true JP5383878B2 (ja) | 2014-01-08 |
Family
ID=49040285
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012176428A Active JP5383878B2 (ja) | 2011-12-12 | 2012-08-08 | 洗濯機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5383878B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2843105B1 (en) * | 2013-08-30 | 2017-01-18 | Electrolux Appliances Aktiebolag | A door assembly for a laundry treatment device and method of operation |
CN108951018A (zh) * | 2017-05-18 | 2018-12-07 | 青岛海尔洗衣机有限公司 | 滚筒洗衣机的前门总成及滚筒洗衣机 |
CN108277614A (zh) * | 2018-03-23 | 2018-07-13 | 韩亚兰 | 一种振动挤压式滚筒洗衣机 |
CN108411577B (zh) * | 2018-05-29 | 2019-11-22 | 珠海格力电器股份有限公司 | 洗衣机门结构及具有其的洗衣机 |
Family Cites Families (12)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5739563U (ja) * | 1980-08-19 | 1982-03-03 | ||
JPS59148781U (ja) * | 1983-03-24 | 1984-10-04 | 八代洗機株式会社 | ドラム式洗濯機 |
JPS6358984U (ja) * | 1986-10-02 | 1988-04-19 | ||
JPH0330977U (ja) * | 1989-08-04 | 1991-03-26 | ||
DE10228602B4 (de) * | 2001-08-02 | 2004-03-25 | Miele & Cie. Kg | Frontbeschickbare Waschmaschine |
DE102006029480B3 (de) * | 2006-06-27 | 2007-06-21 | BSH Bosch und Siemens Hausgeräte GmbH | Von vorn beschickbare Wäschebehandlungsmaschine |
JP2008093245A (ja) * | 2006-10-13 | 2008-04-24 | Hitachi Appliances Inc | ドラム式洗濯乾燥機 |
JP4907627B2 (ja) * | 2008-10-16 | 2012-04-04 | パナソニック株式会社 | ドラム式洗濯機 |
JP5260448B2 (ja) * | 2009-08-27 | 2013-08-14 | 日立アプライアンス株式会社 | ドラム式洗濯機 |
EP2312040B1 (en) * | 2009-10-13 | 2012-05-30 | Candy S.p.A. | Door for front-loading washing machine |
DE102009044711B3 (de) * | 2009-12-01 | 2011-04-07 | Miele & Cie. Kg | Waschmaschine mit frontseitiger Tür |
EP2580384B1 (en) * | 2010-06-08 | 2014-09-10 | Arçelik Anonim Sirketi | A washing machine |
-
2012
- 2012-08-08 JP JP2012176428A patent/JP5383878B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2013144091A (ja) | 2013-07-25 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR101748474B1 (ko) | 드럼 세탁기의 분사 세정장치와 세정방법 및 드럼 세탁기 | |
TWI457484B (zh) | 洗衣裝置 | |
JP5383878B2 (ja) | 洗濯機 | |
US20110088172A1 (en) | Laundry treating apparatus and method | |
US20110083477A1 (en) | Laundry treating apparatus | |
WO2013088940A1 (ja) | 洗濯機 | |
KR20130124366A (ko) | 드럼식 세탁기 | |
CN112220411A (zh) | 一种电动拖把清洁系统 | |
CN108252029A (zh) | 可清洗洗衣机内外桶的外桶盖及洗衣机 | |
CN109338664B (zh) | 具有水帘冲洗器的防垢波轮洗衣机 | |
JP2011062332A (ja) | 洗濯機 | |
CN109338662B (zh) | 具有可折叠刷毛条的除垢洗衣机 | |
CN109402943B (zh) | 一种超声波洗涤装置的控制方法 | |
CN103643457B (zh) | 除垢滚筒洗衣机内外筒总成 | |
CN106400370B (zh) | 一种衣物顽渍处理装置及洗衣机 | |
KR101689720B1 (ko) | 세탁물 처리기기 | |
CN212438495U (zh) | 一种电动拖把清洁系统 | |
KR20100031227A (ko) | 세탁물 처리기기 | |
KR20070113641A (ko) | 식기 세척기 | |
CN212438484U (zh) | 一种用于电动拖把的自动清洗装置 | |
CN109338663B (zh) | 自清洁波轮洗衣机 | |
CN214128453U (zh) | 一种自动清洗甩干的电动拖把系统 | |
JP2014033888A (ja) | 洗濯機 | |
WO2023066274A1 (zh) | 滚筒洗衣机 | |
JP2012130422A (ja) | 洗濯機 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20130910 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20131001 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5383878 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |