JP2014033888A - 洗濯機 - Google Patents
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Abstract
【課題】 洗濯物の汚れ落ちが良好な洗濯機を提供する。
【解決手段】 洗濯物の投入口20を有する外筐2と、外筐2内に斜め横又は横姿勢で支持された有底円筒形の洗濯槽3と、洗濯槽3内で回転可能に支持された有底円筒形の回転ドラム4と、投入口20を開閉可能に覆い、洗濯槽3及び回転ドラム4の開口部に面する扉6とを備え、扉6の内面及び/又は回転ドラム4の底には、複数の突起64が設けられ、複数の突起64は、所定の規則性にしたがって配列されている。
【選択図】図2
【解決手段】 洗濯物の投入口20を有する外筐2と、外筐2内に斜め横又は横姿勢で支持された有底円筒形の洗濯槽3と、洗濯槽3内で回転可能に支持された有底円筒形の回転ドラム4と、投入口20を開閉可能に覆い、洗濯槽3及び回転ドラム4の開口部に面する扉6とを備え、扉6の内面及び/又は回転ドラム4の底には、複数の突起64が設けられ、複数の突起64は、所定の規則性にしたがって配列されている。
【選択図】図2
Description
本発明は洗濯機に係り、特に洗濯槽及び回転ドラムを、横姿勢又は斜め横姿勢で外筐の内部に支持した洗濯機に関する。
近年、有底円筒形の洗濯槽及び回転ドラムを、横姿勢又は斜め横姿勢で外筐の内部に支持したドラム式の洗濯機が普及している。ドラム式の洗濯機の洗濯工程では、回転ドラム内に投入された洗濯物は、洗濯槽及び回転ドラムの底部に溜まる洗濯水中にその一部が浸された状態で、回転ドラムによる持ち上げ及び落下を繰り返し、落下時に回転ドラムの内面にたたきつけられることで、たたき洗いされる。
以上の如きドラム式の洗濯機は、縦置きされた洗濯槽内で洗濯水とともに洗濯物を撹拌して洗濯する縦型洗濯機と比較した場合、水及び洗剤の使用量が少ないという利点を有する半面、特に洗濯物の量が多いと、たたき洗いの効果が減衰されるので、洗濯物の汚れ落ちが悪いという欠点を有している。そこで、例えば、特許文献1において、ドラム式洗濯機の洗浄力を向上させる試みがなされている。
図14は、特許文献1に記載の洗濯機101の縦断面の模式図及びリフター141の一部の拡大図である。洗濯機101は、ドア106が設けられるキャビネット102、キャビネット102の内部に設けられ、洗濯水を格納する外槽103、外槽103の内部に駆動部105と軸連結されて設けられ、駆動部105の回転力を伝達されて回転する内槽104及び内槽104の内側に設けられ、内槽104の回転時に洗濯物を持ちあげる複数のリフター141を備えている。また、リフター141の表面には、洗濯物と直接に接触しながら摩擦力を増大させる洗濯突起142を有している。このように構成される洗濯機101によって、洗濯突起142と洗濯物との間に摩擦が活発に発生して洗濯性能が向上するとされる。
しかしながら、特許文献1に記載の洗濯機101では、洗濯物は、内槽104の上部まで持ち上げられ、その後、落下して洗濯される際、内槽104の前後方向にも移動されるので、ドア106の内面及び内槽104の底面にも接触する。ここで、洗濯機101では、洗濯突起142がリフター141に設けられているものの、ドア106の内面や内槽104の底面には設けられていない。その結果、洗濯機101では、洗濯物が内槽104の側面に接触したときのみ、摩擦突起142による摩擦力の増大効果があり、洗濯物が前後方向に移動した場合には、摩擦力による洗浄効果はなく、依然として、洗濯物の汚れ落ちの改善が求められていた。
本願発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、洗濯物の汚れ落ちを改善することが可能な洗濯機を提供することにある。
本発明に係る洗濯機は、洗濯物を収容する有底円筒形の回転ドラムを、斜め横又は横姿勢にて回転可能に支持した洗濯機であって、洗濯物の投入口を開閉可能に覆い、回転ドラムの開口部に面する扉を備えている。
そして、扉の内面及び/又は回転ドラムの底には、複数の突起が設けられ、複数の突起は、規則性にしたがって配列されている。
また、複数の突起は、3個以上であってもよい。
また、複数の突起は、径及び/又は高さが異なる2種以上の突起を有してもよい。
また、突起は、複数の平面から構成されてもよい。
また、複数の突起は、中央部より中央部が密に設けられてもよい。
また、隣接する複数の突起は、互いに向きを変えて設けられてもよい。
また、複数の突起は、フィボナッチ数列に沿って配列されてもよい。
また、本発明に係る洗濯機は、洗濯槽に溜った水を、回転ドラムの内部に放出する循環手段をさらに備えてもよい。
また、複数の突起は、扉に設けられており、扉の一部には、複数の突起が設けられていなくてもよい。
また、扉は、回転ドラムの内部に突出する扉本体を有し、複数の突起は、扉本体と一体に成型されてもよい。
本願発明によれば、洗濯物の汚れ落ちを改善することが可能な洗濯機を提供することができる。
〔実施形態1〕
本発明に係る洗濯機の一実施形態について、図面を参照して説明する。
(洗濯機1の構造)
図1は、本発明の実施形態1に係る洗濯機の斜視図である。洗濯機1は、洗濯機1の外装を構成する外筐2を有している。そして、外筐2の上面には、図示しない耐圧ホースを介して給水源に接続される接続管71並びに各種の操作のための操作キー及び各種の表示のための表示部を備える操作パネル11が設けられている。また、外筐2の前面には、洗濯物を出し入れするための円形の扉6及び扉6の近傍に設けられ、扉6を開放するための開ボタン12が設けられている。扉6は、開ボタン12の操作により、扉6の横位置に設けられた図示しない縦方向のヒンジを中心として開放される。扉6は、ヒンジと逆位置を外側から押すことにより閉じられる。図1においては、扉6が閉じられた状態を示している。
本発明に係る洗濯機の一実施形態について、図面を参照して説明する。
(洗濯機1の構造)
図1は、本発明の実施形態1に係る洗濯機の斜視図である。洗濯機1は、洗濯機1の外装を構成する外筐2を有している。そして、外筐2の上面には、図示しない耐圧ホースを介して給水源に接続される接続管71並びに各種の操作のための操作キー及び各種の表示のための表示部を備える操作パネル11が設けられている。また、外筐2の前面には、洗濯物を出し入れするための円形の扉6及び扉6の近傍に設けられ、扉6を開放するための開ボタン12が設けられている。扉6は、開ボタン12の操作により、扉6の横位置に設けられた図示しない縦方向のヒンジを中心として開放される。扉6は、ヒンジと逆位置を外側から押すことにより閉じられる。図1においては、扉6が閉じられた状態を示している。
図2は、洗濯機の縦断面の模式図である。図2を参照しながら、本実施形態に係る洗濯機の内部構成について説明する。図示するように、洗濯機1は、外筐2に支持された洗濯槽3の内部に回転ドラム4を備えるドラム式の洗濯機である。
外筐2の前面(図2の紙面より見て左側面)には、円形の洗濯物の投入口20が形成してある。投入口20は、扉6により開閉可能とされており、扉6が閉じた状態では、扉6によって塞がれるように閉止されている。なお、図2においては、扉6が閉じられた状態を示している。
洗濯槽3は、一側の略全面に開口部30を有する有底円筒体である。洗濯槽3は、外筐2の底面に立設された複数本の支持脚31(図2においては、1本のみを図示)によって下部から支持されるともに、外筐2の天面との間に架設された図示しない支持ばねにより上部から吊支されて、軸心を水平方向に対して傾けた斜め横姿勢にて弾性支持されている。洗濯槽3の底板には、中央部の外側にドラムモータ5が設けられている。ドラムモータ5の出力軸51は、洗濯槽3の内側に突出するように構成されている。
開口部30は、外筐2の投入口20に臨む位置に開設されており、投入口20及び開口部30の間は、ベローズ13により液密に封止されている。ベローズ13は、例えばゴム等の弾性材料で成型されている。
回転ドラム4は、一側の略全面に開口部40を有する、洗濯槽3よりもやや小径の有底円筒体である。回転ドラム4は、その底部において、ドラムモータ5の出力軸51と同軸で連結されており、軸心を水平方向に対して傾けた斜め横姿勢にて支持されている。開口部40の外側には、環状の流体バランサ41が設けられている。流体バランサ41は、回転ドラム4の回転時に発生する振動を緩和する作用をなす。回転ドラム4の周壁の略全面には、周壁を貫通する小径の通水孔42が多数形成されている。回転ドラム4の周壁の内側には、回転ドラム4の軸方向に延びるバッフル43が形成されている。バッフル43は、回転ドラム4の周方向に等間隔に複数形成されている。なお、図2においては、通水孔42は、その一部を図示しており、バッフル43は、回転ドラム4の上下に位置する2つのバッフル43を図示している。開口部40は、外筐2の投入口20及び洗濯槽3の開口部30に臨む位置に開設されている。
扉6は、扉本体60、扉本体60をリング状に縁取る外鍔61、外鍔61の外側に巻装されたシール環62及びシール環62の外側に嵌め込み固定した外装板63を備えている。シール環62は、扉6が閉止されたとき投入口20の周縁部に密着して外筐2及び扉6の間を液密に封止する。
扉本体60は、洗濯槽3及び回転ドラム4内に張り出す有底肉薄の筒体であり、例えば、耐熱性ガラス製である。扉本体60の底板60aは、洗濯槽3及び回転ドラム4側に張り出す様に傾斜する傾斜部60bと、扉6を閉じた状態で回転ドラム4の開口部40が成す平面と略一致するように構成された突出部60cとを有している。底板60aの洗濯槽3及び回転ドラム4側には、複数の突起64が設けられている。後述するように、洗濯物が、洗濯工程又はすすぎ工程において、突起64に接触することで、洗濯物の汚れは、洗濯水と共に絞り出される。
突起64は、金型を用いて扉本体60と一体に成型されてもよい。このように突起64を成型した場合には、扉本体60及び突起64を同時に成型することができ、突起64を設けることによる扉本体60の製造コストの増大を抑制することができる。
なお、本実施形態においては、底板60aが、傾斜部60b及び突出部60cを有する場合について説明するが、本発明の底板は、これだけに限定されない。例えば、本発明の底板は、傾斜部60bを有しておらず、底板60aの全面が平面でもよい。
外筐2の上部(図2の紙面より見て上)には、前述の操作パネル11と接続される運転操作部14が設けられている。運転操作部14は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、プログラムを記憶するROM(Read Only Memory)及び各種処理の実行時にプログラムやデータを記憶するRAM(Random Access Memory)を備えるコンピュータである。運転制御部14は、操作パネル11の操作に応じて、洗い工程、すすぎ工程及び脱水工程の内、一つ又は複数の工程を実行するように制御する。
また、洗濯機1は、給水源からの給水を洗濯槽3の内部に送り込む給水路、洗濯槽3の内部の貯留水を機外に排出する排水路及び洗濯槽3の内部の貯留水を循環させる循環水路を備えている。図中に矢印で水の流れを示す。
給水路は、前述した接続管71、給水弁72及び給水管73を備えている。接続管71は、一端が図示しない耐圧ホースを介して給水源に接続され、他端が、給水弁72に接続される。給水弁72は、例えば、常閉形の電磁弁であり、運転制御部14から与えられる動作指令に応じて開となる。また、給水弁72は、その入口側に接続管71が接続され、出口側に給水管73が接続される。給水管73は、洗濯槽3の外側上部に沿って設けてあり、その一端は、洗濯槽3の内部に連通し、他端は、給水弁72の出口側に接続されている。
このように構成された給水路において、給水源からの給水は、給水弁72が開となることにより、接続管71、給水弁72及び給水管73を通って洗濯槽3の内部に給水される。なお、給水された水Wは、前述した通水孔42を経て回転ドラム4の内部にも浸入し、図2に示すように、洗濯槽3及び回転ドラム4の底部に溜まる。
排水路は、排水管81、フィルタ装置82、排水ホース83及び排水弁84を備えている。排水管81は、一端が、洗濯槽3の最下部に開設された排水口に接続されて下方に延び、他端がフィルタ装置82の入口側に接続されている。フィルタ装置82は、入口側に、排水管81が接続されている。また、フィルタ装置82は、2つの出口を有しており、一方の出口は、排水ホース83に接続されており、他方の出口は、後述する循環ポンプ91を介して循環水ホース92に接続されている。フィルタ装置82は、例えば、リントフィルタを筒形のフィルタケース内に収容保持してなる構成を有している。排水ホース83は、一端がフィルタ装置82の出口側に接続されて外筐2の底面に沿って敷設され、他端が、機外に延びている。排水弁84は、排水ホース83の途中に設けられた、例えば常閉形の電磁弁であり、運転制御部14から与えられる動作指令に応じて開となるように構成されている。
このように構成された排水路において、洗濯槽3及び回転ドラム4内の貯留水は、排水弁84が開となることにより、排水管81、フィルタ装置82及び排水ホース83を通って機外に排水される。また、フィルタ装置82は、排水中に含まれる繊維屑等を捕捉、除去し、排水と共に繊維屑等が機外に排出されることを防止する。
循環水路は、循環ポンプ91、循環水ホース92及び循環水ノズル93を備えている。循環ポンプ91は、入口側がフィルタ装置82の出口に連結されており、洗い又はすすぎ運転中に運転制御部14からの動作指令に応じて駆動される。循環水ホース92は、洗濯槽3の前部を通って上方に延出するように構成されており、その一端が循環ポンプ91の吐出口に接続され、他端が循環水ノズル93に接続されている。循環水ノズル93は、洗濯槽3の開口部30の周縁に、一端を循環水ホース92に接続して設けられて、回転ドラム4の内部に向けて開口する噴射口を有している。循環水ノズル93は、開口部30の周縁の上部に設けられてもよい。この場合には、効果的に循環水を洗濯物に放出することができる。
このように構成された循環水路において、循環ポンプ91の駆動により洗濯槽3内の貯留水は、排水管81及びフィルタ装置82を経て循環ポンプ91に吸い込まれて加圧され、循環水ホース92の内部を流れて循環水ノズル93に達し、該循環水ノズル93から回転ドラム4内に噴射され、回転ドラム4内の洗濯物に降り注ぐ。循環水ノズル93からの噴射水は、洗濯槽3内の貯留水と共に、排水管81及びフィルタ装置82を経て循環ポンプ91に再度吸い込まれて循環する。また、フィルタ装置82は、このような循環水中に含まれる繊維屑を捕捉、除去し、洗濯槽3及び回転ドラム4内に戻されることを防止する。
なお、本実施形態においては、洗濯機1が循環水路を備える場合について説明したが、本発明の洗濯機は、必ずしも循環水路を備えなくてもよい。洗濯機1が循環水路を備える場合には、後述するように洗濯及びすすぎの作用をさらに向上させることができる。
(突起64の構造及び配列)
本実施形態において、突起64は、後述する式1を満たすフィボナッチ数列に沿う配列で設けられている。
(突起64の構造及び配列)
本実施形態において、突起64は、後述する式1を満たすフィボナッチ数列に沿う配列で設けられている。
図3は、扉6の斜視図、図4は、扉6を回転ドラム4側から見た正面図、図5は、図4のA−A断面の模式図である。図3及び図4に示すように、扉本体60の洗濯槽3及び回転ドラム4側には、その底板60aの傾斜部60bの一部及び突出部60cの略全面に、複数の突起64が設けられている。
図3〜図5に示すように、突起64は、半球状である。このように突起64が角を有しない形状であるため、洗濯物が突起64に接触しても洗濯物を損傷するおそれがない。
突起の径と高さは、適宜選択することができる。なお、突起の径が小さいほど扉6に突起を密に設けることができるので、摩擦抵抗を大きくすることができるが、一方で、突起又は突起間に付着した洗剤や汚れを、取り除きにくくなる。従って、突起の径は、2〜20mmが好ましい。また、突起の径が同じ場合には、突起の高さが高いほど、摩擦抵抗が大きくなるが、一方で、衣類を損傷するおそれがある。従って、突起の高さは、2〜20mmが好ましい。
図4に示すように、突起64は、底板60aを、紙面より見て横方向をxとし、紙面より見て縦方向をyとしたときのxy座標系にて式1の方程式を満たすフィボナッチ数列に沿った配列で設けられている。
(式1)
ここで、iは突起の数、rは突起どうしの間隔、θ0は初期の角度である。
(式1)
ここで、iは突起の数、rは突起どうしの間隔、θ0は初期の角度である。
このように突起64を配列することによって、突起64が、均等に配列されるので、洗濯物が接触する場所または向きによらず、突起64が洗濯物に、単位面積当たりで略同数接触する。その結果、洗濯物に均等に摩擦抵抗を加えることができる。
突起の個数は、適宜選択することができる。突起の形状が大きくなれば個数は少なくなるように、また突起の形状が小さくなれば個数は多くなるように、適宜設定すればよい。なお、本実施形態では、突起の数が少ない場合には、突起を配列した効果が十分発揮されないおそれがある。従って、本実施形態の突起の個数は、30個以上が好ましく、50個以上がさらに好ましい。
なお、本実施形態においては、突起64が、半球状である場合について説明するが、本発明の突起は、半球状に限定されるものではない。本発明の突起は、例えば、円錐、角錐、円柱又は角柱等の形状であってもよい。この場合には、突起の角を丸みを持った形状で成型してもよい。このように成型することで、突起に接触する洗濯物の損傷を防止することができる。
なお、本実施形態においては、突起64が、底板60aの傾斜部60bの一部に設けられている場合について説明するが、突起64は、傾斜部60bの全面に設けられてもよい。本実施形態においては、洗濯物が接触する機会の少ない、傾斜部60bの上部には、突起64を設けないこととしている。次に、以上のように構成された洗濯機1の動作及び作用について説明する。
(洗濯機1の動作及び作用)
洗い工程では、運転操作部14は、給水弁72を開とし、洗濯槽3の内部に洗濯水を給水する。洗濯水は、適量の洗剤が溶けた水である。洗剤は、洗濯物と共に回転ドラム4内に投入してもよく、また、給水管73の途中に配した図示しない洗剤ケース内に投入し、給水管73内を流れる給水中に溶かし出して洗濯槽3内に供給されるようにしてもよい。このようにして給水される洗濯水は、洗濯槽3の内部に溜まるとともに、回転ドラム4の周面に設けられた通水孔42を介して回転ドラム4の内部に溜まる。
(洗濯機1の動作及び作用)
洗い工程では、運転操作部14は、給水弁72を開とし、洗濯槽3の内部に洗濯水を給水する。洗濯水は、適量の洗剤が溶けた水である。洗剤は、洗濯物と共に回転ドラム4内に投入してもよく、また、給水管73の途中に配した図示しない洗剤ケース内に投入し、給水管73内を流れる給水中に溶かし出して洗濯槽3内に供給されるようにしてもよい。このようにして給水される洗濯水は、洗濯槽3の内部に溜まるとともに、回転ドラム4の周面に設けられた通水孔42を介して回転ドラム4の内部に溜まる。
洗濯槽3及び回転ドラム4内に洗濯水が溜まると、運転操作部14は、ドラムモータ5を駆動して、回転ドラム4を低速回転させるように制御する。回転ドラム4が回転されると、洗濯物は、遠心力及び回転ドラム4の内周面に突設されたバッフル43の作用により持ち上げられる。その後、洗濯物は、回転ドラム4の上方に達すると洗濯物に作用する重力で回転ドラム4の底面側に落下し、回転ドラム4の内周面に叩き付けられることでたたき洗いが実行される。
また、洗い工程中、運転操作部14は、循環ポンプ91を作動させて、洗濯水を循環させるように制御してもよい。循環ポンプ91は、洗濯槽3内の洗濯水を吸い込んで加圧し、循環水ホース92を経て循環水ノズル93に送り込む。循環水ノズル93は、回転ドラム4内に洗濯水を噴射する。循環水ノズル93から噴射された水は、回転ドラム4内の洗濯物に繰り返し降り注ぐことによって、洗濯物と洗濯水との接触機会を増して洗浄効果を高める作用をなす。次に、洗濯工程中の洗濯物の動きについて詳述する。
図6は、洗い工程中の洗濯物の動きの一例を示す模式図である。ここで、回転ドラム4は、回転ドラム4の底面から見て左回りに回転するものとし、矢印B1〜B3は、洗濯工程中の洗濯物の動きを示す。
矢印B1は、回転ドラム4の回転数を最も低くして、洗い工程を実施した場合の洗濯物の動きである。ここで、B1の時の回転数は、例えば、30rpmである。このとき、洗濯物は、回転ドラム4の上方に持ち上げられるが、回転ドラム4の最上部に到達する前に、重力によって落下する。そして、洗濯物は、回転ドラム4の上方に持ち上げられ、又は、落下する際に、扉本体60の底板60aに接触する。
矢印B2は、回転ドラム4の回転数を矢印B1の場合より高くした場合の洗濯物の動きである。ここで、B3のときの回転数は、例えば、80rpmである。このとき、洗濯物は、回転ドラム4の最上部付近まで持ち上がられた後落下する。そして、洗濯物は、回転ドラム4の上方に持ち上げられ、又は、落下する際に、扉本体60の底板60aに接触する。
矢印B3は、回転ドラム4の回転数を矢印Bの場合よりさらに高くした場合の洗濯物の動きである。ここで、B3のときの回転数は、例えば、80rpmである。このとき、持ち上げられた洗濯物は、回転ドラム4の最上部でも落下することなく、遠心力によって回転ドラム4の周壁に押し付けられた状態で回転ドラム4とともに回転する。そして、洗濯物は、回転ドラム4とともに回転しながら、扉本体60の底板60aに接触する。
すなわち、回転ドラム4の回転数が変わると、洗濯物は、回転ドラム4内で異なった動きをするものであり、また、底板60aに対して、異なった位置又は向きで接触するものである。洗濯機1は、B1からB3の動きを適宜組み合わせて、洗濯工程を実施する。
以上のように実施される洗い工程において、洗濯物は、持ち上げられ、又は、落下する際に、扉本体60の底板60aに接触する。底板60aには、複数の突起64が設けられているので、洗濯物は、これらの突起64と接触して摩擦抵抗を受ける。すなわち、突起64が設けられた底板60aは、洗濯板として作用するので、洗濯物の汚れは、洗濯水と共に絞り出される。その結果、洗濯物の汚れ落ちが良好となり、洗い工程の所要時間を短縮することができる。
また、洗濯物が突起64と接触して摩擦抵抗を受けることによって、洗濯物の接触した部分が扉6側に引っ張られるので、洗濯物どうしが絡み合わず、ほぐれたり、洗濯物の位置が入れ替わる効果がある。その結果、洗濯物の汚れ落ちの偏りをなくすことができる。
さらに、突起64は、式1を満たすフィボナッチ数列に基づいた配列で設けられているので、図6に示すように、洗濯物が回転ドラム4内で、異なった動きをすることで、底板60aに対して、異なった位置又は向きで接触しても、洗濯物に均等に摩擦抵抗を加えることができる。
また、循環ポンプ91を作動させて、洗濯水を循環させるように制御した場合には、循環水ノズル93から噴出された洗濯水は、その一部が扉6の底板60aに降り注いだ後、洗濯物の上に降り注ぐ。このとき、底板60aには、複数の突起64が設けられているので、底板60aに降り注いだ洗濯水は、底板60aの表面上で拡散される。その結果、洗濯物と洗濯水との接触機会が増大し、洗浄効果がさらに高められる。
すすぎ工程では、まず、運転制御部14は、排水弁84を開として洗濯槽3から洗濯水を排水した後、回転ドラム4を高速回転させて、中間脱水を実施する。中間脱水では、回転ドラム4が高速回転することで、洗濯物が回転ドラム4の周壁に押し付けられるので、洗濯物に含まれる洗濯水を除去することができる。次に、運転制御部14が、給水弁72を開として洗剤を含まないすすぎ水を給水し、回転ドラム4を低速回転させる。中間脱水された洗濯物は、その後に給水されるすすぎ水と接触して濡らされ、回転ドラム4内での持ち上げ及び落下を繰り返すことですすぎ洗いされる。なお、以上のすすぎ工程は、複数回繰り返してもよい。また、循環ポンプ91は、すすぎ工程中にも、駆動されてもよい。この場合には、循環水ノズル93から噴射される噴射水は、回転ドラム4内の洗濯物に繰り返し降り注ぎ、洗濯物とすすぎ水との接触機会を増して、すすぎ効果を高めることができる。
以上のように実施されるすすぎ工程においても、突起64は、回転ドラム4内で、持ち上げられ、又は、落下する洗濯物と接触して、洗濯物に含まれるすすぎ水を絞り出す作用をなす。その結果、洗い工程と同様に、すすぎ効果を良好に高め、すすぎ工程の所要時間を短縮することができる。
また、循環ポンプ91を作動させて、すすぎ水を循環させるように制御した場合には、循環水ノズル93から噴出されたすすぎ水は、その一部が扉6の底板60aに降り注いだ後、洗濯物の上に降り注ぐ。このとき、底板60aには、複数の突起64が設けられているので、底板60aに降り注いだすすぎ水は、底板60aの表面上で拡散される。その結果、洗濯物とすすぎ水との接触機会が増大されてすすぎ効果がさらに高められる。
最終脱水工程では、運転制御部14が前述した中間脱水と同様に回転ドラム4を制御する。最終脱水工程を行うことで、洗濯物に含まれるすすぎ水を除去することができる。
〔実施形態2〕
本発明に係る洗濯機の他の一実施形態について、図面を参照して説明する。なお、実施形態1で説明した構成要素については、実施形態1と同じ機能を有するものとし、同一の符号を付記し、特に記載する場合を除いて説明を省略する。本実施形態では、突起64を後述する式2の方程式を満たすフィボナッチ数列に沿う配列で設けた点で上記実施形態と異なる。
(突起64の構造及び配列)
図7は、扉6aを回転ドラム4側から見た正面図である。図示するように、突起64は、底板60aを、紙面より見て横方向をxとし、紙面より見て縦方向をyとしたときのxy座標系にて式2の方程式を満たすフィボナッチ数列に沿った配列で設けられている。
(式2)
ここで、iは突起の数、rは突起どうしの間隔、θ0は初期の角度である。
〔実施形態2〕
本発明に係る洗濯機の他の一実施形態について、図面を参照して説明する。なお、実施形態1で説明した構成要素については、実施形態1と同じ機能を有するものとし、同一の符号を付記し、特に記載する場合を除いて説明を省略する。本実施形態では、突起64を後述する式2の方程式を満たすフィボナッチ数列に沿う配列で設けた点で上記実施形態と異なる。
(突起64の構造及び配列)
図7は、扉6aを回転ドラム4側から見た正面図である。図示するように、突起64は、底板60aを、紙面より見て横方向をxとし、紙面より見て縦方向をyとしたときのxy座標系にて式2の方程式を満たすフィボナッチ数列に沿った配列で設けられている。
(式2)
ここで、iは突起の数、rは突起どうしの間隔、θ0は初期の角度である。
突起64は、底板60aの中心部では密に、底板60aの周緑部では疎に設けられている。また、突起64は、その径及び高さが異なる大小2種類の突起が設けられている。具体的には、突起64は、底板60aの中心部では小さな突起が、周緑部では大きな突起設けられている。
突起の個数は、適宜選択することができる。突起の形状が大きくなれば個数は少なくなるように、また突起の形状が小さくなれば個数は多くなるように、適宜設定すればよい。なお、本実施形態では、突起の数が少ない場合には、突起を配列した効果が十分発揮されないおそれがある。従って、本実施形態の突起の個数は、30個以上が好ましく、50個以上がさらに好ましい。次に、洗濯機1の動作及び作用について説明する。
(洗濯機1の動作及び作用)
洗い工程において、洗濯物は、持ち上げられ、又は、落下する際に、扉本体60の底板60aに接触する。底板60aには、複数の突起64が設けられているので、洗濯物は、これらの突起64と接触して摩擦抵抗を受ける。すなわち、突起64が設けられた底板60aは、洗濯板として作用するので、洗濯物の汚れは、洗濯水と共に絞り出される。その結果、洗濯物の汚れ落ちが良好となり、洗い工程の所要時間を短縮することができる。
(洗濯機1の動作及び作用)
洗い工程において、洗濯物は、持ち上げられ、又は、落下する際に、扉本体60の底板60aに接触する。底板60aには、複数の突起64が設けられているので、洗濯物は、これらの突起64と接触して摩擦抵抗を受ける。すなわち、突起64が設けられた底板60aは、洗濯板として作用するので、洗濯物の汚れは、洗濯水と共に絞り出される。その結果、洗濯物の汚れ落ちが良好となり、洗い工程の所要時間を短縮することができる。
また、洗濯物が突起64と接触して摩擦抵抗を受けることによって、洗濯物の接触した部分が扉6a側に引っ張られるので、洗濯物どうしがほぐれたり、洗濯物の位置が入れ替わる効果がある。その結果、洗濯物の汚れ落ちの偏りをなくすことができる。
また、洗濯物が遅く動く底板60a中心部では、突起64を密に、洗濯物が早く動く底板60a周緑部では、突起64を疎に設けられているので、洗濯物の位置によらず、洗濯物に均等に摩擦力を加えることができる。
また、突起64は、その径及び高さが異なる大小2種類の突起が設けられているので、大きな汚れは、大きな突起により、細かい汚れは、小さい突起により効率的に落とすことができる。
また、循環ポンプ91を作動させて、洗濯水を循環させるように制御した場合には、循環水ノズル93から噴出された洗濯水は、その一部が扉6aの底板60aに降り注いだ後、洗濯物の上に降り注ぐ。このとき、底板60aには、複数の突起64が設けられているので、底板60aに降り注いだ洗濯水は、底板60aの表面上で拡散される。その結果、洗濯物と洗濯水との接触機会が増大されて洗浄効果がさらに高められる。
また、すすぎ工程においても、突起64は、回転ドラム4内で、持ち上げられ、又は、落下する洗濯物と接触して、洗濯物に含まれるすすぎ水を絞り出す作用をなす。その結果、洗い工程と同様に、すすぎ効果を良好に高め、すすぎ工程の所要時間を短縮することができる。
なお、本実施形態においては、突起64として大きさの異なる2種類の突起が設けられている場合について説明したが、それだけに限定されるものではない。例えば、本発明の突起として、大きさの異なる3種類以上の突起を設けてもよい。
〔実施形態3〕
本発明に係る洗濯機の他の一実施形態について、図面を参照して説明する。なお、実施形態1で説明した構成要素については、実施形態1と同じ機能を有するものとし、同一の符号を付記し、特に記載する場合を除いて説明を省略する。本実施形態では、突起64を正三角形を平面充填してなる三角格子に沿う配列で設けた点で上記実施形態のいずれとも異なっている。
(突起64の構造及び配列)
図8は、扉6bを回転ドラム4側から見た正面図である。図示するように、突起64は、底板60aに、正三角形を平面充填してなる三角格子に沿う配列で設けられている。具体的には、突起64は、正三角形を平面充填した際の正三角形の頂点の部分に設けられており、最密充填の配置に沿って配列されている。なお、図8では、説明の為、突起64を結ぶ正三角形の一部を一点鎖線で示している。このように突起64を配列することによって、突起64同士の距離が同じ場合には、突起64を底板60aに最密に形成することができる。
〔実施形態3〕
本発明に係る洗濯機の他の一実施形態について、図面を参照して説明する。なお、実施形態1で説明した構成要素については、実施形態1と同じ機能を有するものとし、同一の符号を付記し、特に記載する場合を除いて説明を省略する。本実施形態では、突起64を正三角形を平面充填してなる三角格子に沿う配列で設けた点で上記実施形態のいずれとも異なっている。
(突起64の構造及び配列)
図8は、扉6bを回転ドラム4側から見た正面図である。図示するように、突起64は、底板60aに、正三角形を平面充填してなる三角格子に沿う配列で設けられている。具体的には、突起64は、正三角形を平面充填した際の正三角形の頂点の部分に設けられており、最密充填の配置に沿って配列されている。なお、図8では、説明の為、突起64を結ぶ正三角形の一部を一点鎖線で示している。このように突起64を配列することによって、突起64同士の距離が同じ場合には、突起64を底板60aに最密に形成することができる。
突起の個数は、適宜選択することができる。突起の形状が大きくなれば個数は少なくなるように、また突起の形状が小さくなれば個数は多くなるように、適宜設定すればよい。本実施形態の突起64の個数は、配列の効果が発揮される3個以上であればよい。
(洗濯機1の動作及び作用)
洗い工程において、洗濯物は、持ち上げられ、又は、落下する際に、扉本体60の底板60aに接触する。底板60aには、複数の突起64が設けられているので、洗濯物は、これらの突起64と接触して摩擦抵抗を受ける。すなわち、突起64が設けられた底板60aは、洗濯板として作用するので、洗濯物の汚れは、洗濯水と共に絞り出される。その結果、洗濯物の汚れ落ちが良好となり、洗い工程の所要時間を短縮することができる。
(洗濯機1の動作及び作用)
洗い工程において、洗濯物は、持ち上げられ、又は、落下する際に、扉本体60の底板60aに接触する。底板60aには、複数の突起64が設けられているので、洗濯物は、これらの突起64と接触して摩擦抵抗を受ける。すなわち、突起64が設けられた底板60aは、洗濯板として作用するので、洗濯物の汚れは、洗濯水と共に絞り出される。その結果、洗濯物の汚れ落ちが良好となり、洗い工程の所要時間を短縮することができる。
また、洗濯物が突起64と接触して摩擦抵抗を受けることによって、洗濯物の接触した部分が扉6b側に引っ張られるので、洗濯物どうしがほぐれたり、洗濯物の位置が入れ替わる効果がある。その結果、洗濯物の汚れ落ちの偏りをなくすことができる。
また、突起64は、底板60aに最密に形成されているので、洗濯物に多数の突起が接触することとなり、洗濯物の汚れ落ちがさらに良好となり、洗い工程の所要時間を短縮することができる。
また、循環ポンプ91を作動させて、洗濯水を循環させるように制御した場合には、循環水ノズル93から噴出された洗濯水は、その一部が扉6の底板60aに降り注いだ後、洗濯物の上に降り注ぐ。このとき、底板60aには、複数の突起64が設けられているので、底板60aに降り注いだ洗濯水は、底板60aの表面上で拡散される。その結果、洗濯物と洗濯水との接触機会が増大されて洗浄効果がさらに高められる。
また、すすぎ工程においても、突起64は、回転ドラム4内で、持ち上げられ、又は、落下する洗濯物と接触して、洗濯物に含まれるすすぎ水を絞り出す作用をなす。その結果、すすぎ効果を良好に高め、すすぎ工程の所要時間を短縮することができる。
なお、本実施形態においては、突起64を三角格子に沿う配列で設ける場合について説明したが、本発明の突起は、その他の格子に沿って配列されてもよい。突起64は、例えば、正方形を平面充填してなる四方格子又は正六角形を平面充填してなる六法格子に沿う配列で設けてもよい。突起64を三角格子に沿う配列で設ける場合には、突起64同士の距離が同じ場合には、突起64を底板60aに最密に形成することができる。
また、本実施の形態においても、突起64として大きさの異なる2種類以上の突起を設けてもよい。また、底板60a中心部では、突起64を密に、底板60a周緑部では、突起64を疎に設けてもよい。このように扉6bを構成することによって、実施形態2で説明したのと、同様の効果を得ることができる。
〔実施形態4〕
本発明に係る洗濯機の他の一実施形態について、図面を参照して説明する。なお、実施形態1で説明した構成要素については、実施形態1と同じ機能を有するものとし、同一の符号を付記し、特に記載する場合を除いて説明を省略する。本実施形態では、扉の一部に突起を設けない平坦部を設けた点で上記実施形態のいずれとも異なる。
(突起64の構造及び配列)
図9は、扉6cを回転ドラム4側から見た正面図である。図示するように、突起64は、底板60aを、紙面より見て横方向をxとし、紙面より見て縦方向をyとしたときのxy座標系にて前述した式1の方程式を満たすフィボナッチ数列に沿った配列で設けられている。
〔実施形態4〕
本発明に係る洗濯機の他の一実施形態について、図面を参照して説明する。なお、実施形態1で説明した構成要素については、実施形態1と同じ機能を有するものとし、同一の符号を付記し、特に記載する場合を除いて説明を省略する。本実施形態では、扉の一部に突起を設けない平坦部を設けた点で上記実施形態のいずれとも異なる。
(突起64の構造及び配列)
図9は、扉6cを回転ドラム4側から見た正面図である。図示するように、突起64は、底板60aを、紙面より見て横方向をxとし、紙面より見て縦方向をyとしたときのxy座標系にて前述した式1の方程式を満たすフィボナッチ数列に沿った配列で設けられている。
また、底板60aの中央部には、突起64が設けられていない平坦部65が形成されている。ここで、平坦部65は、外部から回転ドラム4の内部を覗く覗き窓として作用する。底板60aの中央部には、突起64が設けられていない平坦部65が形成されているので、突起64を設けることによって、扉本体60aの透明性が損なわれても、外部から回転ドラム4内部を視認することができ、ユーザの利便性が向上する。
なお、本実施形態においては、平坦部65が、底板60aの中央部に形成される場合について説明したが、本発明の平坦部は、底板60aの中央部以外に設けられてもよい。ここで、平坦部65を底板60aの中央部に形成した場合には、平坦部65を介して、ユーザは、回転ドラム4内の全体を視認することができる。
また、本実形態においては、突起64が、前述した式1の方程式を満たすフィボナッチ配列に沿った配列で設けられている場合について説明したが、突起64の配列はこれだけに限定されない。例えば、突起64は、前述した式2の方程式を満たすフィボナッチ配列に沿った配列で設けられてもよく、格子に沿った配列で設けられてもよい。
〔実施形態5〕
本発明に係る洗濯機の他の一実施形態について、図面を参照して説明する。なお、実施形態1で説明した構成要素については、実施形態1と同じ機能を有するものとし、同一の符号を付記し、特に記載する場合を除いて説明を省略する。本実施形態では、突起64が複数の平面から構成されている点で上記実施形態のいずれとも異なる。
(突起64の構造及び配列)
図10は、扉6dの斜視図及び一つの突起64の拡大図、図11は、扉6dを回転ドラム4側から見た正面図である。図10の拡大図にて示すように、突起64は、底板60aの平面から最も突出した山部64a、山部64aより低く設けられた4個の中間部64b及び最も低く設けられた4個の谷部64cを有している。また、突起64は、山部64a、2個の中間部64b及び谷部64cで囲まれた平面を、4個有してなる、四角錐状である。
〔実施形態5〕
本発明に係る洗濯機の他の一実施形態について、図面を参照して説明する。なお、実施形態1で説明した構成要素については、実施形態1と同じ機能を有するものとし、同一の符号を付記し、特に記載する場合を除いて説明を省略する。本実施形態では、突起64が複数の平面から構成されている点で上記実施形態のいずれとも異なる。
(突起64の構造及び配列)
図10は、扉6dの斜視図及び一つの突起64の拡大図、図11は、扉6dを回転ドラム4側から見た正面図である。図10の拡大図にて示すように、突起64は、底板60aの平面から最も突出した山部64a、山部64aより低く設けられた4個の中間部64b及び最も低く設けられた4個の谷部64cを有している。また、突起64は、山部64a、2個の中間部64b及び谷部64cで囲まれた平面を、4個有してなる、四角錐状である。
図11に示すように、突起64は、底板60aを、紙面より見て横方向をxとし、紙面より見て縦方向をyとしたときのxy座標系にて前述した式2の方程式を満たすフィボナッチ数列に沿った配列で設けられている。
また、隣接する突起64どうしは、底板60a上において、その向きを少しづつ変えるようにして、設けられている。その結果、突起64の隣接する山部64aどうしを結ぶ線及び谷部64cどうしを結ぶ線が、底板60aの中心部から周緑部に向かって形成される右回りまたは、左回りの円弧となっている。また、隣接する突起64どうしは、隙間なく連続して設けられている。次に、洗濯機1の動作及び作用について説明する。
(洗濯機1の動作及び作用)
洗い工程において、洗濯物は、持ち上げられ、又は、落下する際に、扉本体60の底板60aに接触する。底板60aには、複数の突起64が設けられているので、洗濯物は、これらの突起64と接触して摩擦抵抗を受ける。すなわち、突起64が設けられた底板60aは、洗濯板として作用するので、洗濯物の汚れは、洗濯水と共に絞り出される。その結果、洗濯物の汚れ落ちが良好となり、洗い工程の所要時間を短縮することができる。
(洗濯機1の動作及び作用)
洗い工程において、洗濯物は、持ち上げられ、又は、落下する際に、扉本体60の底板60aに接触する。底板60aには、複数の突起64が設けられているので、洗濯物は、これらの突起64と接触して摩擦抵抗を受ける。すなわち、突起64が設けられた底板60aは、洗濯板として作用するので、洗濯物の汚れは、洗濯水と共に絞り出される。その結果、洗濯物の汚れ落ちが良好となり、洗い工程の所要時間を短縮することができる。
また、洗濯物が突起64と接触して摩擦抵抗を受けることによって、洗濯物の接触した部分が扉6d側に引っ張られるので、洗濯物どうしがほぐれたり、洗濯物の位置が入れ替わる効果がある。その結果、洗濯物の汚れ落ちの偏りをなくすことができる。
また、突起64は、複数の平面から構成されているので、突起64に接触した洗濯物は、複数の方向から摩擦抵抗を受けて洗濯される。その結果、洗濯物の汚れ落ちがさらに良好となる。
また、隣接する突起64どうしは、底板60a上で、その向きを変えるようにして、設けられているので、突起64に接触した洗濯物は、さらに多くの方向から摩擦抵抗を受けて洗濯される。その結果、洗濯物の汚れ落ちがさらに良好となる。
また、循環ポンプ91を作動させて、洗濯水を循環させるように制御した場合には、循環水ノズル93から噴出された洗濯水は、その一部が扉6dの底板60aに降り注いだ後、洗濯物の上に降り注ぐ。このとき、底板60aには、複数の突起64が設けられているので、底板60aに降り注いだ洗濯水は、底板60aの表面上で拡散される。その結果、洗濯物と洗濯水との接触機会が増大されて洗浄効果がさらに高められる。
また、すすぎ工程においても、突起64は、回転ドラム4内で、持ち上げられ、又は、落下する洗濯物と接触して、洗濯物に含まれるすすぎ水を絞り出す作用をなす。その結果、すすぎ効果を良好に高め、すすぎ工程の所要時間を短縮することができる。
なお、本実施形態においては、突起64が四角錐状である場合について説明したが、突起64の形状はそれだけに限定されない。突起64は、底板60a上において、その向きを変えることによって、洗濯物と接触する面や向き等が変わればよく、例えば、角錐又は底板60aに垂直な面に対して左右非対称な形状でもよい。
次に、図10に示す扉6dを備えた洗濯機1と、比較例として扉に突起が設けられていない洗濯機を用いて行った洗浄工程の試験について説明する。なお、本実施形態においては、図10に示す扉6dを備えた洗濯機1を実施例、扉に突起が設けられていない比較の為の洗濯機を比較例という。
図12及び表1は、実施例及び比較例に係る洗濯機で人工汚染布を洗濯したときの、洗浄比及び人口汚染布の容量の関係である。図12において、横軸が人工汚染布の容量[kg]であり、縦軸が洗浄比である。洗浄比は、標準洗濯機の洗浄度に対する実施例及び比較例の洗濯機の洗浄度の比であり、1に近いほど、汚れ落ちがよいことを示している。洗浄比は、以下の式で表される。
(式3)
ここで、Dは、洗浄度、Rwは、洗濯後の人工汚染布の反射率[%]、R1は、洗濯前の人工汚染布の反射率[%]、R0は、汚染布原布の反射率[%]である。また、Cは、洗浄比、Drは、実施例及び比較例の洗濯機の洗浄度、Dsは、標準洗濯機の洗浄度である。なお、洗浄比の値は、同一の条件で6回測定した場合の平均値とし、JIS(日本工業規格)C9811の試験法に基づいて行った。
(式3)
ここで、Dは、洗浄度、Rwは、洗濯後の人工汚染布の反射率[%]、R1は、洗濯前の人工汚染布の反射率[%]、R0は、汚染布原布の反射率[%]である。また、Cは、洗浄比、Drは、実施例及び比較例の洗濯機の洗浄度、Dsは、標準洗濯機の洗浄度である。なお、洗浄比の値は、同一の条件で6回測定した場合の平均値とし、JIS(日本工業規格)C9811の試験法に基づいて行った。
図12及び表1に示すように、実施例の洗浄比は、人工汚染布の容量によらず、比較例よりも高い値となることが確認できた。人工汚染布の容量が2、4及び6kgの条件において、実施例は、比較例と比べて洗浄比が9%以上高くなることが確認できた。なお、人工汚染布の容量が9kgの条件では、実施例及び比較例の差が小さくなった。これは、洗濯機の洗濯容量一杯に人工汚染布が投入されたため、人工汚染布が突起64と接触する機会が減少した為と考えられるが、この場合でも、実施例において洗浄比が高くなることが確認できた。
(表1)
(その他の実施形態)
本発明の突起は、隣接する突起64どうしを互いに向きを変えて設けてもよい。
(表1)
(その他の実施形態)
本発明の突起は、隣接する突起64どうしを互いに向きを変えて設けてもよい。
図13は、本発明の他の実施形態に係る扉6eの縦断面の模式図である。図示するように、隣接する突起64どうしは互いに上下方向に向きを変えて設けられている。なお、図13において突起64の中心軸を一点鎖線で示す。また、隣接する突起64を上下方向に向きを変えて設ける場合について図示するが、隣接する突起64を左右方向に向きを変えて設けてもよく、上下及び左右方向に向きを変えて設けてもよい。また、突起64の配列は、上述したフィボナッチ数列に沿ったものでもよく、格子に沿った配列でもよい。このように、突起64を構成することによって、突起64と接触した洗濯物は、異なる方向から摩擦抵抗を受けて洗濯される。その結果、洗濯物の汚れ落ちがさらに良好となる。
また、上述の実施形態においては、突起64が扉6に設けられる場合について説明したが、本発明の突起は、必ずしも扉6に設けなくてもよい。例えば、突起64は、回転ドラム4の底面に、回転ドラムの内部に向けて突設するように設けてもよい。この場合にも、洗濯工程において、突起64が洗濯物に接触することで、摩擦抵抗を与えることができる。その結果、洗濯物の汚れは、洗濯水と共に絞り出されるので、洗濯物の汚れ落ちが良好となり、洗い工程の所要時間を短縮することができる。 また、本発明の洗濯機は、洗濯、すすぎ及び脱水工程に加えて、乾燥工程を実施するように構成されてもよい。洗濯機が、乾燥工程を実施する場合、例えば、蒸発器、圧縮機、凝縮器及び膨張弁を備えた公知のヒートポンプ装置を利用することができる。乾燥工程では、回転ドラム4が回転されることに加えて、乾燥風が回転ドラム4内に導入されるので、洗濯物は、回転ドラム4内で広範囲に動き回る。このとき、洗濯物は、扉6及び回転ドラム4の底面に接触する。扉6及び/又は回転ドラム4の底面には、突起64が設けられているので、洗濯物は、突起64と接触して扉6及び/又は回転ドラム4の底面側に引っ張られる。その結果、洗濯物どうしが絡み合わず、ほぐれやすくなるので、洗濯物が乾燥中に皺になりにくい、という効果がある。また、洗濯物が引っ張られることで、洗濯物の位置が入れ替わるので、洗濯物を均一に乾燥させることができ、乾燥工程の時間を短くすることができる、という効果がある。
以上説明したように、特に洗濯槽及び回転ドラムを横姿勢又は斜め横姿勢で外筐の内部に支持した洗濯機において、扉の内面及び/または回転ドラムの底面に規則性を持って配列された複数の突起を設けることにより、洗浄力の優れた洗濯機を実現することができた。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明に係る洗濯機は、特に洗濯槽及び回転ドラムを、横姿勢又は斜め横姿勢で外筐の内部に支持した洗濯機に広く利用可能である。
1 洗濯機
2 外筐
3 洗濯槽
4 回転ドラム
5 ドラムモータ
6 扉
60 扉本体
60a 底板
60b 傾斜部
60c 突出部
64 突起
64a 山部
64b 中間部
64c 谷部
65 平坦部
91 循環ポンプ
92 循環水ホース
93 循環水ノズル
2 外筐
3 洗濯槽
4 回転ドラム
5 ドラムモータ
6 扉
60 扉本体
60a 底板
60b 傾斜部
60c 突出部
64 突起
64a 山部
64b 中間部
64c 谷部
65 平坦部
91 循環ポンプ
92 循環水ホース
93 循環水ノズル
本発明に係る洗濯機は、洗濯物を収容する有底円筒形の回転ドラムを、斜め横又は横姿勢にて回転可能に支持した洗濯機であって、洗濯物の投入口を開閉可能に覆い、回転ドラムの開口部に面する扉を備えている。扉の内面及び/又は回転ドラムの底には、回転ドラムを回転させた場合に該回転ドラムに収容された洗濯物と接触する複数の突起が設けられている。複数の突起は、フィボナッチ数列に沿って配列されている。
Claims (10)
- 洗濯物を収容する有底円筒形の回転ドラムを、斜め横又は横姿勢にて回転可能に支持した洗濯機において、
洗濯物の投入口を開閉可能に覆い、前記回転ドラムの開口部に面する扉を備え、
前記扉の内面及び/又は前記回転ドラムの底には、複数の突起が設けられ、
前記複数の突起は、所定の規則性にしたがって配列されていることを特徴とする洗濯機。 - 前記複数の突起は、3個以上であることを特徴とする請求項1に記載の洗濯機。
- 前記複数の突起は、径及び/又は高さが異なる2種以上の突起を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の洗濯機。
- 前記突起は、複数の平面から構成されることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の洗濯機。
- 前記複数の突起は、周緑部より中央部が密に設けられることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の洗濯機。
- 隣接する前記複数の突起は、互いに向きを変えて設けられることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の洗濯機。
- 前記複数の突起は、フィボナッチ数列に沿って配列されることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の洗濯機。
- 洗い工程及び/又はすすぎ工程において、前記回転ドラムの内部に水を放出する循環手段をさらに備えることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の洗濯機。
- 前記複数の突起は、前記扉に設けられており、
前記扉の一部には、前記複数の突起が設けられていないことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の洗濯機。 - 前記扉は、前記回転ドラムの内部に突出する扉本体を有し、
前記複数の突起は、前記扉本体と一体に成型される、ことを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の洗濯機。
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