JP5383286B2 - 白色ポリイミドの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、耐熱性に優れた白色ポリイミドの製造方法に関するものである。
近年、電子機器の高性能化が急速に進んでおり、これに伴い電子機器に用いられる電子部品やそれらを実装する基板に対しても、より高密度で高性能なものへと要求が高まっている。一方、電子機器は益々軽量化、小型化、薄型化の傾向にあり、電子部品を収容するスペースは狭まる一方である。例えば、発光素子であるチップLEDもさらに軽量化、小型化が求められるとともに、基板の反射率及び白色度の高いものが求められている。
このような要求に応えるため、例えば、LED基板用の高分子フィルムにも優れた白色性、柔軟性、耐熱性が要求されるようになっている。LED実装用途を目的として、脂肪族モノマーを用いたポリイミド及び無機系微粒子等の白色顔料を混合した樹脂組成物から白色性ポリイミドフィルムを得ることが知られている(特許文献1、2)。しかし、白色顔料の添加はフィルム強度の低下、白色顔料の均一分散等の制御が困難であるなどの問題が懸念される。
ポリイミドフィルムは柔軟性、耐熱性等に優れるため、LED基板用の高分子フィルム等に適用することが期待されるが、通常のポリイミドフィルムはそのままでは薄黄色〜黄色に着色した透明フィルムである(特許文献3、4)。したがって、白色顔料等の白色化用の材料を配合しなくとも白色を示すポリイミドフィルムが要望されている。
特開平5-9437号公報 特開2006-110999号公報 特開平4-47933号公報 特開2007-46054号公報
本発明は、顔料等の充填剤を用いなくとも、反射率及び白色度が高く耐熱性に優れた白色ポリイミドの製造を可能とする方法を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、含フッ素ポリアミド酸を特定の条件下でイミド化した場合、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、白色ポリイミドの製造方法であって、下記式(1)で表される構造単位を30モル%以上含有するポリアミド酸を熱処理してイミド化するに際して、昇温過程でのイミド化を、イミド化率が80%以上となる温度を200℃を超える温度となるように行い、JIS Z8715によって測定される白色度が40以上、450nmにおける反射率が50%以上である白色ポリイミドとすることを特徴とする白色ポリイミドの製造方法である。
Figure 0005383286
また、本発明は、ポリアミド酸が、下記式(1)で表される構造単位xと下記一般式(2)で表される構造単位yを含有し、構造単位xと構造単位yのモル比(x/y)が、30/70〜100/0である上記白色ポリイミドの製造方法である。
Figure 0005383286
Figure 0005383286
上記白色ポリイミドの製造方法にあっては、イミド化率を200℃を超える温度で95%以上となるようにすることが好ましい。また、上記白色ポリイミドの製造は支持基材上で行うことが出来、イミド化後のポリイミド層の厚みが3〜100μmの範囲となるようにポリアミド酸を塗布して行うことが出来る。そして、上記方法に従って製造される白色ポリイミドは、JIS Z8715によって測定される白色度が40以上、450nmにおける反射率が50%以上とすることが好ましい。
本発明の白色ポリイミドの製造方法によれば、顔料等の充填剤を配合せずとも反射率及び白色度が高く、耐熱性に優れた白色ポリイミドを製造することができるため、ポリイミド樹脂の保有する樹脂特性を最大限に発揮することができる。そして、得られる白色ポリイミドは、光反射性が要求される光学材料に適し、例えば、電子部品用の耐熱白色ラベルや感熱転写、感熱発色、インクジェット、銀塩写真又は電子写真など各種方式における印刷材料の基材や、白色LEDの反射基板等に好適な金属と白色ポリイミドからなる積層体の製造に好適である。特に、白色を要求されるフィルム、層等として有用である。
白色ポリイミドフィルムのXRD解析図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
ポリイミドは、一般的には、ジアミンと芳香族酸二無水物を溶媒中で反応させてポリアミド酸として、これを熱処理によりイミド化して製造することができる。本発明で製造される白色ポリイミドも同様にして得ることができるが、本発明では、上記式(1)で表される構造単位を30モル%以上含有するポリアミド酸をイミド化することによって得ることができる。
好ましくは、上記式(1)で表される構造単位xと上記一般式(2)で表される構造単位yを含有し、構造単位xと構造単位yのモル比(x/y)が30/70〜100/0であるポリアミド酸、好ましくは40/60〜90/10の範囲を用いることがよい。
ここで、イミド化は、熱処理により達成しうるが、本発明では特に昇温過程でのイミド化を、200℃を超える温度でイミド化率が80%以上となるように行うことが重要である。より詳しくは、200℃以下の温度ではイミド化率を80%未満に抑え、200℃を超えた領域でイミド化を80%以上、好ましくは95%以上とすることで白色度、反射率の高いポリイミドを製造することができる。イミド化率が200℃以下の領域で80%以上となると透明なポリイミドになるか、白色度や反射率が低いものとなってしまう。
上記式(1)のポリアミド酸を与える酸二無水物は、下記式(4)で表される3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン(BPDA)である。BPDAは単独で使用されることができるが、ピロメリット酸二無水物(PMDA)と併用することが好ましく、それにより式(2)の構造単位と共重合したポリアミド酸とすることができる。
Figure 0005383286
また、上記式(1)のポリアミド酸を与えるジアミンは、下記式(5)で表される2,2'-ビス(トリフルオロメチル)-4,4'-ジアミノビフェニル(TFMB)である。
Figure 0005383286
本発明で製造される白色ポリイミドは、上記構造単位を有するポリアミド酸から得られ、それにより白色度の高いポリイミドとすることができるが、発明の効果を阻害しない範囲で、他の構造単位を有することもできる。他の構造単位を有するポリアミド酸は、下記例示する公知の芳香族酸二無水物と芳香族ジアミンを組み合わせて用いることができる。
BPDAと併用可能な芳香族酸二無水物としては、特に限定されるものではないが具体例を挙げると、PMDAの他、3,3',4,4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2',3,3'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3',4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ナフタレン-1,2,5,6-テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン-1,2,4,5-テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン-1,4,5,8-テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン-1,2,6,7-テトラカルボン酸二無水物、4,8-ジメチル-1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロナフタレン-1,2,5,6-テトラカルボン酸二無水物、4,8-ジメチル-1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロナフタレン-2,3,6,7-テトラカルボン酸二無水物、2,6-ジクロロナフタレン-1,4,5,8-テトラカルボン酸二無水物、2,7-ジクロロナフタレン-1,4,5,8-テトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7-テトラクロロナフタレン-1,4,5,8-テトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8-テトラクロロナフタレン-2,3,6,7-テトラカルボン酸二無水物、2,2',3,3'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3',4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3'',4,4''-p-テルフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2'',3,3''-p-テルフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3'',4''-p-テルフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2-ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)-プロパン二無水物、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)-プロパン二無水物、ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3.4-ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、1,1-ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ペリレン-2,3,8,9-テトラカルボン酸二無水物、ペリレン-3,4,9,10-テトラカルボン酸二無水物、ペリレン-4,5,10,11-テトラカルボン酸二無水物、ペリレン-5,6,11,12-テトラカルボン酸二無水物、フェナンスレン-1,2,7,8-テトラカルボン酸二無水物、フェナンスレン-1, 2,6,7-テトラカルボン酸二無水物、フェナンスレン-1,2,9,10-テトラカルボン酸二無水物、シクロペンタン-1,2,3,4-テトラカルボン酸二無水物、ピラジン-2,3,5,6-テトラカルボン酸二無水物、ピロリジン-2,3,4,5-テトラカルボン酸二無水物、チオフェン-2,3,4,5-テトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物、4,4'-オキシジフタル酸二無水物などが挙げられる。これらは単独で使用してもよく又は2種以上併用することもできる。
TFMBは単独で使用してもよいが、他の芳香族ジアミンと併用してもよい。TFMBと併用されるジアミンとしては、特に限定されるものではないが、例を挙げると、4,6-ジメチル-m-フェニレンジアミン、2,5-ジメチル-p-フェニレンジアミン、2,4-ジアミノメシチレン、
3,3'-ジメチル-4,4'-ジアミノジフェニルメタン、3,5,3',5'-テトラメチル-4,4'-ジアミノジフェニルメタン、2,4-トルエンジアミン、m-フェニレンジアミン、p-フェニレンジアミン、4,4'-ジアミノジフェニルプロパン、3,3'-ジアミノジフェニルプロパン、4,4'-ジアミノジフェニルエタン、3,3'-ジアミノジフェニルエタン、4,4'-ジアミノジフェニルメタン、3,3'-ジアミノジフェニルメタン、2,2-ビス(4-アミノフェノキシフェニル)プロパン、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、4,4'-ジアミノジフェニルスルフィド、3,3'-ジアミノジフェニルスルフィド、4,4'-ジアミノジフェニルスルホン、3,3'-ジアミノジフェニルスルホン、4,4'-ジアミノジフェニルエーテル、3,3'-ジアミノジフェニルエーテル、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、ベンジジン、3,3'-ジアミノビフェニル、3,3'-ジメチル-4,4'-ジアミノビフェニル、3,3'-ジメトキシベンジジン、4,4"-ジアミノ-p-ターフェニル、3,3"-ジアミノ-p-ターフェニル、ビス(p-アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(p-β-アミノ-t-ブチルフェニル)エーテル、ビス(p-β-メチル-δ-アミノペンチル)ベンゼン、p-ビス(2-メチル-4-アミノペンチル)ベンゼン、p-ビス(1,1-ジメチル-5-アミノペンチル)ベンゼン、1,5-ジアミノナフタレン、2,6-ジアミノナフタレン、2,4-ビス(β-アミノ-t-ブチル)トルエン、2,4-ジアミノトルエン、m-キシレン-2,5-ジアミン、p-キシレン-2,5-ジアミン、m-キシリレンジアミン、p-キシリレンジアミン、2,6-ジアミノピリジン、2,5-ジアミノピリジン、2,5-ジアミノ-1,3,4-オキサジアゾール、ピペラジンなどが挙げられる。これらは単独でも又は2種以上併用することもできる。
上記芳香族酸二無水物と芳香族ジアミンの選定にあたっては、得られるポリイミドフィルムの反射率、白色度、熱分解温度(Td)、ガラス転移温度など使用目的で必要とされる特性を発現するように選択することになる。高い反射率及び白色度、低光透過率の見地からは、式(1)及び(2)以外の他の構造単位の好ましい含有率は30モル%未満であり、より好ましくは20モル%未満とすることがよい。
本発明で用いられるポリアミド酸は、公知の方法で製造することができ。すなわち、窒素気流下、N,N-ジメチルアセトアミドなどの有機極性溶媒中で上記に示した芳香族ジアミン成分と芳香族テトラカルボン酸二無水物成分とを実質的に等モル使用しこれを重合して得ることができる。より具体的には、窒素気流下N,N-ジメチルアセトアミドなどの有機極性溶媒に上記ジアミンを溶解させた後、上記芳香族テトラカルボン酸二無水物を加えて、室温で3時間程度攪拌を続けて重合反応を行い、一昼夜保持することにより粘調なポリアミド酸が得られる。ポリアミド酸の重合度は、ポリアミド酸溶液の粘度範囲で表したとき、溶液粘度が500cP〜200,000cPの範囲にあることが好ましい。溶液粘度の測定は、恒温水槽付のコーンプレート式粘度計によって行うことができる。このようにして得られたポリアミド酸を白色ポリイミドにするには、下記に詳述する特定の条件下でイミド化することが必要であるが、その際、白色化するポリイミドの形態は、塗工方法や塗工形状などを適宜変更することで任意に調整することができる。
代表例として、薄膜の白色ポリイミドフィルムの製造例について説明する。まず、金属箔やガラス基板などの適当な支持基材上にポリアミド酸を所定の厚みに塗布し、予備乾燥する。予備乾燥は、150℃以下のイミド化が進行しにくい温度範囲で行い、これによりポリアミド酸溶液中に含まれる溶媒をある程度除去する。その後、130〜360℃前後での熱処理を施してイミド化を進行させるが、このイミド化の際の昇温過程において、段階的又は連続的に温度を上げていく際、200℃以下でのイミド化率を低くし、200℃までは80%を超えないように制御する。好ましくは、200℃までは70%を超えないように制御し、その後、200℃を超える温度でイミド化を完結させることがよい。
200℃を超える温度範囲でイミド化率が80%以上、好ましくは95%以上、更に好ましくは100%とする。最終的な温度は300℃以上としてイミド化を完了させることがよい。有利には、205〜230の範囲で、イミド化率が80%以上となるようにする。更に有利には210〜230℃の範囲で、イミド化率が95%以上となるようにする。そして、300℃以上、400℃以下の温度まで昇温してイミド化率を99%以上、好ましくは100%とすることがよい。
このようにイミド化の最終段階が行われる温度領域を200℃を超える温度範囲とすることで白色ポリイミドフィルムの製造が可能となる。イミド化率の調整は、予備乾燥後の段階的昇温過程での熱処理条件、すなわち200℃以下の温度での加熱時間を調整することで制御することが可能である。イミド化は150℃程度の温度から始まるが、低温時にはその速度が遅いので、200℃以下での処理時間を短くすれば、イミド化率は200℃においても80%未満とすることが可能である。例えば、熱処理条件を130℃で4分、160℃で2分、220℃で1分、280℃、320℃、360℃で各1分ずつ段階的な熱処理を行う場合、200℃を超える温度でイミド化率を80%以上とすることができ、白色ポリイミドフィルムを製造することができるし、熱処理条件を160℃で2分、190℃で30分、220℃で3分、280℃、320℃、360℃で各1分ずつ段階的な熱処理を行う場合、200℃以下の温度でイミド化率が80%以上となり透明なポリイミドフィルムとなる。
上記白色ポリイミドフィルムの製造例において、支持基材に金属箔を用いれば白色ポリイミド層を絶縁層とする金属張積層体とすることができ、フレキシブル銅張積層板等の用途に適して用いることができる。また、このようにして製造した上記金属張積層体から支持基材を剥離するか、支持基材を除去することにより遊離の白色ポリイミドフィルムが得られる。支持基材を除去する方法としては、支持基材が銅箔である場合は、これを塩化第二鉄水溶液を用いてエッチング除去する方法が挙げられ、支持基材を剥離する方法としては、支持基材として表面が離型処理された支持基材を用いる方法を挙げることができる。なお、使用される支持基材は、特に制限なく、ガラス板、金属箔、高分子フィルムなど平面又は曲面を有し、ポリアミック酸を塗工した場合に、塗工されたポリアミック酸を支持することが可能なものであればよい。
上記では、イミド化を熱処理によるものを例示したが、脱水剤と触媒を用いて脱水する化学閉環法を併用してもよい。また、本発明の特徴からポリアミド酸には、充填材を添加する必要はないが、必要に応じて安定剤等の添加剤を含ませることは差支えない。
白色ポリイミドが白色ポリイミドフィルムである場合、イミド化が支持基材上で行われ、イミド化後のポリイミド層の厚みが3〜100μmの範囲となるようにポリアミド酸を塗布して行われることにより、白色度が優れるポリイミドフィルムが得られる。
このようにして得られる白色ポリイミドは、JIS Z8715によって測定される白色度が40以上、450nmにおける反射率が50%以上であることが好ましい。白色度の調整は上記のようにポリアミック酸の原料及びイミド化処理条件を制御することにより可能である。
白色ポリイミドフィルムは、厚さが100μm以下であること、又は0.5〜50μmの厚さ範囲において、白色度が40以上、450nmにおける反射率が50%以上であることが好ましい。この白色ポリイミドフィルムは絶縁樹脂層の片面又は両面に金属層を有する金属張積層体の絶縁樹脂層に適する。
以下、実施例に基づいて本発明の内容を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例等に用いた略号を下記に示す。
・TFMB:2,2'-ビス(トリフルオロメチル)- 4,4'-ジアミノビフェニル
・BPDA:3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
・PMDA:ピロメリット酸二無水物
・DMAc:N,N-ジメチルアセトアミド
また、実施例中の各種物性の測定方法等を以下に示す。
[粘度の測定]
粘度は、恒温水槽付のコーンプレート式粘度計(トキメック社製)にて、合成例で得られたポリアミド酸溶液について25℃で測定した。
[線膨張係数(CTE)の測定]
3mm ×15mmのサイズのポリイミドフィルムを、熱機械分析(TMA)装置にて5.0gの荷重を加えながら一定の昇温速度(20℃/min)で30℃から260℃の温度範囲で引張り試験を行い、温度変化に対するポリイミドフィルムの伸び量から線膨張係数(ppm/K)を測定した。
[1%熱分解温度(Td1)の測定]
窒素雰囲気下で10〜20mgの重さのポリイミドフィルムから採取した試料を、熱重量分析(TG)装置を用いて、一定の昇温速度で30℃から550℃まで変化させたときの重量変化を測定し、1%重量減少温度(Td1)を求めた。
[光反射率]
ポリイミドフィルム(50mm×50mm)をUV-3101PC型自記分光光度計にて、450nmにおける反射率を求めた。
[白色度]
ポリイミドフィルム(50mm×50mm)をUV-3101PC型自記分光光度計にて、JISZ8715(色の表示法−白色度)に記載されている白色度を求めた。
[光透過率]
ポリイミドフィルム(50mm×50mm×25μm)をU4000形自記分光光度計にて、450nmにおける光透過率を求めた。
[イミド化率]
FT/IR−620にて、各熱処理工程におけるポリイミドフィルム(50mm×50mm×25μm)をATR法によりイミド(1780cm‐1)のピーク強度を求め、イミド化率を算出した。各熱処理工程で、イミドのピーク強度が最大となるときをイミド化率100%とした。
[XRD解析]
ポリイミドフィルム(50mm×50mm)をX線回折装置XRD−6100にて、広角X線回折法で測定した。
合成例1〜6
窒素気流下で、表1に示したジアミンを200mlのセパラブルフラスコの中で攪拌しながら溶剤DMAcに溶解させた。次いで、表1に示したテトラカルボン酸二無水物を加えた。その後、溶液を室温で3時間攪拌を続けて重合反応を行い、一昼夜保持した。ほぼ無色〜薄黄色の粘稠なポリアミド酸溶液が得られ、高重合度のポリアミド酸が生成されていることが確認された。得られたポリアミド酸A〜Dの固形分と溶液粘度を表1に示した。ここで、固形分はポリアミド酸濃度である。溶液粘度はE型粘度計を用い測定した。結果をまとめて表1に示す。
Figure 0005383286
実施例1〜4
合成例1〜4で得たポリアミド酸溶液A〜Dを、それぞれ厚さ12μmの銅箔上にアプリケータを用いて乾燥後の膜厚が約25μmとなるように塗布し、125℃で3分間乾燥した後、130℃で4分、160℃で2分、220℃、280℃、320℃及び360℃で各1分ずつ段階的な熱処理を行った。なお、この熱処理では各温度に保持された加熱炉に順次装入したため、昇温時間は無視可能である。各実施例において、160℃で2分熱処理後のイミド化率は約10〜50%程度であり、80%より十分に低いものであった。220℃で1分熱処理後のイミド化率は80%より十分に高く、95%以上であった。このようにして銅箔上に単層のポリイミド層を有する4種の積層体を得、各積層体の銅箔を塩化第二鉄水溶液を用いてエッチング除去してポリイミドフィルムを作成した。
各熱処理過程のフィルムについて、イミド化率を求めた。熱処理条件とイミド化率の関係を表2に示す。220℃以降の温度領域において、イミド化率が80%以上に達し、白色ポリイミドフィルムが得られた。得られたポリイミドフィルムについて、熱膨張係数(CTE)、ガラス転移温度(Tg)、熱分解温度(Td1)、450nmにおける反射率、白色度、450nmにおける光透過率を求めた。測定結果を表2に示す。なお、ポリアミド酸Aを使用した例を実施例1とし、以下順番に実施例番号を付している。
比較例1
合成例1で得たポリアミド酸溶液Aを、厚さ12μmの銅箔上にアプリケータを用いて乾燥後の膜厚が約25μmとなるように塗布し、125℃で3分間乾燥した後、更に160℃で2分、190℃で30分、220℃で3分、280℃、320℃、360℃で各1分ずつ段階的な熱処理を行った。160℃で2分熱処理後のイミド化率は約10%程度であったが、190℃で30分熱処理後のイミド化率は80%より十分に高く、95%以上であった。このようにして銅箔上に単層のポリイミド層を有する積層体を得、積層体の銅箔を塩化第二鉄水溶液を用いてエッチング除去してポリイミドフィルムを作成した。
各熱処理過程のフィルムについて、実施例と同様にイミド化率を評価した。評価結果を表2に示す。190℃の時点でイミド化率が80%以上に達したため、透明なポリイミドフィルムが得られた。得られたポリイミドフィルムについて実施例と同様に、各種特性を評価した。測定結果を表3に示す。
比較例2〜4
合成例2〜4で得たポリアミド酸溶液B〜Dを、それぞれ厚さ12μmの銅箔上にアプリケータを用いて乾燥後の膜厚が約25μmとなるように塗布し、125℃で3分間乾燥した後、更に160℃で2分、190℃で30分、200℃で30分、220℃で3分、280℃、320℃、360℃で各1分ずつ段階的な熱処理を行った。160℃で2分熱処理後のイミド化率は約10〜50%程度であったが、190℃で30分熱処理後のイミド化率は80%より十分に高く、95%以上であった。このようにして銅箔上に単層のポリイミド層を有する3種の積層体を得、各積層体の銅箔を塩化第二鉄水溶液を用いてエッチング除去してポリイミドフィルムをそれぞれ作成した。各熱処理過程のフィルムについて、実施例と同様にイミド化率を評価した。評価結果を表2に示す。190℃の時点でイミド化率が80%以上に達し、透明なポリイミドフィルムが得られた。得られたポリイミドフィルムについて実施例と同様に、各種特性を評価した。測定結果を表3に示す。
Figure 0005383286
表2において、xはイミド化率80%未満(約10〜50%程度)であり、oはイミド化率80%以上(約90〜100%程度)である。なお、上記以外の熱処理温度におけるイミド化率は、120℃、3分の乾燥処理後で約10%程度であり、360℃、1分後で90%以上である。また、実施例2〜4は実施例1とほぼ同様なイミド化率を示し、比較例3〜4は比較例2とほぼ同様なイミド化率を示した。
Figure 0005383286
実施例1及び比較例1で得られたポリイミドフィルムについてXRD解析を行った結果を図1に示す。白色ポリイミドフィルムである実施例1のフィルムは、同組成の透明ポリイミドフィルムである比較例1のフィルムに比べて、13°付近に鋭いピークプロファイルを示し、結晶性が高く、これが白色化に寄与することが示唆される。

Claims (3)

  1. 白色ポリイミドの製造方法であって、下記式(1)で表される構造単位を30モル%以上含有するポリアミド酸を熱処理してイミド化するに際して、昇温過程でのイミド化を、イミド化率が80%以上となる温度を200℃を超える温度となるように行い、JIS Z8715によって測定される白色度が40以上、450nmにおける反射率が50%以上である白色ポリイミドとすることを特徴とする白色ポリイミドの製造方法。
    Figure 0005383286
  2. ポリアミド酸が、下記式(1)で表される構造単位xと下記式(2)で表される構造単位yを含有し、構造単位xと構造単位yのモル比(x/y)が、30/70〜100/0である請求項1記載の白色ポリイミドの製造方法。
    Figure 0005383286
    Figure 0005383286
  3. イミド化が支持基材上で行われ、イミド化後のポリイミド層の厚みが3〜100μmの範囲となるようにポリアミド酸を塗布して行われる請求項1又は2に記載の白色ポリイミドの製造方法。
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