JP5381551B2 - ポンプ - Google Patents

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Description

本願発明は、ポンプに関するものである。
従来から、特開2007−278195号公報(特許文献1)に示されるポンプは知られている。このポンプは、液体を吸排する羽根車と、羽根車を駆動するためのモータ部を内設するポンプケースと、ポンプケースに取付けられるケーシングとを、備えている。そして、ポンプケースにケーシングが取付けられることにより、ポンプケースとケーシングとによって囲まれた領域であるポンプ室に前記羽根車が回転可能に保持される。
前記ポンプケースにはポンプ室となる凹所が形成されており、前記凹所の内面及び内面から延設される凹所周辺の表面に沿ってモータ部とポンプ室を分離する分離板が設けられ、前記ケーシングは前記分離板を介してポンプケースに取付けられている。そして、分離板とケーシングとの間にはポンプ室から外部へ液体が漏れることを防ぐためにシール性が確保されている。
特開2007−278195号公報
ところで、このポンプのポンプケースは金型にモータ部と分離板とを配置した後、分離板においてケーシングが取り付けられる面と反対側の面と、金型と、で囲まれる領域に樹脂製材料を射出・充填させて形成するが、この際、樹脂製材料が分離板を超えて、分離板のケーシングを取付ける面に回りこみ、分離板とケーシングとのシール性を阻害し液体がポンプ室外へ漏れる可能性があった。
本願発明は、上記従来例に鑑みて発明されたものであり、その課題は、液体がポンプ室外へ漏れる可能性が少ないポンプを提供することである。
上記課題を解決するために、本願請求項1記載の発明では、液体を吸排する羽根車と、羽根車を駆動するためのモータ部を内設するポンプケースと、ポンプケースに取付けられるケーシングと、を備え、ポンプケースにケーシングが取付けられることにより、ポンプケースとケーシングとによって囲まれた領域であるポンプ室に前記羽根車が回転可能に保持され、前記ポンプケースにはポンプ室となる凹所が形成されており、前記凹所の内面から前記凹所周辺の表面に沿って延出された形状でモータ部とポンプ室を分離する分離板が設けられ、前記ケーシングは前記分離板を介してポンプケースに取付けられるポンプであって、前記ポンプケースは材料を金型に充填させて分離板に対して一体形成されるものであり、前記分離板の外周が全周にわたって前記ポンプケースの外周より外側に突出して形
成されており、前記分離板とケーシングとの間にはポンプ室外への液体の漏れを防ぐOリングを介在させ、前記分離板においてOリングの外側近傍に沿ってリブを突設したことを特徴としている。
又、本願請求項記載の発明では、上記請求項記載のポンプにおいて、前記ポンプケースを一体形成する材料は、樹脂製材料の不飽和ポリエステル材であることを特徴としている。
本願請求項1記載の発明のポンプにおいては、ポンプケースは材料を金型に充填させて分離板に対して一体形成されるものであり、前記分離板の外周が全周にわたって前記ポンプケースの外周より外側に突出して形成されているので、分離板においてケーシングが取り付けられる面と反対側の面と、金型と、で囲まれる領域に材料を充填させてポンプケースを形成する際に、材料が分離板を超えて分離板のケーシングが取付けられる面に回りこみにくく、ポンプケースとケーシングとのシール性を阻害する可能性が少ない。したがって、ポンプ室外への液体の漏れを防ぐことができる。
又、特に、分離板とケーシングとの間にはポンプ室外への液体の漏れを防ぐOリングを介在させ、前記分離板においてOリングの外側近傍に沿ってリブを突設したので、充填された材料は、例え分離板を超えて分離板のケーシングを取付ける面に回りこんだとしても、突設されたリブのためにOリングを介在させる箇所に侵入することを防ぐことができ、Oリングによるシール性を確保することができる。
又、本願請求項記載の発明のポンプにおいては、特に、ポンプケースを一体形成する材料は、樹脂製材料の不飽和ポリエステル材であるので、より材料が分離板を超えて分離板のケーシングが取付けられる面に回りこむことを防ぐことができる。
本願発明の第1の実施形態におけるポンプの断面図である。 本願発明の第1の実施形態におけるポンプケースの製造過程における断面図である。 本願発明の第2の実施形態におけるポンプの断面図である。 本願発明の第2の実施形態におけるポンプケースの製造過程における断面図である。
以下、本願発明の実施形態について図面に基づいて説明する。図1は本願発明の第1の実施形態のポンプ1を示しており、このポンプ1は、液体を吸排する羽根車2と、羽根車2を駆動するためのモータ部3を内設するポンプケース4と、ポンプケース4に取付けられるケーシング5とを、備えている。また、ポンプケース4にケーシング5が取付けられることにより、ポンプケース4とケーシング5とによって囲まれた領域であるポンプ室6に前記羽根車2が回転可能に保持され、ポンプケース4にはポンプ室6となる凹所7が形成されている。凹所7の内面から凹所7周辺の表面に沿って延出された形状でモータ部3とポンプ室6を分離する分離板8が設けられ、前記ケーシング5は前記分離板8を介してポンプケース4に取付けられている。
凹所7の底面の略中央において、分離板8には軸穴9が設けられており、この軸穴9に円柱状の固定軸10の一端側が嵌合されて、ポンプ室6の略中央に固定軸10が立設される。
ポンプ室6に保持される羽根車2の下方には、羽根車2から連続して軸受11が設けられ、この軸受11は、円柱状の固定軸10に対して摺動可能な円柱状の摺動孔が設けられており、軸受11が固定軸10を中心に摺動(回転)することにより、軸受11から連続する羽根車2は固定軸10周りに回転可能に保持される。また、軸受11の外周には、その全周にわたって永久磁石12が設置されている。
ポンプケース4には、ポンプ室6を囲むように、ステータ13が内設されており、このステータ13は巻き線14を配したコイルからなる。巻き線14はカシメ端子または絡げピン(図示せず)などを介して制御基盤15に接続されている。制御基盤15から巻き線14に通電することにより、回転磁界が発生し、発生した回転磁界に対して永久磁石12が吸引反発することにより、羽根車2と軸受11と永久磁石12とからなる回転体16は、固定軸10周りに回転する。制御基盤15には、回転体16の位置を検出する位置検出手段17が取付けられており、制御基盤15は位置検出手段17からの信号を受けて回転体16が回転するように巻き線14への通電を制御して、回転磁界を制御するものである。ここにおいて、モータ部3は、主にステータ13、制御基盤14および位置検出手段17より構成されている。また、制御基盤15の端部には、外部から制御基盤15へ電源を供給するためのコネクタ18が設けられている。
ポンプケース4に設けられた凹所7の周囲の表面上には分離板8の平坦面19が位置し、この平坦面19において、凹所7の外側に凹所7を囲むように凸部20が突設されている。また、分離板8の外周は全周にわたってポンプケース4の外周より外側に突出して形成されている。
ケーシング5は、分離板8の平坦面19に当接する当接面21を有し、平坦面19と当接面21とを全周にわたって嵌合させて、ポンプケース4にケーシング5を取り付ける。また、ポンプケース4、分離板8およびケーシング5にはそれぞれ数箇所において通連するビス固定孔22が設けられており、このビス固定孔22にビス23を固定することによりケーシング5はポンプケース4に固定される。また、ケーシング5をポンプケース4に取付ける際には、凸部20と平坦面19とで構成される隅部にOリング24を介在させているので、分離板8とケーシング5とのシール性を確保することができる。
ところで、ケーシング5には、循環水を吸入口25と吐出口(図示せず)とが設けられており、吸入口25とポンプ室6とが通連している。吸入口25から吸入された循環水により、ポンプ室6は被水空間となるので、循環水の潤滑を利用して回転体16は回動し易くなる。羽根車2が回転するとポンプ作用が発生し、循環水は吐出口から吐出される。上述したポンプ1は例えばエコキュート用の沸き上げポンプ、追い焚きポンプ若しくはシャワーポンプまたは燃料電池装置のヒートポンプまたは各種冷却システム用のポンプとして使用される。
次に、本実施形態のポンプケース4の製造方法について図2に基づいて説明する。本実施形態のポンプケース4は樹脂製材料を金型26に充填させて分離板8に対して一体形成されるものである。
金型26は上金型26aと下金型26bとからなり、下金型26bに分離板8は設置される。このとき、分離板8は、分離板8においてケーシング5が取付けられる一表面側を下向きにして、下金型26bに対して設置される。ここで、分離板8の前記一表面側と反対側の他表面側から、分離板8を覆って、上金型26aと下金型26bとを当接させると、上金型26aと、下金型26bと、分離板8の他表面側と、で囲まれる空所27が形成される。空所27内に、ステータ13、制御基盤15、位置検出手段17およびコネクタ18を配して、下金型26bと上金型26aとを接合した後、上金型26bに設けられた射出口28から、空所27に樹脂製材料を射出・充填し、金型26を冷却させてポンプケース4は形成される。ところで、本実施形態において、分離板8の外周は、金型26の内周より外側に突出している。よって、下金型26bと上金型26aとを接合する際に、上金型26bによって、分離板8の外周を下金型26aに対して押さえつけながら接合させることができるものである。
したがって、本実施形態のポンプ1およびポンプ1の製造方法によれば、分離板8の外周が全周にわたってポンプケース4の外周(すなわち金型26の内周)より外側に突出して形成されているので、金型26を接合させる際に、上金型26aによって、分離板8の外周を下金型26bに対して押さえつけながら接合させることができ、空所27に樹脂製材料を充填させても、樹脂製材料が分離板8を超えて分離板8のケーシングが取付けられる一表面側に回りこみにくく、ポンプケース4とケーシング5とのシール性を阻害する可能性が少ない。したがって、ポンプ室6外への液体の漏れを防ぐことができる。
なお、樹脂製材料は流動性の関係から不飽和ポリエステル材であることが好ましい。このようにすることで、より材料が分離板8を超えて分離板8のケーシング5が取付けられる一面側に回りこむことを防ぐことができる。
次に、本願発明の第2の実施形態について図3を参照して説明する。なお第1の実施形態における構成と同様の構成については同一の符号を付しその説明を省略する。
本実施形態のポンプ1は、分離板8の平坦面19において、凸部20が突設された外側に凸部20を囲んでリブ29を突設し、凸部20およびリブ29の間の平坦面19にOリング24を介在させている。このようにポンプ1を構成することで、ポンプケース4とケーシング5とのシール性をさらに高めることができる。
なお、本実施形態のポンプ1の製造方法について図4に示すが、製造方法については、上記第1の実施形態において説明した内容と同様であるので説明は省略する。
したがって、本実施形態のポンプ1およびポンプ1の製造方法によれば、金型26に充填された樹脂製材料は、例え分離板8を超えて分離板8のケーシング5を取付ける一面側に回りこんだとしても、突設されたリブ29のためにOリング24を介在させる箇所に侵入することを防ぐことができ、Oリング24によるシール性を確保することができる。
1 ポンプ
2 羽根車
3 モータ部
4 ポンプケース
5 ケーシング
6 ポンプ室
7 凹所
8 分離板
9 軸穴
10 固定軸
11 軸受
12 永久磁石
13 ステータ
14 巻き線
15 制御基盤
16 回転体
17 位置検出手段
18 コネクタ
19 平坦面
20 凸部
21 当接面
22 ビス固定孔
23 ビス
24 Oリング
25 吸入口
26 金型
26a 上金型
26b 下金型
27 空所
28 射出口
29 リブ

Claims (2)

  1. 液体を吸排する羽根車と、羽根車を駆動するためのモータ部を内設するポンプケースと、ポンプケースに取付けられるケーシングと、を備え、ポンプケースにケーシングが取付けられることにより、ポンプケースとケーシングとによって囲まれた領域であるポンプ室に前記羽根車が回転可能に保持され、前記ポンプケースにはポンプ室となる凹所が形成されており、前記凹所の内面から凹所周辺の表面に沿って延出された形状でモータ部とポンプ室を分離する分離板が設けられ、前記ケーシングは前記分離板を介してポンプケースに取付けられるポンプであって、前記ポンプケースは材料を金型に充填させて分離板に対して一体形成されるものであり、前記分離板の外周が全周にわたって前記ポンプケースの外周より外側に突出して形成されており、前記分離板とケーシングとの間にはポンプ室外への液体の漏れを防ぐOリングを介在させ、前記分離板においてOリングの外側近傍に沿ってリブを突設したことを特徴とするポンプ。
  2. 前記ポンプケースを一体形成する材料は、樹脂製材料の不飽和ポリエステル材であることを特徴とする請求項に記載のポンプ。
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