<第1の実施形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図である。
パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機主部12とを有する。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより、遊技ホールに設置される。
遊技機主部12は、ベース体としての本体枠13と、その本体枠13の前方に配置される前扉枠14と、本体枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。遊技機主部12のうち本体枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。
本体枠13には、前扉枠14が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、本体枠13には、図2に示すように、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている。
なお、遊技機主部12には、その回動先端部に施錠装置16が設けられており、遊技機主部12を外枠11に対して開放不能に施錠状態とする機能を有しているとともに、前扉枠14を本体枠13に対して開放不能に施錠状態とする機能を有している。これらの各施錠状態は、パチンコ機10前面にて露出させて設けられたシリンダ錠17に対して解錠キーを用いて解錠操作を行うことにより、それぞれ解除される。
前扉枠14は本体枠13の前面側全体を覆うようにして設けられている。前扉枠14には後述する遊技領域のほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部21が形成されている。窓部21は、略楕円形状をなし、透明性を有するガラス22が嵌め込まれている。窓部21の周囲には、各種ランプ等の発光手段が設けられている。例えば、窓部21の周縁に沿ってLED等の発光手段を内蔵した環状ランプ部23が設けられている。環状ランプ部23では、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯や点滅が行われる。また、環状ランプ部23の中央であってパチンコ機10の最上部には所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ部24が設けられ、さらにその左右側方には賞球払出中に点灯する賞球ランプ部25が設けられている。また、左右の賞球ランプ部25に近接した位置には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部26が設けられている。
前扉枠14における窓部21の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部31と下側膨出部32とが上下に並設されている。上側膨出部31内側には上方に開口した上皿33が設けられており、下側膨出部32内側には同じく上方に開口した下皿34が設けられている。上皿33は、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射機構側へ導くための機能を有する。また、下皿34は、上皿33内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。
下側膨出部32の右方には、手前側へ突出するようにして遊技球発射ハンドル41が設けられている。遊技球発射ハンドル41が操作されることにより、本体枠13の下方に搭載された遊技球発射機構から遊技球が発射される。
本体枠13には遊技盤50が着脱可能に取り付けられている。遊技盤50は合板よりなり、遊技盤50の前面が本体枠13の前面側に露出した状態となっている。
ここで、遊技盤50の構成を図3に基づいて説明する。図3は、遊技盤50の正面図である。
遊技盤50には、内レール部51と外レール部52とが取り付けられており、これらレール部51、52によって囲まれた遊技領域Zが形成されている。これら内レール部51と外レール部52とにより誘導レールが構成され、後述する遊技球発射機構から発射された遊技球は遊技領域Zの上部に案内されるようになっている。
遊技領域Zには、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口53,可変入賞装置54,作動口55,スルーゲート56及び可変表示ユニット57等がそれぞれ設けられている。一般入賞口53は、左右にそれぞれ2個ずつ合計4個設けられており、それぞれ所定の間隔を隔てた位置に配置されている。一般入賞口53、可変入賞装置54及び作動口55に遊技球が入ると、それが遊技盤50に配設された検知センサにより検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。特に、作動口55への入賞をトリガとして、予め定めた特別遊技状態(以下、大当たりという)に当選か否かの内部抽選が行われる。
その他に、遊技盤50の最下部にはアウト口58が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口58を通って遊技領域Zから排出される。また、遊技盤50には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘59が植設されていると共に、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
可変表示ユニット57には、作動口55への入賞をトリガとして図柄を可変表示する図柄表示装置61が設けられている。また、可変表示ユニット57には、図柄表示装置61を囲むようにしてセンターフレーム62が配設されている。センターフレーム62の上部には、第1特定ランプ部63及び第2特定ランプ部64が設けられている。また、センターフレーム62の上部及び下部にはそれぞれ保留ランプ部65,66が設けられている。下側の保留ランプ部65は、図柄表示装置61及び第1特定ランプ部63に対応しており、遊技球が作動口55を通過した回数は最大4回まで保留され保留ランプ部65の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。上側の保留ランプ部66は、第2特定ランプ部64に対応しており、遊技球がスルーゲート56を通過した回数は最大4回まで保留され保留ランプ部66の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
図柄表示装置61は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。図柄表示装置61には、例えば左、中及び右に並べて図柄が表示され、これらの図柄が上下方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。そして、予め設定されている有効ライン上に所定の組合せの図柄が停止表示された場合には、大当たりとして可変入賞装置54が開放される。
第1特定ランプ部63では、作動口55への入賞をトリガとして所定の順序で発光色の切り替えが行われ、予め定められた色で停止表示された場合には大当たりが発生する。また、第2特定ランプ部64では、遊技球のスルーゲート56の通過をトリガとして所定の順序で発光色の切り替えが行われ、予め定められた色で停止表示された場合には作動口55に付随する電動役物が所定時間だけ開放状態となる。
可変入賞装置54は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉状態になっており、大当たりの際に遊技球が入賞しやすい所定の開放状態に切り換えられるようになっている。可変入賞装置54の開放態様としては、所定時間(例えば30秒間)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として可変入賞装置54が繰り返し開放されるものが一般的である。
ここで、遊技盤50には、磁気検知手段として磁気センサユニット81が設けられている。磁気センサユニット81について、図4〜図6を用いて説明する。図4は、遊技盤50の前後方向の断面を模式的に示す一部断面図であって、遊技盤50と磁気センサユニット81との位置関係を示す説明図であり、図5は、磁気センサユニット81の内部構造を示す説明図であり、図6は磁気センサユニット81が磁気を検知可能な領域を示す説明図である。
磁気センサユニット81は、作動口55の周辺における遊技盤50の背面側に設置されている。磁気センサユニット81は、外部から磁界が印加された場合には、当該磁界を検知するように構成されている。上記のとおり大当たり当選か否かの内部抽選は作動口55への入賞をトリガとして行われるため、ガラス22の前方において作動口55周辺に磁石を近付け、不正に作動口55へと遊技球を誘導させようとする行為が想定される。これに対して、磁気センサユニット81が設けられていることにより、上記磁石を用いた不正行為が行われた場合には、それを検知することが可能となっている。
また、磁気センサユニット81にはコネクタ82が設けられており、磁気センサユニット81は、当該コネクタ82を介して後述する主制御装置と電気的に接続されており、磁気センサユニット81の検知結果は主制御装置に入力される。そして、主制御装置では磁気センサユニット81の検知結果に基づいて磁石を用いた不正行為を特定した場合には、磁気を検知した旨の報知を行うための処理を実行する。
磁気センサユニット81の磁気検知に関する構成について詳細に説明すると、磁気センサユニット81は、密閉された内部空間が形成されているボックス83を備えており、当該ボックス83内には、磁界の有無によってオン又はオフとなるリードスイッチ90が設けられている。
リードスイッチ90は、略円柱形状であって密閉された内部空間が形成されているガラス管91を備えており、全体として略円柱形状をなしている。ガラス管91はボックス83内にて位置が固定されているため、リードスイッチ90とボックス83との相対位置関係は固定されている。具体的には、リードスイッチ90は、その長手方向が遊技盤50の盤面に沿うように配置されている。特に、リードスイッチ90は、その長手方向が遊技盤50の幅方向に延び、更に遊技盤50の盤面と略平行になるように配置されている。
リードスイッチ90はガラス管91内に封入された第1リード片92、第2リード片93を備えている。各リード片92、93は導電性を有する強磁性体であり、さらに弾性変形可能な素材で形成されている。各リード片92、93はリードスイッチ90の長手方向の両端部からそれぞれ挿入されており、その挿入箇所がガラス管91によって固定されている。各リード片92、93は、ガラス管91によって固定されている固定箇所を固定端、先端側を自由端として、リードスイッチ90の短手方向に変位可能に形成されている。
第1リード片92及び第2リード片93のそれぞれの自由端には、第1接触部92a及び第2接触部93aが設けられている。なんら外力が付与されていない状況において、第1接触部92a及び第2接触部93aはリードスイッチ90の短手方向に所定の間隔L1を隔てて対向配置されている。かかる状態が初期状態であり、初期状態における第1接触部92a及び第2接触部93aの位置を初期位置とする。初期状態において、リードスイッチ90はオフ状態である。
かかる構成によれば、各リード片92、93に対して外部から磁界が印加された場合、各リード片92、93はそれぞれ磁化し、第1接触部92aと第2接触部93aとの間に磁気吸引力が働く。この場合、各リード片92、93は上記固定箇所を支点として撓み、各接触部92a、93aが互いに接触する。これにより、リードスイッチ90がオン状態となる。
一方、磁界の印加が停止された場合、各リード片92、93の弾性力によって、各接触部92a、93aは初期位置に戻る。これにより、リードスイッチ90がオフ状態となる。
ここで、リードスイッチ90が磁気を検知できる領域(以下、リードスイッチ90の検知可能領域という)について説明すると、図6の破線に示すように、リードスイッチ90の検知可能領域は当該リードスイッチ90の長手方向の両端側からそれぞれ形成されており、初期状態におけるリードスイッチ90の検知可能領域に作動口55が含まれている。換言すれば、初期状態におけるリードスイッチ90の検知可能領域に作動口55が含まるようにリードスイッチ90は配置されている。これにより、少なくとも作動口55周辺に対する磁気を検知することが可能となっている。よって、磁石を用いて作動口55への直接的な遊技球の不正誘導を抑制することができる。
なお、各接触部92a、93aはガラス管91に封入されているため、大気中のガス・ほこり等の外部環境の影響を受けにくい。さらに、ガラス管91内は、各リード片92、93の接触による活性化を抑制するために窒素ガスが封入されている。
磁気センサユニット81はコイル101を備えている。コイル101はボックス83にリードスイッチ90とともに収容されている。コイル101はボックス83内にて位置が固定されており、ボックス83との相対関係が固定されている。すなわち、磁気センサユニット81はリードスイッチ90及びコイル101を含んだユニットとして構成されている。
具体的には、コイル101はリードスイッチ90に対して当該リードスイッチ90の短手方向に所定の間隔L2を隔てて配置されている。コイル101はその軸線方向がリードスイッチ90の長手方向と略平行となるように配置されている。コイル101には鉄心が挿入されている。コイル101が通電されると、コイル101を流れる電流値に応じた磁界が形成される。この場合、コイル101の軸線方向とリードスイッチ90の長手方向とが略平行であるため、コイル101によってリードスイッチ90に印加される磁界の方向はリードスイッチ90の長手方向に沿った方向になっている。
ここで、コイル101に流す電流値の調整次第では、各接触部92a、93a同士が接触し、リードスイッチ90がオンとなる。
また、コイル101に流す電流値の調整次第では、リードスイッチ90がオンにならない状態で各接触部92a,93a同士が近づく。この状態を予備印加状態という。当該予備印加状態では、コイル101からの磁界以外からの磁界に対するリードスイッチ90の感度が高くなる。この場合、図4及び図6の2点鎖線に示すように、リードスイッチ90の検知可能領域が遊技盤50の前方に拡張するとともに、遊技盤50の盤面に沿った方向に拡張する。以上のことから、コイル101を通電することによってリードスイッチ90の検知可能領域を拡張することが可能となる。
次に、遊技盤50の背面の構成を説明する。図7は遊技盤50を後方より見た斜視図である。
遊技盤50の中央に配置される可変表示ユニット57には、センターフレーム62を背後から覆う合成樹脂製のフレームカバー111が後方に突出させて設けられており、フレームカバー111に対して後側から図柄表示装置61が取り付けられるとともに、その図柄表示装置を駆動するための表示制御装置が取り付けられている(図示略)。これら図柄表示装置61及び表示制御装置は前後方向に重ねて配置され(図柄表示装置が前、表示制御装置が後)、さらにその後方に音声ランプ制御装置ユニット112が搭載されている。音声ランプ制御装置ユニット112は、音声ランプ制御装置113と、取付台114とを具備する構成となっており、取付台114上に音声ランプ制御装置113が装着されている。
音声ランプ制御装置113は、後述する主制御装置からの指示に従い音声やランプ表示、及び表示制御装置の制御を司る音声ランプ制御基板を具備しており、音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス115に収容されて構成されている。
遊技盤50の背面には、主制御装置ユニット120が搭載されている。主制御装置ユニット120の構成について図8を用いて説明する。図8は主制御装置ユニット120の構成を示す斜視図である。
主制御装置ユニット120は、合成樹脂製の取付台121を有し、取付台121に主制御装置122が搭載されている。主制御装置122は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)と、電源を監視する機能(停電監視回路)と、を有する主制御基板を具備しており、当該主制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス123に収容されて構成されている。
基板ボックス123は、略直方体形状のボックスベース(表ケース体)とこのボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(裏ケース体)とを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印手段としての封印部124によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス123が封印されている。封印部124は、基板ボックス123の長辺部に5つ設けられ、そのうち少なくとも一つが用いられて封印処理が行われる。
封印部124はボックスベースとボックスカバーとを開放した場合には痕跡が残存する構成であれば任意の構成を適用できるが、封印部124を構成する長孔に係止爪を挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開封不能に結合されるようになっている。封印部124による封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度封印処理を行うこと自体は可能である。すなわち、5つの封印部124のうち、少なくとも一つの長孔に係止爪を挿入することにより封印処理が行われる。そして、収容した主制御基板の不具合発生の際や主制御基板の検査の際など基板ボックス123を開封する場合には、係止爪が挿入された封印部と他の封印部との連結部分を切断する。これにより、基板ボックス123のボックスベースとボックスカバーとが分離され、内部の主制御基板を取り出すことができる。その後、再度封印処理する場合は他の封印部の長孔に係止爪を挿入する。基板ボックス123の開封を行った旨の履歴を当該基板ボックス123に残しておけば、基板ボックス123を見ることで不正な開封が行われた旨が容易に発見できる。
基板ボックス123の一方の短辺部には、その側方に突出するようにして複数の結合片125が設けられている。これら結合片125は、取付台121に形成された複数の被結合片126と1対1で対応しており、結合片125と被結合片126とにより基板ボックス123と取付台121との間で封印処理が行われる。
次に、裏パックユニット15について説明する。図9は裏パックユニット15の正面図である。
裏パックユニット15は、裏パック131を備えており、当該裏パック131に対して、払出機構部132及び制御装置集合ユニット133が取り付けられている。裏パック131は透明性を有する合成樹脂により成形されており、払出機構部132などが取り付けられるベース部141と、パチンコ機10後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部142とを有する。保護カバー部142は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも可変表示ユニット57を囲むのに十分な大きさを有する。
ベース部141には、その右上部に外部端子板143が設けられている。外部端子板143には各種の出力端子が設けられており、これらの出力端子を通じて遊技ホール側の管理制御装置に対して各種信号が出力される。
ベース部141には、保護カバー部142を迂回するようにして払出機構部132が配設されている。すなわち、裏パック131の最上部には上方に開口したタンク151が設けられており、タンク151には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク151の下方には、下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール152が連結され、タンクレール152の下流側には上下方向に延びるケースレール153が連結されている。ケースレール153の最下流部には払出装置154が設けられている。払出装置154より払い出された遊技球は、当該払出装置154の下流側に設けられた図示しない払出通路を通じて、裏パック131のベース部141に設けられた遊技球分配部155に供給される。
遊技球分配部155は、払出装置154より払い出された遊技球を上皿33、下皿34又はベース部141の下端部に設けられ、遊技ホールの島設備等へ遊技球を導く排出通路(図示略)の何れかに振り分けるための機能を有している。
払出機構部132には、裏パック基板156が設置されている。裏パック基板156には、例えば交流24ボルトの主電源が供給され、電源スイッチ156aの切替操作により電源ON又は電源OFFとされるようになっている。
ベース部141の下端部には、制御装置集合ユニット133が取り付けられている。制御装置集合ユニット133は、横長形状をなす取付台161を有し、取付台161に払出制御装置162と電源及び発射制御装置163とが搭載されている。これら払出制御装置162と電源及び発射制御装置163とは、払出制御装置162がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置162は、基板ボックス164内に払出制御基板が収容されており、主制御装置122からの信号に応じて所定の遊技球を払い出すように払出装置154を制御するように構成されている。
電源及び発射制御装置163は、基板ボックス165内に電源及び発射制御基板が収容されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電力が生成されて出力され、さらに遊技者による遊技球発射ハンドル41の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。また、電源及び発射制御装置163にはRAM消去スイッチ166が設けられている。本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。したがって、例えば遊技ホールの営業終了の場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持されるが、RAM消去スイッチ166を押しながら電源を投入すると、RAMデータが初期化されるようになっている。
なお、RAM消去スイッチ166は、電源及び発射制御装置163に設けられている構成に限られず、例えば、主制御装置122に設けられている構成としてもよい。
<パチンコ機10の電気的構成>
次に、パチンコ機10の電気的構成について、図10のブロック図に基づいて説明する。図10では、電力の供給ラインを二重線矢印で示し、信号ラインを実線矢印で示す。
主制御装置122には、主制御基板201と電断監視基板(停電監視基板)202とが設けられている。
主制御基板201には、MPU211が搭載されている。MPU211には、当該MPU211により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM(不揮発性記憶手段)212と、そのROM212内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM(揮発性記憶手段)213と、割込回路やタイマ回路、データ入出力回路などの各種回路が内蔵されている。なお、MPU211、ROM212及びRAM213の一部又は全部をそれぞれ別のチップとして設けてもよい。
MPU211には、入力ポート211a及び出力ポートがそれぞれ設けられている。なお、入出力ポートを備え、MPU211において入出力が適宜変更される構成としてもよい。
MPU211の入力ポート211aには、電断監視基板202、払出制御装置162及びその他センサ群などが接続されている。この場合に、電断監視基板202には電源及び発射制御装置163が接続されており、MPU211には電断監視基板202を介して電源及び発射制御装置163から動作電力として直流+12V及びロジック用の直流+5Vが供給される。
センサ群の一部として、作動口55及び可変入賞装置54などといった入球部に設けられた複数の検知センサが接続されており、主制御装置122のMPU211において入球部の入球判定が行われる。また、MPU211では、入球部のうち、作動口55への入球に基づいて大当たり発生判定を実行する。
ここで、MPU211にて大当たり発生判定を行う上での電気的な構成について図11を用いて説明する。
MPU211は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり抽選、第1特定ランプ部63の発光色の設定や、図柄表示装置61の図柄表示の設定などを行うこととしており、具体的には、大当たりの抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、確変大当たりや通常大当たり等の大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置61が外れ変動する際のリーチ抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、第1特定ランプ部63に表示される色の切り替えを行う期間及び図柄表示装置61における図柄の変動表示時間を決定する変動種別カウンタCSとを用いることとしている。
カウンタC1〜C3,CINI,CSは、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM213の抽選カウンタ用バッファ213aに適宜格納される。RAM213には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる保留球格納エリア213bが設けられており、これらの各エリアには、作動口55への遊技球の入球履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値が時系列的に格納されるようになっている。
各カウンタについて詳しくは、大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜676の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり676)に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜676)。大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が作動口55に入球したタイミングでRAM213の保留球格納エリア213bに格納される。
大当たり種別カウンタC2は、0〜49の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり49)に達した後0に戻る構成となっている。そして、本実施の形態では、大当たり種別カウンタC2によって、大当たりが終了した後に、確変状態とするか通常状態とするかを決定することとしている。大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が作動口55に入球したタイミングでRAM213の保留球格納エリア213bに格納される。
リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり238)に達した後0に戻る構成となっている。リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、遊技球が作動口55に入球したタイミングでRAM213の保留球格納エリア213bに格納される。
変動種別カウンタCSは、例えば0〜240の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり240)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSによって、第1特定ランプ部63に表示される色の切り替えを行う期間としての切替表示時間が決定される。この切替表示時間は、図柄表示装置61の図柄の変動表示時間に相当する。変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、第1特定ランプ部63に表示される色の切り替え開始時及び図柄表示装置61による図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して変動種別カウンタCSのバッファ値が取得される。
なお、1遊技回の開始に際しては、主制御基板201のMPU211にて、保留球格納エリア213bに格納されている各カウンタC1〜C3,CSの値を用いて大当たり抽選や第1特定ランプ部63に表示される色の切り替え時間が決定されるが、ここで決定された抽選結果の情報や切り替え時間の情報は遊技回用コマンドとして音声ランプ制御装置113に送信される。音声ランプ制御装置113では、当該遊技回用コマンドに基づいて、図柄表示装置61における変動パターンやリーチ発生の有無といった該当する遊技回の演出内容を決定する。
また、上記各カウンタ以外にも、作動口55に設けられている電動役物を開放状態とするか否かの抽選に用いられる第2特定ランプ乱数カウンタが設けられており、スルーゲート56への入賞が発生したタイミングでその時点での第2特定ランプ乱数カウンタの値が取得され、その取得した値に基づいて電動役物を開放状態とするか否かの抽選が実行される。
図10の説明に戻り、MPU211の出力ポートには、電断監視基板202、払出制御装置162及び音声ランプ制御装置113が接続されている。払出制御装置162には、賞球コマンドなどといった各種コマンドが出力される。主制御基板201から音声ランプ制御装置113には上記遊技回用コマンドなどが出力される。
電断監視基板202は、主制御基板201と電源及び発射制御装置163とを中継し、また電源及び発射制御装置163から出力される最大電圧である直流+24Vの電圧を監視する。そして、この電圧が+22V以上の場合には、主制御基板201に対し非電断信号(第1情報)としてのHIレベル信号を出力(送信)し、この電圧が+22V未満になると電源遮断の発生と判断し、主制御基板201に対して停電信号(第2情報)としてのLOWレベル信号を出力(送信)する。主制御基板201では、このLOWレベル信号の入力を所定の態様で確認することにより、その確認結果に基づいて後述する電断時処理(停電時処理)を実行する。
払出制御装置162は、主制御基板201から入力される賞球コマンド等に基づいて、所定の遊技球を払い出すように払出装置154を制御するものである。
電源及び発射制御装置163は、例えば、裏パック基板156を介して遊技ホール等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御装置122や払出制御装置162等各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を二重線矢印で示す経路を通じて供給する。その概要としては、電源及び発射制御装置163は、裏パック基板156を介して供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種センサやモータ等を駆動するための直流+12V電圧、ロジック用の直流+5V電圧などを生成し、これら直流+12V電圧、直流+5V電圧を主制御装置122や払出制御装置162等に対して供給する。
また、電源及び発射制御装置163は、遊技者による遊技球発射ハンドル41の操作にしたがって遊技球発射機構の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
また、電源及び発射制御装置163には、電断時用電源部が搭載されており、パチンコ機10の電源がOFF状態の場合や商用電源における電断発生時といった電源遮断状態(外部電源からの電力供給が遮断されている場合)では、電断時用電源部から主制御基板201のRAM213に対して記憶保持用電力が供給される。よって、かかる状況であっても、RAM213に記憶された情報が消去されることなく記憶保持される。
音声ランプ制御装置113は、主制御基板201から出力される各種コマンドに基づいて、各種ランプ部23、24、25、スピーカ部26、及び表示制御装置214を制御する。表示制御装置214は、音声ランプ制御装置113から入力される表示コマンドに基づいて図柄表示装置61を制御する。
ここで、主制御基板201と磁気センサユニット81とは電気的に接続されている。具体的には、主制御基板201には検知回路220が設けられており、検知回路220がリードスイッチ90と接続されている。検知回路220はリードスイッチ90の状態に応じた信号を出力するものである。
検知回路220について図12を用いて詳細に説明する。図12は、検知回路220の回路図である。
検知回路220はMPU211と接続されている。検知回路220はMPU211から直流+12V及び直流+5Vの電圧供給を受けている。検知回路220は、リードスイッチ90がオン状態になったことに基づいて、所定の磁気検知信号をMPU211に向けて出力する。
具体的には、検知回路220は比較手段としてのコンパレータ221を備えている。コンパレータ221はオープンコレクタタイプのものであり、2つの入力端子(反転入力端子(−端子)、非反転入力端子(+端子))と1つの出力端子とを備えている。+端子にはリードスイッチ90が接続されており、+端子に入力される入力電圧Vmgはリードスイッチ90の動作に応じて変化する。
詳細には、+端子はリードスイッチ90を介して接地されている。具体的には、+端子に第1リード片92が接続されていると共に、第2リード片93が接地されている。+端子への入力はプルアップされている。具体的には、+端子にはプルアップ抵抗222を介して+12Vの電圧が印加されている。
かかる構成によれば、リードスイッチ90がオフ状態である場合、VmgはHIレベルに相当する+12Vとなる一方、リードスイッチ90がオン状態である場合、+端子は接地されることとなり、VmgはLOWレベルに相当する0Vとなる。
なお、リードスイッチ90及び+端子を接続する経路上には、ローパスフィルタとしてのCR積分回路223が設けられている。これにより、リードスイッチ90のチャタリングによって生じ得る検知回路220の誤動作が抑制されている。
−端子には、入力電圧Vmgの比較対象となる定電圧Vrefが入力されている。具体的には、検知回路220には、定電圧Vrefを生成するとともに、−端子に当該Vrefを出力する定電圧回路224が設けられている。定電圧回路224はツェナダイオード224a及び抵抗224bを備えている。ツェナダイオード224aのアノードは接地されている。ツェナダイオード224aのカソードには抵抗224bを介して+12Vの電圧が印加されている。ツェナダイオード224aのツェナ電圧(ブレイクダウン電圧)は+12Vよりも小さく設定されている(例えば+5V)。−端子はツェナダイオード224aに対して並列に接続されている。
かかる構成によれば、ツェナダイオード224aに印加される電圧がツェナ電圧(ブレイクダウン電圧)を超えている状況では、ツェナダイオード224aが導通状態となり、抵抗224b及びツェナダイオード224aに電流が流れ、ツェナダイオード224aの印加電圧がツェナ電圧よりも小さくなるまで電圧降下が生じる。当該電圧降下によってツェナダイオード224aの印加電圧がツェナ電圧よりも小さくなった場合、ツェナダイオード224aには電流が流れなくなり、電圧降下が生じなくなる。
当該動作が高速で繰り返される結果、ツェナダイオード224aにはツェナ電圧が印加されることとなる。当該ツェナ電圧がVrefとして−端子に入力される。換言すれば、ツェナダイオード224aは、自身に印加される電圧がツェナ電圧になるように電流を流すものであるといえる。これにより、仮にツェナダイオード224aに対して印加される電圧が変動する場合であっても、Vrefは一定となる。これにより、定電圧Vrefとリードスイッチ90の動作に応じて変動するVmgとを比較することによって、リードスイッチ90の状態の変化を確実に把握することが可能となる。具体的には、リードスイッチ90がオフ状態ではVmg>Vrefとなり、リードスイッチ90がオン状態ではVmg<Vrefとなる。
なお、定電圧回路224には、ツェナダイオード224aに対して並列にバイパスコンデンサ224cが設けられている。バイパスコンデンサ224cはツェナダイオード224aのツェナ電圧の変動に応じて放電又は蓄電を行う。これにより、ツェナダイオード224aが導通状態となる際に生じるノイズが低減されている。
コンパレータ221は、VmgとVrefとの比較結果に応じた信号を出力端子から出力する。詳細には、Vmg>Vrefの場合、出力端子はオープンとなる。一方、Vmg<Vrefの場合、出力端子は接地される。
ここで、出力端子はMPU211と接続されており、MPU211の入力はプルアップされている。詳細には、出力端子とMPU211とを接続する経路上には、プルアップ抵抗225を介して+5Vの電圧が印加されている。これにより、Vmg>Vrefであることによりコンパレータ221からの出力状態がオープン状態である場合、MPU211にはHIレベル信号に相当する+5Vが印加される。一方、Vmg<Vrefであることによりコンパレータ221からの出力状態がLOWレベルである場合、MPU211にはLOWレベル信号に相当する0Vが印加される。
以上のことから、リードスイッチ90がオン状態となることに基づいて、検知回路220からMPU211に向けて磁気検知信号としてのLOWレベル信号が出力され、MPU211は当該LOWレベル信号が入力されたことに基づいて、磁気を検知したことを認識する。
<バイアス回路230について>
主制御基板201には、コイル101を通電するバイアス回路230が設けられている。バイアス回路230はコイル101と接続されている。バイアス回路230はコイル101の通電を制御するものである。
具体的には、図10に示すように、バイアス回路230はMPU211と接続されているとともに、MPU211から+12Vの電圧供給を受けている。バイアス回路230は、MPU211から信号が入力されることに基づいて、コイル101を通電するとともに、MPU211からの信号に応じてコイル101に流れる電流値及び電流方向を変更する。
バイアス回路230について図13を用いて詳細に説明する。図13は、バイアス回路230の回路図である。
バイアス回路230は+12V電圧をコイル101に対して印加する駆動回路231を備えている。駆動回路231はコイル101と接続されている。具体的には、駆動回路231は第1駆動回路231a及び第2駆動回路231bを備えている。コイル101の一端は第1駆動回路231aに接続されているとともに、コイル101の他端は第2駆動回路231bに接続されている。
詳細には、第1駆動回路231aはp型MOSFET232a及びn型MOSFET233aを備えている。以下、p型MOSFET232aをpMOS232a、n型MOSFET233aをnMOS233aという。なお、後述する各MOSFETについても同様にMOSと称する。
pMOS232a及びnMOS233aそれぞれのドレインを接続する経路が設けられており、当該経路とコイル101の一端(図13においてAと示す側)とが接続されている。pMOS232aのソースには+12Vの電圧が印加されており、nMOS233aのソースは接地されている。pMOS232aのゲート及びnMOS233aのゲートには、それぞれプルアップ抵抗234a、235aを介して+12Vが印加されている。
第2駆動回路231bは、第1駆動回路231aと同様に、pMOS232b及びnMOS233bを備えている。第2駆動回路231bは、pMOS232b及びnMOS233bそれぞれのドレインを接続する経路とコイル101の他端(図13においてBと示す側)とが接続されている点を除いて、第1駆動回路231aと同一であるため、説明を省略する。
かかる構成によれば、駆動回路231の各MOSのオンオフに応じてコイル101への通電の有無が決定される。具体的には、
(A)pMOS232a及びnMOS233bがオン状態であり且つpMOS232b及びnMOS233aがオフ状態である場合
(B)pMOS232a及びnMOS233bがオフ状態であり且つpMOS232b及びnMOS233aがオン状態である場合
のいずれかの場合に、コイル101への通電が行われる。
詳細には、(A)の場合、第1駆動回路231a側の+12Vがコイル101に印加される。これにより、図13の矢印に示すように、コイル101の一端側(A側)から他端側(B側)に電流+Iが流れ、当該電流方向に応じた磁界が形成される。具体的には、コイル101の一端側をS極とし、他端側をN極とする磁界が形成される。そして、リードスイッチ90の長手方向に沿った方向の磁界+Hがリードスイッチ90に対して印加される。当該磁界+Hが印加されることによって、第1リード片92及び第2リード片93は磁化する。なお、リードスイッチ90はコイル101に対して間隔L2だけ離れた位置に配置されているため、リードスイッチ90に対して印加される磁界+Hは、コイル101から形成される磁界に比べて、弱くなる。
一方、(B)の場合、第2駆動回路231b側の+12Vがコイル101に印加される。これにより、図13の矢印に示すように、コイル101の他端側(B側)から一端側(A側)に向けて電流−Iが流れ、当該電流方向に対応した磁界が形成される。すなわち、(A)の場合とは反対方向の磁界が形成される。具体的には、コイル101の他端側をS極とし、一端側をN極とする磁界が形成される。これにより、リードスイッチ90には、反対方向の磁界−Hが印加されることとなる。よって、第1リード片92及び第2リード片93は、(A)の場合とは反対の極性に磁化する。
以上のことから、駆動回路231の各pMOS232a、232b及び各nMOS233a、233bのオンオフの組み合わせに応じて、コイル101に流れる電流の方向が変化する。
バイアス回路230はMPU211からの信号に応じて駆動回路231の動作を制御する制御回路241を備えている。制御回路241は駆動回路231と接続されているとともに、MPU211と接続されている。制御回路241は、MPU211から信号が入力されることに基づいて、コイル101への通電が行われるように駆動回路231を制御するとともに、MPU211からの信号に応じて、コイル101に流れる電流方向が切り替わるように駆動回路231を制御する。
ここで、制御回路241とMPU211とを接続する経路上にはシュミットインバータ242が設けられている。シュミットインバータ242は、MPU211からの信号を反転させるとともに、当該反転した信号を制御回路241に向けて出力する。シュミットインバータ242は、HIレベルを出力する閾値電圧とLOWレベル信号を出力する閾値電圧との間にヒステリシスを有するため、通常のインバータと比較してノイズの影響を受けにくい。これにより、MPU211から制御回路241に入力される信号のノイズが低減されている。
制御回路241について詳細に説明すると、制御回路241は、第1駆動回路231aのスイッチング制御を行う第1制御回路241aと、第2駆動回路231bのスイッチング制御を行う第2制御回路241bと、を備えている。第1制御回路241aは第1駆動回路231aと接続されており、第2制御回路241bは第2駆動回路231bと接続されている。第1制御回路241a及び第2制御回路241bはそれぞれMPU211と接続されている。
ここで、第2制御回路241bとMPU211とを接続する経路上にのみ、上記シュミットインバータ242とは別にシュミットインバータ243が更に設けられている。具体的には、シュミットインバータ243は、第2制御回路241bとシュミットインバータ242とを接続する経路上に設けられている。これにより、第1制御回路241aと第2制御回路241bとで、MPU211から入力される信号が反転している。よって、MPU211から同一の信号が出力されているにも関わらず、第1制御回路241aの動作と第2制御回路241bの動作とが異なるようになっている。
各制御回路241a,241bについて詳細に説明する。ここで、第2制御回路241bは第1制御回路241aと同一の構成であるため、第1制御回路241aについてのみ説明する。なお、下記第1制御回路241aの説明において部材の符号中の「a」を「b」とすることによって、第2制御回路241bの説明となる。
第1制御回路241aは、pMOS232aのスイッチング制御を行うnMOS244aと、nMOS233aのスイッチング制御を行うnMOS245aとを備えている。各nMOS244a,245aのソースは接地されている。各nMOS244a,245aのドレインは、それぞれpMOS232aのゲート、nMOS233aのゲートに接続されている。この場合、pMOS232a及びnMOS233aのゲートはそれぞれ+12Vにプルアップされているため、各nMOS244a,245aのドレインには+12Vの電圧が印加されている。各nMOS244a,245aのゲートはMPU211と接続されている。
以上のように構成された制御回路241によれば、MPU211からの信号に応じてコイル101への通電が行われるとともに、コイル101に流れる電流方向が切り替わる。具体的には、MPU211からLOWレベル信号が出力されている場合、第1制御回路241aにHIレベル信号が入力されるとともに、第2制御回路241bにLOWレベル信号が入力される。すると、nMOS244a、245aがオン状態となる一方、nMOS244b、245bがオフ状態となる。これにより、(A)の条件が成立するため、コイル101に電流+Iが流れ、リードスイッチ90に対して+Hの磁界が印加されることとなる。
一方、MPU211からHIレベル信号が出力されている場合、第1制御回路241aにLOWレベル信号が入力されるとともに、第2制御回路241bにHIレベル信号が入力される。すると、nMOS244a、245aがオフ状態となる一方、nMOS244b、245bがオン状態となる。これにより、(B)の条件が成立するため、コイル101に電流−Iが流れ、リードスイッチ90に対して−Hの磁界が印加されることとなる。
なお、コイル101の通電を行う点及びその電流方向を切り替える点に着目すれば、バイアス回路230は、コイル101への通電が可能であって、さらにコイル101に流れる電流方向を切替可能な駆動回路231と、MPU211からの信号に応じて、コイル101の通電を行うとともに、当該コイル101に流れる電流方向の切替を行うように駆動回路231を制御する制御回路241と、を備えているとも言える。
ここで、バイアス回路230はコイル101に流れる電流値Iを可変制御する電流可変回路250を備えている。電流可変回路250はコイル101の通電経路上に設けられている。具体的には、電流可変回路250は駆動回路231の下流側に設けられており、駆動回路231は電流可変回路250を介して接地されている。これにより、電流可変回路250には、コイル101に流れる電流方向の変化に関わらず同一方向の電流が流れることとなる。換言すれば、電流可変回路250は、コイル101の通電経路上であって、コイル101を流れる電流方向の変化に関わらず同一方向の電流方向である経路上に設けられている。
電流可変回路250はMPU211と接続されており、MPU211からの信号に応じてコイル101に流れる電流値Iを可変制御する。
電流可変回路250の構成について図14を用いて詳細に説明する。図14は、電流可変回路250の回路図である。
電流可変回路250は、コイル101の通電経路として3つの通電経路251,252,253を備えている。各通電経路251,252,253はそれぞれ並列に接続されている。各通電経路251,252,253上の構成は略同一であるため、通電経路251についてのみ説明する。
通電経路251には、抵抗251a及び当該抵抗251aへの通電を許可又は禁止するスイッチング素子としてのnMOS251bが設けられている。両者は直列に接続されている。具体的には、抵抗251aの一端は駆動回路231に接続されており、他端はnMOS251bのドレインに接続されている。nMOS251bのソースは接地されている。nMOS251bのゲートはMPU211に接続されており、プルアップされている。これにより、MPU211からnMOS251bへの信号がHIレベル又は不定である場合には、nMOS251bがオン状態となり、抵抗251aへの通電が行われる。一方、MPU211からnMOS251bへの信号がLOWレベルである場合には、nMOS251bがオフ状態となり、抵抗251aへの通電は行われない。
以上のように構成された電流可変回路250によれば、コイル101に流れる電流値Iは各nMOS251b、252b、253bそれぞれに入力される信号に応じて変化する。詳細には、例えば各nMOS251b、252b、253bに向けてHIレベル信号が出力されている場合、各nMOS251b、252b、253bはオン状態となる。この場合、各抵抗251a、252a、253aへの通電が行われるため、電流可変回路250における合成抵抗値Rvは、各抵抗251a、252a、253aの抵抗値をR1,R2,R3とすると、R1×R2×R3/(R1×R2+R1×R3+R2×R3)となる。
一方、nMOS251bのみにHIレベル信号が入力されており、他のnMOS252b、253bにはLOWレベル信号が入力されている状況においては、nMOS251bのみがオン状態となるため、電流可変回路250における合成抵抗値RvはR1となる。つまり、MPU211からHIレベル信号が入力されているnMOSに対応した通電経路上を電流が流れ、電流が流れる通電経路上の抵抗から構成される合成抵抗値が、コイル101の通電経路の抵抗値となる。
以上のことから、MPU211から各nMOS251b、252b、253bに向けて出力される信号の組み合わせに応じて、電流可変回路250における合成抵抗値Rv、すなわちコイル101を流れる通電経路における抵抗値が変化するため、コイル101を流れる電流値Iが変化することとなる。
ここで、各抵抗251a、252a、253aの抵抗値はそれぞれ異なるように構成されている。これにより、電流可変回路250において設定可能な抵抗値は全部で7種類である。つまり、各nMOS251b、252b、253bをスイッチング制御することによって、コイル101を流れる通電経路の抵抗値を7段階に変更することができる。これにより、コイル101に流す電流値Iを7段階に変更することができる。説明の便宜上、各段階を昇順に並べた順に第1段階、第2段階、…、第7段階とし、各段階に対応した電流値をそれぞれI1、I2、…、I7とする。
また、I5は、リードスイッチ90及びコイル101の間隔L2を考慮しつつ、リードスイッチ90のオンオフ動作の契機となる強さの磁界±Haoがリードスイッチ90に印加されるように設定されている。換言すれば、コイル101に流れる電流値Iが第5段階に設定されている状況においてコイル101を通電すると、リードスイッチ90に対して当該リードスイッチ90のオンオフ動作の契機となる強さの磁界±Haoが印加される。I5が基準動作電流値に相当する。
この場合、第5段階〜第7段階の電流値(I≧I5)は、リードスイッチ90に対して当該リードスイッチ90が動作可能な磁界±Haが印加されるように設定されているといえる。一方、第1段階〜第4段階の電流値(I<I5)は予備印加状態となるように設定されているといえる。
以上のことから、駆動回路231が動作した場合、MPU211から各nMOS251b、252b、253bへの信号の組み合わせに応じて、初期状態から、リードスイッチ90がオン状態となるような磁界が印加される状態又は予備印加状態どちらかの状態に移行する。
ここで、予備印加状態においては、図5に示すように、第1リード片92及び第2リード片93が互いに接触しない状態で近づく。詳細には、予備印加状態における第1接触部92aと第2接触部93aとの間隔L3が初期状態における間隔L1よりも小さくなる。これにより、リードスイッチ90の感度が向上する。
すなわち、リードスイッチ90に対して当該リードスイッチ90のオンオフ動作の契機となる強さよりも弱い予備磁界±Hsが印加されることによって、第1接触部92a及び第2接触部93aが互いに接触しない状態で近づくため、リードスイッチ90の実質的な感度が高くなる。これにより、図4及び図6に示すように、予備印加状態におけるリードスイッチ90の検知可能領域が、初期状態と比較して大きくなる。詳細には、予備印加状態におけるリードスイッチ90の検知可能領域は遊技盤50の前方に拡張するとともに、遊技盤50の盤面に沿った方向に拡張する。
また、リードスイッチ90の検知可能領域の大きさは予備磁界の強さHsに依存する。当該Hsはコイル101を流れる電流値Iに依存する。これにより、コイル101に流れる電流値Iの調整次第で、リードスイッチ90の検知可能領域の大きさが変化する。
なお、コイル101に対して直接的に電圧が印加されるように、コイル101の通電経路上には、電流可変回路250と駆動回路231の2つのMOS以外の電子部品は搭載されていない。これにより、通電経路上における意図しない抵抗値の増加及びインダクタンスの増加が抑制されているため、コイル101に流れる電流が切り替わる場合に生じ得る過渡現象による遅延期間は十分に小さくなっている。
<主制御基板201のMPU211における処理構成>
次に、主制御基板201のMPU211により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU211の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、メイン処理の通常処理に対して定期的に割り込んで起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理とがあり、説明の便宜上、はじめにNMI割込み処理とタイマ割込み処理とを説明し、その後メイン処理を説明する。
図15は、NMI割込み処理であり、当該処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断発生時に実行される。すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断される場合には、停電信号が電断監視基板202からMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断してNMI割込み処理を開始する。NMI割込み処理では、ステップS101にてRAM213の各種フラグ格納エリア213cにおける停電フラグ格納エリアに停電フラグをセットし、本処理を終了する。その後、後述する通常処理にて停電フラグがセットされていることが確認されることで、停電時処理が実行される。
<タイマ割込み処理>
図16は、タイマ割込み処理を示すフローチャートである。タイマ割込み処理は、上記のとおり定期的に起動される。この場合、本実施の形態では2msec周期で起動されるように構成されているが、この周期は任意である。但し、当該タイマ割込み処理には、電断信号や不正検知信号の確認や、各種入賞の確認などといった短い周期で繰り返し実行すべき処理が設定されているため、これら以外の処理が設定されている後述する通常処理の繰り返し周期よりも短く設定されていることが好ましい。
タイマ割込み処理では、先ずステップS201にて、信号読み込み処理を実行する。信号読み込み処理では、一般入賞口53、可変入賞装置54、作動口55及びスルーゲート56に対して個別に設けられた球検知センサから入力ポート211aに入力されている情報を確認し、その確認結果から各入球部への入球の有無を特定する。具体的には、任意の1回の処理にて遊技球を検知していないことに対応した信号(例えば、LOWレベル信号)の入力を確認し、その後の2回の処理にて遊技球を検知していることに対応した信号(例えば、HIレベル信号)の入力を連続して確認した場合に、その検知センサに対応した入球部において遊技球の入球が発生したと特定する。
信号読み込み処理を実行した後は、ステップS202にて、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。続くステップS203では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の更新を実行する。かかる更新が数値情報更新手段による更新に該当する。具体的には、それぞれの乱数カウンタの値を1ずつ加算するとともに、当該加算した値が上限値になっているか否かを判定する。そして、当該加算した値が上限値を超えている場合には、カウンタの値を初期値に設定する。ここで、大当たり乱数カウンタC1に関しては、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。乱数初期値カウンタCINIは乱数値であるため、大当たり乱数カウンタC1の初期値は変動している。よって、大当たり乱数カウンタC1の値が当選値と一致するタイミングは、大当たり乱数カウンタC1が1周する毎に異なっているため、大当たり乱数カウンタC1の値が当選値となるタイミングを把握することは困難になっている。
その後、ステップS204にて始動入賞処理を実行する。始動入賞処理では、図17のフローチャートに示すように、先ずステップS301にて、RAM213の各種フラグ格納エリア213cにおける作動口フラグ格納エリアに作動口フラグが格納されているか否かを判定することにより、遊技球が作動口55に入賞(始動入賞)したか否かを判定する。なお、作動口フラグは、上記ステップS201の信号読み込み処理にて作動口55への入賞が確認された場合に格納される。
遊技球が作動口55に入賞したと判定すると、続くステップS302において、第1特定ランプ部63及び図柄表示装置61の作動保留球数Nが上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判定する。作動口55への入賞があり、且つ作動保留球数N<4であることを条件にステップS303に進み、作動保留球数Nを1加算する。なお、ステップS303の処理後に作動口フラグを消去する。続くステップS304では、抽選カウンタ用バッファ213aに格納されている大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を、RAM213の保留球格納エリア213bの空きエリアのうち最初のエリアに格納する。
そして、始動入賞処理の後、MPU211は本タイマ割込み処理を一旦終了する。
<メイン処理>
次に、電源投入時のリセットに伴い起動されるメイン処理について、図18のフローチャートを用いて説明する。
先ずステップS401では、電源投入に伴う立ち上げ処理を実行する。具体的には、従側の制御基板が動作可能な状態になるのを待つために例えば500msec程度待機する。
続くステップS402では、ステップS401の立ち上げ処理後から許可禁止用期間である1secが経過したか否かを判定する。1sec経過していない場合にはステップS402の処理を再度実行する。この時間の測定は、ステップS402の処理回数をカウントすることにより行われる。例えば、ステップS402にて否定判定してから再度ステップS402の処理を実行するまでに要する時間が0.1msecである場合には、カウント値が10000回となることで、ステップS401の立ち上げ処理後から1sec経過したと判定する。なお、時間の測定の具体的な構成は任意であり、例えばリアルタイムクロックを用いて時間の測定を行うようにしてもよい。ステップS402にて1sec経過したと判定した場合には、ステップS403に進む。
ステップS403では、RAM213のアクセスを許可する。その後、ステップS404では、電源及び発射制御装置163に設けたRAM消去スイッチ166がオンされているか否かを判定し、続くステップS405ではRAM213に停電フラグが格納されているか否かを判定する。また、ステップS406ではRAM判定値を算出し、続くステップS407では、そのRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわち記憶保持されたデータの有効性を判定する。RAM判定値は、例えばRAM213の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。なお、RAM213の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かにより記憶保持されたデータの有効性を判断することも可能である。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ166を押しながら電源が投入される。したがって、RAM消去スイッチ166が押されていれば、ステップS408〜S409の処理に移行する。また、電源遮断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)により記憶保持されたデータの異常が確認された場合も同様にステップS408〜S409の処理に移行する。
ステップS408では、RAM213の使用領域を0にクリアし(初期化し)、ステップS409ではRAM213の初期化処理を実行する。その後、ステップS410にて磁気センサ動作確認処理を実行して、ステップS411にて割込み許可を設定し、通常処理に移行する。
一方、RAM消去スイッチ166が押されていない場合には、停電フラグが格納されていること、及びRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、ステップS412にてRAM213から停電フラグを消去するとともに、ステップS413にてRAM213に記憶されているRAM判定値を消去する。その後、ステップS410にて磁気センサ動作確認処理を実行して、ステップS411にて割込み許可を設定し、通常処理に移行する。電源遮断前の状態に復帰する。
<磁気センサ動作確認処理について>
磁気センサ動作確認処理について図19のフローチャートを用いて説明する。磁気センサ動作確認処理では、磁気センサユニット81、検知回路220、バイアス回路230及び電流可変回路250からなる磁気検知システムが正常に動作していることを確認するとともに、リードスイッチ90の感度の調整を行う。
具体的には、先ずステップS501にて初期電流値設定処理を実行する。具体的には、コイル101に流れる電流値Iを設定可能な電流値のうち最小の電流値に対応する第1段階に設定する(I=I1)。
その後、ステップS502にて磁界印加処理を実行する。当該処理では、バイアス回路230をアクティブにするために必要な電圧+12Vをバイアス回路230へ向けて印加するとともに、電流方向を決定するデジタル信号を出力する。これにより、バイアス回路230がアクティブとなり、リードスイッチ90に対して磁界が印加されることとなる。
続くステップS503では、リードスイッチ90が動作しているか否かを判定する。具体的には、磁気検知信号が入力されているか否かを判定する。詳細には、検知回路220からLOWレベル信号が入力されているか否かを判定する。
リードスイッチ90が動作していないと判定された場合には、ステップS504に進む。ステップS504では、印加されている磁界の強さが最大であるか否かを判定する処理を実行する。具体的には、電流値Iが第7段階になっているか否かを判定する。現時点において電流値Iは第1段階に設定されているため、当該判定処理では否定判定がなされ、ステップS505にて電流値変更処理を実行する。
電流値変更処理では、電流値Iを1段階上げる処理を実行する。具体的には、電流値Iが第1段階である場合には、電流値Iを第1段階から第2段階に変更する。
その後、ステップS503に戻り、再びリードスイッチ90が動作するか否かを判定するとともに、リードスイッチ90が動作しなかった場合には磁界の強さが最大になっているか否かを判定する。
すなわち、リードスイッチ90が動作するか、又は磁界の強さが最大になっているかのどちらかの条件が成立するまで、コイル101に流れる電流値Iを段階的に大きくする。これにより、リードスイッチ90が動作するまで、リードスイッチ90に印加される磁界の強さが段階的に大きくなる。すなわち、コイル101に流れる電流値Iを段階的に大きくしながら、リードスイッチ90が動作するかを検査しているといえる。かかる処理が行われている状態を検査状態という。
I7は、リードスイッチ90が動作する契機として設定した基準動作電流値であるI5よりも大きい電流であるため、I7の電流が流れている場合には、リードスイッチ90は動作するように設計されている。このため、リードスイッチ90が動作しないと判定され(ステップS503:NO判定)、さらに印加磁界の強さが最大であると判定された場合(ステップS504:YES判定)、磁気検知システムが正常に動作していないことを意味する。この場合、ステップS506にて異常報知処理を実行し、本処理を終了する。異常報知処理では、外部端子板143を介して、磁気検知システムに異常がある旨の信号を管理制御装置へ向けて送信する。管理者は、当該信号が入力されたことに基づいて、磁気検知システムに異常があることを容易に確認することができる。
ここで、磁気センサ動作確認処理は、パチンコ機10の電源投入の際に実行されるメイン処理において実行する処理であるため、パチンコ機10の電源投入の際に自動的に磁気検知システムに異常があるか否かの確認が行われることとなる。これにより、パチンコ機10毎に磁石を近づける等の確認処理を実行することなく、磁気検知システムの動作確認をすることができる。よって、パチンコ機10の動作確認を行う際の作業負担を軽減することができる。
特に、磁石等を用いた不正行為抑制の観点から磁気検知システムを設けた場合、当該不正行為を行う前段階として、当該磁気検知システムを無効化する不正行為が考えられる。このため、磁気検知システムは不正行為の対象となり易い。しかしながら、パチンコ機10毎に磁気検知システムが正常に動作していることを確認するために、パチンコ機10毎に磁石を近づける等の確認作業を行うとなると、管理者の作業負担の点で好ましくない。
これに対して、本実施形態によれば、パチンコ機10が電源投入された場合に自動的に磁気検知システムの動作確認が行われるため、磁気検知システムの動作点検に伴う作業負担を軽減することができる。また、遊技が行われる前段階で、磁気検知システムに異常があるか否かの判定処理を行うため、磁気検知システムに異常がある状況にも関わらず、遊技が行われるといった不都合を回避することができる。
ステップS503にて、リードスイッチ90が動作したと判定された場合、ステップS507〜ステップS512にて、当該リードスイッチ90の感度が正常であるか否かを判定するとともに、感度が異常である場合には当該感度が正常な値になるように、コイル101への定常電流値Isを設定する。
具体的には、先ず、ステップS507にて動作電流値記憶処理を実行する。当該処理では、リードスイッチ90のオンオフ動作の契機となった動作電流値Iaを記憶する。詳細には、RAM213の各種カウンタエリア213dにおける契機段階カウンタVCに、現時点の電流値Iの段階に対応した情報を格納する。
その後、ステップS508に進み、動作電流値Iaが基準動作電流値I5であるか否かを判定する処理を実行する。具体的には、契機段階カウンタVCに格納されている情報が第5段階に対応した情報であるか否かを判定する。動作電流値Iaが基準動作電流値I5である場合、当該リードスイッチ90の感度が正常であることを意味する。かかる場合には、ステップS509に進み、定常電流値設定処理を実行し、本処理を終了する。
定常電流値設定処理では、予備印加状態となるようにコイル101に流れる定常電流値Isを設定する処理を実行する。具体的には、定常電流値Isを第2段階に設定し(Is=I2)、電源ON状態である期間に亘って定常電流±Isをコイル101に流し続ける。この場合、リードスイッチ90には当該リードスイッチ90がオン状態となる強さよりも弱い予備磁界±Hsが印加される。よって、第1リード片92及び第2リード片93は互いに接触しない状態で近づく。したがって、リードスイッチ90の感度が向上する。また、パチンコ機10が電源ONである期間に亘って予備印加状態は維持される。これにより、感度が高められている状態が維持される。
すなわち、リードスイッチ90に対して当該リードスイッチ90が動作可能な磁界±Haが印加されるようにコイル101に流れる電流値Iを設定する処理を実行することによって、磁気検知システムに異常がないか否かを確認することができる。そして、当該処理を実行し、磁気検知システムに異常がないことが確認された場合には、リードスイッチ90に対して当該リードスイッチ90がオン状態となる強さよりも弱い予備磁界±Hsが印加されるようにコイル101に流れる電流値Iを設定し、当該設定状態を維持することによって、リードスイッチ90の感度が高い状態を維持することができる。これにより、パチンコ機10の電源投入の際には磁気検知システムの動作確認を行いつつ、遊技が行われている状況において磁石等を用いた不正行為を好適に抑制することができる。
換言すれば、パチンコ機10に電源が投入されることに基づいて、初期状態から検査状態へ移行することによって、磁気検知システムに異常がないか否かを判定し、当該磁気検知システムに異常がないと判定された場合には、検査状態から予備印加状態へ移行することによって、リードスイッチ90の感度を高めることが可能となる。
ここで、定常電流値設定処理は、パチンコ機10の電源投入の際に実行されるメイン処理において実行する処理であるため、遊技を開始する際には既にコイル101に定常電流±Isが流れている。これにより、遊技が開始されているにも関わらず、リードスイッチ90の感度が高められていないという不都合を回避することができる。
一方、動作電流値Iaが基準動作電流値I5と異なっている場合には、リードスイッチ90の感度が正常でないことを意味する。かかる場合、ステップS510に進み、動作電流値Iaと基準動作電流値I5との比較処理を実行する。具体的には、動作電流値Iaが基準動作電流値I5よりも大きいか否かを判定する。
動作電流値Iaが基準動作電流値I5よりも大きい場合(Ia>I5)には、予め定めたリードスイッチ90の感度よりも、実際のリードスイッチ90の感度が低いことを意味する。この場合、ステップS511にて第1定常電流値変更処理を実行する。具体的には、定常電流値Isを第2段階よりも大きな電流が流れる第3段階に設定する(Is=I3)。これにより、定常電流値IsがI2に設定される場合と比較して、予備磁界の強さHsが大きくなる。
また、動作電流値Iaが基準動作電流値I5よりも小さい場合(Ia<I5)には、予め定めたリードスイッチ90の感度よりも、実際のリードスイッチ90の感度が高いことを意味する。この場合、ステップS512に進み、第2定常電流値変更処理を実行する。具体的には、定常電流値Isを第2段階よりも小さな電流が流れる第1段階に設定する(Is=I1)。これにより、定常電流値IsがI2に設定される場合と比較して、予備磁界の強さHsが小さくなる。
以上のことから、予備磁界±Hsが印加されている状況においてリードスイッチ90の感度が所定の感度に近づくようになっている。換言すれば、予備印加状態において所定の感度に近づくように定常電流値Isが設定されている。これにより、仮にリードスイッチ90毎に感度のばらつきがある場合には当該ばらつきを抑制することできるとともに、仮に経年劣化によって感度が変化した場合には当該変化に関わらず所定の感度になるようにすることができる。
ここで、リードスイッチ90の個体差によって、パチンコ機10毎にリードスイッチ90の感動値にばらつきが生じている場合がある。また、単一のリードスイッチ90においても、経年劣化などの影響によって感度が変動する場合がある。
これに対して、本実施形態によれば、リードスイッチ90において基準感度に対する感度差が小さくなるように定常電流値Isが設定されているため、リードスイッチ90の感度のばらつきを抑制することができる。
<通常処理>
次に、通常処理について、図20のフローチャートを参照して説明する。通常処理は、4msec周期で起動されるように構成されている。
先ず、ステップS601では磁気センサ監視処理を実行する。
<磁気センサ監視処理について>
磁気センサ監視処理について図21のフローチャートを用いて説明すると、先ず、ステップS701にて磁気検知信号が入力されているか否かを判定する。具体的には、検知回路220からLOWレベル信号が入力されているか否かを判定する。
磁気検知信号が入力されている場合には、ステップS702に進み、検知期間を計測する検知カウンタTCの更新処理を実行する。具体的には、RAM213の各種カウンタエリア213dにおける検知カウンタTCの値を1加算する処理を実行する。
続くステップS703では、検知カウンタTCの値が「49」であるか否かを判定する。検知カウンタTCの値が「49」でない場合には、そのまま本処理を終了する一方、検知カウンタTCが「49」である場合には、ステップS704に進む。
その後、ステップS704では、検知カウンタTCのクリア処理を実行する。具体的には、検知カウンタTCの値を「0」に設定する。続くステップS705では、磁気検知報知処理を実行する。当該処理では、外部端子板143を介して、磁気を検知した旨の信号を遊技ホール側の管理制御装置へ向けて出力する。これにより、管理者は磁気を検知したことを確認することができる。
ここで、磁気センサ監視処理は、通常処理の一部であり、4msec周期で実行される。これにより、検知カウンタTCの値が「49」になっていることは、磁気検知信号が入力されている状態が0.2sec継続していることを意味する。つまり、磁気検知報知処理は、磁気検知信号が入力されている場合に直ちに実行されるのではなく、所定の検知期間(0.2sec)だけ磁気検知信号が入力されている状態が継続した場合に実行されるようになっている。よって、リードスイッチ90の感度向上から生じ得る磁気の誤検知が抑制されている。
すなわち、一般的にノイズの影響によってリードスイッチ90が瞬間的に反応することがある。当該瞬間的な反応は、リードスイッチ90の感度が高くなるほど起き易い。これに対して、磁気検知信号の入力状態が所定の検知期間(0.2sec)だけ経過している場合に磁気検知報知処理を実行するため、ノイズによる瞬間的な反応によって磁気検知報知処理が実行されることが抑制されている。これにより、リードスイッチ90の感度向上から生じ得る磁気の誤検知が抑制されている。
ここで、磁石等を用いた遊技球の不正誘導を行う場合、所定の期間に亘って磁界を印加する必要があるため、所定の検知期間だけ経過している場合に磁気検知報知処理を実行する構成とした場合であっても、不正行為の検知が阻害されることはない。これにより、磁石等による不正行為を抑制しつつ、リードスイッチ90の感度向上によって生じ得る磁気の誤検知を抑制することができる。
なお、磁気検知信号が入力されている状態が0.2sec継続しなかった場合には、検知カウンタTCの値は累積された状態で保持される。これにより、断続的に磁界を印加する不正行為を検知することが可能となっている。
ステップS701にて、磁気検知信号が入力されていない場合にはステップS706に進み、RAM213の各種カウンタエリア213dにおける切替カウンタCCを更新する処理を実行する。具体的には、切替カウンタCCの値を1減算する。切替カウンタCCは、コイル101に流れる電流方向を切り替える期間を規定しているタイマカウンタである。
その後、ステップS707にて、切替カウンタCCの値が「0」となっているか否かを判定する処理を実行する。当該判定処理にて、切替カウンタCCの値が「0」となっていないと判定された場合には、そのまま本処理を終了する一方、切替カウンタCCの値が「0」となっていると判定された場合には、ステップS708にて切替カウンタCCに「1249」を格納する。
続くステップS709では、電流方向切替処理を実行する。具体的には、MPU211からバイアス回路230の制御回路241に向けて出力している信号を反転させる。これにより、コイル101に流れる電流方向が切り替わる。
当該切替に基づく磁気センサユニット81の態様について図22のタイミングチャートを用いて詳細に説明する。図22(a)はMPU211からバイアス回路230への出力状態の推移を示し、図22(b)はコイル101を流れる電流の推移を示し、図22(c)はコイル101から発生する磁界の推移を示している。なお、コイル101に流れる電流が切り替わる場合に生じ得る過渡現象の遅延期間は電流方向の切替期間(5sec)に対して十分に小さく、当該過渡現象による磁界の変化の影響は十分に小さいため、図20においては図示を省略する。
MPU211からLOWレベル信号が出力されている場合、コイル101には+Isの定常電流が流れており、当該定常電流+Isによって+Hsの予備磁界が発生している。その後、切替カウンタCCが「0」になった場合、切替カウンタCCに「1249」を設定するとともに、MPU211からの出力を反転させる。
すると、コイル101を流れる電流の向きが反転し、コイル101には−Isの定常電流が流れ、当該定常電流−Isによって−Hsの予備磁界が発生する。これにより、リードスイッチ90に印加される予備磁界の方向が切り替わる。当該状態は、磁気検知信号が入力されないことを条件として、切替カウンタCCが「0」になるまで維持される。
切替カウンタCCは、磁気検知信号が入力されないことを条件として通常処理が実行される毎に1ずつ減算されるため、切替カウンタCCは5sec周期で「0」になる。すなわち、電流方向切替処理は5secの周期で定期的に実行されるものであり、コイル101を流れる電流方向は5sec毎に交互に切り替わるように設定されている。なお、切り替わりの際の過渡現象に着目すれば、当該切り換わりの際に電流の大きさが変化しているともいえる。
ここで、コイル101によって形成された予備磁界が印加されている状況では、リードスイッチ90は当該予備磁界の向きと同一の向きの磁界に対しては敏感に反応する。一方、コイル101によって形成された予備磁界の向きと反対方向の磁界が印加された場合には、両者が打ち消しあうため、結果としてリードスイッチ90がオン状態とならない。これにより、磁界が印加されているにも関わらず、当該磁界を検知できないという不都合が生じる。
これに対して、本実施の形態によれば、電流方向が交互に切り替わるため、リードスイッチ90に予め印加されている予備磁界の向きが交互に切り替わる。これにより、MPU211からHIレベル信号が出力されている期間及びLOWレベル信号が出力されている期間を合わせた期間を単位期間とすれば、単位期間内においてリードスイッチ90は双方向の磁界の向きに対して敏感に反応する。よって、どちらの磁界が印加されている場合であっても、磁気を検知することができる。したがって、上記不都合を回避することができる。
また、磁気検知信号が入力されている場合には、切替カウンタCCの更新処理は行われない。これにより、磁気検知信号が入力されている期間に亘って電流方向の切替は実行されない。よって、磁気を検知している検知結果が示されている状況において電流方向の切り替えが行われ、結果として磁気が検知されない検知結果となる検知漏れの発生が抑制されている。
通常処理(図20)の説明に戻り、ステップS602では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。続くステップS603では、第1特定ランプ部63に表示される色の切り替えを行うための第1特定ランプ部制御処理を実行する。第1特定ランプ部制御処理では、大当たり判定や第1特定ランプ部63に配設されたLEDランプの光源スイッチのオンオフ制御などが行われる。また、第1特定ランプ部制御処理において、図柄表示装置61による第1図柄の変動表示の設定も行われる。
具体的には、大当たり乱数カウンタC1の値に基づいて大当たりか否かを判定する。より詳細には、大当たり乱数カウンタC1の値が予め定めた大当たり当選となる当選値と一致しているか否かを判定する。また、大当たり種別カウンタC2の値に基づいて大当たりの種類を決定する(いわゆる、確変大当たりか否かを決定する)。また、リーチ乱数カウンタC3の値及び変動種別カウンタCSの値に基づいて、第1特定ランプ部63に表示される色の切替表示時間、及び第1図柄の変動表示時間を決定する。なお、当該第1特定ランプ部制御処理にて第1特定ランプ部63のオンオフ制御が開始される毎に作動保留球数Nが1減算され、作動保留球数Nが0の場合にはオンオフ制御が開始されない。
第1特定ランプ部制御処理の後は、ステップS604にて大入賞口開閉処理を実行する。大入賞口開閉処理では、大当たり状態である場合において可変入賞装置54の大入賞口を開放又は閉鎖する。すなわち、大当たり状態のラウンド毎に大入賞口を開放し、大入賞口の最大開放時間が経過したか、又は大入賞口に遊技球が規定数だけ入賞したかを判定する。この規定数だけ入賞したか否かの判定は、RAM213の各種カウンタエリア213dにおける大入賞口用カウンタを確認することにより行われる。そして、これら何れかの条件が成立すると大入賞口を閉鎖する。
その後、ステップS605では、第2特定ランプ部64に表示される色の切り替え処理を行うための第2特定ランプ部制御処理を実行する。第2特定ランプ部制御処理では、スルーゲート56に遊技球が入賞したことを条件に第2特定ランプ部64における表示色の切り換えを開始する。この際、表示色の切り換え時間も設定する。また、スルーゲート56に遊技球が入賞した際に取得された第2特定ランプ乱数カウンタの値に基づいて停止表示する色を設定する。この停止表示される色として所定の色が設定された場合には、その色の停止表示後に、作動口55に付随する電動役物が所定時間開放される。
ステップS605の後は、ステップS606にて、遊技球発射制御処理を実行する。遊技球発射制御処理では、電源及び発射制御装置163から発射許可信号を入力していることを条件として、所定期間(例えば、0.6sec)に1回、遊技球が遊技領域Zに向けて打ち出されるように、遊技球発射機構を駆動させる。詳細には、MPU211は所定期間経過毎に電源及び発射制御装置163に発射パルス信号を出力する。電源及び発射制御装置163は、発射パルス信号が入力されたことに基づいて、当該発射パルス信号の電圧を増幅させた駆動信号(駆動電圧)を遊技球発射機構に搭載されているソレノイドへ向けて出力し、ソレノイドの出力軸を発射位置と収容位置とに移動させることで、遊技球の発射を制御する。
その後、ステップS607にて、RAM213に停電フラグが格納されているか否かを判定する。停電フラグが格納されていない場合には、ステップS608に進み、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始からタイマ割込み処理が複数回数として予め設定された割込み基準回数(具体的には、2回)発生したか否かを判定する。このタイマ割込みの回数の把握として具体的には、RAM213の各種カウンタエリア213dにおける割込み回数カウンタの値を、タイマ割込みが起動される度に1加算するとともに、ステップS601の処理が実行される直前のタイミングで当該カウンタの値が0クリアする(初期化される)。タイマ割込み処理が割込み基準回数発生していない場合には、ステップS609に進む。
ステップS609では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする(初期化する)。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM213の抽選カウンタ用バッファ213aに格納する。また、ステップS610では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値に達した際それぞれ0にクリアする(初期化する)。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM213の抽選カウンタ用バッファ213aに格納する。
その後、ステップS607に進む。その後、前回の通常処理の開始からタイマ割込み処理が割込み基準回数発生するまで上述した処理を繰り返し、割込み基準回数に達した場合にはステップS601の処理に戻る。つまり、停電フラグが格納されていない場合には、ステップS601〜ステップS606の処理が4msec周期で繰り返し実行されることとなる。なお、当該周期は、遊技の進行を良好に制御することができるのであれば、4msecに限定されない。
停電フラグが格納されている場合には、ステップS611以降の停電時処理を実行する。つまり、ステップS611では、タイマ割込み処理の発生を禁止し、その後、ステップS612にてRAM判定値を算出、保存し、ステップS613にてRAM213のアクセスを禁止した後に、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
以上詳述した本実施の形態によれば以下の優れた効果を奏する。
リードスイッチ90及び当該リードスイッチ90に対して所定の間隔L2を隔てた位置にコイル101を有する磁気センサユニット81を設けるとともに、コイル101への通電を行うバイアス回路230を設けた。そして、パチンコ機10が電源投入されることに基づいて、リードスイッチ90に対して当該リードスイッチ90が動作可能な磁界±Haが印加されるようにコイル101を通電する確認処理を実行する構成とした。これにより、MPU211に対して磁気検知信号が入力されるか否かを判定することによって、磁気センサユニット81、検知回路220、バイアス回路230及び電流可変回路250からなる磁気検知システムに異常がないか否かの確認をすることができる。よって、磁気検知システムの動作確認に伴う管理者の作業負担を軽減することができる。
また、パチンコ機10が電源投入された場合に上記確認処理を実行することによって、遊技が行われる前段階にて磁気検知システムの異常の有無を確認することができる。これにより、磁気検知システムに異常があるにも関わらず、遊技が行われるといった不都合を回避することができる。
さらに、リードスイッチ90の動作の契機となる強さよりも弱い強さの予備磁界±Hsが定常的にリードスイッチ90に印加されるように、コイル101への定常電流値Isを設定した。これにより、パチンコ機10が電源投入された場合には、磁気検知システムの動作確認を行う一方、遊技が行われている状況においてはリードスイッチ90の感度が高められている。よって、初期状態と比較して、リードスイッチ90の検知可能領域が大きくなるため、磁石等を用いた不正行為を検知し易い。したがって、磁気検知システムの動作確認を行うとともに、磁石等を用いた不正行為を好適に抑制することができる。
特に、図6に示すように、作動口55への遊技球の直接的な不正誘導を抑制する観点から初期状態における検知可能領域に作動口55が含まれるようにリードスイッチ90が配置されている状況においては、予備印加状態となることによって作動口55を含めた広範な領域がリードスイッチ90の検知可能領域となる。これにより、作動口55だけでなく、そこへ遊技球が誘導される部分をもリードスイッチ90の検知可能領域に含まれるため、作動口55への遊技球の間接的な不正誘導をも抑制することができる。
また、リードスイッチ90の検知可能領域が大きくなるに伴い、リードスイッチ90の検知可能領域内には、作動口55だけでなく複数の一般入賞口53、可変入賞装置54及びスルーゲート56が含まれることとなる。これにより、リードスイッチ90はこれら周辺の磁気を検知することが可能となっているため、磁石等を用いたこれらへの遊技球の直接的な不正誘導を抑制することができる。
ここで、磁石を用いた不正行為は遊技盤50の前方から磁石を近づけることによって行われることが多い。この点、図4に示すように、予備印加状態おけるリードスイッチ90の検知可能領域は遊技盤50の前方にも拡張している。これにより、磁石を用いた不正行為を検知し易くなる。
また、リードスイッチ90の検知可能領域は長手方向における両端側からそれぞれ形成されている。このため、例えばリードスイッチ90の長手方向が遊技盤50の盤面に沿った方向と直交するようにリードスイッチ90を配置した場合、遊技領域Zにおける検知可能領域はリードスイッチ90の一端側から形成されている検知可能領域のみとなる。
これに対して、本実施の形態によれば、リードスイッチ90の長手方向が遊技盤50の盤面に沿うようにリードスイッチ90が配置されているため、遊技領域Zにおける検知可能領域はリードスイッチ90の両端側からそれぞれ形成されている検知可能領域を合わせた領域となる。これにより、遊技領域Zに占める検知可能領域の割合が大きくなるため、より広域の領域に亘って磁気を検知することが可能となっている。よって、より好適に磁石等を用いた不正行為を抑制することができる。
また、パチンコ機10が電源投入された場合、コイル101に流れる電流値Iを段階的に大きく設定することによってリードスイッチ90のオンオフ動作の契機となる動作電流値Iaを把握し、当該動作電流値Iaに基づいて定常電流値Isを設定するようにした。これにより、動作電流値Iaの変化に対応させて定常電流値Isを決定することによってリードスイッチ90の感度の変化を補償することができる。よって、例えばリードスイッチ90毎に動作電流値Iaにばらつきが生じている場合には、当該ばらつきに対応させて定常電流値Isを決定することによってリードスイッチ90の感度のばらつきを抑制することができる。
電流可変回路250は、コイル101の通電経路として3つの通電経路251、252、253を備え、当該通電経路251、252、253それぞれに、互いに異なる抵抗値を有する抵抗251a、252a、253aを設けるとともに、各通電経路251、252、253に流れる電流の有無を制御するスイッチング素子としてnMOS251b、252b、253bを設けた。これにより、各nMOS251b、252b、253bのオンオフ制御を行うことによって電流可変回路250における合成抵抗値Rvを制御することができるため、コイル101に流れる電流値Iを制御することができる。
予備印加状態において、リードスイッチ90はコイル101によって形成された磁界の向きと同一の向きの磁界に対して敏感に反応する。一方、コイル101によって形成された磁界の向きと反対の向きの磁界が印加された場合には、両者が打ち消しあうため、結果としてリードスイッチ90が反応しないという不都合が生じる。
これに対して、本実施形態では、コイル101に流れる電流の向きを交互に切り替えるように設定した。これにより、正電流が流れている期間及び負電流が流れている期間を合わせた期間を単位期間として着目すれば、リードスイッチ90は双方向の磁界に対して敏感に反応することとなる。よって、上記不都合を回避することができる。
さらに、コイル101に流れる電流の向きの切り替わりに関わらず、同一方向の電流が流れる経路上に電流可変回路250を設けた。これにより、電流可変回路250は電流方向の切り替わりに対応する必要がないため、電流可変回路250の構成の簡素化を図ることができる。
パチンコ機10が電源投入される際に行われるメイン処理において、コイル101に定常電流±Isを流し始めるとともに、外部電源からパチンコ機10に対して電力が供給されている状態(電源ON状態)において、コイル101に定常電流±Isが流れている状態(予備印加状態)を維持するように設定した。これにより、遊技が行われる状況においては確実にリードスイッチ90の感度が高められた状態が維持されている。よって、リードスイッチ90の感度が高められていない状況での遊技球の不正誘導を抑制することができる。
バイアス回路230は、コイル101を通電するとともに、当該電流の向きを切替可能な駆動用回路としてのpMOS232a、232b並びにnMOS233a、233bを備えているとともに、MPU211からの信号に基づいて、コイル101に流れる電流方向が切り替わるように当該駆動用回路を制御する制御用回路としてのnMOS244a、244b、245a、245b並びにシュミットインバータ243を備えている。これにより、MPU211からの信号に基づいて電流方向の切り替えが行われるため、当該切替の制御を行うことができる。つまり、信号制御によって電流方向制御が可能となっている。
磁気検知信号が所定の検知期間だけ継続して出力されている場合に、磁気検知報知処理を実行する構成とした。これにより、ノイズによってリードスイッチ90が瞬間的に反応した場合であっても磁気検知報知処理は実行されない。これにより、リードスイッチ90の感度の向上に伴って生じ易くなるノイズによる磁気の誤検知が抑制されている。
ここで、一般に磁石を用いた不正誘導に要する期間はノイズによって反応した反応期間よりも十分に長期間であるため、検知期間を不正誘導に要する期間と反応期間との間に設定することによって、不正誘導の検知を行いつつ、リードスイッチ90の感度が向上することによって生じ得る磁気の誤検知を抑制することができる。
また、所定の期間が電流方向の切替間隔よりも短くなるように設定した。これにより、磁気を検知している検知結果が示されている状況において電流方向の切り替えが行われ、結果として磁気が検知されない検知結果となる検知漏れの発生が抑制されている。
さらに、磁気検知信号が入力されている場合、切替カウンタCCの更新処理を実行しないようにした。これにより、磁気検知信号が入力されている期間に亘って、電流方向の切替は実行されない。よって、上記検知漏れを確実に防止することができる。
<第2の実施形態>
本実施形態では、電流可変回路250に関する構成が第1の実施形態と異なっており、当該相違点について図23及び図24を用いて説明する。図23は、駆動回路231の回路図であり、図24は本実施形態における電流可変回路250の回路図である。なお、第1の実施形態と同一の構成については同一の符号を付すとともに、説明を省略する。
図23に示すように、電流可変回路250は駆動回路231の上流側に設けられている。具体的には、駆動回路231に対して+12Vの電圧を供給する経路上に電流可変回路250が設けられている。詳細には、電流可変回路250は各pMOS232a、232bのソース及びゲートに接続されている。駆動回路231には、電流可変回路250を介して+12Vの電圧が印加されている。
電流可変回路250は、図24に示すように、差動増幅手段としてのオペアンプ301を備えている。オペアンプ301は、上述した通り、2つの入力端子(+端子、−端子)及び出力端子を備えている。電流可変回路250には、電圧電流変換手段としての変換回路302が設けられており、上記出力端子には変換回路302が接続されている。
変換回路302は、駆動回路231と接続されているとともに、+12Vの電圧供給を受けている。すなわち、変換回路302は、駆動回路231に対して+12Vの電圧を供給する供給経路上に設けられている。換言すれば、変換回路302はコイル101の通電経路上に設けられている。変換回路302は、出力端子から入力される電圧に応じた電流を駆動回路231に向けて流すように構成されている。
具体的には、変換回路302は、NPNトランジスタ302a及び抵抗302bを備えている。NPNトランジスタ302aのコレクタには+12Vの電圧が印加されており、エミッタは駆動回路231に接続されている。これにより、+12Vの電圧はNPNトランジスタ302aを介して駆動回路231に入力されている。
NPNトランジスタ302aのベースはオペアンプ301の出力端子と接続されており、当該NPNトランジスタ302aのベースとオペアンプ301の出力端子とを接続する経路上に抵抗302bが直列に接続されている。
かかる構成によれば、オペアンプ301からNPNトランジスタ302aの閾値電圧よりも大きい電圧が出力された場合、NPNトランジスタ302aがオン状態となり、+12Vの電圧(NPNトランジスタ302aの電圧降下分は無視する)が駆動回路231に向けて印加されることとなる。この場合、駆動回路231に向けて流れる電流値、すなわちコイル101に流れる電流値Iは、エミッタ−コレクタ間を流れる電流(以下、コレクタ電流という)となる。
ここで、電流に着目すれば、オペアンプ301からの出力電圧Voutは抵抗302bによってベース電流に変換されており、当該ベース電流が入力されることによってNPNトランジスタ302aがオン状態となるといえる。コレクタ電流は上記ベース電流に対してリニアに依存する。ベース電流はオペアンプ301から出力される電圧に対してリニアに依存する。これにより、オペアンプ301からの出力電圧Voutに応じてコイル101に流れる電流値Iが変化する。
なお、一般的にトランジスタにおいて、コレクタ電流はベースに対する入力電圧の変化に対して指数関数的に変化する一方、ベース電流の変化に対してリニアに変化する。そのため、ベース電流による制御の方がベースに対する入力電圧に基づく制御よりも安定したコレクタ電流の供給を実現することができる。よって、コイル101に流れる電流値Iの安定化を図ることができるとともに、リードスイッチ90に印加される磁界の強さの安定化を図ることができる。
また、NPNトランジスタ302aのエミッタと駆動回路231とを接続する経路上にはバイパスコンデンサ303が設けられており、当該バイパスコンデンサ303によって駆動回路231へ向かう電圧の揺らぎが抑制されている。
オペアンプ301の出力端子から出力される出力電圧Voutは、+端子に入力される入力電圧Vvと−端子に入力される入力電圧Vrefとの差に依存している。具体的には、出力電圧Voutは、A×(Vv−Vref)(A:増幅率)となっている。
ここで、Vrefは定電圧になるように構成されている。具体的には、電流可変回路250には、定電圧Vrefを生成するとともに、−端子に当該定電圧Vrefを出力する帰還回路304が設けられている。帰還回路304は、変換回路302と駆動回路231とを接続する経路上に接続されているとともに、−端子に接続されている。これにより、変換回路302及び帰還回路304を介して、オペアンプ301の出力端子から−端子までが接続されている。帰還回路304は−端子に定電圧Vrefを出力するとともに、オペアンプ301の増幅率Aを決定している。
具体的には、帰還回路304は、2つの負帰還抵抗304a、304bからなり、両者は互いに直列に接続されている。詳細には、負帰還抵抗304aの一端が負帰還抵抗304bの一端と接続されている。負帰還抵抗304bの他端は接地されている。負帰還抵抗304aの他端はエミッタと駆動回路231とを接続する経路に接続されている。負帰還抵抗304a、304bを接続している経路と、オペアンプ301の−端子が接続されている。
かかる構成によれば、−端子に入力される入力電圧Vrefは、負帰還抵抗304a、304bによって分圧された電圧となっている。そして、オペアンプ301の増幅率Aは負帰還抵抗304a、304bの抵抗値の比で決まる。
以上のことから、帰還回路304によって、入力電圧Vrefは定電圧となっているとともに、オペアンプ301の増幅率Aが決定されている。換言すれば、帰還回路304は、−端子に向けて定電圧Vrefを出力するとともに、増幅率Aを決定するものといえる。
電流可変回路250は、+端子に入力される入力電圧Vvを可変制御する電圧制御回路305を備えている。電圧制御回路305は+端子に接続されているとともに、MPU211と接続されている。電圧制御回路305は+12Vの電圧供給を受けている。+端子への入力電圧Vvは、電圧制御回路305によって生成されている。電圧制御回路305は、MPU211からの信号に応じて入力電圧Vvを可変制御する。
具体的には、電圧制御回路305は、基準抵抗311と、基準抵抗311に対して直列に接続された抵抗可変回路312と、を備えている。基準抵抗311は+12Vの電圧供給を受けている。基準抵抗311は抵抗可変回路312を介して接地されている。基準抵抗311と抵抗可変回路312とを接続する経路に+端子が接続されている。これにより、抵抗可変回路312と基準抵抗311とによって分圧された電圧が入力電圧Vvとして+端子に入力されることとなる。すなわち、基準抵抗311の抵抗値をRとし、抵抗可変回路312の抵抗値をR’とすると、入力電圧Vvは、R’/(R+R’)×12Vとなる。
ここで、抵抗可変回路312はMPU211と接続されており、MPU211からの信号に応じてR’が変化するように構成されている。これにより、MPU211からの信号に応じて入力電圧Vvが変化することとなる。
具体的には、抵抗可変回路312は、基準抵抗311と接地とを接続する4つの通電経路321、322、323、324を備えている。各通電経路321、322、323、324は互いに並列に接続されている。通電経路321上には分圧抵抗321aが設けられている。通電経路322、323、324に設けられている構成は、第1の実施形態で示した通電経路251、252、253の構成と同一であるため、説明を省略する。
かかる構成によれば、MPU211からの信号に応じてR’が変化する。具体的には、R’は、分圧抵抗321aの抵抗値と、各抵抗322a、323a、324aのうち通電している抵抗(オン状態となっているnMOSに対応した抵抗)の抵抗値と、からなる合成抵抗値であるため、各nMOS322b、323b、324bのオンオフに応じて、R’は変化する。詳細には、オン状態であるnMOSが少なくなるとR’が大きくなり、+端子への入力電圧Vvが大きくなる。これにより、MPU211から各nMOS322b、323b、324bのゲートへの信号状態に応じて、+端子への入力電圧Vvが変化する。
以上のことから、MPU211から各nMOS322b、323b、324bへの信号制御を行うことによって、+端子への入力電圧Vvの可変制御が可能となる。換言すれば、電圧制御回路305は、MPU211からの信号に応じて可変制御可能な可変電圧Vvを+端子に向けて出力するものであるといえる。これにより、オペアンプ301からの出力電圧Voutの制御が可能となり、コレクタ電流の制御が可能となる。よって、MPU211から各nMOS322b、323b、324bへの信号を制御することによって、コイル101に流れる電流値Iの制御が可能となる。
なお、各nMOS322b、323b、324bが全てオフ状態である場合の+端子への入力電圧Vv、すなわち最小入力電圧Vminは−端子の入力電圧Vrefよりも大きく設定されている。これにより、ベース電流が負電流になり、NPNトランジスタ302aが動作しないことが抑制されている。
また、+端子への入力電圧Vvが基準抵抗311及び抵抗可変回路312によって分圧された電圧であることに着目すれば、電圧制御回路305は、入力された電圧を分圧するとともに、当該分圧された電圧を+端子に対して出力する分圧回路を備え、MPU211からの信号に応じて分圧比を可変制御することによって、入力電圧Vvを制御するものであるといえる。
以上詳述した本実施形態によれば、電圧電流変換手段として抵抗302b及びNPNトランジスタ302aからなる変換回路302と、差動増幅手段として2つの入力端子並びに1つの出力端子を有し、2つの入力端子それぞれに入力される電圧の差に応じた電圧を出力端子から出力するオペアンプ301とを設け、オペアンプ301の出力端子をNPNトランジスタ302aのベースに接続し、一方の入力端子に定電圧Vrefを入力する一方、他方の入力端子には変更可能な可変電圧Vvが入力されるようにした。これにより、+端子への入力電圧Vvが変化すると、オペアンプ301からの出力電圧Voutが変化する。よって、ベース電流が変化し、コレクタ電流が変化するため、コイル101に流れる電流値Iが変化することとなる。したがって、+端子への入力電圧Vvを制御することによって、コイル101に流れる電流値Iを制御することができる。
ここで、コレクタ電流はベースに入力される電圧(以下、ベース電圧という)の変化に対して指数関数的に変化するため、ベース電圧に基づいてコレクタ電流を制御する構成のほうが、電圧変化により敏感に反応することができる点で好ましい。しかしながら、かかる構成の場合、ベース電圧の揺らぎによってコレクタ電流が大きく変化するため、コレクタ電流の安定性という観点から好ましくない。
これに対して、本実施形態によれば、オペアンプ301の出力端子とNPNトランジスタ302aとを接続する経路上に抵抗302bが設けられている。これにより、コレクタ電流は、ベース電圧ではなくベース電流に基づいて制御される。この場合、コレクタ電流はベース電流の変化に対してリニアに変化する。よって、オペアンプ301の出力端子から出力される電圧の変化に追従しつつ、コレクタ電流の揺らぎが抑制されている。したがって、オペアンプ301の出力端子から出力される電圧変化の追従性と、コレクタ電流の安定性とが確保されている。
電流可変回路250に、MPU211からの信号状態に応じて、+端子への入力電圧Vvを変化させる電圧制御回路305を設けた。具体的には、電圧制御回路305は、基準抵抗311と、基準抵抗311に直列に接続され、MPU211からの信号に応じて抵抗値が変化する抵抗可変回路312と、を備え、+端子に入力される入力電圧Vvは基準抵抗311と抵抗可変回路312とによって分圧された電圧となるように構成した。これにより、MPU211からの信号を制御することによって、+端子への入力電圧Vvを制御し、コイル101を流れる電流値Iを制御することが可能となる。
抵抗可変回路312は、複数の抵抗322a、323a、324a及びこれら抵抗322a、323a、324aの通電を許可又は禁止するnMOS322b、323b、324bを備えており、各nMOS322b、323b、324bは、MPU211からの信号に基づいて、オン状態又はオフ状態となるように構成した。これにより、各nMOS322b、323b、324bのオンオフ制御を行うことによって、各抵抗322a、323a、324aの通電制御が行われ、抵抗可変回路312の抵抗値の制御が実現されている。よって、デジタル制御によって抵抗可変回路312の抵抗値の制御が実現されている。
<その他の実施形態>
なお、上述した実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を単独で上記実施形態の構成に適用してもよく、所定の組み合わせで上記実施形態の構成に適用してもよい。また、以下の各構成を、その構成の適用対象として例示していない実施形態に適用してもよい。
(1)上記各実施形態では、磁気検知システムの動作確認を行う構成としたが、これに限られず、例えば一方向の信号伝達システムの動作確認を行う構成としてもよい。一方向の信号伝達システムの具体的構成としては、例えば主制御基板201と外部端子板143とはフォトカプラを介して接続されている構成が考えられる。詳細には、フォトカプラは、主制御基板201に設けられ、通電されることによって発光する発光素子としての発光ダイオードと、外部端子板143に設けられ、上記発光ダイオードからの光を照射されることによって、導通状態となる受光素子としてのフォトトランジスタと、を備えている。かかる構成によれば、主制御基板201からフォトカプラに信号が入力される(発光ダイオードが通電される)と、フォトカプラがオン状態(フォトトランジスタが導通状態)となり、その信号が外部端子板143に向けて出力されることとなる。
フォトカプラは、発光ダイオードの発光に伴いフォトトランジスタが動作する構成であるため、発光ダイオードが設けられている入力側と、フォトトランジスタが設けられている出力側とは、電気的に絶縁されている。これにより、順方向(入力側から出力側)への信号伝達は行われるが、逆方向(出力側から入力側)への信号伝達は行われない。すなわち、主制御基板201から外部端子板143側に向けて信号が出力されると、その信号はフォトカプラを介して伝達される一方、外部端子板143側から主制御基板201に向けて信号が出力されても、フォトカプラによって主制御基板201へのその信号の入力は規制される。よって、一方向の信号伝達システムが実現されている。
かかる構成において、一方向の信号伝達システムの動作確認処理として、パチンコ機10が電源投入されたことに基づいて、フォトカプラに信号を入力させる(発光ダイオードを通電させる)処理を実行するとよい。これにより、一方向の信号伝達システムが正常に動作している場合には、外部端子板143を介して管理制御装置に主制御基板201からの信号が伝達される一方、一方向の信号伝達システムに異常がある場合には、外部端子板143を介して管理制御装置に主制御基板201からの信号が伝達されない。よって、管理者は信号伝達システムが正常に動作しているか否かを容易に確認することができる。
(2)上記各実施形態では、磁気検知手段としてリードスイッチ90を用いたが、これに限られず、例えばリードスイッチ90に代えて磁気抵抗素子を用いる構成としてもよい。この場合、磁気抵抗素子と基準抵抗とを直列に接続するとともに、これら磁気抵抗素子と基準抵抗とによって分圧された電圧が検知回路220のコンパレータ221における+端子に入力される構成とするとよい。これにより、磁気抵抗素子の抵抗値に応じた電圧が+端子に入力される。当該磁気抵抗素子の抵抗値は外部から印加される磁界の強さに依存する。よって、外部磁界が印加された場合には、磁気抵抗素子の抵抗値が変化することによって、+端子への入力電圧Vvが変化する。これにより、MPU211に入力される信号が変化するため、磁気を検知していることを認識することができる。
この場合であっても、MPU211に入力される信号が変化する契機となる閾値抵抗値に近づくように予め磁界を印加することによって、磁気を検知する感度を高めることができる。
なお、磁気検知手段として磁気抵抗素子を用いる場合には、磁気抵抗素子を流れる電流値の変化に基づいて、外部から磁界が印加されているか否かを判定する構成としてもよい。
また、磁気抵抗素子に代えて、例えばホール素子を用いる構成としてもよいし、磁気光学素子を用いる構成としてもよい。要は、外部から磁界が印加された場合に、何らかの物理量が変化するものであればよい。
(3)上記各実施形態では、コイル101に流れる電流値Iを制御することによって、リードスイッチ90に印加される磁界の強さを制御する構成としたが、これに限られず、例えばコイル101に代えて、永久磁石を設け、当該永久磁石とリードスイッチ90との間隔を調整することによって、リードスイッチ90に印加される磁界の強さを制御する構成としてもよい。この場合、永久磁石とリードスイッチ90との間隔が可変となるように、MPU211からの信号に基づいて変位するアクチュエータ等を設ける必要がある。
この場合、磁界の向きの切り替えを行う際には、永久磁石を回転させ、永久磁石の向きを切り替える必要があるため、当該切替を実現する機構を設ける必要がある。これに対して、上記各実施形態では、電流の向きを切り替えるだけでよいため、構成の簡素化の点において上記各実施形態のほうが優れている。
(4)上記各実施形態では、コイル101に流れる電流値Iを段階的に変化させるため、コイル101の通電経路として3つの通電経路251、252、253を設ける構成としたが、当該通電経路の数は3つに限られず、例えば2つでもよく、4つ、5つとしてもよい。通電経路の数が増加するほど、コイル101に流れる電流値Iの設定可能な段階数が増加するため、高精度な電流値制御が可能となる。
(5)上記各実施形態では、各抵抗251a、252a、253aの抵抗値は互いに異なっているように設定したが、これに限られず、同一の抵抗値であってもよい。この場合であっても、各抵抗251a、252a、253aを並列に組み合わせることによって、合成抵抗値Rvが変化するため、コイル101に流れる電流値Iを可変制御することが可能となる。但し、各抵抗251a、252a、253aの抵抗値が互いに異なる構成の方が、同一の通電経路の数においてコイル101に流れる電流値Iの設定可能な階段数が多いため、より多段階に制御できる点で優れている。
(6)上記各実施形態では、電流値Iを第7段階に設定した状態でリードスイッチ90が動作しなかった場合には、磁気検知システムに異常があるとして異常報知処理を実行する構成としたが、これに限られず、例えば電流値Iを第6段階に設定した状態でリードスイッチ90が動作しなかった場合に、異常報知処理を実行する構成としてもよい。これにより、磁気検知システムの初期段階の故障を早期に発見することができる。
また、第1段階又は第2段階に設定されている状態でリードスイッチ90が動作した場合に、異常報知処理を実行する構成としてもよい。これにより、誤検知が起き易いリードスイッチ90を特定することができる。
(7)上記各実施形態では、コイル101に流れる電流値Iは、MPU211からの出力信号に基づいて、段階的に制御する構成としたが、これに限られず、例えばコイル101に流れる電流値Iを連続的に制御する構成としてもよい。具体的には、コイル101に流れる電流値Iを計測する計測回路と、コイル101に流れる通電経路上に可変抵抗を設け、当該計測回路にて計測された電流値に基づいて、可変抵抗の抵抗値を変化させる構成としてもよい。
この場合、リードスイッチ90のオンオフ動作の契機となった動作電流値Iaと、コイル101に流す定常電流値Isとの差が一定になるように、定常電流値Isを設定する構成とするとよい。これにより、リードスイッチ90毎に感度のばらつきがある場合であっても、一定の感度にすることができる。
(8)上記各実施形態では、磁気センサ動作確認処理はメイン処理において実行される構成としたが、これに限られず、例えば通常処理において実行する構成としてもよいし、通常処理における磁気センサ監視処理において実行する構成としてもよい。但し、メイン処理で実行する構成の方が、遊技が行われる前段階で行うことによって磁気検知システムに異常がある状態での遊技が行われない点において優れている。
また、上記各実施形態では、磁気センサ監視処理は通常処理で実行される構成としたが、これに限られず、例えばタイマ割込み処理にて実行する構成としてもよい。また、NMI割込み処理において実行する構成としてもよい。要は、磁気センサ監視処理は所定の頻度で行われるように設定されていればよい。
(9)上記第1の実施形態における電流可変回路250を、図23に示すように、コイル101の通電経路の上流側に設ける構成としてもよい。当該変形例について、図25を用いて説明する。図25は、電流可変回路250の変形例を示す回路図である。なお、第1の実施形態と同一の構成については同一の符号を付すとともに、説明を省略する。
電流可変回路250は、駆動回路231に対して+12Vの電圧を印加する3つの通電経路401、402、403を備えている。通電経路401には抵抗401aとpMOS401bとの直列接続体が設けられており、通電経路402には抵抗402aとpMOS402bとの直列接続体が設けられており、通電経路403には抵抗403aとpMOS403bとの直列接続体が設けられている。各抵抗401a、402a、403aは互いに異なる抵抗値を有している。各pMOS401b、402b、403bのソース及びゲートには+12Vの電圧が印加されている。
かかる構成によれば、各pMOS401b、402b、403bがオン状態となることによって、各pMOS401b、402b、403bに対応した抵抗401a、402a、403aの通電が行われる。これにより、各pMOS401b、402b、403bの状態に応じて、コイル101の通電経路における抵抗値が変化するため、コイル101に流れる電流値Iが変化する。
ここで、電流可変回路250には、各pMOS401b、402b、403bのスイッチング制御を行うnMOS411、412、413が設けられている。各nMOS411、412、413のソースは接地されている。各nMOS411、412、413のゲートはそれぞれ別の配線を介してMPU211に接続されている。nMOS411のドレインはpMOS401bのゲートに接続されており、nMOS412のドレインはpMOS402bのゲートに接続されており、nMOS413のドレインはpMOS403bのゲートに接続されている。
かかる構成によれば、第1の実施形態と同様に、MPU211から各nMOS411、412、413への信号の組み合わせに応じて、コイル101の通電経路の抵抗値が変化する。これにより、コイル101に流れる電流値Iが変化する。よって、MPU211から各nMOS411、412、413への信号を制御することによって、コイル101に流れる電流値Iを制御することが可能となっている。
(10)上記第2の実施形態では、オペアンプ301の+端子への入力電圧Vvを可変制御することによって、コイル101に流れる電流値Iを制御する構成としたが、これに限られず、例えば駆動回路231の各nMOS233b、233a並びに各pMOS232b、232aのゲート電圧を制御することによって、コイル101に流れる電流を制御する構成としてもよい。一般的に、nMOS又はpMOSのソース−ドレイン間を流れる電流(以下、単にドレイン電流という)はゲート電圧に依存する。詳細には、ドレイン電流は飽和領域においてゲート電圧に依存する。そして、コイル101に流れる電流値Iは上記ドレイン電流に依存する。これにより、ゲート電圧を制御することによってドレイン電流を制御することができ、その結果、コイル101に流れる電流値Iを制御することが可能となる。
なお、ゲート電圧を制御する構成としては、電圧制御回路305のように、抵抗と可変抵抗とを直列に接続し、上記2つの抵抗によって分圧された電圧をゲート電圧として用いる構成とするとともに、MPU211からの信号に応じて上記可変抵抗の抵抗値を変化させる構成が考えられる。
(11)上記各実施形態では、コイル101に流れる電流値Iを制御するために抵抗を設ける構成としたが、これに限られず、電気的抵抗を有するものであれば任意である。
(12)上記各実施形態では、パチンコ機10に電源投入されている状況においてコイル101の通電状態が維持されている構成としたが、これに限らず、例えば所定の条件が成立している場合にはコイル101への通電を一旦停止させる構成としてもよい。これにより、例えば所定の条件として、遊技球発射ハンドル41の操作が行われていない期間が所定の期間だけ経過した場合とすることによって、遊技球が遊技領域Zに存在しない状況においてコイル101への通電が停止されることとなる。よって、必要な状況においてリードスイッチ90の感度を高めることができる一方、不必要な状況におけるコイル101の通電を行わないことによって消費電力の低減を図ることができる。但し、上記構成の場合、定期的に所定の条件が成立しているか否かの判断処理をする必要が生じるため、パチンコ機10に電源投入されている状況においてコイル101の通電状態が維持されている構成のほうが処理負荷の点において優れている。
(13)上記各実施形態では、コイル101に流れる電流の向きを切り替えることによって、リードスイッチ90に印加される磁界の向きを切り替える構成としたが、これに限られない。例えば、図26(a)に示すように、電流が流れる方向が異なる第1コイル501及び第2コイル502を設け、通電する対象を切り替える構成としてもよい。この場合、例えば第1コイル501の通電を制御するnMOS503を設けるとともに、第2コイル502の通電を制御するnMOS504を設ける。そして、各nMOS503、504のゲートとMPU211とを接続するとともに、各nMOS503、504のゲートに入力される信号が異なるように、nMOS504のゲートとMPU211とを接続する経路上にのみインバータ505を設けるとよい。かかる構成によれば、MPU211からLOWレベル信号が出力されている場合には第1コイル501に電流が流れる一方、MPU211からHIレベル信号が出力されている場合には第2コイル502に電流が流れる。これにより、MPU211からの信号を交互に切り替えることによって、リードスイッチ90に印加される磁界の向きが交互に切り替わる。よって、上記各実施形態と同様の効果を奏することができるとともに、バイアス回路230の構成の簡素化を図ることができる。但し、使用するコイルが2つとなるため、磁気センサユニット81の構成の簡素化の観点に着目すれば、上記各実施形態のほうが優れている。
また、図26(b)に示すように、第1リードスイッチ601及び第2リードスイッチ602を設けるとともに、これらリードスイッチ601、602をコイル101を挟んでリードスイッチ90の軸線方向に対向配置する構成としてもよい。これにより、コイル101が通電された場合、それぞれ磁化する極性が反対になる。よって、N極、S極どちらの磁気も検知することができる。
なお、この場合、検知回路220においては、各リードスイッチ601、602それぞれから入力される信号に応じた信号を+端子に向けて出力するAND回路を設けるとよい。この場合、AND回路の入力端子はそれぞれプルアップされているとよい。これにより、各リードスイッチ601、602がオフ状態である場合には、AND回路からHIレベル信号が出力されているため、MPU211にはHIレベル信号が入力される。一方、リードスイッチ601、602のうち少なくとも一方がオン状態となった場合には、+端子にLOWレベル信号が入力されるため、MPU211にはLOWレベル信号が入力される。これにより、電流方向を切り替えることなく、どちらの極性の磁気も検知することが可能となっている。但し、使用するリードスイッチが2つとなるため、磁気センサユニット81の構成の簡素化の観点に着目すれば、上記各実施形態のほうが優れている。
(14)上記各実施形態では、リードスイッチ90は、軸線方向が遊技盤50の盤面に沿うように配置されている構成としたが、これに限られず、例えば軸線方向が遊技盤50の盤面と直交するようにリードスイッチ90を配置してもよい。この場合、リードスイッチ90が遊技盤50の盤面に沿うように配置された場合と比較して、リードスイッチ90の検知可能領域が遊技盤50の盤面と直交する方向に大きくなる。これにより、遊技盤50における前方からの磁気を検知し易いとともに、遊技盤50の盤面の厚さの変化又は遊技領域Zの前後方向の変化に容易に対応することができる。但し、軸線方向が遊技盤50の盤面に沿うようにリードスイッチ90を配置する構成のほうが、遊技領域Zに占める検知可能領域が大きい点において優れている。
(15)上記各実施形態では、磁気検知信号が入力されている場合、切替カウンタCCの更新処理を実行しない構成としたが、これに限られず、磁気検知信号が入力されている場合に切替カウンタCCの更新処理を実行する構成としてもよい。この場合であっても、検知期間に対して切替間隔が小さくなっているため、電流方向の切替によって生じ得る検知漏れを抑制することが実現されている。但し、上記各実施形態の方が、確実に電流方向の切替による検知漏れを防止できる点で優れている。
なお、具体的な構成としては、磁気検知信号が入力されているか否かの判定処理の実行前に、切替カウンタCCの更新処理を実行する構成とするとよい、
(16)上記各実施形態によれば、バイアス回路230は主制御基板201に搭載されており、当該主制御基板201は基板ボックス123に収容されている構成としたが、これに限られず、例えばバイアス回路230が磁気センサユニット81に収容されている構成としてもよい。但し、バイアス回路230に対する不正行為を抑制する観点に着目すれば、基板ボックス123内にバイアス回路230が搭載されている構成のほうが好ましい。
(17)上記各実施形態によれば、リードスイッチ90及びコイル101は、所定の間隔L2を介して対向配置された状態でユニット化されている構成としたが、これに限られず、ユニット化されていなくてもよい。但し、リードスイッチ90とコイル101との間隔L2が変動すると、リードスイッチ90に印加される磁界の強さが変動するため、予め想定された磁界を印加できる点に着目すれば、上記各実施形態のほうが優れている。
(18)上記各実施形態では、リードスイッチ90は作動口55の周辺に配置されている構成としたが、これに限られず、例えばリードスイッチ90を一般入賞口53周辺に配置してもよい。
(19)上記各実施形態では、磁気検知信号は主制御装置122に入力される構成としたが、これに限られず、例えば音声ランプ制御装置113であってもよく、払出制御装置162であってもよい。また、磁気検知信号が、外部端子板143を介して直接遊技ホールの管理制御装置に向けて出力される構成としてもよい。
(20)上記各実施形態では、磁気検知信号がMPU211に入力された場合、外部端子板143を介して、磁気を検知した旨の信号を遊技ホール側の管理制御装置へ向けて出力する構成としたが、これに限られず、例えば図柄表示装置61に磁気を検知した旨が表示されるように、音声ランプ制御装置113に対してコマンドを送信する構成としてもよい。また、表示に限られず、音声で報知する構成としてもよい。要は、磁気を検知したことを認識することができれば、報知の態様は任意である。
(21)上記各実施形態では、バイアス回路230には、MPU211からの信号に含まれるノイズを除去するシュミットインバータ242を設ける構成としたが、これに限られず、例えばシュミットバッファを用いてもよい。この場合、信号が反転しないため、コイル101に流れる電流の向きが逆になる。
また、シュミットインバータ242を省略してもよい。但し、上記各実施形態のほうが、MPU211から出力される信号のノイズによる誤動作を抑制できる点で優れている。
(22)上記各実施形態では、バイアス回路230はMPU211から動作電圧を供給されている構成としたが、これに限られず、例えば電源及び発射制御装置163から直接供給されている構成としてもよい。この場合、MPU211からの信号に基づいて、バイアス回路230への動作電圧の供給を許可又は阻止するスイッチング素子を設けるとよい。これにより、当該スイッチング素子のオンオフ制御を行うことによって、バイアス回路230の動作を制御することが可能となる。
(23)主制御基板201は電断監視基板202を介して電源及び発射制御装置163から動作電力が供給されている構成としたが、これに限られず、電断監視基板202を省略する構成としてもよい。この場合、電圧を監視する回路を主制御基板201に設ける必要がある。
(24)上記各実施形態では、磁気検知信号が入力されている状態が0.2sec継続しなかった場合には、検知カウンタTCの値は累積された状態で保持される構成としたが、これに限られず、磁気検知信号が入力されている状態が0.2sec継続しなかった場合には、検知カウンタTCがリセットされる構成としてもよい。この場合、検知カウンタTCの値が累積することによって生じ得る誤検知を抑制することができる。
なお、具体的な構成としては、ステップS701を否定判定した場合に、検知カウンタTCをリセットする(「0」を設定する)処理を実行する構成が考えられる。
(25)上記各実施形態では、自然状態ではオフ状態で磁界が印加されることによってオン状態となるノーマリオフのリードスイッチを用いたが、これに限られず、自然状態ではオン状態で磁界が印加されることによってオフ状態となるノーマリオンのリードスイッチを用いてもよい。この場合、HI−LOWが反転する。
(26)上記各実施形態では、各リード片92a,92bに対して磁界が印加されることによって、各リード片92a,92bの双方が撓む構成としたが、これに限られず、例えば一方のリード片が固定されている構成としてもよい。これにより、接点間隔の制御を容易に行うことができる。
(27)上記各実施形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作される又は所定期間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組合せが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも、本発明を適用できる。
また、取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも、本発明を適用できる。
<上記実施形態から抽出される発明群について>
以下、上述した実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
特徴1.特定のエネルギが所定量以上供給された場合に動作する動作素子(リードスイッチ90)と、
前記動作素子が動作したことを検知する検知手段(検知回路220)と、
前記検知手段によって前記動作素子が動作したことが検知された場合には、所定の信号を出力する出力手段(検知回路220)と、
前記動作素子に対して、前記動作素子が動作可能なエネルギを一時的に供給するエネルギ供給手段(コイル101)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴1によれば、例えば動作素子がフォトトランジスタである場合、フォトトランジスタに光が照射されると、検知手段によってフォトトランジスタがオン状態となったことが検知され、当該検知に基づいて所定の信号が出力される。これにより、所定の信号を検出することによって、フォトトランジスタに光が照射されていることを認識することができる。よって、例えばLED等の発光素子を備えた回路とフォトトランジスタを備えた回路との間で、一方向の信号伝達が可能となる。
また、例えば動作素子がリードスイッチである場合、リードスイッチに対して磁界が印加されると、検知手段によってリードスイッチがオン状態となったことが検知され、当該検知に基づいて所定の信号が出力される。これにより、所定の信号を検出することによって、リードスイッチに磁界が印加されていることを検知することができる。よって、例えば磁石等を用いた不正行為を発見することができる。
ここで、動作素子が正常に動作していない場合、特定のエネルギが所定量以上供給されているにも関わらず出力手段から所定の信号が出力されない不都合が生じる。しかしながら、管理者が自ら動作素子に対してエネルギを供給する作業は、管理者の負担という観点から好ましくない。
これに対して、本特徴によれば、エネルギ供給手段によって、動作素子に対して当該動作素子が動作可能なエネルギが一時的に供給されるため、かかる供給状態において出力手段の出力結果を利用する等、出力を監視することによって、動作素子が正常に動作しているか否かを判定することができる。よって、管理者が自らエネルギを供給する作業が必要ないため、検知手段の動作点検に伴う管理者の負担を軽減することができる。
特徴2.磁気を検知する磁気検知手段(リードスイッチ90)と、
前記磁気検知手段が磁気を検知した場合に、予め定められた検知信号を出力する第1出力手段(検知回路220)と、
前記検知信号が入力される入力手段(MPU211)と、
前記入力手段に対して前記検知信号が入力された場合に、所定の信号を出力する第2出力手段(MPU211)と、
前記磁気検知手段に対して、当該磁気検知手段が検知可能な動作磁界を一時的に印加する磁界印加手段(コイル101)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴2によれば、磁気検知手段が磁気を検知した場合、第1出力手段によって検知信号が出力される。当該検知信号が入力手段に入力されることによって、所定の信号が出力される。これにより、所定の信号を検出することによって、磁気検知手段が磁気を検知していることを確認することができる。
ここで、磁気検知手段が正常に反応しない場合、磁石を用いた不正行為を検知できないといった不都合が生じる。しかしながら、管理者が自ら磁気検知手段に対して磁石等をかざす作業は、管理者の負担という観点から好ましくない。
これに対して、本特徴によれば、磁界印加手段によって磁気検知手段に対して当該磁気検知手段が検知可能な動作磁界が一時的に印加される。これにより、かかる印加状態における検知信号の有無等を監視することにより磁気検知手段が正常に反応しているか否かを判定することができる。よって、管理者が自ら磁石等をかざす作業が必要ないため、磁気検知手段の動作点検に伴う管理者の負担を軽減することができる。
特徴3.遊技の進行に関する遊技制御を実行する制御手段(MPU211における各種処理を実行する機能)を更に備え、
前記制御手段は、動作電力が供給された場合に、前記遊技制御に先立って初期化処理を含む特定処理を実行するものであり、
前記磁界印加手段による動作磁界の一時的な印加は、前記特定処理中に行われることを特徴とする特徴2に記載の遊技機。
特徴3によれば、磁気検知手段の動作確認が遊技の進行に関する遊技制御に先立って行われる特定処理中に行われる。これにより、遊技開始前に磁気検知手段の異常の有無を判断することが可能となり、当該異常がある状態で遊技が開始される不都合を抑制し得る。
特徴4.前記磁界印加手段は、
通電されることによって磁界を形成するコイル(コイル101)と、
前記磁気検知手段に対して前記動作磁界が一時的に印加されるように前記コイルに流れる電流を制御する電流制御手段(バイアス回路230)と、
を備えていることを特徴とする特徴2又は特徴3に記載の遊技機。
特徴4によれば、コイルを通電することによって磁界が形成される。当該磁界の強さは、コイルを流れる電流に依存する。これにより、コイルに流れる電流を制御することによって、磁気検知手段に対して動作磁界が一時的に印加されるようにすることができる。
特徴5.前記第1出力手段は、前記磁気検知手段に対して所定以上の強さの磁界が及んだ場合に、磁気を検知したとして前記検知信号を出力するものであり、
前記電流制御手段は、前記所定の強さの磁界よりも弱い磁界である予備磁界が前記磁気検知手段に対して印加されるように前記コイルに流れる電流を制御可能であることを特徴とする特徴4に記載の遊技機。
特徴5によれば、コイルに流れる電流を制御することによって、磁気検知手段に対して予備磁界を印加することができる。磁気検知手段に予備磁界が印加されている状況下では、検知信号を出力するのに必要な外部磁界の強さが弱くなるため、磁気検知手段の感度が実質的に向上する。これにより、磁気検知手段における磁気の検知可能領域が大きくなるため、磁石等を用いた不正行為を検知し易くなる。よって、コイルに流れる電流を制御することによって、磁気検知手段の動作確認が可能となるとともに、磁石等を用いた不正行為を抑制することができる。
特徴6.前記電流制御手段は、
所定の場合に、前記コイルに流れる電流を前記動作磁界に対応した電流に一時的に設定し、
前記所定の場合以外の場合に、前記コイルに流れる定常電流として前記予備磁界に対応した電流を設定するものであることを特徴とする特徴5に記載の遊技機。
特徴6によれば、所定の場合に、コイルに流れる電流が動作磁界に対応した電流に設定されるため、動作磁界が磁気検知手段に対して印加される。これにより、かかる印加状態における検知信号の有無等を確認することによって、磁気検知手段の動作確認をすることができる。
ここで、所定の場合以外の場合にコイルに流れる定常電流は予備磁界に対応した電流に設定されるため、磁気検知手段には予備磁界が連続的に印加される。これにより、磁気検知手段の感度が高い状態が維持される。よって、磁石等を用いた不正行為を検知し易い状態が維持されるため、磁石等を用いた不正行為を抑制することができる。
なお、特徴3との関係においては、「所定の場合に、」を「前記特定処理中に、」に置き換えるとよい。より好ましくは、「前記コイルに流れる電流を前記動作磁界に対応した電流に一時的に設定する処理と、前記予備磁界に対応した電流を設定する処理とが前記特定処理中に行われる」とよい。これにより、遊技開始前に予備磁界を印加することが可能となるため、磁気検知手段の感度が高められていない状態で遊技が開始される不都合を抑制し得る。
特徴7.前記電流制御手段は、所定の場合に、前記コイルに流す電流を変化させることによって、前記検知信号が出力される契機となる動作電流を把握し、
当該動作電流に基づいて、前記予備磁界を前記磁気検知手段に対して印加する場合の予備電流を決定するものであることを特徴とする特徴5又は特徴6に記載の遊技機。
特徴7によれば、検知信号が出力される契機となった動作電流に基づいて、予備磁界を磁気検知手段に対して印加する場合の予備電流が決定される。これにより、例えば経年劣化などの影響によって動作電流が変化した場合には、当該変化に対応させて予備電流を決定することによって、磁気検知手段の感度の変化を補償することができる。
また、例えば複数の磁気検知手段において、動作電流にばらつきが生じている場合には、当該ばらつきに対応させて予備電流を決定することによって、磁気検知手段の感度のばらつきを抑制することができる。
特徴8.前記電流制御手段は、
前記動作電流と予め定められた基準動作電流とを比較する比較手段(MPU211におけるステップS508の処理を実行する機能)を備え、
前記比較手段による比較結果が、前記動作電流が前記基準動作電流よりも大きい比較結果である場合には、前記予備電流を予め定められた基準予備電流よりも大きく設定する一方、
前記比較手段による比較結果が、前記動作電流が前記基準動作電流よりも小さい比較結果である場合には、前記予備電流を前記基準予備電流よりも小さく設定するものであることを特徴とする特徴7に記載の遊技機。
特徴8によれば、動作電流と基準動作電流とが比較される。ここで、動作電流が基準動作電流よりも大きい場合、実際の感度が予め想定している感度よりも低いことを意味する。この場合、予備電流が基準予備電流よりも大きく設定されるため、基準予備電流が流れる場合と比較して、予備磁界の強さが強くなる。
一方、動作電流が予め定められた基準動作電流よりも小さい場合、実際の感度が予め想定している感度よりもよいことを意味する。この場合、予備電流が基準予備電流よりも小さく設定されるため、基準予備電流が流れる場合と比較して、予備磁界の強さが弱くなる。
以上のように動作電流と基準動作電流との比較結果に応じて予備電流を設定することで、予備磁界が印加されている状況における磁気検知手段の感度を所定の感度に近づけることができる。これにより、特徴7の効果を奏することができる。
特徴9.前記電流制御手段は、前記動作電流と前記基準動作電流とのずれ量に応じて、前記予備電流を決定するものであることを特徴とする特徴8に記載の遊技機。
特徴9によれば、動作電流と基準動作電流とのずれ量に応じて、予備電流が決定される。これにより、磁気検知手段の感度を所定の感度に近づけ易くなる。
この場合、「前記ずれ量が予め定められた閾値ずれ量よりも大きい場合に、異常である旨の信号を出力する異常信号出力手段を備える」としてもよい。これにより、磁気検知手段の初期段階の故障を容易に確認することができる。
特徴10.前記電流制御手段は、
前記コイルに対して予め定められた特定電圧を印加する電圧印加手段(MPU211)と、
前記電圧印加手段と前記コイルとを接続するものであって、前記電圧印加手段から特定電圧が印加された場合には前記予備磁界に対応した電流が流れる通電経路(通電経路251等)と、
前記通電経路に流れる電流が前記予備磁界に対応した電流と前記動作磁界に対応した電流とに切り替わるように前記通電経路の抵抗を変更可能な抵抗可変手段(抵抗251a、nMOS251b等)と、
を備えていることを特徴とする特徴5乃至9のいずれか1に記載の遊技機。
特徴10によれば、通電経路に流れる電流が予備磁界に対応した電流と動作磁界に対応した電流とに切り替わるように通電経路の抵抗を変更可能な抵抗可変手段を備えているため、抵抗可変手段を制御することによって予備磁界及び動作磁界のいずれの磁界も印加することができる。これにより、予備磁界及び動作磁界それぞれに対応した構成を設ける必要がないため、構成の簡素化を図ることができる。
特徴11.前記電流制御手段は、
前記コイルに対して電圧を印加する電圧印加手段(MPU211)と、
前記電圧印加手段と前記コイルとを接続する通電経路と、
前記通電経路上に設けられ、自身に対して電圧が印加された場合、当該印加された電圧に対応した電流を前記通電経路に流す変換手段(変換回路302)と、
前記変換手段に入力される電圧を可変制御する電圧制御手段(電圧制御回路305)と、
を備え、
前記電圧制御手段は、
前記通電経路に前記予備磁界に対応した電流が流れるように前記変換手段に対して当該電流に対応した予備電圧を印加可能であるとともに、前記通電経路に前記動作磁界に対応した電流が流れるように前記変換手段に対して当該電流に対応した動作電圧を印加可能であることを特徴とする特徴5乃至9のいずれか1に記載の遊技機。
特徴11によれば、電圧制御手段により予備電圧が変換手段に印加される場合には磁気検知手段には予備磁界が印加される一方、電圧制御手段により動作電圧が変換手段に印加される場合には磁気検知手段に動作磁界が印加される。これにより、電圧制御手段を制御することによって予備磁界及び動作磁界のいずれの磁界も印加することができる。よって、予備電流及び動作電流それぞれに対応した構成を設ける必要がないため、構成の簡素化を図ることができる。
特徴12.遊技の進行に関する遊技制御を実行する制御手段(主制御基板201)と、
当該制御手段を収容するボックス(基板ボックス123)と、
を備え、
前記基板ボックス内に、前記入力手段、前記第1出力手段、前記第2出力手段及び前記電流制御手段が収容されていることを特徴とする特徴4乃至11のいずれか1に記載の遊技機。
特徴12によれば、遊技の進行に関する制御を行う制御手段を収容するボックス内に、入力手段、第1出力手段、第2出力手段及び電流制御手段が収容されている。当該ボックスは一般的に複数のボックス構成体によって形成され、さらに複数のボックス構成体を固定するとともに、破壊又は除去により当該固定が解除された場合には所定の痕跡を残存させる固定手段が設けられていることが多い。この場合、制御手段に対する不正なアクセスを抑制することができるとともに、入力手段、第1出力手段、第2出力手段及び電流制御手段に対する不正なアクセスを抑制することができる。
特徴13.前記予備磁界に対応した電流が前記コイルに流れている状況において、前記コイルに流れる電流の向きを交互に切り替える切替手段を備えていることを特徴とする特徴5乃至12のいずれか1に記載の遊技機。
コイルによって所定の方向の予備磁界が磁気検知手段に対して貫いている状況において、コイルによる磁界の向きに対して反対方向の外部磁界が磁気検知手段に対して印加された場合、両者は互いに打ち消しあうため、結果として磁気が検知されないという不都合が生じる。
これに対して、本特徴によれば、磁気検知手段に対して印加される予備磁界の向きが交互に切り替わるため、いずれの向きの磁界が磁気検知手段に対して印加された場合であっても、当該磁界を検知することができる。これにより、予め予備磁界を印加しておくことによって生じ得る不都合を回避することができる。
上記切替手段のより具体的な構成としては、「前記切替手段は、前記コイルに電流を流すとともに、当該電流方向を切替可能な駆動用回路と、入力される信号に応じて前記コイルに流れる電流方向が切り替わるように当該駆動用回路を制御する制御用回路と、を備えている」という構成が考えられる。これにより、制御用回路に入力する信号を制御することによって、コイルに流れる電流方向を切り替えることが可能となる。
また、「前記電流制御手段は、前記通電経路のうち前記切替手段による切替に関わらず一定の方向を流れている通電経路上に設けられている」とよい。これにより、電流制御手段を電流の向きの変化に応じた構成とする必要がないため、電流制御手段の構成の簡素化を図ることができる。
さらに、特徴12との関係においては、「前記切替手段は前記ボックス内に収容されている」とよい。これにより、切替手段に対する不正なアクセスを抑制することができる。
特徴14.前記磁気検知手段及び前記磁界印加手段は互いに相対位置関係を変更しないようにユニット化されていることを特徴とする特徴2乃至13のいずれか1に記載の遊技機。
磁気検知手段に対して印加される磁界の強さは磁気検知手段及び磁界印加手段間の距離に依存するため、当該距離が変動すると、磁気検知手段に対して印加される磁界の強さも変動する。
これに対して、本特徴によれば、磁気検知手段と磁界印加手段とが互いに相対位置関係を変更しないようにユニット化されているため、磁気検知手段及び磁界印加手段間の距離の変動が抑制されている。これにより、実際に磁気検知手段に印加される磁界の強さを予め想定された強さに設定することができる。よって、例えば動作磁界が印加されている状況において磁気検知手段が当該磁界を検知しない場合に磁気検知手段に異常があると判定する構成の場合には、上記距離の変動により磁気検知手段が正常であるにも関わらず磁気検知手段に異常があると判断される不都合を抑制し得る。
また、例えば予備磁界を印加する構成である場合には、上記距離の変動によって、想定された予備磁界の強さと実際に磁気検知手段に印加される予備磁界の強さとが異なる不都合を抑制し得る。
特徴15.遊技球が流下する領域であって、球通過部(作動口55)及び複数の釘が配設された遊技領域が前面側に形成された遊技盤(遊技盤50)と、
前記球通過部を遊技球が通過することに基づいて、特典を付与する特典付与手段と、
を備え、
前記磁気検知手段は、前記遊技盤の背面側であって、さらに当該磁気検知手段の検知可能領域に前記球通過部が含まれるように配置されていることを特徴とする特徴2乃至14のいずれか1に記載の遊技機。
特徴15によれば、磁気検知手段は遊技盤の背面側に設置されているため、遊技球が遊技領域を流れる場合に当該流下が磁気検知手段によって阻害されない。
ここで、球通過部を遊技球が通過することに基づいて特典が付与されるため、磁石等を用いて遊技球を球通過部へ誘導する不正行為が行われる場合がある。これに対して、本特徴によれば、球通過部が磁気検知手段の検知可能領域に含まれるように、磁気検知手段が配置されているため、球通過部への遊技球の直接的な誘導を検知することができる。
特に、特徴5との関係においては、予備磁界を印加していない状況において球通過部が検知可能領域に含まれるように磁気検知手段が配置されていれば、予備磁界を印加することにより球通過部の周囲を含めた広範な領域を磁気検知手段によって検知することが可能となる。この結果、球通過部そのものだけでなくそこへ遊技球が誘導される部分をも磁気検知手段の検知可能領域に含むことが可能となり、球通過部への遊技球の間接的な不正誘導をも抑制することができる。
特徴16.遊技球が流下する領域であって、複数の球通過部(一般入賞口53、作動口55及びスルーゲート56)及び複数の釘が配設された遊技領域が前面側に形成された遊技盤(遊技盤50)と、
前記複数の球通過部のいずれかを遊技球が通過することに基づいて、特典を付与する特典付与手段と、
を備え、
前記磁気検知手段は、前記遊技盤の背面側であって、さらに当該磁気検知手段の検知可能領域に所定の複数の球通過部が含まれるように配置されていることを特徴とする特徴2乃至14のいずれか1に記載の遊技機。
特徴16によれば、磁気検知手段は遊技盤の背面側に設置されているため、遊技球が遊技領域を流れる場合に当該流下が磁気検知手段によって阻害されない。
ここで、複数の球通過部のいずれかを遊技球が通過することに基づいて、特典が付与されるため、磁石等を用いて遊技球を複数の球通過部のいずれかへ誘導する不正行為が行われる場合がある。これに対して、本特徴によれば、複数の球通過部の全部又は一部が磁気検知手段の検知可能領域に含まれるように、磁気検知手段が配置されているため、少なくとも磁気検知手段が配置されている球通過部への遊技球の直接的な誘導を検知することができる。
また、所定の複数の球通過部を含むことが可能な検知可能領域の大きさにより、球通過部の周囲を含めた広範な領域を磁気検知手段によって検知することができる。この結果、球通過部そのものだけでなくそこへ遊技球が誘導される部分をも磁気検知手段の検知可能領域とすることが可能となり、球通過部への遊技球の間接的な不正誘導をも抑制することができる。
特に、特徴5との関係においては、予備磁界が印加されていることによって、磁気検知手段の実質的な感度が向上している状況においては、磁気検知手段の検知可能領域が大きくなっているため、所定の複数の球通過部を含むことが可能な検知可能領域が容易に形成される。
特徴17.前記磁気検知手段は、第1磁性体と当該第1磁性体に対して所定の間隔だけ離間した位置に配置された第2磁性体とを有し、磁界が印加された場合には前記第1磁性体及び前記第2磁性体が接触することによって磁気を検知するリードスイッチであり、
前記リードスイッチは、当該リードスイッチの軸線方向が前記遊技盤の盤面に沿った方向となるように配置されていることを特徴とする特徴15又は特徴16に記載の遊技機。
リードスイッチにおいては、軸線方向の両端側からそれぞれ検知可能領域が形成されている。このため、リードスイッチの軸線方向が遊技盤の盤面と直交する方向となるようにリードスイッチを配置した場合、遊技領域に占める検知可能領域は一方の端側から形成されている検知可能領域のみとなる。
これに対して、本特徴によれば、リードスイッチの軸線方向が遊技盤の盤面に沿った方向となるようにリードスイッチが配置されている。この場合、遊技領域における検知可能領域は両端側からそれぞれ形成されている検知可能領域を合わせた領域となる。これにより、リードスイッチの軸線方向が遊技盤の盤面に対して直交するようにリードスイッチを配置した場合と比較して、遊技領域における検知可能領域が大きくなる。よって、磁石を用いた不正行為をより検知し易くなる。したがって、磁石を用いた不正行為を好適に抑制することができる。
特徴18.前記第2出力手段は、前記検知信号が所定の期間だけ出力されている場合に、前記所定の信号を出力するものであることを特徴とする特徴2乃至17のいずれか1に記載の遊技機。
磁気検知手段は、ノイズによって瞬間的に反応する場合がある。特に、特徴5の構成のように予備磁界が印加されていることによって磁気検知手段の感度が高められている場合、このような現象が発生し易くなると考えられる。一方、磁石等を用いた不正の場合には、ノイズによる場合と比べ比較的長期間磁気検知手段が反応した状態が維持される。
ここで、本特徴によれば、磁気を検知していることを示す検知結果が所定の期間だけ維持されている場合に、所定の信号が出力される。これにより、ノイズなどの影響によって瞬間的に磁気検知手段が反応した場合であっても、所定の信号は出力されない。よって、磁気検知手段の感度向上から生じ得る磁気の誤検知を抑制することができる。
なお、特徴13との関係においては、「前記切替手段による切替間隔が前記所定の期間よりも長く設定されている」とよい。これにより、磁石等に反応して、磁気を検知している検知結果が示されている状態中に磁界の向きが切り替わることによって、磁気が検知されていない検知結果となり、結果として磁気が検知されていないという検知結果となってしまう不都合を抑制することができる。よって、特徴13に示した効果を確保しつつ、本特徴の効果を得ることができる。
また、この場合、磁気検知手段の動作確認を行う場合には、動作磁界が印加されている場合の検知信号の有無を確認する構成とするとよい。これにより、所定の信号の出力の有無を確認する構成と比較して、所定の期間分だけ確認処理に要する期間を短縮することができる。
特徴19.前記所定の信号が出力されたことに基づいて、磁気を検知した旨の報知を実行する報知実行手段を更に備えていることを特徴とする特徴1乃至18のいずれか1に記載の遊技機。
特徴19によれば、磁気が検知された場合には、磁気が検知された旨の報知が行われる。これにより、管理者は磁気が検知されたことを容易に確認することができる。
特徴20.第1部材(第1リード片92)と、前記第1部材に対して所定の間隔だけ離間した位置に配置された第2部材(第2リード片93)とを有し、磁界が印加された場合には前記第1部材及び前記第2部材のうち少なくとも一方が変位し、前記第1部材及び前記第2部材が接触することによって、磁気を検知する磁気検知手段(リードスイッチ90)と、
前記磁気検知手段による検知結果が入力される入力手段(検知回路220)と、
前記入力手段に対して入力された検知結果が磁気を検知していることを示す検知結果である場合に、所定の信号を出力する出力手段(検知回路220)と、
前記第1部材と前記第2部材との間隔を調整する間隔調整手段と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴20によれば、磁気検知手段に対して磁界が印加された場合、第1部材及び第1部材に対して離間した位置に配置されている第2部材のうち少なくとも一方が変位することによって、第1部材と第2部材とが接触する。これにより、磁気を検知していることを示す検知結果が入力手段に対して入力され、所定の信号が出力される。よって、当該所定の信号を検知することによって、磁気を検知したか否かを確認することができる。
ここで、間隔調整手段によって第1部材と第2部材との間隔が調整されることにより、当該間隔に依存する磁気検知手段の感度が調整される。これにより、誤動作が生じにくい範囲内で第1部材と第2部材との間隔を狭くすることによって感度を向上させることができる。よって、磁気検知手段における磁気の検知可能領域が、間隔を狭くしない場合と比較して大きくなるため、磁石等を用いた不正行為を検知し易い。したがって、磁石等を用いた不正行為を抑制することができる。
特徴21.第1磁性体(第1リード片92)と、前記第1磁性体に対して所定の間隔だけ離間した位置に配置された第2磁性体(第2リード片93)とを有し、前記第1磁性体及び前記第2磁性体が接触又は離間することによって磁気を検知するリードスイッチ(リードスイッチ90)と、
前記リードスイッチによる検知結果が入力される入力手段(検知回路220)と、
前記入力手段に対して入力された検知結果が磁気を検知していることを示す検知結果である場合に、所定の信号を出力する出力手段(検知回路220)と、
前記第1磁性体と前記第2磁性体との間隔を調整する間隔調整手段と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴21によれば、間隔調整手段によって第1磁性体と第2磁性体との間隔が調整されることにより、当該間隔に依存するリードスイッチの感度が調整される。これにより、誤動作が生じにくい範囲内で第1部材と第2部材との間隔を狭くすることによって感度を向上させることができる。よって、リードスイッチにおける磁気の検知可能領域が、間隔を狭くしない場合と比較して大きくなるため、磁石等を用いた不正行為を検知し易い。したがって、磁石等を用いた不正行為を抑制することができる。
特徴22.前記リードスイッチは、所定以上の強さの磁界が及んだ場合に、前記第1磁性体と前記第2磁性体とが接触することによって、磁気を検知している検知結果を示すものであり、
前記間隔調整手段は、前記リードスイッチに対して前記所定の強さよりも弱い磁界である予備磁界を印加する磁界印加手段(コイル101)を備えていることを特徴とする特徴21に記載の遊技機。
特徴22によれば、予備磁界の印加という非接触方式で間隔を調整することができるため、第1磁性体及び第2磁性体を押圧する等の接触方式で調整する場合と比較して、第1磁性体及び第2磁性体に特別な処理を施す必要がない。これにより、間隔を調整するための機構を有さない既存のリードスイッチの間隔を調整することができる。よって、本発明の手段が適用されるリードスイッチの汎用性を確保することができる。
特徴23.前記磁界印加手段は、前記予備磁界を連続的に印加するものであることを特徴とする特徴22に記載の遊技機。
特徴23によれば、リードスイッチには、予備磁界が連続して印加されているため、リードスイッチの感度が高くなっている状態が維持されている。よって、磁石等を用いた不正行為を検知し易い状態が維持されているため、磁石等を用いた不正行為を好適に抑制することができる。
特徴24.前記磁界印加手段は、遊技に関する制御を行う制御手段(主制御基板201)に動作電力が供給されたことに基づいて、前記予備磁界の印加を開始し、
前記制御手段に動作電力が供給されている状態において、当該予備磁界の印加を継続するものであることを特徴とする特徴23に記載の遊技機。
特徴24によれば、制御手段に動作電力が供給されたことに基づいて、予備磁界の印加が開始され、制御手段への動作電力の供給が停止するまで上記予備磁界の印加状態が維持される。これにより、遊技が行われている状況においては、常にリードスイッチの感度が高められている。よって、遊技が行われている状況において磁石を用いた不正行為を抑制することができる。
また、制御手段に対して動作電力が供給されることによって、予備磁界の印加が開始されるため、磁界印加手段を起動させるための人的作業が必要ない。これにより、予備磁界を印加することに伴う管理者の負担を軽減することができる。
さらに、制御手段は、遊技に関する制御を行う前段階として、遊技に関する制御を行う場合に用いられる情報を初期化する処理を実行するものである場合、当該初期化する処理が実行されることに基づいて、予備磁界の印加を開始するものであるとよい。これにより、遊技が行われる前段階にて予備磁界の印加が開始されることとなる。
特徴25.前記磁界印加手段により印加される予備磁界の向きを交互に切り替える切替手段(バイアス回路230)を備えていることを特徴とする特徴22乃至24のいずれか1に記載の遊技機。
磁界印加手段によって所定の方向の予備磁界がリードスイッチに対して貫いている状況において、磁界印加手段による予備磁界の向きに対して反対方向の磁界がリードスイッチに対して印加された場合、両者は互いに打ち消しあうため、結果として磁気が検知されないという不都合が生じる。
これに対して、本特徴によれば、リードスイッチに対して印加される予備磁界の向きが交互に切り替わるため、いずれの向きの磁界がリードスイッチに対して印加された場合であっても、当該磁界を検知することができる。これにより、予め予備磁界を印加しておくことによって生じ得る不都合を回避することができる。
上記特徴20乃至25の構成については、上記各実施形態の構成及びその他の実施形態における(3)〜(27)に示した構成を適用してもよく、下記に示す構成を適用してもよい。
(28)リードスイッチ90の接点間隔を調整する手段として磁気印加手段を用いたが、これに限られず、例えば磁界印加手段に代えて、電磁アクチュエータ又は圧電アクチュエータ等を用いて第1リード片92及び第2リード片93を互いに近づける接触式の間隔調整機構を設けてもよい。この場合であっても、両者を互いに接触しない状態で近づけることによってリードスイッチ90の感度を向上させることができる。但し、接触式の間隔調整機構の場合、予めリードスイッチ90に間隔調整機構を設ける必要がある。これに対して、磁界の印加という非接触式の間隔調整のほうがリードスイッチ90に対して予め処理を施しておく必要がないため、汎用性の観点から優れている。
(29)磁気検知手段としてリードスイッチ90を用いたが、これに限られず、例えばリレー回路を用いてもよい。この場合であっても、リレー回路が動作するのに必要な磁界よりも弱い予備磁界±Hsを印加することによって、リレー回路の接点間隔が狭くなるため、上記各実施形態と同様の効果を奏することができる。
特徴26.磁気を検知する磁気検知手段(リードスイッチ90)と、
前記磁気検知手段に対して所定以上の強さの磁界が及んだ場合に、予め定められた検知信号を出力する第1出力手段(検知回路220)と、
前記検知信号が入力される入力手段(MPU211)と、
前記入力手段に対して前記検知信号が入力されたことに基づいて、所定の信号を出力する第2出力手段(MPU211)と、
前記磁気検知手段に対して、前記所定の強さよりも弱い磁界である予備磁界を印加する磁界印加手段(コイル101)と、
を備えている遊技機。
特徴26によれば、磁気検知手段に対して所定以上の強さの磁界が及んだ場合、検知信号が出力され、当該検知信号が入力手段に対して入力されたことに基づいて、所定の信号が出力される。これにより、所定の信号を確認することによって、磁気を検知したことを確認することができる。
ここで、磁界印加手段によって、検知信号が出力される契機となる所定の強さよりも弱い磁界である予備磁界が磁気検知手段に対して予め印加されることにより、所定の強さとなるのに必要な外部からの磁界の強さが弱くなる。これにより、実質的に磁気検知手段の感度が向上する。よって、磁気検知手段が磁気を検知できる領域が大きくなるため、磁石を用いた不正行為が検知し易い。したがって、磁石等を用いた不正行為を抑制することができる。
以下に、以上の各特徴を適用し得る各種遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の絵柄を可変表示させる絵柄表示装置を備え、始動操作手段の操作に起因して前記複数の絵柄の可変表示が開始され、停止操作手段の操作に起因して前記複数の絵柄の可変表示が停止され、その停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する遊技機。