JP5380997B2 - ダイバーシティアンテナ装置と、これを用いた電子機器 - Google Patents

ダイバーシティアンテナ装置と、これを用いた電子機器 Download PDF

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Description

本発明は、例えば、無線通信機器に使用できる最大比合成方式または等利得合成方式のダイバーシティアンテナ装置に関するものである。
例えば、無線通信機器に使用可能な従来の等利得合成方式のダイバーシティアンテナ装置について、図28、29を用いて説明する。
図28において、従来の等利得合成方式のダイバーシティアンテナ装置のアンテナエレメント部分は、第1ダイポールアンテナ100と第2ダイポールアンテナ101とが直交配置されたクロスダイポールアンテナ102が用いられている。クロスダイポールアンテナ102の特長は、2つのダイポールアンテナの間の相関が低い点である。これは、2つのダイポールアンテナの偏波が直交していることに起因している。
クロスダイポールアンテナ102のように2つのアンテナエレメントの相関係数の低いアンテナエレメントをダイバーシティアンテナ装置に用いれば、ダイバーシティアンテナ装置の受信特性を良好なものとすることができる。
図29を用いて、従来のダイバーシティアンテナ装置の回路部111を示す。図28の第1ダイポールアンテナ100の給電部103は、図29の第1バラン105へ接続され、平衡/不平衡変換がなされる。同様に、図28の第2ダイポールアンテナ101の給電部104は、図29の第2バラン106へ接続され、平衡/不平衡変換がなされる。
第1バラン105の出力信号は第1可変移相器107へ入力されると共に、第2バラン106の出力信号は第2可変移相器108へ入力され、それぞれの入力信号の位相が変化した後、合成器109において、それぞれの信号は足し合わされる。
合成器109の出力信号は、信号処理部110に入力され、この信号処理部110において、入力信号は復調され、C/N(Carrier/Noise)比やBER(Bit Error Rate)等の受信信号の品質を表す信号品質値が導出される。そして、この導出された信号品質値を基に、信号処理部110は、第1可変移相器107および第2可変移相器108の移相量を、信号品質値が最良となるように制御する。
尚、本出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
特開2007−166188号公報
上記従来のダイバーシティアンテナ装置において、アンテナ部に用いたクロスダイポールアンテナ102は、アンテナ間の相関係数は低いという長所を有しているが、同時に、アンテナサイズが大きく、形状の保持等を考えると構造が複雑化するという課題を有していた。また、アンテナサイズを小さくし、アンテナ構造を単純化するために、クロスダイポールアンテナ102の代わりに、図29の従来のダイバーシティアンテナ装置の回路部111が実装されたグランド(図示せず)上に2本のモノポールアンテナ配置し、この2本のモノポールアンテナを用いて等利得合成方式のダイバーシティ受信を行う事も考えられる。しかし、この場合には、2本のモノポールアンテナの偏波を直交させることが不可能であるため、2本のモノポールアンテナ間の相関係数を低くする事が困難であり、ダイバーシティアンテナ装置の受信特性が劣化するという課題を有していた。
そこで本発明は、2つのアンテナエレメントのアンテナサイズが小さく、構造が単純であるにも関わらず、2つのアンテナエレメント間の相関係数が低く、受信特性の優れたダイバーシティアンテナ装置を提供することを目的とする。
この目的を達成するために、本発明のダイバーシティアンテナ装置は、第1アンテナエレメントと、第2アンテナエレメントと、第1アンテナエレメントに電気的に接続された第1可変移相器と、第2アンテナエレメントに電気的に接続された第2可変移相器と、第1可変移相器の出力信号と第2可変移相器の出力信号とを合成する合成器と、合成器の出力側に電気的に接続される信号処理部とを有し、信号処理部は、前記信号処理部に入力される信号の信号品質値を導出し、この信号品質値に基づいて第1可変移相器と第2可変移相器の移相量を制御すると共に、第1アンテナエレメントの入力インピーダンスと第2アンテナエレメントの入力インピーダンスとは概ね同一値であり、第1アンテナエレメントと第2アンテナエレメントのそれぞれの偏波が交差する点において、それぞれの偏波は所定の角度θを有しており、角度θ≠90度であり、且つ、角度θ≠0度であるダイバーシティアンテナ装置である。
本発明のダイバーシティアンテナ装置の第1アンテナエレメントの入力インピーダンスと第2アンテナエレメントの入力インピーダンスとは概ね同一値であるので、第1アンテナエレメントと第2アンテナエレメントの出力信号が偶(even)モードである場合と、第1アンテナエレメントと第2アンテナエレメントの出力信号が奇(odd)モードである場合とで、第1アンテナエレメントと第2アンテナエレメントとの合成の放射パターンの偏波が直交することとなる。この動作原理の詳細については、後述する。
これにより、例えば、2本のモノポールアンテナのような小型なアンテナエレメント(それぞれの放射パターンの偏波は直交していない)を用いても、給電のモード(偶モード及び奇モードの2つの給電方法)により、2つのモノポールアンテナの合成の放射パターンにおいては、直交する2つの偏波を得る事ができ、最大比合成方式および等利得合成方式のダイバーシティ方式において、良好な受信特性を得る事ができる。
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1について、図1を用いて説明する。図1は、本発明のダイバーシティアンテナ装置のブロック図である。
図1において、本発明のダイバーシティアンテナ装置1は、第1アンテナエレメント2と、第2アンテナエレメント3と、第1アンテナエレメント2に電気的に接続された第1可変移相器4と、第2アンテナエレメント3に電気的に接続された第2可変移相器5と、第1可変移相器4の出力信号と第2可変移相器5の出力信号とを合成する合成器6と、合成器6の出力側に電気的に接続される信号処理部7とを有している。
そして、信号処理部7は、信号処理部7に入力される信号の信号品質値を導出し、この信号品質値に基づいて第1可変移相器4と第2可変移相器5の移相量を制御する。
また、第1アンテナエレメント2と第2アンテナエレメント3のそれぞれの偏波が交差する点において、それぞれの偏波は所定の角度θを有しており、角度θ≠0度で且つ、θ≠90度である。
ここで、特許請求の範囲における「第1アンテナエレメントと第2アンテナエレメントのそれぞれの偏波」とは、第1アンテナエレメント2の偏波と第2アンテナエレメント3の偏波とを指している。ここで「第1アンテナエレメント2の偏波」とは、「第1アンテナエレメント2のみに給電した場合(第2アンテナエレメント3には給電せず、第2アンテナエレメント3の直下に負荷抵抗が接続されていると仮定)の偏波を指している。また、「第2アンテナエレメント3の偏波」とは、第2アンテナエレメント3のみに給電した場合(第1アンテナエレメント2には給電せず、第1アンテナエレメント2の直下に負荷抵抗が接続されていると仮定)の偏波とを指している。
また、第1アンテナエレメント2と第2アンテナエレメント3とが、グランド板(図示せず)と共にアンテナ動作するモノポールアンテナのようなアンテナである場合は、グランド板と共にアンテナ動作した結果の偏波を指している。
尚、特許請求の範囲においては、偏波が直線偏波である場合の各直線偏波の配置要件を記載したが、第1アンテナエレメント2と第2アンテナエレメント3の内、少なくとも一方のアンテナエレメントの偏波が楕円偏波又は円偏波の場合は、偏波方向が時間的に変化する事となるため、定常的に角度θ=0度又はθ=90度で維持される事はない。このため、第1アンテナエレメント2と第2アンテナエレメント3の内、少なくとも一方のアンテナエレメントの偏波が楕円偏波又は円偏波の場合は、本発明のダイバーシティアンテナ装置が有する顕著な効果を発揮する事ができる。
更に、特許請求の範囲における「それぞれの直線偏波が交差する点」とは、それぞれの直線偏波が直接的に交わる点のみを指しているのではなく、直接的に交わっておらず立体的に交わる点をも含んでいる(つまり、それぞれの直線偏波が平行に配置されていなければ、必ず、それぞれの直線偏波は直接的又は立体的に交わっている事になる)。ここで、それぞれの直線偏波が立体的に交差している場合に、それぞれの直線偏波が交差する点とは、それぞれの直線偏波に対し平行な1つの面を想起し、その面の鉛直方向からそれぞれの直線偏波を見た時の、それぞれの直線偏波が交差する点を指している。同様に、特許請求の範囲における「所定の角度θ」とは、それぞれの直線偏波に対し平行な1つの面を想起し、その面の鉛直方向からそれぞれの直線偏波を見た時の、それぞれの直線偏波が成す角度を指している。
角度θが0度の場合、近接して配置された第1アンテナエレメント2と第2アンテナエレメント3のそれぞれの直線偏波が同一方向に揃ってしまうため、第1アンテナエレメント2と第2アンテナエレメント2とで受信される信号がほぼ同一のものとなってしまう。その結果、ダイバーシティアンテナの効果が無くなり、物理的に2本のアンテナエレメントを用いながら、実質的に1本分のアンテナエレメントを用いた場合と同等性能しか得られないこととなる。よって、角度θ=0度の場合は、本発明のダイバーシティアンテナ装置が有する有利な効果が得られないため、特許請求の範囲からこの部分を除く事とした。
以下、図1を用いて、本発明のダイバーシティアンテナ装置1の動作について説明する。
第1アンテナエレメント2で受信された信号は、第1可変移相器4に入力される。そして、第1可変移相器4は、入力された信号の位相を所定の移相量だけ回転させた後、第1可変増幅器8へ出力する。第1可変増幅器8は、入力された信号の振幅を所定量だけ増幅させた後、合成器6へ出力する。
第2アンテナエレメント3で受信された信号は、第2可変移相器5に入力される。そして、第2可変移相器5は、入力された信号の位相を所定の移相量だけ回転させた後、第2可変増幅器9へ出力する。第2可変増幅器9は、入力された信号の振幅を所定量だけ増幅させた後、合成器6へ出力する。
合成器6は、第1可変増幅器8と第2可変増幅器9とから入力される信号を足し合わせた後、復調回路(図示せず)へ出力される。
合成器6の出力信号の一部は信号処理部7に入力されると共に、信号処理部7は、入力された信号の信号品質値を導出する。ここで、信号品質値とは、信号の品質を表す指標を指しており、具体的には、BER(Bit Error Rate)やC/N(Carrier/Noise)、S/N(Signal/Noise)等の指標を指している。そして、信号処理部7は、導出された信号品質値が最も良化するように、第1可変移相器4と第2可変移相器5のそれぞれの移相量と、第1可変増幅器8と第2可変増幅器9のそれぞれの利得とを制御する。
本発明のダイバーシティアンテナ装置1の構成において、特徴的な構成は、第1アンテナエレメント2の入力インピーダンスと前記第2アンテナエレメントの入力インピーダンスとが概ね同一値である点である。
以下、なぜこの構成により良好な受信特性が得られるのかについて、図2を用いて説明する。
図2に示すダイバーシティアンテナ装置10は、近接して配置された第1アンテナエレメント2と第2アンテナエレメント3と、第1アンテナエレメント2と電気的に接続される第1給電部11と、第2アンテナエレメント3と電気的に接続される第2給電部12と、第1給電部11と第2給電部12とが電気的に接続されるグランド板13とを有している。尚、図2においては、簡略化のため第1給電部11と第2給電部12を用いて表現しているが、実際的には、第1給電部11と第2給電部12は、図1の第1可変移相器4、第2可変移相器5、第1可変増幅器8、第2可変増幅器9等により構成されている。また、簡略化のため、図2においては、合成器6、信号処理部7を標記していない(このことは図2以降の同様の図においても適用される)。
図2のように、一般に2本のアンテナエレメントが近接して配置された場合、それぞれのアンテナエレメントが電磁結合し、それによって受信特性が劣化してしまうという課題を有していた。具体的には、一方のアンテナエレメントから輻射された信号の一部が、電磁結合している他方のアンテナエレメントで受信され、他方のアンテナエレメント直下に接続されている負荷抵抗で消費されてしまう現象である。そのため、この電磁結合による損失を減らすため、図28に示したクロスダイポールアンテナのように、アンテナエレメントそのものを直交させ、アンテナエレメント上に発生する放射に寄与する電流を直交させることで、電磁結合による損失を減らすといった手法が、従来、採用されていた。
この場合、アンテナエレメント上の放射に寄与する電流が直交していることから、それによってできる二つのアンテナの指向性のピーク方向は直交し、二つの直交する偏波をもつこととなり、良好なダイバーシティ効果が得られていた。
しかし、クロスダイポールアンテナは、2組のダイポールアンテナを直交した状態で保持する必要があり、その構造を実現するのに困難性が伴っていた。
また、単純に、アンテナ間隔を離すことで電磁結合の損失を減らすといった手法もよく採用されていた。
この場合、それぞれのアンテナエレメント上の放射に寄与する電流は、アンテナエレメント同士が離れていることから互いに影響を及ぼさないこととなる。更に、2つのアンテナエレメントの間隔が離れていることから、それぞれのアンテナエレメントの受信信号は、2つのアンテナエレメントの間隔に起因して生じる信号の通路長差分だけ異なる位相回転項がかけられ、これにより二つのアンテナの受信信号は異なるものが得られることとなる。結果、良好なダイバーシティ効果が得られていた。しかし、上記の従来のダイバーシティアンテナ装置の場合、2つのアンテナエレメントを離間して配置する必要があるため、大型化するという課題を有していた。
本発明では、図2のように、それぞれのアンテナエレメントが近接し結合している状態においても、相関の少ない2つの信号を受信でき、良好な受信感度が得られるダイバーシティアンテナ装置を提案する。
図2において、第1アンテナエレメント2に電気的に接続される第1給電ポート14と、第2アンテナエレメント3に電気的に接続される第2給電ポート15との2ポートのSパラメータは、(数1)で表される。
Figure 0005380997
(数1)において、第1給電ポート14から第1アンテナエレメント2を見たときの入力インピーダンスはS11、第2給電ポート15から第2アンテナエレメント3を見たときの入力インピーダンスはS22、第1アンテナエレメント2と第2アンテナエレメント3との間の結合はS21であり、それぞれのアンテナエレメントがパッシブ回路であることからS21=S12となる。即ち、アンテナエレメント間が結合している状態は、(数2)の場合といえる。
Figure 0005380997
本発明のダイバーシティアンテナ装置においては、(数2)で表されるアンテナエレメント間が電磁結合をしている状態においても良好なダイバーシティ効果を得ることができるように設計される。
図2に示すダイバーシティアンテナ装置10の各アンテナエレメントへの給電の方法においては、アンテナ上に発生する放射に寄与する電流は互いに結合するため直交せず、それによってできる各アンテナエレメントの指向性のピーク方向も直交せず、二つの直交する偏波を発生させる事はできない。
そこで、本発明のダイバーシティアンテナ装置においては、、それぞれのアンテナエレメントを同相(偶モード)、逆相(奇モード)で給電することを考えてみた。
第1給電ポート14と第2給電ポート15とから2つのアンテナエレメントに対して偶モードで給電する場合の入力インピーダンスをSccで表し、第1給電ポート14と第2給電ポート15とから2つのアンテナエレメントに対して奇モードで給電する場合の入力インピーダンスをSddで表し、偶モード、奇モード間の結合をSdc(=Scd)とすると、これは(数3)で表すことができる。
Figure 0005380997
(数3)において、上述の通り、S21=S12であることから、(数3)は(数4)のようになる。
Figure 0005380997
(数4)において、本発明の特長であるS11=S22の条件を考慮すれば、(数5)のようになる。
Figure 0005380997
(数5)より、偶モード、奇モード間の結合を表すSdc(=Scd)の項を0とすることができ、2つの給電モードで給電した場合の給電モード間の電磁結合を概ね無くする事が出来、結果、電磁結合による受信特性の劣化を、原理的にほぼ無くする事ができる。
すなわち、第1給電ポート14と第2給電ポート15とに偶モード給電、奇モード給電することにより、第1アンテナエレメント2、第2アンテナエレメント3、グランド板13等に流れるそれぞれの給電モードに起因した電流は、互いに影響を及ぼさない関係となっている。
次に、この動作原理を物理的に説明する。
第1アンテナエレメント2と第2アンテナエレメント3に対して、偶モード給電、奇モード給電するということは、図3に示したような給電を行うことを表している。つまり、第1給電部11は、第1給電ポート14と第2給電ポート15に対して奇モード給電を行い、第2給電部12は、第1給電ポート14と第2給電ポート15に対して偶モード給電を行うこととなる。
まず、第1アンテナエレメント2と第2アンテナエレメント3に対して、第2給電部12が偶モード給電した場合について、図4を用いて説明する。
この場合、各アンテナエレメントの各給電ポートからみた入力インピーダンスが概ね同じであることから、第1給電ポート14と、第2給電ポート15とは概ね同電位で給電されることとなる。
すなわち、図4中における第1給電部11(奇モード給電側)の給電点のプラス側、マイナス側が常に同電位になり、第1給電部11へは第2給電部12からの信号が流れず、第1給電部11と第2給電部12とはアイソレーションが原理的に取れることとなる。
次に、第1給電部11(奇モード給電側)が、第1給電ポート14と第2給電ポート15に対して奇モード給電を行った場合を、図5を用いて説明する。
この場合、各アンテナエレメントの各給電ポートからのみた入力インピーダンスは概ね同じであることから、第1給電ポート14と、第2給電ポート15とでは逆電位で給電されることとなる。
すなわち、図5における第2給電部12(偶モード給電側)の給電点のプラス側においては、第1給電ポート14と第2給電ポート15とに発生する逆位相の信号が合成されて、常に概ね零電位となる。よって、第2給電部12側へは第1給電部11から信号が流れず、第1給電部11と第2給電部12とはアイソレーションが原理的に取れることとなる。
これより、第1給電ポート14と第2給電ポート15に対して偶モード給電、奇モード給電することにより、それぞれの給電方法に係る信号が、互いに影響を及ぼさないようすることができる。
さらに、互いに影響を及ぼしていないということは、放射に寄与する電流は直交することとなる。
すなわち、それぞれのアンテナが近接し結合している状態においても、このアンテナは放射に寄与する2つの直交する電流を作ることができる。
よって、二つのアンテナの指向性のピーク方向は直交し、二つの直交する偏波をもつこととなり、良好なダイバーシティ効果が得ることができる。
例えば、2本のモノポールアンテナのような小型なアンテナエレメント(それぞれの放射パターンの偏波は直交していない)を用いても、2つのモノポールアンテナの合成の放射パターンにおいては、給電のモード(偶モード及び奇モード)により、直交する2つの偏波を得る事ができ、最大比合成方式および等利得合成方式のダイバーシティ方式において、良好な受信特性を得る事ができる。
これにより、近接して配置された第1アンテナエレメント2と第2アンテナエレメント3を用いたとしても、第1給電部11と第2給電部12とにおいて、相関の低い2つの信号を受信する事が可能となり、小型で且つ受信特性の優れたダイバーシティアンテナ装置を実現することができる。
本発明のダイバーシティアンテナ装置の構成により、どうして上記のような隅モード給電、奇モード給電が行えているかについて、以下、説明する。
本発明のダイバーシティアンテナ装置は、図6に示す回路ブロックにより実現できる。図6において、第1アンテナエレメント2と第2アンテナエレメント3とは、偶モード奇モード分波回路16に接続される。ここで、偶モード奇モード分波回路16は、図3に示した第1給電ポート14、第2給電ポート15、第1給電部11、第2給電部12等から構成されており、図3の場合と同様に、第1アンテナエレメント2と第1給電ポート14とは電気的に接続されており、第2アンテナエレメント3と第2給電ポート15とは電気的に接続されている。
また、第1給電部11で受信された信号は図6中の第1チューナ17に入力され、第2給電部12で受信された信号は図6中の第2チューナ18に入力される。そして、第1チューナ17と第2チューナ18とは、ダイバーシティ合成器19に電気的に接続されている。
ダイバーシティ合成器19は、第1チューナ17からの信号が入力される第1可変移相器4と、第1可変移相器4からの信号が入力される第1可変増幅器8と、第2チューナ18からの信号が入力される第2可変移相器5と、第2可変移相器5からの信号が入力される第2可変増幅器9と、第1可変増幅器8からの信号と第2可変増幅器9からの信号とが合成される合成器6とを有している。
合成器6の出力信号の一部は信号処理部7(図6中には便宜上、図示せず)に入力されると共に、信号処理部7は入力された信号の信号品質値を導出する。そして、導出された信号品質値に基づいて、信号処理部7はこの信号品質値が最良となる様に、第1可変移相器4と第2可変移相器5の移相量と、第1可変増幅器8と第2可変増幅器9の利得とを制御する。
図6に示すように、偶モード奇モード分波回路16を介して第1アンテナエレメント2と第2アンテナエレメント3に接続する事で、図3に示した偶モード給電、奇モード給電を行った事と等価となるため、上記の本発明の顕著な効果を得る事ができる。
尚、偶モード奇モード分波回路16は、図7に示す位置に配置しても、同様の効果を得る事ができる。
次に、図8を用いて、偶モード奇モード分波回路16の具体的な実現方法を示す。
図8において、偶モード奇モード分波回路16は、第1アンテナエレメント2と電気的に接続された第1給電ポート14と、第2アンテナエレメント3と電気的に接続された第2給電ポート15と、第1給電ポート14に電気的に接続されると共に移相量が90度の第1移相器20と、第1給電ポート14に電気的に接続されると共に移相量が90度の第3移相器22と、第2給電ポート15に電気的に接続されると共に移相量が90度の第2移相器21と、第2給電ポート15に電気的に接続されると共に移相量が−90度の第4移相器23と、第1移相器20と第2移相器21とが電気的に接続された第1交点24と、第3移相器22と第4移相器23とが電気的に接続された第2交点25とを備えている。そして、第1交点24は第1チューナ17と電気的に接続されており、第2交点25は第2チューナ18と電気的に接続されている。
図8においては、第1交点24から給電した場合、第1給電ポート14と第2給電ポート15とは偶モードで給電され、第2交点25から給電した場合、第1給電ポート14と第2給電ポート15とは奇モードで給電されたこととなる。
第1交点24から給電した場合、それぞれ、移相量が90度の第1移相器20と、第2移相器21とを介して、第1給電ポート14と第2給電ポート15とに到達するため、第1給電ポート14と第2給電ポート15の電圧は概ね同電位となる。そのため、第2交点25においては、それぞれ、移相量90度の第3移相器22と、移相量−90度の第4移相器23とを介した後、逆電位で足しあわされることとなる。すなわち、第2交点25は、常に概ね零電位となり、接地されているように見える。
よって、第1交点24から入力された信号は、第2交点25の給電点には影響を及ぼさないと共に、第1給電ポート14と第2給電ポート15とに発生する偶モードの信号は、第2交点25には概ね現れない事となる。
上記の通り、第2交点25が接地されていることと等価であることから、図9のように表せる。図9に示したように、第1給電ポート14と第2給電ポート15とは、それぞれ、90度、−90度の移相器を介してグランドに接地されている事となる。よって、この構成がショートスタブとして動作し、第1給電ポート14から第2交点側と、第2給電ポート15から第2交点側とは開放状態として見え、図10に示す回路と等価と言える。
以上より、第1給電ポート14と第2給電ポート15とに偶モードの信号が供給された場合には、第1給電ポート14から第2交点25側と、第2給電ポート15から第2交点25側とは開放状態のように見え、第2交点25側へは信号が入力されないこととなる。
次に、第2交点25から給電した場合、それぞれ、移相量90度の第3移相器22と、移相量−90度の第4移相器23とを介して、第1給電ポート14と第2給電ポート15とに到達するため、第1給電ポート14と第2給電ポート15の電圧は逆電位になる。そのため、第1交点24においては、それぞれ、移相量90度の第1移相器20と第2移相器21とを介した後、逆電位で足しあわされることとなる。すなわち、第1交点24は、常に概ね零電位となり、接地されているように見える。
よって、第2交点25から入力された信号は、第1交点24の給電点には影響を及ぼさないと共に、第1給電ポート14と第2給電ポート15とに発生する奇モードの信号は、第1交点24には概ね現れない事となる。
上記の通り、第1交点24が接地されていることと等価であることから、図11のように表せる。図11に示したように、第1給電ポート14と第2給電ポート15とは、それぞれ、90度、90度の移相器を介してグランドに接地されている事となる。よって、この構成がショートスタブとして動作し、第1給電ポート14から第1交点側と、第2給電ポート15から第1交点側とは開放状態として見え、図12に示す回路と等価と言える。
以上より、第1給電ポート14と第2給電ポート15とに奇モードの信号が供給された場合には、第1給電ポート14から第1交点24側と第2給電ポート15から第1交点24側とは開放状態のように見え、第1交点24側へは信号が入力されないこととなる。
図8における偶モード奇モード分波回路16の位置ではなく、図13に示したように、第1チューナ17、第2チューナ18と、ダイバーシティ合成奇19との間に配置しても、同様の効果が期待できる。
図8、又は、図13に示すように、信号処理部7(図示せず)により最適制御される第1可変移相器4、第2可変移相器5とをダイバーシティ合成器19が有するような、最大比合成方式または等利得合成方式のダイバーシティアンテナ装置においては、実質的に、偶モード奇モード分波回路16を削除しても(図14に示した構成としても)、図8や図13で示すダイバーシティアンテナ装置と同様の効果を得ることができる。
以下、何故、このようなことが言えるかについて、図15を用いて説明する。
図15において、第1アンテナエレメント2の受信信号をx1(t)とし、第2アンテナエレメント3の受信信号をx2(t)とすると、x1(t)とx2(t)とは、それぞれ(数6)のように表される。
Figure 0005380997
ここで、s1(t)は第1アンテナエレメント2の受信ベースバンド信号であり、s2(t)は第2アンテナエレメント3の受信ベースバンド信号である。また、fcはキャリア周波数である。
第1チューナ17及び第2チューナ18において、キャリア周波数fcからベースバンドへ周波数変換されるため、第1チューナ17及び第2チューナ18の出力側においては、(数6)のexp(j*2*pi*fc*t)の項がなくなる。更に、偶モード奇モード分波回路16によって、ダイバーシティ合成器19の入力信号は、それぞれ、(数7)のように表される。
Figure 0005380997
(数7)に示した二つの信号によって、ダイバーシティ合成が行われる。
第1可変移相器4と第1可変増幅器8のダイバーシティ最適化後の重み付けの総和がαであったとし、第2可変移相器5と第2可変増幅器9のダイバーシティ最適化後の重み付けの総和がβであったとすると、合成器6からの出力信号は、(数8)のように表される。
Figure 0005380997
ここで、偶モード奇モード分波回路16がない場合の合成器6からの出力信号を、図16を用いて考えてみる。
図16において、第1アンテナエレメント2の受信信号をx1(t)とし、第2アンテナエレメント3の受信信号をx2(t)とすると、x1(t)とx2(t)とは、それぞれ(数6)と同様に表される。
そして、図15の場合と同様に、第1チューナ17及び第2チューナ18において、キャリア周波数fcからベースバンドへ周波数変換されるため、第1チューナ17及び第2チューナ18の出力側においては、(数6)のexp(j*2*pi*fc*t)の項がなくなる。
よって、ダイバーシティ合成器19の入力信号は、それぞれs1(t)、s2(t)と表される。この二つの信号によって、ダイバーシティ合成が行われることとなる。
第1可変移相器4と第1可変増幅器8のダイバーシティ最適化後の重み付けの総和がα'であったとし、第2可変移相器5と第2可変増幅器9のダイバーシティ最適化後の重み付けの総和がβ'であったとすると、合成器6からの出力信号は、(数9)のように表される。
Figure 0005380997
すなわち、ダイバーシティ合成器19において、第1可変移相器8、第2可変移相器9、第1可変増幅器8、第2可変増幅器9の内、少なくとも1つが信号処理部7(図16においては便宜上、図示せず)により最適化されることにより、(数10)のように動作した場合、合成器6からの出力信号は、(数8)と同じものとなることが分かる。
Figure 0005380997
故に、偶モード奇モード分波回路(または演算処理により偶モード奇モード分波回路を実現した場合は、その演算処理回路)は、削除しても同様の効果を得ることができる。
なお、上記説明はシングルキャリアの場合で説明したが、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)のようなマルチキャリア信号の場合でも、同様な処理を行うことができる。
また、特許請求の範囲における「第1アンテナエレメントの入力インピーダンス」とは(数1)、(数3)〜(数5)のS11のことであり、具体的には、第1アンテナエレメント2の給電点からアンテナ側を見た時のインピーダンス、または、偶モード奇モード分波回路16の第1給電ポート14からアンテナ側を見た時のインピーダンス、または、ダイバーシティ合成器19の第1可変移相器8の入力ポート(図示せず)からアンテナ側を見た時のインピーダンス等を表す。
同様に、特許請求の範囲における「第2アンテナエレメントの入力インピーダンス」とは(数1)、(数3)、(数4)のS22のことであり、具体的には、第2アンテナエレメント3の給電点からアンテナ側を見た時のインピーダンス、または、偶モード奇モード分波回路16の第2給電ポート15からアンテナ側を見た時のインピーダンス、または、ダイバーシティ合成器19の第2可変移相器9の入力ポート(図示せず)からアンテナ側を見た時のインピーダンス等を表す。
なお、本発明に係るダイバーシティアンテナ装置と、このダイバーシティアンテナ装置の出力側に電気的に接続された表示部とを有した電子機器は、第1アンテナエレメント2と第2アンテナエレメント3とが近接した状態でありながら、上述した有利な効果が得られるダイバーシティアンテナを実現できるため、小型で且つ受信性能に優れた電子機器を実現できる。
(実施の形態2)
以下、本発明の実施の形態2について、図17〜図26を用いて説明する。
図17は、本発明のダイバーシティアンテナ装置の一例である。図1と同一部分に関しては、同一符号を付記し、説明を割愛する。
図17において、ダイバーシティアンテナ装置1を構成する第1アンテナエレメント2と第2アンテナエレメント3とは、任意面において概ね面対称、又は任意線において概ね線対称となることを特徴とする。尚、特許請求の範囲における「第1アンテナエレメントと第2アンテナエレメントは任意線において概ね線対称となる、又は、任意面において概ね面対称となり」は、それぞれのアンテナエレメントの電気長において、線対称または面対称であることを含んでいる。
本発明においては、図17のように、それぞれのアンテナエレメントが近接し、電磁結合している状態においても、良好なダイバーシティアンテナ装置の受信感度が得られる方式を提案する。
実施の形態1と同様、図18のように、第1アンテナエレメント2と第2アンテナエレメント3とを偶モード給電(図19中の第2給電部12が該当)と、奇モード給電(図19中の第1給電部11が該当)とをすることを考える。
まず、第1アンテナエレメント2と第2アンテナエレメント3とが、偶モード給電された場合について、図19を用いて説明する。
図19において、第1アンテナエレメント2と第2アンテナエレメント3とが対称に構成されていることから、第1給電ポート14と第2給電ポート15とは同電位で給電されることとなる。すなわち、第1給電部11のプラス側、マイナス側が常に同電位になり、第2給電部12からの信号が第1給電部11へ流れ込まず、2つの給電部の間のアイソレーションが原理的に取れることが分かる。
同様に、奇モード給電した場合を図20に示す。
この場合、第1アンテナエレメント2と第2アンテナエレメント3とが、対称に構成されていることから、第1給電ポート14と第2給電ポート15とは逆電位で給電されることとなる。すなわち、第2給電部12のプラス側は、第1給電ポート14と第2給電ポート15の合成電位となり、常に概ね零電位となる。故に、第1給電部11からの信号は、第2給電部12へは流れ込まず、2つの給電部間のアイソレーションは原理的に取れることが分かる。
これより、第1アンテナエレメント2と第2アンテナエレメント3とを偶モード給電、奇モード給電することにより、2つの給電部は互いに影響を及ぼさないようすることができる。
さらに、第1給電ポート14と第2給電ポート15とを偶モード給電した場合、各アンテナエレメント上の電流分布は図21に示したものとなる。つまり、対称面(線)28に概ね直交する電流は打ち消され、対称面(線)28に概ね平行な電流のみが放射に寄与する電流として残る形となる。その結果、放射パターンのピークは、対称面(線)28に概ね直交する方向を向く事となる。
次に、第1給電ポート14と第2給電ポート15とを奇モード給電した場合、各アンテナエレメント上の電流分布は図22に示したものとなる。つまり、対称面(線)28に概ね平行な電流は打ち消され、対称面(線)28に概ね直交な電流のみが放射に寄与する電流として残る形となる。その結果、放射パターンのピークは、対称面(線)28に概ね平行な方向を向く事となる。
故に、これらを組み合わせると、図23のように、偶モード給電時と奇モード給電時のそれぞれの放射パターンのピーク方向は直交し、結果、本発明のダイバーシティアンテナ装置は二つの直交する偏波をもつこととなり、良好なダイバーシティ効果を得ることができる。
なお、本発明の場合、実施の形態1と同様、偶モード奇モード分波回路16(または同様の効果を得るための演算処理を実施する演算処理回路)を、第1チューナ17、第2チューナ18の入力側または出力側に接続しても良い(図24、図25参照のこと)。
また、ダイバーシティ合成方式として最大比合成方式または等利得合成方式を用いる場合、実施の形態1で説明した理由により、偶モード奇モード分波回路16(または同様の効果を得るための演算処理を実施する演算処理回路)を削除する事もできる。これにより、簡易にダイバーシティアンテナ装置を実現する事ができる。
なお、第1アンテナエレメント2と第2アンテナエレメント3とを任意面に対して概ね面対称、又は任意線に対して概ね線対称とすることにより、図17〜図26に示した各アンテナエレメントの形状以外の形状であったとしても、偶モード給電時は対称面(線)28に概ね平行な偏波が、奇モード給電時は、対称面(線)28に概ね直交する偏波が生まれる。このため、本発明の特徴である「第1アンテナエレメント2と第2アンテナエレメント3とを任意面に対して概ね面対称、又は任意線に対して概ね線対称である」により、ダイバーシティアンテナ装置としては理想的な直交する2つの偏波を生成することができる。
なお、特許請求の範囲の「第1アンテナエレメントと第2アンテナエレメントのそれぞれの直線偏波が交差する点において、それぞれの直線偏波は所定の角度θを有しており、角度θ≠0度である」との記載は、互いに偏波が平行である場合には、偶・奇モードで給電しても、2つの偏波が得られないため、特許請求の範囲の請求項1、2から、この部分を削除するために記載した。
この具体的な状況を、図27を用いて説明する。図27において、第1アンテナエレメント2の偏波と第2アンテナエレメント3の偏波とが、共に、対称面(線)28に平行であった場合、奇モード給電しても、対称面(線)28に直交する偏波を生成する事が極めて困難であるため、2つの直交する偏波を生成する事が不可能となる。
よって、2つの直交する偏波が得られないため、特許請求の範囲の請求項1、2から、この部分を削除するための記載を追加した。
なお、特許請求の範囲における「線対称」、「面対称」とは、構造上対称になっていなくても、電気的に対称になっていればその範囲に含まれ、同様な効果を得ることができる。
以上のように、本発明のダイバーシティアンテナ装置は、例えば、2本のモノポールアンテナのような小型なアンテナエレメント(それぞれのアンテナエレメントの偏波は直交及び平行ではない)を用いても、2つのモノポールアンテナの合成の放射パターンにおいては、給電のモード(偶モード及び奇モード)により直交する2つの偏波を得る事ができる。故に、最大比合成方式および等利得合成方式のダイバーシティ方式において、良好な受信特性を得る事ができ、小型の通信端末などに利用する事ができる。
本発明のダイバーシティアンテナ装置のブロック図 ダイバーシティアンテナ装置のブロック図 本発明のダイバーシティアンテナ装置のブロック図 本発明のダイバーシティアンテナ装置のブロック図 本発明のダイバーシティアンテナ装置のブロック図 本発明のダイバーシティアンテナ装置のブロック図 本発明のダイバーシティアンテナ装置のブロック図 本発明のダイバーシティアンテナ装置のブロック図 本発明のダイバーシティアンテナ装置のブロック図 本発明のダイバーシティアンテナ装置のブロック図 本発明のダイバーシティアンテナ装置のブロック図 本発明のダイバーシティアンテナ装置のブロック図 本発明のダイバーシティアンテナ装置のブロック図 本発明のダイバーシティアンテナ装置のブロック図 本発明のダイバーシティアンテナ装置のブロック図 本発明のダイバーシティアンテナ装置のブロック図 本発明のダイバーシティアンテナ装置のブロック図 本発明のダイバーシティアンテナ装置のブロック図 本発明のダイバーシティアンテナ装置のブロック図 本発明のダイバーシティアンテナ装置のブロック図 本発明のダイバーシティアンテナ装置のブロック図 本発明のダイバーシティアンテナ装置のブロック図 本発明のダイバーシティアンテナ装置のブロック図 本発明のダイバーシティアンテナ装置のブロック図 本発明のダイバーシティアンテナ装置のブロック図 本発明のダイバーシティアンテナ装置のブロック図 ダイバーシティアンテナ装置のブロック図 従来のクロスダイポールアンテナの概観図 従来のダイバーシティアンテナ装置のブロック図
符号の説明
1 ダイバーシティアンテナ装置
2 第1アンテナエレメント
3 第2アンテナエレメント
4 第1可変移相器
5 第2可変移相器
6 合成器
7 信号処理部
8 第1可変増幅器
9 第2可変増幅器
10 従来のダイバーシティアンテナ装置
11 第1給電部
12 第2給電部
13 グランド板
14 第1給電ポート
15 第2給電ポート
16 偶モード奇モード分波回路
17 第1チューナ
18 第2チューナ
19 ダイバーシティ合成器
20 第1移相器
21 第2移相器
22 第3移相器
23 第4位相器
24 第1交点
25 第2交点
28 対称面(線)

Claims (5)

  1. 第1アンテナエレメントと、第2アンテナエレメントと、
    前記第1アンテナエレメントに電気的に接続された第1可変移相器と、
    前記第2アンテナエレメントに電気的に接続された第2可変移相器と、
    前記第1可変移相器の出力信号と前記第2可変移相器の出力信号とを合成する合成器と、
    前記合成器の出力側に電気的に接続される信号処理部と
    前記第1可変位相器に直列に接続された第1可変増幅器と、
    前記第2可変位相器に直列に接続された第2可変増幅器と、
    を有し、
    前記信号処理部は、前記信号処理部に入力される信号の信号品質値を導出し、この信号品質値に基づいて前記第1可変移相器と前記第2可変移相器の移相量を制御すると共に、
    前記第1アンテナエレメントの入力インピーダンスと前記第2アンテナエレメントの入力インピーダンスとは概ね同一値であり、
    前記第1アンテナエレメントと前記第2アンテナエレメントのそれぞれの偏波が共に直線偏波の場合は、
    前記第1アンテナエレメントと前記第2アンテナエレメントのそれぞれの直線偏波が交差する点において、それぞれの直線偏波は所定の角度θを有しており、角度θ≠0度で且つ、θ≠90度であって、
    前記信号処理部は、前記信号品質値に基づいて前記第1可変移相器の移相量と前記第2可変移相器の移相量と前記第1可変増幅器と前記第2可変増幅器の利得とを制御することにより、
    直交する偏波から得られた2つの信号を前記合成器で合成することと同様の効果が得られるダイバーシティアンテナ装置。
  2. 第1アンテナエレメントと、第2アンテナエレメントと、
    前記第1アンテナエレメントに電気的に接続された第1可変移相器と、
    前記第2アンテナエレメントに電気的に接続された第2可変移相器と、
    前記第1可変移相器の出力信号と前記第2可変移相器の出力信号とを合成する合成器と、
    前記合成器の出力側に電気的に接続される信号処理部と
    前記第1可変位相器に直列に接続された第1可変増幅器と、
    前記第2可変位相器に直列に接続された第2可変増幅器と、
    を有し、
    前記信号処理部は、前記信号処理部に入力される信号の信号品質値を導出し、この信号品質値に基づいて前記第1可変移相器と前記第2可変移相器の移相量を制御すると共に、
    前記第1アンテナエレメントと前記第2アンテナエレメントは任意線において概ね線対称となる、又は、任意面において概ね面対称となり、
    前記第1アンテナエレメントと前記第2アンテナエレメントのそれぞれの偏波が共に直線偏波の場合は、
    前記第1アンテナエレメントと前記第2アンテナエレメントのそれぞれの直線偏波が交差する点において、それぞれの直線偏波は所定の角度θを有しており、
    角度θ≠0度で且つ、θ≠90度であって、
    前記信号処理部は、前記信号品質値に基づいて前記第1可変移相器の移相量と前記第2可変移相器の移相量と前記第1可変増幅器と前記第2可変増幅器の利得とを制御することにより、
    直交する偏波から得られた2つの信号を前記合成器で合成することと同様の効果が得られるダイバーシティアンテナ装置。
  3. 前記信号処理部は、前記信号品質値が最良となるように前記第1可変移相器と前記第2可変移相器の移相量を制御することにより、
    直交する偏波から得られた2つの信号を前記合成器で合成することと同様の効果が得られる、請求項1又は請求項2のいずれかに記載のダイバーシティアンテナ装置。
  4. 前記信号処理部は、前記信号品質値が最良となるように前記第1可変増幅器と前記第2可変増幅器の利得を制御することにより、
    直交する偏波から得られた2つの信号を前記合成器で合成することと同様の効果が得られる請求項3に記載のダイバーシティアンテナ装置。
  5. 請求項1又は請求項2のいずれかのダイバーシティアンテナ装置と、
    前記ダイバーシティアンテナ装置の出力側に電気的に接続された表示部とを有した電子機器。
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