JP5380875B2 - 黒色色材及びトナー - Google Patents

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Description

本発明は、黒色色材及びトナーに関する。
従来、電子写真用トナー、インクジェットプリンター用インクなどの情報記録材料に用いられる黒色の色材としては、カーボンブラックやアニリンブラック、黒色酸化鉄、黒色チタン酸化物などが知られている。これらの黒色の色材は、情報記録材料以外にも、黒色光遮蔽性ガラス、プラズマディスプレイや液晶ディスプレイのブラックマトリックス材料、農業用遮光フィルム等に黒色や光遮蔽性を付与する材料として利用されている。
色材は一般的に、樹脂などのバインダーと混合した形態で使用される。製造時の混合工程や保管時の分散安定性を考慮すると、バインダーと色材の比重が近いことが望ましい。そのため、バインダーと同じ有機物質からなる有機系の黒色の色材は、工業上の利用価値が高い。
カーボンブラックは色濃度(単位重量あたりの着色度)が高く、黒色度、耐光性に優れた有機顔料である。
カーボンブラック以外の有機物質からなる黒色の色材としては、例えば、アニリンブラックやペリレン系顔料が知られている(例えば、非特許文献1、特許文献1および2を参照)。また、シアン、マゼンタ及びイエローの各有機系顔料を減色混合の原理で混ぜたもの(以下、「CMY混合黒」という)も黒色の材料としてある。
有機顔料ハンドブック、カラーオフィス編(2006) 特開2003−41144号公報 特開2003−41145号公報
代表的な有機系の黒色の色材であるカーボンブラックについては、近年その安全性を問う意見もあり、カーボンブラックに代わる黒色の色材の検討が盛んになされている。アニリンブラック、ペリレン系顔料、CMY混合黒などはカーボンブラックに代わる有機系の黒色の色材ではあるが、これらは黒色度及び耐光性をともに十分満足するものではない。
本発明は、カーボンブラックに代わる従来の有機系の黒色の材料に比べて、高い黒色度及び耐光性を両立させ得る有機系の黒色色材及びそれを用いるトナーを提供することを目的とする。
請求項1記載の発明は、10質量%以上の水と、触媒と、が含まれる反応溶媒中で、40℃以上80℃以下の温度で0.5時間以上8時間以下保持し、次いで反応液を10℃以上40℃以下の温度で2時間以上2000時間以下保持して、下記式(1)で表されるピロール化合物と下記式(2)で表される四角、をモル比[ピロール化合物/四角酸]0.5以上2以下で反応させることにより得られる縮合物を含む、黒色色材を提供する。


また、請求項記載の発明は、請求項1記載の黒色色材を含んでなるトナーを提供する。
請求項1に記載の発明は、アニリンブラック、ペリレン系顔料、CMY混合黒などのカーボンブラックに代わる従来の有機系の黒色の材料に比べて、高い黒色度及び耐光性を両立させ得る有機系の黒色色材を提供することができる。
また、請求項に係る発明は、本構成を有しない黒色色材と比較して、黒色度及び耐光性が高い黒色色材を提供することができる。
請求項に係る発明は、アニリンブラック、ペリレン系顔料、CMY混合黒などのカーボンブラックに代わる従来の有機系の黒色の材料を含むトナーと比較して、高い黒色度及び耐光性を両立させ得るトナーを提供することができる。
(黒色色材)
本発明の黒色色材は、下記式(1)で表されるピロール化合物と下記式(2)で表される四角酸との縮合物(以下、「本発明に係る縮合物」という場合もある。)を含むことを特徴とする。
但し、本発明の黒色色材としては、10質量%以上の水と、触媒と、が含まれる反応溶媒中で、40℃以上80℃以下の温度で0.5時間以上8時間以下保持し、次いで反応液を10℃以上40℃以下の温度で2時間以上2000時間以下保持して、下記式(1)で表されるピロール化合物と下記式(2)で表される四角、をモル比[ピロール化合物/四角酸]0.5以上2以下で反応させることにより得られる縮合物を含む黒色色材を適用する。


本発明の黒色色材において、上記縮合物は、上記ピロール化合物と上記四角酸とを水が含まれる反応溶媒中で反応させることにより得られたものであることが好ましい。この場合、黒色度及び耐光性がより一層向上した黒色色材を有効に実現できる。
ここで、「水が含まれる反応溶媒」とは、水を意図的に含有させた反応溶媒を意味し、ピロール化合物と四角酸との縮合反応によって発生する水を一時的に含む反応溶媒とは区別されるものである。すなわち、ピロール化合物と四角酸とを反応させる場合、非水系溶媒中で発生した水を脱水しながら縮合反応を進行させるのが通常である。これに対して、本実施形態の黒色色材は、水系の反応溶媒で縮合反応を進行させて得られた縮合物を含むものであり、これにより上記の効果を奏する黒色色材が有効に実現される。
ポリピロロスクアリリウム縮合物は、「Angewandte Chemie International Edition in English, Volume 4, Issue8, 1965, 694」の文献で公知である。しかし、この文献には、縮合物の色はブルーグリーンと記載されているだけであり、縮合物を黒色の色材として用いることについては何ら記載も示唆もない。また、本発明に係る縮合物は水を含む反応溶媒中で上記ピロール化合物と上記四角酸とを反応させて得られるのに対して、上記文献では脱水反応により縮合物を得ている。反応系が全く異なることから生成物、すなわち縮合物は互いに異なるものといえる。
本発明に係る縮合物は、例えば、以下の方法により得ることができる。水が含まれる反応溶媒に、上記式(1)で表されるピロール化合物及び上記式(2)で表される四角酸を溶解し、更に触媒を添加して反応液を調製する。次に、この反応液を所定の条件で反応させることにより本発明に係る縮合物が黒色沈殿物として得られる。
水が含まれる反応溶媒における水の含有量は、可視域の全領域にわたって光吸収を示す縮合物がより確実に得られるよう、10質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好ましい。また、水以外の溶媒としては、上記ピロール化合物及び四角酸を溶解するものであればよく、例えば、エタノール、メタノール、イソプロパノールなどのアルコールが挙げられる。特に好ましい反応溶媒としては、含水エタノールが挙げられる。含水エタノールの水分量は、縮合物の沈殿・ろ過回収性を向上させるため、15質量%以上40質量%以下が好ましい。
触媒としては、例えば、過塩素酸、パラトルエンスルホン酸などが挙げられる。
ピロール化合物及び四角酸の仕込み量は、ピロール化合物と四角酸とのモル比([ピロール化合物]/[四角酸])を0.5以上2以下の範囲とすることが好ましく、等モル量とすることがより好ましい。
上記反応液の反応条件としては、例えば、始めに反応液を40℃以上80℃以下の温度で0.5時間以上8時間以下保持し、次いで反応液を10℃以上40℃以下の温度で2時間以上2000時間以下保持する条件が挙げられる。なお、反応条件は、黒色の縮合物が収率よく得られるよう適宜調整することができる。
本発明に係る縮合物は、粒径が20nm以上400nm以下の微粒子であることが好ましい。このような縮合物は、粒子表面からの散乱光をより少なくでき色濃度を更に高めることができるとともに、一般的な界面活性剤等の分散剤を用いて、水、ビヒクル、ポリマー樹脂等の媒質中で良好な分散状態を保つことができる。
本発明の黒色色材を情報記録材料の用途に使用する場合、本発明に係る縮合物は、メジアン径(d50)が50nm以上350nm以下の範囲内であることが好ましい。
本発明の黒色色材は、ビヒクルやバインダー樹脂などと混合して用いることができる。バインダー樹脂としては、例えば、ポリエステルやポリスチレンアクリルなどの有機系の結着樹脂が挙げられる。また、ビヒクルとしては、例えば、天然の植物油やロジン、又は各種合成樹脂を有機溶剤に溶かしたもの若しくは水分散したものが挙げられる。
上記のような有機系の結着樹脂と本発明の黒色色材との組み合わせによれば、それぞれの比重差を十分小さくすることができることから、製造時及び保管時において、成分分離などの変質を生じにくいなど、品質の安定性向上の効果を得ることができる。
本発明の黒色色材は、耐光性に優れるとともに、可視域に幅広い吸収帯を有し色濃度が高く、黒色度に優れていることから、画像形成材料に含有される黒色色材として有用である。
従来、複写機などの電子写真用黒色トナーにおいては、顔料としてカーボンブラックが使用される場合が多い。しかし、カーボンブラックは多量に添加するとトナーの帯電性に悪影響を及ぼしてしまう。一方、CMY混合黒や焼成ペリレン系黒色顔料はカーボンブラックと比較して色濃度が低い。これに対して、本発明の黒色色材は、色濃度が高く、黒色度に優れることから、カーボンブラックの代替材料として用いることができ、CMY混合黒や焼成ペリレン系黒色顔料などでは達成困難であった、非カーボンブラック系或いは低カーボンブラック含有系でありながら色濃度に十分優れた黒色トナーを実現することが可能となる。また、この黒色トナーは、CMY混合黒を用いる場合に比べて高い耐光性を有することができる。
なお、アニリンブラックは黒色度が良いものの耐光性が不十分である。また、ペリレン系顔料は色濃度が不十分であり、CMY混合黒は黒色度が低い。このため、これらの色材を用いて所定の色性能を得ようとすると、色材の含有量を大きくする必要があり、含有量が大きいことによる2次障害(トナーの帯電性や製造適性等)が問題になる場合がある。これに対して、本発明の黒色色材は高い色濃度を有し、黒色度及び耐候性の両方を、アニリンブラック、ペリレン系顔料、CMY混合黒などのカーボンブラックに代わる有機系の色材に比べて高水準で満足し得るものであることから、上記の問題を解消することが可能である。
また、本発明の黒色色材は、十分な耐光性と十分な黒色度とを兼ね備える有機系の黒色色材であることから、光学フィルター又は遮光樹脂フィルムとしても有用である。
次に、本発明の黒色色材を画像形成材料として用いた例として、トナーの好適な実施形態について詳述する。
(トナー)
本実施形態のトナーは、上記本発明の黒色色材、結着樹脂(バインダー)、並びに、必要に応じて本発明の黒色色材以外の着色剤、赤外線吸収剤、帯電制御剤及びワックスを含有してなる電子写真用トナーである。
結着樹脂としては、特に限定されず、各種の天然又は合成高分子からなる熱可塑性樹脂を用いることができる。例えば、重量平均分子量1000以上100000以下程度、融点50℃以上250℃以下のエポキシ樹脂、スチレン−アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリビニル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリブタジエン樹脂などが単独又は混合して用いられる。これらのうち、色材分散性と熱定着効率の観点から、スチレン−アクリル樹脂及びポリエステル樹脂が特に好適である。
上記のような有機系の結着樹脂と本発明の黒色色材との組み合わせによれば、それぞれの比重を近くすることができることから、製造時および保管時において、成分分離などの変質を生じにくいなど、品質の安定性向上の効果を得ることができる。
本実施形態のトナーにおいては、帯電特性及び熱定着効率を良好にする観点から、本発明の黒色色材及び結着樹脂の含有割合が、結着樹脂100質量部に対して本発明の黒色色材が1質量部以上15質量部以下であることが好ましく、3質量部以上10質量部以下であることがより好ましい。
本発明の黒色色材以外の着色剤としては、特に限定されず、染料、顔料等のいずれでもよい。例えば、黒色トナーの場合、カーボンブラック、CMY混合黒などを併用することができる。
本発明の黒色色材以外の着色剤の含有量は、トナー全質量を基準として1質量%以上15質量%以下であることが好ましく、3質量%以上10質量%以下であることがより好ましい。
本実施形態のトナーがフラッシュ定着トナーとして用いられる場合、赤外線吸収剤を含んでもよい。赤外線吸収剤としては、例えば、アルミニウム塩、酸化インジウム系金属酸化物、酸化スズ系金属酸化物、酸化亜鉛系金属酸化物、スズ酸カドミウム、特定のアミド化合物、ナフタロシアニンおよび/フタロシアニン系化合物、シアニン系化合物、ランタノイド系化合物が挙げられる。さらに、カーボンブラック、チタンブラック、フェライト、マグネタイト、炭化ジルコミウム等の黒色顔料等も用いることができる。これらは単独で用いても、混合して用いてもよい。
帯電制御剤としては、トナーに帯電を付与させる能力があれば特に制限されないが、好適には、4級アンモニウム塩、ニグロシン染料、トリフェニルメタン誘導体などが正極性帯電制御剤として、ナフトール酸亜鉛錯体、サリチル酸亜鉛錯体、ホウ素化合物などが負極性帯電制御剤として用いることができる。帯電制御剤の添加量は、その種類にもよるが、一般にトナー全質量を基準として1質量%以上10質量%以下程度である。
ワックスとしては、天然ワックス、合成ワックスなどを広く用いることができる。例えば、石油系ワックスとしてパラフィンワックス、マイクロクリスタインワックスなど、鉱物ワックスとしてフィッシャートロプシュワックス、モンタンワックスなど、植物ワックスとしてカルナバワックスなど、動物ワックスとして蜜ろう、ラノリンなど、合成ワックスとしてポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン類、脂肪酸エステル類、アミド系ワックス、変性ポリオレフィンなど、さらにその他の化合物としてテルペン系化合物、ポリカプロラクトンなどを単体、又は混合物として広く用いることができる。ワックスの添加量は、その種類にもよるが、一般にトナー全質量を基準として1質量%以上10質量%以下程度である。
本実施形態のトナーには、外添剤を添加してもよい。外添剤としては、通常用いられている材料が広く使用できる。例えば、シリカ、チタニア、アルミナ、酸化亜鉛などの無機微粒子や該無機粒子の疎水化処理品、又はポリスチレン、PMMA、メラミン樹脂等の樹脂粒子などが使用できる。
本実施形態のトナーは、通常のトナー作製法と同様に作製することができる。以下、その一例を示す。
粉砕法で作製する場合、結着樹脂、本発明の黒色色材、さらに必要に応じて、本発明の黒色色材以外の着色剤、赤外線吸収剤、ワックス、帯電制御剤などのトナー構成物を混合した後、ニーダー、押し出し機などを用いて上記材料を溶融混練する。この後溶融混錬物を粗粉砕した後、ジェットミル等で微粉砕し、風力分級機により、目的とする粒径のトナー粒子を得る。さらに、外添剤を添加し、最終的なトナーを完成させる。
また、トナーを重合法で作製することも可能である。この場合、主に懸濁重合法と乳化重合法が適応できる。本発明の黒色色材は、乳化重合法のプロセスに適正のある水分散スラリーの状態をとることが可能である。そのため、本実施形態のトナーは、乳化重合法を基にしたケミカルトナーであることが特に好ましい。
懸濁重合法で作製する場合、スチレン、ブチルアクリレート、2エチルヘキシルアクリレートなどのモノマ、ジビニルベンゼンなどの架橋剤、ドデシルメルカプタンなどの連鎖移動剤、本発明の色材、重合開始剤、さらに必要に応じて、本発明の黒色色材以外の着色剤、帯電制御剤、赤外線吸収剤、ワックスを混合してモノマ組成物を作製する。その後、リン酸三カルシウム、ポリビニルアルコール等の懸濁安定剤、界面活性剤が入った水相中に、上記モノマ組成物を投入し、ローターステータ式乳化機、高圧式乳化機、超音波式乳化機などを用いてエマルションを作製した後、加熱によりモノマの重合を行う。重合終了後、粒子の洗浄、乾燥を行い、外添剤を添加して最終的なトナー粒子を得る。
乳化重合法で作製する場合、過硫酸カリウムなどの水溶性重合開始剤を溶解させた水中に、スチレン、ブチルアクリレート、2エチルヘキシルアクリレートなどのモノマ、必要に応じてドデシル硫酸ナトリウムなどの界面活性剤を添加し、攪拌を行いながら加熱して重合を行い樹脂粒子を得る。その後、赤外線吸収剤、ワックスなどの粒子を樹脂粒子が分散したサスペンション中に添加し、サスペンションのpH、攪拌強度、温度などを調整することにより粒子をヘテロ凝集させる。さらに、系を樹脂のガラス転移温度以上に加熱してヘテロ凝集体を融着させトナー粒子を得る。その後、粒子の洗浄、乾燥を行い、外添剤を添加して最終的なトナー粒子を得る。この粒子の着色は、ヘテロ凝集体を融着させた後、本発明の黒色色材、本発明の黒色色材以外の着色剤を水中に分散させてなるスラリーを混合し、多価金属凝集剤を用いて凝集させてもよいし、ヘテロ凝集体形成時に本発明の黒色色材、本発明の黒色色材以外の着色剤を合わせて凝集させてもよい。
なお、本実施形態のトナーは、そのまま1成分現像剤として用いることも、キャリアと混合して2成分現像剤とすることもできる。2成分現像剤として用いる際のキャリアは、公知のマグネタイト、フェライト、鉄粉を用いることができる。
上述したように本発明の黒色色材は可視域に幅広い吸収帯を有し、色濃度が高く、黒色度に優れていることから、本実施形態のトナーは黒色トナーとして好適である。また、通常、トナー中の着色剤の含有量は結着樹脂に対して3質量%以上10質量%以下の範囲であるが、上記の黒色トナーにおいては、本発明の黒色色材の含有量を結着樹脂に対してかかる範囲とした場合であっても、CMY混合黒に比べて優れた視認性を得ることができる。この場合、帯電特性に優れるとともに、非カーボンブラック系或いは低カーボンブラック含有系でありながら色濃度にも優れた黒色トナーの実現が可能となる。また、本実施形態のトナーによれば、本発明の黒色色材が耐光性に優れていることから、紙などのメディアに形成した画像が褪色し難いという保存性の向上効果を得ることができる。更に、本実施形態のトナーによれば、黒色色材と有機系の結着樹脂との比重差を小さくすることができることから、トナー製造適性や保存安定性の改善という効果を得ることができる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<黒色色材の製造>
(実施例1)
下記式(1)で表される無置換ピロール(東京化成社製、製品名コード「P0574」)1.077mL、及び、これと等モル量の四角酸(協和発酵社製)0.881gを、20質量%含水エタノールに溶解し、更にここに触媒として70%過塩素酸(和光純薬工業株式会社製)を31.7mL添加し、反応液を調製した。この反応液を、オイルバスで加温し、40℃で2時間保った。次に、反応液を、室温で1700時間反応させた。その後、反応液から黒色の沈殿物をろ過により取得し、これをエタノールと蒸留水で洗浄し乾燥した。

上記で得られた黒色の沈殿物30mgと、n−ヘキサン500μL及び0.3mmΦジルコニアボール10gとをジルコニア製ミルポットに入れ、遊星ボールミル装置(フリッチェ社製、「タイプP7」)を用い、800rpm、1時間の条件でミリングすることにより、黒色の沈殿物を破砕した。蒸留水で破砕物を回収、ろ過し、更に蒸留水で洗浄し、室温で乾燥することにより、実施例1の黒色色材を得た。
<スラリーの調製>
上記で得られた黒色色材(破砕物)4.8mg、12質量%に希釈したドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム24μL、及び蒸留水2.88mLを混合し、これを超音波ホモジナイザー(VC−130、SONICS & MATERIALS INC.社製(1/4インチホーン使用、氷冷、出力4W、60分間)を用いて分散し、黒色のスラリーを得た(顔料(黒色色材)濃度:0.166質量%)。また、粒度分布測定装置(堀場製作所 LB−550)を用いて、メジアン径(d50)の値に代表されるスラリー中の色材粒子径を測定した。得られた微粒子のメジアン径(d50)は300nmであった。
<光学濃度及び彩度の測定>
実施例1で得られた黒色色材をトナーの構成材料として用いた場合を想定して以下の手順で光学濃度及び彩度について評価した。
まず、上記で得られた黒色色材を含むスラリー(黒色色材の濃度:0.165質量%)261μLと、スチレン−アクリル樹脂ラテックス分散水溶液(スチレン、n−ブチルアクリレート及びアクリル酸を界面活性剤を用いて乳化重合した樹脂を40質量%の割合で分散させた水溶液)15μLと、蒸留水5gとを混合し、この混合物にウルトラタラックスで分散化処理を施すことにより、混合スラリーを調製した。これに多価金属凝集剤を更に添加して、攪拌・混合することにより混合分散液を調製した。次に、この混合分散液をフィルター紙(商品名「GSWP04700」、MILLIPORE社製、孔径:220nm)上にろ過堆積させ、これを120℃で熱圧着することによりフィルター紙上に樹脂膜を形成し、色性能評価用の樹脂パッチを得た。なお、この色性能評価用の樹脂パッチは、黒色色材及びスチレン−アクリル樹脂ラテックスの合計量(固形分質量)が1平方メートル当たりのグラム数(TMA)で4.5g/mであり、且つ、黒色色材量(PMA)が0.3g/m(色材の樹脂に対する含有割合6.7質量%に相当)である樹脂膜を有するものである。作成した樹脂パッチについて、分光濃度計(商品名「x−rite 939」、エックスライト株式会社製)を用いて、樹脂膜の光学濃度OD、並びに彩度cを求めた。結果を表1に示す。
また、スラリー量を404μLに変更した以外は上記と同様にして、色性能評価用の樹脂パッチ(TMA=4.5g/m、PMA=0.45g/m(色材の樹脂に対する含有割合10質量%に相当)を作製した。この樹脂パッチについても上記と同様にして光学濃度OD、並びに彩度cを求めた。結果を表1に示す。
また、比較例としてCMY混合黒のスラリーを用いて作製した樹脂パッチの光学濃度OD並びに彩度cを表1に示す。なお、CMY混合黒のスラリーは、実施例1で得られた黒色色材に代えて以下に示す色材を用いたこと以外は上記スラリーの調製と同様にして調製した。
CMY混合黒:市販のシアン顔料、マゼンタ顔料、イエロー顔料を目視による官能評価でもっとも黒く見える割合に配合したもの、粒径d50=134nm。

表1に示すように、実施例1の黒色色材は、CMY混合黒と同等の光学濃度を有するものであり、着色性が十分に高いことが分かる。また、実施例1の黒色色材は、10質量%濃度で3.3のcを示し、CMY混合黒に比べて非常に高い黒色度(c)を有していることが分かる。
<耐光性試験及び反射スペクトルの測定>
実施例1で得られた黒色色材を用いた色性能評価用の樹脂パッチのうち、TMA=4.5g/m、PMA=0.3g/m(色材の樹脂に対する含有割合6.7質量%に相当)であるものについて、キセノンランプによる耐光性テスト((株)東洋精機社製、サンテストXLS+、照射光条件:100Klux、使用フィルター:D65(320nmより短波長の紫外線をカットする))を実施し、各照射時間後の反射スペクトルを測定した。図1に結果を示す。図1中、Aは照射前、Bは12時間照射後、Cは36時間照射後、Dは72時間照射後、Eは120時間照射後に測定して得られた反射スペクトルをそれぞれ示す。なお、照射前の樹脂パッチの光学濃度ODは0.91であり、彩度cは3.9であった。また、120時間照射後の樹脂パッチの光学濃度ODは0.88であり、彩度cは5.7であった。
図1に示すように、実施例1で得られた黒色色材を用いた色性能評価用の樹脂パッチは、可視領域全体(400〜700nm)にわたって25%以下程度の小さい反射率を示しており、十分な黒色度を有していることが確認された。また、耐光性試験120時間照射後においても、可視領域全体にわたって同じく25%以下程度の小さい反射率が示されているように、実施例1で得られた黒色色材は優れた耐光性を有していることが確認された。
<耐光性試験及び色差の測定>
実施例1で得られた黒色色材を用いた色性能評価用の樹脂パッチのうち、TMA=4.5g/m、PMA=0.3g/m(色材の樹脂に対する含有割合6.7質量%に相当)であるもの、及び、上記CMY混合黒のスラリーを用いて作製した樹脂パッチについて、まず初期の樹脂パッチの色相L値、a値及びb値(L、a及びb)を分光濃度計(「x−rite 939」、エックスライト株式会社製)で測定し、次に、上記と同様の耐光性テストを実施し、光照射後の樹脂パッチの色相L値、a値及びb値(L、a及びb)を測定した。これらの値を用いて、下記式(A)で定義される変色度ΔEをそれぞれ算出した。得られた結果を図2に示す。なお、図2中、aが実施例1で得られた黒色色材を用いた場合のグラフを示し、bがCMY混合黒を用いた場合のグラフを示す。

図2に示すように、光照射時間が長くなるにしたがって色材の劣化により色差ΔEが増加するが、実施例1の黒色色材を用いた場合はCMY混合黒を用いた場合に比べてΔEの増加量が小さく、実施例1の黒色色材が良好な耐光性を有していることが確認された。
実施例1で得られた黒色色材を分散した樹脂膜を設けた紙の反射スペクトルを示す図である。 耐光性試験における照射時間に対する色差の変動を示す図である。

Claims (2)

  1. 10質量%以上の水と、触媒と、が含まれる反応溶媒中で、40℃以上80℃以下の温度で0.5時間以上8時間以下保持し、次いで反応液を10℃以上40℃以下の温度で2時間以上2000時間以下保持して、下記式(1)で表されるピロール化合物と下記式(2)で表される四角、をモル比[ピロール化合物/四角酸]0.5以上2以下で反応させることにより得られる縮合物を含む、黒色色材。

  2. 請求項1に記載の黒色色材を含んでなる、トナー。
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