JP5380720B2 - タッチ感調整プレート、およびピアノ調整方法 - Google Patents

タッチ感調整プレート、およびピアノ調整方法 Download PDF

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本発明はピアノのタッチ感や音色を改善するためのタッチ感調整プレート、およびピアノ調整方法に関する。
ピアノは重量物であることから、自由に移動可能とする為に、脚部(アップライトピアノでは土台等)の下端部にはキャスター設けられている。このキャスターは、ピアノの移動時に使用されるものであるが、移動した後においては、意図しない移動を阻止してその場所に設置する為に、キャスターと床面との間に、皿状のインシュレーターを挟むことがあった。また、このインシュレーターは、任意の材質を選択することで、ピアノの筐体の振動を床に伝えないようにしたり、或いはピアノの筐体の振動を床に伝えて音響効果を向上させるようする目的でも使用されていた。
このようなインシュレーターについては、これまで以下の特許文献に種々の工夫が提案されている。
特許文献1(特開平6−138869号公報)では、ピアノを使用する時と場合とに応じて、所望の音響効果を得たり、騒音対策をすることができるピアノ用脚台を提供するべく、キャスタを介して伝えられるピアノの筐体の振動を検出して検出信号を出力するセンサと、制御回路から出力される制御信号により制御され、上下に変位するアクチュエータと、操作者の操作に応じて、ピアノ用脚台を振動伝導体とする場合に”H”レベル、振動吸収体とする場合に”L”レベルの切換信号を出力する切換スイッチとを設ける事が提案されている。
また、特許文献2(特開平9−254605号公報)では、非力な者でも容易に位置を固定でき、床面に凸凹が存在してもピアノが傾かないようにできるピアノ用キャスター位置調節装置を提供するべく、わずかなトルクを回転治具によってウォームに与え、大きなトルクに増幅してウォームホイールを回転させ、この大きなトルクによりネジ軸を昇降させる事が提案されている。また、床面が凸凹している場合には、その凸凹の程度により一部のキャスターを突出させることにより、ピアノの傾きを直すことができることが提案されている。
さらに特許文献3(特開平10−240234号公報)では、キャスタの機能を損なうことなくピアノの弦振動がピアノ脚から床に伝わるのを防止するピアノ脚の防振構造を提供するべく、グランドピアノにおける下端にキャスタを有する前側のピアノ脚は、ピアノ本体の一構成部材である棚板に硬質ゴム製の防振部材を介して取り付けられており、また、下端にキャスタを有する後側のピアノ脚は、ピアノ本体の一構成部材である脚持座に防振部材を介在して取り付け、打弦されたとき、その弦振動がピアノ本体から棚板や脚持座を介してピアノ脚に伝達されるのを防振部材が防止することが提案されている。
特開平6−138869号公報 特開平9−254605号公報 特開平10−240234号公報
ピアノの演奏に際して、鍵盤のタッチなどは演奏者が意図する演奏を奏でる上で重要なことは知られているが、更に望ましい演奏を実現するには、他の何らかの要素が存在するか否かを検討する必要がある。
そこで本発明は、演奏者の感性や技術に基づき、演奏者が最適な演奏を奏でることができる要素を探求し、かつこれを実現することを第1の課題とする。
また上記のように、ピアノ、特にグランドピアノの脚先に設けられたキャスターと床面との間に、皿状のインシュレーターを設けることは公知であったが、従前におけるインシュレーターは、その用語の意味するとおり、専らピアノの振動の吸収を目的とするか、或いは振動を速やかに逃すことを目的として使用されるものであった。
また、前記特許文献2では、一部のキャスターを突出させることによりピアノが傾かないようにすることが提案されているが、これは床面に凸凹が存在する場合に「ピアノが傾かないようにする」ものであった。
そこで本発明は、特許文献2に示されるような、「ピアノが傾かないようにする」ことが、演奏者にとって果たして本当に望ましいのか否かを見極め、任意かつ簡易な構造及び方法でピアノの演奏時の感覚を調整できるピアノ用のタッチ感調整プレートおよびピアノのタッチ感調整方法を提供することを第2の課題とする。
上記課題を解決するべく鋭意開発を行った結果、打鍵時において鍵盤にタッチしたときの感覚を調整する要素として鍵盤の傾きがあることを見出し、本発明を完成させたものである。
即ち上記課題の少なくとも何れかを解決する本発明のピアノ用のタッチ感調整プレートは、ピアノの脚部の下又は当該脚部が載せられるインシュレータの下に設置されるプレート状であって、縦弾性係数が80KN/mm以上の材料を用いて、少なくともピアノの脚部又は当該脚部の下に設置されるインシュレータを載置可能な面積で、且つ5〜15mmの厚さに形成されることを特徴とするピアノ用のタッチ感調整プレートである。
本発明のタッチ感調整プレートを構成する材料は、縦弾性係数が80KN/mm以上の材料であり、望ましくは80KN/mm以上の材料であることが望ましい。すなわち、硬い材料であることが望ましい。このような硬い材料を使用することにより、ピアノの筐体の振動を床に伝えて音響効果を向上させることができ、たとえばコンサートホールなどにおいては、所望の音響効果を得ることができる。
縦弾性係数が80KN/mm以上の材料であれば、樹脂、金属、または鉱物のいずれであってもよいが、音響効果を考慮すれば特に金属であることが望ましい。このような縦弾性係数が80KN/mm以上の金属材料としては、たとえば鉄、ステンレス、金、銀、銅、鉛、チタン、真鍮、リン青銅、鋼等を使用することができる。一方、縦弾性係数が80KN/mmに満たない金属、例えばアルミニウム(68.6KN/mm)や、ジュラルミン(71.6KN/mm)の場合には、ピアノ自体における音響効果の点で望ましいとはいえない。なお、銅(136KN/mm)および真鍮(98KN/mm)を用いて形成されたタッチ感調整プレートは、製造コストや音響効果の点で望ましい。
また、かかるタッチ感調整プレートを形成する材料は、更に、密度が3g/cm以上、特に7g/cmの金属材料であることが望ましい。タッチ感調整プレート自体の振動による異音の発生を阻止し、音響効果を高めるためである。密度が3g/cm以上の金属材料としては、鉄、ステンレス、金、銀、銅、鉛、チタン、真鍮、リン青銅、鋼等が挙げられ、特に金、銀、銅、鉛、真鍮を使用することが望ましい。
以上のように構成したタッチ感調整プレートを、任意のピアノの脚部の下又は当該脚部が載せられるインシュレータの下に敷設することにより、当該ピアノを傾けることができ、その結果、鍵盤も傾いて、演奏者の感覚に沿った鍵盤のタッチ感を実現することができる。特に、このタッチ感調整プレートは、ピアノを前後方向に傾斜させることが望ましく、よってピアノの前脚側、又は後脚側に設置することが望ましい。特に、最適な鍵盤のタッチ感を得るためには、鍵盤を下に傾ける様にピアノを傾斜させることが望ましいことから、当該タッチ感調整プレートは、ピアノの後脚の下又は当該脚が載せられるインシュレータの下に設置することが望ましい。なお、本明細書におけるタッチ感あるいはタッチ感覚とは、演奏者が鍵盤を打鍵した時の感覚のことであり、打鍵時にタッチが重い又は軽いだけでなく、ある程度鍵盤が指に吸い付くか否かの感覚や、鍵盤を最後まで押さえきったときの感触、更には一度押した鍵盤の戻りが早いか遅いかに起因する感覚など、鍵盤時における相乗的な感覚をいい、本発明に係るタッチ感調整プレートは、これらを演奏者にとって望ましいように改善するものである。
そこで本発明では、上記タッチ感調整プレートを複数組み合わせて構成し、ピアノの調整に適したタッチ感調整プレートセットを提供する。
即ち本発明では、前記課題の少なくとも何れかを解決するべく、ピアノの脚部の下又は当該脚部が載せられるインシュレータの下に設置される、2つ以上のピアノ用のタッチ感調整プレートからなるピアノ用のタッチ感調整プレートセットであって、当該ピアノ用のタッチ感調整プレートは、前記本発明にかかるピアノ用のタッチ感調整プレートであるピアノ用のタッチ感調整プレートセットを提供する。
かかるピアノのタッチ感調整プレートセットでは、仮に前面を下げるように傾斜させる場合には、演奏者が所望とする傾斜角度に応じて、ピアノの後脚の下又は当該脚が載せられるインシュレータの下に、1つ又は2つのタッチ感調整プレートを設置することができる。また仮に前面を上げるように傾斜させる場合には、演奏者が所望とする傾斜角度に応じて、ピアノの前脚の下又は当該脚が載せられるインシュレータの下に1つづつ、タッチ感調整プレートを設置することができる。更に、ピアノにおける全ての脚の下又は当該脚が載せられるインシュレータの下にタッチ感調整プレートを設置し、前脚と後脚とで、設置するタッチ感調整プレートの厚さ又は枚数を異ならせることができる。即ち、上記タッチ感調整プレートセットでは、2つ以上のピアノ用のタッチ感調整プレートが、その厚さ又は形状が異なる2種以上のピアノ用のタッチ感調整プレートを組み合わせて構成することもできる。複数の厚さのタッチ感調整プレートを組み合わせた場合には、その組み合わせ方により、様々な厚さに調整することができ、この組み合わせの範囲内において、演奏者における最適なタッチ感を調整することが可能になる。
上記タッチ感調整プレートの使用に際しては、例えばグランドピアノに使用するタッチ感調整プレートであれば、前脚の下又は当該脚が載せられるインシュレータの下に6mm厚のタッチ感調整プレートを設置し、後脚の下又は当該脚が載せられるインシュレータの下に、この6mm厚のタッチ感調整プレートを2枚重ねて12mm厚さとして設置することができる。このようにタッチ感調整プレートを使用した場合、全ての脚と床面との間にタッチ感調整プレートが設けられることになり、その結果、ピアノ自体の反響などにより、より音響効果が増すことを確認することができる。
また、アップライトピアノにおいては、後脚の下又は当該脚が載せられるインシュレータの下に1.5〜2mm厚のタッチ感調整プレートを設置したり、あるいは2本の前脚の下又は当該脚が載せられるインシュレータの下に1.5〜2mm厚のタッチ感調整プレートを設置し、2本の後脚の下又は当該脚が載せられるインシュレータの下に、この1.5〜2mm厚のタッチ感調整プレートを2枚重ねて3〜4mm厚さとして設置することができる。
更に上記タッチ感調整プレートは、少なくともピアノの後脚の下又は当該脚が載せられるインシュレータの下に設置されるものである場合、設置後におけるピアノの鍵盤面が、設置前におけるピアノの鍵盤面よりも、鍵盤の前面側が0.1°〜0.2°下方に下がって傾斜させる厚さに形成されているものであることが望ましい。即ち、演奏者側である鍵盤の前面側を0.1°〜0.2°程度下方に下がるように傾斜させることにより、演奏者における最適なタッチ感を得ることができる。
また、本発明では上記課題の少なくとも何れかを解決するために、簡易にピアノのタッチ感を調整するピアノ調整方法を提供する。
即ち、ピアノの打鍵時におけるタッチ感を調整するピアノ調整方法であって、ピアノの前面側に存在する脚部の下又は当該脚部が載せられるインシュレータの下、およびピアノの後端側に存在する脚部の下又は当該脚部が載せられるインシュレータの下、の少なくとも何れかにプレート状部材を設置し、ピアノの鍵盤を傾斜させることを特徴とする、ピアノ調整方法である。
かかるピアノの調整方法によれば、単にピアノの脚部の下又は当該脚部が載せられるインシュレータの下に前記したようなタッチ感調整プレートを設置するだけ、演奏者に最適な鍵盤のタッチ感を提供することができる。かかる調整方法に関し、従前においては、演奏時においてピアノを傾斜させること自体が問題視されていたのであるから、従来技術との関係においても十分な新規性および進歩性を有するものである。
なお、上した本発明にかかるタッチ感調整プレートによる、ピアノのタッチ感の調整は、多くの場合、ピアノの奥側の脚部の下又は当該脚部が載せられるインシュレータの下にタッチ感調整プレートを設置して、前面側(鍵盤側)が下がるような傾斜とすることが望ましいが、その他にも前側の脚部の下又は当該脚部が載せられるインシュレータの下にタッチ感調整プレートを設置して、後面側が下がるような傾斜とすることもできる。更に、グランドピアノにおいて前面側に存在する2本の脚部のうち、左右何れかの脚部の下又は当該脚部が載せられるインシュレータの下にタッチ感調整プレートを設置して、左右方向に傾斜させることも考えられる。

また、一般家庭においてピアノの練習をする場合において、最適なタッチ感を発現させるためには、ピアノの筐体の振動が床や壁などを介して隣接する住宅や外部にまで伝わり、騒音公害の一因となってしまうことが考えられるが、この場合には、ゴムや木材、あるいはプラスチック等などの樹脂材料を用いて製造したタッチ感調整プレートを使用すれば、音響効果の改善はともかくとして、タッチ感の向上に関する効果は得ることができる。
本発明に係るタッチ感調整プレートは、これを用いてピアノを意図的に前後方向に傾斜させることにより、演奏者におけるタッチ感の向上を図ることができる。更にこのタッチ感調整プレートを金属材料で製造することにより、ピアノから床面への音の伝わり方を変化させ、ピアノから発せられる音質の大幅な改善を図ることができる。
そしてこのタッチ感調整プレートを用いたピアノ調整方法は、単にピアノの脚部の下にタッチ感調整プレートを設置するだけであることから、簡易に調整を行うことができるとともに、使用するか否かに応じて、適宜、難なく設置することが可能である。
本実施の形態に係るタッチ感調整プレートを示す斜視図 タッチ感調整プレートの設置状態を示す(A)側面図、(B)背面図 タッチ感調整プレートの他の設置状態を示す(A)側面図、(B)底面図 タッチ感調整プレートに対する(A)キャスターの設置状態、(B)インシュレータの設置状態、を示す斜視図 鍵盤の傾斜状態を示す要部拡大側面図
以下、図面を参照しながら本実施の形態に係るタッチ感調整プレート10と、これを使用したピアノ20調整方法を具体的に説明する。
図1は、本実施の形態に係るタッチ感調整プレート10を示しており、特に銅を用いて厚さDが6mmの平板状に形成されている。この例に示すタッチ感調整プレート10は、一般的なグランドピアノ20において、鍵盤25の正面側上面を0.1〜0.2°下方向に下げることができるように、その厚さDが調整されている。即ち、当該鍵盤25の傾斜角度θを−0.1〜−0.2°変化させるものである(図5参照)。
本実施の形態において、当該タッチ感調整プレート10は、角を丸めた正三角形状に形成されており、一辺の長さLを15mm〜25mm程度に形成している。かかるタッチ感調整プレート10には、ピアノ20の脚部に設けられるキャスター22を直接載せ置くことができる他、このタッチ感調整プレート10の上にピアノ用インシュレータ24を載せ、その上にピアノ20の脚部に設けられるキャスター22を載せることもできる。
特に、ピアノ20の脚部に設けられるキャスター22を直接載せるタッチ感調整プレート10とする場合には、その上面は平坦のまま形成するほか、当該上面にピアノ20のキャスター22を受容して、その回転を阻止する窪み乃至は突起を形成することもできる。
また、ピアノ20に使用されるインシュレータ24の下に設置して使用されるタッチ感調整プレート10の場合には、少なくともその一部が、ピアノ用インシュレータ24から突出するような平面形状に形成されることが望ましい。本実施の形態では、角を丸めた正三角形状に形成されている。ピアノ用インシュレータ24よりも突出する部分を形成することにより、当該タッチ感調整プレート10を設置した後において、当該突出部を押したり引いたりして操作し、ピアノ用インシュレータ24との位置関係を任意に調整することが可能になる。
なお、このピアノ用インシュレータ24の平面形状は、本実施の形態に示すように、略三角形に形成する他、四角形、五角形等の多角形に形成したり、楕円形を含む円形、あるいはハート型、動植物を模した形状など任意の形状に形成することができる。ただし、ピアノ用インシュレータ24の下に設置される場合には、使用されるピアノ用インシュレータ24が、はみ出ることなく乗る大きさの平面部分を有する形状であることが望ましい。例えば、グランドピアノ20用のものであれば、それに使用される直径138mmの円が載る平面部分を備え、またアップライトピアノ20用のものであれば、それに使用される直径105mmの円が載る平面部分を備える事が望ましい。
以上のように構成されたタッチ感調整プレート10は、図2および3に示すように、ピアノ20の脚部の下に設置することができ、図4(A)に示すように、ピアノ20の脚部の下に直接、或いは図4(B)に示すように、この脚部が載せられるピアノ用インシュレータ24の下に設置して使用される。
図2は特にグランドピアノ20の脚部の下、より具体的には脚の下に設けられるキャスター22の下にタッチ感調整プレート10を設置した例を示しており、この図に示すように、前脚23の下に、6mm厚のタッチ感調整プレート10を夫々設置し、後脚21の下には、6mm厚のタッチ感調整プレート10を2枚重ねて設置した例を示している。このように設置した場合、ピアノ20と床面との間にタッチ感調整プレート10が介在することになり、ピアノ20と床面との相互関係の変化により、ピアノ20自体から発せられる音が変化し、当該タッチ感調整プレート10を設置することによって、ピアノ20から発せられる音の大幅な改善が得られることになる。
そして、この図2に示す実施の形態では、後脚21を持ち上げるような厚さとなるように設置されている。このようにタッチ感調整プレート10を設置することにより、図5に示すようにピアノ20の鍵盤上面が0.1〜0.2°下方向を向く前傾姿勢となり、これにより、演奏者におけるタッチ感を向上させ、演奏者が演奏しやすく、かつ演奏時も快適に演奏可能なものとなる。
なお、図2ではグランドピアノ20に設けられる3本の脚部の全ての下にタッチ感調整プレート10を設置した例を示しているが、演奏時におけるタッチ感の向上を主たる目的とする場合には、後脚21の下にだけタッチ感調整プレート10を設置することも可能であり、この場合には、後脚21の下に6mm厚のタッチ感調整プレート10を設置すればよい。また、図2では、ピアノ20における脚の下に設けられるキャスター22を直接載せた例を示しているが、キャスター22が設けられていないピアノ20の場合には、直接脚部を載せることができ、またキャスター22を保持するインシュレータ24が使用される場合には、当該インシュレータ24と床面との間に設置することもできる。
また図3は、特にアップライトピアノ20の下面に設けられる4つのキャスター22の内、背面側の2つのキャスター22の下に、タッチ感調整プレート10を設置した例を示している。この図に示すように、アップライトピアノ20に使用する場合、当該アップライトピアノ20は、背面側のキャスター22と前面側のキャスター22との間隔が、グランドピアノ20におけるそれよりも狭いことから、所望の角度に鍵盤25の上面を傾斜させるためには、背面側のキャスター22の下に設置されるタッチ感調整プレート10は、グランドピアノ20に使用されるそれよりも薄く形成される必要がある。よって本実施の形態では、約1.5〜2mmの厚さDのタッチ感調整プレート10を使用している。このようなタッチ感調整プレート10を使用することにより、当該アップライトピアノ20の鍵盤25は、演奏者側の先端が、当該タッチ感調整プレート10を設置する前に比べて0.1〜0.2°下に傾くことになる。
上述した通り、本実施の形態に係るタッチ感調整プレート10を設置すれば、グランドピアノ20やアップライトピアノ20の鍵盤25は、タッチ感調整プレート10を設置する前に比べて0.1〜0.2°下に傾くことになる。この時、鍵盤25の前面側の下がり幅は、前脚23と後脚21との間隔や、前脚23から鍵盤25までの距離により変化することになるが、当該鍵盤の高さの変化は、演奏時においてそれ程演奏に影響を与えるものではなく、また椅子の高さ等によっても適宜調整することは可能である。
以上、本発明に係るタッチ感調整プレート10により、ピアノ20周辺部品の製造分野における利用および活性化のみならず、ピアノ20の普及増大を企図することができる。また、このタッチ感調整プレート10を使用してピアノ20を調整することにより、ピアノ20の演奏のし易さ及び音色を簡易に改善することができ、ピアノ20の調整分野において広く利用されることが企図される。
10 タッチ感調整プレート
20 ピアノ
21 後脚
22 キャスター
23 前脚
24 ピアノ用インシュレータ

Claims (6)

  1. ピアノの脚部の下又は当該脚部が載せられるインシュレータの下に設置されるプレート状であって、
    縦弾性係数が80KN/mm以上の材料を用いて、少なくともピアノの脚部又は当該脚部の下に設置されるインシュレータを載置可能な面積で、且つグランドピアノ用にあっては5〜15mmの厚さ、アップライトピアノ用にあっては1.5〜2mmの厚さに形成されることを特徴とするピアノ用のタッチ感調整プレート。
  2. 更に、密度が3g/cm以上の金属材料を用いて形成される、請求項1に記載のタッチ感調整プレート。
  3. 少なくともピアノの後脚の下又は当該脚が載せられるインシュレータの下に設置されるタッチ感調整プレートであって、設置後におけるピアノの鍵盤面が、設置前におけるピアノの鍵盤面よりも、鍵盤の前面側が0.1°〜0.2°下方に下がって傾斜させる厚さに形成されている、請求項1又は2に記載のタッチ感調整プレート。
  4. ピアノの脚部の下又は当該脚部が載せられるインシュレータの下に設置される、2つ以上のピアノ用のタッチ感調整プレートからなるピアノ用のタッチ感調整プレートセットであって、
    当該ピアノ用のタッチ感調整プレートは、請求項1〜3の何れか一項に記載のピアノ用のタッチ感調整プレートである、ピアノ用のタッチ感調整プレートセット。
  5. 前記2つ以上のピアノ用のタッチ感調整プレートは、厚さ又は形状が異なる2種以上のピアノ用のタッチ感調整プレートを組み合わせて構成される、請求項4に記載のピアノ用のタッチ感調整プレートセット。
  6. ピアノの打鍵時におけるタッチ感を調整するピアノ調整方法であって、
    ピアノの前面側に存在する脚部の下又は当該脚部が載せられるインシュレータの下、およびピアノの後端側に存在する脚部の下又は当該脚部が載せられるインシュレータの下、の少なくとも何れかに、請求項1〜3の何れか一項に記載のタッチ感調整プレートからなるプレート状部材を設置し、ピアノの鍵盤を傾斜させることを特徴とする、ピアノ調整方法。
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