JP5377723B2 - 状態判定装置及び方法 - Google Patents
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Description
本発明の実施形態は、物体の状態を判定する状態判定装置及び方法に関する。
近年、紙幣の監査機や分類集計機では、破損の補修のためテープが貼られている紙幣は流通に適さないことから、テープのような異物または穴や破れなどの欠損の有無を検出して分別する方法が提案されている。ここで、この欠損の有無の検出方法として、超音波を用いて検出する方法がある。
このような音波を用いた検出方法では、被検体の穴を検出しようとした場合、穴を直接透過してくる超音波は強度が高くかつ回折しやすいため、穴の位置にある受信センサで透過波が検出されるだけでなく、回折波のうち比較的強度の高い波を隣接する受信センサが受信してしまい、穴の大きさを誤認してしまう。
本発明が解決しようとする課題は、欠損の有無及び欠損の状態を高精度に判定することができる状態判定装置及び方法を提供することを目的とする。
本実施形態に係る状態判定装置は、送信部、1以上の受信部、検出部、及び判定部を含む。送信部は、超音波を生成し超音波信号を送信する。1以上の受信部は、被検体を透過した前記超音波信号を受信して第1受信信号をそれぞれ取得する。検出部は、前記受信部ごとの前記第1受信信号の第1波高値を測定し、該第1波高値が第1閾値以上の第1受信信号があるかどうかを検出する。判定部は、前記第1波高値が前記第1閾値以上の第1受信信号がある場合、該第1受信信号を、前記被検体の欠損部分を透過した可能性がある欠損候補信号として判定する。検出部は、前記欠損候補信号がある場合、該欠損候補信号を受信した受信部において、該欠損候補信号を受信した時間から所定期間の1以上の整数倍だけ経過したときに受信した第2受信信号の第2波高値を測定し、該第2波高値が第2閾値以上の第2受信信号があるかどうかを検出する。判定部は、前記第2波高値が第2閾値以上の第2受信信号がある場合、該欠損候補信号を、前記被検体の欠損部分を透過した欠損信号として判定する。
また、状態判定装置は、送信部、1以上の受信部、検出部、判定部、及び計算部を含む。送信部は、超音波を生成し超音波信号を送信する。1以上の受信部は、被検体を透過した前記超音波信号を受信して第1受信信号をそれぞれ取得する。検出部は、前記受信部ごとの前記第1受信信号の波高値を測定し、該波高値が第1閾値以上の第1受信信号があるかどうかを検出する。判定部は、前記波高値が前記第1閾値以上の第1受信信号がある場合、該第1受信信号を、前記被検体の欠損部分を透過した可能性がある欠損候補信号として判定する。計算部は、前記欠損候補信号ごとに、該欠損候補信号の波高値の包絡線の減衰率を計算し、該減衰率が所定の減衰率に達するまでの減衰時間を測定する。判定部は、前記減衰時間が第2閾値以内である場合は、前記欠損候補信号を、前記被検体の欠損部分を透過した欠損信号として判定する。
また、状態判定装置は、送信部、受信部、検出部、判定部、及び算出部を含む。送信部は、超音波を生成し超音波信号を送信する。受信部は、被検体を透過した前記超音波信号を受信して第1受信信号をそれぞれ取得する。検出部は、前記受信部ごとの前記第1受信信号の波高値を測定し、前記波高値が第1閾値以上の第1受信信号があるかどうかを検出する。判定部は、前記第1受信信号の前記波高値が第1閾値以上である場合、該第1受信信号を、前記被検体の欠損部分を透過した可能性がある欠損候補信号として判定する。算出部は、前記欠損候補信号ごとに、該欠損候補信号の周波数特性を示す第1特性と前記被検体を透過する前の周波数特性を示す第2特性とを算出する。判定部は、前記第1特性と前記第2特性との差分が第2閾値以内であれば、前記欠損候補信号を、前記被検体の欠損部分を透過した欠損信号として判定する。
以下、図面を参照しながら本実施形態に係る状態判定装置及び方法について詳細に説明する。なお、以下の実施形態では、同一の参照符号を付した部分は同様の動作をおこなうものとして、重複する説明を適宜省略する。
実施形態の状態判定装置について図1を参照して説明する。
実施形態の状態判定装置100は、送信制御部101、送信部102、受信部103、増幅部104、A/D変換部105、検出部106、及び欠損位置判定部107を含む。
送信制御部101は、超音波信号の送信タイミングなどを制御する制御信号を生成する。
送信部102は、送信制御部101から制御信号を受け取り、超音波信号を送信する。超音波は、圧電トランスデューサ、MEMSを用いた振動発生器などを用いればよい。本実施形態では、圧電トランスデューサとして、圧電体と樹脂との1−3型複合圧電体の厚み振動を用いる。厚み振動を用いることにより、送信部102全体から同位相の平面波を有する超音波信号を被検体に照射することができる。超音波信号の送信間隔は、一定間隔ごとでもよいし、後述する被検体150の測定箇所ごとに1度だけ送信してよい。
実施形態の状態判定装置について図1を参照して説明する。
実施形態の状態判定装置100は、送信制御部101、送信部102、受信部103、増幅部104、A/D変換部105、検出部106、及び欠損位置判定部107を含む。
送信制御部101は、超音波信号の送信タイミングなどを制御する制御信号を生成する。
送信部102は、送信制御部101から制御信号を受け取り、超音波信号を送信する。超音波は、圧電トランスデューサ、MEMSを用いた振動発生器などを用いればよい。本実施形態では、圧電トランスデューサとして、圧電体と樹脂との1−3型複合圧電体の厚み振動を用いる。厚み振動を用いることにより、送信部102全体から同位相の平面波を有する超音波信号を被検体に照射することができる。超音波信号の送信間隔は、一定間隔ごとでもよいし、後述する被検体150の測定箇所ごとに1度だけ送信してよい。
受信部103は、1以上設置され、被検体150を透過した超音波信号を受信し、受信信号を得る。なお、受信部103として、送信部102と同じトランスデューサ、または振動を変位として計測する干渉光を用いた変位計などを用いればよい。
増幅部104は、例えばオペアンプであり、受信部103から受信信号を受け取り、受信信号をそれぞれ増幅する。
A/D変換部105は、増幅部104から増幅された受信信号を受け取り、受信信号ごとにアナログ−デジタル変換をおこなってデジタル化された受信信号を生成する。
検出部106は、A/D変換部105からデジタル化された受信信号を受け取り、デジタル化された受信信号の波高値を測定し、閾値以上の波高値を有する受信信号があるかどうかを検出する。なお、波高値は、信号強度、電流値、電圧値、及び電力値などのいずれかの波高値を計測すればよい。
増幅部104は、例えばオペアンプであり、受信部103から受信信号を受け取り、受信信号をそれぞれ増幅する。
A/D変換部105は、増幅部104から増幅された受信信号を受け取り、受信信号ごとにアナログ−デジタル変換をおこなってデジタル化された受信信号を生成する。
検出部106は、A/D変換部105からデジタル化された受信信号を受け取り、デジタル化された受信信号の波高値を測定し、閾値以上の波高値を有する受信信号があるかどうかを検出する。なお、波高値は、信号強度、電流値、電圧値、及び電力値などのいずれかの波高値を計測すればよい。
欠損位置判定部107は、検出部106から閾値以上の波高値を有する受信信号を受け取り、この受信信号を欠損候補信号であると判定する。欠損候補信号は、受信部103が受け取る受信信号が被検体を透過した位置に穴や破れなどの欠損の可能性があることを示す信号である。欠損位置判定部107は、所定期間経過後の欠損候補信号が閾値以上である場合に、欠損信号であると判定する。欠損信号は、欠損候補信号が被検体を透過する位置に欠損があることを示す信号である。また、欠損位置判定部107は、欠損信号が被検体を透過した位置を欠損位置として判定する。
被検体150は、例えば紙幣またはカードなどの紙葉類であり、送信部102と受信部103との間に設置され、搬送ローラ、ベルトなどにより同一方向に搬送される。
被検体150は、例えば紙幣またはカードなどの紙葉類であり、送信部102と受信部103との間に設置され、搬送ローラ、ベルトなどにより同一方向に搬送される。
次に、送信部102及び受信部103と被検体150との配置の一例について図2を参照して説明する。
図2に示すように実施形態の状態判定装置では、1つの送信部102と、送信部102よりも小さい受信部103を1つ以上直列に整列させた受信部アレイ201が対向して配置される。また、被検体150が、送信部102と受信部アレイ201との間に設置される。被検体150の検査は、送信部102から超音波信号が照射され、被検体150を透過した透過波を受信部アレイ201の各受信部103で受信することによりおこなわれる。なお、送信部102と受信部103との距離は、受信部103が送信部102からの超音波信号を受信可能な距離であって、かつ多重反射した受信信号を受信できる距離であればよい。多重反射は、通常の測定において受信信号が受信部103において反射し、さらに送信部102において反射され再び受信部103で受信されることを示す。ここで、他の物体により多重反射した受信信号が影響受けないように、超音波信号の周波数または信号強度、送信部102と受信部103との距離、送信部102と受信部103との大きさを設定することが望ましい。
図2に示すように実施形態の状態判定装置では、1つの送信部102と、送信部102よりも小さい受信部103を1つ以上直列に整列させた受信部アレイ201が対向して配置される。また、被検体150が、送信部102と受信部アレイ201との間に設置される。被検体150の検査は、送信部102から超音波信号が照射され、被検体150を透過した透過波を受信部アレイ201の各受信部103で受信することによりおこなわれる。なお、送信部102と受信部103との距離は、受信部103が送信部102からの超音波信号を受信可能な距離であって、かつ多重反射した受信信号を受信できる距離であればよい。多重反射は、通常の測定において受信信号が受信部103において反射し、さらに送信部102において反射され再び受信部103で受信されることを示す。ここで、他の物体により多重反射した受信信号が影響受けないように、超音波信号の周波数または信号強度、送信部102と受信部103との距離、送信部102と受信部103との大きさを設定することが望ましい。
穴などを透過して直接受信された超音波信号は信号強度が大きくなり、被検体を透過した超音波信号では信号強度が弱くなる。よって、受信した複数の超音波信号のうち、他の信号よりも信号強度が大きければ、穴などの欠損部分を透過した超音波信号ということになり、被検体に欠損があるということが検出できる。また、受信部103は、それぞれIDが振られ、どこの受信部103で受信した信号であるかを判定することができる。さらに、受信部103のそれぞれの位置がわかれば、受信信号と超音波信号が被検体を透過した位置とが対応付いているため、被検体150のどの位置に欠損があるかということを判定することができる。
次に、実施形態の状態判定装置の判定処理について図3のフローチャートを参照して説明する。
ステップS301では、送信部102から超音波信号が送信される。その後、検出部106が、各受信部103で超音波信号を受信して増幅部104及びA/D変換部105を介して受け取った受信信号の波高値を測定する。波高値の測定は、受信部アレイ201の全ての受信部103の受信信号の波高値を、アンプを介してマルチチャンネルロガーなどで並列に読み取りをおこなえばよい。
ステップS302では、検出部106が、受信信号ごとに、波高値が閾値以上の受信信号があるかどうかを検出する。受信信号のうち、波高値が閾値以上の受信信号が1以上ある場合、ステップS303へ進み、波高値が閾値以上の受信信号が1つもない場合、次にサンプリングされた受信信号に対して同様の検出処理を繰り返す。
ステップS301では、送信部102から超音波信号が送信される。その後、検出部106が、各受信部103で超音波信号を受信して増幅部104及びA/D変換部105を介して受け取った受信信号の波高値を測定する。波高値の測定は、受信部アレイ201の全ての受信部103の受信信号の波高値を、アンプを介してマルチチャンネルロガーなどで並列に読み取りをおこなえばよい。
ステップS302では、検出部106が、受信信号ごとに、波高値が閾値以上の受信信号があるかどうかを検出する。受信信号のうち、波高値が閾値以上の受信信号が1以上ある場合、ステップS303へ進み、波高値が閾値以上の受信信号が1つもない場合、次にサンプリングされた受信信号に対して同様の検出処理を繰り返す。
ステップS303では、欠損位置判定部107が、波高値が閾値以上の受信信号を欠損候補信号として判定する。波高値が閾値以上である場合は、その受信信号は被検体150を透過せずに穴などを透過して直接受信された可能性が高いので、受信信号が被検体150を透過した位置は何らかの欠損が生じていると考えられるからである。なお、閾値は、例えば、予め欠損のない被検体を透過した透過波を測定し、この透過波を受信した受信信号の波高値の平均値を閾値とすればよい。
ステップS304では、検出部106が、欠損候補信号を受信した時点から、送信部102と受信部103との間の距離を信号が往復する時間を経過したときの、多重反射した受信信号の波高値を測定する。
ステップS304では、検出部106が、欠損候補信号を受信した時点から、送信部102と受信部103との間の距離を信号が往復する時間を経過したときの、多重反射した受信信号の波高値を測定する。
ステップS305では、検出部106が、欠損候補信号を受信した受信部103で、波高値が閾値以上の多重反射した受信信号があるかどうかを、受信信号ごとに検出する。なお、多重反射が発生する周期は一定であり、送信部102と受信部103との間の距離を超音波信号が往復する時間の整数倍で発生する。従って、多重反射した信号を検出する場合は、1度反射した受信信号に限らず、送信部102と受信部103との間の距離を超音波信号が往復する時間の整数倍のタイミングであって、欠損候補信号の波高値が欠損候補信号以外の受信信号の波高値と区別できる大きさとなるタイミングであればよい。また、ステップS305における閾値は、ステップS302における閾値よりも小さい値に設定するとする。多重反射した受信信号の波高値が閾値よりも小さい場合、ステップS306へ進み、多重反射した受信信号の波高値が閾値以上であれば、ステップS307へ進む。
ステップS306では、欠損位置判定部107が、受信信号を回折波と判定する。
ステップS307では、欠損位置判定部107が、受信信号を欠損信号と判定する。
ステップS308では、欠損位置判定部107が、欠損信号を受信した受信部103の位置を特定する。これにより、受信部103の位置が被検体150における欠損の位置に対応するので、欠損の位置と大きさとを判定することができる。なお、欠損位置の座標を外部に出力してもよい。以上で、状態判定装置100の判定処理を終了する。
ステップS306では、欠損位置判定部107が、受信信号を回折波と判定する。
ステップS307では、欠損位置判定部107が、受信信号を欠損信号と判定する。
ステップS308では、欠損位置判定部107が、欠損信号を受信した受信部103の位置を特定する。これにより、受信部103の位置が被検体150における欠損の位置に対応するので、欠損の位置と大きさとを判定することができる。なお、欠損位置の座標を外部に出力してもよい。以上で、状態判定装置100の判定処理を終了する。
次に、実施形態の状態判定装置100により検出された受信信号の一例を図4及び図5を参照して説明する。なお、ここでは、ID「2」と「3」の受信部103で受信する超音波信号が被検体150を透過する位置に欠損が生じていると仮定する。
図4に示すように、各受信部103にはIDが付与され、ここでは4つの受信部103で受信した受信信号が示される。信号401には大きな振動が見られ、波高値が高くなっている。また、ID「2」及びID「3」の受信部103に隣接するID「1」及びID「4」の受信部103で受信した信号402も、通常の透過波よりも波高値が高くなっている。これは、ID「2」及びID「3」の受信部103が受け取る超音波信号の回折波が、隣接する受信部103でも受信されるためである。すなわち、信号強度が高い回折波により、他の受信部103でも欠損部分を透過してきたかのような超音波信号を受信することになる。
図4に示すように、各受信部103にはIDが付与され、ここでは4つの受信部103で受信した受信信号が示される。信号401には大きな振動が見られ、波高値が高くなっている。また、ID「2」及びID「3」の受信部103に隣接するID「1」及びID「4」の受信部103で受信した信号402も、通常の透過波よりも波高値が高くなっている。これは、ID「2」及びID「3」の受信部103が受け取る超音波信号の回折波が、隣接する受信部103でも受信されるためである。すなわち、信号強度が高い回折波により、他の受信部103でも欠損部分を透過してきたかのような超音波信号を受信することになる。
そこで、信号の多重反射も含めて判定処理をおこなう場合を図5に示す。
始めに、全ての受信部103において受信信号の波高値が大きくなっている部分があるが、これは送信部102において超音波信号を生成するために印加電圧をかけたときの信号を検出したものである。全ての受信部103において印加電圧を検出した後、次に受信信号の波高値が大きい波高値501は、ID「2」及びID「3」の受信部103が、被検体150の欠損部分を透過した信号強度の高い超音波信号を受け取り、隣接する受信部103が、この超音波信号の回折波を受け取った場合を示す。
さらに、波高値502は、多重反射した超音波信号を示し、送信部102と受信部103との間の距離を超音波信号が往復する期間503を経過して再び受信部103において受信された受信信号である。また、多重反射した場合の回折波は、透過波に影響を及ぼさない程度に小さくなる。これによって、穴を透過した受信信号と回折波とを区別することができる。すなわち、図5の例では、波高値502が閾値以上である受信信号は、被検体の欠損部分を透過してきた欠損信号であるといえるので、欠損位置判定部107は、ID「2」及びID「3」の受信部103が受信する受信信号が被検体を透過する位置に、欠損があると判定することができる。
始めに、全ての受信部103において受信信号の波高値が大きくなっている部分があるが、これは送信部102において超音波信号を生成するために印加電圧をかけたときの信号を検出したものである。全ての受信部103において印加電圧を検出した後、次に受信信号の波高値が大きい波高値501は、ID「2」及びID「3」の受信部103が、被検体150の欠損部分を透過した信号強度の高い超音波信号を受け取り、隣接する受信部103が、この超音波信号の回折波を受け取った場合を示す。
さらに、波高値502は、多重反射した超音波信号を示し、送信部102と受信部103との間の距離を超音波信号が往復する期間503を経過して再び受信部103において受信された受信信号である。また、多重反射した場合の回折波は、透過波に影響を及ぼさない程度に小さくなる。これによって、穴を透過した受信信号と回折波とを区別することができる。すなわち、図5の例では、波高値502が閾値以上である受信信号は、被検体の欠損部分を透過してきた欠損信号であるといえるので、欠損位置判定部107は、ID「2」及びID「3」の受信部103が受信する受信信号が被検体を透過する位置に、欠損があると判定することができる。
以上に示した第1の実施形態の状態判定装置によれば、回折波の影響が少ない多重反射した受信信号を用いて被検体の状態を判定することにより、被検体の欠損の有無を判定し、さらに欠損の位置及び大きさを高精度に判定することができる。
(本実施形態の第1の変形例)
実施形態の状態判定装置では、多重反射した受信信号の波高値により欠損信号を判定するが、第1の変形例では、受信信号の波高値の包絡線の減衰率を計算することにより欠損信号を判定する点が異なる。穴を直接透過した受信信号は他の受信信号から回折波の影響を受けないため、短時間で減衰率が一定となるが、他の受信信号は、穴を透過した受信信号からの回折波の影響により、減衰率が一定となるまで時間がかかる。よって、この時間を測定することにより被検体の欠損部分を判定することができる。
実施形態の第1の変形例の状態判定装置について図6のブロック図を参照して説明する。
実施形態の第1の変形例の状態判定装置600は、送信制御部101、送信部102、受信部103、増幅部104、A/D変換部105、検出部106、減衰率計算部601、及び欠損位置判定部602を含む。なお、送信制御部101、送信部102、受信部103、増幅部104、A/D変換部105、及び検出部106については、本実施形態に係る状態判定装置100と同様の動作をおこなうため、ここでの説明は省略する。
実施形態の状態判定装置では、多重反射した受信信号の波高値により欠損信号を判定するが、第1の変形例では、受信信号の波高値の包絡線の減衰率を計算することにより欠損信号を判定する点が異なる。穴を直接透過した受信信号は他の受信信号から回折波の影響を受けないため、短時間で減衰率が一定となるが、他の受信信号は、穴を透過した受信信号からの回折波の影響により、減衰率が一定となるまで時間がかかる。よって、この時間を測定することにより被検体の欠損部分を判定することができる。
実施形態の第1の変形例の状態判定装置について図6のブロック図を参照して説明する。
実施形態の第1の変形例の状態判定装置600は、送信制御部101、送信部102、受信部103、増幅部104、A/D変換部105、検出部106、減衰率計算部601、及び欠損位置判定部602を含む。なお、送信制御部101、送信部102、受信部103、増幅部104、A/D変換部105、及び検出部106については、本実施形態に係る状態判定装置100と同様の動作をおこなうため、ここでの説明は省略する。
減衰率計算部601は、検出部106から欠損候補信号を受け取り、欠損候補信号の波高値の包絡線の減衰率を計算し、この波高値の包絡線の減衰率が所定の減衰率に至るまでの減衰時間を、欠損候補信号ごとに測定する。
欠損位置判定部602は、減衰率計算部601から減衰時間を受け取り、減衰時間が閾値以内であるかどうかを判定する。減衰時間が閾値以内であれば欠損信号として判定し、欠損信号が被検体を透過した位置を欠損位置として判定する。
欠損位置判定部602は、減衰率計算部601から減衰時間を受け取り、減衰時間が閾値以内であるかどうかを判定する。減衰時間が閾値以内であれば欠損信号として判定し、欠損信号が被検体を透過した位置を欠損位置として判定する。
次に、第1の変形例の状態判定装置600の動作について図7のフローチャートを参照して説明する。なお、ステップS301からステップS303まで、及びステップS306からステップS308までは、図3に示す本実施形態に係る状態判定装置100と同様であるので、ここでの説明は省略する。
ステップS701では、減衰率計算部601が、欠損候補信号における波高値の包絡線の減衰率を計算し、所定の減衰率に至るまでの減衰時間を計測する。
ステップS702では、欠損位置判定部601が、減衰時間が閾値以内であるかどうかを判定する。減衰時間が閾値よりも長い場合、ステップS306へ進み、回折波と判定される。減衰時間が閾値以内である場合は、ステップS307へ進み、欠損信号として判定される。
ステップS701では、減衰率計算部601が、欠損候補信号における波高値の包絡線の減衰率を計算し、所定の減衰率に至るまでの減衰時間を計測する。
ステップS702では、欠損位置判定部601が、減衰時間が閾値以内であるかどうかを判定する。減衰時間が閾値よりも長い場合、ステップS306へ進み、回折波と判定される。減衰時間が閾値以内である場合は、ステップS307へ進み、欠損信号として判定される。
以上に示した実施形態の第1の変形例の状態判定装置によれば、欠損候補信号における波高値の包絡線の減衰率に基づいて欠損信号を判定することにより、本実施形態と同様に、被検体の欠損の有無を判定し、さらに欠損の位置及び大きさを高精度に判定することができる。
(本実施形態の第2の変形例)
実施形態の第2の変形例の状態判定装置では、被検体の欠損部分を透過した受信信号の周波数特性と、被検体の欠損部分以外の位置を透過した受信信号の周波数特性とを比較することで、欠損信号を判定する点が異なる。
実施形態の第2の変形例の状態判定装置では、被検体の欠損部分を透過した受信信号の周波数特性と、被検体の欠損部分以外の位置を透過した受信信号の周波数特性とを比較することで、欠損信号を判定する点が異なる。
実施形態の第2の変形例の状態判定装置について、図8のブロック図を参照して説明する。
実施形態の第2の変形例の状態判定装置800は、送信制御部101、送信部102、受信部103、増幅部104、A/D変換部105、検出部106、周波数変換部801、及び欠損位置判定部802を含む。なお、送信制御部101、送信部102、受信部103、増幅部104、A/D変換部105、及び検出部106については、本実施形態に係る状態判定装置100と同様の動作をおこなうため、ここでの説明は省略する。
実施形態の第2の変形例の状態判定装置800は、送信制御部101、送信部102、受信部103、増幅部104、A/D変換部105、検出部106、周波数変換部801、及び欠損位置判定部802を含む。なお、送信制御部101、送信部102、受信部103、増幅部104、A/D変換部105、及び検出部106については、本実施形態に係る状態判定装置100と同様の動作をおこなうため、ここでの説明は省略する。
周波数変換部801は、検出部106から欠損候補信号を受け取り、欠損候補信号ごとに、周波数特性を算出する。周波数特性は例えば、高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)をおこなうことで算出すればよい。また、被検体150を透過させないときの超音波信号の周波数特性を基準周波数特性として算出しておく。
欠損位置判定部802は、周波数変換部801から周波数特性と基準周波数特性とを受け取り、周波数特性と基準周波数特性との差分が閾値以内であるかどうかを判定する。差分が閾値以内であれば欠損信号として判定し、欠損信号が被検体を透過した位置を欠損位置として判定する。なお、基準周波数特性は、予め欠損位置判定部802が有してもよい。
欠損位置判定部802は、周波数変換部801から周波数特性と基準周波数特性とを受け取り、周波数特性と基準周波数特性との差分が閾値以内であるかどうかを判定する。差分が閾値以内であれば欠損信号として判定し、欠損信号が被検体を透過した位置を欠損位置として判定する。なお、基準周波数特性は、予め欠損位置判定部802が有してもよい。
次に、実施形態の第2の変形例の状態判定装置800の動作について図9のフローチャートを参照して説明する。なお、ステップS301からステップS303まで、及びステップS306からステップS308までは、図3に示す実施形態の状態判定装置100と同様であるので、ここでの説明は省略する。
ステップS901では、周波数変換部801が、欠損候補信号をFFT処理し、周波数特性、及び基準周波数特性を算出する。
ステップS902では、欠損位置判定部802が、周波数特性と基準周波数特性との差分を算出する。
ステップS903では、欠損位置判定部802が、差分が閾値以内であるかどうかを判定する。差分が閾値よりも大きい場合、ステップS306へ進み、回折波と判定される。差分が閾値以内である場合は、被検体150を透過せずに直接受信された受信信号であると考えられるので、ステップS307へ進み、欠損候補信号が欠損信号として判定される。
ステップS901では、周波数変換部801が、欠損候補信号をFFT処理し、周波数特性、及び基準周波数特性を算出する。
ステップS902では、欠損位置判定部802が、周波数特性と基準周波数特性との差分を算出する。
ステップS903では、欠損位置判定部802が、差分が閾値以内であるかどうかを判定する。差分が閾値よりも大きい場合、ステップS306へ進み、回折波と判定される。差分が閾値以内である場合は、被検体150を透過せずに直接受信された受信信号であると考えられるので、ステップS307へ進み、欠損候補信号が欠損信号として判定される。
以上に示した実施形態の第2の変形例の状態判定装置によれば、超音波信号の周波数特性に基づいて判定することにより、本実施形態と同様に、被検体の欠損の有無を判定し、さらに欠損の位置及び大きさを高精度に判定することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更をおこなうことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
100,600,800・・・状態判定装置、101・・・送信制御部、102・・・送信部、103・・・受信部、104・・・増幅部、105・・・A/D変換部、106・・・検出部、107,602,802・・・欠損位置判定部、150・・・被検体、201・・・受信部アレイ、401,402・・・信号、501,502・・・波高値、503・・・時間、601・・・減衰率計算部、801・・・周波数変換部、802・・・欠損位置判定部。
Claims (10)
- 超音波を生成し超音波信号を送信する送信部と、
前記送信部が生成した前記超音波信号を第1受信信号として取得する1以上の受信部と、
前記受信部ごとの前記第1受信信号の波高値を測定し、前記波高値が第1閾値以上の第1受信信号があるかどうかを検出する検出部と、
前記第1受信信号の前記波高値が第1閾値以上である場合、該第1受信信号を欠損候補信号として判定する判定部と、
前記欠損候補信号ごとに、該欠損候補信号の周波数特性を示す第1特性を算出する算出部と、を具備し、
前記判定部は前記第1特性と比較するための基準周波数特性を有し、前記第1特性と前記基準周波数特性との差分が第2閾値以内であれば、前記欠損候補信号を欠損信号として判定することを特徴とする状態判定装置。 - 前記基準周波数特性は、前記算出部によって算出されることを特徴とする請求項1に記載の状態判定装置。
- 前記第1特性は、高速フーリエ変換により算出されることを特徴とする請求項2に記載の状態判定装置。
- 前記判定部は、前記第1特性が前記算出部によって算出される前から前記基準周波数特性を有していることを特徴とする請求項1に記載の状態判定装置。
- 前記第1受信信号は、前記超音波信号が被検体を通過したものであり、
前記判定部は、さらに、前記欠損信号が前記被検体を透過した位置に欠損があると判定することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の状態判定装置。 - 送信部が超音波を生成して超音波信号を送信し、
受信部が前記超音波信号を1以上の受信部で受信して、第1受信信号をそれぞれ取得し、
検出部が前記受信部ごとの前記第1受信信号の波高値を測定し、前記波高値が第1閾値以上の第1受信信号があるかどうかを検出し、
判定部が前記第1受信信号の前記波高値が第1閾値以上である場合、該第1受信信号を欠損候補信号として判定し、
算出部が前記欠損候補信号ごとに、該欠損候補信号の周波数特性を示す第1特性を算出し、
前記第1特性と、前記判定部が有し前記第1特性と比較するための基準周波数特性と、の差分が第2閾値以内であれば、前記欠損候補信号を欠損信号として判定することを特徴とする状態判定方法。 - 前記基準周波数特性は、前記算出部によって算出されることを特徴とする請求項6に記載の状態判定方法。
- 前記第1特性は、高速フーリエ変換により算出されることを特徴とする請求項7に記載の状態判定方法。
- 前記判定部は、前記第1特性が前記算出部によって算出される前から前記基準周波数特性を有していることを特徴とする請求項6に記載の状態判定方法。
- 前記第1受信信号は前記超音波信号が被検体を通過したものであり、
前記判定部は、さらに、前記欠損信号が前記被検体を透過した位置に欠損があると判定することを特徴とする請求項6乃至9のいずれか1項に記載の状態判定方法。
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