JP5377439B2 - 保守用トロッコ - Google Patents
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Description
しかし、トロッコを小移動させる際にブレーキを解除する必要が生じると、空気タンクの圧縮空気を全て大気開放し、シリンダの圧縮空気を開放して減圧し、電磁弁ブレーキの制動を解除する。このため、空気タンクの圧縮空気を全て大気開放して使い切ってしまうため、再度ブレーキを掛けることができなくなる欠点があった。
また、トロッコに、圧縮空気がなくても作動する手動式のハンドルブレーキを併設したものも提案されているが、このハンドルブレーキは、作業員が意識して掛けない限り作動しないため、掛け忘れや操作ミス等で事故が発生する虞れがあった。
図1と図2に示すように、本発明の保守用トロッコTは、先導するモーターカーMの駆動力によって軌道を走行する新幹線又は在来線用の保守用車を構成するものである。保守用トロッコTは、モーターカーMとの連結が切断された分離状態下で、圧縮空気を備蓄する駐車ブレーキ用予備エアタンク22を備え、予備エアタンク22内の空気圧P1を利用して駐車ブレーキ機構2を自動的に作動させるエアシリンダ20を設けている。
保守用トロッコTは、4つの車輪4…を有し、モーターカーMに牽引されて軌道上を走行可能である。保守用トロッコTは、制動装置として、駐車ブレーキ機構2と電磁弁ブレーキ機構3を備えている。駐車ブレーキ機構2は、モーターカーMと保守用トロッコTとの連結が切断された分離状態下で、予備エアタンク22内の空気圧P1を利用してエアシリンダ20を作動し、保守用トロッコTに自動的に駐車ブレーキが掛かるように構成している。
エアタンク32は、元圧管12から分岐する複数の分岐管13A,13B,13Cが接続され、予備エアタンク22よりも高い空気圧P2(ここでは、空気圧P2-=0.5MPa)の圧縮空気が備蓄されている。エアタンク32は、内部の圧縮空気を開放するためのドレンコック36を有している。
なお、前後のトロッコTに従来の減圧弁ブレーキが設けてある場合に備えて、貫通制動管16を、単なる引き通しとして設けておくもよい。
図2及び図4に示すように、手動解除手段1は、枢着部材15に枢着された差込部材17に着脱自在に差込まれると共に、揺動軸心L1廻りに揺動自在として手動レバー10を有している。手動解除手段1は、手動レバー10の揺動に連動して枢着部材15の揺動軸心L1方向奥側に取付けられた揺動片7を揺動させ、揺動片7にロッドエンド(自在継手)を介して取り付けた可動部材14を水平方向に移動させるように構成している。可動部材14は、駐車ブレーキ機構2の一部に連結されている。
図4に於て、手動解除手段1は、手動レバー10をブレーキ解除方向(図中矢印A方向)へ揺動操作して、駐車ブレーキ機構2による制動作用を解除可能であり、かつ、手動レバー10から手を放すと自動的にブレーキ復元方向(図中矢印B方向)に揺動し再び駐車ブレーキ機構2の制動作用を効かせるように構成している。
なお、図1に示すように、トロッコTがモーターカーMに連結されて走行している際は、(図2に二点鎖線をもって示した)手動レバー10は取り外され、駐車ブレーキ機構2を制動解除状態にて固定している。
図2及び図3に於て、エアシリンダ20(リターンシリンダ25)は、予備エアタンク22の空気圧P1の圧縮空気と、エアタンク32の空気圧P2の圧縮空気とを、取り込み、圧力の高いエアタンク32の圧縮空気がピストンを押してロッド20aをエアシリンダ20(リターンシリンダ25)内に引き込むことで、駐車ブレーキ機構2の制動作用を解除している。
これに対して、図5及び図6に示すように、エアシリンダ20(リターンシリンダ25)に供給されていたエアタンク32の圧縮空気を大気開放して空気圧P2から大気圧P0に減圧すると、予備エアタンク22の空気圧P1によりロッド20aが押し出され、駐車ブレーキ機構2が作動状態となるように構成している。
手動解除手段1は、可動部材14をアーム21の一端23にロッドエンド(自在継手)を介して連結しており、手動レバー10を取付けて操作することで、予備エアタンク22の空気圧P1に抗してアーム21を強制的に揺動させ、駐車ブレーキ機構2の制動作用を解除させるように構成している。また、手動解除手段1は、手動レバー10が予備エアタンク22の空気圧P1によってブレーキ復元方向(逆方向B)に揺動するように常時弾発付勢されており、手動レバー10をブレーキ解除方向(一方向A)に揺動させている力を除くと、自動的に駐車ブレーキ機構2の制動作用を復元できるように構成している。
図1に於て、保守用トロッコTがモーターカーMに連結されて走行している状態を示している。モーターカーMは、連結器を介して保守用トロッコT…を牽引し、モーターカーMの制御部と保守用トロッコTの電磁弁ユニット30とを電気回線にて電気的に接続すると共に、モーターカーMのコンプレッサによって加圧した圧縮空気をカプラ11を介して元圧管12に供給している。駐車ブレーキ機構2は、元圧管12又はエアタンク32内の圧縮空気を利用して制動作用を解除し、かつ、空圧的ブレーキ機構3は、モーターカーMの制御部からの電気信号により制動作用を適宜コントロールされる。
次に、保守用トロッコTを軌道上で移動させる際には、ドレンコック36を開放し、エアタンク32の圧縮空気を大気開放する。この際、ブレーキシリンダ35の空気が減圧され空圧的ブレーキ機構3による制動が解除されると共に、エアシリンダ20に供給されていたエアタンク32の圧縮空気が開放され、駐車ブレーキ機構2が予備エアタンク22の空気圧P1により自動的に駐車ブレーキを効かせる(図5、図6参照)。そして、手動レバー10を取付けて揺動操作を行なって、駐車ブレーキ機構2の制動作用を手動解除することで、保守用トロッコTの駐車ブレーキを解除し、走行可能として、手押しで(人力にて)軌道上を移動させる。なお、エアシリンダ20に、外部から圧縮空気を供給して駐車ブレーキ機構2の制動作用を解除するも好ましい。
従って、例えば、保守用トロッコTに重量15tの荷物や重機等を積載した場合であっても信頼性の高い駐車ブレーキを掛け、確実に逸走を防止する。
2 駐車ブレーキ機構
4 車輪
9 ブレーキシュー
10 手動レバー
20 エアシリンダ
20a ロッド
21 アーム
22 予備エアタンク
25 リターンシリンダ
32 エアタンク
P1 空気圧
P 2 空気圧
M モーターカー
A 一方向
B 逆方向
L 1 水平軸心
Claims (1)
- モーターカー(M)に連結されて軌道を走行する保守用トロッコに於て、
所定の空気圧(P 1 )に調整された圧縮空気を備蓄する駐車ブレーキ用予備エアタンク(22)と、該予備エアタンク(22)よりも高い空気圧(P 2 )の圧縮空気を備蓄するエアタンク(32)とを、備え、
ブレーキシュー(9)を車輪(4)に押し付けて制動力を付与する揺動自在のアーム(21)を具備し、上記予備エアタンク(22)内の圧縮空気の上記空気圧(P 1 )により上記アーム(21)に連結されたロッド(20a)を押し出して制動を効かせる方向に常時押出力を付与する駐車ブレーキ用エアシリンダ(20)と、上記エアタンク(32)内の圧縮空気の高い空気圧(P 2 )により上記予備エアタンク(22)の上記空気圧(P 1 )の押出力に抗して上記ロッド(20a)を引き込んで制動を解除するためのリターンシリンダ(25)とを、有し、上記駐車ブレーキ用エアシリンダ(20)と上記ブレーキ解除用リターンシリンダ(25)は兼用とし、
上記モーターカー(M)との連結が切断されて上記モーターカー(M)から分離されると共に上記エアタンク(32)内の圧縮空気を大気開放して高い空気圧(P 2 )から大気圧(P 0 )に減圧した空気圧開放状態で、上記予備エアタンク(22)内の圧縮空気の上記空気圧(P 1 )により上記ロッド(20a)を押し出して上記車輪(4)に制動力を付与する方向に上記アーム(21)を揺動させ、自動的に駐車ブレーキを掛けるように構成され、
さらに、車体の左右方向一側端外方位置で水平軸心(L 1 )廻りに揺動自在に枢着された手動レバー(10)を有する手動解除手段(1)を具備し、該手動解除手段(1)は、空気圧開放状態下で、上記手動レバー(10)の一方向(A)への揺動によって上記予備エアタンク(22)の上記空気圧(P 1 )による上記押出力に抗して上記アーム(21)を揺動させ上記駐車ブレーキを解除し、かつ、上記手動レバー(10)の逆方向(B)への揺動によって上記予備エアタンク(22)の上記空気圧(P 1 )による上記駐車ブレーキを復元するように構成されていることを特徴とする保守用トロッコ。
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Applications Claiming Priority (1)
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ID=45848252
Family Applications (1)
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