JP5375061B2 - 空間温度測定方法および空間温度測定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、室温などの空間温度を測定するために用いられる空間温度測定方法および空間温度測定装置に関する。
この種の温度測定技術は、空調機器などに応用されており実用化されている。従来、例えば住宅内における壁際の温度と室内の中央付近の温度とでは温度差が生じており、たとえ壁際の温度を測定し当該測定温度をフィードバックして各種制御を行ったとしても、室内の中央付近の空調制御に優れた威力を発揮することができないという事情がある。そこで空間の温度を測定するための技術が開発されている(例えば、特許文献1、2参照)。
特許文献1記載の技術思想によれば、超音波発信素子から超音波を放射し発信位置から受信位置までの距離における伝搬時間を計測し、この伝搬時間、距離および媒体の音速に基づいて媒体中の温度を求めている。しかしながら、この技術では音波の通過経路全体の平均温度しか測定することができず、通過経路内の特定位置の温度を測定することは困難である。
その他、特許文献2記載の技術思想では、多数のスピーカ、マイクロホンを用いて空間の温度を測定している。しかしながら、この技術思想においても、多数のスピーカ、マイクロホンが必要となってしまい、連立方的式を特別で複雑な演算を多数行う必要が生じてしまい、温度を簡易的に測定する方法としては不向きである。
特開平8−75568号公報 特開平11−173925号公報
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、簡易な機構、演算処理を用いて空間の温度を測定できるようにした空間温度測定方法および空間温度測定装置を提供することにある。
請求項1に係る発明によれば、測定対象空間の中心位置を挟んで向かい合う方向にある2つの異なる交差点のそれぞれに対し、互いに異なる位置に配設された少なくとも2個以上の超音波発生器から互いに近接して異なる周波数の超音波を発信することで前記超音波を前記2つの異なる交差点にて交差させている。そして、前記超音波発生器から2つの異なる交差点に超音波を発信することに応じて生じる2つの差音を所定位置に配置された検出器により検出し、前記超音波発生器が超音波を発信してから前記2つの差音が前記検出器に到達して検出されるまでの到達時間の差をT、前記2つの交差点間の距離をWとしたとき、前記測定対象空間内における音速Vを2×距離W/時間差Tの計算式により測定し、(前記音速V−331.5[m/s])÷0.61の計算式を用いて前記測定対象空間内における前記2つの交差点間の温度を測定している。発明者らは、温度の違いにより音速Vが異なることに着目している。発明者らは、測定対象空間の温度を測定するには、測定対象空間の中心位置を挟んで向かい合う方向にある2つの異なる交差点を通じて伝搬する音の到達時間をそれぞれ測定し、これらの到達時間の差tdと音の伝搬経路差dとを用いて音速Vを定義すると、(音速V−331.5[m/s])÷0.61の計算式を用いて音速Vから一義的に温度Zを求めることができることを見出している。したがって、この方法を適用すれば、2つの異なる交差点にて音を交差させる構成であれば良いため、簡易な機構で空間の温度を測定できる。しかも、温度Zを(音速V−331.5[m/s])÷0.61の計算式から求めることができるため、簡易な演算で空間の温度を測定できる。また、請求項5に係る発明もほぼ同様の作用効果を奏する。
これらの方法、装置によれば、システム設置後にシステムに与えなければいけないデータは、交差点間の距離になる伝搬経路差dのみで済むので、設置時における初期設定が非常に簡便となる。従って実際の設置現場におけるシステム設置作業が容易になる。
請求項2に係る発明によれば、2つの差音の設定周波数が非可聴周波数に設定されているため、耳障りな音を発生させることなく空間温度を測定できる。請求項6に係る発明もほぼ同様の作用効果を奏する。
請求項3に係る発明によれば、発振機が互いに異なる周波数の超音波を発信するための信号を発振開始して所定の振幅レベルに達した時点から、検出器が2つの差音を検出するときに当該差音の設定周波数を含む所定周波数範囲内の信号の振幅レベルが所定レベルに達した時点までの時間を計測することで到達時間の計測結果として当該計測結果から2つの交差点間の温度を測定するため、簡易な演算処理によって空間の温度を測定できる。
請求項4に係る発明のように、2つの交差点を結合した線分を長径とする楕円範囲を測定対象として見なして測定すると良い。
請求項7に係る発明によれば、超音波発生器は互いに異なる周波数の超音波を発信するための信号を発振する発振機を備え、時間計測手段は、超音波発生器を構成する発振機が信号を発振開始して所定の振幅レベルに達した時点から、検出器により検出される差音の設定周波数を含む所定周波数範囲内の信号の振幅レベルが所定レベルに達した時点までの時間を計測することで到達時間の計測結果としているため、簡易な演算処理によって空間の温度を測定できる。
請求項8に係る発明によれば、2個以上の超音波発生器は、当該超音波発生器による超音波の交差点が測定対象空間となる生活居住空間内の人の居住平均高さに合わせて設置可能になっているため、生活人の居住空間内の温度を測定できるようになる。
請求項9に係る発明のように、2個以上の超音波発生器および検出器を、測定対象空間から所定方向側に位置して配置可能に一体化されたモジュールにより構成すると良い。
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、超音波を利用した空間温度測定装置を用いて所定範囲の空間温度を測定するためのシステムを概略的に示している。
この図1に示すように、このシステムSは空間温度測定装置1によって構成されている。空間温度測定装置1は、生活居住空間に設置されており、壁面などから離間した所定範囲の測定対象空間R(例えば、図1に示す楕円範囲の空間)を測定対象として超音波を利用して空間温度を測定するように構成されている。
尚、測定対象空間Rは、生活居住空間内の人間の居住平均高さに合わせて設定されていると良い。具体的には、生活空間である居間の場合、人間の座高平均+所定高さ、人間の平均身長+所定高さなどに設定すると良い。一般には、人間の身長は2m以下であるため、2mより少し高い空間に設定すると良い。
すると、超音波の伝搬が遮られる頻度を少なくできるため、測定温度の変動を抑制でき正確な空間温度を測定できる。また、生活居住空間の壁内部からの熱伝導や壁付近における隙間風、壁に照射される日光による影響を排除することができ、実用的に必要とされる生活居住空間の温度を正確に測定できるようになる。
空間温度測定装置1は、温度算出手段としての制御回路2と、発振機3、4と、スイッチ5と、4個のスピーカ6〜9と、検出器10と、バンドパス回路11と、包絡線検波回路12、13と、時間計測手段としての時間計測回路14とを備えている。尚、発振機3とスピーカ6、8とは超音波発生器として機能し、発振機4とスピーカ7、9とは超音波発生器として機能する。
制御回路2は、例えばマイクロコンピュータにより構成され、記憶手段としてのメモリ2aを備えている。この制御回路2は、発振機3、4のそれぞれの発振のオン/オフを切替制御可能に構成されている。発振機3、4は、制御回路2の制御信号に基づいて、互いに異なる周波数の信号を発振するように構成されている。発振機3、4の発振周波数は、それぞれ、第1周波数f1(例えば300kHz)、第2周波数f2(例えば330kHz)に設定されている。すなわち、発振機3、4は、基本周波数(この場合315kHz)から上下20分の1程度異なる周波数f1、f2の信号を発振するように構成されている。
スイッチ5は、発振機3とスピーカ6、8との間に形成されると共に、発振機4とスピーカ7、9との間に設けられている。このスイッチ5は、制御回路2の制御信号に基づいて発振機3の発振信号をスピーカ6または8に供給切替えする。また、スイッチ5は、制御回路2の制御信号に基づいて発振機4の発振信号をスピーカ7または9に供給切替えする。
図1に示すように、スピーカ6、8は、互いに近接した第1範囲L1内に配置されており、スピーカ7、9は、互いに近接した第2範囲L2に配置されている。これらのスピーカ6〜9は、測定対象空間Rに向けて超音波を指向性良く放射する。尚、測定対象空間Rは、2つの端部L4、L5を結合した線分を長径とする楕円範囲となるスポット的な範囲であり、本実施形態では測定対象空間R内の平均温度を測定できるようにシステムSを構築している。
具体的には、スピーカ6、7は、互いに離間した第1範囲L1、第2範囲L2にそれぞれ配置されているが、これらのスピーカ6、7は、その超音波信号を測定対象空間R内の所定位置L4(第1端部:交差点に相当:例えば、超音波発信側から測定対象空間Rの遠端部)に向けて発信する。
また、スピーカ8、9は、互いに離間した第1範囲L1、第2範囲L2にそれぞれ配置されているが、これらのスピーカ8、9は、その超音波信号を測定対象空間R内の所定位置L5(第2端部:交差点に相当:例えば、超音波発信側から測定対象空間Rの近端部)に向けて発信する。尚、測定対象空間R内の所定位置L4と所定位置L5とは、測定対象空間Rの例えば平面的な中心位置を挟んで向かい合う方向に相対的に位置している。
スピーカ6、7がそれぞれ放射する超音波信号は、所定位置L4(第1端部)にて交差すると、当該超音波信号の差分周波数(例えば、30kHz)に応じた差音(うなり)を生じる。同様に、スピーカ8、9がそれぞれ放射する超音波信号は所定位置L5(第2端部)にて交差すると、当該超音波信号の差分周波数に応じた差音(うなり)を生じる。これらの2つの差音は位置L4、L5からその周辺に広がる。尚、後述するように、実際にはその差音の主成分は所定の一方向に伝搬することが判明している。
他方、検出器10は、所定位置(例えば、第1範囲L1と第2範囲L2との間の中間位置)に配置されている。この検出器10は、スピーカ6、8が放射可能な超音波信号の第1周波数f1と、スピーカ7、9が放射可能な超音波信号の第2周波数f2との差分の周波数を含む所定周波数範囲(例えば、非可聴周波数範囲(超音波の帯域周波数範囲)、または、可聴周波数範囲)の信号を検出可能な帯域特性を備えている。
バンドパス回路11は、例えばコイルおよびコンデンサを並列接続した構成であり、第1周波数f1と第2周波数f2との間の差の周波数(例えば30kHz)を中心周波数として所定帯域(例えば±10kHz)を通過するフィルタ回路によって構成されている。
包絡線検波回路12は、例えばダイオード、コンデンサなどを組み合わせて構成されており、スイッチ5によって発振機3、4を発振切替するときに当該発振機3、4のうち何れか遅い発振源の出力(本実施形態では発振機4の出力)に接続されている。この包絡線検波回路12は入力信号の包絡線を検波するものであり、超音波発振開始のタイミングを測定するために設けられている。
バンドパス回路11の出力には包絡線検波回路13が接続されている。包絡線検波回路13は、例えばダイオード、コンデンサなどを組み合わせて構成され、バンドパス回路11を通過した信号の包絡線を検波するものであり、差音が検出器10に到達したタイミングを測定するために設けられている。
時間計測回路14は、例えばクロックパルス発生器15、ゲート回路16〜18、パルスカウント回路19を組み合わせたデジタル回路により構成され、制御回路2により制御可能に構成されている。クロックパルス発生器15は、所定周波数のクロックパルス信号を出力する。
ゲート回路16〜18は、例えばNOTゲート16、ANDゲート17、18を組み合わせて構成されている。具体的には、包絡線検波回路13の出力はNOTゲート16に入力されており、NOTゲート16の出力はANDゲート17に入力されている。他方、包絡線検波回路12の出力はANDゲート17に入力されており、ANDゲート17の出力はANDゲート18に入力されている。クロックパルス発生器15の出力はANDゲート18に入力されており、ANDゲート18の出力はパルスカウント回路19に入力されている。
これらのゲート回路16〜18は、包絡線検波回路12の出力信号が所定の第1閾値電圧Vref1以上となる時点t1から、包絡線検波回路13の出力信号が所定の第2閾値電圧Vref2(例えば、第1閾値電圧Vref1と同一レベル)となる時点t2まで、クロックパルス発生器15のクロックパルス信号をパルスカウント回路19に通過させる機能を備えている。
すなわち、包絡線検波回路12による出力信号の振幅は、発振機4の振幅レベルに対応しており、包絡線検波回路13による出力信号の振幅は、検出器10が検出する差音の検出信号の振幅レベルに対応しているため、ゲート回路16〜18は、発振機4の出力が所定の振幅レベルに達した時点から、検出器10が検出する差音の検出信号の振幅レベルが所定の振幅レベルに達した時点までの時間についてクロックパルス信号をパルスカウント回路19に通過させる。
パルスカウント回路19が、時点t1から時点t2までのクロックパルス信号の例えば立ち上がりパルス数をカウントすることで当該カウント数に応じて時間を計測し、この計測結果を制御回路2に出力する。制御回路2は、クロックパルス発生器15のクロックパルス信号の周期にカウント数を乗算して得られた時間を到達時間の計測結果として得ることができる。
次に、図2を用いて音の伝搬原理と差音(うなり)の伝搬方向について概略的に説明する。本実施形態では、スピーカ6〜9から発せられる超音波の伝搬方向によって差音(うなり)の発生方向も変化する。図2(a)に示すように、空気中の分子が音の伝搬方向と同じ方向に振動することによって、音は音源Aから空気中を伝搬するがこの音波は縦波の粗密波となっている。図2(b)に示すように、音源A1がその配設位置からD1方向に位置する所定位置Laに向けて音を発すると共に、音源A1と異なる位置に配置された音源A2がその配置位置からD2方向に位置する所定位置Laに向けて音を発すると、音源A1の発生音と音源A2の発生音とが所定位置Laにて交差する。
すると、音の主伝搬方向がベクトル的に合成されるようになる。したがって、D1方向とD2方向のベクトル成分の合成方向であるD3方向に音が伝搬するようになる。したがって、本来であれば、ベクトル成分の合成方向となるD3方向に位置して検出器10を設置すると感度が良くなる。原理的には、音の主伝搬方向はD3方向になるものの、実際にはD3方向の逆方向にも一部漏れる。
本実施形態では、検出器10がこの漏れ音成分を検出することで差音(うなり)を検出する。図1に示すように、検出器10は、測定対象空間Rからスピーカ6〜9の配設位置側の所定方向(図1では左方向)に配設されている。したがって、これらのスピーカ6〜9および検出器10は一体化したモジュールによって構成できる。この場合、コンパクトに構成でき実用性に富む。
図3(a)、図3(b)は、スピーカが発する音の伝搬経路長の説明を示している。この図3(a)および図3(b)に示すように、スピーカ6、8の配設領域L1と、スピーカ7、9の配設領域L2との間隔をWと定義する。
また図3(a)に示すように、スピーカ6、7の音の伝搬方向の角度をθa、スピーカ6、7から位置L4までの距離をHa、位置L4から検出器10の配設位置までの距離をLa、とそれぞれ定義する。また図3(b)に示すように、音の伝搬方向の角度をθb、スピーカ8、9から位置L5までの距離をHb、位置L5から検出器10の配設位置までの距離をLbとそれぞれ定義する。
このとき、距離Ha、Hbはそれぞれ、
Ha=W/(2×cosθa)、 Hb=W/(2×cosθb) …(1)
であり、距離La、Lbはそれぞれ、
La=(W×tanθa)/2、 Lb=(W×tanθb)/2 …(2)
で表される。すなわち経路差dは、
d = Ha−Hb+La−Lb
= W(tanθa−tanθb+1/cosθa−1/cosθb)/2
… (3)
で表わされることになる。したがって音速Vを、
V = 経路差d / 到達時間差td …(4)
で求めることができる。また、気温をZとすると、1気圧条件において音速Vは、
V = 331.5[m/s] + 0.61 × Z …(5)
の関係があるため、音速Vが求められれば、
Z = (V − 331.5[m/s]) ÷ 0.61 …(6)
の関係で算出できる。このような原理によって気温Zを算出できる。
図4は、空間温度測定装置によって行われる気温の算出制御動作を概略的に示している。この図4に示すように、制御回路2は、超音波を近方の位置L5に向けて発信させるように制御して超音波の到達時間の計測を行い(S1〜S6)、次に、超音波を遠方の位置L4に向けて発信するように制御して超音波の到達時間の計測を行い(S7〜S12)、到達時間差tdを算出し(S13)、音速Vを算出し(S14)、温度Zを算出する(S15)。
以下、具体的に説明する。制御回路2は、パルスカウント回路19によるパルスカウント数をリセットする(S1)。次に、制御回路2はスイッチ5を切替制御する(S2)ことで発振機3、4の出力をそれぞれスピーカ8、9に入力させ(S3)、スピーカ8、9から位置L5に向けてそれぞれ超音波を発信する。
次に、制御回路2は、考えられる想定温度内の最低温度において合成波が検出器10に到達して検出されるまでの予め定められた所定期間だけ待機する(S4)。これは、温度が低くなると遅延時間が長くなるためであり、遅延時間(到達時間)を確実に計測するために余裕時間を設けている。時間計測回路14は、時点t1から時点t2に至るまでのパルス数を検出することで遅延時間taを計測し(S5)、制御回路2に時間計測結果を与える。制御回路2は、時間計測結果を取得すると、発振機3、4の出力を停止させる(S6)。
次に、制御回路2はパルスカウント回路19によるパルスカウント数をリセットする(S7)。次に、制御回路2はスイッチ5を切替制御する(S8)ことで発振機3、4の出力をそれぞれスピーカ6、7に入力させ(S9)、スピーカ6、7から位置L4に向けて超音波を発信する。次に、制御回路2は、考えられる想定温度内の最低温度において合成波が検出器10に到達して検出されるまでの予め定められた所定期間だけ待機する(S10)。これも遅延時間(到達時間)を確実に計測するためである。
時間計測回路14は、時点t1から時点t2に至るまでのパルス数を検出することで遅延時間tbを計測し(S11)、制御回路2に時間計測結果を与える。制御回路2は、時間計測結果を取得すると、発振機3、4の出力を停止させる(S12)。
次に、制御回路2は、遅延時間tbから遅延時間taを減算することで到達時間差tdを算出し(S13)、前記(4)式によって音速Vを算出し(S14)、前記(5)式によって気温Zを算出する(S15)。尚、(5)式の算出処理は、制御回路2が上記(5)式の算出式自体の概念を保持し、当該算出式に応じて気温Zを算出する形態を適用しても良いし、制御回路2が図5に示す近似テーブルデータを内部メモリ2aに予め記憶し、当該記憶データ内の速度データに対応付けられた温度データを一意に変換して気温Zを算出する形態を適用しても良い。
本実施形態によれば、制御回路2が(5)式によって測定対象空間R内の位置L4およびL5間の温度Zを算出できるため、簡易な機構、演算処理を用いて測定対象空間R内の温度を算出できる。
また、第1周波数f1と第2周波数f2との差分周波数が、非可聴周波数(例えば、20kHzを超える周波数)に設定されている場合には、人がうなりを聴き取ることはないため耳障りな音を測定対象空間Rの周辺に発生させることなくシステムSを構築できる。
発振機4が信号を発振開始して所定の振幅レベルに達した時点t1から、検出器10が検出する差音の信号が所定の振幅レベルに達する時点t2までの時間を計測して温度を算出しているため、簡易な回路、演算処理を用いて空間の温度Zを算出できる。
2つの端部L4、L5を結合した線分を長径とする楕円範囲を測定対象と見なして測定しているため、楕円範囲の温度を測定対象空間Rの温度として計測でき、空間温度をスポット的に測定できる。
(他の実施形態)
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に示す変形または拡張が可能である。
スピーカ6〜9は4個に限られず、2個、3個、または、5個以上のスピーカを用いて構成しても良い。すなわち、最小限の2個のスピーカ6,7を用いて構成しても良く、2個のスピーカ6、7を用いるときには、スピーカ6、7による超音波発生の高指向となる方向を2つの異なる交差点L4、L5に向けて順に変更するように構成すると良い。
本発明の一実施形態におけるシステム構成を概略的に示すブロック図 音の伝搬原理と差音の伝搬方向について概略的に示す説明図 超音波の伝搬経路長の説明を概略的に示す図 気温の算出制御動作を概略的に示すフローチャート 速度データと温度データとの対応関係を一意に示すテーブルデータ
符号の説明
図面中、1は空間温度測定装置、2は制御回路(温度算出手段)、14は時間計測回路(時間計測手段)を示す。

Claims (9)

  1. 測定対象空間の中心位置を挟んで向かい合う方向にある2つの異なる交差点のそれぞれに対し、互いに異なる位置に配設された少なくとも2個以上の超音波発生器から互いに近接して異なる周波数の超音波を、一方の交差点に対して発信した後、想定される前記測定対象空間の最低温度での音速に基づいて予め設定された所定期間を待機した後に他方の交差点に対して発信することで前記超音波を前記2つの異なる交差点にて時間差をもって交差させ、
    前記超音波発生器から前記2つの異なる交差点に超音波を発信することに応じて生じる2つの差音を所定位置に配置された検出器により検出し、
    前記超音波発生器が超音波を発信してから前記2つの差音が前記検出器に到達して検出されるまでの到達時間の差をtd、音の伝搬経路差をdとしたとき、前記測定対象空間内における音速Vを伝搬経路差d/時間差tdにより測定し、温度Zを、
    Z=(前記音速V−331.5[m/s])÷0.61
    の計算式を用いて前記測定対象空間内における前記2つの交差点間の温度Zを算出することを特徴とする空間温度測定方法。
  2. 前記2つの差音は、その設定周波数が非可聴周波数に設定されていることを特徴とする請求項1記載の空間温度測定方法。
  3. 前記互いに異なる周波数の超音波を発信するための信号を発振する発振機が信号を発振開始して所定の振幅レベルに達した時点から、前記検出器により検出される差音の設定周波数を含む所定周波数範囲内の信号の振幅レベルが所定レベルに達した時点までの時間を計測することで前記到達時間の計測結果とすることを特徴とする請求項1または2記載の空間温度測定方法。
  4. 前記2つの交差点を結合した線分を長径とする楕円範囲を測定対象として測定することを特徴とする請求項1ないし3の何れかに記載の空間温度測定方法。
  5. 測定対象空間の中心位置を挟んで向かい合う方向にある2つの異なる交差点のそれぞれに対し、互いに異なる位置に配設された少なくとも2個以上の超音波発生器が互いに近接して異なる周波数の超音波を、一方の交差点に対して発信した後、想定される前記測定対象空間の最低温度での音速に基づいて予め設定された所定期間を待機した後に他方の交差点に対して発信してから、前記2つの異なる交差点にて時間差をもって交差して生じる2つの差音が所定位置に配設された検出器にそれぞれ到達して検出されるまでの到達時間の差を測定する時間計測手段と、
    前記時間計測手段の時間差をtdとし、音の伝搬経路差をdとしたとき、前記測定対象空間内における音速Vを伝搬経路差d/時間差tdにより測定し、
    (前記音速V−331.5[m/s])÷0.61
    の計算式を用いて前記測定対象空間内における前記2つの交差点間の温度Zを算出する温度算出手段とを備えたことを特徴とする空間温度測定装置。

  6. 請求項5記載の空間温度測定装置において、
    前記2つの差音は、その設定周波数が非可聴周波数に設定されていることを特徴とする空間温度測定装置。
  7. 請求項5または6記載の空間温度測定装置において、
    前記超音波発生器は、前記互いに異なる周波数の超音波を発信するための信号を発振する発振機を備え、
    前記時間計測手段は、前記超音波発生器を構成する発振機が信号を発振開始して所定の振幅レベルに達した時点から、前記検出器により検出される差音の設定周波数を含む所定周波数範囲内の信号の振幅レベルが所定レベルに達した時点までの時間を計測することで前記到達時間の計測結果とすることを特徴とする空間温度測定装置。
  8. 請求項5ないし7の何れかに記載の空間温度測定装置において、
    前記2個以上の超音波発生器は、当該超音波発生器による超音波の交差点が、前記測定対象空間となる生活居住空間内の人の居住平均高さに合わせて設置可能に構成されていることを特徴とする空間温度測定装置。
  9. 請求項5ないし8の何れかに記載の空間温度測定装置において、
    前記2個以上の超音波発生器および前記検出器は、前記測定対象空間から所定方向側に位置して配置可能に一体化されたモジュールにより構成されていることを特徴とする空間温度測定装置。
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