JP5374439B2 - 免疫測定方法及び免疫測定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、免疫反応を利用した試料の測定方法に関し、より詳細には、抗原もしくは抗体である被検物質を含む試料(検体ともいう)と前記被検物質と特異的に結合する抗体もしくは抗原である分子認識薬とを溶液中で反応させる一次反応と、前記被検物質と同種の抗原もしくは抗体が固相表面に固定化されている固相試薬と、溶液中に存在しており一次反応においては未反応の分子認識薬とが反応する二次反応とからなる逐次反応を用いた免疫測定方法及び免疫測定装置に関する。
従来、血液、尿、便、体腔液(髄液、腹水、胸水など)といった検体中のタンパク質やペプチド、薬剤濃度などを分析するために免疫測定法が広く用いられている。免疫測定法は、抗原と抗体との特異的反応を利用しているので、抗原、抗体もしくはこれらに結合した成分を精度よく分析することができる。
下記の特許文献1には、免疫測定法の1種として、逐次反応を利用した免疫測定法が開示されている。ここでは、次の手順で測定が行なわれる。すなわち、(1)反応容器中の検体に複数種類の抗体を加え、検体と反応させた後、未反応の検体を取り除く。次に、酵素標識抗体を加えて酵素一抗体複合体を形成した後、未反応の酵素標識抗体を取除く。(2)測定系に接続する電極を上記反応容器に挿入すると共に電極の中の作用電極に所定の電位を与えて分極する。(3)上記反応容器に第i反応基質を加えたときに生成する電気化学活性物質による反応に基づく電流の変化を検出する。(4)反応容器に第i+1反応基質を加えると共に、第i+1反応基質を加えると同時または第i+1反応基質を加える直前に上記第i反応を特異的に阻害する抗体を添加し上記第i反応を抑制する。(5)N項目の測定が終了するまで上記(4)の段階を繰返す。但し、1≦i<N;Nは測定項目数である。以上のように、ここでの逐次反応は同じ反応容器中で進む。
特許文献1に記載の免疫測定法では、電極を用いた電気化学系で測定(反応の検出)を行なうため、ダイナミックレンジの制限が原理的に存在しない。従って、複数項目の測定を1つの反応容器中で行っても、各項目の試料濃度範囲が制限されない旨が特許文献1に記載されている。
特開平5−296973号公報
しかしながら、上記電極反応を利用した検出反応自体には原理的に測定レンジに限界が存在しないとしても、特許文献1に記載の逐次反応法は、抗原の異なるエピトープに同時に結合しうる2種以上の抗体が得られない場合には適用できない方法である。また、特許文献1に記載の逐次反応法は、例えば、1種類の抗体を用いて試料中の抗原とハプテン化抗原とを競合させて類似の測定に持ち込んだとしても、被検物質濃度に対する検出強度がシグモイド関数応答するため、ノイズに対して有意差をもって判別できる範囲は狭く、測定可能範囲自体を十分に拡げ得るものではなかった。
本発明の目的は、上述した従来技術の現状に鑑み、抗原の異なるエピトープに同時に結合しうる2種以上の抗体が得られない場合においても広い濃度範囲の測定を可能にする免疫測定方法及び免疫測定装置を提供することにある。
本発明の免疫測定方法は、抗原もしくは抗体である被検物質を含む試料と、被検物質と特異的に結合する抗体もしくは抗原である分子認識薬とを溶液中で反応させて免疫複合体を得る一次反応と、被検物質と同種の抗原もしくは抗体が固相表面に固定化されている固相試薬と、溶液中に存在しており一次反応において未反応であった分子認識薬とが反応して固相免疫複合体を得る二次反応とからなる逐次反応を用い、二次反応後に固相免疫複合体の量に対応する信号強度を検出して、該検出した信号強度から、試料中の被検物質の濃度を測定する免疫測定方法である。本発明の免疫測定方法では、分子認識薬の濃度について多水準で作成した複数の検量線から選択した少なくともひとつの検量線を参照して、未知濃度の試料に対して得られた信号強度から、未知濃度の試料中の被検物質の濃度を測定する。
例えば、多水準で作成した複数の検量線は、濃度又は希釈率が、隣り合う濃度において、それぞれ1/2〜1/100000の範囲で異なるものを3水準以上である。より好ましくは、それぞれ1/10〜1/10000の範囲で異なるものを3水準以上である。一例を挙げると、1/100,1/1000,1/10000、1/100,1/5000,1/10000、1/100,1/500,1/2500,1/75000、1/50,1/250,1/750,1/3750,1/18750,1/100,1/1000,1/10000,1/10000、などの組合せが挙げられる。
溶液中での一次反応と固相表面での二次反応とは時間的、空間的に分離された逐次反応である。一次反応の分子認識薬の濃度を下げると被検物質の濃度に対する検出器の信号強度の検量線における変曲点が低濃度側に移動し、分子認識薬の濃度が高い場合とは異なる検量線が得られる。
より低濃度の分子認識薬により得られた検量線は、より高濃度の分子認識薬により得られた検量線に比べてより低濃度領域の被検物質の定量に適している。分子認識薬の濃度について多水準で作成した複数の検量線のそれぞれの測定範囲の論理和により、みかけの測定可能範囲は、低濃度側に拡張される。
本発明の免疫測定方法のある特定の局面では、一次反応において、試料中の被検物質と、分子認識薬との結合が飽和状態となるまで、被検物質と分子認識薬とを反応させる。
この場合、拡散律速である一次反応が充分に進行して、被検物質が、分子認識薬と確実に結合するまで一次反応と二次反応の間のディレイタイムを置くことにより、未反応の分子認識薬の分子数が揺らぐ幅が狭くなる。従って、試料中の被検物質の濃度を精度よく測定することができる。
ただし、ディレイタイムは、拡散律速である一次反応が50パーセント以上進展する時間を超えていることが好ましく、必ずしも完全なる平衡を待つ必要はない。一次反応を途中で切り上げることの影響としては、最終的な精度を悪くするが、全測定時間は短くなる。
本発明の免疫測定方法の他の特定の局面では、固相試薬の固相表面への固定化を、BSA(Bovine Serum Albumin:ウシ血清アルブミン)に固相試薬を修飾した後に、固相表面に固定化することにより行う。
この場合、BSAが固相表面に物理吸着することにより固相試薬の固定化を行うので、共有結合を生じさせるための特別な化学的操作なしに簡単に抗体修飾BSAを固相表面に固定することができる。
本発明の免疫測定方法のさらに他の特定の局面では、被検物質と同種の固相試薬の固相表面への固定化を、固相試薬を固相表面に直接固定化することにより行う。
本発明の免疫測定方法のまた他の特定の局面では、複数の検量線の作成に際して、一次反応において用いる分子認識薬の濃度を、1pg/ml〜100μg/mlの範囲内とする。
この場合、分子認識薬は、予想される被検物質の濃度の最大値よりも濃いことが好ましい。一次反応で未反応の分子認識薬をニ次反応で固相試薬と結合させるのであるから、分子認識薬の濃度が薄すぎると未反応の分子認識薬が残らないため原理的に測定を行うことができなくなる場合がある。一方、分子認識薬の濃度が濃すぎると一次反応後の未反応の分子認識薬の濃度に有意の差が出なくなり、試料中の被検物質の濃度を測定できなくなる場合がある。
本発明の免疫測定方法のまた別の特定の局面では、固相表面に固定化されている固相試薬の量を、0.1μg/cm〜100μg/cmの範囲内とする。
ここで、固相試薬の量が少なすぎると、一次反応で未反応のまま残った分子認識薬と固相試薬との反応である二次反応の際に分子認識薬が過剰量となってしまい測定できなくなる場合がある。なお、固相化試薬である固相表面に固定化されている抗原もしくは抗体の量は、分子認識薬の分子数を上回っていれば十分であるが、より現実的には、固定化に伴う失活を考慮して分子認識薬の分子数の2倍〜3倍であることが好ましい。
本発明に係る免疫測定装置は、抗原もしくは抗体である被検物質を含む試料と、試料中の被検物質と特異的に反応する抗体もしくは抗原である分子認識薬とを溶液中で平衡状態となるまで反応させて免疫複合体及び未反応の抗体を得る一次反応を行うための第1の反応チャンバーと、試料中の被検物質と同種の抗原もしくは抗体が表面に固定化されている固相を有し、固定化された抗原もしくは抗体と、溶液中に存在しており一次反応において未反応の分子認識薬とを反応させて固相免疫複合体を得る二次反応を行うための第2の反応チャンバーと、第2の反応チャンバー内の溶液中の第1の反応チャンバーで生じた未反応の抗体が固相表面で反応して形成された免疫複合体の量に対応する信号強度を検出する検出装置と、複数の検量線から選択したひとつの検量線と、検出装置により検出された信号強度とから試料中の抗原もしくは抗体の濃度を求める制御装置とを備えている。
第1の反応チャンバーには、ガス注入口が連結されていてよい。ガス注入口からは、第1の反応チャンバー内の溶液を第2の反応チャンバーに移送する動力となるガスが注入される。
本発明の免疫測定装置では、まず、液体導入口に被検物質を含む試料および分子認識薬が第1のチャンバーに投入される。第1の反応チャンバーでは、被検物質と分子認識薬が結合した免疫複合体が形成されるとともに、未反応の分子認識薬が残る。次いで、第1のマイクロ流路内の溶液は、マイクロ流路を通って第2の反応チャンバーに移送され、一次反応で未反応であった分子認識薬は、第2の反応チャンバーの固相試薬と結合して固相免疫複合体を形成する。検出装置は、第2の反応チャンバー内の固相表面に生じた固相免疫複合体の濃度を検出する。制御装置は、被検物質と特異的に結合する抗体もしくは抗原である分子認識薬の濃度について多水準で作成した複数の検量線から選択した少なくともひとつの検量線と、検出装置により検出された免疫複合体の濃度に対応する信号強度とから試料中の被検物質の濃度を求める。二つ以上の検量線を参照して被検物質の濃度を求める場合には、それぞれの検量線から求められる値に応分の重みづけをして最終的な被検物質の濃度を求める。本発明の測定装置により、分子認識薬の濃度について多水準で作成した複数の検量線を求めることができる。測定範囲が異なる複数の検量線の測定範囲を合成して広い測定範囲がカバーされる。
本発明に係る免疫測定装置のある特定の局面では、複数の第1及び第2の反応チャンバーのそれぞれが第1のマイクロチップに形成されている。第1のマイクロチップには、相互に異なる濃度の試料が供給される複数の第1のマイクロ流路と、分子認識薬を含む、相互に異なる濃度の液体が供給される複数の第2のマイクロ流路とがさらに形成されている。複数の第1のマイクロ流路のそれぞれには、試料を秤取する第1の秤取部が複数設けられている。複数の第2のマイクロ流路のそれぞれには、液体を秤取する第2の秤取部が複数設けられている。複数の第1の反応チャンバーのそれぞれには、複数の第1の秤取部のいずれかひとつと、第2の秤取部のいずれかひとつとから試料及び液体が供給される。制御装置は、検出装置に、複数の第2の反応チャンバーのそれぞれにおける溶液中の免疫複合体の濃度を検出させ、その結果に基づいて複数の検量線を作成する。
この構成によれば、第1のマイクロチップに、検出装置及び制御部以外の部分の大部分が配置されているため、持ち運びが容易である。また、免疫測定装置を小型化することができる。さらに、第1のマイクロチップを交換するのみで、容易に新たな測定を行うことができる。
本発明に係る免疫測定装置の他の特定の局面では、第1のマイクロチップは、試料が注入される試料用注入口と、試料を希釈するための第1のバッファ液が注入される第1のバッファ液用注入口と、試料を第1のバッファ液で希釈することにより、相互に異なる濃度の試料を作成する第1の希釈系列とをさらに有する。
この構成によれば、検量線を作成するために既知の被検物質濃度が異なる複数の標準液を予め用意しておく必要がないため、多点の被検物質濃度にもとづく検量線を容易に作成することができる。
本発明に係る免疫測定装置の別の特定の局面では、第1のマイクロチップは、液体が注入される液体用注入口と、液体を希釈するための第2のバッファ液が注入される第2のバッファ液用注入口と、液体を第2のバッファ液で希釈することにより、相互に異なる濃度の液体を作成する第2の希釈系列とをさらに有する。
この構成によれば、分子認識薬濃度が異なる複数の液体を予め用意しておく必要がないため、異なる多水準の分子認識薬濃度にもとづく複数の検量線を容易に作成することができる。
本発明に係る免疫測定装置のさらに他の特定の局面では、免疫測定装置は、検物質を未知の濃度で含む検体が注入される検体用注入口と、検体を希釈するための第3のバッファ液が注入される第3のバッファ液用注入口と、検体を第3のバッファ液で希釈することにより、相互に異なる濃度の複数の検体を作成する第3の希釈系列と、第3の希釈系列において作成された複数の検体のいずれかひとつが供給される複数の第1の反応チャンバーと、複数の第1の反応チャンバーのいずれかひとつに接続されている複数の第2の反応チャンバーとを有する第2のマイクロチップを備えている。制御装置は、検出装置に、第2のマイクロチップの複数の第2の反応チャンバーのそれぞれにおける溶液中の免疫複合体の濃度を検出させ、その結果と、複数の検量線から選択したひとつの検量線とに基づいて検体中の抗原もしくは抗体の濃度を測定する。
この構成では、濃度が異なる複数の検体溶液に対する測定が行われるため、希釈された検体溶液のいずれかが検量線の測定可能範囲にある限り、もとの検体試料に含まれる被検物質の濃度を精度よく測定できる。これは、被検物質の濃度が検量線の測定範囲よりも濃い濃度領域にある非常に濃い検体試料のみしかない場合でも、希釈系列化された検体試料のいずれかにより測定を行うことができるということであり、みかけの測定範囲を高濃度側に拡張できる。
本発明に係る免疫測定装置のさらに別の特定の局面では、第1のマイクロチップと第2のマイクロチップとは一体に形成されている。測定可能範囲を低濃度側に拡張する第1のマイクロチップと測定可能範囲を高濃度側に拡張する第2のマイクロチップとが一体とされている。
この構成によれば、より広い測定範囲が測定できる免疫測定装置をさらに小型化できる。
本発明の構成によれば、試料中の抗原もしくは抗体である被検物質の濃度と、被検物質に特異的に結合する抗体もしくは抗原である分子認識薬の濃度とを変化させて抗体濃度に対する検出部での信号強度のシグモイド関数型の検量線の変曲点を移動させて相互に異なる測定可能範囲を有する複数の検量線を作成することができる。このため、前記分子認識薬の濃度について多水準で作成した複数の検量線から選択したひとつの検量線を参照して未知濃度の試料中の被検物質の濃度を測定することにより、広い濃度範囲において免疫測定を行うことができる。
また、抗原の異なるエピトープに同時に結合しうる2種以上の抗体が得られない場合においても広い濃度範囲の測定を可能にする免疫測定方法及び免疫測定装置を提供することができる。
第1の実施形態において求められる複数の検量線を示す図である。 第1の実施形態に係る免疫測定装置の概略ブロック図である 第1の実施形態における免疫測定方法のフローチャートを示す図である。 第1の実施形態における一次反応及び二次反応を説明するための模式図である。 第1の実施形態において求められる検量線の一例を示す図である 第2の実施形態におけるマイクロチップの略図的模式図である。 第2の実施形態における検量線作成部の一部分を表す略図的模式図である。 第2の実施形態における検量線作成部の一部分を表す略図的模式図である。 第2の実施形態における検量線作成部の一部分を表す略図的模式図である。 第2の実施形態における測定部の一部分を表す略図的模式図である。 第3の実施形態における検量線作成部の略図的模式図である。 第3の実施形態における検量線作成部の一部分を表す略図的模式図である。 比較例の競合法における分子認識試薬の濃度の影響を説明する図である。 比較例の競合法を説明するための模式図である。 一次反応と二次反応の間のディレイタイムの影響を説明する図である。
以下、本発明の免疫測定方法の具体的な実施形態を説明することにより、本発明を明らかにする。
(第1の実施形態)
図2は、本発明の一実施形態に係る免疫測定装置の概略ブロック図である。図3は本実施形態の免疫測定方法を説明するためのフローチャートである。
免疫測定装置1は、第1の反応チャンバー2と第2の反応チャンバー3とを有する。また、第2の反応チャンバー3内における固相表面に形成される免疫複合体である固相免疫複合体の濃度を検出し、制御装置5に対して検出した固相免疫複合体の濃度に対応する信号強度をもつ信号を出力する検出装置4が設けられている。
検出装置4は、第2の反応チャンバー3内における固相免疫複合体の濃度を検出できるものである限りにおいて特に限定されない。検出装置4は、例えば、蛍光や吸光度を測定する光学的検出装置、電気化学測定する装置などであってもよい。
制御装置5は、第1の反応チャンバー2に供給された、被検物質である抗原もしくは抗体の濃度が既知である標準液の測定を、被検物質と特異的に結合する抗体もしくは抗原の濃度が相互に異なる複数種類の濃度の分子認識試薬を用いて行い、各測定において検出装置4から出力された固相免疫複合体の濃度に対応する信号強度に基づいて、多水準の複数の検量線を作成する。そして、制御装置5は、その複数の検量線のうちから選択した少なくともひとつの検量線を参照し、検出装置4から出力された第2の反応チャンバー3内における固相免疫複合体の濃度から未知の濃度の被検物質を含む試料に含まれる被検物質の濃度を求める。
以下、図3を参照しつつ、これをより具体的に説明する。なお、以下の説明においては、特に指定がない限り、試料中の被検物質としての抗原の濃度を測定する場合を例に挙げて説明する。
まず、図3に示すステップS1では、図2に示す第1の反応チャンバー2内において、既知の濃度の被検物質を含む標準液と、被検物質と特異的に結合する分子認識薬との一次反応が行われる。具体的には、測定対象となる被検物質が抗原であるなら、該抗原に対応する抗体を分子認識薬とし、被検物質が抗体であるなら、該抗体に対応する抗原を分子認識薬とし、第1の反応チャンバー2内に、既知の濃度の被検物質を含む標準液と分子認識薬とを投入する。
簡便のため、被検物質が抗原であり、分子認識薬が前記抗原と特異的に結合する抗体であるとして、説明を進める。
図4に示すように、第1の反応チャンバー2内において、標準液中の抗原11と、第1の反応チャンバー2内に予め収納されていた液体内の抗体12とが反応する。その結果、抗原11と抗体12とが結合し、免疫複合体13が形成される。一方で、未反応の抗体12が残る。ここで、第1の反応チャンバー2内においては、抗原11に対して抗体12が必ず過剰量存在するようにもとの液体中の分子認識薬の濃度と液体の体積が決められている。このため、抗原11が実質的に全て反応し、未反応の抗体12が残存する。
なお、この一次反応は、拡散律速反応である抗原11と抗体12との結合反応が飽和となるまで行うことが望ましい。すなわち、試料中の全ての抗原11を確実に抗体12と反応させることが好ましい。そうすることにより、未反応のまま残る抗体の濃度の再現性がよくなり、最終的に得られる測定精度を高めることができる。
次に、図3に示すステップS2において、二次反応が行われる。具体的には、上記の一次反応が終了した後の第1の反応チャンバー2(図2を参照)内の液体が第2の反応チャンバー3内に投入される。ここで、第2の反応チャンバー3内には、予め、図4に示す抗原11と同種の抗原11Aを修飾したBSA14が固相表面に固定されて収納されている。図4に示すように、BSA14には、標準試料中の抗原11と同種の抗原11Aが結合されていて抗体に対してハプテンとなっている。一次反応後の溶液が第2の反応チャンバー3に加えられると、一次反応において未反応であった抗体12がBSA14に修飾されている抗原11Aに結合する。ここで、BSA14には、一次反応で未反応のまま残る抗体12の最大量に対して過剰な分子数の抗原11Aが固定化されている。このため、第2の反応チャンバー3内に投入された溶液に浮遊している一次反応で未反応のまま残る抗体12の実質的に全てが抗原11Aと結合し、固相免疫複合体15となる。溶液中には、一次反応において形成された免疫複合体13が浮遊している。浮遊している免疫複合体13は、必要により第2の反応チャンバー3から洗い流される。
次に、図3に示すステップS3において、制御装置5は、検出装置4によって固相表面の固相免疫複合体15の濃度に応じた信号強度を計測する。検出する信号は、電気化学的シグナル、発光、吸光度などいずれの物理量であってもよい。ここで、例えば、固相免疫複合体15に含まれる抗体12が酵素標識されたものであり、酵素が特定の基質を消化して発色するものであれば、検出装置4に吸光度測定装置を用いて、固相免疫複合体15の濃度に応じた信号強度として、吸光度が計測される。以下、本実施形態では、制御装置5が検出装置4に計測させる信号強度が吸光度である場合について説明する。
次に、図3に示すステップS4において、上記ステップS1〜ステップS3を、抗原11の濃度が異なる複数種類の標準液について繰り返し行う。
次に、ステップS5において、複数の検量線を作成する。具体的には、上記ステップS4において計測した固相免疫複合体15の濃度に対応する吸光度から、抗原11の濃度と、固相免疫複合体15の濃度に対応する吸光度との関係を表す検量線を作成する。図5に作成された検量線の一例を示す。
図5に示すように、上記逐次反応では、試料中の抗原11の濃度が高くなるにつれて、測定される吸光度は低くなる。これは、本実施形態では、試料中の抗原11の濃度が高くなると、一次反応で未反応の抗体12の分子数が減り、結果として固相免疫複合体15の数が減り、固相免疫複合体に含まれる抗体12に由来する酵素による発色が減って吸光度が低くなるためである。
ところで、図5に示す検量線16は、逆シグモイド関数となる。このため、変曲点C付近の検量線16の傾きが大きな領域においては、高いS/N比が得られる一方、変曲点Cから大きく離れた検量線16の傾きが小さな領域においては、充分なS/N比が得られない。このため、図5に示す検量線16を用いて精度よく測定ができる抗原11の濃度範囲(測定可能範囲)は、変曲点C付近の検量線16の傾きが大きな部分16A(太線部分に相当)を用いて測定可能な範囲に限られる。従って、ひとつの検量線16のみを参照した場合、精度よく測定ができる抗原11の濃度範囲は、狭い濃度範囲に限定されることとなる。すなわち、ひとつの検量線のみを用いる場合は、限られた濃度範囲においてのみしか、抗原や抗体の濃度を測定することができない。
これに対して、本実施形態では、ステップS6において、図1に示すような複数種類の検量線16〜18が作成される。図1に示すように、検量線16〜18は、分子認識薬としてそれぞれ異なる濃度の抗体を含む試薬溶液を用いて作成されたものであるため、変極点を示す抗原濃度がそれぞれ異なる複数の相互に異なるカーブの検量線となる。ここで、逆シグモイド関数の変曲点Cにおいては、下記の式(1)の関係が成立する。
(試料中の抗原の数)=(試薬中の抗体の数)/2 …… (1)
このため、試薬中の抗体の濃度によって、検量線の変曲点Cの位置が変化する。具体的には、試薬中の抗体の濃度が薄くなると、検量線の変曲点Cの位置が低濃度側にシフトする。一方、試薬中の抗体の濃度が濃くなると、検量線の変曲点Cの位置が高濃度側にシフトする。よって、それぞれ異なる濃度の分子認識薬としての抗体を含む試薬を用いて作成された検量線16〜18においては、変曲点Cの位置が相互に異なる。従って、検量線16〜18では、測定可能範囲が相互に異なる。
具体的には、図1に示す例では、検量線16が、分子認識薬である抗体12の濃度が最も濃い試薬から作成された検量線である。このため、検量線16を用いた場合の測定可能範囲16Aは、最も高濃度側に位置している。一方、検量線18は、分子認識薬である抗体12の濃度が最も薄い試薬から作成された検量線である。このため、検量線18を用いた場合の測定可能範囲18Aは、最も低濃度側に位置している。よって、図1に示す場合は、最も高濃度側の、検量線16を用いた場合の測定可能範囲16A、最も低濃度側の、検量線18を用いた場合の測定可能範囲18A、その中間に位置する、検量線17を用いた場合の測定可能範囲17Aとによりカバーされている範囲全てが測定可能範囲となる。従って、広い測定可能範囲を実現することができる。
次に、図3に示すステップS7において、上記複数の検量線16〜18の少なくとも1つの検量線を用いて、未知の濃度の抗原11を含む検体試料の測定を行う。具体的には、制御装置5が、検体試料に対して上記ステップS1〜S3に記載の要領と同様の要領で処理を進め、検出装置が固相免疫複合体15の分子数に対応する吸光度を測定する。そして、制御装置5は、検量線16〜18のうちから、測定された吸光度に好適な検量線を選択する。詳細には、制御装置5は、検量線16〜18から好適な検量線を選択するに際し、予め各検量線16〜18について、変曲点Cを算出し、測定可能範囲16A〜18Aを算出しておく。そして、その測定可能範囲16A〜18Aと、測定された吸光度と測定可能範囲16A〜18Aとから、好適な検量線を選択する。例えば、図1に示す例において、測定された吸光度が2.0であれば、検量線16が選択される。また、測定された吸光度が0.2であれば、検量線18が選択される。次に、制御装置5は、測定した吸光度を選択した検量線に当てはめることにより検体試料に含まれていた被検物質である抗原11の濃度を算出する。
なお、変曲点C近傍の測定可能範囲16A〜18Aは、作成した検量線の数、要求される測定精度などに応じて適宜設定することができる。例えば、測定可能範囲16A〜18Aの下限は、JIS K0461に規定の方法準じて決定してもよい。また、測定可能範囲16A〜18Aの上限は、JIS K0461に規定の方法に準じて決定してもよい。具体的には、測定可能範囲16A〜18Aは、例えば、変曲点Cにおける傾き(Δ)を基準として、0.5≦Δ≦6程度の範囲内とすることができる。
なお、上記第1の実施形態では、制御装置5が複数の検量線を作成する場合について説明したが、制御装置5は、予め測定された複数の検量線を記憶しているものであってもよい。
なお、上記第1の実施形態では、固相試薬として固相表面に被検物質と同種の抗原がBSAを介して固定される例について説明したが、固相表面への固相試薬の固定化方法はこれに限定されるものではない。被検物質が抗原で、試薬に含まれる分子認識薬が抗原と特異的に結合する抗体であり、更に、試薬に用いる抗体とは異なるエピトープ部位で被検物質である抗原と結合することで試薬に用いる抗体と同時にサンドイッチ型の免疫複合体を形成しうる抗体が得られる場合には、このような抗体を固相表面に固定して固相試薬としてもよい。また、被検物質と同種の抗原を第2の反応チャンバー3内の固相表面に直接に固相試薬として固定してもよい。さらに、被検物質と同種の抗原は、固相表面に直接固定化されてもよい。固相試薬の固定化方法については、化学結合、吸着等の適宜の方法を用いることができる。なお、被検物質が抗体で、試薬に含まれる分子認識薬が抗体を特異的に認識する抗原であってもよい。
また、試料中の被検物質と特異的に結合する分子認識薬との濃度を変化させるに際して、分子認識薬濃度は、より具体的には、1pg/ml〜100μg/mlの範囲とすることが望ましい。それによって、適正な信号強度を得ることができる。この場合、固相表面に固定化されている固相試薬である抗原の量は、好ましくは0.1μg/cm〜100μg/cmの範囲とすることが望ましい。0.1μg/cm未満の場合には、一次反応で未反応のまま残された抗体12の全量をトラップするには抗体の分子数が少なすぎて正確な測定を行い得ないことがあり、100μg/cmを越えると高密度な固定であるがゆえに固相表面への固定が困難になる場合がある。
(実験例)
本実験例では、多水準の分子認識薬濃度で逐次反応により測定した複数種類の検量線16〜18を用いることにより、測定可能範囲を広げることができることを確認した。
まず、フルオロウラシル(5FU)を修飾したBSA(以下、5FU−BSAと表記する)を5FUの濃度が2μg/mlとなるようにリン酸緩衝液(pH=7.2)で希釈し、5FU−BSAハプテン溶液を調製した。ELISA用96穴マイクロタイタープレートの複数のウェルそれぞれに前記5FU−BSAハプテン溶液を50μlずつ分注した。その後、4℃で一晩放置し、5FU−BSAをマイクロタイタープレートの各ウェル内に付着させた。このマイクロタイタープレートを、0.05%tween(TWEEN20、Sigma製)を含むPBS緩衝液(以下、PBS−Tと表記する)により5回洗浄した。その後、PBSで希釈した2%FBS(牛胎児血清、大日本住友製薬株式会社製)溶液を各ウェルに150μl加え、37℃で30分間インキュベートし、それによって、抗体の非特異的吸着をブロックした。
最後にPBS−Tで5回洗浄した。以上の操作により、固相試薬として5FU−BSAハプテンを固定した二次反応用プレートを調製した。
清浄なマイクロタイタープレートを用意して、5−FU抗体の培養上清をPBSで125倍、1250倍及び3750倍に希釈し、一次抗体希釈溶液を得た。また、市販の5−FU注射液(5−FU注射250、協和発酵キリン工業株式会社製)をリン酸緩衝液により希釈した液を、濃度が384mM、192mM、76.8mM、38.4mM、19.2mM、7.68mM、3.84mM、1.92mM、0.768mM、0.384mMの10種類の5−FU溶液を用意した。
一次反応用プレートとして更に別の清浄なウェルプレートを用意し、一次抗体希釈溶液と、種々の濃度の5−FU溶液とを各ウェルの全量が100μlとなるように等量混合し、37℃で30分間反応させて一次反応を行なった。またこの場合の一次抗体の最終濃度はそれぞれ、250倍希釈、2500倍希釈、7500倍希釈であり、5−FU注射液の最終濃度は192mM、96mM、38.4mM、19.2mM、9.6mM、3.84mM、1.92mM、0.96mM、0.384mM、0.192mMであった。
一次反応用プレートの各ウェル内の溶液を先に調製済の二次反応用プレートに移し変え、37℃で30分間反応させて二次反応を行なった。
各ウェルをPBS−T150μl/ウェルとなるようにしてPBS−Tで5回洗浄した後、PBSで3000倍希釈した2次抗体(Peroxidase−F(ab’)2 fragment of Goat anti−mouse IgG, Zymed社製)を100μlずつ分注し、37℃で30分間反応させた。しかる後、各ウェルをPBS−Tが150μl/ウェルとなる濃度でPBS−Tで5回洗浄し、次にクエン酸リン酸緩衝液(pH=5.0)で1回洗浄し、基質溶液〔o−Phenylene diamine
dihydrochloride、Sigma製を0.4mg/mlと、和光純薬製、0.02%のクエン酸リン酸緩衝液(pH=5.0)との溶液〕を100μlずつ分注し、37℃で正確に30分間反応させた。さらに、各ウェルに、2Mの硫酸を50μlずつ加え、反応を停止した。軽く撹拌した後、490nmでの発色度をプレートリーダー(PerkinElmer , Wallac ARVO SX 1420 MULTILABEL COUNTER)を用いて測定した。
測定により得られた検体濃度と吸光度とからコンピュータにより検量線を作成したところ、図1に示す検量線16〜18が得られた。図1に示す結果から、抗体濃度が250倍希釈のときの検量線16を用いた測定可能範囲が最も低濃度側に位置しており、抗体濃度が7500倍希釈のときの検量線18を用いた測定可能範囲が最も高濃度側に位置していることが分かる。従って、複数の検量線16〜18を用いることにより測定可能範囲を拡大できることが分かる。
(第2の実施形態)
本実施形態では、図6等を参照しつつ、免疫測定装置の構成例についてより具体的に説明する。なお、本実施形態の説明において、上記第1の実施形態と実質的に共通の機能を有する部材を共通の符号で参照し、説明を省略する。また、図1〜図5を第1の実施形態と共通に参照する。
本実施形態の免疫測定装置は、上記検出装置4と、制御装置5とを除いた部分が形成されている、図6に示すマイクロチップ10を備えている。図6に示すように、マイクロチップ10は、前記第1の反応チャンバーと第2の反応チャンバーとを備える測定部に加えて、検量線作成部20を備えている。検量線作成部20は、上記複数の検量線を作成するための部分である。
図7に示すように、検量線作成部20は、相互に異なる倍率に希釈された標準液が供給される複数の第1のマイクロ流路22,26,32,36と、相互に異なる多水準の濃度に調製された分子認識薬を含む試薬が供給される複数の第2のマイクロ流路44,45,46,47とを備えている。具体的に、本実施形態では、4本の第1のマイクロ流路22,26,32,36が設けられている。これら4本の第1のマイクロ流路22,26,32,36のそれぞれには、相互に異なる倍率に希釈された標準液が供給される。また、4本の第2のマイクロ流路44,45,46,47が設けられている。これら4本の第2のマイクロ流路44,45,46,47のそれぞれには、相互に異なる多水準の濃度に調製された分子認識薬を含む試薬が供給される。
第1のマイクロ流路22,26,32,36のそれぞれには、供給された標準液を所定の体積だけ秤取する複数の第1の秤取部48〜63が設けられている。同様に、第2のマイクロ流路44,45,46,47のそれぞれには、供給された試薬を所定の体積だけ秤取する複数の第2の秤取部64〜79が設けられている。
マイクロチップ10には、複数の第1の反応チャンバー80〜95が設けられている。具体手には、本実施形態では、4×4=16個の第1の反応チャンバー80〜95が設けられている。これら16個の第1の反応チャンバー80〜95のそれぞれには、複数の第1の秤取部48〜63のうちのいずれかひとつから所定の体積の相互に異なる濃度の標準液が供給されると共に、複数の第2の秤取部64〜79のうちのいずれかひとつから所定の体積の相互に異なる濃度の試薬が供給される。このため、複数の第1の反応チャンバー80〜95では、標準液に含まれる被検物質である抗体または抗原と、それに対応する分子認識薬である試薬に含まれる抗原または抗体との濃度の組み合わせが全て相互に異なる結果となる。すなわち、本実施形態では、被検物質と、それに対応する分子認識薬との濃度の組み合わせが相互に異なる16種類の溶液において、一次反応が並列に行われる。
また、複数の第1の反応チャンバー80〜95のそれぞれには、第2の反応チャンバー96〜111が接続されている。このため、複数の第1の反応チャンバー80〜95において、一次反応を終えた溶液は、第2の反応チャンバー96〜111に移送され、そこで二次反応が行われる。そして、制御装置5は、検出装置4に、複数の第2の反応チャンバー96〜111のそれぞれにおける固相表面上の固相免疫複合体15(図4を参照)の濃度を検出させ、その結果に基づいて、変曲点を示す濃度が異なる複数の検量線を作成する。このため、本実施形態では、ひとつのマイクロチップ10内において、複数の検量線を一度に作成し得る。従って、複数の検量線を容易に作成し得る。また、免疫測定装置1を小型で持ち運び容易なものとすることができる。
また、本実施形態において、図7に示した検量線作成部20は、図8の希釈系列作製部21および図9の希釈系列作製部41を付加的に備えていてもよい。
図8は、図6の検量線作成部20に図7の流路とともに付加的に設けられる標準液のための希釈系列作成部21の構造を示している。
この希釈系列作成部21は、所定の濃度の標準液をバッファ液で希釈することにより、相互に濃度が異なる複数種類の標準液を作成し、複数の第1のマイクロ流路22,26,32,36に供給するものである。
具体的には、図8に示すように、希釈系列作成部21は、所定の濃度の標準液が注入される標準液用注入口24に接続されている。具体的には、標準液用注入口24は、第1のマイクロ流路22に接続されている。このため、第1のマイクロ流路22には、希釈されていない、標準液用注入口24に注入された標準液そのままが供給される。
第1のマイクロ流路22には、秤取部23が設けられている。この秤取部23において、試料用注入口24に注入された標準液が所定の体積だけ秤取される。秤取部23において秤取された標準液は、混合室25に供給される。また、混合室25には、バッファ液用注入口28に注入され、バッファ液用注入口28に接続されたマイクロ流路29に設けられた秤取部30において秤取されたバッファ液も供給される。そして、混合室25において、バッファ液と標準液とが混合される。これにより、標準液用注入口24に注入された標準液よりも濃度が低い希釈標準液が作成される。この希釈標準液試料は、混合室25に接続されている第1のマイクロ流路26に供給される。従って、第1のマイクロ流路26には、第1のマイクロ流路22よりも濃度が低い希釈標準液が供給される。
第1のマイクロ流路26には、秤取部27が設けられている。この秤取部27において、混合室25からの希釈標準液が所定の体積だけ秤取される。秤取部27において秤取された希釈標準液は、混合室31に供給される。また、混合室31には、マイクロ流路29に設けられた秤取部34により秤取されたバッファ液も供給される。このバッファ液と希釈標準液とが混合され、第1のマイクロ流路26に供給された希釈標準液よりもさらに濃度が低い希釈標準液が作成される。この試料は、第1のマイクロ流路32に供給される。
第1のマイクロ流路32には、秤取部33が設けられている。この秤取部33において、混合室31からの希釈標準液が所定の体積だけ秤取される。秤取部33において秤取された希釈標準液は、混合室35に供給される。また、混合室35には、マイクロ流路29に設けられた秤取部37により秤取されたバッファ液も供給される。このバッファ液と試料とが混合され、第1のマイクロ流路32に供給された試料よりもさらに濃度が低い希釈標準液が作成される。この試料は、第1のマイクロ流路36に供給される。
次に、図9を参照して、異なる濃度の試薬の希釈系列を作成するための希釈系列作成部41について説明する。希釈系列作成部41は、試料に含まれる抗体もしくは抗原に対応する抗原もしくは抗体を所定の濃度で含む液体をバッファ液で希釈することにより、相互に濃度が異なる複数種類の液体を作成し、複数の第2のマイクロ流路44,45,46,47に供給するものである。図9の希釈系列作成部41は、図8の希釈系列作成部21とともに、図7の検量線作成部20に対して付加的に用いられる。
具体的には、図9に示すように、希釈系列作成部41は、所定の濃度の分子認識薬を含む試薬が注入される試薬用注入口120に接続されている。具体的には、試薬用注入口120は、第2のマイクロ流路44に接続されている。このため、第2のマイクロ流路44には、希釈されていない、試薬用注入口120に注入された試薬そのままが供給される。
第2のマイクロ流路44には、秤取部124が設けられている。この秤取部124において、液体用注入口120に注入された試薬が所定の体積だけ秤取される。秤取部124において秤取された試薬は、混合室126に供給される。また、混合室126には、バッファ液用注入口121に注入され、バッファ液用注入口121に接続されたマイクロ流路123に設けられた秤取部125において秤取されたバッファ液も供給される。そして、混合室126において、バッファ液と試薬とが混合される。これにより、試薬用注入口120に注入された試薬よりも濃度が低い希釈試薬が作成される。この希釈試薬は、混合室126に接続されている第2のマイクロ流路45に供給される。従って、第2のマイクロ流路45には、第2のマイクロ流路44よりも濃度が低い希釈試薬が供給される。
第2のマイクロ流路45には、秤取部127が設けられている。この秤取部127において、混合室126からの希釈試薬が所定の体積だけ秤取される。秤取部127において秤取された希釈試薬は、混合室129に供給される。また、混合室129には、マイクロ流路123に設けられた秤取部128により秤取されたバッファ液も供給される。このバッファ液と希釈試薬とが混合され、第2のマイクロ流路45に供給された希釈試薬よりもさらに濃度が低い希釈試薬が作成される。この液体は、第2のマイクロ流路46に供給される。
第2のマイクロ流路46には、秤取部130が設けられている。この秤取部130において、混合室129からの希釈試薬が所定の体積だけ秤取される。秤取部130において秤取された希釈試薬は、混合室132に供給される。また、混合室132には、マイクロ流路123に設けられた秤取部131により秤取されたバッファ液も供給される。このバッファ液と希釈試薬とが混合され、第2のマイクロ流路46に供給された液体よりもさらに濃度が低い希釈試薬が作成される。この希釈試薬は、第2のマイクロ流路47に供給される。
以上説明したように、本実施形態では、希釈系列作成部21,41が設けられているため、予め濃度の異なる試料及び液体を作成する必要がなく、容易に測定を行うことができる。また、ひとつのマイクロチップ10内に希釈系列21,41が設けられているため、免疫測定装置を小型で持ち運び容易なものとすることができる。
また、図6に示すように、マイクロチップ10には、測定部200が設けられている。この測定部200は、検体の濃度測定を行うための部分である。図10に、測定部200の実装の一例の略図的構成図を示す。
図10に示すように、測定部200は、希釈系列作成部200aと、その希釈系列作成部200aに接続されている複数の第1の反応チャンバー211,221,229,236と、その複数の第1の反応チャンバー211,221,229,236に接続されている第2の反応チャンバー212a、222a、230a、237aとを有する。
具体的には、希釈系列作成部200aは、被検物質である抗原もしくは抗体を未知の濃度で含む検体試料が注入される検体用注入口201と、検体を希釈するためのバッファ液が注入されるバッファ液用注入口205とに接続されている。
検体試料用注入口201から注入された検体試料は、マイクロ流路202に設けられている秤取部203で所定量だけ秤取される。秤取部203において秤取された検体試料は、混合室204に供給される。また、混合室204には、バッファ液用注入口205から注入され、マイクロ流路206に設けられた秤取部207で所定量だけ秤取されたバッファ液も供給される。これにより、所定の倍率で希釈された検体試料(以下、「第1の試料」とする。)が形成される。この第1の試料は、混合室204に接続されているマイクロ流路208に供給される。マイクロ流路208には、秤取部210が設けられており、その秤取部210において、所定量の第1の試料が秤取される。秤取部210において秤取された第1の試料は、第1の反応チャンバー211に供給される。また、第1の反応チャンバー211には、検体試料に含まれる被検物質である抗原または抗体に対する分子認識薬である抗体または抗原を含む試薬が注入される試薬用供給口213に注入され、マイクロ流路214に設けられた秤取部215において秤取された試薬が供給される。第1の反応チャンバー211には、マイクロ流路212が接続されており、このマイクロ流路212の一部が第2の反応チャンバー212aを構成している。
マイクロ流路208には、秤取部209が設けられている。この秤取部209において、第1の試料が秤取される。秤取部209において秤取された第1の試料は、混合室216に供給される。また、混合室216には、マイクロ流路206に設けられている秤取部217で秤取されたバッファ液が供給される。このバッファ液と第1の試料とが混合室216において混合され、第1の試料よりもさらに低濃度の第2の試料が形成される。第2の試料は、混合室216に接続されているマイクロ流路218に供給される。マイクロ流路218に供給された第2の試料は、秤取部220において秤取され、第1の反応チャンバー221に供給される。また、第1の反応チャンバー221には、マイクロ流路214に設けられた秤取部223で秤取された試薬も供給される。第1の反応チャンバー221には、マイクロ流路222が接続されており、このマイクロ流路222の一部が第2の反応チャンバー222aを構成している。
また、マイクロ流路218には、秤取部219が設けられている。この秤取部219において、第2の試料が秤取される。秤取部219において秤取された第2の試料は、混合室224に供給される。また、混合室224には、マイクロ流路206に設けられている秤取部225で秤取されたバッファ液が供給される。このバッファ液と第2の試料とが混合室224において混合され、第2の試料よりもさらに低濃度の第3の試料が形成される。第3の試料は、混合室224に接続されているマイクロ流路226に供給される。マイクロ流路226に供給された第3の試料は、秤取部228において秤取され、第1の反応チャンバー229に供給される。また、第1の反応チャンバー229には、マイクロ流路214に設けられた秤取部231で秤取された試薬も供給される。第1の反応チャンバー229には、マイクロ流路230が接続されており、このマイクロ流路230の一部が第2の反応チャンバー230aを構成している。
また、マイクロ流路226には、秤取部227が設けられている。この秤取部227において、第3の試料が秤取される。秤取部227において秤取された第3の試料は、混合室232に供給される。また、混合室232には、マイクロ流路206に設けられている秤取部233で秤取されたバッファ液が供給される。このバッファ液と第3の試料とが混合室232において混合され、第3の試料よりもさらに低濃度の第4の試料が形成される。第4の試料は、混合室232に接続されているマイクロ流路234に供給される。マイクロ流路234に供給された第4の試料は、秤取部235において秤取され、第1の反応チャンバー236に供給される。また、第1の反応チャンバー236には、マイクロ流路214に設けられた秤取部238で秤取された試薬も供給される。第1の反応チャンバー236には、マイクロ流路237が接続されており、このマイクロ流路237の一部が第2の反応チャンバー237aを構成している。
このように、図10で示した実施形態では、一種類の濃度の試薬と検体試料を注入するだけで、多水準の濃度に希釈された一連の検体試料の希釈系列よりなる希釈試料がそれぞれ自動的に作成され、それぞれの希釈試料について逐次法によるアッセイを容易に測定を行うことができる。このため、例えば、検体試料用注入口201から注入された検体試料の濃度が濃すぎた場合であっても、好適に測定を行うことができる。また、より好ましい信号強度の範囲で検体試料の測定結果を参照することができるため、より正確に測定を行うことができる。
なお、上記第2の実施形態では、検量線作成部20と測定部200とがひとつのマイクロチップ10内に形成されている例について説明したが、検量線作成部20が形成されているマイクロチップとは別個に、測定部200が形成されているマイクロチップを形成してもよい。
(第3の実施形態)
上記第2の実施形態では、検量線作成部20に希釈系列21,41が設けられている例について説明したが、希釈系列21,41は必ずしも設けられていなくてもよい。本実施形態では、希釈系列21,41を設けない例について説明する。なお、本実施形態の説明において上記第1及び第2の実施形態と実質的に共通の機能を有する部材を共通の符号で参照し、説明を省略する。
図11は、第3の実施形態における検量線作成部の略図的模式図である。図11に示すように、本実施形態では、検量線作成部20は、複数の作成領域300に区画されており、その複数の作成領域300のそれぞれにおいて、ひとつの検量線が作成される。図12に、作成領域300の略図的模式図を示す。図12に示すように、作成領域300には、相互に異なる濃度の標準試料と液体との混合溶液が注入される注入口301a〜301dが設けられている。注入口301a〜301dから注入された混合溶液は、第1の反応チャンバー303a〜303dに供給され、そこで一次反応が行われる。その後、第1の反応チャンバー303a〜303d内の溶液は、第2の反応チャンバー304a〜304dに移送され、二次反応及び測定が行われる。
(比較例1)
実験例と同様に二次反応用プレートを調製した。抗5−FU抗体について抗体濃度を変えた希釈系列を別途用意し、先の5−FUを修飾したBSAを固定したウェルのそれぞれに、濃度を変えた5−FUと特定濃度の抗体試薬を等体積ずつ投入し、37℃で30分間反応させた。洗浄および測定条件は、実験例と同じ条件で行った。抗体濃度が1/250および1/2500の2水準の希釈濃度の抗体試薬に対し実験を繰り返し、測定により得られた検体濃度と吸光度とからコンピュータにより検量線を作成したところ、図13に示す検量線が得られた。図13に示す結果から、抗体濃度が1/250および1/2500において示される2つの検量線において、それぞれのシグモイド曲線の変曲点に対応する抗原濃度は変化しなかった。
図14にこの比較例1の競合反応を模式的に示す。ひとつの固相試薬501が固定されているウェルに被検物質502と分子認識薬503とを同時に導入する系を考える。被検物質502と分子認識薬503と固相試薬501とが共存するため、分子認識薬503と検体試料由来の被検物質502との結合反応と、分子認識薬503と固相試薬501との結合反応が競争的に競合する。この場合、検量線のシグモイド曲線の変曲点に対応する被検物質濃度は、被検物質の分子数と固相試薬の分子数の比によって決まり、分子認識薬の濃度には支配されないことが理解できる。
(比較例2)
5−FU(14mM;50μl)と5−FU抗体(濃度1/250;50μl)を抗体を固相化していないエッペンチューブ内において反応させ3分、30分、40分、50分、60分、120分において未反応の抗体を測定した。測定手順は、実験例と同様の手順で行った。まず、実験例と同様に二次反応用96穴プレートを調製し、その後エッペンチューブ内でそれぞれの反応時間で反応させた、調整した96穴プレートに100μl移し、さらに37℃で30分間反応させた後、実験例と同様の手順で吸光度を測定した。
結果は、図15に示すとおりとなった。x軸をディレイタイム(一次反応開始から二次反応開始までの時間)とした。また、検出は、未反応の反応初期である3分において、吸光度2付近において変化がないことから、5−FUと5−FU抗体が十分に反応していない。すなわち、溶液中には、未反応の5−FUと未反応の5−FU抗体が大量に存在し、この溶液を調整した96穴プレートに移動させ測定しているので、この状態は従来の競合法における状態に近いことを示した。
また、反応終期である120分において吸光度1付近においてが一定値になっていることから、5−FUと5−FU抗体が平衡に達したと考えられた。すなわち、溶液中には、5−FUと5−FU抗体の複合体(以下:5−FU複合体)と未反応の5−FU抗体が存在し、5−FUはすべて消費されたと考えられた。つまり、未反応の5−FU抗体を固相表面の5FUを用いて検出しているので、この状態は、本発明の逐次法における状態を示していた。
さらに、反応中期におる60分において、吸光度1.5付近あり、反応初期と反応終期の吸光度に中間値を示していることから、溶液中には、未反応5−FU、未反応5−FU抗体、5−FU複合体が存在すると考えられた。つまり、この状態は、存在する5−FU抗体の約半分が溶液中の5−FUと反応し、残り半分の5−FU抗体が固相表面の5−FUと反応したと考えられ、この状態は、従来の競合法と本発明の逐次反応が混在している状態であると考えられた。
つまり、中間的な状態がディレイタイム60分において生じ、拡散律速である一次反応(エッペンチューブ内における5FUと5FU抗体の反応)が50%進展した状態であり、従来の競合法と本発明の逐次法の状態が混在した状態であると推測された。
1…免疫測定装置
2,80〜95,211,221,229,236,303a〜303d…第1の反応チャンバー
3,96〜111,212a、222a、230a、237a,304a〜304d…第2の反応チャンバー
4…検出装置
5…制御装置
10…マイクロチップ
11…抗原
11A…抗原
12…抗体
13…免疫複合体
14…BSA
16〜18…検量線
16A〜18A…測定可能範囲
20…検量線作成部
21,41…希釈系列作成部
22,26,32,36…第1のマイクロ流路
23,30,33,34,37,124,125,127,128,130,131,203,207,209,210,215,217,219,220,223,225,227,228,231,233,235,238…秤取部
24…試料用注入口
25,27,31,35,126,129,132,204,216,224,232…混合室
28…バッファ液用注入口
29,123,202,206,208,212,214,218,222,226,230,234,237…マイクロ流路
44,45,46,47…第2のマイクロ流路
48〜63…第1の秤取部
64〜79…第2の秤取部
120…試薬用注入口
121,205…バッファ液用注入口
200…測定部
200a…希釈系列作成部
201…検体用注入口
213…試薬用供給口
501…固相試薬
502…被倹物質
503…分子認識薬

Claims (5)

  1. 抗原もしくは抗体である被検物質を含む試料と、前記試料中の被検物質と特異的に反応する抗体もしくは抗原である分子認識薬とを溶液中で平衡状態となるまで反応させて免疫複合体及び未反応の抗体を得る一次反応を行うための第1の反応チャンバーと、
    前記試料中の被検物質と同種の抗原もしくは抗体が表面に固定化されている固相を有し、前記固定化された抗原もしくは抗体と、前記溶液中に存在しており前記一次反応において未反応の前記分子認識薬とを反応させて固相免疫複合体を得る二次反応を行うための第2の反応チャンバーと、
    前記第2の反応チャンバー内の溶液中の前記第1の反応チャンバーで生じた未反応の抗体が前記固相表面で反応して形成された免疫複合体の量に対応する信号強度を検出する検出装置と、
    前記分子認識薬の濃度について多水準で作成した複数の検量線から選択したひとつの検量線と、前記検出装置により検出された前記信号強度とから前記試料中の抗原もしくは抗体の濃度を求める制御装置とを備える、免疫測定装置であって、
    複数の前記第1及び第2の反応チャンバーのそれぞれが第1のマイクロチップに形成されており、
    前記第1のマイクロチップには、
    相互に異なる濃度の試料が供給される複数の第1のマイクロ流路と、
    前記分子認識薬を含む、相互に異なる濃度の液体が供給される複数の第2のマイクロ流路とがさらに形成されており、
    前記複数の第1のマイクロ流路のそれぞれには、前記試料を秤取する第1の秤取部が複数設けられており、
    前記複数の第2のマイクロ流路のそれぞれには、前記液体を秤取する第2の秤取部が複数設けられており、
    前記複数の第1の反応チャンバーのそれぞれには、前記複数の第1の秤取部のいずれかひとつと、前記第2の秤取部のいずれかひとつとから前記試料及び液体が供給され、
    前記制御装置は、前記検出装置に、前記複数の第2の反応チャンバーのそれぞれにおける溶液中の前記免疫複合体の濃度を検出させ、その結果に基づいて複数の検量線を作成する、免疫測定装置。
  2. 前記第1のマイクロチップは、
    前記試料が注入される試料用注入口と、
    前記試料を希釈するための第1のバッファ液が注入される第1のバッファ液用注入口と、
    前記試料を前記第1のバッファ液で希釈することにより、前記相互に異なる濃度の試料を作成する第1の希釈系列とをさらに有する、請求項に記載の免疫測定装置。
  3. 前記第1のマイクロチップは、
    前記液体が注入される液体用注入口と、
    前記液体を希釈するための第2のバッファ液が注入される第2のバッファ液用注入口と、
    前記液体を前記第2のバッファ液で希釈することにより、前記相互に異なる濃度の液体を作成する第2の希釈系列とをさらに有する、請求項またはに記載の免疫測定装置。
  4. 前記被検物質を未知の濃度で含む検体が注入される検体用注入口と、
    前記検体を希釈するための第3のバッファ液が注入される第3のバッファ液用注入口と、
    前記検体を前記第3のバッファ液で希釈することにより、相互に異なる濃度の複数の検体を作成する第3の希釈系列と、
    前記第3の希釈系列において作成された複数の検体のいずれかひとつが供給される複数の前記第1の反応チャンバーと、
    前記複数の第1の反応チャンバーにそれぞれ接続されている複数の前記第2の反応チャンバーとを有し、前記第1の反応チャンバー及び前記第2の反応チャンバーからなる組が複数設けられている、第2のマイクロチップを備え、
    前記制御装置は、前記検出装置に、前記第2のマイクロチップの前記複数の第2の反応チャンバーのそれぞれにおける溶液中の前記免疫複合体の濃度を検出させ、その結果と、前記複数の検量線から選択したひとつの検量線とに基づいて前記検体中の抗原もしくは抗体の濃度を測定する、請求項のいずれか一項に記載の免疫測定装置。
  5. 前記第1のマイクロチップと前記第2のマイクロチップとは一体に形成されている、請求項に記載の免疫測定装置。
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