JP5374355B2 - 放出源推定装置及び方法並びにプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、放出源推定装置及び方法並びにプログラムに関するものである。
従来、発電所や工場等を建設する場合、排煙等の大気汚染物質が大気環境に及ぼす影響を予め評価する必要があり、そのためには、大気中の汚染物質の濃度分布などを予測する必要がある。この大気汚染物質の濃度予測手法としては、風洞等を用いる模型実験や、電算機を用いる数値シミュレーション等がある。数値シミュレーションでは、大気中における汚染物質の拡散現象を流れ(気流)と拡散に大別し、それぞれについて数値化された方程式を解くことにより汚染物質の濃度分布を予測する。
例えば、非特許文献1には、地形実験における風下距離での地表の最大濃度の分布を示した煙軸濃度分布と、正規型拡散式に基づいて算出される複数の放出源高さ毎に定められた地表濃度分布とを比較し、煙軸濃度分布を包絡する地表濃度分布に基づいて、放出源高さを推定している。
社団法人日本原子力学会著 「社団法人日本原子力学会標準 発電用原子炉施設の安全解析における放出源の有効高さを求めるための風洞実験実施基準:2003」、p.7、p.11 社団法人大気環境学会著 「第49回 大気環境学会年会 講演要旨集」金沢市出版、2008年9月17日〜9月19日、p.249
ところで、平坦地において、煙軸濃度分布は実験風向の風軸に略並行となるため、風下距離は風軸に沿った距離と等しくなる場合には、上記非特許文献1の方法によって、正規型拡散式に基づいて算出される地表濃度分布と比較することができる。しかしながら、複雑地形の場合においては、煙軸濃度分布は実験風向の風軸と平行にならず、風向の方位と隣接する方位に位置することになるが、上記非特許文献1の方法では、風向の方位の隣接する方位に煙軸濃度分布が位置する場合の影響を考慮していないため、複雑地形の場合には想定より甘めの判断となり、平坦地形上に相当する放出源高さを推定することができないという問題があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、複雑地形であっても安全側に、平坦地形上に相当する放出源の高さを推定する放出源推定装置及び方法並びにプログラムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用する。
本発明は、放出源から放出された拡散物質の地上濃度に基づいて前記放出源の地上高さを推定する放出源推定装置であって、前記放出源を中心として等角度分割して地表上に分割領域を生成し、該分割領域を区画する直線により挟まれた角の二等分線を気流の流れ方向を示す風軸とし、風向の向きと一致する前記風軸を含む前記分割領域を基準領域とする基準領域決定手段と、前記基準領域以外の他の前記分割領域が、前記拡散物質の地上における最大濃度の位置情報である煙軸を含む場合に、該煙軸を含む前記分割領域毎に、前記煙軸の放出源からの距離である風下距離と該風下距離に対応する前記拡散物質の最大濃度との領域濃度分布を出力する領域分布出力手段と、平坦地形において一様流の条件下で複数の放出源の高さ毎に定められた濃度分布を示す複数の基準分布と、各前記分割領域の前記領域濃度分布とから、前記放出源の高さを推定する高さ推定手段とを具備する放出源推定装置を提供する。
このような構成によれば、放出源から拡散物質が放出された場合に、放出源を中心として等角度に分割されて生成された分割領域において、放出源を頂点とする角を二等分する線が風軸とされ、風向と一致する風軸が含まれる分割領域が基準領域とされる。拡散物質の最大濃度の位置情報である煙軸が基準領域以外の他の分割領域に含まれる場合には、煙軸を含む分割領域毎に、煙軸の放出源からの距離である風下距離とそれに対応する拡散物質の最大濃度とを示す領域濃度分布が出力され、平坦地形における一様流の条件下で複数の放出源の高さ毎に濃度分布を示した複数の基準分布と領域濃度分布とから放出源の高さが推定される。
このように、煙軸が、風向と一致する風軸を含む基準領域以外の分割領域に含まれる場合であっても、分割領域毎に、領域濃度分布を求め、領域濃度分布を包絡する基準分布を選定する。これにより、建物や山林等を含む複雑地形であり、煙軸が複数の分割領域に存在する場合であっても、放出源の高さをより安全側に推定することができる。また、複雑地形であっても、従来使用されている平坦地形において一様流の条件下(例えば、正規型拡散式)により予測される濃度分布である基準分布に基づいて放出源高さを推定するので、従来の手法との整合性が保たれる。
上記放出源推定装置の前記風下距離は、前記煙軸が、前記基準領域以外の他の前記分割領域に含まれる場合に、前記煙軸を含む前記分割領域において、前記煙軸から前記風軸に対する垂線と前記風軸との交点と、前記放出源との距離とすることが好ましい。
分割領域毎に定義される風下距離を用いることにより、放出源高さの推定精度を向上させることができる。
上記放出源推定装置の前記領域分布出力手段は、前記煙軸が、前記基準領域以外の他の前記分割領域に含まれる場合に、該煙軸を含む各前記分割領域から出力される前記領域濃度分布をそれぞれ加算して、新たな領域濃度分布を出力することとしてもよい。
複数の分割領域で出力された領域濃度分布をそれぞれ加算して1つの新たな領域濃度分布を出力するので、簡便に放出源の高さを推定することができる。また、各分割領域の領域濃度分布を加算することにより、安全側に放出源高さを推定することができる。
本発明は、放出源から放出された拡散物質の地上濃度に基づいて前記放出源の地上高さを推定する放出源推定方法であって、前記放出源を中心として等角度分割して地表上に分割領域を生成し、該分割領域を区画する直線により挟まれた角の二等分線を気流の流れ方向を示す風軸とし、風向の向きと一致する前記風軸を含む前記分割領域を基準領域とする基準領域決定過程と、前記基準領域以外の他の前記分割領域が、前記拡散物質の地上における最大濃度の位置情報である煙軸を含む場合に、該煙軸を含む前記分割領域毎に、前記煙軸の放出源からの距離である風下距離と該風下距離に対応する前記拡散物質の最大濃度との領域濃度分布を出力する領域分布出力過程と、平坦地形において一様流の条件下で複数の放出源の高さ毎に定められた濃度分布を示す複数の基準分布と、各前記分割領域の前記領域濃度分布とから、前記放出源の高さを推定する高さ推定過程とを有する放出源推定方法を提供する。
本発明は、放出源から放出された拡散物質の地上濃度に基づいて前記放出源の地上高さを推定する放出源推定プログラムであって、前記放出源を中心として等角度分割して地表上に分割領域を生成し、該分割領域を区画する直線により挟まれた角の二等分線を気流の流れ方向を示す風軸とし、風向の向きと一致する前記風軸を含む前記分割領域を基準領域とする基準領域決定処理と、前記基準領域以外の他の前記分割領域が、前記拡散物質の地上における最大濃度の位置情報である煙軸を含む場合に、該煙軸を含む前記分割領域毎に、前記煙軸の放出源からの距離である風下距離と該風下距離に対応する前記拡散物質の最大濃度との領域濃度分布を出力する領域分布出力処理と、平坦地形において一様流の条件下で複数の放出源の高さ毎に定められた濃度分布を示す複数の基準分布と、各前記分割領域の前記領域濃度分布とから、前記放出源の高さを推定する高さ推定処理とをコンピュータに実行させるための放出源推定プログラムを提供する。
本発明は、複雑地形であっても安全側に、平坦地形上に相当する放出源の高さを推定することができるという効果を奏する。
本発明の第1の実施形態に係る放出源推定装置の概略を示す機能ブロック図である。 拡散状況取得部に入力される拡散情報の一例を示した図である。 放出源を中心とした等角度分割及び風下距離を説明するための図である。 方位A1を風軸とする方位セクタの風下距離と地表煙軸濃度との分布を示した一例の図である。 方位A2を風軸とする方位セクタの風下距離と地表煙軸濃度との分布を示した一例の図である。 方位A3を風軸とする方位セクタの風下距離と地表煙軸濃度との分布を示した一例の図である。 本発明の第2の実施形態に係る領域分布出力部から出力される新たな領域濃度分布を説明するための図である。 曲線Cと正規拡散式に基づく複数の放出源の高さ毎の複数の基準分布を示した図である。
以下に、本発明に係る放出源推定装置及び方法並びにプログラムの一実施形態について、図面を参照して説明する。
〔第1の実施形態〕
以下、本発明の放出源推定装置の第1の実施形態について、図1を用いて説明する。
本実施形態においては、拡散物質が放出源を中心として拡散される場合に、風向の方向の地表が複雑地形となっており、風向と平行でない方向に拡散物質が拡散する場合を例に挙げて説明する。
図1に示されるように、放出源推定装置1は、拡散状況取得部2、基準領域決定部(基準領域決定手段)3、領域分布出力部(領域分布出力手段)4、及び高さ推定部(高さ推定手段)5を備えている。
拡散状況取得部2は、放出源を中心として地表上に拡散物質が拡散された場合の拡散状態と地表における濃度の情報とを含む拡散情報を取得する。例えば、拡散状況取得部2は、図2に示されるような、放出源を中心とした地表上の拡散物質の濃度分布を示す等濃度線と、拡散物質の地上における最大濃度の位置情報である煙軸(例えば、点表示)とで示される拡散情報を取得する。本実施形態においては、拡散情報は、数値モデルに基づくシミュレーションによって得られた拡散情報であることとして説明するが、これに限定されない。例えば、風洞実験によって得られた拡散情報であってもよいこととする。拡散状況取得部2が取得した拡散情報は、基準領域決定部3に出力される。
基準領域決定部3は、放出源を中心として等角度分割して地表上に分割領域を生成し、分割領域を区画する直線により挟まれた角の二等分線を気流の流れ方向を示す風軸とし、風向の向きと一致する風軸を含む分割領域を基準領域とする。例えば、図3に示されるように、放出源を中心として周囲360°を16個に等角度分割して地表上に22.5°ずつ区画する分割領域(以下「方位セクタ」という)を生成する。各方位セクタの放出源の位置を頂点とした場合の頂角の二等分線を、各方位セクタの風軸とする。また、この風軸の示す方向が、それぞれ方位セクタの方位A1,A2,A3,A4・・・を示す。本実施形態においては、図3に示されるように、実験風向である風向Aと同じ向きの風軸である方位A4を含む方位セクタが基準領域とされる。
領域分布出力部4は、基準領域以外の他の方位セクタが、拡散物質の地上における最大濃度の位置情報である煙軸を含む場合に、煙軸を含む方位セクタ毎に、そのセクタ内での風下距離ごとの最大濃度(セクタ内煙軸)と、そのセクタ内煙軸の放出源からの風軸上の距離である風下距離を求め、風下距離に対応する拡散物質の最大濃度の領域濃度分布を出力する。従って、煙軸はセクタ内煙軸の一部に含まれることになる。また、領域分布出力部4は、煙軸が、基準領域以外の他の方位セクタに含まれる場合に、煙軸を含む方位セクタにおいて、煙軸から風軸に対する垂線と風軸との交点と、放出源との距離を風下距離とする。
例えば、図3に示されるように、方位A1を風軸とする方位セクタは、3つの煙軸の位置を示す点を含んでいる。図3に示されるように、これら3つの煙軸を示す点から、方位A1の風軸に対し垂線を引いた場合の垂線と風軸との交点をそれぞれx(θ)とする。同様に、方位A2の風軸を有する方位セクタにおいて含まれる各煙軸を示す点から、方位A2の風軸に対し垂線を引いた場合の垂線と風軸との交点をそれぞれx(θ)とし、方位A3の風軸を有する方位セクタにおいて含まれる各煙軸を示す点から、方位A3の風軸に対し垂線を引いた場合の垂線と風軸との交点をそれぞれx(θ)とする。
領域分布出力部4は、このように決定された風下距離x(θ)、x(θ)、x(θ)に対するそれぞれの煙軸(点表示)の位置における拡散物質の地表の最大濃度を出力する。領域分布出力部4から出力される領域濃度分布は、方位セクタ毎にそれぞれ図示され、例えば、図4、図5、図6の▲及び△印で示されるような分布となる。また、図4から図6において、▲は煙軸、△はセクタ内煙軸を示しており、▲及び△を合わせたものが最大濃度の領域濃度分布を示す。
また、図4、図5、図6は、それぞれ横軸に放出源からの風下距離、縦軸に地表の煙軸濃度を示している。図4、図5、図6の実線は、平坦地形における一様流の条件下で複数の放出源の高さ毎に定められた濃度分布を正規拡散式により算出した結果、或いは、平坦地形の実験結果を示している。また、この実線は、非特許文献2に示すような数値シミュレーション結果でもよい。ここでは、上から順に、放出源高さHoが0m(メートル)、50m、100m、250mの場合の濃度分布をそれぞれ示している。
高さ推定部5は、平坦地形において一様流の条件下で複数の放出源の高さ毎に定められた濃度分布を示す複数の基準分布と、各方位セクタの領域濃度分布とから、放出源の高さを推定する。具体的には、高さ推定部5は、正規拡散式(或いは、平坦地形上での風洞実験や数値シミュレーション)によって決定される複数の放出源の高さ毎の複数の基準分布(実線)のうち、領域分布出力部4から出力される領域濃度分布(図中の▲及び△印)を包絡する基準分布に基づいて、放出源の高さを推定する。
例えば、図4に示されるように、領域濃度分布(図4の▲及び△印)は、正規拡散式による濃度分布が放出源高さHoが100mの場合の基準分布と、放出源高さHoが250mの場合の基準分布との間に示されている。このような場合に、高さ推定部5は、放出源高さHo=100mと放出源高さHo=250mとの間を内挿する基準分布を算出し、内挿する基準分布のうち、領域濃度分布を包絡する基準分布のうち最小の放出源高さでの基準分布を選定し、選定された基準分布の放出源高さHo(例えば、Ho=110m)を、放出源高さの推定値として出力する。
図5及び図6についてもそれぞれ同様の処理が施され、例えば、図5に基づいて推定される放出源高さHo=130m、図6に基づいて推定される放出源高さHo=120mとのように、放出源高さHoの推定値が、煙軸を含む方位セクタ毎にそれぞれ出力される。従って、本実施形態においては、図5及び図6のそれぞれから推定される放出源高さHoは、図4に基づいて推定された放出源高さとは異なった放出源高さHoの推定値が得られる。
次に、本実施形態に係る放出源推定装置1の作用について説明する。
ある地点Zから拡散物質が拡散され、拡散する様子が拡散濃度シミュレーションによって推定され、図2に示されるような、地表における拡散物質の等濃度の位置が等濃度線、及び地表における拡散物質の最大濃度位置が点によって表示される拡散情報が拡散状況取得部2に取得され、基準領域決定部3に入力される。基準領域決定部3において、地点Zを中心とした周囲が16方位に等角度分割され、実験風向であった風向Aと同じ方向の風軸を持つ方位セクタA4が、基準領域とされ、その他の領域は他の分割領域とされる。
続いて、領域分布出力部4において、拡散情報の煙軸位置が、基準領域に含まれるか否かが判定され、基準領域でない他の方位セクタに含まれる場合に、各方位セクタにおいて、それぞれ風下距離と風下距離毎の最大濃度の情報との分布である領域濃度分布が、高さ推定部5に出力される。高さ推定部5において、正規拡散式に基づいて複数の放出源の高さHo毎に定められた濃度分布である基準分布のうち、領域濃度分布を包絡する基準分布が選定され、選定された基準分布を示す放出源高さHoが、推定する放出源高さとして出力される。
なお、上述した実施形態では、放出源推定装置としてハードウェアによる処理を前提としていたが、このような構成に限定される必要はない。例えば、別途ソフトウェアにて処理する構成も可能である。この場合、放出源推定装置は、CPU、RAM等の主記憶装置、及び上記処理の全て或いは一部を実現させるためのプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体を備えている。そして、CPUが上記記憶媒体に記録されているプログラムを読み出して、情報の加工・演算処理を実行することにより、上述の放出源推定装置と同様の処理を実現させる。
ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
以上説明してきたように、本実施形態に係る放出源推定装置1及び方法並びにプログラムによれば、放出源から拡散物質が放出された場合に、放出源を中心として等角度に分割されて生成された方位セクタ(分割領域)において、放出源を頂点とする角を二等分する線が風軸とされ、風向と一致する風軸が含まれる方位セクタが基準領域とされる。拡散物質の最大濃度の位置情報である煙軸が基準領域以外の他の方位セクタに含まれる場合には、煙軸を含む方位セクタ毎に、煙軸の風下距離とそれに対応する拡散物質の最大濃度とを示す領域濃度分布が出力され、平坦地形における一様流の条件下で複数の放出源の高さ毎に濃度分布を示した複数の基準分布と領域濃度分布とから放出源の高さが推定される。
このように、煙軸が、風向と一致する風軸を含む基準領域以外の方位セクタに含まれる場合であっても、方位セクタ毎に、領域濃度分布を求め、領域濃度分布を包絡する基準分布を選定する。これにより、建物や山林等を含む複雑地形であり、煙軸が複数の方位セクタに存在する場合であっても、放出源の高さをより安全側に推定することができる。また、複雑地形であっても、従来使用されている平坦地形において一様流の条件下(例えば、正規型拡散式)により予測される濃度分布である基準分布に基づいて放出源高さを推定するので、従来の手法との整合性が保たれる。
なお、本実施形態においては、風向の方向の地表が複雑地形となっており、風向と平行でない方向に拡散物質が拡散する場合を例に挙げて説明していたが、これに限定されない。例えば、建造物等が複数存在することにより風向と平行でない方向に拡散物質が拡散する場合であってもよいこととする。
〔第2の実施形態〕
次に、本発明の第2の実施形態について図7及び図8を用いて説明する。
本実施形態の放出源推定装置1´が第1の実施形態と異なる点は、方位セクタ毎に出力される領域濃度分布に基づいて1つの領域濃度分布を出力する領域分布出力部4´を設ける点である。以下、本実施形態の放出源推定装置1´について、第1の実施形態と共通する点については説明を省略し、異なる点について主に説明する。
領域分布出力部4´は、煙軸が、基準領域以外の他の方位セクタに含まれる場合に、煙軸を含む各方位セクタから出力される領域濃度分布をそれぞれ加算して、新たな領域濃度分布を出力する。例えば、煙軸が方位セクタA及び方位セクタBに跨っており、図7に示されるように、方位セクタAから出力される領域濃度分布が曲線Aであり、方位セクタBから出力される領域濃度分布が曲線Bである場合を例に説明する。このような場合、領域分布出力部4´は、それぞれの方位セクタの領域濃度分布である曲線A及び曲線Bを加算して得られる曲線Cを、新たな領域濃度分布として高さ推定部5に出力する。
高さ推定部5は、正規拡散式によって決定される複数の放出源の高さ毎の複数の基準分布のうち、領域分布出力部4´から出力される領域濃度分布を包絡する基準分布を選定し、選定された基準分布に基づいて、放出源の高さを推定する。図8は、曲線Cと正規拡散式によって決定される複数の放出源の高さ毎の複数の基準分布を示した図である。図8に示されるように、△印で示される分布が、領域分布出力部4´から出力される領域濃度分布である。高さ推定部5によって△印の分布を包絡する基準分布が選定され(例えば、点線で示される基準分布)、選定された基準分布の放出源高さを、推定される放出源の高さ(例えば、Ho=80m)として出力される。
このように、複数の方位セクタで出力された領域濃度分布をそれぞれ加算して1つの新たな領域濃度分布を出力するので、方位によらず、安全側に放出源高さを推定することができる。また、各方位セクタの領域濃度分布を加算することにより、より安全側に放出源高さを推定することができる。
1 放出源推定装置
2 拡散状況取得部
3 基準領域決定部
4 領域分布出力部
5 高さ推定部

Claims (5)

  1. 放出源から放出された拡散物質の地上濃度に基づいて前記放出源の地上高さを推定する放出源推定装置であって、
    前記放出源を中心として等角度分割して地表上に分割領域を生成し、該分割領域を区画する直線により挟まれた角の二等分線を気流の流れ方向を示す風軸とし、風向の向きと一致する前記風軸を含む前記分割領域を基準領域とする基準領域決定手段と、
    前記基準領域以外の他の前記分割領域が、前記拡散物質の地上における最大濃度の位置情報である煙軸を含む場合に、該煙軸を含む前記分割領域毎に、前記煙軸の放出源からの距離である風下距離と該風下距離に対応する前記拡散物質の最大濃度との領域濃度分布を出力する領域分布出力手段と、
    平坦地形において一様流の条件下で複数の放出源の高さ毎に定められた濃度分布を示す複数の基準分布と、各前記分割領域の前記領域濃度分布とから、前記放出源の高さを推定する高さ推定手段と
    を具備する放出源推定装置。
  2. 前記風下距離は、前記煙軸が、前記基準領域以外の他の前記分割領域に含まれる場合に、前記煙軸を含む前記分割領域において、前記煙軸から前記風軸に対する垂線と前記風軸との交点と、前記放出源との距離とする請求項1に記載の放出源推定装置。
  3. 前記領域分布出力手段は、
    前記煙軸が、前記基準領域以外の他の前記分割領域に含まれる場合に、該煙軸を含む各前記分割領域から出力される前記領域濃度分布をそれぞれ加算して、新たな領域濃度分布を出力する請求項1または請求項2に記載の放出源推定装置。
  4. 放出源から放出された拡散物質の地上濃度に基づいて前記放出源の地上高さを推定する放出源推定方法であって、
    前記放出源を中心として等角度分割して地表上に分割領域を生成し、該分割領域を区画する直線により挟まれた角の二等分線を気流の流れ方向を示す風軸とし、風向の向きと一致する前記風軸を含む前記分割領域を基準領域とする基準領域決定過程と、
    前記基準領域以外の他の前記分割領域が、前記拡散物質の地上における最大濃度の位置情報である煙軸を含む場合に、該煙軸を含む前記分割領域毎に、前記煙軸の放出源からの距離である風下距離と該風下距離に対応する前記拡散物質の最大濃度との領域濃度分布を出力する領域分布出力過程と、
    平坦地形において一様流の条件下で複数の放出源の高さ毎に定められた濃度分布を示す複数の基準分布と、各前記分割領域の前記領域濃度分布とから、前記放出源の高さを推定する高さ推定過程と
    を有する放出源推定方法。
  5. 放出源から放出された拡散物質の地上濃度に基づいて前記放出源の地上高さを推定する放出源推定プログラムであって、
    前記放出源を中心として等角度分割して地表上に分割領域を生成し、該分割領域を区画する直線により挟まれた角の二等分線を気流の流れ方向を示す風軸とし、風向の向きと一致する前記風軸を含む前記分割領域を基準領域とする基準領域決定処理と、
    前記基準領域以外の他の前記分割領域が、前記拡散物質の地上における最大濃度の位置情報である煙軸を含む場合に、該煙軸を含む前記分割領域毎に、前記煙軸の放出源からの距離である風下距離と該風下距離に対応する前記拡散物質の最大濃度との領域濃度分布を出力する領域分布出力処理と、
    平坦地形において一様流の条件下で複数の放出源の高さ毎に定められた濃度分布を示す複数の基準分布と、各前記分割領域の前記領域濃度分布とから、前記放出源の高さを推定する高さ推定処理と
    をコンピュータに実行させるための放出源推定プログラム。
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