JP4041089B2 - 化学物質異常高濃度排出源特定システムおよび方法 - Google Patents

化学物質異常高濃度排出源特定システムおよび方法 Download PDF

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Description

本発明は、大気観測局においてある期間に測定された大気中の化学物質濃度が定められた基準値以上の異常高濃度を示した場合の化学物質異常高濃度排出源特定システムおよび方法に関し、例えば大気シミュレーション、大気中の化学物質濃度計算、環境リスクアセスメント、市民の健康管理の分野で応用されるものである。
大気観測局において法律で定められた基準値より高濃度(異常高濃度)の化学物質が検出された場合、排出源の排出量を予測計算する手段は従来技術では存在しない。現状では、原因となる排出源を特定するために、すべての排出源から放出される化学物質の排出量を調査するか、過去の経験をもとに、原因となる排出源を特定する方法を用いてきた。
図5は従来の大気中の化学物質濃度が異常高濃度の場合に行われてきた排出源を特定する手順を示すフローチャートである。
すなわち、すべての処理はステップM00よりスタートする。ステップM00の起動時刻は一定時間毎でも任意の時刻でもなんでもよい。ステップM01以降の処理は、全ての大気観測局の大気中の化学物質濃度を調べる処理である。ステップM01において観測点の指標となる変数nrMに1を代入する。ステップM02において変数nrMが大気観測局数N以下であるか否かを判断する。大気観測局数N以下であれば処理をステップM03に移す。大気観測局数N以下でなければ全ての観測局の調査が完了したので、処理をステップM10へ移し、メインルーチンを終了する。ステップM03において大気観測局数NrMでの測定濃度C(nrM)が基準値Cより大か否かを判断する。大であれば大気中の化学物質濃度が異常高濃度であるのでステップM04においてアラームを出し、ステップM05に移す。大でなければ大気中の化学物質濃度が正常値なので処理をステップM06へ移す。ステップM05では排出源を人手により調査し特定する。排出源の調査が終了したら処理をステップM06へ移す。ステップM06では大気観測局数nrMを1増加させる。
このため、排出源の特定に大量の時間を要し、場合によっては、特定できない場合が生じており、大気中への化学物質の排出濃度削減の迅速な指導・命令の実現に支障をきたしてきた。
大気観測局における大気中の化学物質の測定濃度より、その化学物質の排出源からの排出量を予測計算することは、従来は実現できなかった。
図6は従来システムの入出力関係を示す構成説明図である。従来技術では、大気中の化学物質の測定濃度、大気観測局の位置座標、化学物質が大気中に放出される排出源の煙突高度と煙の拡散幅、排出源の位置座標、前記時刻における排出源の風速、風向のみを入力とした。
これらの入力値を用いて、大気中に化学物質を放出する排出源からの化学物質からの排出量と大気中の化学物質濃度の関係を近似式により表し連立方程式を作ると、変数である排出量の数よりも連立方程式の数が少ないという問題が生じる。化学物質の大気中濃度の観測点数Nが、化学物質の排出源数Nよりも少ない(N<N)からである。以下に例を挙げて説明する。
排出源からの排出量と観測点における化学物質の濃度値は、下記のようなパフモデル(線形の近似式)で表現される。
Figure 0004041089
ここで、Q(n)は排出源nの排出濃度、coeff(n,n)は排出源nの風速、風向、有効煙突高度、観測点との相対座標、拡散幅と大気観測局nの高度にする定数である。現状では、地方公共団体に設置されている大気中の化学物質濃度の観測点数Nが、化学物質の排出源数Nよりも少ない(N<N)。制約式である連立方程式の数がN、変数である化学物質濃度の数がNであるので、連立方程式の数が変数の数より少ない。
図7は従来の大気観測局の数が排出源の数より少ない場合の例を示す説明図である。すなわち、大気観測局の数N=2が排出源の数N=5より少なく、連立方程式の個数(N)よりも、変数の個数(N)が多いため、変数の値を決定することができない。
排出源からの排出量と観測点における化学物質の濃度値を(式1)のような線形の近似式で表現せず、非線形の式で表現した場合には、大気中の化学物質の測定濃度、大気観測局の位置座標、化学物質が大気中に放出される排出源の煙突高度と煙の拡散幅、排出源の位置座標、前記時刻における排出源の風速、風向のみを入力としている限りにおいては、さらに問題は複雑となり排出源から発生する化学物質濃度の解を求めることはできない。
横山長之 編著 「大気環境シミュレーション」 株式会社 白亜書房 平成4年9月25日発行 p.31−33 今野浩 他著 「非線形計画法」 株式会社 日科技連出版社 1987年1月30日発行 p.1−7
本発明は上記の事情に鑑みてなされたもので、排出濃度削減の迅速な指導・命令の実現のため、大気中の化学物質測定濃度が異常高濃度を示した場合、大気中の化学物質が放出される排出源からの化学物質排出量の予測計算を行い、大気中化学物質の異常高濃度の原因となる排出源を特定する化学物質異常高濃度排出源特定システムおよび方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、大気観測局においてある期間に測定された大気中の化学物質濃度が定められた基準値以上の異常高濃度を示した場合に異常高濃度排出源を特定する化学物質異常高濃度排出源特定システムであって、大気中の化学物質の測定濃度、大気観測局の位置座標、化学物質が大気中に放出される複数の排出源の煙突高度と煙の拡散幅、排出源の位置座標、排出源の風速、風向と、大気観測局において前もって測定された大気中の化学物質濃度が異常高濃度を示さない期間に、排出源から放出される平常時排出量を入力、大気中の化学物質濃度が異常高濃度を示した期間に排出源から放出された化学物質の平常時排出量をもとに予測計算した異常時排出量を出力する化学物質異常時排出量予測計算システムと排出源の(平常時排出量−異常時排出量)の2乗の和が最小となる解を求めることにより、大気中の化学物質の異常高濃度の原因となる排出源を特定する手段とを具備することを特徴とするものである。
また本発明は、前記化学物質異常高濃度排出源特定システムにおいて、入力する化学物質の平常時排出量データとして、法律・規制により届出された化学物質の排出源の平均排出量データを用いることを特徴とするものである。
また本発明は、前記化学物質異常高濃度排出源特定システムにおいて、入力する化学物質の平常時排出量データとして、排出源の化学物質排出量の実測値に統計処理を施して得られた平均排出量データを用いることを特徴とするものである。
また本発明は、大気観測局においてある期間に測定された大気中の化学物質濃度が定められた基準値以上の異常高濃度を示した場合に異常高濃度排出源を特定する化学物質異常高濃度排出源特定方法であって、大気中の化学物質の測定濃度、大気観測局の位置座標、化学物質が大気中に放出される複数の排出源の煙突高度と煙の拡散幅、排出源の位置座標、排出源の風速、風向と、大気観測局において前もって測定された大気中の化学物質濃度が異常高濃度を示さない期間に、排出源から放出される平常時排出量を異常時排出量予測計算システムに入力、大気中の化学物質濃度が異常高濃度を示した期間に排出源から放出された化学物質の平常時排出量をもとに予測計算した異常時排出量を異常時排出量予測計算システムから出力し、排出源の(平常時排出量−異常時排出量)の2乗の和が最小となる解を求めることにより、大気中の化学物質の異常高濃度の原因となる排出源を特定することを特徴とする。
また本発明は、前記化学物質異常高濃度排出源特定方法において、入力する化学物質の平常時排出量データとして、法律・規制により届出された化学物質の排出源の平均排出量データを用いることを特徴とする。
また本発明は、前記化学物質異常高濃度排出源特定方法において、入力する化学物質の平常時排出量データとして、排出源の化学物質排出量の実測値に統計処理を施して得られた平均排出量データを用いることを特徴とする。
本発明の化学物質異常高濃度排出源特定システムおよび方法は、大気中の化学物質の平常時濃度を入力して、排出源からの排出濃度を予測計算することができ、排出源の特定にかかる時間を現状より削減できるため、排出濃度削減の迅速な指導・命令の実現が可能となる。
以下図面を参照して本発明の実施の形態例を詳細に説明する。
図1は本発明の実施形態例に係る化学物質排出量予測計算システムを示す構成説明図である。すなわち、化学物質排出量予測計算システム11は、大気観測局においてある期間に測定された大気中の化学物質濃度が定められた基準値以上の異常高濃度を示した場合の化学物質排出量予測計算システムであって、大気中の化学物質の測定濃度、大気観測局の位置座標、化学物質が大気中に放出される排出源の煙突高度と煙の拡散幅、排出源の位置座標、排出源の風速、風向と、大気観測局において前もって測定された大気中の化学物質濃度が異常高濃度を示さない期間に、排出源から放出される平常時排出量を入力データ12として入力する入力部と、大気中の化学物質濃度が異常高濃度を示した期間に排出源から放出された化学物質の異常時排出量を出力データ13として出力する出力部とを具備し、排出源の(平常時排出量−異常時排出量)の2乗の和が最小となる解を求めることにより、大気中の化学物質の異常高濃度の原因となる排出源を特定することを特徴とするものである。ここで、異常時排出量、平常時排出量とは、環境基準
Figure 0004041089
に定められる数値を境に、大気観測局の測定値が基準を満たしていないときが異常時、満たしているときが平常時とする。
前記入力データの化学物質の平常時排出量データとして、法律・規制により届出された化学物質の排出源の平均排出量データを用いることができる。また、前記入力データの化学物質の平常時排出量データとして、排出源の化学物質排出量の実測値に統計処理を施して得られた平均排出量データを用いることができる。
大気観測局において前もって測定された大気中の化学物質濃度が異常高濃度を示さない期間(平常時)に、排出源から放出される化学物質排出量に統計処理を施した平常時排出量を入力として用いることを特徴とする。これとともに従来用いてきた、気中の化学物質の測定濃度、大気観測局の位置座標、化学物質が大気中に放出される排出源の煙突高度と煙の拡散幅、排出源の位置座標、前記時刻における排出源の風速、風向を入力とし、排出源から放出される化学物質の異常時排出量を予測計算して出力する。
本実施形態例では数学的最適化手法を用いて、全ての排出源における平常時排出量との差が最も小さい異常時排出量を求める。化学物質の平常時排出量としては、排出源についてのPRTRデータ、地方公共団体に届出されている年間や月間の平均排出量、各排出源(工場)独自に測定した排出量をもとに統計的操作(平均計算)を施して求める。
大気中の化学物質濃度の測定値より、排出源より放出される化学物質の排出量を求める問題は非線形問題に帰着する。まず一般的な非線形問題とは以下により定義される。
一般的な非線形問題(nonlinear programming):
f:Rn→R1,gi:Rn→R1,i=1,…,m;hj:Rn→R1,j=1,…,lが与えられたとき、制約条件gi(x)≦0,i=1,…,m;hj(x)=0,j=1,…,lの下でf(x)を最小化する問題。これを本文中では以下のように略記する。
Figure 0004041089
上記においてfを目的関数、gi(x)≦0,i=1,…,m;hj(x)=0,j=1,…,lを制約関数と呼ぶ。
特にm=0,1>0の場合に問題1は以下のように書き表される。
Figure 0004041089
問題1′に対しては、古くからラグランジェの未定係数法(method of indeterminate coefficient)により解が得られることが知られている。いま適当な1個の変数、例えばx1,…,xlを選んだとき、方程式hj(x)=0,j=1,…,lが
xt=φt(xl+1,…,xn),t=1,…,l
のように解けるものと仮定すると、f(x1,…,xn)をxl+1,…,xnのみの関数として表現できるから(問題1′)はxl+1,…,xnの制約なし最適化問題に変換することが可能である。この考え方を精密化したものがラグランジェの未定係数法であり、小規模な問題に対しては、(問題1′)を解く方法として昔からよく用いられてきた。
大気中の化学物質濃度の観測値を入力とし、全ての排出源における平常時排出量との差が最も小さい異常時排出量を計算する問題は(問題1′)に帰着することができる。はじめにラグランジェ法を用いた問題の解法について説明し、次にこれを用いたシステムについて説明する。
まず、ラグランジェ法を用いた解法について説明する。制約関数について説明する。制約関数は以下のように表すことができる。
Figure 0004041089
ここでQ(n)は排出源nの異常時排出量である。nは観測点を表す指標であり、1≦n≦Nを満たす。Nは観測点の数を表す。制約関数はN個存在する。
coeff(ns,)は、プルームモデルを用いた場合に以下で表される。
Figure 0004041089
ここでu(n)は排出源nの煙突高風速、σsy(n)は排出源nのy軸方向の拡散幅、σsz(n)は排出源nのz軸方向の拡散幅、Y(n)は排出源nのY軸座標、hse(n)は排出源nの有効煙突高度、z(n)は観測点nの高さを表す。
次に目的関数について説明する。平常時排出量に最も近い値の排出量Q(n)を求めようとしているので、目的関数は以下で表すことができる。
Figure 0004041089
式はQ(n)に関する自乗関数であるため、最小値をもつことは保証される。ここで、Q aver(n)は平常時排出量を表す。
大気中の化学物質濃度の観測値を入力とし、全ての排出源における平常時排出量との差が最も小さい異常時排出量を計算する問題は、(式2)の目的関数を(式1)の制約条件下で満足する解Q(n)を得ることである。問題を解決するためにラグランジェの未定係数法を用いる。
ラグランジェの未定係数法について説明する。まずラグランジェ関数について説明する。ラグランジェ関数は以下のようになる。
Figure 0004041089
ここで、2λnはラグランジェ未定乗数である。目的関数(式2)は先に述べたとおり最小値を持つことは保証されるので、ラグランジェ関数(式3)のQ(n)、λnについての一階の偏微分関数をもとめ、これらの導関数がゼロに等しくなるようにλnを設定すれば、そのときのQ(n)は(式2)を最小にする。
(式3)のQ(n)についての一階の偏微分関数がゼロに等しいと置いた式は以下である。
Figure 0004041089
(式4)を解くと、異常時排出量は以下のように表すことができる。
Figure 0004041089
(式3)のλnについての一階の偏微分関数がゼロに等しいと置いた式は以下である。
Figure 0004041089
(式6)を解くと、下記式を得ることができる。
Figure 0004041089
(式7)の異常時排出量の項Q(n)に(式4)を代入すると、下記式が得られる。
Figure 0004041089
(式9)をすべての観測局における式に変換すると連立方程式(式10)になる。
Figure 0004041089
(式10)は変数λnの個数がN個、連立方程式の数がN個であるから、変数λnの値を決定することができる。(式10)により決定したλnを(式5)に代入すれば異常時排出量Q(n)を得ることができる。
次にシステムについて説明する。本実施形態例のシステムは、以下の3部により構成される。
(1)観測点異常高濃度検出ルーチン(図2)
(2)排出量算出ルーチン(図3)
(3)制約なし最適化問題への帰着(図4)
(1)は大気観測局において、測定された大気中の化学物質濃度が基準値よりも高いか低いかを判断するルーチンである。基準値よりも高い化学物質濃度が観測された場合には(2)の排出量算出ルーチンへ処理を移行する。
図2はメインルーチンであり、すべての処理はM000よりスタートする。M000の起動時刻は一定時間毎でも任意の時刻でもよい。M010以降の処理は、全ての大気観測局の大気中の化学物質濃度を調べる処理である。M010において観測点の指標となる変数nrMに1を代入する。M020においてnrMが大気観測局数NrM以下であるか否かを判断する。NrM以下であれば処理をM030に移す。NrM以下でなければ全ての観測局の調査が完了したので、処理をM100へ移し、メインルーチンを終了する。M030において大気観測局nrMでの測定濃度C(nrM)が基準値Cより大か否かを判断する。測定濃度C(nrM)が基準値Cより大であれば大気中の化学物質濃度が異常高濃度処理をM040に移す。測定濃度C(nrM)が基準値Cより大でなければ大気中の化学物質濃度が正常値なので処理をM050へ移す。M040では排出源から放出される化学物質の異常時排出量を予測計算する。排出量が予測計算し終わったら処理をM050へ移す。M050ではNrMを1増加させる。
図3は異常時の排出量予測算出ルーチンである。図3中、nは大気観測局の指標、Nは大気観測局の総数、C(n)は大気観測局nでの測定濃度、Z(n)は大気観測局の高さ、nは排出源の指標、Nは排出源の総数、u(n)は排出源nでの煙突高風速、φ(n)は排出源nでの排出源風向、u(n)は大気観測局nでの大気観測局風速、φ(n)は大気観測局nでの大気観測局風向、N(n)は大気観測局nでの大気観測局数、Q(n)は排出源nの異常時排出量、Q aver(n)は排出源nの平常時排出量、(X(n),Y(n))は排出源nの座標、hse(n)は排出源nの有効煙突高度、u(n)は排出源nの煙突高風速、(x(n),y(n))は大気観測局nの座標、z(n)は大気観測局nの高さ、σsy(n),σsz(n)は排出源nの拡散幅(X(n)の関数)、C(n)は大気観測局nの濃度である。
メインルーチンM040より移行した処理はSA000よりスタートする。スタート後、処理はSA010へ移行する。SA010では変数nに1を代入する。次にSA020へ処理を移す。SA020においてnが大気観測局数N以下であるか否かを判断する。N以下であれば処理をSA030に移す。N以下でなければ全ての観測局の調査が完了したので、処理をSA150へ移す。SA030において大気観測局の高さz(n)を取得する。次に処理をSA040へ移す。SA040において変数nに1を代入する。処理をSA050へ移す。SA050においてnが大気中へ化学物質を放出する排出源の数N以下であるか否かを判断する。N以下であれば処理をSA060に移す。N以下でなければ全ての発生源の調査が完了したので、処理をSA140へ移す。
SA060において、大気観測局において前もって測定された大気中の化学物質濃度が異常高濃度を示さない期間に、排出源から放出される化学物質排出量に統計処理を施した平常時排出量Q aver(n)を取得する。次にSA070で排出源nの風速u(n)を取得する。次にSA080で排出源nのφ(n)を取得する。次にSA090で排出源nの有効煙突高度hse(n)を取得する。次にSA100で排出源座標(X(n),Y(n))を取得する。次にSA110で排出源nのy軸方向の拡散幅σsy(n)、排出源nのz軸方向の拡散幅σsz(n)を取得する。次にSA210でcoeff(ns,)を計算する。coeff(ns,)は、プルームモデルを用いた場合に以下で表される。
Figure 0004041089
次にSA130でnを1インクリメントして、処理をSA150へ移す。SA150の判断でSA140へ処理が移った場合、nを1インクリメントして、処理をSA020へ移す。
SA020の判断でSA150へ処理が移った場合、SA150で変数nに1を代入する。次にSA160へ処理を移す。SA160においてnが大気観測局数N以下であるか否かを判断する。N以下であれば処理をSA170に移す。N以下でなければ全ての観測局の調査が完了したので、処理をSA190へ移す。SA170において制約式を生成する。制約式は以下の式で表される。
Figure 0004041089
次にSA180においてnを1インクリメントして、処理をSA160へ移す。SA160からSA190へ処理が移った場合にN>Nが成立するか否かを判断する。現状では地方公共団体に設置されている大気観測局の数の方が排出源の数よりも少ないのでSA190の条件式は成立し、SA200へ処理を移す。SA200においてラグランジェの未定係数法を利用する。この結果SA220において異常時排出量Q(n)を決定することができる。SA190からSA210へのパスは処理手順を完璧にするために示したものである。SA190の条件式が成立しない手順をあえて示すが、現状の地方公共団体ではSA210へ処理が移ることはない。SA210の処理はN<Nの場合に、N個の連立一次方程式よりN個の変数の値を決定する問題なのでSA220への解法は周知である。SA220の後処理を終了し、メインルーチン図2のM040へ処理を移す。
図4は制約なし最適化問題への帰着(ラグランジェの未定定数法)するルーチンである。図3の異常時排出量予測計算システムの処理SA200より処理は移行される。処理はSB000よりスタートする。
次に処理はSB010へ移り、目的関数が生成される。SB010で生成される目的関数は以下で表すことができる。
Figure 0004041089
次に処理はSB020へ移りラグランジェ関数が生成される。SB020で生成されるラグランジェ関数は以下で表すことができる。
Figure 0004041089
次にSB030において、SB020で生成したラグランジェ関数のQ(n)についての一回の偏微分関数がゼロに等しいと置く。式は以下で表される。
Figure 0004041089
次にSB040で、SB030で生成した式を異常時排出量について表せば、式は以下のように表すことができる。
Figure 0004041089
次にSB050において、SB020で生成したラグランジェ関数のλnrxについての一回の偏微分関数がゼロに等しいと置いた式は以下である。
Figure 0004041089
次にSB060において、SB050で生成した式をC(nrx)について解くと、下記式を得ることができる。
Figure 0004041089
次に、SB070において、SB060の異常時排出量の項Q(n)にSB040を代入すると、下記式が得られる。
Figure 0004041089
SB070をすべての観測局における式に変換すると連立方程式SB080になる。
Figure 0004041089
SB080は変数λnの個数がN個、連立方程式の数がN個であるから、SB090において変数λnの値を決定することができる。
次にSB110において、SB090で求められたλnの値をSB040へ代入すれば異常時排出量Q(n)を得ることができる。
以上のように、原因となる排出源を特定する方法には、他に例えば、排出源の排出量の値を、異常時観測量に近づけるように少しずつ変化させて求めていく方法(最急降下法)もあるが、本発明の実施形態例は、以下のような効果がある。
(1)本発明の実施形態例は、繰り返し計算がないため、計算時間が少ない。
(2)精度の良い解が得られる。すなわち、大気濃度が環境基準を満たさない状況は突発的な事故が原因である排出量の超過により引き起こされる。よって同時に多数の事業所(工場)が届出排出量を超過する事象が起こる可能性は極めて低い。つまり少数の事業所の届出排出量からの超過が異常の原因であり、その他の事業所は届出排出量遵守(平常時排出量のまま)だから、Ns個の事業所Nsの排出量をNs次元の座標として表せば、異常時排出量座標は平常時排出量座標の近傍にあることが予想されるためである。
なお、本発明は、上記実施形態例そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態例に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態例に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
本発明の実施形態例に係る化学物質排出量予測計算システムを示す構成説明図である。 本発明の実施形態例に係る観測点異常高濃度検出ルーチンを示すフローチャートである。 本発明の実施形態例に係る排出量算出ルーチンを示すフローチャートである。 本発明の実施形態例に係る制約なし最適化問題への帰着を示すフローチャートである。 従来行われてきた排出源を特定する手順を示すフローチャートである。 従来の化学物質排出量予測計算システムを示す構成説明図である。 従来の連立方程式の数が変数の数より少ない例を示す説明図である。
符号の説明
11 化学物質排出量予測計算システム
12 入力データ
13 出力データ

Claims (6)

  1. 大気観測局においてある期間に測定された大気中の化学物質濃度が定められた基準値以上の異常高濃度を示した場合に異常高濃度排出源を特定する化学物質異常高濃度排出源特定システムであって、
    大気中の化学物質の測定濃度、大気観測局の位置座標、化学物質が大気中に放出される複数の排出源の煙突高度と煙の拡散幅、排出源の位置座標、排出源の風速、風向と、
    大気観測局において前もって測定された大気中の化学物質濃度が異常高濃度を示さない期間に、排出源から放出される平常時排出量を入力
    大気中の化学物質濃度が異常高濃度を示した期間に排出源から放出された化学物質の平常時排出量をもとに予測計算した異常時排出量を出力する化学物質異常時排出量予測計算システムと
    排出源の(平常時排出量−異常時排出量)の2乗の和が最小となる解を求めることにより、大気中の化学物質の異常高濃度の原因となる排出源を特定する手段と
    を具備することを特徴とする化学物質異常高濃度排出源特定システム。
  2. 請求項1記載の化学物質異常高濃度排出源特定システムにおいて、
    入力する化学物質の平常時排出量データとして、
    法律・規制により届出された化学物質の排出源の平均排出量データを用いることを特徴とする化学物質異常高濃度排出源特定システム。
  3. 請求項1記載の化学物質異常高濃度排出源特定システムにおいて、
    入力する化学物質の平常時排出量データとして、
    排出源の化学物質排出量の実測値に統計処理を施して得られた平均排出量データを用いることを特徴とする化学物質異常高濃度排出源特定システム。
  4. 大気観測局においてある期間に測定された大気中の化学物質濃度が定められた基準値以上の異常高濃度を示した場合に異常高濃度排出源を特定する化学物質異常高濃度排出源特定方法であって、
    大気中の化学物質の測定濃度、大気観測局の位置座標、化学物質が大気中に放出される複数の排出源の煙突高度と煙の拡散幅、排出源の位置座標、排出源の風速、風向と、
    大気観測局において前もって測定された大気中の化学物質濃度が異常高濃度を示さない期間に、排出源から放出される平常時排出量を異常時排出量予測計算システムに入力
    大気中の化学物質濃度が異常高濃度を示した期間に排出源から放出された化学物質の平常時排出量をもとに予測計算した異常時排出量を異常時排出量予測計算システムから出力し、
    排出源の(平常時排出量−異常時排出量)の2乗の和が最小となる解を求めることにより、大気中の化学物質の異常高濃度の原因となる排出源を特定することを特徴とする化学物質異常高濃度排出源特定方法。
  5. 請求項4記載の化学物質異常高濃度排出源特定方法において、
    入力する化学物質の平常時排出量データとして、
    法律・規制により届出された化学物質の排出源の平均排出量データを用いることを特徴とする化学物質異常高濃度排出源特定方法。
  6. 請求項4記載の化学物質異常高濃度排出源特定方法において、
    入力する化学物質の平常時排出量データとして、
    排出源の化学物質排出量の実測値に統計処理を施して得られた平均排出量データを用いることを特徴とする化学物質異常高濃度排出源特定方法。
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