JP4227889B2 - 大気汚染物質の濃度予測方法、装置、並びにプログラム及び大気汚染物質の濃度予測情報提供装置 - Google Patents
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Description
この大気汚染物質の濃度予測手法としては、風洞及び水槽を用いる模型実験や、電算機を用いる数値シミュレーション等がある。
数値シミュレーションでは、大気中における汚染物質の拡散現象を流れ(気流)と拡散に大別し、それぞれについて数値化された方程式を解くことにより汚染物質の濃度分布を予測する。
例えば、三菱重工技報 vol.21 No.5抜刷(1984−9)「排煙拡散数値シミュレーションモデルの開発」(非特許文献1)には、上記方程式の解法の違いにより、以下のような3つの数値シミュレーションモデルが開示されている。
修正プルームモデルは、プルームモデルを修正することにより、地形を考慮に入れた濃度分布を求めるモデルである。
ポテンシャル流モデルは、複雑な地形上における広範囲な汚染物質の濃度分布をシミュレートするのに適したモデルであり、地形表面をパネルと呼ばれる任意形状の面素によって近似することにより、複雑な地形形状における濃度分布の予測を可能としたモデルである。
粘性流れモデルは、空気の粘性を考慮して流れの基礎方程式及び拡散の基礎方程式を直接、数値解析する方法である。この粘性流れモデルでは、空気の粘性までも考慮に入れて濃度分布を予測するため、地形及び建家による物質の巻き込みをも再現することができる。
三菱重工技報 vol.21 No.5抜刷(1984−9) 「排煙拡散数値シミュレーションモデルの開発」p.1−8
また、シミュレーションには、地形データや気象データ等の膨大なデータが必要となるため、シミュレーションに際して、これらのデータを準備するのに多大な労力を要するという問題があった。
また、地形データや気象データを利用者自らが準備する必要がなく、簡易に大気汚染物質の濃度予測結果を得ることができる大気汚染物質の濃度予測情報提供装置を提供することを目的とする。
本発明の大気汚染物質の濃度予測方法は、大気汚染物質の濃度予測を行う地域の地形データ、及び前記地域における少なくとも風速及び風向からなる気象データに基づいて流れ場を予測し、予測した流れ場に基づいて前記地域における大気汚染物質の濃度予測を行う方法において、基準風速下における各風向の基準流れ場を前記地形データに基づいて予測し、予測した基準流れ場を風向と対応付けて記憶する過程と、予め記憶されている前記基準流れ場の中から、所望の風向に対応する基準流れ場を読み出す過程と、読み出した基準流れ場に、前記基準風速と所望の風速とに基づく係数を乗ずることにより、大気汚染物質の濃度予測に必要となる流れ場を予測する過程とを具備することを特徴とする。
なお、基準流れ場を予測する過程では、例えば、少なくとも風速及び風向からなる気象データのうち、風速を基準風速に設定し、一方、風向を複数段階(例えば、32段階)に変化させて、各風向における基準流れ場を予測する。
また、基準風速と所望の風速とに基づく係数とは、例えば、所定の風速を基準風速で除した値や、その値に対して更に所定の重み付け係数を乗じた値等が挙げられる。
この境界要素法を用いたシミュレーションモデルとしては、例えば、ポテンシャル流モデルや、ポテンシャル流モデルを修正した擬似(或いは修正)ポテンシャル流モデル等が挙げられる。
従って、流れ場を予測する範囲を汚染物質が拡散すると考えられる領域に限定することにより、処理の軽減を図ることができる。
なお、流れ場を予測する範囲は、例えば、排出地点を基点とした所定半径内と、排出地点から風下にかけて広がる所定領域に決定する。なお、半径の長さや領域は、状況に応じて、適宜変更することが可能である。
なお、補間の手法としては、基準流れ場を予測した2つ以上の風向のうち、今回求める風向に最も近い2つの風向を選択し、これらの2つの風向における流れ場の正弦値と余弦地とを加算することにより求める手法が挙げられる。
なお、上記地形データ及び気象データは、ネットワークを介して接続されている外部のデータベースから取得するような構成でもよいし、当該装置自らがこれらのデータを保有している構成としても良い。また、装置自体がデータを保有する場合には、地形データと気象データとは個別のデータベースに保有されていても良く、また、大記憶容量の記憶手段にまとめて格納されていても良い。要は、地形データと気象データとを利用可能な状態となっていれば良く、これらのデータの取得方法や記憶時のデータ構造等は特に限定されない。
また、煙源諸元に関する情報とは、例えば、予測対象とする煙源の汚染物質の排出状況を示すデータであり、より具体的には、煙突高さ、口径、排気速度、排気音度、含まれる大気汚染物質の量等が挙げられる。
また、周知のシミュレーションモデルを用いることにより、簡易に基準流れ場を予測することができる。
また、風速及び風向の他、大気安定度精度も考慮して基準流れ場を予測することにより、大気汚染物質の濃度予測の精度を向上させることができる。
また、本発明の大気汚染物質の濃度予測方法によれば、各風向における流れ場を簡易に得ることができるので、濃度予測に要する時間を大幅に短縮することができる。
また、利用者による詳細設定を可能としたので、利用者の意思が多分に反映させた予測結果を提供することができる。
また、利用者が入力情報を送信してから濃度予測結果を受信するまでの時間は利用者の計算機の負荷がほとんどかからないため、利用者の負担を大幅に低減することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る大気汚染物質の濃度予測装置の構成を模式的に示したブロック図である。
図1において、符号11は大気汚染物質の濃度予測を行う地域の地形データが格納されている地形データベース(第1の記憶手段)である。
符号12は、濃度予測を行う地域における気象データが格納されている気象データベース(第2の記憶手段)であり、例えば、過去1年間における1時間ごとの気象データが格納されている。
符号13は、地形データベース10に格納されている地形データ、及び気象データベース11に格納されている気象データに基づいて当該地域の大気汚染物質の濃度予測を行う演算装置(濃度予測手段)である。
符号14は、演算装置13によって使用されるメモリ(第3記憶手段)であり、演算装置13により実行される演算処理において、適宜データが書き込まれたり、読み出されたりするものである。
符号15は、結果を表示する表示装置であり、例えば液晶ディスプレイやCRT(cathode ray tube)等である。
まず、演算装置13は、気象データベース12に格納されている過去1年間における1時間ごとの気象データを読み出し、解析する。具体的には、気象データの各要素である風速i、風向j、大気安定度kをそれぞれのカテゴリに分類する。
例えば、風速iのカテゴリ分類は、年間における最高風速と最低風速とを抽出し、その間を6つのカテゴリ(i=1〜6)に分けることにより行う。
また、風向jのカテゴリ分類は、360度を32分割することにより行う。例えば、北を0°(j=1)と過程すると、11.25°毎に、カテゴリが分けされる。
更に、大気安定度のカテゴリ分類は、中立状態(k=1)、安定状態(k=2)、及び不安定状態(k=3)の3つ(k=1〜3)に分けることにより行う。ここで、大気の中立状態とは、大気の温位が地表からの高度に関わらず一定である状態をいい、大気の非中立状態とは、地表からの高度が上がるにつれて大気の温位が上昇する大気の安定状態、及び高度が上がるにつれて大気の温位が効果する大気の不安定状態をいう。また、温位とは、高度の上昇による大気圧の低下に伴う大気温度の低下分を差し引いた大気の温度をいう。
そして、各カテゴリの要素を組み合わせることにより、576通り(6×32×3=576)の気象条件が作成される。
続いて、この576通りある各気象条件について、各気象条件の出現頻度Fijkを年間の気象データに基づいて算出する。
そして、各気象条件ijkと算出した出現頻度Fijkとを対応付けてメモリ13に保存する。
ここで、流れ場Uijkは、大気の流れのことであり、気象条件によって変化する。このうち、基準流れ場は、ある風速下における流れ場のことをいう。即ち、気象条件は上述したように風速i、風向j、大気安定度kの3つの要素の組み合わせにより決まるが、このうち、基準風速(例えば、1m/s(i=1))と、各風向jのカテゴリ(j=1〜32)と、各大気安定度kのカテゴリ(k=1〜3)との組み合わせからなる96通り(32×3=96)の気象条件に対して求められる流れ場をいう。
以下、基準流れ場を予測する処理について図2を参照して説明する。
まず、これから基準流れ場を予測する気象条件を設定する(ステップSA1)。具体的には、風速として基準風速(例えば、i=1;1m/s)を、風向の分類として北(j=1)を、大気安定度の分類として中立状態(k=1)を設定する。なお、ステップSA1においては、風速は常に基準風速(i=1)に設定される。
次に、ステップSA1で設定した気象条件における基準流れ場U1jkを地形データベース11に格納されている地形データに基づいて予測する(ステップSA2)。この予測は、例えば、境界要素法(Boundary Element Method:BEM)を用いたシミュレーションモデルを用いることにより行う。この境界要素法を用いたシミュレーションモデルとしては、例えば、ポテンシャル流モデルが挙げられる。
具体的には、濃度予測の対象となっている全領域の地形データを地形データベース11から読み出し、この地形の表面をパネルの集合体で近似する。続いて、このパネル分割に基づいてポテンシャル流モデルを用いて基準流れ場U1jkを求める。
そして、求めた基準流れ場U1jkを、風速のカテゴリ(j=1)及び大気安定度のカテゴリ(k=1)に対応付けて保存する(図2のステップSA3)。即ち、基準流れ場U1jkが、どの気象条件におけるものなのかを識別できるような形で保存する。
そして、上述の処理(図2参照)を残りの95通りの気象条件に対しても同様に行い、求めた基準流れ場U1jkを風速のカテゴリ及び大気安定度のカテゴリに対応付けてそれぞれメモリ13に保存する。
まず、演算装置13は、これから大気汚染物質の濃度分布を予測する気象条件を特定する(ステップSB1)。例えば、風速のカテゴリを“i=2”(例えば、3m/s)、風向のカテゴリを“j=1”(北)、大気安定度のカテゴリを“k=1”(中立状態)と特定したとする。
続いて、特定した風向カテゴリ“j=1”及び大気安定度カテゴリ“k=1”に対応する基準流れ場U1jk(j=1,k=1)をメモリ13から読み出す(ステップSB2)。
続いて、読み出した基準流れ場U1jk(j=1,k=1)に基準風速(1m/s)とステップSB1において気象条件として特定した風速カテゴリi=2(例えば、3m/s)とに基づく係数を乗ずることにより、大気汚染物質の濃度予測に必要となる流れ場Uijk (i=2,j=1,k=1)を求める(ステップSB3)。例えば、この係数として、基準風速(1m/s)とステップSB1で特定した風速カテゴリi=2の風速(3m/s)との比を使用する。
続いて、この流れ場Uijk(i=2,j=1,k=1)基づいて拡散演算を行うことにより、大気汚染物質の濃度分布Cijkを求める(ステップSB4)。この拡散演算は、正規分布法、差分法、モンテカルロ法、有限要素法、有限容積法等からなる解法のいずれかを利用して、流れ場Uijkが反映された拡散の基礎方程式を解くことにより行われる。
ここで、差分法とは、空間領域を座標系に一致した格子網で分割し、微分式を差分化して解く手法である。また、モンテカルロ法は、粒子群を乱数的に動かして拡散現象を表現する手法である。有限要素法は、空間領域を任意の要素で分割し、変分原理に基づく積分式を解く手法であり、有限容積法は、空間領域を任意の要素で分割し、各要素内の積分式を解く手法である。
そして、残りの気象条件においても上述のステップSB1〜SB5の処理を行うことにより、各気象条件における大気汚染物質の濃度分布の予測年平均値を算出する。
そして、算出した予測年平均値をたし合わせることにより、汚染物質の濃度分布の年平均値Cを得る(ステップSB5〜SB7)。
そして、予測した大気汚染物質の濃度予測の年平均値Cを表示装置15に表示する(ステップSB8)。
これにより、濃度予測に係る演算処理を大幅に低減させることができ、極めて短い時間で予測結果を得ることができる。
また、周知のシミュレーションモデルを用いることにより、簡易に基準流れ場を予測することができる。
また、風速、風向及び大気安定度を考慮して流れ場を予測するので、大気汚染物質の濃度予測の精度を向上させることができる。
また、地域データベース、気象データベースには、全国におけるデータが格納されており、図示しない入力装置から所定の地域情報を入れると、該当する地域のデータを自動的に取得し、取得した情報に基づいて予測を行うような構成にしても良い。
また、上述した実施形態では、風速を6カテゴリに、風向を32カテゴリに、大気状態を3カテゴリにそれぞれ分割したが、これは一例であり、適宜カテゴリ数を変更しても良い。
次に、本発明の第2の実施形態に係る大気汚染物質の濃度予測装置について説明する。
本実施形態における大気汚染物質の濃度予測装置が、第1の実施形態と異なる点は、濃度予測の対象となっている全ての領域に対して、流れ場及び濃度予測を行うのではなく、大気汚染物質の排出地点と風向とに応じて流れ場を求める領域を決定し、決定した領域についてのみ流れ場及び濃度予測を行う点である。
以下、本実施形態に係る大気汚染物質の濃度予測装置について、第1の実施形態に係る大気汚染物質の濃度予測装置と比較して説明する。
図4(a)は、濃度予測の対象となる全ての領域を示しており、当該領域は、図に示したように、メッシュ上に分割されている。また、図中×印は、大気汚染物質の排出地点を示している。
上述の第1の実施形態における大気汚染物質の濃度予測装置では、メッシュ分割された全ての領域について各気象条件における流れ場を算出し、算出した流れ場に基づいて濃度予測を行っていた(図2、図3参照)。
これに対し、本実施形態では、風向jと排出地点とに基づいて、大気汚染物質が拡散すると予測される領域についてのみ範囲を限定して流れ場及び濃度予測を行う。
例えば、図2に示したフローチャートにおいて、ステップSA1とSA2との間に、ステップSA1で設定した風向jと排出地点とに基づき、大気汚染物質が拡散すると予測される領域(例えば、排出地点から風下にかけての一帯)を予め決定する処理を設ける。
具体的には、図2のステップSA1において、風向を南西(j=4)に設定した場合には、図4(b)に示すように、排出地点の周辺、及び排出地点を基点として風下方向に伸びる一定範囲Rを流れ場を算出する領域として決定する。そして、この決定した領域について、図2のステップSA2で基準流れ場を予測し、メモリ13に保存する。
次に、本発明の第3の実施形態に係る大気汚染物質の濃度予測装置について説明する。
第1の実施形態では、ステップSA1で各カテゴリにおける風向を全て設定し、この全ての風向に対して流れ場を算出していたが、本実施形態では、2つの風向における流れ場を予測し、予測した流れ場を補間することにより、他のカテゴリの風向における流れ場を算出する点において異なる。
具体的には、図5に示すように、風向を「西」に設定した場合における基準流れ場U1wkと、風向を「南」に設定した場合における基準流れ場U1skとをそれぞれ予測し、予測したこれら2つの基準流れ場を補間することにより、その他の風向に対する基準流れ場を算出する。
補間の算出方法は、例えば、風向jが東の方角に対して北にθずれている場合は、流れ場は、以下の(1)式によって補間される。
U1jk=U1wk cosθ+U1sk sinθ (1)
なお、基準流れ場を予測する風向としては「西」及び「南」の2つの風向に限られず、他の風向でも良いし、また、2以上の風向に対する基準流れ場を予測するようにしても良い。即ち、少なくとも2つの風向における基準流れ場を予測し、これらの予測した基準流れ場を補完して、その他の基準流れ場を算出することで、同様の効果を得ることができる。
図6は、本実施形態に係る大気汚染物質の濃度予測情報提供装置の構成を示したブロック図である。
図6において、符号21は地形データを記憶する地形データベース(第1の記憶手段)である。この地形データベース21には、例えば、国土地理院の全国分の電子地図データが格納されている。
符号22は、全国の気象データを記憶する気象データベース(第2の記憶手段)である。この気象データベース22には、例えば、アメダスの全国分のデータが格納されている。
符号23は、インターネットを介して接続されている利用者端末3から所定の入力情報を受信するとともに、これらの情報に基づいて予測された濃度予測結果を利用者端末3へ送信する入出力制御モジュール(受信手段及び送信手段)である。
符号24は、利用者端末3から受信した所定の入力情報に基づいて地域データベース21、気象データベース22から対応するデータを読み出し、これらの情報に基づいて大気汚染物質の濃度を予測する演算装置(濃度予測手段)である。
利用者端末3は、利用者が所定の入力情報を入力する入力デバイスや、大気汚染物質の濃度予測情報提供装置2から受信した予測結果を表示させるための表示装置を備える、いわゆるパーソナルコンピュータである。
なお、利用者端末3並びには、インターネットを介して大気汚染物質の濃度予測情報提供装置2と情報を送受するためのモジュールがインストールされている。
まず、入出力制御モジュール23は、インターネットを介して接続されている利用者端末3から濃度予測対象地域に関する情報、大気汚染物質の排出地点の情報、煙源諸元に関する情報、及び期間情報を受信すると、濃度予測対象地域に関する情報を地域データベース21へ、濃度予測対象地域に関する情報と期間情報とを気象データベース22へそれぞれ出力する。
ここで、濃度予測対象地域に関する情報とは、濃度予測を行う領域を経度、緯度によって表した情報や、大気汚染物質の排出地点からの距離を表した情報(例えば、半径何メートル以内等)等が挙げられる。また、大気汚染物質の排出地点は、その地点が緯度、経度により指定されている。また、煙源諸元に関する情報とは、予測対象とする煙源の汚染物質の排出状況を示すデータであり、煙突高さ、口径、排気速度、排気音度、含まれる大気汚染物質の量などが挙げられる。また、期間情報は、気象データを抽出する際に参照する情報であり、即ち、どの期間における気象データに基づいて予測を行うかを指定する情報であり、例えば、「昨年の4月〜7月の期間」等、期間が指定される。
同様に、気象データベース22は、濃度予測対象地域に関する情報に該当する気象データのうち、期間情報によって特定された期間の気象データを抽出し、抽出した気象データを演算装置14へ出力する。
演算装置14は、各データベース21、22から受け取った地形データ及び気象データ、並びに、入出力制御モジュール23から受け取った大気汚染の排出地点の情報に基づいて、対象領域における大気汚染物質の濃度予測を行う。
大気汚染物質の濃度予測は、各種シミュレーションモデルを用いて求めることができる。このシミュレーションモデルとしては、例えば、修正プルームモデル、ポテンシャル流モデル、粘性流モデルが挙げられる。なお、これらの詳細については、例えば、三菱重工技報 vol.21 No.5抜刷(1984−9) 「排煙拡散数値シミュレーションモデルの開発」p.1−8にて、開示されている。
また、環境庁大気保全局大気規制課編「窒素酸化物総量規制マニュアル」にも詳述されているプルーム・パフモデルや、同じく周知のモデルであるセル内粒子法、ラグランジュ型粒子モデルを使用しても求めることができる。
このようにして、演算装置24は、濃度予測結果を得ると、この予測結果を入出力制御モジュール23へ出力する。
入出力制御モジュール23は、この予測結果を利用者端末3へ送信する。
これにより、利用者端末3の表示装置には、利用者が入力情報として入力した情報に基づく大気汚染物質の濃度予測結果が表示される。
更に、気象データを使用する期間等も指定できる等、利用者による詳細設定を可能とするので、利用者の意思が多分に反映させた予測結果を提供することができる。
そして、上述した大気汚染物質の濃度予測処理に関する一連の処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。
すなわち、演算装置14、24は、CPU等の中央演算処理装置がROMやRAM等の主記憶装置に上記プログラムを読み出して、情報の加工・演算処理を実行することにより、実現されるものである。
ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
2 大気汚染物質の濃度予測情報提供装置
3 利用者端末
11 地形データベース
12 気象データベース
13 メモリ
14 演算装置
15 表示装置
21 地形データベース
22 気象データベース
23 入出力制御モジュール
24 演算装置
Claims (9)
- 大気汚染物質の濃度予測を行う地域の地形データ、及び前記地域における少なくとも風速及び風向からなる気象データに基づいて流れ場を予測し、予測した流れ場に基づいて前記地域における大気汚染物質の濃度予測を行う方法において、
基準風速下における各風向の基準流れ場を前記地形データに基づいて予測し、予測した基準流れ場を風向と対応付けて記憶する過程と、
予め記憶されている前記基準流れ場の中から、所望の風向に対応する基準流れ場を読み出す過程と、
読み出した基準流れ場に、前記基準風速と所望の風速とに基づく係数を乗ずることにより、大気汚染物質の濃度予測に必要となる流れ場を予測する過程と
を具備することを特徴とする大気汚染物質の濃度予測方法。 - 前記基準流れ場は、境界要素法を用いたシミュレーションモデルにより求めることを特徴とする請求項1に記載の大気汚染物質の濃度予測方法。
- 前記気象データには、大気安定度が含まれ、
前記基準風速下における各風向及び各大気安定度の基準流れ場を予測し、予測した基準流れ場を風向及び大気安定度と対応付けて記憶しておき、
大気汚染物質の濃度予測を行う際は、予め記憶されている前記基準流れ場の中から、所望の風向及び大気安定度に対応する基準流れ場を読み出す
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の大気汚染物質の濃度予測方法。 - 基準風速下における各風向の基準流れ場を濃度予測の対象地域における地形データに基づいて予測する処理と、
予測した基準流れ場を風向と対応付けて保存する処理と、
前記保存した基準流れ場の中から、所望の風向に対応する基準流れ場を読み出す処理と、
読み出した基準流れ場に、前記基準風速と所望の風速とに基づく係数を乗ずることにより、大気汚染物質の濃度予測に必要となる流れ場を予測する処理と、
予測した流れ場及び対象地域における気象データに基づいて対象地域における大気汚染物質の濃度を予測する処理と
をコンピュータに実行させる大気汚染物質の濃度予測プログラム。 - 大気汚染物質の濃度予測を行う地域の地形データを記憶する第1の記憶手段と、
前記地域における少なくとも風速及び風向からなる気象データを記憶する第2の記憶手段と、
基準風速下における各風向に対する基準流れ場を前記地形データに基づいて予測する基準流れ場予測手段と、
基準流れ場予測手段により予測された基準流れ場を風向と対応付けて記憶する第3の記憶手段と、
前記大気汚染物質の濃度予測に用いられる気象条件を特定し、該気象条件の風向に対応する基準流れ場を前記第3の記憶手段から読み出し、読み出した基準流れ場に、前記基準風速と所望の風速とに基づく係数を乗ずることにより、大気汚染物質の濃度予測に必要となる流れ場を予測し、予測した流れ場と前記気象データとに基づいて大気汚染物質の濃度予測を行う濃度予測手段と
を具備することを特徴とする大気汚染物質の濃度予測装置。 - 前記大気汚染物質の濃度予測に必要となる流れ場を予測する場合に、前記流れ場を予測する範囲を大気汚染物質の排出地点と前記風向とに応じて決定することを特徴とする請求項5に記載の大気汚染物質の濃度予測装置。
- 前記第3の記憶手段に記憶されている少なくとも1つの基準流れ場は、互いに異なる少なくとも2つの風向に関する基準流れ場を補間することにより求められた基準流れ場であることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の大気汚染物質の濃度予測装置。
- ネットワークを介して接続されている利用者端末から濃度予測対象地域に関する情報、大気汚染物質の排出地点の情報、及び煙源諸元に関する情報を受信する受信手段と、
受信した前記濃度予測対象領域に関する情報に基づいて、該当する地形データ及び気象データを取得し、取得した前記地形データ、及び前記気象データ、並びに受信した前記大気汚染物質の排出地点の情報及び煙源諸元に関する情報に基づいて、前記対象領域における大気汚染物質の濃度予測を行う請求項5乃至請求項7のいずれかに記載の大気汚染物質の濃度予測装置と、
前記大気汚染物質の濃度予測装置による予測結果を前記利用者端末へ送信する送信手段と
を具備することを特徴とする大気汚染物質の濃度予測情報提供装置。 - 前記受信手段は、気象データの対象期間を指示する期間情報を前記利用者端末から受信し、
前記大気汚染物質の濃度予測装置は、受信した前記期間情報に該当する気象データを用いて前記濃度予測を行うことを特徴とする請求項8に記載の大気汚染物質の濃度予測情報提供装置。
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