JP5374265B2 - 果実収納容器及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、柔軟な果実収納凹部を有する果実収納フィルムが張着された果実収納容器に関するものであり、例えばビワ、イチジクのような突出する蔕を有する果実を、蔕を傷付けることなく安定して収納するために適した果実収納容器及びその製造方法に関するものである。
従来、損傷し易い果実を包装する容器として、発泡性樹脂シート上面に薄いシートを積層した状態で、凸金型によって両シートを凸状に成形し、その後、凹金型によって上記発泡性樹脂シートを上側のシートから下方に引き離すように真空吸引して、下側に凹状の発泡性樹脂シートを形成し、これにより下側の凹状発泡性樹脂シートと、その上側に所定の空間を介して形成された凹状の宙吊り用のシートとにより果物の包装用トレーを形成することが提案されている。この包装用トレーは、上記宙吊り用のシート上に果物を宙吊り状態で収納するものである(特許文献1)。
また、硬質のプラスチックにより凹部を形成し、当該凹部上に同じく凹状に成形した弾性発泡シートを所定の空間を介して配置し、当該弾性発泡シート内に苺等の果実を宙吊り包装し得るように構成された衝撃吸収性容器が提案されている(特許文献2)。
また、蔕を有する果実を収納するトレーにおいて、発泡シートの一部に貫通孔を有する蔕置き部を一体成形したものが提案されている(特許文献3)
実開昭61−74514 実開昭62−3465 特開平8−258871
ところで、上記特許文献1,2のものは、凸状又は凹状の金型により果実の収納する凹部であるシート又は弾性発泡シートを成形するものであるため、その製法上、果実を収納する凹部の形状は、凹部壁面が、凹部底面から上面開口に向かって末広がり形状となる、所謂、椀形状とならざるを得ない。
従って、苺等の通常蔕の無い果実は比較的安定して保持するが、例えばビワのような長い蔕を有する果実や、所定長さの蔕を残したまま収納する必要のあるイチジク等の果実は、蔕が邪魔になって凹部に適切に収納することが難しいという課題があった。
また、蔕置き部を有する特許文献3のトレーにおいては、発泡シートは相当程度の厚みを有する素材であるから、果実収納凹部の上縁のエッジ部により果実が損傷を受けるおそれがある。また、蔕置き部の貫通孔の縁は発泡シートが樹脂化して硬化するため(特許文献3明細書「0019」、「0020」欄)、蔕を貫通孔に差し込んだ状態で運搬等すると、蔕と貫通孔との摩擦により蔕の表面が傷付き易くなり、蔕を有する果実の商品価値を低下させるおそれがある。
本発明は上記従来の課題に鑑みてなされたものであり、例えばビワのような長い蔕を有する果実であっても、柔軟で薄い熱可塑性合成樹脂薄フィルムを使用して真空形成により蔕を収納するための柔軟な穴状凹部を有する果実収納凹部を形成することにより、柔軟な穴状凹部内に蔕をやわらかく保持した状態で果実全体を宙吊り収納することにより、果実は勿論、蔕をも傷付けることなく収納保持し得る果実収納容器及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため本発明は、
第1に、底面と側壁からなるトレーの底面に所定間隔を以って複数の突起を開口部方向に形成し、熱可塑性合成樹脂薄フィルムに複数の柔軟性のある果実収納凹部を塑性変形により形成し、上記果実収納凹部が上記トレーの内側に位置すると共に、上記凹部の底部と上記トレー底面との間に空間が形成されるように上記フィルムを上記トレーの開口部に張設し、上記フィルムの張設状態において、上記突起の上端部が上記各果実収納凹部間のフィルム面を支持することによって、上記果実収納凹部内の果実を宙吊り状態で支持し得るように構成した果実収納容器であって、上記熱可塑性合成樹脂薄フィルムの各々の果実収納凹部内における開口部方向(矢印O方向)に向けて開く方向(矢印N方向)の傾斜側壁に、当該傾斜側壁から上記開く方向(矢印N方向)とは交差する方向である上記開口部方向(矢印O方向)に向けて閉じる方向(矢印P方向)である斜め下方に向けて突出する柔軟性のある細径穴状凹部を塑性変形により形成したものであり、上記細径穴状凹部は、上面が開口した凹部ではなく上記斜め下方に向けて細長く深い筒のように延びる穴状に形成され、上記細径穴状凹部は果実の蔕を収納し得るものであり、上記細径穴状凹部の先端部(6b)は上記果実収納凹部の上面開口縁(5d)より外側に位置しており、該細径穴状凹部の内周の傾斜面は上記果実収納凹部の開口部の方向に対して閉じる方向(矢印P方向)に傾斜しており、かつ上記細径穴状凹部の下部と上記トレー底面との間には空間が形成されているものであることを特徴とする果実収納容器により構成される。
上記細径穴状凹部内周の傾斜面は果実収納凹部の開口部の方向に対して閉じる方向に傾斜するように構成することが好ましい。このように構成すると、例えばビワのような蔕を有する果実を収納する際、上記蔕を細径穴状凹部内に適切に収納した状態でビワ本体を果実収納凹部内に収納することができ、蔕を有する果実をその蔕と共に宙吊り状態で適切に収納支持することができる。
果実収納凹部の上面開口縁より外側とは、細径穴状凹部の先端部が、例えば上記上面開口縁に接する仮想鉛直線(L)より一定間隔(T)外側に突出するように構成されていることをいう。このように構成すると、果実の蔕がある程度長いものであっても、当該蔕を柔軟な細径穴状凹部内に適切に収納することができる。
このように構成すると、例えばビワのような蔕を有する果実を、その蔕の部分を含めて熱可塑性合成樹脂薄フィルムにより宙吊り収納することができる。
に、底面と側壁からなるトレーの底面に所定間隔を以って複数の突起を開口部方向に形成し、熱可塑性合成樹脂薄フィルムに、上記果実収納容器の果実収納凹部に対応するように、複数の柔軟性のある果実収納凹部を塑性変形により形成し、上記果実収納凹部が上記トレーの内側に位置すると共に、上記凹部の底部と上記トレー底面との間に空間が形成されるように上記フィルムを上記トレーの開口部に張設し、上記フィルムの張設状態において、上記突起の上端部が上記各果実収納凹部間のフィルム面に位置するように構成した果実収納容器の蓋体を設け、上記果実収納容器における果実収納凹部の開口部と、上記蓋体における果実収納凹部の開口部とが対向するように、上記果実収納容器の上部を上記蓋体を以って閉鎖し得るように構成し、上記蓋体の閉鎖状態において、上記上下の果実収納凹部内に果実を宙吊り状態で収納し得るように構成したものであることを特徴とする上記第1に記載の果実収納容器により構成される。
このように構成すると、蔕を有する果実を、その蔕を柔軟な細径穴状凹部にて適切に収納支持しながら、当該果実の下半部と上半部とを上下の果実収納凹部にて被覆した状態で宙吊り包装することができ、容器の上下を逆転しても内部の果実を損傷することのない果実収納容器を実現し得る。
に、上記蓋体の熱可塑性合成樹脂薄フィルムの上記果実収納凹部の底部に各々フィルムを貫通するスリットを設けたものであることを特徴とする上記第記載の果実収納容器により構成される。
このように構成すると、果実から発生する水分等のガスをスリットからフィルム外部に抜くことができる。
に、複数の果実収納凹部に対応する複数の凹型部が形成された真空吸引用金型上に熱可塑性合成樹脂薄フィルムを配置し、該フィルムを加熱した後に該フィルムを上記金型上に接した状態で上記金型下方より真空吸引することで上記フィルムに複数の柔軟性のある果実収納凹部を塑性変形により形成し、底面に所定間隔を以って複数の突起を開口部方向に突出形成したトレーを設け、上記果実収納凹部が形成された状態の上記フィルムを上記トレーの開口部に張設することにより、上記果実収納凹部と上記トレー底面との間に空間を介在させると共に、上記果実収納凹部間のフィルム面に上記突起の上端部が位置するように構成した果実収納容器の製造方法であって、上記金型の上記凹型部内における開口部方向(矢印O方向)に開く方向(矢印N方向)の傾斜側壁に、当該傾斜側壁から上記開く方向(矢印N方向)とは交差する方向である上記開口部方向(矢印O方向)に向けて閉じる方向(矢印P方向)である斜め下方に向けて細径穴状凹型部を凹設し、上記細径穴状凹型部は、上記傾斜側壁の一部がさらに奥部に向けて上記斜め下方に削り掘るように小径の筒状に形成され、上記細径穴状凹型部の先端部(22a)は、上記凹型部の上面開口縁(23c)より金型の奥部側に位置しており、上記真空吸引により上記フィルムを上記凹型部内に吸引させると共に上記細径穴状凹型部内にも吸引させた後、上記フィルムを上記凹型部から取り外すことにより、上記フィルムに果実収納凹部を塑性変形により形成すると共に、上記果実収納凹部内における傾斜側壁に、当該傾斜側壁から上記開く方向(矢印N方向)とは交差する方向である上記開口部方向に向けて閉じる方向(矢印P方向)である斜め下方に向けて突出する柔軟性のある細径穴状凹部を塑性変形により形成する方法であり、形成された上記細径穴状凹部は、上面が開口した凹部ではなく上記斜め下方に向けて細長く深い筒のように延びる穴状に形成され、上記細径穴状凹部は果実の蔕を収納し得るものであり、上記細径穴状凹部の先端部(6b)は上記果実収納凹部の上面開口縁(5d)より外側に位置しており、該細径穴状凹部の内周の傾斜面は上記果実収納凹部の開口部の方向に対して閉じる方向(矢印P方向)に傾斜しており、かつ上記細径穴状凹部の下部と上記トレー底面との間には空間が形成されていることを特徴とする果実収納容器の製造方法により構成される。
上記細径穴状凹型部の内周の傾斜面は、金型からの離脱方向に対して閉じる方向の傾斜面とすることができる。かかる製造方法によると、柔軟性のある熱可塑性合成樹脂薄フィルムを使用しており、成型後の果実収納凹部及び細径穴状凹部共に柔軟性を有しているので、同フィルムが細径穴状凹型部内に吸引され塑性変形により細径穴状凹部が形成されても、塑性変形後の細径穴状凹部を細径穴状凹型部から容易に離脱することができ、果実収納凹部の傾斜側壁から斜め下方に向けて形成された細径穴状凹部を金型成形により容易に製造することができる。
に、上記真空吸引用金型は、上記凹型部の底部に真空吸引用の吸引孔が形成されていると共に、細径穴状凹型部の先端部にも真空吸引用の吸引孔が形成されていることを特徴とする上記第載の果実収納容器の製造方法により構成される。
このように構成すると、上記細径穴状凹型部の形状に合わせて熱可塑性合成樹脂薄フィルムを確実に吸引し、塑性変形させることができる。
凹型部の上面開口縁より奥部側とは、細径穴状凹型部の先端部が、例えば上記上面開口縁に接する仮想鉛直線(L’)より一定間隔(T’)奥部側に位置するように構成されていることをいう。このように構成すると、果実収納凹部の傾斜側壁より斜め下方に伸びる細径穴状凹部を塑性変形により容易に形成することができる。
本発明は上述のように構成したので、蔕を有する果実をその蔕の部分を熱可塑性合成樹脂薄フィルムから形成された柔軟な細径穴状凹部内に保持しつつ果実全体を該フィルムにより宙吊り状態で適切に収納保持することができ、蔕を有する果実の損傷等を効果的に防止し得る果実収納容器を実現することができる。
また、蔕を有する果実を薄い熱可塑性合成樹脂薄フィルムに塑性変形によって形成した柔軟な果実収納凹部及び細径穴状凹部により宙吊り収納するものであるから、上記果実の損傷は勿論、蔕の損傷をも効果的に防止し得る果実収納容器を実現したものである。
また、蓋体の果実収納凹部にスリットを設けることにより、果実が発するガスをフィルム外に抜くことができ、フィルム内の蒸れを防止して果実の傷みを防止することができる。
また、本発明の製造方法によると、柔軟性のある熱可塑性合成樹脂薄フィルムを使用することにより、金型を使用した真空成形法により、蔕を収納するための細径穴状凹部を具備する果実収納凹部を容易に形成することができる。
また、本発明の製造方法によると、柔軟性のある熱可塑性合成樹脂薄フィルムを用いることにより、果実収納凹部の傾斜側壁から斜め下方に伸びる細径穴状凹部を金型成形により容易に形成することができ、蔕を収納するために適した形状の細径穴状凹部を金型成形により容易に製造することができる。また、柔軟性のある熱可塑性合成樹脂薄フィルム4を用いることにより、金型から離脱方向に対して閉じる方向の傾斜面を有する細径穴状凹部6を金型成形により容易に形成することができ、蔕を収納するために適した形状の細径穴状凹部6を具備する果実収納凹部5を金型成形により容易に製造することができる。
本発明に係る果実収納容器と蓋体の分解斜視図である。 同上容器と蓋体の側面図である。 同上容器と蓋体の分解側面図である。 同上容器の果実収納凹部の側面断面図である。 (a)は同上容器の果実収納凹部に果実を収納する状態を示す同凹部の側面断面図、(b)は同上容器の果実収納凹部に果実を収納した状態を示す同凹部の側面断面図である。 同上容器の平面図である。 同上蓋体の底面図である。 同上容器における熱可塑性合成樹脂薄フィルムの果実収納凹部を製造するための金型の側面断面図である。 同上金型で熱可塑性合成樹脂薄フィルムの果実収納凹部を成形する状態を示す金型の側面断面図である。 同上金型で熱可塑性合成樹脂薄フィルムの果実収納凹部を成形した状態を示す金型の側面断面図である。 (a)は凹型部から果実収納凹部を離脱する状態を示す金型の側面断面図、(b)は同金型の側面断面図である。 同上容器の斜視図である。 同上容器又は同上金型における凹部又は凹型部内の壁面の傾斜方向を説明するための図である。 (a)は同上容器の果実収納凹部の他の実施形態の側面断面図、(b)は同上金型の他の実施形態を示す同金型の側面断面図である。
以下、本発明に係る果実収納容器及びその製造方法の一実施形態を詳細に説明する。尚、以下の実施形態では一例として12穴(4×3)の容器を例に説明するが、12穴以外の10穴、9穴、15穴等その他のホール数としても良い。
図1は本発明に係る果実収納容器1と蓋体9の分解斜視図、図2は同上容器1と蓋体9の側面図、図3は同上容器1と蓋体9の分解側面図である。
これらの図において、ビワ等の果実Fの下半部を収納する果実収納容器1は、底面2aと側壁2bから構成された方形のトレー2と、該トレー2上面開口部2cを閉鎖する熱可塑性合成樹脂薄フィルム4とから構成されている。
上記方形のトレー2の底面2aには、3本の突起3が縦方向に所定間隔を以って突設され、かかる3本の突起3が横方向に2列(計6本)開口部2c方向に突出形成されている。これらの突起3の高さは、略トレー2の側壁の高さと同等或いは若干低く形成されており、上記熱可塑性合成樹脂薄フィルム4の複数の果実収納凹部5間のフィルム面(平面部)4bを裏面から支持するものである。また上記トレー2の底面2aには格子状の補強用リブ2dが突出形成されている。
上記熱可塑性合成樹脂薄フィルム4は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリスチレン等の非常に薄い柔軟性のあるフィルムにより形成されており、そのフィルム4の厚みは5μm〜250μm、好ましくは10μm〜150μmであり、収納される果実に応じてその厚みを変化させることができる。
上記熱可塑性合成樹脂薄フィルム4には、複数の柔軟性のある果実収納凹部5が塑性変形により形成されており、上記果実収納凹部5が上記トレー2の内側に位置すると共に、上記凹部5の底部5cと上記トレー底面2aとの間に空間S1が形成されるように(図2参照)、上記フィルム4の周縁4aを上記トレー2の開口部2cの上端周縁2c’に接着することにより、該フィルム4を上記開口部2cに張設し、上記フィルム4のかかる張設状態において、上記突起3の小円形状(小スポット状)の上端部3aが上記各果実収納凹部5間のフィルム4のフィルム面(平面部)4bに位置するように構成する(図2、図6参照)。
従って、上記突起3は、図6に示すように、4つの上記果実収納凹部5によって囲まれたフィルム面4bをフィルム裏面側から支持するものであり、図5(b)に示すように上記果実収納凹部5内にビワ等の果実Fを収納したとき、上記フィルム面4bを支持し、これにより上記果実Fは上記果実収納凹部5により宙吊り状態で支持されるように構成されている。
また、上記果実収納凹部5は、図4、図6に示すように、収納される果実F(本実施形態の場合はビワ)を横断した下半部の凹形状を有するものであり、その開口部形状は、幅広の後部5aから前部5bに向けて徐々にその幅が狭くなるような形状(略ダルマ型、図6参照)をなしており、縦断面形状は、後部5aの最も深い部分から前部5bに向けて徐々にその深さが浅くなるような傾斜側壁5’が形成されており(図4参照)、当該凹部5は、ビワの下半部に密着して当該ビワを支持し得るように構成されている(図5参照)。
さらに、上記熱可塑性合成樹脂薄フィルム4の各々の果実収納凹部5内の上記前部5bには、その凹部5内の側面における上記傾斜側壁5’に、当該傾斜側壁5’から斜め下方に向けて突出する柔軟性のある細径穴状凹部6が同じく塑性変形により形成されている。即ち、上記細径穴状凹部6は、上記凹部5の前部5bの傾斜側壁5’の一部が、さらに前方に向けて斜め下方に突出するように穴状に塑性変形されたものであり、後述するが、上記果実収納凹部5と上記細径穴状凹部6は、真空成形法により一体的に成形されるものである。
また、上記細径穴状凹部6はビワの蔕Hを収納し得るものであり、当該細径穴状凹部6の下部6aと上記トレー2底面2aとの間には空間S2が形成されており(図2参照)、上記蔕Hの部分を含めてビワ等の果実Fを宙吊り状態で支持し得るように構成されている。上記細径穴状凹部6は、上記傾斜側壁5’から、湾曲面を形成しながら滑らかに、斜め下方に向けて比較的深い椀のような穴状に形成されている(図4参照)。或いは図14(a)に示すように、傾斜側壁5’から急激に突出するように、斜め下方に向けて細長く深い筒のように延びる穴状に形成しても良い。何れの場合も、上面が開口した凹部ではなく、細径穴状凹部6内には上面側の傾斜面6”を有する穴状に形成されている(図4、図14(a)参照)。
また、上記果実収納凹部5は、平面からみると、大きな半径の湾曲面から構成された後部5aと小さな湾曲面から構成された尖端部5b(前部5b)とこれら後部5aと前部5bとを滑らかに結ぶ線から構成されており、全体的には略ダルマ型を成している。そして、該略ダルマ型の尖端部5b近傍の上記傾斜側壁5’から斜め下方向に細径穴状凹部6が形成されている。
さらに、上記細径穴状凹部6の先端部6bは上記果実収納凹部5の前部5b側の上面開口縁5dより外側に位置している(図5(a)参照)。即ち、上記細径穴状凹部6の先端部6bは上記上面開口縁5dに接する仮想鉛直線Lより間隔Tだけ外側に突出するように構成されている。
また、上記果実収納凹部5の内壁形状は、図4に示すように、全体としてその開口部5e方向(矢印O方向)に向けて開く方向(矢印N方向)の傾斜面Mを形成している。これは、金型成形の場合、通常は成形品を金型から離脱する必要性から、凹部の内壁形状は開口部5e方向(矢印O方向)に向けて開く方向(N方向)の傾斜面Mとする必要がある。しかしながら、上記細径穴状凹部6はその内周の傾斜面6’,6”は開口部5e方向(矢印O方向)に向けて開く方向(矢印N方向)とは交差する(或いは直交する)方向である、開口部5e方向(矢印O方向)に向けて閉じる方向(矢印P方向)に傾斜している(図4参照)。
通常の金型成形では、硬質な成形品であれば、上記閉じる方向(矢印P方向)の傾斜面6’,6”がある場合は成形品を金型から離脱することができないが、本発明は成形品を柔軟性のある熱可塑性合成樹脂薄フィルム4とすることにより、細径穴状凹部6のように、開口部5e方向(矢印O方向)に向けて閉じる方向(矢印P方向)の傾斜面6’,6”であっても金型から離脱することを可能とし、金型成形を実現したものである。
尚、図13に示すように、この明細書において、矢印O方向に対して矢印N方向を「開く方向」、上記矢印O方向に対して矢印P方向を「閉じる方向」という。
この細径穴状凹部6は、ビワの蔕Hを収納するために設けられたものであり、その長さ及び直径は上記ビワの蔕Hを収納し得る長さ及び直径となるように形成されている。よって、図5に示すように、上記果実収納凹部5にビワを収納する場合は、ビワの蔕Hを凹部5の前部5bに合わせ、まず上記蔕Hを上記細径穴状凹部6内に収納してからビワの本体を凹部5内に収納する。すると、図5(b)に示すように、ビワはその蔕Hが細径穴状凹部6内に収納された状態で、上記突起3は上記果実収納凹部5間のフィルム面4b裏面を支持するため、上記ビワはその蔕Hが上記細径穴状凹部6内に収納された状態で宙吊り状態で支持される。
このように、ビワ等の果実Fを蔕Hの部分を含めて果実収納凹部5内に宙吊り状態で支持することができるため、果実Fを損傷することなく果実収納凹部5内に収納保持することができる。また、果実収納凹部5の開口部5eの周縁部分、即ち、図5(a)のE部、図6のE部のような凹部5のエッジ部分は、全周に亘りその裏面側に何ら支持部材は存在せず、極めて薄い柔軟性のある熱可塑性合成樹脂薄フィルム4だけで形成されているものであるから、これらの周縁部分によってビワ等の果実Fの表面が損傷を受けることもない。
また、ビワ等の果実Fの蔕Hは、柔軟な果実収納凹部5内に一体的に形成された柔軟な細径穴状凹部6内に宙吊り状態でやわらかく収納されるものであり、極めて薄い柔軟な熱可塑性合成樹脂薄フィルム4自体に、蔕Hを傷付ける硬質な部分が存在しないので、果実F本体は勿論、蔕Hをも傷付けることなく収納保持することができる。
また、上記熱可塑性合成樹脂薄シート4において、上記各果実収納凹部5は横方向に3個、縦方向に4個の計12個形成されており、各凹部5の前部5b、従って細径穴状凹部6は同一方向を向くように整列状態で形成されている。
また、上記果実収納容器1に収納された果実Fの上半部を収納する蓋体9は次のように構成されている(図1参照)。
底面10aと側壁10bからなる方形のトレー10の底面10aに所定間隔を以って複数の突起11が開口部10c方向に突出形成されている。この突起は、後述の果実収納凹部12間のフィルム面(平面部)4b’に位置するものであり、縦方向に3本の列が横方向に2列(計6本)形成されている。これらの突起11は上記突起3と同様に、熱可塑性合成樹脂薄フィルム4’の果実収納凹部12で囲まれたフィルム面4b’を裏面側から支持するものである(図2、図7参照)。
この熱可塑性合成樹脂薄フィルム4’は、上記トレー2に張設された上記熱可塑性合成樹脂薄フィルム4と同様であり、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリスチレン等の非常に薄い柔軟性のある熱可塑性合成樹脂薄フィルムにより形成されており、そのフィルム4’の厚みは5μm〜250μm、好ましくは10μm〜150μmであり、収納される果実に応じてその厚みを変化させることができる。
上記熱可塑性合成樹脂薄フィルム4’に、上記果実収納容器1の上記果実収納凹部5の位置に対応するように、複数の柔軟性のある果実収納凹部12を塑性変形により形成し、上記果実収納凹部12が上記トレー10の内側に位置すると共に、上記凹部12の底部12aと上記トレー10の底面10aとの間に空間S3が形成されるように上記フィルム4’の周縁4a’を上記トレー10の開口部10cの周縁に張設する(図2参照)。
上記フィルム4’のかかる張設状態において、上記突起11の上端部11aが上記各果実収納凹部12間のフィルム面4b’に位置するように構成することで上記蓋体9が構成されている(図7参照)。
上記フィルム4’のトレー10への張設は、より具体的には、まず、上記熱可塑性合成樹脂薄フィルム4’を、図1に示すように、上記フィルム4’の周縁4a’を長方形の枠体13の周縁13aに接着することにより、上記枠体13の開口部13bに張設する。
そして、上記トレー10の開口部10c周縁には外周方向に係合用枠部10dが形成されており、上記枠体13は、その周囲に上記トレー10の上記係合用枠部10dに嵌合し得る係合拡径部13cが形成されており(図3参照)、上記熱可塑性合成樹脂薄フィルム4’の張設された上記枠体13の上記係合拡径部13cを、上記トレー10の開口部10cの係合用枠部10dの内周部に嵌合することで、上記トレー10の開口部10cを上記熱可塑性合成樹脂薄フィルム4’で閉鎖し得るように構成している。
よって、上記熱可塑性合成樹脂薄フィルム4’の張設された上記枠体13を上記トレー10の開口部10cに嵌合装着することで、上記熱可塑性合成樹脂薄フィルム4’を上記トレー10の開口部10cに張設し得るように構成されている。
そして、上記蓋体9は、その熱可塑性合成樹脂薄フィルム4’の果実収納凹部12が上記ビワの上半部に密着し、これにより上記ビワの上半部を支持し得るように構成している。このとき、上記蓋体9の突起11は果実収納凹部12間のフィルム面4b’に位置しているので(図2、図7)、上記蓋体9を嵌合した状態(図2の状態)の上記果実収納容器1を逆転させると、上記複数の突起11によって上記果実収納凹部12が宙吊り状態となり、これにより上記ビワの上半部が上記凹部12によって宙吊り状態に支持されるように構成している。
従って、上記果実収納容器1における熱可塑性合成樹脂薄フィルム4の果実収納凹部5の開口部5eと、上記蓋体9における熱可塑性合成樹脂薄フィルム4’の果実収納凹部12の開口部12bとが対向するように、上記トレー10の係合用枠部10dを上記トレー2の開口部2c周縁に形成された係合縁部2eに嵌合させ、上記果実収納容器1の上部(開口部2c側)を上記蓋体9にて閉鎖し得るように構成し(図3)、上記蓋体9の閉鎖状態において、上記上下の両果実収納凹部5,12内にビワ等の果実Fを宙吊り状態で収納保持し得るように構成している(図2参照)。
このとき、上記蓋体9の熱可塑性合成樹脂薄フィルム4’も果実収納凹部12の周縁の領域Eはその裏面側に硬質の支持部材は存在せず、柔軟な上記フィルム4’が存在するのみであるので、上記凹部12の周縁部にて果実Fが損傷を受けることはない(図3、図7)し、柔軟な細径穴状凹部6内の蔕Hも損傷を受けることはない。
また、上記熱可塑性合成樹脂薄フィルム4’の上記各果実収納凹部12の全ての底部12aにはフィルム4’を貫通するエア抜き用のスリット12cが形成されている(図1、図7参照)。このスリット12cは上述のように果実収納容器1に蓋体9を嵌合して果実Fの上下を上記フィルム4,4’により包装したとき(図5(b))、果実Fから発生する水分、炭酸ガス等をフィルム4’外部に抜くためのものであり、これにより果実Fの傷み、フィルム内の蒸れ等を防止することができる。上記スリット12cからフィルム外に排出された水分、炭酸ガス等は、さらにトレー10の通気孔10eを介して容器外部に排出することができる。これらのスリット12cは上記熱可塑性合成樹脂薄フィルム4’の果実収納凹部12を真空形成した後に、刃によって貫通形成することができる。これらのスリット12cは、図7に示すように、各果実収納凹部12において同一方向に略同一長さで形成される。
次に、本発明に係る果実収納凹部5を有する熱可塑性合成樹脂薄フィルム4の製造方法について説明する。
図8に示すように、上記フィルム4を成形する真空吸引用金型21には、その上面に、上記細径穴状凹部6を有する果実収納凹部5を形成するための細径穴状凹型部22を有する凹型部23が複数形成されている。また、上記凹型部23の底部には当該金型21の下面に貫通する複数の空気吸引孔24が形成されており、上記細径穴状凹型部22の先端部にも上記金型21の下面に貫通する空気吸引孔25が形成されている。
上記凹型部23は、収納される果実F(本実施形態の場合はビワ)を横断した上記果実収納凹部5と同様の形状を有するものであり、その開口部形状は、幅広の後部23aから前部23bに向けて徐々にその幅が狭くなる形状をなしており(図11(b))、縦断面形状は、後部23aの最も深い部分から前部23bに向けて徐々にその深さが浅くなる傾斜側壁23’が形成されており(図11(a))、ビワ等の下半部に密着して当該ビワを支持し得るような凹型形状に構成されている。
さらに、各々の凹型部23内の前部23bには、その凹型部23内の側面における上記傾斜側壁23’に、当該傾斜側壁23’から斜め下方奥部に向けて削り掘られた細径穴状凹型部22が形成されている。即ち、上記細径穴状凹型部22は、上記凹型部23の前部23bの傾斜側壁23’の一部が、さらに奥部に向けて斜め下方に削り掘るように小径の筒状に形成されている。
上記凹型部23の細径穴状凹型部22の先端部22aは、上記凹型部23の前部23bの上面開口縁23cより金型21の奥部側に位置しており(図8)、これにより上記熱可塑性合成樹脂薄フィルム4の上記果実収納凹部5の細径穴状凹部6の先端部は、上記果実収納凹部5の上面開口縁5dより外側に位置するように形成されるようになっている(図4)。即ち、上記凹型部22の先端部22aは上記上面開口縁23cに接する仮想鉛直線L’より間隔T’だけ外側に突出するように削り掘られている。
上記細径穴状凹型部22は、上記傾斜側壁23’から、湾曲面を形成しながら滑らかに、斜め下方に向けて比較的深い椀のような穴状に形成されている(図11参照)。或いは図14(b)に示すように、傾斜側壁23’から急激に突出するように、斜め下方に向けて細長く深い筒のように延びる穴状に形成しても良い。何れの場合も、上面が開口した凹部ではなく、細径穴状凹型部22内には上面側の傾斜面22”を有する穴状に形成されている(図11(b)参照)。
また、上記果実収納凹型部23は、平面からみると、大きな半径の湾曲面から構成された後部23aと小さな湾曲面から構成された尖端部23b(前部23b)とこれら後部23aと前部23bとを滑らかに結ぶ線から構成されており、全体的には略ダルマ型を成している。そして、該略ダルマ型の尖端部23b近傍の上記傾斜側壁23’から斜め下方向に細径穴状凹型部22が形成されている。
また、図11(b)に示すように、上記凹型部23の内壁形状は、全体としてその開口部23d方向(矢印O方向)に向けて(金型から離脱する方向に向けて)開く方向(矢印N方向)の傾斜面Mを形成している。これは、金型成形の場合、通常は成形品を金型から取り外す必要性から、凹部の内壁形状は開口部23d方向(矢印O方向)に向けて開く方向(N方向)の傾斜面Mである必要がある。しかしながら、上記細径穴状凹型部22はその内周の傾斜面22’,22”は開口部23d方向(矢印O方向)に向けて開く方向(矢印N方向)とは交差する方向(略直交する方向)である開口部23d方向に向けて閉じる方向(矢印P方向)に傾斜している。
通常の金型成形では、硬質な成形品であれば、離脱方向(矢印O方向)に向けて閉じる方向(矢印P方向)の傾斜面22’,22”がある場合は成形品を金型から離脱することができないが、本発明は成形品が柔軟性のある熱可塑性合成樹脂薄フィルム4であるため、細径穴状凹型部22のように、離脱方向(矢印O方向)に向けて閉じる方向(矢印P方向)の傾斜面22’,22”があっても当該金型21から離脱することができ、金型成形が可能となるものである(図11(a)、図14(b))。
図8に示すように、複数の上記果実収納凹部5に対応する複数の凹型部23が形成された真空吸引用金型21上に熱可塑性合成樹脂薄フィルム4を配置し、該フィルム4に近接するヒータ27にて該フィルム4を加熱した後に、該フィルム4を上記金型21方向に下降させ、該フィルム4が上記金型21上に接した状態(図8二点鎖線)とする。
その後、上記凹金型21下方より、複数の吸引孔24,25から真空吸引することで上記フィルム4が上記凹型部23及び細径穴状凹型部22に沿って吸着され、上記フィルム4の面に果実収納凹部5及び細径穴状凹部6が塑性変形により成形される。上記熱可塑性合成樹脂薄フィルム4は、上記凹型部23に沿って吸着されると共に、細径穴状凹型部22内にその形状に沿って吸着される(図9参照)。
その後、上記熱可塑性合成樹脂薄フィルム4を上記金型21から離脱する(図10参照)。このとき、本発明では離脱する成形品が柔軟性を有する熱可塑性合成樹脂薄フィルム4であるから、図11(a)に示すように、凹型部に上記離脱方向(矢印O方向)に対して閉じる方向(矢印P方向)の傾斜面22’,22”が存在しても、フィルム4を離脱方向(矢印O方向)に引っ張ることにより、上記細径穴状凹型部22によって塑性変形された部分(細径穴状凹部6)は、柔軟に変形するため、容易に金型から離脱することができる。
また、上記細径穴状凹部6は塑性変形により成形されているので、一旦変形した後であっても形状を整えれば上記細径穴状凹型部22に沿った形状を保持しており、金型21からの離脱時に変形したとしても、蔕Hを収納する細径穴状凹部6として機能が損なわれることはない。
上記熱可塑性合成樹脂薄フィルム4に果実収納凹部5及び細径穴状凹部6が成形された後は、当該フィルム4の外周縁の不要部分4cを切断により削除し(図10)、該フィルム4の周縁4aに上記トレー2の上端周縁2c’を接着すればよい(図3参照)。
尚、蓋体9の熱可塑性合成樹脂薄フィルム4’も同様の真空成形法により形成することができる。このとき、果実収納凹部12を成形するための果実収納凹型部が形成された金型を使用して、図8乃至図10に示す工程と同様の工程により図1に示す熱可塑性合成樹脂薄フィルム4’を形成することができる。
本発明に係る果実収納容器1及び蓋体9は上述のように構成されるので、次のその使用方法について説明する。
本発明に係る果実収納容器1は、果実収納容器1を形成するトレー2とその上面に張設された熱可塑性合成樹脂薄フィルム4により構成される。
そして、かかる容器1の各果実収納凹部5内にビワ等の果実Fを収納する(図5(a)(b))。この場合、ビワの蔕Hを細径穴状凹部6に挿入し、その後にビワの本体を果実収納凹部5に収納する。すると、図5(b)に示すように、ビワの蔕Hが細径穴状凹部6に収納されると共に、ビワの下半部に果実収納凹部5のフィルムが密着し、かかる状態で果実収納凹部5の外周のフィルム面4bが複数の突起3の小円形状の上端部3aによって支持されるので、蔕Hと共にビワを宙吊り状態で収納保持することができる(図12参照)。
よって、かかる状態の果実収納容器1上に透明ラップを被せる等して、市場に流通させることができる(図12)。このとき、上記ビワは上記果実収納凹部5に宙吊り状態で支持されており、ビワ及び蔕Hの底面がトレー2の底面2aに接することはないので、振動等によりビワが損傷を受けることを防止し得るし、蔕H自体の損傷をも効果的に防止し得る。
また、ビワは突起3の小さい面積の小円形状の複数の上端部3aにより宙吊り状態で支持されており、果実収納凹部5の開口部5e周縁部(E部)は開口部5eの全周に亘り、その下方に硬質の支持部は存在しないので、ビワが果実収納凹部5の周縁部のE部のエッジ部分によって傷付くこともなく、ビワ等の果実Fを損傷させることなく運搬することができる。
即ち、ビワ等の果実Fを蔕Hの部分を含めて果実収納凹部5内に宙吊り状態で支持することができるため、果実Fを損傷することなく果実収納凹部5内に収納保持することができる。また、果実収納凹部5の開口部5eの周縁部分、即ち、図5(a)のE部、図6のE部のような凹部のエッジ部分は、全周に亘りその裏面側に何ら支持部材は存在せず、極めて薄い柔軟性のある熱可塑性合成樹脂薄フィルム4で形成されているだけであるから、これらの周縁部分によってビワ等の果実Fの表面が損傷を受けることもない。
このように、本発明の果実収納容器1によると、蔕Hを有する果実Fを適切かつ効率的に収納することができるし、振動等により果実Fに損傷を与えることを効果的に防止することができる。
また、上記果実収納容器1の上面に蓋体9を嵌合すると、果実収納凹部5に収納されたビワの上半部に蓋体9の果実収納凹部12のフィルム4’が密着して当該上半部を支持することができる(図5(b)二点鎖線参照)。尚、このときスリット12cが多少開くが、果実収納凹部12のフィルム4’が果実Fに密着又は接触して果実を保持するため、当該凹部12による果実Fの上半部の収納保持には影響はない。このように果実収納容器1に蓋体9を被覆すると、上記果実収納容器1の上下を逆転させても、上記ビワは蓋体9の複数の突起11が果実収納凹部12の周囲のフィルム面4b’を支持するので、上記ビワは蓋体9の果実収納凹部12によって宙吊り状態で支持することができる。よって、果実収納容器1の上面に蓋体9を嵌合した場合は、当該果実収納容器1を360度、どのような角度に傾けても、内部のビワは上下の果実収納凹部5,12によって宙吊り状態で支持されるので、蔕Hを有する果実Fを効率的に収納することができると共に、振動等により蔕H或いは果実Fに損傷を与えることを効果的に防止することができる。
また、果実Fが発する水分、ガス等は上記スリット12c、通気孔10eにより容器外部に排出することができる。
尚、図1、図7における10eはトレー10底面10aに貫通形成された通気孔である。また、図14(a)は本発明に係る熱可塑性合成樹脂薄フィルム4の果実収納凹部の他の実施形態、同図(b)は本発明に係る真空吸引用金型21の他の実施形態を示すものである。この実施形態においては、細径穴状凹部6又は細径穴状凹型部22は、傾斜側壁5’、23’から急激に斜め下方に向けて筒状に凹設されているが、本発明のように熱可塑性合成樹脂薄フィルム4を使用することにより、このような筒状の凹部であっても簡単に製造することができるし、上記穴状凹部6により蔕Hを適切に保護しながら果実Fを宙吊り包装し得る果実収納容器を実現し得る。
本発明は以上のように、蔕を有する果実Fをその蔕の部分を細径穴状凹部6内に保持しつつ果実F全体を宙吊り状態で適切に収納保持することができ、蔕を有する果実Fを効率的に収納しつつ、果実Fは勿論その蔕Hの損傷を効果的に防止し得る果実収納容器を実現することができる。
また、蔕Hを有する果実Fを熱可塑性合成樹脂薄フィルム4に塑性変形によって形成した柔軟性のある果実収納凹部5及び柔軟性のある細径穴状凹部6により宙吊り収納するものであるから、蔕Hと共に上記果実Fの損傷を効果的に防止し得る果実収納容器を実現したものである。
また、本発明の製造方法によると、柔軟性のある熱可塑性合成樹脂薄フィルム4を使用することにより、金型21を使用した真空成形法により、蔕を収納するための細径穴状凹部6を有する果実収納凹部5を具備した熱可塑性合成樹脂薄フィルム4を容易に形成することができる。
また、柔軟性のある熱可塑性合成樹脂薄フィルム4を用いることにより、金型から離脱方向に対して閉じる方向の傾斜面を有する細径穴状凹部6を金型成形により容易に形成することができ、蔕を収納するために適した形状の細径穴状凹部6を具備する果実収納凹部5を金型成形により容易に製造することができる。
また、蔕Hを有する果実Fは熱可塑性合成樹脂薄フィルム4,4’の上下の果実収納凹部5,12により宙吊り状態にて支持されるため、蔕を有する果実を傷つけることなく安全に輸送することができる。
また、蓋体の果実収納凹部にスリットを設けることにより、果実が発するガスをフィルム外に抜くことができ、フィルム内の蒸れを防止して果実の傷みを防止することができる。
本発明に係る果実収納容器は、ビワ等の蔕を有する損傷し易い果実の収納容器として広く利用することができるものである。
1 果実収納容器
2 トレー
2a 底面
2b 側壁
2c 開口部
3 突起
3a 上端部
4,4’ 熱可塑性合成樹脂薄フィルム
4b,4b’ フィルム面
5 果実収納凹部
5’ 傾斜側壁
5d 上面開口縁
5e 開口部
6 細径穴状凹部
6a 下部
6b 先端部
9 蓋体
10 トレー
10a 底面
10b 側壁
10c 開口部
11 突起
11a 上端部
12 果実収納凹部
12a 底部
12b 開口部
12c スリット
21 真空吸引用金型
22 細径穴状凹型部
22a 先端部
23 凹型部
23c 上面開口縁
23’ 傾斜側壁
24,25 吸引孔
27 ヒータ
H 蔕
S1 空間
S2 空間
S3 空間

Claims (5)

  1. 底面と側壁からなるトレーの底面に所定間隔を以って複数の突起を開口部方向に形成し、熱可塑性合成樹脂薄フィルムに複数の柔軟性のある果実収納凹部を塑性変形により形成し、上記果実収納凹部が上記トレーの内側に位置すると共に、上記凹部の底部と上記トレー底面との間に空間が形成されるように上記フィルムを上記トレーの開口部に張設し、上記フィルムの張設状態において、上記突起の上端部が上記各果実収納凹部間のフィルム面を支持することによって、上記果実収納凹部内の果実を宙吊り状態で支持し得るように構成した果実収納容器であって、
    上記熱可塑性合成樹脂薄フィルムの各々の果実収納凹部内における開口部方向(矢印O方向)に向けて開く方向(矢印N方向)の傾斜側壁に、当該傾斜側壁から上記開く方向(矢印N方向)とは交差する方向である上記開口部方向(矢印O方向)に向けて閉じる方向(矢印P方向)である斜め下方に向けて突出する柔軟性のある細径穴状凹部を塑性変形により形成したものであり、
    上記細径穴状凹部は、上面が開口した凹部ではなく上記斜め下方に向けて細長く深い筒のように延びる穴状に形成され、
    上記細径穴状凹部は果実の蔕を収納し得るものであり、上記細径穴状凹部の先端部(6b)は上記果実収納凹部の上面開口縁(5d)より外側に位置しており、該細径穴状凹部の内周の傾斜面は上記果実収納凹部の開口部の方向に対して閉じる方向(矢印P方向)に傾斜しており、
    かつ上記細径穴状凹部の下部と上記トレー底面との間には空間が形成されているものであることを特徴とする果実収納容器。
  2. 底面と側壁からなるトレーの底面に所定間隔を以って複数の突起を開口部方向に形成し、熱可塑性合成樹脂薄フィルムに、上記果実収納容器の果実収納凹部に対応するように、複数の柔軟性のある果実収納凹部を塑性変形により形成し、上記果実収納凹部が上記トレーの内側に位置すると共に、上記凹部の底部と上記トレー底面との間に空間が形成されるように上記フィルムを上記トレーの開口部に張設し、上記フィルムの張設状態において、上記突起の上端部が上記各果実収納凹部間のフィルム面に位置するように構成した果実収納容器の蓋体を設け、
    上記果実収納容器における果実収納凹部の開口部と、上記蓋体における果実収納凹部の開口部とが対向するように、上記果実収納容器の上部を上記蓋体を以って閉鎖し得るように構成し、
    上記蓋体の閉鎖状態において、上記上下の果実収納凹部内に果実を宙吊り状態で収納し得るように構成したものであることを特徴とする請求項1に記載の果実収納容器。
  3. 上記蓋体の熱可塑性合成樹脂薄フィルムの上記果実収納凹部の底部に各々フィルムを貫通するスリットを設けたものであることを特徴とする請求項記載の果実収納容器。
  4. 複数の果実収納凹部に対応する複数の凹型部が形成された真空吸引用金型上に熱可塑性合成樹脂薄フィルムを配置し、該フィルムを加熱した後に該フィルムを上記金型上に接した状態で上記金型下方より真空吸引することで上記フィルムに複数の柔軟性のある果実収納凹部を塑性変形により形成し、底面に所定間隔を以って複数の突起を開口部方向に突出形成したトレーを設け、上記果実収納凹部が形成された状態の上記フィルムを上記トレーの開口部に張設することにより、上記果実収納凹部と上記トレー底面との間に空間を介在させると共に、上記果実収納凹部間のフィルム面に上記突起の上端部が位置するように構成した果実収納容器の製造方法であって、
    上記金型の上記凹型部内における開口部方向(矢印O方向)に開く方向(矢印N方向)の傾斜側壁に、当該傾斜側壁から上記開く方向(矢印N方向)とは交差する方向である上記開口部方向(矢印O方向)に向けて閉じる方向(矢印P方向)である斜め下方に向けて細径穴状凹型部を凹設し、上記細径穴状凹型部は、上記傾斜側壁の一部がさらに奥部に向けて上記斜め下方に削り掘るように小径の筒状に形成され、上記細径穴状凹型部の先端部(22a)は、上記凹型部の上面開口縁(23c)より金型の奥部側に位置しており、上記真空吸引により上記フィルムを上記凹型部内に吸引させると共に上記細径穴状凹型部内にも吸引させた後、
    上記フィルムを上記凹型部から取り外すことにより、上記フィルムに果実収納凹部を塑性変形により形成すると共に、上記果実収納凹部内における傾斜側壁に、当該傾斜側壁から上記開く方向(矢印N方向)とは交差する方向である上記開口部方向に向けて閉じる方向(矢印P方向)である斜め下方に向けて突出する柔軟性のある細径穴状凹部を塑性変形により形成する方法であり、
    形成された上記細径穴状凹部は、上面が開口した凹部ではなく上記斜め下方に向けて細長く深い筒のように延びる穴状に形成され、
    上記細径穴状凹部は果実の蔕を収納し得るものであり、上記細径穴状凹部の先端部(6b)は上記果実収納凹部の上面開口縁(5d)より外側に位置しており、該細径穴状凹部の内周の傾斜面は上記果実収納凹部の開口部の方向に対して閉じる方向(矢印P方向)に傾斜しており、
    かつ上記細径穴状凹部の下部と上記トレー底面との間には空間が形成されていることを特徴とする果実収納容器の製造方法。
  5. 上記真空吸引用金型は、上記凹型部の底部に真空吸引用の吸引孔が形成されていると共に、細径穴状凹型部の先端部にも真空吸引用の吸引孔が形成されていることを特徴とする請求項載の果実収納容器の製造方法。
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