JP5374127B2 - 主軸装置 - Google Patents
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Description
このような主軸装置では、ワークの加工面から飛散した切粉やクーラントが、ハウジングの内周面と主軸の外周面との間に形成された環状の隙間に入り込む可能性がある。
そこで、従来の主軸装置としては、エアコンプレッサなどのエア供給装置から、ハウジングと主軸との間に形成された環状の隙間にエアを供給し、この環状の隙間から主軸の先端側に向けてエアを噴出して、環状のエアカーテンを形成することで、切粉やクーラントが環状の隙間に入り込むのを防止するエアカーテン機構を備えているものがある(例えば、特許文献1参照)。
また、エア供給装置から延ばされた配管を通じてエアが供給されており、エアが配管内を通過するときに圧力損失が生じることから、エア供給装置では必要以上のエアを発生させる必要があるため、エネルギ効率が低いという問題がある。
また、ハウジングと主軸との間に形成された隙間でエア流を発生させており、エアを供給するときに、配管などを通過しないことから、エアの圧力損失が生じないため、エネルギ効率を高めることができる。
また、ハウジングの先端面に付着したクーラントが、先端面の内周縁部近傍に流れたときに、クーラントは壁部の外周面に形成された凹溝を伝って内周縁部の周囲を流れるため、クーラントがハウジングと主軸との間に形成された環状の隙間に入り込むのを確実に防ぐことができる。
また、主軸が逆回転したときには、逆回転した溝部によって、基端側に向けてエア流が発生する。このエア流は、溝部よりも基端側で第二エア流通路に流入し、第一エア流通路を通じて、溝部よりも先端側でハウジングと主軸との間に形成された環状の隙間に流入する。このとき、第一エア流通路から隙間に流入したエア流の一部が先端側に向けて流れるため、主軸を逆回転させたときであっても環状の隙間から、主軸の先端側に向けてエアを噴出させることができる。
なお、実施形態および参考例の説明において、同一の構成要素に関しては同一の符号を付し、重複した説明は省略するものとする。
図1に示す第一参考例の主軸装置1Aは、マシニングセンタなどの工作機械に用いられるものであり、円形断面の中空部が形成された筒状のハウジング10と、軸回りに回転自在な状態でハウジング10内に挿入された円形断面の主軸20と、ハウジング10と主軸20との間に形成された環状の隙間50から主軸20の先端側に向けてエアを噴出し、環状のエアカーテンを形成するエアカーテン機構30と、を備え、主軸20の先端部に各種の工具40を取り付けることができる。
この主軸装置1Aでは、ハウジング10の先端面12が垂直に配置されており、主軸20の先端部がハウジング10の先端面12から水平方向に突出している。
また、ハウジング10の内周面11と、主軸20の外周面21との間には、環状の隙間50が形成されている。
なお、以下の説明において、先端側とは工具40が配置される側とし、その反対側を基端側としている。
また、ハウジング10と主軸20との間に形成された隙間50でエア流を発生させており、エアを供給するときに配管などを通過しないことから、エアの圧力損失が生じないため、エネルギ効率を高めることができる。
例えば、第一参考例では、図1に示すように、主軸20の外周面に形成されたねじ溝31によってエア流を発生させているが、主軸20の回転に伴ってエア流を発生させることができるのであれば、エア流を発生させるための溝部の形状は限定されるものではない。また、第一参考例では、ねじ溝31の溝形状がV字形状となっているが、溝形状が台形や矩形のねじ溝を用いてもよく、その形状は限定されるものではない。
図2に示す第二参考例の主軸装置1Bは、前記した第一参考例の主軸装置1A(図1参照)と略同様の構成であり、ハウジング10及び主軸20に拡径部が形成されていることが、第一参考例の主軸装置1Aと異なっている。
図3に示す本実施形態の主軸装置1Cは、前記した第一参考例の主軸装置1A(図1参照)と略同様の構成であり、ハウジング10の先端面12の形状が、第一参考例の主軸装置1Aと異なっている。
図4(a)及び(b)に示す第四参考例の主軸装置1Dは、前記した第一参考例の主軸装置1A(図1参照)と略同様の構成であり、エアカーテン機構の構成が、第一参考例の主軸装置1Aと異なっている。
第一ねじ溝61aは、主軸20を基端側から見て左回りに螺旋状の溝部が形成され、第二ねじ溝61bは、主軸20を基端側から見て右回りに螺旋状の溝部が形成されている。
第一エア流通路62aは、ハウジング10の内周面11において、第一ねじ溝61aよりも先端側となる位置に開口している。
第二エア流通路62bは、ハウジング10の内周面11において、第一ねじ溝61aと第二ねじ溝61bとの間となる位置に開口している。
第三エア流通路62cは、ハウジング10の内周面11において、第二ねじ溝61bよりも基端側となる位置に開口している。
第一エア流通路62aの外周面側の開口部には、第一連通管63aの一端が接続されている。この第一連通管63aの他端は第二連通管63bに連通している。第一エア流通路62aは、第一連通管63aを通じて、第二エア流通路62bに連通している。
第三エア流通路62cの外周面側の開口部は、外部空間に連通している。
第二開閉弁62bは、第二連通管63bにおいて第一連通管63aとの接続部(分岐部)よりも外部空間側の位置に設けられている。第二開閉弁64bを開いた状態では、第二エア流通路62bと外部空間とが連通し、第二開閉弁64bを閉じた状態では、第二エア流通路62bと外部空間との間が遮断される。
したがって、環状の隙間50の内部には、第二エア流通路62bを境にして、先端側と基端側に向けてエア流が発生し、先端側に向けて発生したエア流は、環状の隙間50から噴出して環状のエアカーテンを形成し、基端側に向けて発生したエア流は、第三エア流通路62cを通じて外部空間に排出される。
したがって、環状の隙間50の内部では、先端側と基端側とから第二エア流通路62bに向けてエア流が発生する。第二ねじ溝61bによって、主軸20の先端側に向けて発生したエア流は、第二エア流通路62bから第二連通管63b、第一連通管63a及び第一エア流通路62aを通じて、環状の隙間50の内部に流入する。このとき、第一エア流通路62aから環状の隙間50に流入したエア流は、環状の隙間50の内部で先端側及び基端側に流れ、先端側に流れたエア流が環状の隙間50から噴出して環状のエアカーテンを形成する。
1B 主軸装置(第二参考例)
1C 主軸装置(本実施形態)
1D 主軸装置(第四参考例)
10 ハウジング
11 内周面
12 先端面
12a 壁部
12b 凹溝
20 主軸
21 外周面
30 エアカーテン機構(第一参考例)
31 ねじ溝
40 工具
50 環状の隙間
60 エアカーテン機構(第四参考例)
61a 第一ねじ溝
61b 第二ねじ溝
62a 第一エア流通路
62b 第二エア流通路
62c 第三エア流通路
63a 第一連通管
63b 第二連通管
64 切り替え手段
64a 第一開閉弁
64b 第二開閉弁
Claims (3)
- 筒状のハウジングと、
軸回りに回転自在な状態で、前記ハウジング内に挿入された主軸と、
前記ハウジングの内周面と前記主軸の外周面との間に形成された環状の隙間から、前記主軸の先端側に向けてエアを噴出し、環状のエアカーテンを形成するエアカーテン機構と、を備え、
前記主軸の先端部に工具を取り付け可能な主軸装置であって、
前記エアカーテン機構は、
前記主軸の外周面に形成された螺旋状の溝部を備えており、
前記主軸が正回転したときに、前記溝部の回転によって、前記環状の隙間に前記主軸の先端側に向けてエア流が発生し、
前記ハウジングの先端面には、内周縁部に沿って環状の壁部が突出しており、前記壁部の外周面には凹溝が形成されていることを特徴とする主軸装置。 - 前記溝部は、前記主軸の外周面に形成されたねじ溝であることを特徴とする請求項1に記載の主軸装置。
- 前記エアカーテン機構は、
前記ハウジングの内周面において、前記主軸の前記溝部よりも先端側となる位置に開口した第一エア流通路と、
前記ハウジングの内周面において、前記主軸の前記溝部よりも基端側となる位置に開口した第二エア流通路と、
前記第二エア流通路を、前記第一エア流通路又は外部空間に連通させる切り替え手段と、を備え、
前記切り替え手段は、
前記主軸が正回転したときに、前記第二エア流通路を外部空間に連通させ、
前記主軸が逆回転したときに、前記第二エア流通路を前記第一エア流通路に連通させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の主軸装置。
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