JP5371689B2 - 外輪の製造方法、外輪の製造装置、分割外輪部材、ころ軸受、および回転軸の支持構造 - Google Patents

外輪の製造方法、外輪の製造装置、分割外輪部材、ころ軸受、および回転軸の支持構造 Download PDF

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この発明は、外輪の製造方法、外輪の製造装置、分割外輪部材、およびころ軸受に関するものであり、特に、自然割りにより分割される分割外輪部材を含む外輪の製造方法、このような外輪の製造装置、自然割りにより分割される分割外輪部材、このような分割外輪部材を含むころ軸受、およびこのようなころ軸受を含む回転軸の支持構造に関するものである。
カムシャフトやクランクシャフトを支持する軸受としては、軸受投影面積が小さいにもかかわらず高荷重の負荷を受けることができ、且つ、高剛性である針状ころ軸受が適用される場合がある。ここで、針状ころ軸受に備えられる外輪には、環状の外輪部材を二つ割りにした略半円筒形状の分割外輪部材を組み合わせて形成される外輪が適用されるものがある。
このような針状ころ軸受は、シャフトの外径側から一対の二つ割りの分割外輪部材をそれぞれ組み込み、それぞれの分割外輪部材の周方向の端部同士を突合させて、一つの環状の外輪を形成することができる。このような構成の針状ころ軸受は、シャフトに対する外輪の組み込み性を向上させることができる。
このような分割型の外輪を備えるころ軸受が、特公昭63−29129号公報(特許文献1)、および特許第3046645号(特許文献2)に開示されている。
特許文献1および特許文献2によると、円筒状の軌道輪を分割する際に、予め、くの字状または円弧状に延在するV字状断面の溝を軌道輪の周方向2箇所に打刻形成し、外径側から押圧して分割することとしている。
特公昭63−29129号公報 特許第3046645号
外輪については、一対の分割外輪部材の周方向の端部同士をそれぞれ突合させて組み合わせる必要がある。この場合、周方向の端部の分割面において不連続な面があると、組み合わせた際に、軸方向にずれが生じる場合がある。また、分割外輪部材の分割面は破断面となるが、破断の距離が長くなれば、不連続な破断面が生じやすい。ここでいう不連続な破断面とは、破断時に形成される破断面の凹凸の差、すなわち、凹部での凹み量と凸部における突出量の差が大きいことをいう。
破断面が不連続になると、組み立て時において分割外輪部材同士が軸方向にずれた場合、破断面の凸部同士が乗り上げてしまう。そうすると、分割外輪部材の組み合わせにおけるずれや分割外輪部材間に生じるすき間の量が大きくなる。その結果、軸受稼動時における音響値が大きくなってしまうという問題が生ずる。上記した特許文献1および特許文献2に開示された技術では、上記した問題に対応することができない場合がある。
この発明の目的は、分割時において分割面が不連続となるおそれを低減することができる外輪の製造方法を提供することである。
この発明の他の目的は、分割時において分割面が不連続となるおそれを低減することができる外輪の製造装置を提供することである。
この発明のさらに他の目的は、稼動時におけるころ軸受の騒音の低減を図ることができる分割外輪部材を提供することである。
この発明のさらに他の目的は、稼動時における騒音の低減を図ることができるころ軸受を提供することである。
この発明のさらに他の目的は、軸受稼動時における騒音の低減を図ることができる回転軸の支持構造を提供することである。
この発明に係る外輪の製造方法は、回転中心軸に沿う方向に分割された複数の分割外輪部材を組み合わせて形成される外輪の製造方法であって、円筒状の外輪部材を準備する工程と、外輪部材の内径面側に、内径面から外径側に凹んだ形状であって、外輪部材の一方側端面から他方側端面まで連なって延びる割り溝を形成する割り溝形成工程と、外輪部材の外径面に押圧冶具を押し当てる押圧冶具押し当て工程と、押圧冶具押し当て工程により押し当てた押圧冶具を内径側に押し進めて、外輪部材を割る割り工程とを含む。ここで、押圧冶具押し当て工程は、外輪部材の両端面において、割り溝のうちの最も外径側に凹んだ凹み点および外輪部材の回転中心点を結ぶ第一の線と、凹み点および押圧冶具を押し当てる押圧点とを結ぶ第二の線とのなす角度θが、第一の線を基準として±45°以下の領域であって、且つ、内径面側に設けられた凹み点を外径面に投影させた領域を避けた領域に押圧冶具を押し当てる工程である。
このように構成することにより、分割時における破断の方向を圧力が加わる方向と同じにすることができる。また、破断時における破断の距離を短くすることができる。したがって、外輪の製造時において、分割面が不連続となるおそれを低減することができる。
好ましくは、割り溝形成工程は、割り溝を、外輪部材の内径側から見た場合に、軸方向中央部が軸方向両端部よりも周方向に突出するような円弧状に形成する工程を含む。
また、割り溝形成工程は、割り溝を、外輪部材の内径側から見た場合に、軸方向中央部が軸方向両端部よりも周方向に突出するような略くの字状に形成する工程を含むよう構成してもよい。
このように構成することにより、割り溝が形成された領域上をころが転動する際に、ころを円滑に転動させることができ、ころの転動時における騒音を低減することができる。
さらに好ましくは、割り溝形成工程は、割り溝を、外輪部材を両端面側から見た場合に、V字状に形成する工程を含む。
このように構成することにより、V字状の溝の最も凹んだ点を起点として、外輪部材を割り溝に沿って破断させることが容易となる。
さらに好ましくは、押圧冶具押し当て工程は、凹み点の周方向の位置を検知する位置検知工程を含む。
このように構成することにより、凹み点の位置を外部から明確にして、上記した領域に押圧冶具を押し当てることが容易になる。
さらに好ましくは、割り工程は、外輪部材の内径側に、外輪部材の変形を防止する内径拘束冶具を配置させる工程を含む。
このように構成することにより、外輪部材の外径面から内径側へ向かって押圧する際に、外輪部材の変形を防止することができる。
好ましくは、割り工程は、外輪部材の分割部の硬度を高める硬度上昇工程の後に行なう。
このように構成することにより、外輪部材の分割部の分割する際に、いわゆる脆性破壊を促進して、破断面が不連続となるおそれをさらに低減することができる。
さらに好ましい一実施形態として、割り工程は、外輪部材を割る際の外輪部材の温度を−80〜−100℃として外輪部材を割る工程である。
このように構成することにより、低温脆性を利用することができる。
この発明の他の局面において、外輪の製造装置は、円筒状の外輪部材の内径面側に、内径面から外径側に凹んだ形状であって、外輪部材の一方側端面から他方側端面まで連なって延びる割り溝が予め設けられた外輪部材を、回転中心軸に沿う方向に分割した分割外輪部材を組み合わせて形成される外輪の製造装置である。ここで、外輪の製造装置は、棒状であって、外輪部材の内径側に配置され、外輪部材の内径側を拘束する内径拘束冶具と、内径拘束冶具に拘束された外輪部材の外径面に軸方向に亘って当接可能であり、外輪部材の内径側に押し進めることが可能な押圧冶具と、外輪部材の両端面において、割り溝のうちの最も外径側に凹んだ凹み点および外輪部材の回転中心点を結ぶ第一の線と、凹み点および押圧冶具を押し当てる押圧点とを結ぶ第二の線とのなす角度θが、第一の線を基準として±45°以下の領域であって、且つ、内径面側に設けられた凹み点を外径面に投影させた領域を避けた領域に押圧冶具を押し当てるよう調整する調整手段とを備える。
このように構成することにより、内径拘束冶具により外輪部材の変形を防止しながら、調整手段により押圧位置を上記した領域に調整して押し当て、外輪部材を分割することができる。したがって、より容易に、且つ、確実に分割面が不連続となるおそれを低減することができる外輪を製造することができる。
この発明のさらに他の局面において、分割外輪部材は、円筒状の外輪部材を回転中心軸に沿う方向に分割された分割外輪部材であって、外輪部材の内径面側に、内径面から外径側に凹んだ形状であって、外輪部材の一方側端面から他方側端面まで連なって延びる割り溝を形成し、外輪部材の両端面において、割り溝のうちの最も外径側に凹んだ凹み点および外輪部材の回転中心点を結ぶ第一の線と、凹み点および押圧冶具を押し当てる押圧点とを結ぶ第二の線とのなす角度θが、第一の線を基準として±45°以下の領域であって、且つ、内径面側に設けられた凹み点を外径面に投影させた領域を避けた領域に押圧冶具を押し当て、押し当てた押圧冶具を内径側に押し進めて、外輪部材を割って製造される。
このような分割外輪部材は、ころ軸受に備えられた際に、稼動時におけるころ軸受の騒音の低減を図ることができる。
また、分割外輪部材は、円筒状の外輪部材を、周方向の任意の二箇所において、回転中心軸に沿う方向に分割された円弧状の分割外輪部材であって、分割外輪部材の両端面において、分割面のうちの最も内径側に位置する分割基準点および分割外輪部材の径方向の中心点を結ぶ第三の線と、分割基準点および分割外輪部材の外径面における周方向端点とを結ぶ第四の線とのなす角度θが、第三の線を基準として±45°以下であって、内径面に形成され、軸方向に延びる分割外輪部材の内径分割線を外径面に投影させた投影分割線と、外径面に形成され、軸方向に延びる分割外輪部材の外径分割線とが、軸方向のいずれの位置においても交差しない。
また、このような分割外輪部材についても、ころ軸受に備えられた際に、稼動時におけるころ軸受の騒音の低減を図ることができる。
この発明のさらに他の局面において、ころ軸受は、上記したいずれかの分割外輪部材を複数組み合わせて形成される外輪と、外輪の内径側に配置され、外輪の内径面を転動するころとを備える。
このようなころ軸受は、稼動時におけるころ軸受の騒音の低減を図ることができる。
この発明のさらに他の局面において、回転軸の支持構造は、上記したころ軸受と、ころ軸受に支持される回転軸とを備える。
このような回転軸の支持構造は、軸受稼動時における騒音の低減を図ることができる。
この発明に係る外輪の製造方法によれば、分割時における破断の方向を圧力が加わる方向と同じにすることができる。また、破断時における破断の距離を短くすることができる。したがって、外輪の製造時において、分割面が不連続となるおそれを低減することができる。
また、この発明に係る外輪の製造装置によれば、内径拘束冶具により外輪部材の変形を防止しながら、調整手段により押圧位置を上記した領域に調整して押し当て、外輪部材を分割することができる。したがって、より容易に、且つ、確実に分割面が不連続となるおそれを低減することができる外輪を製造することができる。
また、この発明に係る分割外輪部材は、ころ軸受に備えられた際に、稼動時におけるころ軸受の騒音の低減を図ることができる。
また、この発明に係るころ軸受は、稼動時におけるころ軸受の騒音の低減を図ることができる。
また、この発明に係る回転軸の支持構造は、軸受稼動時における騒音の低減を図ることができる。
この発明の一実施形態に係るころ軸受を軸方向から見た図である。 図1に示すころ軸受に備えられる外輪を軸方向から見た図である。 この発明の一実施形態に係る外輪の製造方法のうち、代表的な工程を示すフローチャートである。 外輪の材料となる外輪部材を軸方向から見た図である。 図4に示す外輪部材の断面を、内径側から見た図である。 割り溝を形成した外輪部材を軸方向から見た図である。 図6に示す外輪部材の断面を、内径側から見た図である。 図6に示す外輪部材のうち、割り溝付近を拡大した図である。 この発明の一実施形態に係る外輪の製造装置の概略図である。 図9に示す外輪の製造装置において、割り溝付近を拡大した図である。 外輪部材を外径側から見た図であり、図9に示す矢印IXの方向から見た図に相当する。 内径面側に設けられた割り溝を外径面に投影させた領域を押圧位置とした場合を示す図である。 内径面側に設けられた割り溝を外径面に投影させた領域を避けた領域を押圧位置とした場合を示す図である。 この発明の一実施形態に係る分割外輪部材の周方向の一方側の端部付近を示す図である。 図14に示す分割外輪部材の周方向の一方側の端部を、外径面側から見た図である。 この発明の一実施形態に係る分割外輪部材の周方向の他方側の端部付近を示す図である。 図16に示す分割外輪部材の周方向の他方側の端部を、外径面側から見た図である。 曲線で押圧する場合の押圧領域を示す図である。 略くの字状の割り溝を形成した外輪部材の断面を、内径側から見た図である。 この発明に係る回転軸の支持構造の一例を示す概略断面図である。
以下、この発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。図1は、この発明の一実施形態に係るころ軸受を軸方向から見た図である。図1を参照して、ころ軸受11は、針状ころ軸受であって、内径面16が外輪軌道面となる外輪12と、外輪軌道面を転動する複数の針状ころ13と、針状ころ13を保持する保持器14とを備える。
このようなころ軸受11は、高荷重の負荷を受けることができると共に、高剛性であるため、例えば、図1に示すように、クランクシャフト15を支持する際に用いられる。具体的には、ころ軸受11は、クランクシャフト15の外径面17と針状ころ13の転動面とが当接するようにして取り付けられている。クランクシャフト15は、軸受中心となる回転中心軸21を中心に回転する。外輪12は、外輪12の外径側に設けられたハウジング(図示せず)に取り付けられ、固定されている。複数の針状ころ13は、クランクシャフト15の回転の伴って、外輪軌道面およびクランクシャフト15の外径面17を転動する。なお、ころ軸受11は、ラジアル方向の荷重を受ける軸受である。
クランクシャフト15にころ軸受11を取り付ける際には、軸方向からの組み込みが困難である。したがって、ころ軸受11を構成する環状の各部材は、径方向に延びる分割線に沿って分割された形状となっている。この場合、外輪12は、2つの分割外輪部材22、23から構成されており、保持器14は、予め略半円弧状となるように形成された分割保持器部材24、25を2つ組み合わせて構成されている。
ここで、この発明の一実施形態に係る外輪12の構成について、説明する。図2は、図1に示すころ軸受11に備えられる外輪12を軸方向から見た図である。図1および図2を参照して、外輪12は、上記したように2つの分割外輪部材22、23から構成されている。各分割外輪部材22、23は、環状の外輪部材を、180°対向する位置で、回転中心軸21に沿う方向に分割した形状である。この場合の分割は、自然割りによる分割である。2つの分割外輪部材22、23は、第一の分割外輪部材22の周方向の一方側の端面28と、第二の分割外輪部材23の周方向の一方側の端面29とが当接し、第一の分割外輪部材22の周方向の一方側の端面30と、第二の分割外輪部材23の周方向の一方側の端面31とが当接するようにして組み合わされる。このようにして外輪12は、第一および第二の分割外輪部材22、23から構成されている。
なお、このように自然割れによって分割させた構成とすると、第一の分割外輪部材22の端面28および第二の分割外輪部材23の端面29は、それぞれが一対となる微小な凹凸形状を有する。第一の分割外輪部材22の端面30および第二の分割外輪部材23の端面31についても、同様である。したがって、第一および第二の分割外輪部材22、23を組み合わせて環状の外輪12を構成した際に、この微小な凹凸形状の噛み合わせで、第一および第二の分割外輪部材22、23のずれ、具体的には、軸方向のずれを低減することができる。
次に、上記した図2に示す外輪12の製造方法について説明する。図3は、この発明の一実施形態に係る外輪12の製造方法のうち、代表的な工程を示すフローチャートである。
図1〜図3を参照して、まず、外輪12の材料となる円筒状の外輪部材を準備する(図3(A))。外輪部材は、いわゆる自然割り前の円筒状の外輪に相当する。
図4は、外輪12の材料となる外輪部材32を軸方向から見た図である。図5は、図4に示すV−V断面であって、図4に示す外輪部材32の断面を、内径側から見た図である。なお、図4以下に示す図面においては、必要に応じ、理解の容易の観点から、外輪部材32の肉厚を厚く図示している。また、V−V断面は、回転中心軸21を含む面である。
図4および図5を参照して、円筒状の外輪部材32は、その内径面35および外径面36が、一方側の端面33から他方側の端面34に向かって真直ぐに延びた形状である。なお、内径面35が、針状ころ13の転動する外輪軌道面となる。このような円筒状の外輪部材32は、例えば、削りにより製造される。
次に、準備した円筒状の外輪部材32に、割り溝を形成する(図3(B))。割り溝は、外輪部材32の内径面35の一部に設けられる。ここで、割り溝とは、外径側から外輪部材32を押圧した際に、内径面35側における破断の起点となるものである。すなわち、外輪部材32の内径側については、割り溝に沿って分割される。
図6は、割り溝を形成した外輪部材32を軸方向から見た図である。図7は、図6に示す外輪部材32の断面を、内径側から見た図である。図8は、図6に示す外輪部材32のうち、割り溝付近を拡大した図である。なお、図6に示す図は、図4に示す図に相当し、図7に示す断面は、図5に示す断面に相当する。
図6〜図8を参照して、外輪部材32の内径面35側には、内径面35から外径側に凹んだ形状の割り溝37が形成されている。割り溝37は、外輪部材32の一方側の端面33から他方側の端面34まで連なって延びる形状である。なお、理解の容易の観点から、割り溝37は誇張して大きく図示している。
割り溝37は、一方側の端面33および他方側の端面34から見た場合に、略V字状である。具体的には、図8において、割り溝37を形成する斜め方向に延びる一方側の面39と他方側の面40で構成される形状が、略V字状である。ここで、略V字状を構成する面39および面40の交わる箇所、すなわち、外径側に最も凹んだ箇所が、凹み点41となる。このような略V字状の割り溝37が、一方側端面33から他方側端面34に連なって延びている。また、この軸方向に連なる凹み点41の軌跡部分が、軸方向における具体的な破断の起点となる。
ここで、割り溝37は、外輪部材32の内径側から見た場合に、軸方向の中央部が、軸方向の両端部よりも周方向に突出するような円弧状に形成されている。ここでいう円弧は、曲率がいずれの箇所においても同じ円弧である。この円弧の突出量、すなわち、端面部分における割り溝37と軸方向中央部における割り溝37との周方向の間隔は、上記したころ軸受11に備えられる針状ころ13の径や外輪部材32の肉厚等によって、任意に定められる。
このような割り溝37は、例えば、略V字状に突出した打刻部材を内径面35の所定の箇所に押し当て、内径面の一部を塑性変形させることによって形成してもよいし、V字状の刃先を有する切削工具を用い、一方側の端面33から他方側の端面34に向かって、内径面35の一部を削り取るようにして形成してもよい。
割り溝37は、外輪部材32の内径面35に二箇所設けられる。一方側の割り溝37に対して、他方側の割り溝42は、回転中心軸21を中心として、約180°の位置に設けられている。この場合、割り溝42の形状は、周方向の突出する部分が、割り溝37に対して対称となる。すなわち、後に製造される2つの分割外輪部材22、23において、いずれも一方側の周方向の内径側の端面が周方向に突出した形状となり、他方側の周方向の内径側の端面が周方向に凹んだ形状となる。
次に、押圧冶具を外輪部材32の外径面36の所定の箇所に押し当てる(図3(C))。ここで、図2に示す外輪の製造装置の構成について簡単に説明する。図9は、この発明の一実施形態に係る外輪の製造装置の概略図である。図9を参照して、外輪の製造装置43は、棒状の内径拘束冶具44と、先端が押圧部となる押圧冶具45と、上記した割り溝37、具体的には、凹み点41の位置を検知する検知手段としてのピン46と、押圧冶具45の動作等を制御する制御部(図示せず)とを備える。
内径拘束冶具44は、長手方向、すなわち、図9における紙面表裏方向から見た場合に、その外径面47が略円形状であって、その一部が、欠けた形状である。内径拘束冶具44の長手方向の長さは、外輪部材32の軸方向の長さよりも長い。略円形状の内径拘束冶具44の外径は、外輪部材32の内径とほぼ同じである。内径拘束冶具44は、外輪部材32の内径側に圧入可能に構成されている。内径拘束冶具44は、外輪部材32の回転中心軸21を中心に回転可能である。
押圧冶具45は、上記した通り、その先端に押圧部48を備える。押圧部48は、外輪部材32の軸方向の長さよりも長く構成されている。すなわち、外輪部材32の外径面36に軸方向に亘って当接可能である。押圧部48の先端は、図9に示すように、略円弧状である。押圧部48は、内径拘束冶具44に外輪部材32が取り付けられた際に、外輪部材32に対して進退可能に設けられている。すなわち、押圧冶具45は、図9中の矢印IXで示す内径方向およびその逆の方向である外径方向に移動可能に構成されている。押圧冶具45が内径側に移動した際に、押圧部48は、外輪部材32の外径面36の一部に押し当てられる。この場合、押圧部48は、略円弧状であるため、外径面36との接触は、軸方向に延びる線接触となる。なお、押圧部48の先端については、押圧部48の強度向上の観点から、平らな形状であってもよい。この場合でも、外径面36が円弧であるため、押圧部48と外径面36との接触は、線接触となる。
ピン46は、棒状であって、その先端が割り溝37内に配置可能なように構成されている。具体的には、ピン46を割り溝37に配置した際に、ピン46の先端49が、割り溝37の凹み点41に位置するよう構成されている。なお、ピン46の後端は、上記した内径拘束冶具44の切り欠いた一部と当接している。
このような外輪の製造装置43を用い、押圧冶具45を外輪部材32の所定の箇所に押し当てる。押し当ては、上記したピン46の先端の位置と押圧部48とを自動で検知し、押圧部48が後述する領域となるように、内径拘束冶具44を回転、あるいは紙面左右方向に平行移動させて調整する。ここで、押し当てる領域は、以下の領域である。
図10は、図9に示す外輪の製造装置43において、割り溝37付近を拡大した図であり、図9に示すXの部分を拡大した図である。図11は、外輪部材32を外径側から見た図であり、図9に示す矢印IXの方向から見た図に相当する。ここで、押圧冶具押し当て工程は、外輪部材32の一方側の端面33において、割り溝37のうちの最も外径側に凹んだ凹み点41および端面33において回転中心軸21で表される外輪部材32の回転中心点を結ぶ第一の線51と、凹み点41および押圧冶具45を押し当てる押圧点となる押圧部48とを結ぶ第二の線52とのなす角度θが、第一の線51を基準として±45°以下の領域であって、且つ、内径面35側に設けられた凹み点41を外径面36に投影させた領域を避けた領域に押圧冶具45を押し当てる工程である。具体的には、線接触となる押圧冶具45の押圧部48を、図10および図11中に示す領域Sおよび領域S内のいずれかの位置とする。なお、この場合、軸方向に延びる線の線接触となるため、内径面35側に設けられた凹み点41を外径面36に投影させた領域に対応する矩形領域は、領域Sとなる。なお、他方側の端面34においても、同様である。
ここで、第一の線51を基準として45°に該当する第二の線を線53、第一の線51を基準として−45°に該当する第二の線を線54とすると、それぞれと外径面36を構成する線との交点は、交点55、交点56となる。また、端面33の凹み点41のうち、外径面36に投影させた点は、点57となり、周方向に最も突出した凹み点41を外径面36に投影させた点は、点58となる。図11において、線接触で押圧する場合には、領域S、領域S、領域Sはそれぞれ矩形状で表されることとなる。
そして、上記した領域に押し当てた押圧冶具45を内径側に押し進めて、外輪部材32を割る(図3(D))。この場合、凹み点41を起点とした自然割りとなる。
このように構成することにより、分割時における破断の方向を圧力が加わる方向と同じにすることができる。また、破断時における破断の距離を短くすることができる。したがって、外輪12の製造時において、分割面が不連続となるおそれを低減することができる。
なお、上記では、外輪部材32に押圧冶具45を押し当てた後、押圧冶具45を押し進めて外輪部材32を割ることとしたが、このとき、押圧冶具45の押し進める速度を落とさずに押し進めることとしてもよい。すなわち、押し当った際に上記した領域に押圧冶具45が押し当るように、予め外輪部材32および押圧冶具の位置決めをしておき、速度を落とさず、一定速度で押圧冶具45を外輪部材32側に向かって進行させて割るようにする。
ここで、上記した角度θを種々の角度に変更した場合について説明する。
Figure 0005371689
表1は、角度θと、破断面、すなわち、分割外輪部材22、23の周方向の端面の凹凸度合いとの関係を示す表である。表1を参照して、角度θが40°までの場合は、破断面の凹凸は小レベル、すなわち、凹凸の差が小さいものとなる。一方、角度θが50°となると、凹凸は中レベル、すなわち、凹凸の差が中程度のものとなる。さらに、角度θが大きくなると、凹凸は大レベル、すなわち、凹凸の差が大きいものとなる。したがって、角度θを少なくとも±45°以下の領域とすれば、破断面の凹凸が中レベル以下となる。これは、角度θが大きくなるにつれ、凹み点41と押圧部48との距離、すなわち、破断の距離が長くなることに起因するものと考えられる。
次に、内径面35側に設けられた凹み点41を外径面36に投影させた領域を避けた領域について考える。図12は、内径面35側に設けられた凹み点41を外径面36に投影させた領域を押圧位置とした場合を示す図である。なお、比較対象として、内径面35側に設けられた凹み点41を外径面36に投影させた領域を避けた領域を押圧位置とした場合を、図13に示す。図12および図13はそれぞれ、図11に相当する。
図12を参照して、内径面35側に設けられた凹み点41を外径面36に投影させた領域を押圧位置59とした場合、すなわち、押圧位置59と投影線が交差するとき、図12の矢印に示すように、分割面上に応力が周方向で反転する箇所が生じる。このように、分割面上に応力反転箇所が存在すると、分割面に不連続な面、すなわち比較的大きな凹凸の差を生じてしまう。一方、内径面35側に設けられた凹み点41を外径面36に投影させた領域を避けた領域を押圧位置60とした場合、すなわち、押圧位置60と投影線が交差しないとき、図13に示すように、応力が周方向に同じ方向となり、分割面上に応力が周方向に反転する箇所は生じない。したがって、このような分割面は、比較的小さな凹凸の差しかなく、連続した分割面となる。
以上より、このような外輪の製造方法および製造装置によれば、分割時における破断の方向を圧力が加わる方向と同じにすることができる。また、破断時における破断の距離を短くすることができる。したがって、外輪の製造時において、分割面が不連続となるおそれを低減することができる。
さらに、上記した外輪の製造装置によれば、内径拘束冶具により外輪部材の変形を防止しながら、押圧位置を上記した領域に調整して押し当て、外輪部材を分割することができる。したがって、より容易に、且つ、確実に分割面が不連続となるおそれを低減することができる外輪を製造することができる。ここで、制御部は、調整手段として作動する。
また、この発明に係る分割外輪部材は、円筒状の外輪部材を回転中心軸に沿う方向に分割された分割外輪部材であって、外輪部材の内径面側に、内径面から外径側に凹んだ形状であって、外輪部材の一方側端面から他方側端面まで連なって延びる割り溝を形成し、外輪部材の両端面において、割り溝のうちの最も外径側に凹んだ凹み点および外輪部材の回転中心点を結ぶ第一の線と、凹み点および押圧冶具を押し当てる押圧点とを結ぶ第二の線とのなす角度θが、第一の線を基準として±45°以下の領域であって、且つ、内径面側に設けられた凹み点を外径面に投影させた領域を避けた領域に押圧冶具を押し当て、押し当てた押圧冶具を内径側に押し進めて、外輪部材を割って製造される。
なお、この発明の一実施形態に係る分割外輪部材は、以下のような形状的な特徴を有する。図14は、この発明の一実施形態に係る分割外輪部材61の一部、具体的には、周方向の一方側の端部付近を示す図である。図15は、図14に示す分割外輪部材61の一部を、外径面側から見た図である。図14および図15を参照して、この発明に係る分割外輪部材61は、円筒状の外輪部材を、周方向の任意の二箇所において、回転中心軸に沿う方向に分割された円弧状の分割外輪部材である。ここで、分割外輪部材61の一方側の端面62において、分割面63のうちの最も内径側に位置する分割基準点64および分割外輪部材61の径方向の中心点65を結ぶ第三の線66と、分割基準点64および分割外輪部材61の外径面67における周方向端点68とを結ぶ第四の線69とのなす角度θが、第三の線66を基準として±45°以下であって、内径面70に形成され、軸方向に延びる分割外輪部材61の内径分割線71を外径面67に投影させた投影分割線72と、外径面67に形成され、軸方向に延びる分割外輪部材61の外径分割線73とが、軸方向のいずれの位置においても交差しない構成である。すなわち、投影分割線72と外径分割線73とが、軸方向のいずれの位置においても、周方向に間隔を有する構成である。この場合において、端面における交差は含まないものとする。なお、他方側の端面74においても、同様である。
なお、図14および図15に示す分割外輪部材61の周方向の一方側の端部は、内径面において、軸方向中央部が軸方向両端部よりも突出するような円弧状であったが、軸方向中央部が軸方向両端部よりも凹むような円弧状となる周方向の他方側の端部付近については、図16および図17に示す通りとなる。
図16および図17を参照して、分割外輪部材61の一方側の端面62において、分割面81のうちの最も内径側に位置する分割基準点82および分割外輪部材61の径方向の中心点65を結ぶ第三の線83と、分割基準点82および分割外輪部材61の外径面67における周方向端点84とを結ぶ第四の線85とのなす角度θが、第三の線83を基準として±45°以下であって、内径面70に形成され、軸方向に延びる分割外輪部材61の内径分割線86を外径面67に投影させた投影分割線87と、外径面67に形成され、軸方向に延びる分割外輪部材61の外径分割線88とが、軸方向のいずれの位置においても交差しない構成である。他方側の端面74においても、同様である。
このような形状的な特徴を有する分割外輪部材は、ころ軸受に備えられた際に、稼動時におけるころ軸受の騒音の低減を図ることができる。
なお、上記の実施の形態においては、分割外輪部材の一方側の端部の内径面側の軸方向の中央部が周方向に突出し、他方側の端部の内径面側の軸方向の中央部が周方向に凹んだ形状であったが、これに限らず、双方の端部において、内径面側の軸方向の中央部が周方向に突出した形状の分割外輪部材であってもよい。この場合、双方の端部において、内径面側の軸方向の中央部が周方向に凹んだ形状の分割外輪部材と組み合わされ、環状の外輪が構成される。すなわち、割り溝の円弧形状を、一方側の分割外輪部材側において、双方の周方向の端部が突出するようにした形状とした外輪部材を分割すれば、このような構成となる。
なお、上記の実施の形態においては、V字状の割り溝を形成することにしたが、これに限らず、U字状等の形状であってもよい。すなわち、割り溝を構成する面は、平面ではなく、曲面を含む構成としてもよい。
また、上記の実施の形態において、割り工程は、外輪部材の分割部の硬度を高める硬度上昇工程の後に行なうようにしてもよい。このように構成することにより、外輪部材の分割部の分割する際に、いわゆる脆性破壊を促進し、破断面が不連続となるおそれをさらに低減することができる。この場合の硬度上昇は、例えば焼入処理等が挙げられる。
さらに、割り工程は、外輪部材の温度を−80〜−100℃とする工程としてもよい。このように構成することにより、金属の低温脆性を利用することができる。
なお、上記の実施の形態においては、割り溝は、円弧状としたが、これに限らず、例えば、直線状であってもよいし、種々の曲線および直線を含む構成であってもよい。具体的には、例えば、割り溝を、外輪部材の内径側から見た場合に、軸方向中央部が軸方向両端部よりも周方向に突出するような略くの字状とする。すなわち、割り溝形成工程は、割り溝を、外輪部材の内径側から見た場合に、軸方向中央部が軸方向両端部よりも周方向に突出するような略くの字状に形成する工程を含むよう構成してもよい。
図19は、この場合における外輪部材の断面を、内径側から見た図であり、図7に相当する。すなわち、図19は、略くの字状の割り溝を形成した外輪部材の断面を、内径側から見た図である。図19に示す外輪部材91においては、割り溝以外の構成は図7に示す外輪部材32と同様であるため、同一の符号を付してその説明を省略する。
図19を参照して、外輪部材91の内径側に形成される割り溝92は、内径側から見た場合に、略くの字状である。具体的には、略くの字状の割り溝92は、内径側から見た場合に、回転中心軸21に対して斜め方向に延びる一対の直線部93、94から構成されている。2つの直線部93、94は、軸方向端部が外輪部材32の両端面33、34に位置している。そして、2つの直線部93、94は、軸方向端部側から軸方向中央部側に向かって斜め方向に延びており、軸方向中央部分で繋がっている構成である。このような割り溝92を形成するようにしてもよい。このように構成することによっても、上記した円弧状の割り溝と同様の効果を奏することができる。すなわち、割り溝が形成された領域上をころが転動する際に、ころを円滑に転動させることができ、ころの転動時における騒音を低減することができる。
また、割り工程において、線接触となるように押圧することとしたが、これに限らず、例えば、押圧部を、上記した押圧領域の範囲内において、曲線で構成するようにしてもよい。また、周方向に幅を有するように押圧することにしてもよい。すなわち、面接触とする。この場合、押圧領域は、図18に示す領域Sおよび領域Sあって、それぞれの領域Sをおよび領域Sを跨らないように押圧する。
なお、上記の実施の形態においては、外輪の製造方法において、押圧位置の調整を自動で行なうこととしたが、これに限らず、目視等により押圧位置を調整して行なってもよい。また、割り溝の検出にピンを用いたが、これに限らず、変位計や近接センサ、画像処理等を用いて割り溝の検出を行なってもよい。
なお、上記の実施の形態においては、外輪は、2つの分割外輪部材を組み合わせて構成されることとしたが、これに限らず、外輪は、3つ以上の分割外輪部材を組み合わせて構成されるようにしてもよい。すなわち、外輪の製造方法は、環状の外輪部材を3つ以上の分割外輪部材に分割するようにしてもよい。
なお、このようなころ軸受は、クランク軸を支持する際に有効に利用される。図20は、この発明に係るころ軸受11を含む回転軸の支持構造の一部を示す概略断面図である。図20を参照して、回転軸の支持構造95は、回転軸としてのクランクシャフト15と、クランクシャフト15を支持するころ軸受11と、ころ軸受11を取り付ける軸受台96とを含む。軸受台96は、図20における紙面上方側に配置されるキャップ側ハウジング97と、紙面下方側に配置される軸受台本体98とを備える。キャップ側ハウジング97と軸受台本体98とは、2つのボルト99a、99bにより上下方向、すなわち、紙面上下方向に締結され、取り付けられている。このような回転軸の支持構造95は、軸受稼動時における騒音の低減を図ることができる。このような回転軸の支持構造95は、船外機や自動車等のエンジンのような内燃機関に適用される。
また、上記の実施の形態においては、ころ軸受は、保持器を含む構成としたが、これに限らず、保持器を含まない構成としてもよい。また、さらにころ軸受は、内輪を含む構成としてもよい。
以上、図面を参照してこの発明の実施の形態を説明したが、この発明は、図示した実施の形態のものに限定されない。図示した実施の形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
この発明に係る外輪の製造方法、外輪の製造装置、分割外輪部材、ころ軸受、および回転軸の支持構造は、軸方向からの組み込みが困難なころ軸受に適用される場合に、有効に利用される。
11 ころ軸受、12 外輪、13 針状ころ、14 保持器、15 クランクシャフト、16,35,70 内径面、17,36,47,67 外径面、21 回転中心軸、22,23,61 分割外輪部材、24,25 分割保持器部材、28,29,30,31,33,34,62,74 端面、32,91 外輪部材、37,42,92 割り溝、39,40 面、41 凹み点、43 外輪の製造装置、44 内径拘束冶具、45 押圧冶具、46 ピン、48 押圧部、49 先端、51,52,53,54,66,69,71,72,73,83,85,86,87,88 線、55,56,57,58,64,65,68,82,84 点、59,60 押圧位置、63,81 分割面、93,94 直線部、95 回転軸の支持構造、96 軸受台、97 キャップ側ハウジング、98 軸受台本体、99a,99b ボルト。

Claims (13)

  1. 回転中心軸に沿う方向に分割された複数の分割外輪部材を組み合わせて形成される外輪の製造方法であって、
    円筒状の外輪部材を準備する工程と、
    前記外輪部材の内径面側に、前記内径面から外径側に凹んだ形状であって、前記外輪部材の一方側端面から他方側端面まで連なって延びる割り溝を形成する割り溝形成工程と、
    前記外輪部材の外径面に押圧冶具を押し当てる押圧冶具押し当て工程と、
    前記押圧冶具押し当て工程により押し当てた押圧冶具を内径側に押し進めて、前記外輪部材を割る割り工程とを含み、
    前記押圧冶具押し当て工程は、前記外輪部材の両端面において、前記割り溝のうちの最も外径側に凹んだ凹み点および前記外輪部材の回転中心点を結ぶ第一の線と、前記凹み点および前記押圧冶具を押し当てる押圧点とを結ぶ第二の線とのなす角度θが、前記第一の線を基準として±45°以内の領域であって、且つ、内径面側に設けられた前記凹み点を外径面に投影させた領域を避けた領域に前記押圧冶具を押し当てる工程である、外輪の製造方法。
  2. 前記割り溝形成工程は、前記割り溝を、前記外輪部材の内径側から見た場合に、軸方向中央部が軸方向両端部よりも周方向に突出するような円弧状に形成する工程を含む、請求項1に記載の外輪の製造方法。
  3. 前記割り溝形成工程は、前記割り溝を、前記外輪部材の内径側から見た場合に、軸方向中央部が軸方向両端部よりも周方向に突出するような略くの字状に形成する工程を含む、請求項1に記載の外輪の製造方法。
  4. 前記割り溝形成工程は、前記割り溝を、前記外輪部材を両端面側から見た場合に、V字状に形成する工程を含む、請求項1〜3のいずれかに記載の外輪の製造方法。
  5. 前記押圧冶具押し当て工程は、前記凹み点の周方向の位置を検知する位置検知工程を含む、請求項1〜4のいずれかに記載の外輪の製造方法。
  6. 前記割り工程は、前記外輪部材の内径側に、前記外輪部材の変形を防止する内径拘束冶具を配置させる工程を含む、請求項1〜5のいずれかに記載の外輪の製造方法。
  7. 前記割り工程は、前記外輪部材の分割部の硬度を高める硬度上昇工程の後に行なう、請求項1〜6のいずれかに記載の外輪の製造方法。
  8. 前記割り工程は、前記外輪部材を割る際の前記外輪部材の温度を−80〜−100℃として前記外輪部材を割る工程である、請求項1〜7のいずれかに記載の外輪の製造方法。
  9. 円筒状の外輪部材の内径面側に、前記内径面から外径側に凹んだ形状であって、前記外輪部材の一方側端面から他方側端面まで連なって延びる割り溝が予め設けられた前記外輪部材を、回転中心軸に沿う方向に分割した分割外輪部材を組み合わせて形成される外輪の製造装置であって、
    棒状であって、前記外輪部材の内径側に配置され、前記外輪部材の内径側を拘束する内径拘束冶具と、
    前記内径拘束冶具に拘束された前記外輪部材の外径面に軸方向に亘って当接可能であり、前記外輪部材の内径側に押し進めることが可能な押圧冶具と、
    前記外輪部材の両端面において、前記割り溝のうちの最も外径側に凹んだ凹み点および前記外輪部材の回転中心点を結ぶ第一の線と、前記凹み点および前記押圧冶具を押し当てる押圧点とを結ぶ第二の線とのなす角度θが、前記第一の線を基準として±45°以内の領域であって、且つ、内径面側に設けられた前記凹み点を外径面に投影させた領域を避けた領域に前記押圧冶具を押し当てるよう調整する調整手段とを備える、外輪の製造装置。
  10. 円筒状の外輪部材を回転中心軸に沿う方向に分割された分割外輪部材であって、
    前記外輪部材の内径面側に、前記内径面から外径側に凹んだ形状であって、前記外輪部材の一方側端面から他方側端面まで連なって延びる割り溝を形成し、
    前記外輪部材の両端面において、前記割り溝のうちの最も外径側に凹んだ凹み点および前記外輪部材の回転中心点を結ぶ第一の線と、前記凹み点および前記押圧冶具を押し当てる押圧点とを結ぶ第二の線とのなす角度θが、前記第一の線を基準として±45°以内の領域であって、且つ、内径面側に設けられた前記凹み点を外径面に投影させた領域を避けた領域に押圧冶具を押し当て、
    押し当てた前記押圧冶具を内径側に押し進めて、前記外輪部材を割って製造される、分割外輪部材。
  11. 円筒状の外輪部材を、周方向の任意の二箇所において、回転中心軸に沿う方向に分割された円弧状の分割外輪部材であって、
    前記分割外輪部材の両端面において、分割面のうちの最も内径側に位置する分割基準点および前記分割外輪部材の径方向の中心点を結ぶ第三の線と、前記分割基準点および前記分割外輪部材の外径面における周方向端点とを結ぶ第四の線とのなす角度θが、前記第三の線を基準として±45°以内であって、
    内径面に形成され、軸方向に延びる前記分割外輪部材の内径分割線を外径面に投影させた投影分割線と、外径面に形成され、軸方向に延びる前記分割外輪部材の外径分割線とが、軸方向のいずれの位置においても交差しない、分割外輪部材。
  12. 請求項10または請求項11に記載された分割外輪部材を複数組み合わせて形成される外輪と、
    前記外輪の内径側に配置され、前記外輪の内径面を転動するころとを備える、ころ軸受。
  13. 請求項12に記載のころ軸受と、
    前記ころ軸受に支持される回転軸とを備える、回転軸の支持構造。
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