JP5371236B2 - 紫外線防御剤および日焼け止め化粧料 - Google Patents

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Description

本発明は、新規な紫外線防御剤およびこれを含む日焼け止め化粧料に関する。
地表に届く太陽光線の紫外線には、長波長紫外線UVA(320〜400nm)および中波長紫外線UVB(280〜320nm)がある。UVAは、表皮に存在する淡色のメラニン色素を濃色のメラニン色素に変化させ、皮膚を黒くする即時黒化を引き起こすとともに、肌のハリや弾力の低下の原因とされる。UVBは、短時間で肌に紅斑や浮腫などの炎症(サンバーン)を起こさせ、そのあと数日後に色素沈着を引き起こすサンタンの作用があり、さらに、皮膚の老化、発ガンの原因になるといわれている。
これらの紫外線を防御するために、紫外線を効率よく吸収する有機系紫外線吸収剤や紫外線を散乱させる紫外線防御粉体の開発が進められ、これらを配合した日焼け止め化粧料が用いられている。この中で、紫外線を散乱させる紫外線防御粉体として、酸化チタンや酸化亜鉛がよく知られている(特許文献1、2)。酸化チタンや酸化亜鉛は、紫外線を防御するために多量に化粧料中に含まなければならず、また、粒子径が大きい場合は、肌に塗布した際に白くなるという問題を有していた。
近年、新しい紫外線防御剤としてシリコンクラスターまたはゲルマニウムクラスターを用いた紫外線吸収剤が開示されている(特許文献3)。しかし、これらシリコンクラスターまたはゲルマニウムクラスターでは、SiやGeの原子数が平均3〜100である。一方、非特許文献1には、シリコン数と粒子径との対応関係が示されている。この対応関係より、特許文献3においては、クラスターの平均粒子径として1.5nm以下の粒子径を開示していることになる。しかし、これらは、紫外線防御能が低く、あまり実用的ではなかった。
特開昭60−231607号公報 特開昭62−228006号公報 特開2005−314408号公報 S. Sato 他2名、「Controlling the behavior of silicon nanoclusters in suspensions」、Physics, Chemistry and application of nanostructures、2007、p.285-292 Louis Brus、「Electronic Wave Functions in Semiconductor Clusters: Experiment and Theory」、 J. Phys. Chem.、1986年、90、p.2555-2560
本発明は、紫外線防御効果の高い紫外線防御剤を提供する。更には、透明性に優れ、使用感および紫外線防御効果の高い日焼け止め化粧料を提供する。
本発明者らは、平均粒子径2nm以上30nm以下である14族元素からなる粒子が、高い紫外線防御作用を有することを見出した。更には、上記粒子を含むことで、日焼け止め効果の高い化粧料が得られることを見出した。
本発明は、平均粒子径2nm以上30nm以下である14族元素からなる紫外線防御剤を提供するものである。更には、上記本発明における紫外線防御剤を含む、日焼け止め化粧料を提供するものである。
本発明によれば、紫外線防御効果の高い粉体を提供することができる。更には、透明性に優れ、使用感および紫外線防御効果の高い日焼け止め化粧料を提供することができる。
(紫外線防御剤)
本発明における紫外線防御剤は、14族元素からなり、具体的には、14族元素からなる粒子である。14族元素からなる粒子は、UVAまたはUVB領域の光を吸収することにより、紫外線を防御する機能を有する。粒子の平均粒子径は、2nm以上30nm以下である。
ここで、特定の元素からなる粒子を直径数10nm以下までに微小化すると、量子効果により、自由電子が離散的なエネルギー準位を有するようになる。このエネルギーは、粒子径に依存するため、粒子径を調整することにより光の吸収波長を調整することが可能となる。具体的には、粒子径と光の吸収波長とは、以下のBrusの式を満たす。
λ(nm)=1240/E
E=Eg+h2/8R2×(1/Me+1/Mh
(上記式中、λは吸収波長(nm)である。Eは、量子効果を考慮したバンドギャップエネルギー(eV)である。Egは、バルクのバンドギャップエネルギー(eV)である。hは、プランク定数(4.136×10-15eV・s)である。Rは、粒子半径である。MeとMhは、それぞれ電子と正孔の有効質量である。例えばシリコン(Si)のEgは、室温で1.1eVである。)
本発明者らは、14族元素からなる粒子の平均粒子径を2nm以上30nm以下に調整することにより、目的の紫外線領域のみを吸収して、紫外線吸収効果と可視光領域での透明性とを両立させることを見出した。
本発明において、14族元素からなる粒子とは、14族元素から主としてなるものをいい、適宜表面に水素原子、水酸基等の官能基を有していてもよい。粒子の形態は、単結晶または多結晶でもよく、また、アモルファス状であってもよい。量子効果を安定的に得る観点および製造安定性の観点から、シリコン(Si)等の14族元素の単体からなる粒子が特に好ましい。
なお、粒子の表面等の一部にケイ素の酸化物が存在していてもよいが、シリカ粒子のように14族元素の酸化物からなるものは、量子効果が十分に得られないことがあるため、好ましくない。
また、14族元素からなる粒子の平均粒子径は、具体的には、透過型電子顕微鏡(Transmission Electron Microscope:TEM)によって測定された一次粒子の数平均粒子径である。
14族元素からなる粒子の平均粒子径は、紫外線吸収効果を安定的に得る観点から、2nm以上である。また、平均粒子径は、紫外線吸収効果を確実に得る観点から、30nm以下であり、好ましくは10nm以下、より好ましくは5nm以下である。
本発明における紫外線防御剤は、より広い波長領域にわたって確実に紫外光を吸収する観点から、14族元素からなる粒子として平均粒子径の異なるものを組み合わせて用いてもよく、例えば、平均粒子径2nm以上5nm以下の粒子と、平均粒子径が5nmより大きい粒子とを組み合わせて用いてもよい。
なお、背景技術の項で前述したように、特許文献3に記載の紫外線吸収剤では、シリコンクラスターを構成するシリコン数が3〜100である。非特許文献1に記載のシリコン数と粒子径との対応関係から、特許文献3におけるシリコンクラスターの粒子径は、シリコン数が最大値の100である場合に1.5nm程度である。このため、紫外線吸収作用を安定的に発揮させる点で、改善の余地があった。
さらに、特許文献3に記載のシリコンクラスターは、クラスター分子のHOMO−LUMOエネルギーギャップに対応して特定波長の紫外光を吸収する。このため、生成されるエネルギーギャップは、HOMO−LUMOで生成される程度の大きさしかなく、エネルギーの大きさに制限があり、せいぜい吸収帯が370nmをピークとする狭い範囲に限られていた。
これに対し、本発明においては、特定の粒子径において発揮される量子効果により光の吸収が生じるため、特許文献3に記載のシリコンクラスターに比べてワイドギャップを実現できるため、より短波長側の光を吸収するように構成できる。また、一次粒子の平均粒子径を制御することにより、中〜長波長の一定の紫外光領域にわたって吸収バンドを形成することができる。
次に、本発明における紫外線防御剤の製造方法を説明する。
本発明において、14族元素からなり平均粒子径2nm以上30nm以下である粒子の粉体は、電解溶解法、ガスプラズマ法、化学反応を用いる方法等種々の方法で製造することができる。その一例としてシリコンの化学反応を用いた方法について説明する。具体的には、酸化物を形成した後、酸化物中の酸素を除去してシリコンの単体粒子を得る方法を説明する。
最初に、シリコン粒子を内包するシリコン酸化物粒子を製造する。かかる粒子を製造する方法は、特に限定されない。例えば、モノシランガスとモノシランガスを酸化するための酸化性ガス(例えば、O2、CO2、NO2、など)とを気相反応させて、シリコン粒子を内包するシリコン酸化物粒子を合成し、これを不活性雰囲気下600〜1400℃で数10分から数時間保持する方法などが適用できる。この方法においては不活性雰囲気下の加熱保持によって、シリコン酸化物に内包されるシリコン粒子の粒子径を1〜50nm程度に調整することができる。
シリコン粒子は、シリコン粒子を内包するシリコン酸化物粒子をフッ化水素酸処理することにより取り出すことができる。この方法は、シリコン酸化物に内包されたシリコン粒子を露出させる工程であると同時に、シリコン粒子表面に疎水性を付与する工程を兼ねており、好適である。なお、シリコン粒子の分散性を向上させるため、懸濁液に超音波による振動を印加することが好ましい。
こうして得られた平均粒子径2nm以上30nmのシリコン粉体は、中波長の紫外線領域(〜320nm)から長波長側の紫外線領域(320〜400nm)にわたる吸収帯を有し、紫外線防御剤として有効であることが確認された。これらの紫外線防御能は、従来知られている酸化チタンや酸化亜鉛と比べて、より効果の高いものであった。なお、得られたシリコンの平均粒子径は、前述のように透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて計測することができる。
本発明における紫外線防御剤は、UVAまたはUVB領域の紫外光を効果的に吸収するため、例えば日焼け止め化粧料等の化粧料に好適に用いることができる。
以下、本発明における紫外線防御剤を用いた日焼け止め化粧料を具体的に説明する。
(日焼け止め化粧料)
本発明における日焼け止め化粧料は、紫外線防御剤として、上述した平均粒子径2nm以上30nm以下である14族元素からなる粒子、具体的にはSi粒子を含む。前述のように、平均粒子径2nm以上30nm以下である14族元素からなる粒子は、例えば中波長側の紫外線(280〜320nm)から長波長側の紫外線(320〜400nm)領域にわたる吸収帯を有し、これを含む化粧料は、日焼け止め化粧料として有効である。
平均粒子径2nm以上30nm以下である14族元素の粒子は、水、エタノール等の極性溶剤、デカメチルシクロペンタシロキサン等の油性成分に分散可能である。従って、日焼け止め化粧料の製造において、平均粒子径2nm以上30nm以下である14族元素の粒子は、適宜好適な溶剤、油剤に分散させ使用することができる。
日焼け止め化粧料中の紫外線防御剤の含有量は、紫外線防御効果をより安定的に得る観点から、例えば0.01質量%以上、好ましくは0.05質量%以上、さらに好ましくは0.1質量%以上とする。
また、日焼け止め化粧料中の紫外線防御剤の含有量は、日焼け止め化粧料としての配合の自由度を向上させる観点から、例えば20質量%以下、好ましくは10質量%以下、さらに好ましくは5質量%以下とする。
ただし、本発明における紫外線防御剤は、日焼け止め化粧料中にたとえば0.1質量%以下、さらに具体的には0.05質量%程度の低濃度で含まれる場合であっても、従来の紫外線防御剤と同等以上の紫外線防御効果が得られ、より高濃度で含まれていれば、さらに顕著な紫外線防御効果が得られる。
本発明の化粧料は、更に有機紫外線吸収剤を含有することができ、紫外線防御効果をより高めることができる。有機紫外線吸収剤としては、特に限定されないが、油溶性のものが好ましい。
油溶性の紫外線吸収剤としては、安息香酸系、アントラニル酸系、サリチル酸系、桂皮酸系、ベンゾフェノン系のものが含まれる。
このうち、安息香酸系紫外線吸収剤としては、パラアミノ安息香酸(以下、PABAと略す)、グリセリルPABA、エチルジヒドロキシプロピルPABA、N−エトキシレートPABAエチルエステル、N−ジメチルPABAエチルエステル、N−ジメチルPABAブチルエステル、N−ジメチルPABAアミノエステル、オクチルジメチルPABA等が挙げられる。
アントラニル酸系紫外線吸収剤としては、ホモメンチル−N−アセチルアントラニレート等が挙げられる。
サリチル酸系紫外線吸収剤としては、アミルサリチレート、メンチルサリチレート、ホモメンチルサリチレート、オクチルサリチレート、フェニルサリチレート、ベンジルサリチレート、p−イソプロパノールフェニルサリチレート等が挙げられる。
桂皮酸系紫外線吸収剤としては、オクチルシンナメート、エチル−4−イソプロピルシンナメート、エチル−2,4−ジイソプロピルシンナメート、メチル−2,4−ジイソプロピルシンナメート、プロピル−p−メトキシシンナメート、イソプロピル−p−メトキシシンナメート、イソアミル−p−メトキシシンナメート、2−エチルヘキシル−p−メトキシシンナメート、2−エトキシエチル−p−メトキシシンナメート、シクロヘキシル−p−メトキシシンナメート、エチル−α−シアノ−β−フェニルシンナメート、2−エチルヘキシル−α−シアノ−β−フェニルシンナメート、グリセリルモノ−2−エチルヘキサノイルジパラメトキシシンナメート等が挙げられる。
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2'−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2'−ジヒドロキシ−4,4'−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4'−メチルベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、2−エチルヘキシル−4'−フェニルベンゾフェノン−2−カルボキシレート、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、4−ヒドロキシ−3−カルボキシベンゾフェノン等が挙げられる。更に上記以外に、3−(4'−メチルベンジリデン)−dl−カンファー、3−ベンジリデン−dl−カンファー、ウロカニン酸エチルエステル、2−フェニル−5−メチルベンゾキサゾール、2,2'−ヒドロキシ−5−メチルフェニルベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−5−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、ジベンザラシン、ジアニソイルメタン、4−メトキシ−4'−t−ブチルジベンゾイルメタン、5−(3,3−ジメチル−2−ノルボニリデン)−3−ペンタン−2−オン、特開平2−212579号公報記載のベンゼン−ビス−1,3−ジケトン誘導体、特開平3−220153号公報記載のベンゾイルピナコロン誘導体等が挙げられる。
日焼け止め化粧料中における有機紫外線吸収剤の含有量は、特に制限されないが、紫外線防御効果を高め、良好な使用感を得る点から、全組成中に例えば0.1〜25質量%、好ましくは0.5〜10質量%とする。
本発明の日焼け止め化粧料は、さらに界面活性剤を含有することができ、特に非イオン界面活性剤が好ましい。非イオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸モノアルカノールアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸ジアルカノールアミド等が挙げられる。
非イオン界面活性剤は、全組成中に0.1〜5質量%、特に0.2〜3質量%含有するのが、他の成分を安定に溶解、分散するために好ましい。
本発明の日焼け止め化粧料は、更に油剤を含有することができる。油剤としては、シリコーン油、炭化水素油、エステル油、エーテル油、フッ素油等が挙げられる。
シリコーン油としては、直鎖状ポリオルガノシロキサン、環状ポリシロキサン等が挙げられる。直鎖状ポリオルガノシロキサンとしては、炭素数が1〜5のアルキル基を有する直鎖状アルキルポリシロキサン、炭素数が1〜5のアルキル基および炭素数が6〜10のアリール基を有する直鎖状アルキルアリールポリシロキサン等が挙げられ、具体的には、直鎖状ジメチルポリシロキサン、直鎖状メチルフェニルポリシロキサン等が挙げられる。これら直鎖状ポリオルガノシロキサンのうち、20℃の粘度が1〜1000mPa・s、特に5〜10mPa・sが好ましい。環状ポリシロキサンとしては、炭素数が1〜5のアルキル基を置換基として有する4〜6員環の環状シロキサンが挙げられ、具体的には、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン等が挙げられる。
炭化水素油としては、流動パラフィン、スクワラン、軽質流動イソパラフィン、重質流動イソパラフィン、ポリブテン等が挙げられる。
また、エステル油としては、例えば、サフラワー油、大豆油、ブドウ種子油、ゴマ油、小麦胚芽油、アボガド油、オリーブ油、ヒマシ油、マカデミアナッツ油、メドフォーム油等の植物性油;
ミンク油、タートル油、液状ラノリン等の動物性油;
ミリスチン酸イソプロピル、イソステアリン酸イソプロピル、ラノリン脂肪酸イソプロピル等の低級アルコールの脂肪酸エステル;
イソノナン酸2−エチルヘキシル、イソノナン酸イソトリデシル、ミリスチン酸オクチルドデシル、オレイン酸オクチルドデシル、2−エチルヘキサン酸セチル、2−エチルヘキサン酸イソセチル、イソステアリン酸イソステアリル等の高級アルコールの脂肪酸エステル;
リンゴ酸ジイソステアリル、乳酸セチル等の高級アルコールのオキシ酸エステル;
トリカプリル酸グリセリル、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリン、ジカプリル酸プロピレングリコール、ジ(カプリル・カプリン酸)プロピレングリコール、ジイソステアリン酸プロピレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジ2−エチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール等の多価アルコールの脂肪酸エステルなどが挙げられる。
エーテル油としては、セチルジメチルブチルエーテルなどが挙げられ、フッ素油としては、パーフルオロポリエーテル、パーフルオロカーボン等が挙げられる。
これらのうち、シリコーン油が特に好ましい。
これらの油剤成分は、1種以上を用いることができ、全組成中に例えば0.01〜30質量%、好ましくは1〜10質量%含有する。
本発明の日焼け止め化粧料は、粉体を安定に分散させるため、或いは使用感を高めるために増粘剤を含有してもよい。増粘剤として例えば、グアガム、クインスシード、カラギーナン、キサンタンガム、ローストビーンガム、アラビアガム、トラガカント、ペクチン、マンナン、デンプン、プルラン、デキストラン、カードラン、コラーゲン、ケラチン、カゼイン、アルブミン、ゼラチン、キチン、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、可溶化デンプン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸アミド、ムコ多糖、これらの誘導体などが挙げられる。
これらは、1種以上用いることができ、全組成中に例えば0.01〜10質量%、特に0.05〜5質量%含有するのが、良好な感触と、組成物の安定性を向上させる観点から好ましい。
また、本発明の日焼け止め化粧料は、前記以外に、通常化粧料に用いられる成分、例えば、半固形油、アルコール類、保湿剤、高分子ラテックス、薬剤、植物抽出液、セラミド類、血行促進剤、冷感剤、制汗剤、殺菌剤、皮膚賦活剤、pH調整剤、増粘剤、酸化防止剤、防腐剤、香料等を含有することができる。
本発明の日焼け止め化粧料は、水性溶媒に単に分散させたものだけではなく、O/W型乳化物、W/O型乳化物、O/W/O型乳化物等の乳液、クリームおよびジェル状など様々な化粧料とすることができる。特に、W/O型乳化物、O/W/O型乳化物等の乳液、クリームである日焼け止め化粧料が好適である。
<実施例1>
モノシランガス0.16L/min、酸素ガス0.4L/minおよび希釈用の窒素ガス17.5L/minを、温度700℃、圧力90kPaに保持した石英ガラス製反応管(内径50mm、長さ1000mm)からなる反応容器に導入したところ、茶褐色の粉末が生成した。これを反応管の下流側に設けた金属製フィルターで捕集した。
捕集した生成粉末20gをアルゴン雰囲気下、700℃の温度で1時間保持した後、室温まで冷却し、蒸留水1リットルを加え、さらに超音波処理を1時間行って粉末を分散させ、懸濁液を作製した。これに濃度46質量%のフッ化水素酸(HF)0.01リットルを加えて超音波処理を30分間行い、シリコン酸化物を溶解・除去した。酸化物を除去したシリコン粒子は表面が水素原子で修飾されているため、超音波処理を停止すると、溶液内で緩く集合する。そのためこの集合物をメンブレンフィルターで回収、エタノールで洗浄し、乾燥してシリコン粉末を得た。
得られたシリコン粒子を透過型顕微鏡(TEM)にて観察した(倍率10万倍、110個)ところ、平均一次粒子径4nmであった。
また、得られたシリコン粒子は、25℃において、水、エタノールおよびデカメチルシクロペンタシロキサンに分散できることを確認した。
実施例1で得られたシリコン粒子の紫外線防御効果を評価するためエタノール中に分散し、30ppmに調整した。比較のためエタノール中に酸化亜鉛(平均一次粒子径25nm:MZ500(テイカ(株)製))を30ppmの濃度で分散させ、透過率を各波長で測定した(セル長10mm)。
測定機器名:SHIMADZU 紫外可視分光光度計 UV−3100PC
透過率の測定結果を、図1に示す。
図1に示したとおり、本実施例で得られたシリコン粒子は、300〜400nmの領域全体にわたって光を吸収する。このシリコン粒子は、UVBに対応する300〜320nmの光およびUVAに対応する320〜400nmの光を吸収するため紫外線防御に優れるうえ、可視光での透明性も優れた紫外線防御剤であることがわかる。更に比較のために用いた酸化亜鉛よりも極少量で十分な紫外光防御効果を有することから、日焼け止め化粧料に用いることにより、使用感においても優れる化粧料を達成できる。
次に、平均粒子径2nm以上30nm以下である14族元素からなる粒子を含む日焼け止め化粧料の製造例について説明する。
<実施例2、比較例1〜3>
表1に示す日焼け止め化粧料を製造し、紫外線防御効果および使用感を評価した。評価結果を表2に示す。
Figure 0005371236
(製法)
表1における成分4中に、ディスパーを用いて成分1〜3をよく分散させた。そこに成分5および6を加え攪拌し、均一にすることにより化粧料を製造した。
(評価方法)
実施例2および比較例1〜3の化粧料を石英板上に2mg/cm2になるように塗布し、SPF(Sun Protection Factor)アナライザー(Optometrics社製)を用いて全透過光スペクトルを測定し、それぞれUVB領域での防御を300nm、UVA−II領域での防御を330nm、UVA−I領域での防御を380nmの波長における透過率の値から比較を行った。結果を表2に示す。
Figure 0005371236
表2に示したとおり、実施例2における化粧料は、微粒子酸化亜鉛や水溶性の有機吸収剤と比べて、UVB、UVA両方の領域において少量できわめて優れた紫外線防御能を有することがわかる。
また、実施例2で得られた化粧料は、塗布後に不自然な白浮きがなく使用感に優れ、製品の外観上も高い透明性を有するものであった。
実施例における粒子の透過率スペクトルを示す図である。

Claims (5)

  1. 平均粒子径2nm以上30nm以下である14族元素から主としてなる粒子状の紫外線防御剤を含み、
    前記14族元素がSiである、日焼け止め化粧料。
  2. 前記粒子状の紫外線防御剤が、水、エタノールまたはデカメチルペンタシロキサンに分散された、請求項に記載の日焼け止め化粧料。
  3. 前記粒子状の紫外線防御剤が、前記14族元素の酸化物を形成した後、前記酸化物中の酸素を除去して製造された、請求項1または2に記載の日焼け止め化粧料。
  4. 当該日焼け止め化粧料中の前記粒子状の紫外線防御剤の含量が、0.01質量%以上20質量%以下である、請求項1〜いずれか一項に記載の日焼け止め化粧料。
  5. 更に、アルコール類を含有する、請求項1〜いずれか一項に記載の日焼け止め化粧料。
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