JP5370774B2 - トレイ移載装置及び方法 - Google Patents
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このシステムは、ロボットによる多品種少量生産を効率的に行うことを目的とする。
さらに、この誤検知を防止するために、レーザ距離計などで高さ計測する場合、レーザ距離計が高価であるばかりでなく、ロボットアームとレーザ距離計との干渉を避けるための機構が大掛かりになる問題点があった。
該トレイに設けられたトレイ把持部とトレイ上に積載されたワークを把持可能なハンドと、
該ハンドに取り付けられ前記トレイをその上方から撮影するカメラと、
前記ハンドを3次元的に移動可能なロボットと、
前記カメラで撮影した画像を画像処理して、前記ロボットを制御するロボット制御装置とを備え、
前記各積載スペースの上方から撮影した画像に基づき、最上段のトレイ把持部の位置及び姿勢と、各積載スペースのトレイの段積み数とを計測し、これに基づき最上段のトレイを移載し、
かつ移載先の積載スペースの上方から撮影した画像に基づき、トレイの傾き角度を計測し、これに基づきロボットのベース座標を較正し、トレイ上のワークを移載する、ことを特徴とするトレイ移載装置が提供される。
画像処理装置の計測結果に基づき、ロボットのハンドにより、最上段のトレイ把持部を把持して別の積載スペースへ搬送し、かつ最上段のトレイ上のワークを把持して所定位置へ搬送するロボットコントローラと、からなる。
該トレイに設けられたトレイ把持部とトレイ上に積載されたワークを把持可能なハンドと、
該ハンドに取り付けられ前記トレイをその上方から撮影するカメラと、
前記ハンドを3次元的に移動可能なロボットと、
前記カメラで撮影した画像を画像処理して、前記ロボットを制御するロボット制御装置とを備え、
(A)前記各積載スペースの上方から撮影した画像に基づき、最上段のトレイ把持部の位置及び姿勢と、各積載スペースのトレイの段積み数とを計測する第1画像計測と、
(B)第1画像計測の結果に基づき最上段のトレイを別の積載スペースに移載するトレイ移載制御と、
(C)移載先の積載スペースの上方から撮影した画像に基づき、トレイの傾き角度を計測する第2画像計測と、
(D)第2画像計測の結果に基づき、ロボットのベース座標を較正し、トレイ上のワークを所定位置に移載するワーク移載制御と、を有することを特徴とするトレイ移載方法が提供される。
また、平板10aの上面(この例では中央部)にトレイ把持部11が設けられ、ハンド12でトレイ把持部11を把持できるようになっている。
この構成により、複数のトレイ10は、下側トレイの鉛直穴11aに、上側トレイの位置決めピン11bを順次嵌合させて、同一の積載スペースに複数(例えば5段)のトレイを同一の姿勢で段積みできるようになっている。
またこの例で、それぞれの積載スペースa,b,cのテーブル3の上面には、最下段のトレイを位置決めするベースブロック4(図3参照)が設けられている。ベースブロック4は、トレイ把持部11と同一の形状を有し、かつ鉛直穴11aと同一位置に同一寸法の鉛直穴4aを有している。
また、本発明において、ワーク1の上面には、一定の間隔を隔てた2つの鉛直穴1aが設けられていることが好ましい。この鉛直穴1aは、例えばフランジのボルト穴等である。なお、鉛直穴1aは必須ではなく、各ワークに設けられ、正確に間隔を検出できる限りで、その他の穴又は形状であってもよい。
ハンド12は、例えばトレイ用とワーク用の2つの開閉爪を有する機械的な挟持装置であり、2つの開閉爪の位置をハンドの姿勢変更(回転等)で切り替えて、トレイ把持部11又はワーク1を随時把持できるようになっている。
なお、ハンド12はこの構成に限定されず、吸着パッド、電磁パッド、その他の構成の機械的ハンドであってもよい。
デジタル画像5の画素数は、任意であるが、例えば、約400万画素(横2300ピクセル×縦1700ピクセル)を有する。また、カメラ14は、デジタル画像5を一定の制御周期(例えば30fps:1秒間に30回)で撮影するようになっている。以下、デジタル画像を単に画像という。
ロボット16は、この例では、テーブル3の上面に固定された垂直多関節ロボットであるが、本発明はこれに限定されず、その他のロボット(スカラロボットや直交ロボット)であってもよい。
トレイ把持部11を搬送する別の積載スペースは、上述の例では、搬入スペースa、搬出スペースb、又は加工スペースcである。また、ワーク1を搬送する所定位置は、例えばロボット16の作動範囲に設置した図示しない別の装置(加工装置、組付装置等)である。
なお、以下の例では、この別の装置にワーク1を搬送後、ワーク1は図示しない別の搬出装置により、ロボット16の作動範囲の外側に搬出され、元のトレイ上には戻さないものとする。
しかし、本発明はこの構成に限定されず、別の装置から元のトレイ上にロボット16により戻してもよい。
さらに、本発明のトレイ移載装置は、移載先の積載スペース(例えば加工スペースc)の上方から撮影した画像5に基づき、トレイの傾き角度を計測し、これに基づきロボットのベース座標を較正し、トレイ上のワークを移載するようになっている。
すなわち、上述した画像処理装置22とロボットコントローラ24は、後述する第1画像計測、トレイ移載制御、第2画像計測、及びワーク移載制御を実行するようになっている。
トレイ移載制御(B)では、第1画像計測の結果に基づき最上段のトレイを別の積載スペースに移載する(S5、S7)。
第2画像計測(C)では、移載先の積載スペースの上方から撮影した画像に基づき、トレイの傾き角度を計測し、ロボットのベース座標を較正する(S6)。
ワーク移載制御(D)では、第2画像計測の結果に基づき、トレイ上のワークを所定位置に移載する(S6)。
また、搬出スペースb及び加工スペースcは、トレイのない空状態であり、ベースブロック4がテーブル3の上面に露出している状態にしておく。さらに、ロボット16は、予め原点復帰し、図示しない別の装置や段積みしたトレイと干渉しない位置に待機している。
すなわち、本発明のシステム始動時にカメラ14で、段積みスペース(搬入スペースa、搬出スペースb、及び加工スペースc)の上から撮影し、トレイ段数を計測し判定する。同時に、トレイの搬入/搬出スペースの空きを確認する。
これにより、トレイの搬入/搬出の人為的ミスを防止できる。
S6のワーク1の加工動作は、加工スペースcのトレイ上のワークが無くなり空になるまで、繰返し実施する。
加工スペースcのトレイが空になった後、その空トレイを加工スペースcから搬出スペースbへ搬送する(S7)。
S7において、最後のトレイが空になり、搬出スペースbへ搬送され他の空トレイの上に段積みすると、ロボットは原点復帰し(S9)、作動が完了する。
搬出スペースbに段積みされた空トレイは、例えば、作業員により、ロボットの作動範囲外に搬出する。
なお、搬出スペースbに搬出用シューター(図示せず)を設けて、自動的にロボットの作動範囲外に空トレイを搬出するようにしてもよい。
この位置は、カメラ14から見たトレイ把持部11又はベースブロック4の相対位置であり、水平面(X−Y座標)上の位置に相当する。
パターンマッチング(S13)は、粗探索であり、計測精度は低いがトレイ把持部11又はベースブロック4の位置と姿勢を決定することができる。
精密計測(S14)では、さらにトレイ把持部11又はベースブロック4の画像上の寸法(例えば円抽出と位置計算)からその高さ及びトレイの段積み数を算出する。
この高さは、例えばカメラ14の基準点とトレイ把持部11又はベースブロック4との鉛直距離であり、これから複数(例えば1〜5段)のトレイ10が段積みされている場合に、その段数を1枚のトレイの高さから算出することができる。
すなわち、トレイ把持部11またはベースブロック4の位置と姿勢を計測し(S13)、トレイ計測高さ(Z座標値)をロボット内部で持つ段数テーブルと比較することで段数を決定する。
また、計測した積載スペースにトレイがない場合にも、Z座標上の位置からトレイがないことを検出することができる。また、ベースブロック4の形状をトレイ把持部11と相違させて、パターンマッチング(S13)のみで、トレイがないことを検出してもよい。
このパターンマッチングは、ワーク1の寸法として、例えば2つの鉛直穴1aの中心間隔(画像上の距離)を用い、高さ算出の精度を高めるようになっている。高さ算出位置は、トレイ10との相対位置が既知であるかぎりどの位置であってもよい。
また、ワーク1のパターンマッチングは、既知の寸法を正確に検出できる限りで、その他の穴又は形状であってもよい。
この場合、各ワーク1は、トレイ10上に正確に設置されているので、3点以上のワーク1(4隅に置かれたワーク)の同一基準位置(例えば中心)を結ぶ平面は、同一の平面上にあり、かつトレイ10の基準面(例えば上面)と既知の間隔を隔てて平行である。
トレイ10が水平面と一致している場合、3点以上のワーク1の高さが一致し、トレイの傾き角度はX軸、Y軸に対して0となる。
例えば、3点のワーク1の基準位置(位置と高さ)が、上記3次元座標において、(Xi,Yi,Zi)(i=1,2,3)であれば、これらを結ぶ平面のX,Y軸に対する傾き角度Δθx、Δθyを求めることができる。
この較正は、上述した3次元座標系に対し、傾き角度Δθx、Δθyを用いて直交3軸(X−Y−Z軸)を較正するのがよい。
なお、上述した3次元座標系を予め設定せず、S23で得られた3点以上のワーク1の高さを結ぶ平面を、ロボットのベース座標として設定してもよい。
なお、ワーク移載制御における移動先は、図示しない別の装置(加工装置、組付装置等)である。
従って、トレイ上に並べられた部品(ワーク1)を利用し、トレイ4隅の部品高さを計測することで、トレイの傾きを計測することができる。トレイ傾き角度で、ロボットアーム16aのベース座標を較正するため、ワーク1を傾いて把持することを防止できる。
(2)またレーザ距離計などの常設センサで検知するとアームとセンサの干渉が問題となるが、アーム手先に取り付けたカメラ14で画像計測して、トレイ傾きを判定するので、このような問題は発生しない。
(3)さらに、トレイ上の部品(ワーク1)を利用しており、特別なマーカが不要である。
4a 鉛直穴、5 画像、
10 トレイ、10a 平板、
11 トレイ把持部、11a 鉛直穴、11b 位置決めピン、
12 ハンド、14 カメラ、
16 ロボット、16a ロボットアーム、
20 ロボット制御装置、22 画像処理装置、
24 ロボットコントローラ
Claims (5)
- 複数の積載スペースにそれぞれ段積み可能な複数のトレイと、
該トレイに設けられたトレイ把持部とトレイ上に積載されたワークを把持可能なハンドと、
該ハンドに取り付けられ前記トレイをその上方から撮影するカメラと、
前記ハンドを3次元的に移動可能なロボットと、
前記カメラで撮影した画像を画像処理して、前記ロボットを制御するロボット制御装置とを備え、
前記各積載スペースの上方から撮影した画像に基づき、最上段のトレイ把持部の位置及び姿勢と、各積載スペースのトレイの段積み数とを計測し、これに基づき最上段のトレイを移載し、
かつ移載先の積載スペースの上方から撮影した画像に基づき、トレイの傾き角度を計測し、これに基づきロボットのベース座標を較正し、トレイ上のワークを移載する、ことを特徴とするトレイ移載装置。 - 前記ロボット制御装置は、前記画像を画像処理して最上段のトレイ把持部の位置及び姿勢と、各積載スペースのトレイの段積み数とを計測する画像処理装置と、
画像処理装置の計測結果に基づき、ロボットのハンドにより、最上段のトレイ把持部を把持して別の積載スペースへ搬送し、かつトレイ上のワークを把持して所定位置へ搬送するロボットコントローラと、からなることを特徴とする請求項1に記載のトレイ移載装置。 - 複数の積載スペースにそれぞれ段積み可能な複数のトレイと、
該トレイに設けられたトレイ把持部とトレイ上に積載されたワークを把持可能なハンドと、
該ハンドに取り付けられ前記トレイをその上方から撮影するカメラと、
前記ハンドを3次元的に移動可能なロボットと、
前記カメラで撮影した画像を画像処理して、前記ロボットを制御するロボット制御装置とを備え、
(A)前記各積載スペースの上方から撮影した画像に基づき、最上段のトレイ把持部の位置及び姿勢と、各積載スペースのトレイの段積み数とを計測する第1画像計測と、
(B)第1画像計測の結果に基づき最上段のトレイを別の積載スペースに移載するトレイ移載制御と、
(C)移載先の積載スペースの上方から撮影した画像に基づき、トレイの傾き角度を計測し、ロボットのベース座標を較正する第2画像計測と、
(D)第2画像計測の結果に基づき、トレイ上のワークを所定位置に移載するワーク移載制御と、を有することを特徴とするトレイ移載方法。 - 前記第2画像計測において、前記画像上においてパターンマッチングにより3点以上のワークの高さを計測し、その結果からトレイの傾き角度を計測する、ことを特徴とする請求項3に記載のトレイ移載方法。
- 前記ワーク移載制御において、前記較正後のベース座標に基づきトレイ上のワークを把持し、持上げ、移動先に移動して、移動先に設置する、ことを特徴とする請求項3に記載のトレイ移載方法。
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